JP2003165906A - シリコーンゲル組成物およびシリコーンゲル - Google Patents

シリコーンゲル組成物およびシリコーンゲル

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JP2003165906A JP2001363882A JP2001363882A JP2003165906A JP 2003165906 A JP2003165906 A JP 2003165906A JP 2001363882 A JP2001363882 A JP 2001363882A JP 2001363882 A JP2001363882 A JP 2001363882A JP 2003165906 A JP2003165906 A JP 2003165906A
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silicone gel
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hydrogen atoms
polyorganosiloxane
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Chisato Hoshino
千里 星野
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GE Toshiba Silicones Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 耐熱性および電気絶縁性を有し、密着性に優
れ、温度変化によってクラックが発生することがないシ
リコーンゲルを形成しうる組成物を提供する。 【解決手段】 分子末端に、分子中、平均0.1〜2.
0個のアルケニル基を有するポリオルガノシロキサン、
中間シロキサン単位の50%以上がケイ素原子に結合す
る水素原子を有するポリオルガノハイドロジェンシロキ
サン、両末端にケイ素原子に結合する水素原子を有する
ポリオルガノハイドロジェンシロキサンおよび白金族金
属化合物を含むシリコーンゲル組成物、ならびにそれを
硬化させて得られるシリコーンゲル。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、硬化してシリコー
ンゲルを形成するシリコーンゲル組成物に関し、特に、
各種センサー、パワーモジュールなどの電子機器への封
入またはポッティングに適し、密着性に優れ、温度変化
によるクラックが発生することがないシリコーンゲルを
形成するシリコーンゲル組成物に関する。また、本発明
は、上記の組成物を硬化させて得られるシリコーンゲル
に関する。
【0002】
【従来の技術】ケイ素原子に結合したアルケニル基とヒ
ドロシリル基との付加反応によって硬化して、ゲル状物
を形成しうるポリオルガノシロキサン組成物について
は、各種の技術が開示され、電気機器の部品、デバイス
などのポッティングやエンキャプシュレーションに広く
用いられている。
【0003】このようなポリオルガノシロキサン組成物
として、特開昭48−17847号公報には、ポリオル
ガノハイドロジェンシロキサンのケイ素原子に結合した
水素原子の量を、該ポリオルガノハイドロジェンシロキ
サン1分子中に平均1.4〜1.8個とし、かつビニル
基含有ポリオルガノシロキサン中のビニル基1個に対し
て1個以下に抑えることが開示され、特開昭54−15
957号公報および特開昭54−48720号公報に
は、ケイ素原子に結合した水素原子の量を、ビニル基1
個に対して0.3〜0.8個という、比較的少量存在さ
せた組成物が開示されている。また、ビニル基含有ポリ
オルガノシロキサンとしては、上記の特開昭54−15
957号公報には、分子末端をメチルビニルフェニルシ
ロキシ基で封鎖されたポリジメチルシロキサンを用いる
