JP3921772B2 - 負圧式倍力装置のシェルの製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この出願の発明は、車両ブレーキ装置におけるブースタ等として利用される負圧式倍力装置のシェルの製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、負圧式倍力装置のシェルとして、底部と、この底部の外周部から軸方向に延在する円筒部と、この円筒部の開口部側に連続する大径部とを備えたものが知られている。
【0003】
上記シェルは、一般に金属板素材からプレス加工によって成形されているが、軽量化するために薄い金属板素材から成形すると、マスタシリンダを取り付ける底部の剛性が不足するためその内面に補強板を設け、この補強板によって剛性を確保するようにしている。
【0004】
また、従来、上記補強板を省略したシェルとして、マスタシリンダが取り付けられる底部と大径部とを厚肉に形成する一方、上記円筒部を薄肉に形成したものが知られている(実開昭61−35077号公報参照)。このようなシェルによれば、外周側円筒部を薄肉に形成して軽量化を図った上で、底部の剛性を確保することができる。そして、その製造方法として、プレス加工により、厚肉の平板素材から底部、円筒部およびこの円筒部の開口部に連続して半径方向外方に延在するフランジ部を有するシェルを成形し、次いでシェルの円筒部を底部およびフランジ部よりも薄肉に成形し、次いで円筒部の開口部側を大径部に成形し、フランジ部は大径部の成形前又は成形後に切除する方法が知られている(特開平9−156492号公報参照)。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記した従来の製造方法は、雄型と雌型からなる一対のダイスを用いるプレス加工であるため、円筒部を大幅に薄肉化することが困難であり、形状自由度が少ないと言う問題がある。そして、円筒部を薄肉化する際、材料がフランジ部側へ流れ、フランジ部を切除するので、材料の歩留まりが悪いと言う問題がある。更に、軽量化や低コスト化を図るため素材をアルミニウム合金材や低グレード材を使用した場合、成形が困難であると言う問題がある。
【0006】
この出願の発明は、上記問題を解消することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
この出願の請求項1の発明は、底部と、この底部の外周部から軸方向に延在し前記底部より薄肉の円筒部と、この円筒部の開口部側に連続し前記底部より薄肉の大径部とを備えた、負圧式倍力装置のシェルの製造方法において、円板形状の素材を素材押さえ兼成形マンドレルと成形マンドレルとで該素材の軸方向に挟み付けてこれらを一体に回転させた状態で成形ロールを前記成形マンドレルの反対側から前記素材に押し付けかつ前記成形ロールを前記素材の内周側から外周側に向けて移動させて前記素材の内周側部分と前記外周側部分の間の中間部分をシゴキ加工し、その後、前記成形ロールを前記成形マンドレルの反対側から前記素材の外周側部分に押し付けて多サイクル絞り加工することで、前記外周側部分を軸方向に曲げながら伸ばすと共に円周方向で圧縮させた後、前記成形ロールにより前記底部側から軸方向にシゴキ加工することで前記底部、前記円筒部および前記大径部を成形することを特徴とする負圧式倍力装置のシェルの製造方法である。
さらに、前記底部はその中心部に前記円筒部と同じ方向へ延在する筒状頭部を有し、前記底部、前記円筒部及び前記大径部を成形する前に、前記素材に形成される位置決めピン用の孔の周辺部を、前記素材押さえ兼成形マンドレルと素材押さえとで挟み付けてこれらを一体に回転させた状態で前記成形ロールを前記素材押さえ兼成形マンドレルの反対側から前記素材に押し付けかつ前記成形ロールを前記素材の内周側から外周側に向けて移動させて前記素材の内周側部分を絞り加工することにより前記筒状頭部を成形するようにしてもよい。
【0008】
このように、円板形状の素材に転造加工を施すことにより底部、円筒部および大径部を成形することから、円筒部および大径部を大幅に薄肉化することができる。また、素材としてアルミニウム合金材や低グレード材を使用した場合でも容易に成形することができる。更に、切除部分を無くすことができ、材料の歩留まりが良い。
【0009】
【発明の実施の形態】
この出願の発明の実施形態を図1〜図7を参照して説明する。図1は、完成されたシェル1の縦断面を示す。図1に示されるように、シェル1は、底部1a、円筒部1bおよび大径部1cからなる。大径部1cは段付きであり、その肉厚は円筒部1bの肉厚t1と同じである。肉厚t1は底部1aの肉厚t0よりも小さい。底部1aは、その中心部に、円筒部1bと同じ方向へ延在する筒状頭部1dを有する。
【0010】
図1に示すシェル1を製造するのに当たり、先ずは肉厚t0を有する金属板素材(例えば熱間圧延鋼板)から図2に示す素材2をプルス加工によって形成する。この素材2は、円板形状であり、その中心には位置決めピン用の孔2aを有する。そして、この素材2に転造加工を施すことによって図1に示すシェル1を成形するものである。
【0011】
