JP3922785B2 - 光半導体絶縁被覆保護剤 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、光半導体の絶縁被覆保護剤に関し、さらに詳しくは、電気絶縁性および光透過性に優れ、かつ封止樹脂との密着性に優れた、光半導体の絶縁被覆保護剤に関する。
【0002】
【従来の技術】
オプトカプラーは、発光ダイオードのような発光素子で発生した光を受光素子に送り、スイッチング回路を構成している。発光素子と受光素子の間は、電気的には絶縁され、光学的には結合している。従来から、発光部と受光部の間は、透明性を有するシリコーンが絶縁被覆保護剤として用いられている。しかしながら、シリコーン樹脂は、封止材として用いられるエポキシ樹脂との間に熱膨張係数の差が大きく、両者の界面が剥離してその間に空気層を生じ、該空気層にコンデンサ機能を生じるので、絶縁の耐電圧を高くすることができない。
【0003】
そのため、空気層の形成を防ぐために、封止用エポキシ樹脂の射出成形条件を制御して、エポキシ樹脂とシリコーン樹脂の界面が剥離しないようにする、オプトカプラーの製造プロセスの改良が行われている。しかしながら、オプトカプラーの構造が多岐にわたることと、さらに高い耐電圧が切望されていることから、該プロセスの複雑な制御を必要としないように、エポキシ樹脂との密着性に優れた、光半導体用の絶縁被覆保護剤が求められていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、シリコーン固有の耐熱性および電気絶縁性を有し、光透過性に優れ、さらにエポキシ樹脂のような封止用樹脂に対する密着性が著しく優れた、光半導体の絶縁被覆保護剤を提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、上記の目的を達成するために検討を重ねた結果、付加反応によって架橋しうるポリオルガノシロキサンを含む被覆保護剤において、架橋密度を制御し、充填剤として特定量の煙霧質シリカを用い、かつ硬化して得られるゲル状物の針入度を特定の範囲にすることにより、その目的を達成しうることを見出して、本発明を完成するに至った。
【0006】
すなわち、本発明の光半導体の素子を絶縁被覆保護するための被覆保護剤は
(A)一般式:
【化3】
Figure 0003922785
(式中、R1 はアルケニル基を表し;R2 は脂肪族不飽和結合を含まない置換または非置換の1価の炭化水素基を表し;aは1〜3の整数であり;bは0〜2の整数であり;ただし、a+bは1〜3の整数である)で示されるシロキサン単位を有するアルケニル基含有ポリオルガノシロキサンを含み、残余がケイ素原子に結合した有機基がR2 である直鎖状または分岐状のポリオルガノシロキサンであり、(A)の全分子に対してR1 を平均0.1〜0.8個有し、25℃における粘度が50〜1,000,000cSt であるポリオルガノシロキサン混合物100重量部;
(B)一般式:
【化4】
Figure 0003922785
(式中、R3 は置換または非置換の1価の炭化水素基を表し;cは0〜2の整数であり;dは1〜3の整数であり;ただし、c+dは1〜3の整数である)で示されるシロキサン単位を有し、ケイ素原子に結合した水素原子を分子中に平均2個を越える数有するポリオルガノハイドロジェンシロキサン、(A)成分中のアルケニル基1個に対して、(B)成分中のケイ素原子に結合した水素原子が0.2〜2.0個になる量;
(C)白金および白金化合物からなる群より選ばれた触媒の触媒量;ならびに
(D)シラン類、シラザン類および/またはシロキサン類で表面処理された煙霧質シリカ8〜30重量部を含み、
硬化して得られるゲル状物のASTM D1403 1/4コーンによる針入度が、80〜140であることを特徴とする。
【0007】
【発明の実施の形態】