こと、また上記の特開昭54−48720号公報には、
ともにケイ素原子に結合した少なくとも2個のビニル基
と少なくとも1個の水酸基を有するポリオルガノシロキ
サンを用いることが提案されている。
【0004】しかしながら、このような技術によって調
製されたポリオルガノシロキサン組成物を硬化させて得
られるシリコーンゲルは、粘着性が低いために基材に密
着せず、電子機器の部品、デバイスなどのポッティング
に用いた場合、該シリコーンゲルと部品もしくはデバイ
ス、またはそれらの封止に用いられるエポキシ樹脂のよ
うな封止剤との密着性が悪いために、空隙を生じ、そこ
から湿気の侵入、腐食および絶縁不良を招くことがあ
る。また、温度変化によってクラックが発生することが
あり、高電圧部品のポッティングなどに用いた場合、ゲ
ルと封止剤との間に生じたクラックが空気層となって、
コンデンサ機能を生じ、放電するので、耐電圧特性を損
なう。
【0005】これらの問題を解決するため、特開昭62
−39658号公報には、ビニル基含有ポリオルガノシ
ロキサンを含むポリオルガノシロキサンの、ビニル基の
量を1分子中0.1〜2.0個にすることによって、シ
リコーンゲルに封止剤との粘着性を付与することが開示
されている。しかしながら、このようなビニル基含有ポ
リオルガノシロキサンの分子構造を変えるだけでは、シ
リコーンゲルと封止剤との間の密着性を十分に満足させ
ることはできず、密着性のさらなる改良が望まれてい
た。
【0006】特開平6−16942号公報および特開平
11−246771号公報には、付加反応によって硬化
してゲル状物を形成するポリオルガノシロキサン組成物
に、得られるゲル状物の基材への密着性を向上させるた
めに、分子中にエステル結合を有するアルコキシシラン
化合物、またはエポキシ基を有するポリシロキサンを配
合することが開示されている。しかしながら、このよう
な添加剤が存在する系は、最近の高集積の電子機器のよ
うに耐熱性を要する用途や、優れた透明性を必要とする
用途には、添加剤の存在によって耐熱性または透明性が
不十分なケースがある。
【0007】また、特開平6−107947号公報およ
び特開平10−101933号公報には、同様の付加反
応によってゲル状物を形成する系に、ケイ素原子に結合
したアルコキシ基を有するケイ素化合物、および有機基
含有アルミニウム化合物のような縮合反応触媒、そして
後者ではさらにポリオルガノシロキサンレジンを存在さ
せることにより、基材への粘着性を与えることが開示さ
れている。しかしながら、このような系は、硬化性が劣
り、また加熱状態で使用した後の外観が悪くなる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、硬化
性に優れ、硬化により、シリコーン固有の耐熱性および
電気絶縁性を有し、密着性が著しく優れ、温度変化によ
ってクラックが発生することがないシリコーンゲルを形
成しうるシリコーンゲル組成物を提供することである。
本発明のもう一つの目的は、そのようなシリコーンゲル
組成物を硬化して得られるシリコーンゲルを提供するこ
とである。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記の目的
を達成するために検討を重ねた結果、付加反応によって
硬化してゲル状物を形成するポリオルガノシロキサン組
成物において、ポリオルガノハイドロジェンシロキサン
として、いずれも直鎖状であって、中間シロキサン単位
の50〜100モル%がオルガノハイドロジェンシロキ
サン単位であるポリオルガノハイドロジェンシロキサン
と、ケイ素原子に結合した水素原子が両末端のみに存在
するポリオルガノハイドロジェンシロキサンとを併用す
ることにより、その目的を達成しうることを見出して、
本発明を完成するに至った。
【0010】すなわち、本発明のシリコーンゲル組成物
は、 (A)一般式:
【0011】
【化4】
【0012】(式中、R1は、アルケニル基か、または
