JP2007239390A - 不同沈下抑制構造 - Google Patents

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明彦 内田
Kiyoshi Yamashita
清 山下
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Abstract

【課題】地盤が液状化したときに、構造物の高さや、基礎部又は地下部の根入れ量が異なる構造物同士の不同沈下を抑制する不同沈下抑制構造を提供する。
【解決手段】構造物16、18の高さや、基礎部若しくは地下部20、22の根入れ量が異なった隣接し合う構造物16、18の単位面積当りの自重、構造物16、18に設けられた基礎部若しくは地下部20、22の根入れ量、残された軟弱地盤14A、14Bの層の鉛直方向の厚さの大小に基づいて、構造物16、18下方の地盤改良体24、26の鉛直方向の厚さを調整することによって、隣接し合う構造物16、18同士の不同沈下を抑制することができる。
【選択図】図3

Description

本発明は、隣接した構造物間の不同沈下を抑制する不同沈下抑制構造に関する。
地震時に砂地盤が液状化すると、間隙水圧の上昇によって地盤中の水圧が地表に抜け出るため、地盤沈下を生じることが知られている。液状化が生じるような砂地盤を支持層とする直接基礎建物では、支持層が液状化すると建物も地盤と共に沈下する。この液状化によって建物が沈下する被害は、新潟地震をはじめとする過去の大地震でたびたび発生している問題である。
そこで、この問題を解決するために、液状化層を地盤改良するなどの対策が行われているが、近年の性能設計の考え方を踏まえ、建物の要求性能によっては液状化層の全深度を改良するのではなく、部分的に液状化層を残し、ある程度の沈下を許容して地盤改良のコストを削減することが考えられている。また、地震時には、この残された液状化層が免震効果を発揮し、地震応答が低減するために建物への地震入力を小さくすることができる。
図9に示すように、建物はその利用目的によって、隣接した高層構造物170と低層構造物172から構成され、それぞれの構造物の高さや基礎部の根入れ量が異なることがある。
このような建物に、部分的に液状化層を残す地盤改良を適用した場合、地盤の液状化が発生すると、構造物の自重や浮力によって構造物の接地圧もそれぞれ異なるので、高層構造物170と低層構造物172では、沈下量の差が生じてしまう。さらに、部分的に残された液状化層の厚さによっても、沈下量は異なってくる。
この沈下量の差によって、隣接した構造物間に設けられた通路等の取り合い部174でギャップが生じると、建物の使用において大きな支障を来すことになる。
このように、ある程度の建物の沈下を許容した要求仕様であっても、構造物の自重、基礎部の根入れ量、又は残された液状化層の厚さが異なる構造物同士には不同沈下が生じる恐れがある。
特許文献1の不同沈下制御基礎200では、図10に示すように、軟弱地盤208上に構造物202が建てられており、この構造物202の中央部分204の分布荷重は大きく、周辺部分206の分布荷重は小さくなっている。そして、沈下量の大きくなる中央部分204を支持する軟弱地盤208の地盤改良部218の厚さを深くし、沈下量の小さくなる周辺部分206を支持する軟弱地盤208の地盤改良部218の厚さを浅くしている。
よって、構造物202の中央部分204と周辺部分206の沈下量の差を小さくし、不同沈下を抑制することができる。
しかし、構造物202が、埋設された基礎部や地下部を有し、この基礎部や地下部の根入れ量が部分的に異なっている場合には、軟弱地盤208が液状化した際に、基礎部や地下部の根入れ量によって異なった浮力がそれぞれ発生する。そして、この浮力の差によって不同沈下が生じてしまう。
特許文献2の地盤免震構造210では、図11に示すように、重心が右側に偏っている構造物212が軟弱地盤216上に建てられ、この構造物212の基礎として地盤改良体214が形成されている。そして、重心の偏っている右側の地盤改良体214の厚さを左側よりも厚くしている。
よって、地震時に、軟弱地盤216の液状化により免震効果を発揮し、さらには、不同沈下を抑制することができる。