本発明に用いられる(A)成分のポリオルガノシロキサン混合物は、本発明の被覆保護剤のベースポリマーであり、前述の式(I)で示されるシロキサン単位中に、ケイ素原子に直結したアルケニル基R1 を有するアルケニル基含有ポリオルガノシロキサンを含む。該アルケニル基含有ポリオルガノシロキサンのシロキサン骨格は、直鎖状、分岐状、環状または網状のいずれであってもよい。(A)成分中の残余のポリオルガノシロキサンは、ケイ素原子に結合した有機基がR2 であり、直鎖状または分岐状のシロキサン骨格を有する。混合物である(A)成分の粘度は、25℃において50〜1,000,000cSt であり、100〜500,000cSt が好ましい。50cSt 未満では、硬化して得られるゲル状物がもろく、1,000,000cSt を越えると未架橋状態における被覆保護剤の流動性が悪くなり、作業性が劣る。
【0008】
1 としては、ビニル、アリル、1−ブテニル、1−ヘキセニルなどが挙げられるが、合成が容易で、適切な硬化速度が得られることから、ビニル基が好ましい。R2 およびその他のシロキサン単位のケイ素原子に結合する有機基としては、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ヘキシル、ドデシルなどのアルキル基;フェニルなどのアリール基;2−フェニルエチル、2−フェニルプロピルなどのアラルキル基;3,3,3−トリフルオロプロピル、3−メトキシプロピル、3−グリシドキシプロピルなどの置換炭化水素基などが例示される。これらのうち、合成しやすく、しかも架橋後に良好な物理的性質を保つうえで必要な重合度を有して架橋前には低い粘度を保持するという点から、メチル基が最も好ましい。また、光半導体にしばしば求められる−60℃以下の低温における安定性を必要とする場合、R2 およびその他のシロキサン単位の有機基として、若干のフェニル基を導入することが好ましい。すなわち、(A)成分の全シロキサン単位に対して、フェニル基をメチルフェニルシロキサン単位として導入する場合は5〜15モル%、ジフェニルシロキサン単位として導入する場合は2.5〜10モル%のフェニル基含有単位を含むことが好ましい。また、特に高い光透過性が求められる場合、配合される煙霧質シリカと屈折率を合わせるために、R2 およびその他のシロキサン単位の有機基の一部にフェニル基を用いることもできる。
【0009】
1 は、(A)成分の全分子に対して平均0.1〜0.8個、好ましくは0.3〜0.7個存在する。この数が0.1個未満では、十分な架橋反応が行われず、形状が不安定で、また十分な機械的強度が得られない。一方、0.8個を越えると、硬化物が硬くなって、硬化後に適切な針入度の範囲の硬さの被覆保護剤が得られない。
【0010】
式(I)で示されるアルケニル基含有シロキサン単位は、(A)成分の分子鎖の末端、途中のいずれに存在しても、またその両方に存在してもよいが、硬化性および硬化後の物性の経時安定性を得るためには、(A)成分中のアルケニル基含有ポリオルガノシロキサンの大部分の、一方の末端に存在することが好ましい。すなわち、(A)成分としては、その一部が、一方の末端をジメチルビニルシロキシ基で封鎖されたポリジメチルシロキサンか、同様に一方の末端をジメチルビニルシロキシ基で封鎖されたポリメチルフェニルシロキサン、またはその両方を用いることが、特に好ましい。
【0011】
本発明に用いられる(B)成分のポリオルガノハイドロジェンシロキサンは、ケイ素原子に結合した水素原子が、式(II)で示されるシロキサン単位中に存在し、そのSi−H結合と、(A)成分中のアルケニル基との付加反応により、架橋剤として働く成分である。ケイ素原子に結合した水素原子の数は、(B)成分全体として分子中に平均2個を越える数であり、硬化して得られる被覆保護剤に機械的強度が必要な場合は、平均3個以上であることが好ましい。R3 およびその他のシロキサン単位の有機基としては、(A)成分におけるR2 と同様のものが例示され、合成が容易なこと、(A)成分との相溶性、および得られる被覆保護剤の物性から、メチル基が最も好ましく、必要に応じてR3 の一部としてフェニル基を導入してもよい。(B)成分の粘度は、合成および取扱いが容易なこと、ならびに保存中および架橋反応の際に揮発しないことから、25℃において10〜10,000cSt が好ましく、15〜500cSt がさらに好ましい。
【0012】
