JP2020169567A - 斜面地盤の流動抑制方法および斜面地盤の流動抑制構造 - Google Patents

斜面地盤の流動抑制方法および斜面地盤の流動抑制構造 Download PDF

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Abstract

【課題】少ない改良土量で地盤を広範囲にわたって適切に改良し、斜面地盤の安定性を高めることができる斜面地盤の流動抑制方法および構造を提供すること。【解決手段】斜面地盤27に斜面と平行方向に所定の間隔で地盤改良を行い、地盤改良部である斜面平行壁33を施工する。斜面変更壁33の施工間隔および斜面平行壁33の壁厚は、地盤改良を行っていない未改良部の粘着力と地盤改良部である斜面平行壁33の粘着力とから求められる複合地盤の粘着力を用いて算出した複合地盤の滑り安全率が1を超えるように設定される。斜面平行壁33は過剰間隙水圧の抑制と斜面の滑りに必要な深度まで改良される。また、斜面地盤27に、斜面と略直交する方向に所定の間隔で地盤改良を行い、地盤改良部である斜面直交壁35を施工する。斜面直交壁35は、過剰間隙水圧抑制に必要な深度だけ改良される。【選択図】図2

Description

本発明は、斜面地盤の流動を抑制する方法および構造に関するものである。
斜面地盤では、豪雨等によって斜面がすべって崩壊する場合がある。また、鉱山の鉱さい集積場における基礎堤内の鉱さい(スライム)地盤のような軟弱な斜面地盤では、地震時に液状化やそれに伴う地盤の強度低下に起因した流動が生じる場合がある。そこで、斜面地盤では、豪雨時や地震時における地盤の安定性を高める必要がある。
豪雨等による斜面の地滑りを抑制する方法として、地表に浸透防止工を施工して地下水の浸透を防ぐ方法、薬液注入や杭の打設等により地盤を強化する方法等がある。また、地震時の斜面の流動を抑制する方法として、セメント等の固化材を原位置で撹拌し、地盤に固化体を造成する固化系地盤改良が有効と考えられ、堰堤と表層改良体と斜面の側部に形成されて非液状化層に着底または根入れされた側部改良体とを備える流動対策構造が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
平坦な地盤においては、地震時の液状化を抑制し安定性を高めるための方法として、格子状に地盤を改良する方法が知られている(例えば、特許文献2、特許文献3参照)。
特開2016−3514号公報 特開2002−302935号公報 特開2009−185546号公報
しかしながら、豪雨時および地震時の安定化対策を必要とする斜面が大規模な場合、対策コスト低減の観点から、改良範囲をできる限り削減する必要がある。その際、地震の液状化対策として用いられる格子状に地盤を改良する方法が有効だが、従来の格子状改良の設計法は、平坦地盤を前提として未改良部の液状化を許容しない考え方が主流であり、鉱さい集積場のようなある程度の液状化が許容されるような斜面地盤にとって必ずしも合理的でない場合があり、斜面の安定に不必要な改良範囲が含まれることが懸念される。
本発明は、前述した問題点に鑑みてなされたもので、その目的とすることは、少ない改良土量で地盤を広範囲にわたって適切に改良し、斜面地盤の安定性を高めることができる斜面地盤の流動抑制方法および構造である。
前述した目的を達成するために、第1の発明は、斜面地盤の流動を抑制する方法であって、斜面地盤に、斜面と平行方向に所定の間隔で地盤改良を行い、地盤改良部である斜面平行壁を施工する工程aを具備し、一部の前記斜面平行壁の深度が他の前記斜面平行壁の深度よりも浅く、前記斜面平行壁の壁面摩擦により前記斜面地盤の滑りを抑制することを特徴とする斜面地盤の流動抑制方法である。