しかし、特許文献1と同様に、構造物212が、埋設された基礎部や地下部を有し、この基礎部や地下部の根入れ量が部分的に異なっている場合には、浮力の差によって不同沈下が生じてしまう。
特開2002−61203号公報 特開2003−20659号公報
本発明は係る事実を考慮し、地盤が液状化したときに、構造物の高さや、基礎部又は地下部の根入れ量が異なる構造物同士の不同沈下を抑制する不同沈下抑制構造を提供することを課題とする。
請求項1に記載の発明は、硬質地盤の上層にある軟弱地盤上に支持され、前記軟弱地盤に埋設された基礎部若しくは地下部が設けられると共に、隣接し合う複数の構造物と、前記基礎部若しくは前記地下部と前記硬質地盤との間に前記軟弱地盤の層を残すように形成された地盤改良体と、を有し、前記構造物の単位面積当りの自重が大きい方の前記構造物下方の前記地盤改良体の鉛直方向の厚さを、前記構造物の単位面積当りの自重が小さい方の前記構造物下方の前記地盤改良体の鉛直方向の厚さよりも大きくし、前記基礎部若しくは前記地下部の根入れ量が大きい方の前記構造物下方の前記地盤改良体の鉛直方向の厚さを減らし、又は前記基礎部若しくは前記地下部の根入れ量が小さい方の前記構造物下方の前記地盤改良体の鉛直方向の厚さを増やし、残された前記軟弱地盤の層の鉛直方向の厚さが大きい方の前記構造物下方の前記地盤改良体の鉛直方向の厚さを増やし、又は残された前記軟弱地盤の層の鉛直方向の厚さが小さい方の前記構造物下方の前記地盤改良体の鉛直方向の厚さを減らすことで地盤改良体の厚さを決定した、ことを特徴としている。
請求項1に記載の発明では、硬質地盤の上層にある軟弱地盤上に、複数の構造物が隣接して支持されている。そして、これらの構造物には、軟弱地盤に埋設された基礎部若しくは地下部が設けられている。また、構造物に設けられた基礎部若しくは地下部と硬質地盤との間に軟弱地盤の層を残すように地盤改良体が形成されている。
よって、部分的に軟弱地盤を残すことによって地盤改良体の施工量を減らせるので、地盤改良のコストを削減することができる。
また、地震時に、軟弱地盤が液状化して、構造物に対して免震効果を発揮することができる。
この地盤改良体の厚さは、まず、構造物の単位面積当りの自重が大きい方の構造物下方の地盤改良体の鉛直方向の厚さを、構造物の単位面積当りの自重が小さい方の構造物下方の地盤改良体の鉛直方向の厚さよりも大きくする。
次に、構造物に設けられた基礎部若しくは地下部の根入れ量が大きい方の構造物下方の地盤改良体の鉛直方向の厚さを減らすか、又は基礎部若しくは地下部の根入れ量が小さい方の構造物下方の地盤改良体の鉛直方向の厚さを増やす。
次に、残された軟弱地盤の層の鉛直方向の厚さが大きい方の構造物下方の地盤改良体の鉛直方向の厚さを増やすか、又は残された軟弱地盤の層の鉛直方向の厚さが小さい方の構造物下方の地盤改良体の鉛直方向の厚さを減らす。
そして、このような地盤改良体の鉛直方向の厚さの増減によって、地盤改良体の厚さを決定する。
ここで、構造物の単位面積当りの自重、及び残された軟弱地盤の層の鉛直方向の厚さが大きいほど、軟弱地盤が液状化したときの構造物の沈下量は大きくなる。
また、構造物に設けられた基礎部若しくは地下部は、根入れ量が大きいほど軟弱地盤中に占める基礎部若しくは地下部の容積が大きくなるので、軟弱地盤が液状化したときに構造物に発生する上向きの浮力が大きくなる。よって、基礎部若しくは地下部の根入れ量が大きいほど、軟弱地盤が液状化したときの構造物の沈下量は小さくなる。
これに対して、地盤改良体の鉛直方向の厚さを大きくするほど、軟弱地盤が液状化したときの構造物の沈下量を小さくすることができる。
よって、構造物の単位面積当りの自重が大きい方の構造物下方の地盤改良体の鉛直方向の厚さを、構造物の単位面積当りの自重が小さい方の構造物下方の地盤改良体の鉛直方向の厚さよりも大きくすることにより、構造物の単位面積当りの自重の違いによって生じる沈下量の差を低減することができる。
また、構造物に設けられた基礎部若しくは地下部の根入れ量が大きい方の構造物下方の地盤改良体の鉛直方向の厚さを減らすか、又は基礎部若しくは地下部の根入れ量が小さい方の構造物下方の地盤改良体の鉛直方向の厚さを増やすことにより、基礎部若しくは地下部の根入れ量の違いによって生じる沈下量の差を低減することができる。