この(B)成分は、前述のようにケイ素原子に直接結合した水素原子を1分子中に平均2個を越える数有するものであれば、その分子構造に特に制限はなく、直鎖状、分岐状または環状のシロキサン骨格を有するものが使用できるが、合成のしやすさから、直鎖状のもの、またはR3 2HSiO1/2 単位とSiO2 単位からなるポリオルガノハイドロジェンシロキサンが好ましい。また、被覆保護剤に機械的性質が特に必要な場合は、そのシロキサン骨格の如何によらず、ケイ素原子に直接結合した水素原子の少なくとも一部は、ジメチルハイドロジェンシロキサン単位のようなR3 2HSiO1/2 単位として存在すること、すなわち、直鎖状の場合は両末端に存在することが特に好ましい。
【0013】
(B)成分の配合量は、(A)成分中のアルケニル基1個に対し、(B)成分中のケイ素原子に結合した水素原子の数が0.2〜2.0個となるような量である。上記のアルケニル基1個に対する水素原子の数が0.2個未満の場合は、架橋密度が低くなり過ぎるため架橋が十分進行せず、架橋後でも流動性が残るなど、所望の物理的性質が得られず、好ましくない。また、水素原子が2.0個を越えると、硬化後の被覆保護剤が硬くなり、適切な針入度のものが得られない。
【0014】
本発明に用いられる(C)成分の白金および白金化合物から選ばれる触媒は、(A)成分のアルケニル基と(B)成分のヒドロシリル基との間の付加反応を促進するものである。(C)成分としては、塩化白金酸、塩化白金酸とアルコールより得られる錯体、白金−オレフィン錯体、白金−ビニルシロキサン錯体、その他の白金配位化合物、白金の単体(白金黒)、またはアルミナ、シリカなどの担体に白金の単体を担持したものなどを用いることができる。なお、未硬化の本発明の被覆保護剤を単一の容器中に保存する場合、アルコール系またはグリコール系の溶媒を共存させると、系の経時安定性を損なうことがある。したがって、そのような場合には、これらの溶媒の使用を避けて、エーテル系溶剤、炭化水素系溶剤などに溶解して用いることが好ましい。
【0015】
(C)成分の配合量は、(C)成分の触媒としての有効量であるが、(A)成分に対する白金原子として1.0〜30ppm が好ましく、2.0〜20ppm の範囲が特に好ましい。1.0ppm 未満では硬化阻害などの影響を受けやすく、30ppm を越えると、加熱により着色することがある。
【0016】
本発明で用いられる(D)成分の煙霧質シリカは、本発明の被覆保護剤の、封止剤に対する密着性を向上させるものである。密着性は、煙霧質シリカ表面のシラノール基の効果によるものであり、少量の煙霧質シリカの使用によって密着性を向上させるには比表面積の大きいものほど有効であるが、作業性を考慮して、BET法による比表面積が175〜330m2/gの範囲のものが好ましい。(A)成分および(B)成分との親和性、ならびに硬化後の被覆保護剤の透明性および耐熱性を向上させるためには、トリメチルクロロシラン、トリメチルメトキシシラン、ヘキサメチルジシラザン、ヘキサメチルシクロトリシロキサン、オクタメチルシクロテトラシロキサンのようなシラン類、シラザン類および/またはシロキサン類で表面処理して用いることが好ましい。
【0017】
(D)成分の配合量は、(A)成分100重量部に対して8〜30重量部であり、10〜25重量部が好ましい。8重量部未満では、エポキシ樹脂のような封止剤との密着性に乏しく、30重量部を越えると、煙霧質シリカが凝集して、硬化した被覆保護剤の透明性や耐熱性を低下させることがある。
【0018】
本発明の光半導体絶縁被覆保護剤は、(A)〜(D)成分を含み、硬化後の硬さが、ASTM D1403に規定され、1/4コーンによって測定された針入度が80〜140、好ましくは85〜120の範囲になるように処方される。針入度が80未満では、封止剤との十分な密着性が得られず、140を越えると、封止剤を射出成形する際に硬化被覆保護剤層の変形が起こる。
【0019】
本発明の被覆保護剤に、本発明の目的を阻害しないかぎり、必要に応じて種々の添加剤を含有させることができる。たとえば接着性付与の目的で(メタ)アクリロイル基やエポキシ基のような炭素官能性基を有するシラン化合物もしくはシロキサン化合物、またはトリアルコキシシリル基とエステル結合を含む側鎖を有し、かつ環状のケイ素原子に結合した水素原子を有する環状シロキサンのような接着性付与剤;被覆保護剤を調製した後の常温における保存中の安定性を増すための架橋反応遅延剤;難燃化剤などを配合することができる。
