JP2014006359A - 熱硬化型ポリオルガノシロキサン組成物及びその使用 - Google Patents
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Abstract
Description
特許文献2には、電子デバイス、プリント回路板等のコーティングや封入材料に好適な、硬化後に強靱なゲルとエラストマーを形成する割合に低粘度の硬化性オルガノシロキサン組成物が開示されている。
特許文献3には、電子部品含浸用オルガノポリシロキサン組成物及び電子部品に関し、詳しくは、電子部品への含浸作業性が優れ、この電子部品に優れた耐湿性を付与することができる電子部品含浸用オルガノポリシロキサン組成物、及びこの組成物を含浸してなる、耐湿性が優れる電子部品が開示されている。
また、この特許文献1のシリコーン組成物を使用して、信頼性試験を行うと保護部との剥離が生じるという問題があった。
さらに、画像表示部を有する基部と保護部とを貼り合わせる工程において、基部と保護部との間に特許文献3に記載されているような従来の液状のオルガノポリシロキサン組成物を吐布しても、硬化させるまでに時間が掛かるため、その間に、基部と保護部がずれたり、吐布した液状のオルガノポリシロキサン組成物が流れ出てしまったりするという問題もあった。
(A)式(I):
(式中、
Raは、独立して、C2−C6アルケニル基であり、
Rbは、独立して、C1−C6アルキル基又はフェニル基であり、
n1は、(A)の23℃における粘度を12000cP以下にする数である)で示されるアルケニル基含有直鎖状ポリオルガノシロキサン;
(B1)式(II):
(式中、
Rcは、水素原子であり、
Rdは、独立して、C1−C6アルキル基又はフェニル基であり、
n2は、(B)の23℃における粘度を1〜1000cPとする数である)で示される直鎖状ポリオルガノハイドロジェンシロキサン;
(B2)一分子中に、ケイ素原子に結合した水素原子を3個以上有し、かつRe 2HSiO1/2単位(式中、Reは水素原子又はC1−C6アルキル基を表す)を2個以上有するポリオルガノハイドロジェンシロキサン;及び
(C)白金系触媒;
を含み、
(A)のケイ素原子に結合したアルケニル基の個数ViAに対する、(B1)のケイ素原子に結合した水素原子の個数HB1と、(B2)のケイ素原子に結合した水素原子の個数HB2との和である個数(HB1+HB2)の比が0.95〜2であり、かつ
HB2が、(A)、(B1)、及び(B2)の含有量の和に対して5mmol%以下である、熱硬化型ポリオルガノシロキサン組成物に関する。
本発明は、画像表示装置の画像表示部を有する基部と透光性の保護部との粘着用である、前記の本発明の組成物にも関する。
本発明は、前記の本発明の組成物を用いて、画像表示装置の画像表示部を有する基部と透光性の保護部とを粘着させた画像表示装置にも関する。
画像表示部を有する基部及び/又は保護部に、前記の本発明の組成物を塗布してから、
上記の塗布した組成物を増粘及び/又は硬化させた後、
上記画像表示部を有する基部と保護部とを貼り合わせる工程
を含む製造方法によって得られる、画像表示装置にも関する。
また、本発明の組成物は、部材に対する粘着力が高いので、画像表示部を有する基部と保護部との剥離を生じない信頼性の高い表示装置を提供することができる。
また、本発明の組成物は、部材に対して高い粘着力を有するため、画像表示部を有する基部又は保護部に塗布して、増粘又は硬化させた後に貼り合わせを行える製造方法を提供できる。この製造方法により、従来の貼り合わせた後に加熱硬化させる時間を短縮でき、工程時間の短縮及び歩留まりが改善される。また加熱硬化させる時間が短縮されるので、硬化させるまでに、本発明の組成物が流れ出てしまうのが改善でき、画像表示部の基部の外周縁部に組成物の流出を妨げるための段差を設ける必要が特になくなる。
(式中、
Raは、独立して、C2−C6アルケニル基(例えば、ビニル、アリル、3−ブテニル又は5−ヘキセニル)であり、