脂肪族不飽和結合を含まない非置換もしくは置換の1価
の炭化水素基を表し、R1のうち、(A)の分子中、平
均0.1〜2.0個がアルケニル基であり;R2は、脂
肪族不飽和結合を含まない非置換または置換の1価の炭
化水素基を表し;nは、正の整数である)で示され、2
5℃における粘度が50〜1,000,000mm2/s{c
St}であるポリオルガノシロキサン100重量部; (B)下記の(B−1)および(B−2): (B−1)一般式(II):
【0013】
【化5】
【0014】(式中、R3は、脂肪族不飽和結合を含ま
ない非置換または置換の1価の炭化水素基を表し;R4
は、たがいに独立して、水素原子か、または脂肪族不飽
和結合を含まない非置換もしくは置換の1価の炭化水素
基を表し;p+qは、3〜500の整数であり、pは、
p+qは、50〜100%である)で示され、ケイ素原
子に結合した水素原子を分子中平均2個を越える数有す
る中間Si−H結合含有ポリオルガノハイドロジェンシ
ロキサン、(A)成分中のアルケニル基1個に対して、
(B−1)成分中のケイ素原子に結合した水素原子が
0.1〜0.4個になる量; (B−2)一般式(III):
【0015】
【化6】
【0016】(式中、R3は、前述のとおりであり;m
は、3〜300の整数である)で示される両末端Si−
H結合含有ポリオルガノハイドロジェンシロキサンを組
み合わせて構成されたポリオルガノハイドロジェンシロ
キサン、(A)成分中のアルケニル基1個に対して、
(B−2)成分中のケイ素原子に結合した水素原子が
0.3個以上であって、かつ該水素原子と(B−1)成
分中の同様の水素原子との合計量が2.0個以下になる
量;ならびに (C)白金系触媒の触媒量 を含むことを特徴とする。また、本発明は、そのような
シリコーンゲル組成物を硬化させて得られるシリコーン
ゲル、特にASTM D1403に基づき、1/4コー
ンを用いて測定した針入度が20〜80であるシリコー
ンゲルに関する。
【0017】
【発明の実施の形態】本発明に用いられる(A)成分の
ポリオルガノシロキサンは、本発明のシリコーンゲル組
成物のベースポリマーであり、前述の一般式(I)で示
される直鎖状のシロキサン骨格を有し、末端シロキサン
単位中に、R1の一部または全部として、ケイ素原子に
直結したアルケニル基を有する。R1のうちのアルケニ
ル基は、(A)成分1分子中に平均0.1〜2.0個、
好ましくは0.4〜2.0個存在する。この数が0.1
個未満では、反応に与らないポリオルガノシロキサンが
多くなって、基材への粘着性が低下するうえ、形状が不
安定で、また十分な機械的強度が得られない。
【0018】R1の一部であるアルケニル基は、たがい
に同一でも異なっていてもよく、ビニル、アリル、3−
ブテニル、5−ヘキセニルなどが挙げられるが、合成が
容易で、適切な硬化速度が得られることから、ビニル基
が好ましい。残余のR1およびR2の、脂肪族不飽和結合
を含まない非置換または置換の1価の炭化水素基は、た
がいに同一でも異なっていてもよく、メチル、エチル、
プロピル、ブチル、ヘキシル、ドデシルなどのアルキル
基;フェニルなどのアリール基;2−フェニルエチル、
2−フェニルプロピルなどのアラルキル基;3,3,3
−トリフルオロプロピル、3−メトキシプロピルなどの
置換炭化水素基などが例示される。これらのうち、架橋
して得られるシリコーンゲルに優れた耐熱性を与えるこ
とから、メチル基またはフェニル基が好ましく、合成し
やすく、しかも架橋後に良好な物理的性質を保つうえで
必要な重合度を有しつつ、架橋前には低い粘度を保持し
て、取扱いやすいことから、メチル基が最も好ましい。
また、耐寒性を必要とする場合、若干のフェニル基を導
入することが好ましい。すなわち、R1とR2の合計量に
対して、フェニル基をメチルフェニルシロキサン単位と
して導入する場合は5〜15モル%、ジフェニルシロキ
サン単位として導入する場合は2.5〜10モル%のフ