【0020】
(A)〜(D)成分を、架橋反応遅延剤の存在または非存在下に、ニーダーなどの混合手段を用いて均一に混合することによって調製し、常温または低温下に単一容器に保存することができ、作業性からはこのタイプのものが好ましい。また、(A)成分の一部と(B)成分とを含む混合物、および(A)成分の一部と(C)成分とを含む混合物を別々に調製しておき、使用直前に混合して被覆保護剤としてもよい。この場合、(D)成分は、一方または両方の混合物中に配合してよいが、通常は、両方の混合物がそれぞれ適度の流動性を保つように、両方の混合物中に分配される。
【0021】
本発明の被覆保護剤は、通常、押出し、滴下、または注入装置によって半導体チップの表面に処理され、加熱によって架橋反応を起こし、所定の性状の架橋体を形成する。加熱条件は、たとえば60℃で数分の加熱により、流動せず、形状を保持できる架橋体が得られる。
【0022】
【発明の効果】
本発明によって得られる光半導体絶縁被覆保護剤は、透明性、電気絶縁性および耐熱性に優れ、かつ封止剤との密着性に優れており、光半導体を用いるデバイスの耐電圧を向上させることに大きく寄与する。したがって、本発明の被覆保護剤は、オプトカプラーなどの光半導体の被覆保護剤として、極めて有用である。
【0023】
【実施例】
以下、実施例により、本発明をさらに具体的に説明する。本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。実施例および比較例中、部はすべて重量部を意味し、粘度は25℃における粘度を表す。なお、炭化水素基には、次の記号を用いる。
Me:メチル基、Vi:ビニル基、Ph:フェニル基。
【0024】
実施例および比較例において、(A)〜(D)成分として、下記の材料を用いた。なお、以下の分子式はすべて平均式であり、複数の中間シロキサン単位および/または複数の末端シロキサン単位を含むものは、単にシロキサン単位の数を示すのであって、ブロック共重合体を意味せず、共重合体はすべてランダム共重合体である。
【0025】
A−1:平均式
【化5】
Figure 0003922785
で示される、一部のポリシロキサンの末端にビニル基を含有する、粘度が700cPのポリジメチルシロキサン混合物;
A−2:平均式
【化6】
Figure 0003922785
で示される、一部のポリシロキサンの末端にビニル基を含有する、粘度が2,000cPのポリメチルフェニルシロキサン混合物;
A−3:平均式
【化7】
Figure 0003922785
で示される、一部のポリシロキサンの末端にビニル基を含有する、粘度が650cPのポリジメチルシロキサン;
A−4:平均式
【化8】
Figure 0003922785
で示される、粘度が650cPの両末端ビニル基含有ポリジメチルシロキサン;
A−5:平均式
【化9】
Figure 0003922785
で示される、粘度が2,000cPの両末端ビニル基含有ポリメチルフェニルシロキサン;
B−1:平均式
【化10】
Figure 0003922785
で示される、粘度が50cPのポリメチルハイドロジェンシロキサン;
B−2:平均式
【化11】
Figure 0003922785
で示される、粘度が100cPのポリメチルハイドロジェンシロキサン;
B−3:平均式
【化12】
Figure 0003922785
で示される、粘度が50cPのポリメチルハイドロジェンシロキサン;
C−1:白金−ビニルシロキサン錯体を、両末端がビニルジメチルシロキシ単位で封鎖されたポリジメチルシロキサンに溶解した、白金原子換算0.5重量%の有効成分を含有する溶液;
D−1:平均粒径が12nm、比表面積が200m2/gであり、表面をヘキサメチルジシラザンで処理した煙霧質シリカ;および
D−2:平均粒径が7nm、比表面積が300m2/gの煙霧質シリカ。
【0026】
実施例1〜5、参考例6、比較例1〜3