Rbは、独立して、C1−C6アルキル基(例えば、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル)又はフェニル基であり、
n1は、(A)の23℃における粘度を12000cP以下にする数である)で示されるアルケニル基含有直鎖状ポリオルガノシロキサンである。
(式中、
Rcは、水素原子であり、
Rdは、独立して、C1−C6アルキル基(例えば、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル)又はフェニル基であり、
n2は、(B)の23℃における粘度を1〜1000cPとする数である)で示される直鎖状ポリオルガノハイドロジェンシロキサンである。
上記ポリオルガノハイドロジェンシロキサンにおいて、ケイ素原子に結合した水素原子は、3個以上、好ましくは5個以上、より好ましくは8個以上である。上限値は特に制限されないが、例えば、500個以下、好ましくは100個以下にしてもよい。
(HB1+HB2)/ViA
が0.95〜2であり、好ましくは0.95〜1.4である。
で示されるアミン化合物を用いることができる。
(式中、Q1及びQ2は、互いに独立して、アルキレン基、好ましくはC1−C4アルキレン基を表し、R5は、C1−C4アルキル基を表す)で示される側鎖を有するアルコキシシラン類が好ましい。
表1に示す組成で、各成分を、手混ぜで混練することにより、実施例及び比較例の各組成物を調製した。
A−1:両末端がジメチルビニルシロキサン単位で閉塞され、中間単位がジメチルシロキサン単位からなるポリメチルビニルシロキサン(23℃での粘度1400cP)
A−2:両末端がジメチルビニルシロキサン単位で閉塞され、中間単位がジメチルシロキサン単位からなるポリメチルビニルシロキサン(23℃での粘度110cP)
A−3:両末端がジメチルビニルシロキサン単位で閉塞され、中間単位がジメチルシロキサン単位からなるポリメチルビニルシロキサン(23℃での粘度12000cP)
B1:両末端がジメチルハイドロジェンシロキサン単位で閉塞され、中間単位がジメチルシロキサン単位からなるポリメチルハイドロジェンシロキサン(23℃での粘度20cP)
B2:平均単位式が[(CH3)2HSiO1/2]8[SiO4/2]4 (水素量1.05重量%)
B3:平均単位式が[(CH3)3SiO1/2][(CH3)HSiO2/2]23[(CH3)2SiO2/2]16[(CH3)3SiO1/2](水素量0.88重量%、23℃での粘度25cP)
C:塩化白金酸を1,3,5,7−テトラビニル−1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサンとモル比1:2で加熱することによって得られ、白金含有量が2重量%である錯体。
D:N,N,N’,N’−テトラメチルエチレンジアミン
E:3,5−ジメチル−1−ヘキシン−3−オール
(1)組成物粘度
回転粘度計(ビスメトロン VDA−L)(芝浦システム株式会社製)を用いて、23℃における粘度を測定した。
未硬化のシリコーンゲル組成物40mlを、容量100mlの耐熱ガラスビーカーにとり、70℃で30分加熱して硬化させることにより、シリコーンゲルを得た。室温に冷却した後、JIS K 6249により、1/4コーンを用いて針入度を測定した。
平行に並べた2枚のガラス板(長さ80mm、幅25mm、厚さ2mm)の間に、シリコーンゲル組成物を縦25mm、横10mm、厚さ0.5mmとなるように貼り合せ、これを70℃で30分間加熱して硬化させて、接着力測定用の試験体を作製した。得られた試験体を接着面に対して垂直方向に10mm/分の速度で引っ張り、接着力を測定した。
実施例及び比較例の組成物を0.2mm厚となるように、1mm厚の3インチのガラスパネルに塗布し、70℃、10分で加熱を行った。その試料を室温で5分冷却後に、1mm厚の3インチのPMMAパネルを貼り合せ、70℃、20分で加熱硬化させた。試料を−40℃から85℃までの温度サイクル300回(各温度30分間保持)にて環境試験を行なった(機器名:エスペック株式会社製TSA−71S−A)。