また、残された軟弱地盤の層の鉛直方向の厚さが大きい方の構造物下方の地盤改良体の鉛直方向の厚さを増やすか、又は残された軟弱地盤の層の鉛直方向の厚さが小さい方の構造物下方の地盤改良体の鉛直方向の厚さを減らすことにより、残された軟弱地盤の層の鉛直方向の厚さの違いによって生じる沈下量の差を低減することができる。
そして、これらの変動要因を総合して、地盤改良体の厚さを決定することで、構造物の高さや、基礎部若しくは地下部の根入れ量が異なった隣接し合う構造物同士の不同沈下を抑制することができる。
請求項2に記載の発明は、前記隣接し合う複数の構造物が、構造物の同一の基礎部上に載置されて一体となっている、ことを特徴としている。
請求項2に記載の発明では、隣接し合う複数の構造物が、同一の基礎部上に載置されて一体となった一つの建物となっており、請求項1と同様の効果により、この一つの建物の両端部の沈下量の差を小さくすることができ、一つの建物を構成する複数の構造物間の取り合い部の破壊を防ぐことができる。
請求項3に記載の発明は、前記隣接し合う複数の構造物が、構造物の異なる基礎部上に載置されている、ことを特徴としている。
請求項3に記載の発明では、隣接し合う複数の構造物が、異なる基礎部上に載置された異なる建物であり、請求項1と同様の効果により、隣り合った異なる建物同士の沈下量の差を小さくすることができ、複数の建物間の取り合い部の破壊を防ぐことができる。
本発明は上記構成としたので、地盤が液状化したときに、構造物の高さや、基礎部又は地下部の根入れ量が異なる構造物同士の不同沈下を抑制することができる。
図面を参照しながら、本発明の実施形態に係る不同沈下抑制構造10を説明する。なお、本実施形態では、RC造の事務所ビルに本発明を適用した例を説明するが、これに限らず、あらゆる建物への適用が可能である。
図3には、本実施形態に係る不同沈下抑制構造10が示されている。そして、図1〜3の経緯を経て、この不同沈下抑制構造10の地盤改良体24、26の厚さが決定される。したがって、図1〜3の硬質地盤12、軟弱地盤14、低層建物16、高層建物18は、すべて同じものであり、地盤改良体24、26の厚さのみが異なっている。
図1に示すように、硬質地盤12の上層にある軟弱地盤14上に、低層建物16と高層建物18とが隣接して建てられている。低層建物16及び高層建物18は、RC造の事務所ビルであり、異なった基礎部上に構築された別々の建物である。低層建物16及び高層建物18の下部には地下階20、22がそれぞれ設けられ、軟弱地盤14中に埋設されている。
そして、地下階20、22を含めた低層建物16と高層建物18のそれぞれの単位面積当りの自重は、高層建物18の方が大きくなっている。また、地下階20、22の根入れ量は、地下階22の方が大きくなっている。
また、低層建物16と高層建物18との間には、図示されていない設備配管、通路等の取り合い部が低層建物16と高層建物18を橋渡すように設けられている。
また、地下階20、22の下方には、軟弱地盤14A、14Bを残すように地盤改良体24、26がそれぞれ形成されている。
この地盤改良体24、26の鉛直方向の厚さH、Hは、まず、建物の単位面積当りの自重が大きい方の高層建物18下方の地盤改良体26の鉛直方向の厚さHを、建物の単位面積当りの自重が小さい方の低層建物16下方の地盤改良体24の鉛直方向の厚さHよりも大きくする。
次に、図2に示すように、低層建物16及び高層建物18の下部に設けられた地下階20、22の根入れ量が小さい方の低層建物16下方の地盤改良体24の鉛直方向の厚さをhだけ増やす。
次に、図3に示すように、残された軟弱地盤14A、14Bの鉛直方向の厚さが小さい方の高層建物18下方の地盤改良体26の鉛直方向の厚さをhだけ減らす。
そして、これら図1〜3の経緯を経て、図3の不同沈下抑制構造10に示すように、低層建物16下方の地盤改良体24の厚さをH+h、高層建物18下方の地盤改良体26の厚さをH−hと決定する。
次に、本発明の実施形態に係る不同沈下抑制構造10の作用及び効果について説明する。
図3に示すように、部分的に軟弱地盤14A、14Bを残すことによって地盤改良体24、26の施工量を減らせるので、地盤改良のコストを削減することができる。
また、地震時に、軟弱地盤14が液状化して、低層建物16及び高層建物18に対して免震効果を発揮することができる。