転造加工の手順を図3〜図7により説明する。先ず、図3に示すように、素材押さえ兼成形マンドレル3と素材押さえ4とで素材2の孔2aの周辺部を挟み付けてこれらを一体に回転させた状態で成形ロール5を素材押さえ兼成形マンドレル3の反対側により素材2に押し付けかつ成形ロール5を素材2の内周側から外周側に向けて移動させて素材2の内周側部分を絞り加工することにより、図1に示す筒状頭部1dを成形する。次に、図4に示すように、素材押さえ兼成形マンドレル3と成形マンドレル6とで素材2を挟み付けてこれらを一体に回転させた状態で成形ロール5を成形マンドレル6の反対側から素材2に押し付けかつ成形ロール5を素材2の内周側から外周側に向けて移動させ素材2の内周側部分と外周側部分の間の中間部分をシゴキ加工することにより、図1に示す底部1aを成形する。続いて、図5に示すように、成形ロール5を成形マンドレル6の反対側から素材2の外周側部分に押し付けて多サイクル絞り加工することにより、材料を軸方向に曲げながら伸ばすと共に円周方向で圧縮させた後、図6に示すように成形ロール5により底部側から大径部側に向けてシゴキ加工することによって、図1に示す円筒部1bおよび大径部1を成形する。
【0012】
最後に、段付きの大径部1cの寸法精度を確保するために、図7に示すように、総形ロール7を用いて大径部1cを仕上げ成形する。但し、大径部1cの形状が簡素であること等の理由により図6までの成形によって大径部1cの寸法精度を確保できる場合には、図7の仕上げ成形を省略する。
【0013】
また、素材2のピン孔2aは、省略することができる。
【0014】
【発明の効果】
以上に説明したように、この出願の発明に係る負圧式倍力装置のシェルの製造方法は、円板形状の素材に転造加工を施すことによって、底部、円筒部および大径部を成形することから、筒部および大径部を大幅に薄肉化することができ、また、素材としてアルミニウム合金材や低グレード材を使用した場合でも容易に成形することができ、更に、切除部分を無くすことができ、材料の歩留まりが良いものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】完成されたシェルの縦断面を示す図である。
【図2】素材の縦断面を示す図である。
【図3】転造加工により底部の筒状頭部を成形する状況を示す図である。
【図4】転造加工により底部を成形する状況を示す図である。
【図5】転造加工により円筒部および大径部を成形する状況を示す図である。
【図6】転造加工により円筒部および大径部を成形する状況を示す図である。
【図7】転造加工により大径部を仕上げ成形する状況を示す図である。
【符号の説明】
1・・・シェル
1a・・・底部
1b・・・円筒部
1c・・・大径部
2・・・素材
2a・・・位置決めピン用の孔
3・・・素材押さえ兼成形マンドレル
4・・・素材押さえ
5・・・成形ロール
6・・・成形マンドレル
Claims (2)
- 底部と、この底部の外周部から軸方向に延在し前記底部より薄肉の円筒部と、この円筒部の開口部側に連続し前記底部より薄肉の大径部とを備えた、負圧式倍力装置のシェルの製造方法において、
円板形状の素材を素材押さえ兼成形マンドレルと成形マンドレルとで該素材の軸方向に挟み付けてこれらを一体に回転させた状態で成形ロールを前記成形マンドレルの反対側から前記素材に押し付けかつ前記成形ロールを前記素材の内周側から外周側に向けて移動させて前記素材の内周側部分と前記外周側部分の間の中間部分をシゴキ加工することにより前記底部を成形し、その後、
前記成形ロールを前記成形マンドレルの反対側から前記素材の外周側部分に押し付けて多サイクル絞り加工することで、前記外周側部分を軸方向に曲げながら伸ばすと共に円周方向で圧縮させた後、前記成形ロールにより前記底部側から軸方向にシゴキ加工することで前記底部、前記円筒部および前記大径部を成形することを特徴とする負圧式倍力装置のシェルの製造方法。 - 前記底部はその中心部に前記円筒部と同じ方向へ延在する筒状頭部を有し、
前記底部、前記円筒部及び前記大径部を成形する前に、
前記素材に形成される位置決めピン用の孔の周辺部を、前記素材押さえ兼成形マンドレルと素材押さえとで挟み付けてこれらを一体に回転させた状態で前記成形ロールを前記素材押さえ兼成形マンドレルの反対側から前記素材に押し付けかつ前記成形ロールを前記素材の内周側から外周側に向けて移動させて前記素材の内周側部分を絞り加工することにより前記筒状頭部を成形することを特徴とする請求項1に記載の負圧式倍力装置のシェルの製造方法。
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JP01178698A JP3921772B2 (ja) | 1998-01-23 | 1998-01-23 | 負圧式倍力装置のシェルの製造方法 |
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Publications (2)
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JPH11208450A JPH11208450A (ja) | 1999-08-03 |
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JP (1) | JP3921772B2 (ja) |
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1998
- 1998-01-23 JP JP01178698A patent/JP3921772B2/ja not_active Expired - Fee Related
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