その後、23℃の状態に戻した後、硬化物の状態を観察した。硬化物に、剥離及びクラック及び気泡が生じている場合を×、これらのクラック、気泡、損傷が全く認められない場合を○とした。
実施例及び比較例の組成物を200μm厚となるように、2枚の1mm厚のガラス板の間に塗布し、70℃、30分で加熱硬化させた試料を85℃の高温条件に設定した恒温恒湿槽に500時間放置後、23℃の状態に戻した後に、透明の度合いの指標である透過率を分光測式計((株)ミノルタ製CM−3500d)によって400nmで評価を行なった。
実施例及び比較例の組成物を200μm厚となるように、2枚の1mm厚のガラス板の間に塗布し、70℃、30分で加熱硬化させた試料を85℃の高温条件に設定した恒温恒湿槽に500時間放置後、23℃の状態に戻した後に、変色の度合いの指標であるイエローインデックスを分光測式計((株)ミノルタ製CM−3500d)によって評価を行なった。
Claims (7)
- (A)式(I):
(式中、
Raは、独立して、C2−C6アルケニル基であり、
Rbは、独立して、C1−C6アルキル基又はフェニル基であり、
n1は、(A)の23℃における粘度を12000cP以下にする数である)で示されるアルケニル基含有直鎖状ポリオルガノシロキサン;
(B1)式(II):
(式中、
Rcは、水素原子であり、
Rdは、独立して、C1−C6アルキル基又はフェニル基であり、
n2は、(B)の23℃における粘度を1〜1000cPとする数である)で示される直鎖状ポリオルガノハイドロジェンシロキサン;
(B2)一分子中に、ケイ素原子に結合した水素原子を3個以上有し、かつRe 2HSiO1/2単位(式中、Reは水素原子又はC1−C6アルキル基を表す)を2個以上有する、ポリオルガノハイドロジェンシロキサン;及び
(C)白金系触媒;
を含み、
(A)のケイ素原子に結合したアルケニル基の個数ViAに対する、(B1)のケイ素原子に結合した水素原子の個数HB1と、(B2)のケイ素原子に結合した水素原子の個数HB2との和である個数(HB1+HB2)の比が0.95〜2であり、かつ
HB2が、(A)、(B1)、及び(B2)の含有量の和に対して5mmol%以下である、熱硬化型ポリオルガノシロキサン組成物。 - (B2)が、Re 2HSiO1/2単位(式中、Reは水素原子又はC1−C6アルキル基を表す)及びSiO4/2単位からなり、両単位の比率が、SiO4/2単位1モルに対してRe 2HSiO1/2単位1.5〜2.2モルである、環状ポリオルガノハイドロジェンシロキサンである、請求項1記載の熱硬化型ポリオルガノシロキサン組成物。
- (B2)が、3〜5個のSiO4/2単位が環状シロキサン骨格を形成し、各SiO4/2単位に2個のRe 2HSiO1/2単位が結合している、環状ポリオルガノハイドロジェンシロキサンである、請求項2記載の熱硬化型ポリオルガノシロキサン組成物。
- さらに、窒素原子を有する安定化剤を、前記(C)成分の白金原子1molに対して0.001〜0.5mol含有する、請求項1〜3のいずれか1項記載の熱硬化型ポリオルガノシロキサン組成物。
- 画像表示装置の画像表示部を有する基部と透光性の保護部との粘着用である、請求項1〜4のいずれか1項記載の熱硬化性ポリオルガノシロキサン組成物。
- 請求項1〜5のいずれか1項記載の熱硬化型ポリオルガノシロキサン組成物を用いて、画像表示装置の画像表示部を有する基部と透光性の保護部とを粘着させた画像表示装置。
- 画像表示部を有する基部及び/又は保護部に、請求項1〜5のいずれか1項記載の熱硬化型ポリオルガノシロキサン組成物を塗布してから、
上記塗布した熱硬化型ポリオルガノシロキサン組成物を増粘及び/又は硬化させた後、
上記熱硬化型ポリオルガノシロキサン組成物を塗布した画像表示部を有する基部と保護部とを貼り合わせる工程
を含む製造方法によって得られる、画像表示装置。
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