ここで、建物の単位面積当りの自重、及び残された軟弱地盤の層の鉛直方向の厚さが大きいほど、軟弱地盤が液状化したときの建物の沈下量は大きくなる。
また、建物に設けられた地下階は、根入れ量が大きいほど軟弱地盤中に占める地下階の容積が大きくなるので、軟弱地盤が液状化したときに建物に発生する上向きの浮力が大きくなる。よって、地下階の根入れ量が大きいほど、軟弱地盤が液状化したときの構造物の沈下量は小さくなる。
これに対して、地盤改良体の鉛直方向の厚さを大きくするほど、軟弱地盤が液状化したときの建物の沈下量を小さくすることができる。
よって、図1に示すように、建物の単位面積当りの自重が大きい方の高層建物18下方の地盤改良体26の鉛直方向の厚さHを、建物の単位面積当りの自重が小さい方の低層建物16下方の地盤改良体24の鉛直方向の厚さHよりも大きくすることにより、低層建物16及び高層建物18の単位面積当りの自重の違いによって生じる沈下量の差を低減することができる。
また、図2に示すように、低層建物16及び高層建物18の下部に設けられた地下階20、22の根入れ量が小さい方の低層建物16下方の地盤改良体24の鉛直方向の厚さをhだけ増やすことにより、地下階20、22の根入れ量の違いによって生じる沈下量の差を低減することができる。
また、図3に示すように、残された軟弱地盤14A、14Bの鉛直方向の厚さが小さい方の高層建物18下方の地盤改良体26の鉛直方向の厚さをhだけ減らすことにより、残された軟弱地盤14A、14Bの鉛直方向の厚さの違いによって生じる沈下量の差を低減することができる。
そして、これらの変動要因を総合して、地盤改良体の厚さを決定することで、建物の高さや、地下階の根入れ量が異なった隣接し合う低層建物16と高層建物18の間の不同沈下を抑制することができる。
また、隣接し合う低層建物16と高層建物18の間の沈下量の差を小さくすることによって、設備配管、通路等の取り合い部の破壊を防ぐことができる。
なお、本実施形態では、構造物の単位面積当りの自重、基礎部若しくは地下部の根入れ量、及び残された軟弱地盤の層の厚さを構造物沈下の変動要因としたが、この内、構造物の単位面積当りの自重、及び基礎部若しくは地下部の根入れ量が、構造物の沈下に大きな影響を与える要因である。構造物の単位面積当りの自重、及び基礎部若しくは地下部の根入れ量は、建物の設計段階で仕様を大きく変更することは難しいと考えられるので、一般の設計では、地盤改良体の鉛直方向の厚さの増減量によって、残された軟弱地盤の層の厚さを調整することが沈下量の制御に有効である。
また、低層建物16及び高層建物18の下部に設けられた地下階20、22の根入れ量が小さい方の低層建物16下方の地盤改良体24の鉛直方向の厚さをh増やしたが、この逆に、地下階20、22の根入れ量が大きい方の高層建物18下方の地盤改良体26の鉛直方向の厚さHを減らしてもよい。
また、残された軟弱地盤14A、14Bの鉛直方向の厚さが小さい方の高層建物18下方の地盤改良体26の鉛直方向の厚さをhだけ減らしたが、この逆に、軟弱地盤14A、14Bの鉛直方向の厚さが大きい方の低層建物16下方の地盤改良体24の鉛直方向の厚さH+hをさらに増やしてもよい。
また、高層建物18のようなアスペクト比(地上部分の建物高さ/建物幅)が大きい建物は、アスペクト比が小さい低層建物16に比べて、ロッキングを起こし易い。本実施形態では、低層建物16及び高層建物18の単位面積当りの自重の違いによって生じる沈下量の差を低減するために、建物の単位面積当りの自重が大きい方の高層建物18下方の地盤改良体26の鉛直方向の厚さHを、建物の単位面積当りの自重が小さい方の低層建物16下方の地盤改良体24の鉛直方向の厚さHよりも大きくしたが、これによって、高層建物18単体のロッキングを低減する効果も期待できる。
また、地盤改良体24、26は、ソイルセメント系改良体、サンドコンパクションパイル工法等により締固めた砂、発砲スチロール、RC床版、土嚢等が考えられるが、これに限るものではなく、液状化を防止できる地盤改良材であればよい。サンドコンパクションパイル工法等により締固めた砂を地盤改良体とする場合には、建物の直下だけでなく、周囲に多少余裕を持たせて地盤改良をすることが望ましい。