表1に示す組成で、上記の材料をそれぞれニーダーによって均一になるまで常温で混合して、それぞれ未硬化の被覆保護剤を調製した。これらの被覆保護剤の硬化後の針入度、光透過性、およびエポキシ樹脂との密着性を、次のようにして評価した。
【0027】
針入度
未硬化の被覆剤をパイレックスビーカーにとり、180℃の熱風乾燥機中で30分間加熱して硬化させた。室温においてビーカーから取り出し、ASTM D1403により、1/4コーンを用いて針入度を測定して、初期針入度とした。これをさらに180℃の熱風乾燥機に30日放置してから室温に戻し、再び同様に針入度を測定して、耐熱試験後の値とした。
【0028】
光透過率
未硬化の被覆剤を、上記と同様にして180℃で30分加熱することによって硬化させた後、厚さ1mmの石英セルに入れて、波長600nmの光の透過率を測定した。
【0029】
エポキシ樹脂との密着性
未硬化の被覆剤1gをアルミシャーレにとり、180℃で30分間加熱して硬化させた。ついで、未硬化のエポキシ樹脂1gをその上に流し込み、180℃のホットプレート上で10分間加熱して硬化させた。室温まで冷却してシャーレから取り出し、硬化した被覆剤とエポキシ樹脂の間の引剥しを行って、密着性を定性的に評価した。なお、エポキシ樹脂としては、XN1184SP/XN1185SP (長瀬チバ(株)商品名)およびMR150SGC(日東電気工業(株)商品名)をそれぞれ用いた。
【0030】
これらの結果は、表1に示すとおりであった。
【0031】
【表1】
Figure 0003922785
【0032】
実施例1〜5、参考例6の絶縁被覆保護剤は、光透過性およびエポキシ樹脂への密着性に優れ、しかも耐熱性が優れている。それに対して、両末端にビニル基を有するポリジメチルシロキサンを用いた比較例1および比較例3の保護剤は、いずれも密着性と耐熱性が悪い。また比較例2の保護剤は、多量の煙霧質シリカを配合することにより、密着性は向上したが、光透過性が劣るうえに、耐熱性が著しく低い。

Claims (4)

  1. (A)一般式:
    Figure 0003922785
    (式中、R1 はアルケニル基を表し;R2 は脂肪族不飽和結合を含まない置換または非置換の1価の炭化水素基を表し;aは1〜3の整数であり;bは0〜2の整数であり;ただし、a+bは1〜3の整数である)で示されるシロキサン単位を有するアルケニル基含有ポリオルガノシロキサンを含み、残余がケイ素原子に結合した有機基がR2 である直鎖状または分岐状のポリオルガノシロキサンであり、(A)の全分子に対してR1 を平均0.1〜0.8個有し、25℃における粘度が50〜1,000,000cSt であるポリオルガノシロキサン混合物100重量部;
    (B)一般式:
    Figure 0003922785
    (式中、R3 は置換または非置換の1価の炭化水素基を表し;cは0〜2の整数であり;dは1〜3の整数であり;ただし、c+dは1〜3の整数である)で示されるシロキサン単位を有し、ケイ素原子に結合した水素原子を分子中に平均2個を越える数有するポリオルガノハイドロジェンシロキサン、(A)成分中のアルケニル基1個に対して、(B)成分中のケイ素原子に結合した水素原子が0.2〜2.0個になる量;
    (C)白金および白金化合物からなる群より選ばれた触媒の触媒量;ならびに
    (D)シラン類、シラザン類および/またはシロキサン類で表面処理された煙霧質シリカ8〜30重量部を含み、
    硬化して得られるゲル状物のASTM D1403 1/4コーンによる針入度が、80〜140であることを特徴とする光半導体の素子を絶縁被覆保護するための被覆保護剤。
  2. (A)におけるアルケニル基含有ポリオルガノシロキサンのうちの一部が、一方の末端をジメチルビニルシロキシ単位で封鎖されたポリジメチルシロキサンおよび/またはポリメチルフェニルシロキサンである、請求項1記載の被覆保護剤。
  3. (B)が、ジメチルハイドロジェンシロキサン単位を有するポリメチルハイドロジェンシロキサンである、請求項1または2記載の被覆保護剤。
  4. オプトカプラーの被覆保護剤である、請求項1〜3のいずれか1項記載の被覆保護剤。
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