第2の発明は、斜面地盤の流動を抑制する方法であって、斜面地盤に、斜面と平行方向に所定の間隔で地盤改良を行い、地盤改良部である斜面平行壁を施工する工程aと、前記斜面地盤の表層に、前記斜面地盤の上流側の面から下流側の面を貫通する水抜き孔を有する凸部を形成する工程と、具備し、前記斜面平行壁の壁面摩擦により前記斜面地盤の滑りを抑制することを特徴とする斜面地盤の流動抑制方法である。過剰間隙水圧とは、液状化の原因である地震時に上昇する土中内の水圧である。
第1、第2の発明では、前記斜面平行壁を、平面視でジグザグ形状に形成してもよい。
斜面直交壁を施工する場合、必要に応じて、前記斜面平行壁と前記斜面直交壁との交差部に、杭を設置してもよい。
また、少なくとも一部の前記斜面直交壁の深度は、前記斜面平行壁の深度よりも浅くてもよい。
また、前記斜面直交壁は、過剰間隙水圧抑制に必要な深度だけ改良されることが望ましい。
第1、第2の発明では、地盤改良で発生する吹上土を用いて、前記斜面地盤の表層を被覆する土被り部を設置してもよい。吹上土とは、地盤内で固化材を撹拌したときに地上に吹き上がってくる土と固化材の混成物である。
また、第2の発明では、必要に応じて、前記斜面地盤の表層に凸部が形成され、前記凸部が前記斜面平行壁の頂部近傍に接続される。
第1、第2の発明では、斜面平行壁の施工間隔および斜面平行壁の壁厚を、地盤改良を行っていない未改良部の粘着力と地盤改良部の粘着力とから求められる複合地盤の粘着力を用いて算出した複合地盤の滑り安全率が1を超えるように設定することにより、斜面平行壁の壁面摩擦による拘束効果によって地盤の滑りを抑制することができる。また、斜面平行壁に加えて斜面直交壁を設けることにより、地震時の斜面平行壁の振動を抑制し、斜面地盤の液状化を抑制することができる。
第1、第2の発明では、斜面平行壁の改良深度を過剰間隙水圧の抑制と斜面の滑り抑制に必要な深度までとしたり、斜面直交壁の改良深度を過剰間隙水圧抑制に必要な深度までとしたりすることにより、すべての格子壁を同一の深度に設定する従来の格子状改良の考え方に比べて改良土量を削減できる。また、斜面直交壁と斜面平行壁との交差部に杭を設置すれば、杭の曲げ抵抗によって格子状改良範囲全体の滑りをさらに抑制することができる。
第1、第2の発明において、地盤改良で発生する吹上土を用いて斜面地盤の表層を被覆する土被り部を設置すれば、土被り部による荷重増分による液状化抑制効果が得られるため、斜面平行壁の設置間隔を広げることができ、改良土量を削減することができる。また、斜面地盤の表層に形成した凸部を斜面平行壁の頂部近傍に接続すれば、地盤表層の土砂の流動を凸部で堰き止めることができる。
第3の発明は、斜面地盤の流動を抑制する構造であって、斜面地盤に斜面と平行方向に所定の間隔で形成された地盤改良部である斜面平行壁を具備し、一部の前記斜面平行壁の深度が他の前記斜面平行壁の深度よりも浅く、前記斜面平行壁の壁面摩擦により前記斜面地盤の滑りが抑制されることを特徴とする斜面地盤の流動抑制構造である。
第4の発明は、斜面地盤の流動を抑制する構造であって、斜面地盤に斜面と平行方向に所定の間隔で形成された地盤改良部である斜面平行壁を具備し、前記斜面平行壁の壁面摩擦により前記斜面地盤の滑りが抑制され、前記斜面地盤の表層に、前記斜面地盤の上流側の面から下流側の面を貫通する水抜き孔を有する凸部が形成されることを特徴とする斜面地盤の流動抑制構造である。過剰間隙水圧とは、液状化の原因である地震時に上昇する土中内の水圧である。
第3、第4の発明では、前記斜面平行壁が、平面視でジグザグ形状に形成される場合もある。