また、低層建物16及び高層建物18は、異なった基礎部上に構築された別々の建物としたが、異なった基礎部上に構築された3つ以上の複数の構造物でもよく、また同じ基礎部上に構築され、複数の構造物が一体となった一つの建物であってもよい。複数の構造物が一体となった一つの建物の場合、この建物の両端部の沈下量の差を小さくすることができ、複数の構造物間の設備配管、階段、廊下等の取り合い部の破壊を防ぐことができる。
また、低層建物16及び高層建物18の下部に設けられた地下階20、22の根入れ量の大小に対して、地盤改良体24、26の厚さを増減させる例を示したが、低層建物16及び高層建物18に設けられ、軟弱地盤14に埋設された基礎部の根入れ量の大小に対して、地盤改良体24、26の厚さを増減させるようにしてもよい。
また、隣接し合う高層建物と低層建物に対する設計手順としては、高層建物単体のロッキングが大きくなるので、このロッキングを考慮して、まず高層建物の地盤改良体の厚さを決め、その後、本実施形態に示したように、地盤改良体の厚さを調整していくのが望ましい。
図4〜8は、遠心力50g場の振動実験による建物の測定結果を示すものである。各図の(A)には実験モデルが示され、(B)には各モデルの測定結果が示されている。そして、各図の(A)に示されている軟弱地盤28は、すべて豊浦砂で構築され、地盤密度は相対密度で約70%とし、地下水位面は地表面となっている。
図4(A)は、建物30の横幅W=7cm、高さT=14cm、奥行き=21cm、重さ=704.3gとし、軟弱地盤28の深さL=20cmとした実験モデルを示している。これを実物大(1g場)に換算すると、建物30の横幅W=3.5m、高さT=7m、奥行き=10.5m、重さ=約880kNに相当し、軟弱地盤28の深さL=10mに相当する。以降の図4〜8の各モデルの寸法は、実物大に換算した値で説明する。
図5(A)は、建物32の横幅W=7m、高さT=3.5m、奥行き=10.5m、重さ=約880kN、軟弱地盤28の深さL=10mとしている。また、建物32の下方には、地盤改良体34が形成され、その厚さD=3mとしている。
図6(A)は、建物36の横幅W=3.5m、高さT=7m、奥行き=10.5m、重さ=約880kN、軟弱地盤28の深さL=10mとしている。また、建物36の下方には、地盤改良体38が形成され、その厚さD=3mとしている。
図7(A)は、建物40の横幅W=3.5m、高さT=7m、奥行き=10.5m、重さ=約880kN、軟弱地盤28の深さL=10mとしている。また、建物40の下方には、地盤改良体42が形成され、その厚さD=6mとしている。
図8(A)は、建物44の横幅W=3.5m、高さT=7m、奥行き=10.5m、重さ=約880kN、軟弱地盤28の深さL=10mとしている。また、建物44の下部には、軟弱地盤28に埋設された地下階46が設けられ、その厚さD=1.5mとしている。
このように、図4〜8の建物30、32、36、40、44の重さ及び奥行きはすべて同じなので、建物の横幅が大きい建物32(W=7m)の方が、他の建物30、36、40、44(W=W=W=W=3.5m)よりも、単位面積当りの自重が小さくなっている。
なお、地盤改良体34、38、42は、格子状地盤改良を想定して、建物32、36、40の外周部に沿って軟弱地盤28よりも剛性の高い壁を設けた。
図4〜8の(B)には、軟弱地盤28へ振動を与え始めてからの経過時間に対する、軟弱地盤28の液状化による建物30、32、36、40、44の沈下量の値(1g場に換算した実物大の値)が示されている。建物30、32、36、40、44の底部上の左右両端付近に取り付けられた変位計48、50により測定した平均値をそれぞれの建物の沈下量とした。
ここで、図5(B)と図6(B)を比べると、図5(B)の最大沈下量は約15cmであり、図6(B)の最大沈下量の約20cmよりも小さい。よって、地盤改良体34、38の厚さが等しい(D=D=3m)場合には、単位面積当りの自重が重い方の図6(A)の建物36の沈下量が大きくなることがわかる。
また、図4(B)と図8(B)を比べると、図4(B)の最大沈下量は約30cmであり、図8(B)の最大沈下量の約15cmよりも大きい。よって、地下階46を有する方の図8の建物44の沈下量が小さくなることがわかる。
また、図6(B)と図7(B)を比べると、図6(B)の最大沈下量は約20cmであり、図7(B)の最大沈下量の約5cmよりも大きい。よって、同じ建物形状(W=W=3.5m、T=T=7m)の場合には、地盤改良体の厚さが大きい方の図7(A)の建物40の沈下量が小さくなることがわかる。
