JP3923152B2 - 伝送装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、互いに相対回転する回転体と固定体との間で電気信号や光信号等を伝送する際に使用される伝送装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
互いに相対回転する回転体と固定体との間で電気信号等を伝送する伝送装置は、例えば、同軸上に配置される回転ケースと固定ケースとを相対的に回転自在に組み合わせ、回転ケースと固定ケースとによって形成される環状の空間内に、ぜんまい状に巻回した可撓性を有するフラットケーブルが、一端を回転ケース側に、他端を固定ケース側に、それぞれ保持させて巻き締まりあるいは巻き緩み自在に収納されている。
【0003】
従って、上記伝送装置は、フラットケーブルの長さに相当する分だけ回転ケースが固定ケースに対して相対回転することができ、スリップリングのように摺動接続部がないことから信頼性の高い伝送経路を構成することができる。
そして、上記伝送装置においては、相対回転に伴うケース相互間の摺動に起因する摺れ音、即ち、異音の抑制を目的として、回転ケースと固定ケースとの摺動部分に低価格で低温特性に優れた合成炭化水素系のグリスを塗布している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記合成炭化水素系のグリスは、ポリプロピレン等の汎用プラスチックに使用すると、素材中に浸透して膨潤させる。このような素材の膨潤を防ぐ目的から、従来の伝送装置においては、低価格の汎用プラスチックではなく、ポリブチレンテレフタレートやポリアセタール等の高価なエンジニアリングプラスチックを使用しなければならず、伝送装置の低価格化を図るうえでの障害となっていた。
【0005】
本発明は上記の点に鑑みてなされたもので、従来使用している合成炭化水素系のグリスと同等の異音と回転トルクの抑制効果を発揮しながら、ポリプロピレン等の汎用プラスチックを膨潤させることがなく、低価格化を図ることが可能な伝送装置を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため本発明者らは、伝送装置を構成する合成樹脂とグリスとの関係について鋭意実験並びに検討を重ねた。
その結果、伝送装置を構成する合成樹脂としてポリプロピレン等の低価格な汎用プラスチックを使用する場合、ポリグリコール系グリスは、従来使用している合成炭化水素系のグリスと同等の異音と回転トルクの抑制効果を発揮するにも関わらず、素材中に浸透して膨潤させることがないので最適な素材であることを見出し、本発明をなすに到ったのである。
【0007】
即ち、上記目的を達成するため、本発明の伝送装置は、互いに相対回転する回転体と固定体並びにぜんまい状に巻回される伝送体を有し、前記回転体と固定体とが互いに摺動自在に組み合わされ、内部に形成される環状の空間に前記伝送体が巻き締まりあるいは巻き緩み自在に収納される伝送装置であって、前記回転体と固定体とが合成樹脂からなり、前記回転体と固定体との摺動部分に、ポリグリコールを原料基油とし、増稠剤としてリチウムヒドロキシステアレートを含むポリグリコール系グリスが塗布されている構成としたのである。
【0008】
好ましくは、前記合成樹脂をポリプロピレンとする。また好ましくは、前記合成樹脂を、ポリブチレンテレフタレート,ポリアセタールあるいはABSのいずれかとする。
【0009】
【作用】
ポリグリコール系グリスを伝送装置の回転体と固定体との摺動部分に塗布すると、回転体や固定体の素材として汎用プラスチックを使用しても膨潤させることがないうえ、従来使用していた合成炭化水素系のグリスと同等の異音と回転トルクの抑制効果が発揮される。特に、ポリグリコール系グリスは、ポリプロピレン等の汎用プラスチックはもとより、ポリブチレンテレフタレートやポリアセタール等のエンジニアリングプラスチックに塗布しても、炭化水素系のグリスに比べて経時的な浸透量が小さく、合成樹脂の膨潤量が小さく抑えられる。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施形態を図1乃至図3に基づいて詳細に説明する。
伝送装置1は、図1(a),(b)に示すように、回転ケース2、固定ケース3及びフラットケーブル4を有している。
回転ケース2は、内筒2aの上部に半径方向外方へ延出するフランジ2bが一体に成形されている。そして、フランジ2bの外周縁には、後述する固定ケース3の係合フランジ3bの内周縁が係合する段部2cが、また、内筒2aの下端外周には、同じく固定ケース3の底フランジ3cの内周縁が係合する段部2dが、それぞれ形成されている。ここで、回転ケース2は、内筒2aに回転部材、例えば、自動車のステアリングコラムが挿通され、回転部材と共に回転する。
【0011】
固定ケース3は、外筒3aの上下に、半径方向内方へ延出する係合フランジ3bと底フランジ3cが形成されている。固定ケース3は、固定部材、例えば、自動車のインナーパネル等の車体側に固定支持される。そして、固定ケース3は、図示のように、回転ケース2と組み合わせることにより、内部に環状の空間Sが形成される。
【0012】
フラットケーブル4は、図示しない電気導体や光ファイバあるいはこれらを合成樹脂内に所定間隔で平行に配列させた可撓性を有する伝送体で、ぜんまい状に巻回され、一端を回転ケース2側に、他端を固定ケース3側に、それぞれ取り付けて環状の空間S内に収容される。
従って、伝送装置1は、フラットケーブル4が内筒2aに巻き締まったり巻き緩んだりすることにより、フラットケーブル4の長さに対応して回転ケース2の固定ケース3に対する時計方向あるいは反時計方向への相対回転が達成される。
【0013】
