JP3921677B2 - 軟弱地盤における免震構造 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、軟弱地盤、特に、液状化が起きやすい砂質飽和地盤における免震構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
地下水位が浅くしかも緩い砂地盤に地震力が作用すると、粒子間の間隙水圧が上昇してせん断抵抗力が著しく減少する、いわゆる液状化現象が生じる。そして、かかる液状化現象が発生した場合、地表に構築された構造物がいともたやすく傾いてしまうといった液状化に特有の被害が見られることはよく知られているところである。
【0003】
したがって、このような液状化地盤は、サンドコンパクション工法や砕石ドレーン工法あるいはロッドコンパクション工法といった工法によって地盤改良を施すことにより液状化を防止する必要がある。
【0004】
図2は、支持基盤1の上方に広がる液状化層2を、構造物6が構築される周囲も含めた一定の平面範囲内で地盤改良し、改良地盤層4とした様子を示したものである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このような地盤改良によって液状化は防止されるものの、改良地盤層4の剛性が高くなるとともに該改良地盤層が支持基盤1と一体となるため、支持基盤1からの地震力がそのまま上方に伝達され、地表において構造物6に不測の被害が出るおそれがあるという問題を生じていた。
【0006】
本発明は、上述した事情を考慮してなされたもので、液状化を防止するための地盤改良を行っても支持基盤からの地震力が直接地表に伝達されないようにすることが可能な軟弱地盤における免震構造を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明に係る軟弱地盤における免震構造は請求項1に記載したように、支持基盤の上方に拡がる軟弱層のうち、地表から所定の深さまでを地盤改良して改良地盤層とするとともに、該改良地盤層と支持基盤との間を非改良層として残置してなり、前記改良地盤層を前記非改良層を介して前記支持基盤で支持するとともに、前記非改良層が免震層として機能するように前記改良地盤層の深さを定めるものである。
【0008】
また、本発明に係る軟弱地盤における免震構造は、前記軟弱層を液状化層としたものである。
【0009】
本発明に係る軟弱地盤における免震構造においては、軟弱地盤の地盤改良を従来のように支持基盤まで行うのではなく、一定の深さでとどめるようにし、その下方については地盤改良せずにそのまま非改良層として残しておく。
【0010】
このようにすると、改良地盤層は、軟弱層である非改良層を介して支持基盤に支持されることとなり、該非改良層は免震層として機能する。すなわち、地震が発生したとき、支持基盤からの地震波は、免震層である非改良層によって遮断され、上方の改良地盤層へはあまり入力しなくなる。
【0011】
改良地盤層をどのように構築するかは任意であり、サンドコンパクション工法や砕石ドレーン工法あるいはロッドコンパクション工法といった公知の工法によって適宜構築すればよい。
【0012】
残置する非改良層の厚さは、その上方の改良地盤層を支持するのに不都合がないかどうか、十分な免震効果が得られるかどうかなどを考慮した上で、設計上の観点から適宜定めればよい。
【0013】
軟弱層としては、地盤改良の対象となるすべての地盤を含むが、該軟弱層を特に液状化層としたならば、支持基盤からほぼ鉛直上方に伝達されてきたS波が液状化層である非改良層に入力したとき、該非改良層では、間隙水圧の上昇によってせん断抵抗が急激に減少するので、S波はほとんど伝達しなくなり、すぐれた免震効果を得ることができる。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る軟弱地盤における免震構造の実施の形態について、添付図面を参照して説明する。なお、従来技術と実質的に同一の部品等については同一の符号を付してその説明を省略する。
【0015】
図1は、本実施形態に係る軟弱地盤における免震構造を示した鉛直断面図及び水平断面図である。同図でわかるように、本実施形態に係る軟弱地盤における免震構造は、支持基盤1の上方に拡がる軟弱層である液状化層2のうち、地表から深さHまでを平面領域3の範囲内で地盤改良して改良地盤層4とし、該改良地盤層と支持基盤1との間は非改良層5として液状化層2のまま残置してある。
【0016】