よって、振動実験の結果から、建物の単位面積当りの自重が大きいほど沈下量は大きくなり、また、地下階を有する方が沈下量が小さくなり、さらに、地盤改良体の厚さが大きいほど沈下量は小さくなることがわかる。
例えば、図4(A)の建物30と図8(A)の建物44が隣接して繋がって構築されている場合、軟弱地盤28が液状化したときに、建物30の沈下量は30cm、建物44の沈下量は15cmとなる。よって、15cmの沈下量の差が生じ、繋がっている取り合い部分では、かなり大きな応力が発生することが予想される。そこで、図6(A)のように図4(A)の建物30の下方に3mの厚さの地盤改良体を形成すれば、建物30の沈下量は20cmとなるので、建物30と建物44の沈下量の差も5cmに縮まり、建物の構造に及ぼされる沈下の影響を低減することができる。
本発明の実施形態に係る不同沈下抑制構造の地盤改良体厚さの決定方法を示す説明図である。 本発明の実施形態に係る不同沈下抑制構造の地盤改良体厚さの決定方法を示す説明図である。 本発明の実施形態に係る不同沈下抑制構造を示す説明図である。 本発明の実施形態に係る振動実験のモデル図、及び振動の経過時間に対する建物沈下量の線図である。 本発明の実施形態に係る振動実験のモデル図、及び振動の経過時間に対する建物沈下量の線図である。 本発明の実施形態に係る振動実験のモデル図、及び振動の経過時間に対する建物沈下量の線図である。 本発明の実施形態に係る振動実験のモデル図、及び振動の経過時間に対する建物沈下量の線図である。 本発明の実施形態に係る振動実験のモデル図、及び振動の経過時間に対する建物沈下量の線図である。 従来の不同沈下の問題点を示す説明図である。 従来の不同沈下制御基礎を示す概略図である。 従来の地震免震構造を示す概略図である。
符号の説明
10 不同沈下抑制構造
12 硬質地盤
14 軟弱地盤
16 低層建物(構造物)
18 高層建物(構造物)
20 地下階(地下部)
22 地下階(地下部)
24 地盤改良体
26 地盤改良体

Claims (3)

  1. 硬質地盤の上層にある軟弱地盤上に支持され、前記軟弱地盤に埋設された基礎部若しくは地下部が設けられると共に、隣接し合う複数の構造物と、
    前記基礎部若しくは前記地下部と前記硬質地盤との間に前記軟弱地盤の層を残すように形成された地盤改良体と、を有し、
    前記構造物の単位面積当りの自重が大きい方の前記構造物下方の前記地盤改良体の鉛直方向の厚さを、前記構造物の単位面積当りの自重が小さい方の前記構造物下方の前記地盤改良体の鉛直方向の厚さよりも大きくし、
    前記基礎部若しくは前記地下部の根入れ量が大きい方の前記構造物下方の前記地盤改良体の鉛直方向の厚さを減らし、又は前記基礎部若しくは前記地下部の根入れ量が小さい方の前記構造物下方の前記地盤改良体の鉛直方向の厚さを増やし、
    残された前記軟弱地盤の層の鉛直方向の厚さが大きい方の前記構造物下方の前記地盤改良体の鉛直方向の厚さを増やし、又は残された前記軟弱地盤の層の鉛直方向の厚さが小さい方の前記構造物下方の前記地盤改良体の鉛直方向の厚さを減らすことで地盤改良体の厚さを決定した、ことを特徴とする不同沈下抑制構造。
  2. 前記隣接し合う複数の構造物が、構造物の同一の基礎部上に載置されて一体となっている、
    ことを特徴とする請求項1に記載の不同沈下抑制構造。
  3. 前記隣接し合う複数の構造物が、構造物の異なる基礎部上に載置されている、
    ことを特徴とする請求項1に記載の不同沈下抑制構造。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2013028981A (ja) * 2011-07-29 2013-02-07 Shimizu Corp 軽量構造物の基礎構造
JP2015059315A (ja) * 2013-09-17 2015-03-30 株式会社竹中工務店 構造物
JP7471183B2 (ja) 2020-09-11 2024-04-19 株式会社竹中工務店 集水構造及び集水構造の施工方法

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