そして、以上のように構成される伝送装置1は、図2に示すように、回転ケース2と固定ケース3との摺動部分となる、フランジ2bの外周縁と係合フランジ3bの内周縁との間及び内筒2aの下端外周に形成された段部2dと底フランジ3cの内周縁との間に、それぞれポリグリコール系グリスGが塗布されている。ポリグリコール系グリスGとしては、伝送装置1の異音や回転トルクを従来の炭化水素系グリスと同等の抑制効果を有する、例えば、ポリグリコールを原料基油とし、増稠剤として耐熱性に優れ、電気抵抗が小さいリチウムヒドロキシステアレート(CH3(CH2)5CH(OH)(CH2)10COOLi)を約8wt%含む協同油脂株式会社製マルテンプAC−Jを使用することができる。
【0014】
ここで、ポリプロピレンとして高結晶ブロック、コポリマー(トクヤマ株式会社製,ポリエチレンリファインSH662)及びブロック、コポリマー(宇部興産株式会社製,ポリプロZS638)、ポリブチレンテレフタレートとして非強化徐燃高流動グレード(ポリプラ株式会社製,ジュラネックス2000)、ポリアセタールとして高流動性、サイクル短縮グレード、コポリマー(ポリプラ株式会社製ジュラコン,M270−12)及びABS樹脂としてポリアミド/ABS樹脂のアロイで耐熱グレード(日本合成ゴム株式会社製,45HK5NP)を用い、前記ポリグリコール系グリスGを塗布して350時間放置後における浸透に伴う質量変化率(%)を測定したところ図3に示す結果が得られた。
【0015】
ここで、質量変化率(%)は、前記各樹脂を用いて射出成形によって作成した試験片の全面に前記ポリグリコール系グリスGを塗布し、95℃,相対湿度25%の下で350時間放置して塗布前後における質量を測定し、次式により求めた。
質量変化率(%)=(塗布後の質量−塗布前の質量)/塗布前の質量
図3に示す結果から明らかなように、ポリグリコール系グリスGは、伝送装置1の回転ケース2及び固定ケース3がポリプロピレンからなるときには、炭化水素系グリスに比べて素材中への浸透に伴う質量変化率が1/2以下と小さいことから、ケース2,3を膨潤させることがなく、潤滑剤として最適であることが分かる。
【0016】
また、回転ケース2と固定ケース3を、前記ポリプロピレンで成形してフラットケーブル4を収納し、前記ポリグリコール系グリスGと前記炭化水素系グリスを塗布した伝送装置をそれぞれ10個用意した。
これらの伝送装置について、相対回転に伴って発生する異音(dB)と回転トルク(gf・cm)を測定したところ、表1のような結果(平均値)が得られた。
【0017】
表1に示す結果から明らかなように、伝送装置1は、回転ケース2と固定ケースとをポリプロピレンで成形しても、ポリグリコール系グリスGを使用すると、従来の炭化水素系グリスを使用した場合と同等の異音及び回転トルクの抑制効果を発揮する。
【0018】
【表1】
【0019】
また、図3に示す結果から明らかなように、伝送装置1は、コスト面で許容されるならば、回転ケース2と固定ケース3とをポリブチレンテレフタレート,ポリアセタールあるいはABS樹脂等のエンジニアリングプラスチックで成形してもよい。この場合にも、ポリグリコール系グリスGは、素材中への浸透に伴う質量変化率が炭化水素系グリスに比べて1/2以下と小さいことから、ケース2,3を膨潤させることがなく、潤滑剤として最適であることが分かる。
【0020】
【発明の効果】
請求項1の発明によれば、ポリグリコール系グリスを使用しても、従来のグリスを使用した伝送装置と同等の異音や回転トルクの抑制効果を発揮することができ、ポリプロピレン等の汎用プラスチックの使用が可能で一層安価に提供することができる伝送装置を提供することができる。
【0021】
請求項2、3の発明によれば、汎用プラスチックのみならず、コスト面で許容されるならば、エンジニアリングプラスチックを使用することもできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の伝送装置の一部を切り欠いた平面図(a)と、断面正面図(b)である。
【図2】図1(b)の伝送装置の回転体と固定体の摺動部分を拡大した正面図である。
【図3】伝送装置を構成する素材にグリスを塗布した際における各素材の質量変化率を示す特性図である。
【符号の説明】
1 伝送装置
2 回転ケース
2a 内筒
2b フランジ
2c,2d 段部
3 固定ケース
3a 外筒
3b 係合フランジ
3c 底フランジ
4 フラットケーブル
G ポリグリコール系グリス
S 環状の空間
Claims (3)
- 互いに相対回転する回転体と固定体並びにぜんまい状に巻回される伝送体を有し、前記回転体と固定体とが互いに摺動自在に組み合わされ、内部に形成される環状の空間に前記伝送体が巻き締まりあるいは巻き緩み自在に収納される伝送装置であって、前記回転体と固定体とが合成樹脂からなり、前記回転体と固定体との摺動部分に、ポリグリコールを原料基油とし、増稠剤としてリチウムヒドロキシステアレートを含むポリグリコール系グリスが塗布されていることを特徴とする伝送装置。
- 前記合成樹脂がポリプロピレンである、請求項1の伝送装置。
- 前記合成樹脂が、ポリブチレンテレフタレート,ポリアセタールあるいはABSのいずれかである、請求項1の伝送装置。
Priority Applications (1)
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JP31034497A JP3923152B2 (ja) | 1997-11-12 | 1997-11-12 | 伝送装置 |
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JP31034497A JP3923152B2 (ja) | 1997-11-12 | 1997-11-12 | 伝送装置 |
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JP31034497A Expired - Fee Related JP3923152B2 (ja) | 1997-11-12 | 1997-11-12 | 伝送装置 |
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1997
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