ェニル基含有単位を含むことが好ましい。また、耐熱性
が求められる場合、R1とR2の合計量に対して50モル
%までのフェニル基を用いることもできる。
【0019】(A)成分の粘度は、25℃において50
〜1,000,000mm2/s{cSt}であり、300〜
5,000mm2/s{cSt}が好ましい。50mm2/s{cSt}
未満では未架橋状態で流れやすく、また架橋によって得
られる硬化物がもろい。1,000,000mm2/s{cS
t}を越えると、未架橋状態における組成物の流動性が
悪くなり、作業性が劣る。
【0020】本発明に用いられる(B)成分のポリオル
ガノハイドロジェンシロキサンは、ともに実質的に直鎖
状のシロキサン骨格を有する(B−1)中間Si−H結
合含有ポリオルガノハイドロジェンシロキサンと、(B
−2)両末端Si−H結合含有ポリオルガノハイドロジ
ェンシロキサンとを組み合わせて構成される。それ以外
のポリオルガノハイドロジェンシロキサンが、本発明の
特徴を阻害しない程度に、微量存在しても差支えない。
【0021】(B−1)成分と(B−2)成分における
3は、たがいに同一でも異なっていてもよく、(A)
成分におけるR2と同様のものが例示され、(A)成分
との相溶性から、R1と同じ基、または同じ組み合わせ
の基であることが好ましい。また、合成が容易なこと、
上記の最も好ましい(A)成分との相溶性、合成および
取扱いの容易性、ならびに得られるシリコーンゲルの物
性から、メチル基が最も好ましく、必要に応じてR3
一部としてフェニル基を導入してもよい。(B−1)成
分の両末端シロキサン単位のケイ素原子に結合したR4
は、たがいに独立して水素原子か、(A)成分における
2と同様の炭化水素基が例示され、炭化水素基が好ま
しく、R3と同様な理由から、メチル基が最も好まし
い。
【0022】(B−1)成分は、一般式(II)で示され
るように、中間シロキサン単位のケイ素原子に結合した
水素原子が存在し、そのSi−H結合と、(A)成分中
のアルケニル基との付加反応により、架橋剤として働く
とともに、架橋して得られるシリコーンゲルに、優れた
密着性を与える成分である。一般式(II)にR4として
示されるように、(B−1)成分の末端シロキサン単位
には、その一方または両方に、ケイ素原子に結合した水
素原子が存在していてもよい。なお一般式(II)は、単
に分子中に存在するシロキサン単位の数を示すものであ
って、ブロック共重合体を意味するものではなく、(B
−1)成分は、複数種の中間シロキサン単位を有するラ
ンダム共重合体であってよい。ケイ素原子に結合した水
素原子の数は、(B)成分全体として分子中に平均2個
を越える数であり、架橋して得られるシリコーンゲルに
機械的強度が必要な場合は、平均3個以上であることが
好ましい。
【0023】(B−1)成分の中間単位数p+qは、3
〜500の整数であり、好ましくは5〜150である。
p+qが1または2では、保存中および/または加熱硬
化の際に揮発しやすいばかりでなく、架橋して得られる
シリコーンゲルに十分な柔軟性と機械的強度を与えるこ
とができず、500を越えると硬化性が悪くなる。本発
明にとって特徴的なことは、p+qに対するpの割合
が、50〜100%の範囲であり、好ましくは52%以
上であることである。この割合が50%未満では、架橋
して得られるシリコーンゲルに、優れた密着性を与える
ことはできない。
【0024】(B−1)成分の配合量は、(A)成分中
のアルケニル基1個に対し、(B−1)成分中のケイ素
原子に結合した水素原子の数が0.1〜0.4個、好ま
しくは0.15〜0.4個となるような量である。アル
ケニル基1個に対する上記の水素原子の数が0.1個未
満の場合は、十分な密着性が得られない。また、上記の
水素原子の数が0.4個を越えると、架橋後のシリコー
ンゲルが脆くなり、経時的にさらに脆くなってクラック
を生じやすい。
【0025】(B−2)成分は、一般式(III)で示さ