第3、第4の発明では、斜面平行壁の施工間隔および斜面平行壁の壁厚を、地盤改良を行っていない未改良部の粘着力と地盤改良部の粘着力とから求められる複合地盤の粘着力を用いて算出した複合地盤の滑り安全率が1を超えるように設定することにより、斜面平行壁の壁面摩擦による拘束効果によって地盤の滑りを抑制することができる。また、斜面平行壁に加えて斜面平行壁の深度よりも浅い斜面直交壁を設けることにより、地震時の斜面平行壁の振動を抑制し、斜面地盤の液状化を抑制することができる。この際、前記斜面直交壁は、過剰間隙水圧抑制に必要な深度だけ改良されることが望ましい。
第3、第4の発明では、斜面平行壁の改良深度を過剰間隙水圧の抑制と斜面の滑り抑制に必要な深度までとしたり、斜面直交壁の改良深度を過剰間隙水圧抑制に必要な深度までとしたりすることにより、すべての格子壁を同一の深度に設定する従来の格子状改良の考え方に比べて改良土量を削減できる。
本発明によれば、少ない改良土量で地盤を広範囲にわたって適切に改良し、斜面地盤の安定性を高めることができる斜面地盤の流動抑制方法および構造を提供できる。
斜面地盤2および流動抑制構造1の概要を示す図 斜面地盤27および流動抑制構造31の概要を示す図 斜面地盤27に施工された流動抑制構造31の概要を示す図 他の流動抑制構造を示す図 流動抑制構造31cの概要を示す図 流動抑制構造31dの概要を示す図 流動抑制構造31eの概要を示す図 他の流動抑制構造の概要を示す図 斜面平行壁を平面視でジグザグ状に形成した例を示す図
以下図面に基づいて、本発明の第1の実施の形態を詳細に説明する。図1は、斜面地盤2および流動抑制構造1の概要を示す図である。図1(a)は、斜面地盤2の斜面方向の縦断図、図1(b)は、図1(a)に示す範囲Aに流動抑制構造1による対策を施した場合の斜視図、図1(c)は、図1(b)に示すユニット13の斜面直交方向の断面図、図1(d)は、図1(a)に示す範囲Aの拡大図である。図1(a)、図1(d)は、図の右側が滑り層3の滑り方向の上流側、図の左側が下流側である。図1(b)は、図の奥側が滑り層3の滑り方向の上流側、図の手前側が下流側である。
図1に示すように、斜面地盤2は、基礎地盤4と滑り層3とからなる。斜面地盤2では、豪雨時の斜面15の崩壊対策として、図1(b)に示すように、滑り層3に流動抑制構造1を形成する。
図1(b)に示すように、流動抑制構造1は、所定の間隔7をおいて設けられた複数の斜面平行壁5からなる。斜面平行壁5は、斜面地盤2の斜面15と平行方向に、すなわち、滑り層3の流動方向の上流側から下流側に沿った方向に配置される。
流動抑制構造1を形成するには、滑り層3を斜面地盤2の斜面15と平行方向に地盤改良して、地盤改良部である複数の斜面平行壁5を施工する。斜面平行壁5の間隔7および斜面平行壁5の壁厚9は、地盤改良を行っていない未改良部の粘着力Cs’と地盤改良部である斜面平行壁5の粘着力Cc’とから求められる複合地盤の粘着力C’を用いて複合地盤の滑り安全率を算出し、滑り安全率が1を超えるように設定される。
斜面地盤2から図1(b)に示すユニット13を取り出すと、ユニット13の斜面直交方向の断面は、図1(c)に示すようになる。ユニット13は、未改良部と地盤改良部である斜面平行壁5からなる複合地盤である。1つのユニット13に占める斜面平行壁5の率aは、壁厚9をB、間隔7をLとすると、a=B/Lとなる。1つのユニット13は、一部が地盤改良部である斜面平行壁5に置き換わっているため、円弧滑りに対する抵抗力が増している。これを粘着力Cs’の未改良部と粘着力Cc’の地盤改良部である斜面平行壁5からなる複合地盤の粘着力として評価すれば、複合地盤の粘着力C’は数式(1)により表される。