地盤改良を行う深さHは、地表から例えばボーリング検査を行うことによって支持基盤1の深さを調査し、その上で非改良層5が改良地盤層4を支持するのに不都合がなくしかも十分な免震効果を発揮する厚さとなるかどうかに留意して適宜定めればよい。非改良層5の厚さは、たとえば数m程度とすることが考えられる。
【0017】
本実施形態に係る軟弱地盤における免震構造を構築するには、例えばサンドコンパクション工法によって平面領域3、深さHの範囲内で地盤改良を行って改良地盤層4を構築する。
【0018】
本実施形態に係る軟弱地盤における免震構造においては、軟弱地盤である液状化層2の地盤改良を従来のように支持基盤1まで行うのではなく、一定の深さHでとどめるようにし、その下方については地盤改良せずにそのまま非改良層5として残しておく。
【0019】
このようにすると、改良地盤層4は、液状化層である非改良層5を介して支持基盤1に支持されることとなり、該非改良層は免震層として機能する。すなわち、地震が発生したとき、支持基盤1からの地震波は、免震層である非改良層5によって遮断され、上方の改良地盤層へはあまり入力しなくなる。
【0020】
特に、非改良層5が液状化層であるため、支持基盤1からほぼ鉛直上方に伝達されてきたS波が非改良層5に入力したとき、該非改良層では、間隙水圧の上昇によってせん断抵抗が急激に減少するので、S波はほとんど上方に伝達しなくなる。
【0021】
以上説明したように、本実施形態に係る軟弱地盤における免震構造によれば、改良地盤層4は、液状化層である非改良層5を介して支持基盤1に支持されることとなり、該非改良層は、地震が発生したときに支持基盤1からの地震波を遮断する免震層として機能する。
【0022】
したがって、従来のように、支持基盤1からの地震波がそのまま上方の改良地盤層4に伝達するおそれがなくなり、改良地盤層4をはじめ該改良地盤層の上に構築された建造物6の地震時安定性を大幅に向上させることが可能となる。これに加えて、地盤改良深さが浅くて済むため、地盤改良工事に要する工期を短縮してコストの低減を図ることもできる。
【0023】
また、本実施形態によれば、非改良層5を液状化層としたので、支持基盤1からほぼ鉛直上方に伝達されてきたS波が非改良層5に入力したとき、該非改良層では、間隙水圧の上昇によってせん断抵抗が急激に減少し、S波はほとんど伝達しなくなる。そのため、すぐれた免震効果を得ることができる。
【0024】
本実施形態では、軟弱層が液状化層である場合を想定したが、特に液状化層である場合に限定されるものではなく、免震層として機能しうる土質性状、たとえば比較的剛性の低い粘性層のような地盤にも適用することができる。
【0025】
【発明の効果】
以上述べたように、請求項1に係る本発明の軟弱地盤における免震構造によれば、改良地盤層は、軟弱層である非改良層を介して支持基盤に支持されることとなり、該非改良層は、地震が発生したときに支持基盤からの地震波を遮断する免震層として機能する。
【0026】
したがって、従来のように、支持基盤からの地震波がそのまま上方の改良地盤層に伝達するおそれがなくなり、改良地盤層をはじめ該改良地盤層の上に構築された建造物の地震時安定性を大幅に向上させることが可能となる。これに加えて、地盤改良深さが浅くて済むため、地盤改良工事に要する工期を短縮してコストの低減を図ることもできる。
【0027】
また、請求項2に係る本発明の軟弱地盤における免震構造によれば、支持基盤からほぼ鉛直上方に伝達されてきたS波が非改良層に入力したとき、該非改良層では、間隙水圧の上昇によってせん断抵抗が急激に減少し、S波はほとんど伝達しなくなる。そのため、すぐれた免震効果を得ることができるという効果も奏する。
【0028】
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施形態に係る軟弱地盤における免震構造の図であり、(a)は鉛直断面図、(b)は水平断面図。
【図2】従来技術において軟弱地盤を改良した様子を示した図であり、(a)は鉛直断面図、(b)は水平断面図。
【符号の説明】
1 支持基盤
2 液状化層(軟弱層)
4 改良地盤層
5 非改良層
Claims (2)
- 支持基盤の上方に拡がる軟弱層のうち、地表から所定の深さまでを地盤改良して改良地盤層とするとともに、該改良地盤層と支持基盤との間を非改良層として残置してなり、前記改良地盤層を前記非改良層を介して前記支持基盤で支持するとともに、前記非改良層が免震層として機能するように前記改良地盤層の深さを定めることを特徴とする軟弱地盤における免震構造。
- 前記軟弱層を液状化層とした請求項1記載の軟弱地盤における免震構造。
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