れるように、両末端のシロキサン単位のケイ素原子に結
合した水素原子が存在し、同様にそのSi−H結合と
(A)成分中のアルケニル基との付加反応を行い、シリ
コーンゲルに柔軟性を与える成分である。(B−2)成
分中の中間単位数mは、3〜300の整数であり、好ま
しくは5〜100である。mが1または2では、保存中
および/または加熱硬化の際に揮発しやすいばかりでな
く、シリコーンゲルに十分な柔軟性を与えることができ
ず、300を越えると組成物の流動性に悪影響を及ぼ
す。
【0026】(B−2)成分の配合量は、(A)成分中
のアルケニル基1個に対し、(B−2)成分中のケイ素
原子に結合した水素原子の数が0.3個以上、好ましく
は0.35〜1.5個となるような量である。アルケニ
ル基1個に対する上記の水素原子の数が0.3個未満の
場合は、十分な密着性が得られない。また、上記の水素
原子の数の上限は、(B−1)を含めた(B)中の上記
の水素原子の数によって限定される。
【0027】このような(B−1)成分と(B−2)成
分を配合して得られる(B)ポリオルガノハイドロジェ
ンシロキサンの粘度は、合成および取扱いが容易なこ
と、ならびに保存中および架橋反応の際に揮発しないこ
とから、25℃において3〜3,000mm2/s{cSt}が
好ましく、5〜150mm2/s{cSt}がさらに好ましい。
【0028】(B)成分の配合量は、(A)成分中のア
ルケニル基1個に対し、(B)成分中のケイ素原子に結
合した水素原子の数が0.4〜2.0個、好ましくは
0.6〜1.75個となるような量である。アルケニル
基1個に対する上記の水素原子の数が0.4個未満の場
合は、架橋が十分に進行せず、シリコーンゲルが柔らか
くなり過ぎ、十分な機械的強度が得られなくなる。ま
た、上記の水素原子の数が2.0個を越えると、架橋後
のシリコーンゲルが硬くなり、適切な針入度のものが得
られないばかりか、経時的にさらに硬くなるので、クラ
ックを生じやすい。
【0029】本発明に用いられる(C)成分の白金族金
属化合物は、(A)成分のアルケニル基と(B)成分の
ヒドロシリル基との間の付加反応を促進するものであ
る。(C)成分としては、白金、パラジウム、ロジウム
などの化合物を用いることができ、塩化白金酸、塩化白
金酸とアルコールより得られる錯体、白金−オレフィン
錯体、白金−ビニルシロキサン錯体、白金−ケトン錯
体、その他の白金配位化合物のような白金化合物;テト
ラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウムのような
パラジウム化合物;それらの混合物などが例示される。
なお、未硬化の本発明のシリコーンゲル組成物を単一の
容器中に保存する場合、アルコール系またはグリコール
系の溶媒を共存させると、系の経時安定性を損なうこと
がある。したがって、そのような場合には、これらの溶
媒の使用を避けて、エーテル系溶剤、炭化水素系溶剤な
どに溶解して用いることが好ましい。
【0030】(C)成分の配合量は、(C)成分の触媒
としての有効量であるが、(A)成分に対する金属原子
の質量として0.01〜100ppm が好ましい。0.0
1ppm 未満では付加反応が十分に進行せず、100ppm
を越えると、高温で着色することがある。
【0031】本発明のシリコーンゲル組成物に、本発明
の目的を阻害しないかぎり、必要に応じて、煙霧質シリ
カ、ヘキサメチルジシラザンのようなシリル化剤で表面
処理を行った煙霧質シリカ、沈殿シリカ、シリカエアロ
ゲル、粉砕石英、けいそう土、酸化チタン、酸化アルミ
ニウム、炭酸カルシウム、カーボンブラックのような無
機質充填剤;トルエン、キシレン、n−ヘキサン、テト
ラヒドロフランのような溶媒;ポリジメチルシロキサン
のような、組成物の見掛粘度を調整するための希釈剤;
アセチレンアルコール類、アルキニル基含有シラン類、
ビニル基含有低分子シロキサン化合物のような架橋反応
遅延剤;難燃化剤;着色剤;ならびにチキソトロピー性