C’=aCc’+(1−a)Cs’・・・(1)
また、図1(d)に示すように、滑り円弧11内の土塊を複数の分割土塊17−1、17−2、…、17−nに分割すると、複合地盤の滑り安全率Fsは、複合地盤の粘着力C’、せん断強さτ’、分割土塊17の滑り辺の長さl、分割土塊17の重量W、間隙水圧u、分割土塊17の幅b、各分割土塊17の滑り辺の中点と滑り円の中心とを結ぶ直線と鉛直線とのなす角α、せん断抵抗各φ’を用いて、数式(2)により表される。
Fs=Στ’/ΣWsinα=Σ{C’・l+(W−ub)cosα・tanφ’}/ΣWsinα・・・(2)
斜面平行壁5の間隔7および斜面平行壁5の壁厚9を決定する際には、壁厚9をB、間隔7をLとしてB、Lを仮決定し、数式1から複合地盤の粘着力C’を求める。そして、複合地盤の粘着力C’を数式2に代入してFs>1となるか否かを確認する。Fsに余裕があれば、B、Lを小さくして再計算を行い、合理的なB、Lを決定する。
斜面平行壁5の深度は、滑り層3の過剰間隙水圧の抑制と滑りの抑制とを考慮して決定される。過剰間隙水圧とは、液状化の原因である地震時に上昇する土中内の水圧である。斜面平行壁5の深度は、滑り層3の滑りを抑制するため、基礎地盤4に着底する程度とするか、基礎地盤4に根入れするのが望ましいが、上述した安定計算で得た滑り円弧11が浅い場合は非着底型にできる。
なお、地盤改良の工法には、例えば、パワーブレンダー(登録商標)工法などの中層混合処理工法で改良深度を任意に設定できる工法が望ましい。
第1の実施の形態では、斜面地盤2に斜面平行壁5を施工して流動抑制構造1を形成することにより、斜面平行壁5の壁面摩擦により豪雨時に滑り層3の滑りを抑制し、斜面地盤2の安定性を高めることができる。
次に、第2の実施の形態について説明する。図2は、斜面地盤27および流動抑制構造31の概要を示す図である。図2(a)は、鉱さい集積場19の斜面方向の縦断図である。図2(a)では、図の右側が軟弱層23の流動方向の上流側、図の左側が下流側である。図2(b)は、図2(a)に示す範囲Bに流動抑制構造31による対策を施した場合の斜視図であり、軟弱層23を省略して図示している。図2(b)では、図の奥側が流動方向の上流側、図の手前側が下流側である。
図3は、斜面地盤27に施工された流動抑制構造31の概要を示す図である。図3(a)は、斜面地盤27の平面図である図3(b)に示す矢印C−Cによる斜面地盤27の斜面直交方向の縦断図である。図3(a)では、図の奥側が軟弱層23の流動方向の上流側、図の手前側が下流側である。図3(b)は、流動抑制構造31を施工した斜面地盤27の平面図である。
図2(a)に示すように、鉱さい集積場19では、斜面地盤27の非液状化層21の底部に基礎堤25が設けられ、基礎堤25の上流側に集積物を集積した軟弱層23が形成される。基礎堤25の上流側の軟弱層23上には、かん止堤29による築堤がなされる場合がある。鉱さい集積場19の耐震補強として、斜面地盤27の軟弱層23に、図2(b)に示すように、液状化による流動を抑制するための流動抑制構造31を形成する。
図2(b)、図3に示すように、流動抑制構造31は、所定の間隔37をおいて施工された複数の斜面平行壁33、所定の間隔39をおいて施工された複数の斜面直交壁35からなる。斜面平行壁33は、斜面地盤27の斜面と平行方向に、すなわち、軟弱層23の流動方向の上流側から下流側に沿った方向に配置される。斜面直交壁35は、斜面地盤2の斜面と略直交する方向に、すなわち、軟弱層23の流動方向と直交する方向に配置される。