付与剤;接着性向上剤などの添加剤を配合することがで
きる。
【0032】本発明のシリコーンゲル組成物は、(A)
〜(C)成分を、架橋反応遅延剤の存在または非存在下
に、ディスパー、万能混練機、ロールなどの混合手段を
用いて均一に混合することによって調製することがで
き、常温または低温下に単一容器に保存することができ
る。作業性からは、このタイプのものが好ましい。ま
た、たとえば、(A)成分の一部と(B)成分を含む混
合物、ならびに(A)成分の一部と(C)成分を含む混
合物を別々に調製しておき、使用直前に混合して硬化さ
せ、シリコーンゲルを得てもよい。無機質充填剤は、必
要な場合、一方または両方の混合物中に適宜配合してよ
いが、通常は、両方の混合物がそれぞれ適度の流動性を
保つように、両方の混合物中に分配される。
【0033】本発明によって得られるシリコーンゲル
は、クラックを発生せず、かつ優れた密着性を示すこと
から、ASTM D1403に基づき、1/4コーンを
用いて測定した針入度が、20〜80の範囲であること
が好ましく、25〜80の範囲がさらに好ましい。換言
すれば、本発明のシリコーンゲル組成物は、下記の硬化
条件によって、上記範囲の針入度を有するシリコーンゲ
ルを与えるものが好ましい。
【0034】本発明のシリコーンゲル組成物は、通常、
注型、含浸、滴下、塗布または注入装置によって、たと
えばパーモジュールのような電子部品に注入され、加熱
によって架橋反応を起こし、基材の表面に密着した、所
定の性状のシリコーンゲルを形成する。加熱条件は、通
常、80〜180℃で30分〜3時間であって、たとえ
ば100℃で60分の加熱により、流動せず、形状を保
持できる軟質の硬化物であるシリコーンゲルが得られ
る。
【0035】
【実施例】以下、実施例により、本発明をさらに具体的
に説明する。本発明は、これらの実施例に限定されるも
のではない。実施例および比較例中、部はすべて重量部
を意味し、粘度は25℃における粘度を表す。なお、シ
ロキサン単位には、次の記号を用いる。 M:(CH3)3SiO1/2;MH:(CH3)3SiO1/2;MV:(CH3)3Si
O1/2 D:(CH3)2SiO ;DH:(CH3)HSiO ;Q :SiO4/2
【0036】実施例および比較例において、(A)、
(B−1)および(B−2)成分として、表1に示すシ
ロキサン類を用いた。なお、表1の分子式はすべて平均
式であり、複数の中間シロキサン単位を含むものは、単
にシロキサン単位の数を示すものであって、ブロック共
重合体を意味せず、共重合体はすべてランダム共重合体
である。白金触媒としては、白金原子換算2.0重量%
を含有する白金−テトラメチルジビニルジシロキサン錯
体を用いた。
【0037】実施例1〜8、比較例1〜6 表1に示す組成で、上記の材料をそれぞれディスパーに
よって均一になるまで常温で混合して、それぞれシリコ
ーンゲル組成物を調製した。これらの組成物の硬化後の
針入度、密着性およびクラックの発生を、次のようにし
て評価した。
【0038】針入度 未硬化のシリコーンゲル組成物40mlを、容量50mlの
耐熱ガラスビーカーにとり、100℃の熱風乾燥機中で
60分加熱して硬化させることにより、シリコーンゲル
を得た。室温に冷却した後、ASTM D1403によ
り、1/4コーンを用いて針入度を測定した。
【0039】密着性 未硬化のシリコーンゲル組成物2gを、アルミシャーレ
にとり、100℃で60分間加熱して硬化させることに
より、シリコーンゲルを得た。室温まで放冷した後、シ
リコーンゲルをアルミシャーレから引剥して、破断面を
観察し、凝集破壊を起こしてシャーレ内面にゲルが付着
している部分の面積を凝集破壊率として評価した。
【0040】クラックの発生 未硬化のシリコーンゲル組成物20gを直径15mmの試
験管にとり、100℃で60分加熱して硬化させること
により、シリコーンゲルを得た。2時間かけて室温まで
放冷した後、試験管から取り出し、クラックの有無を観
察した。
【0041】これらの結果は、表1に示すとおりであっ
た。
【0042】
【表1】
【0043】本発明の組成物から得られたシリコーンゲ
ルは、優れた密着性を示し、クラックの発生も認められ
なかった。それに対して、分岐状ポリメチルハイドロジ
ェンシロキサンを(B−2)成分と併用した比較例1、
p/(p+q)が37.5%または6%の直鎖状ポリメ
チルハイドロジェンシロキサンを(B−2)成分と併用
した比較例2および3、ならびに針入度が80を越えて
いる比較例5のシリコーンゲルは、すべて界面剥離を生
じて、密着性が認められなかった。また、針入度が20
未満である比較例4、および(B−1)成分を用い、
(B−2)成分を用いなかった比較例6のシリコーンゲ
ルは、密着性は優れていたが、クラックを生じた。
【0044】
【発明の効果】本発明によって得られるシリコーンゲル
組成物を硬化させて得られるシリコーンゲルは、電気絶
縁性および耐熱性に優れ、また、基材や、その外側を覆
う封止剤との密着性に優れており、半導体を用いるデバ
イスの耐電圧を向上させることに大きく寄与する。した
がって、本発明のシリコーンゲル組成物は、パワーモジ
ュールやホトカプラーなどの高電圧部品のポッティング
など、特に熱のかかる部分や、機械的応力のかかる部分
のポッティングに、極めて有用である。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)一般式(I): 【化1】 (式中、 R1は、アルケニル基か、または脂肪族不飽和結合を含
    まない非置換もしくは置換の1価の炭化水素基を表し、
    1のうち、(A)の分子中、平均0.1〜2.0個が
    アルケニル基であり;R2は、脂肪族不飽和結合を含ま
    ない非置換または置換の1価の炭化水素基を表し;n
    は、正の整数である)で示され、25℃における粘度が
    50〜1,000,000mm2/s{cSt}であるポリオル
    ガノシロキサン100重量部; (B)下記の(B−1)および(B−2): (B−1)一般式(II): 【化2】 (式中、 R3は、脂肪族不飽和結合を含まない非置換または置換
    の1価の炭化水素基を表し;R4は、たがいに独立し
    て、水素原子か、または脂肪族不飽和結合を含まない非
    置換もしくは置換の1価の炭化水素基を表し;p+q
    は、3〜500の整数であり、pは、p+qの50〜1
    00%である)で示され、ケイ素原子に結合した水素原
    子を分子中平均2個を越える数有する中間Si−H結合
    含有ポリオルガノハイドロジェンシロキサン、(A)成
    分中のアルケニル基1個に対して、(B−1)成分中の
    ケイ素原子に結合した水素原子が0.1〜0.4個にな
    る量; (B−2)一般式(III): 【化3】 (式中、 R3は、前述のとおりであり;mは、3〜300の整数
    である)で示される両末端Si−H結合含有ポリオルガ
    ノハイドロジェンシロキサンを組み合わせて構成された
    ポリオルガノハイドロジェンシロキサン、(A)成分中
    のアルケニル基1個に対して、(B−2)成分中のケイ
    素原子に結合した水素原子が0.3個以上であって、か
    つ該水素原子と(B−1)成分中の同様の水素原子との
    合計量が2.0個以下になる量;ならびに(C)白金族
    金属化合物の触媒量を含むことを特徴とするシリコーン
    ゲル組成物。
  2. 【請求項2】 請求項1記載のシリコーンゲル組成物を
    硬化させて得られるシリコーンゲル。
  3. 【請求項3】 ASTM D1403に基づき、1/4
    コーンを用いて測定した針入度が20〜80である、請
    求項2記載のシリコーンゲル。
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