流動抑制構造31を形成するには、まず、軟弱層23を斜面地盤27の斜面と平行する方向に地盤改良して、複数の斜面平行壁33を施工する。斜面平行壁33の施工間隔や壁厚は、第1の実施の形態と同様に、地盤改良を行っていない未改良部の粘着力Cs’と地盤改良部である斜面平行壁33の粘着力Cc’とから求められる複合地盤の粘着力C’を用いて複合地盤の滑り安全率を算出し、滑り安全率が1を超えるように設定される。
斜面平行壁33の深度43は、軟弱層23の過剰間隙水圧の抑制と滑りの抑制とを考慮して決定される。斜面平行壁33の深度43は、軟弱層23の滑りを抑制するため、非液状化層21に着底する程度とするか、非液状化層21に根入れするのが望ましいが、安定計算で得た滑り円弧が浅い場合は非着底型にできる。
斜面平行壁33を施工した後、軟弱層23を斜面地盤27の斜面と略直交方向に地盤改良して、複数の斜面直交壁35を施工する。斜面直交壁35の深度45は、軟弱層23の過剰間隙水圧の抑制のみを考慮して決定される。斜面直交壁35は、斜面平行壁33に接合している必要はない。
地盤改良の工法には、例えば、パワーブレンダー(登録商標)工法などの中層混合処理工法で改良深度を任意に設定できる工法が望ましい。
第2の実施の形態では、斜面地盤27に斜面平行壁33と斜面直交壁35とからなる流動抑制構造31を形成することにより、地震時に液状化しやすい軟弱層23の表層の過剰間隙水圧を抑制して斜面地盤27の表面の揺れを防止することができる。また、斜面平行壁33の壁面摩擦により斜面地盤27の軟弱層23の滑りを抑制し、斜面直交壁35で斜面平行壁33の振動を抑制して、斜面地盤27の安定性を高めることができる。第2の実施の形態では、斜面直交壁35の深度45を過剰間隙水圧の抑制のみを考慮して決定することにより、広範囲にわたって地盤改良を行う場合にも、改良土量を削減できる。
図4は、他の流動抑制構造を示す図である。図4(a)は、流動抑制構造31aが形成された斜面地盤27の斜面直交方向の縦断図を示す。図4(a)では、図の奥側が軟弱層23の流動方向の上流側、図の手前側が下流側である。第2の実施の形態の流動抑制構造31では、全ての斜面平行壁33を非液状化層21に着底する程度の深度としたが、斜面平行壁33の深度はこの限りでない。軟弱層23の過剰間隙水圧を抑制するとともに、斜面平行壁33を施工する際、固化材の添加量を増やして斜面平行壁33のせん断強度を高め、滑りを抑制することができれば、図4(a)に示すように、一部の斜面平行壁33aの深度を他の斜面平行壁33の深度よりも浅くすることができる(最浅で斜面直交壁35の深度と同程度としてもよい)。
図4(b)は、流動抑制構造31bが形成された斜面地盤27の平面図を示す。第2の実施の形態の流動抑制構造31では、斜面平行壁33を形成した後に斜面直交壁35を形成したが、図4(b)に示す流動抑制構造31bのように、斜面平行壁33bと斜面直交壁35bとを一体に形成してもよい。また、斜面平行壁33bと斜面直交壁35bとが形成する隅角部にハンチ的な補強部分41を形成してもよい。
次に、第3の実施の形態について説明する。図5は、第3の実施の形態の流動抑制構造31cの概要を示す図である。図5(a)は、流動抑制構造31cが形成された斜面地盤27の斜面直交方向の縦断図を示す。図5(a)では、図の奥側が軟弱層23の流動方向の上流側、図の手前側が下流側である。図5(b)は、斜面平行壁33cの設置間隔37cと土被り部47の厚さ49の最適化を行うためのフローチャートを示す。
斜面地盤27に流動抑制構造31cを形成するには、図5(a)に示すように、まず、斜面と平行方向に地盤改良を行って複数の斜面平行壁33cを施工する。斜面平行壁33cの施工間隔や壁厚は、第1の実施の形態と同様に、地盤改良を行っていない未改良部の粘着力Cs’と地盤改良部である斜面平行壁33cの粘着力Cc’とから求められる複合地盤の粘着力C’を用いて複合地盤の滑り安全率を算出し、滑り安全率が1を超えるように設定される。
斜面平行壁33cの深度は、軟弱層23の過剰間隙水圧の抑制と滑りの抑制とを考慮して決定される。斜面平行壁33cの深度は、軟弱層23の滑りを抑制するため、非液状化層21に着底する程度とするか、非液状化層21に根入れするのが望ましいが、安定計算で得た滑り円弧が浅い場合は非着底型にできる。
次に、斜面と略直交する方向に地盤改良を行って複数の斜面直交壁35cを施工する。斜面直交壁35cの深度は、軟弱層23の過剰間隙水圧の抑制のみを考慮して決定される。
斜面直交壁35cを施工した後、斜面平行壁33cや斜面直交壁35cを施工する際に地盤改良で発生する吹上土を用いて、斜面地盤27の表層を被覆する土被り部47を設置する。土被り部47を設置する際には、吹上土をそのまま用いてもよいし、硬化した吹上土を粉砕してセメント等を加えて用いてもよい。吹上土をそのまま用いる場合、土被り部47を転圧して改良してもよい。転圧したりセメント等を加えたりして形成した土被り部47は、重機の作業足場として使用可能である。
流動抑制構造31cを形成する際には、図5(b)に示すフローチャートにしたがって、斜面平行壁33cの設置間隔37cと土被り部47の厚さ49の最適化を行う。最適化を行うには、まず、斜面平行壁33cの設置間隔37cを設定し(ステップ101)、軟弱層23の液状化判定を行う(ステップ103)。ステップ103で液状化すると判定された場合は、ステップ101に戻る。
ステップ103で液状化しないと判定された場合は、地盤改良で発生する吹上土の量を算出し(ステップ105)、土被り部47の厚さ49を設定し(ステップ107)、軟弱層23の液状化判定を行う(ステップ109)。ステップ109で軟弱層23の強度に余裕があると判定された場合は、斜面平行壁33cの設置間隔37cを再設定し(ステップ111)、ステップ105に戻る。ステップ109で余裕がないと判定された場合は、最も合理的な斜面平行壁33cの設置間隔37cおよび土被り部47の厚さ49が得られたと判断し、最適化を終了する。
第3の実施の形態では、斜面地盤27に斜面平行壁33cと斜面直交壁35cとを有する流動抑制構造31cを形成した上で、斜面地盤27の表層に土被り部47を設置することにより、地震時に液状化しやすい軟弱層23の表層の過剰間隙水圧を抑制して斜面地盤27の表面の揺れを防止することができる。また、斜面平行壁33cの壁面摩擦により斜面地盤27の軟弱層23の滑りを抑制し、斜面直交壁35cで斜面平行壁33cの振動を抑制して、斜面地盤27の安定性を高めることができる。
第3の実施の形態では、土被り部47による液状化抵抗性の増大によって格子壁の設置間隔をさらに広げることが可能になる。第3の実施の形態では、図5(b)に示すフローチャートにより斜面平行壁33cの設置間隔37cおよび土被り部47の厚さ49の最適化を行うことにより、斜面平行壁33cの設置間隔37cを拡げ、改良土量を削減できる。
次に、第4の実施の形態について説明する。図6は、第4の実施の形態の流動抑制構造31dの概要を示す図である。図6(a)は、斜面地盤27の平面図である図6(b)に示す矢印D−Dによる斜面地盤27の斜面直交方向の縦断図である。図6(a)は、図の奥側が軟弱層23の流動方向の上流側、図の手前側が下流側である。図6(b)は、流動抑制構造31dを施工した斜面地盤27の平面図である。
斜面地盤27に流動抑制構造31dを形成するには、図6に示すように、まず、斜面と平行方向に地盤改良を行って複数の斜面平行壁33dを施工する。斜面平行壁33dの施工間隔や壁厚は、第1の実施の形態と同様に、地盤改良を行っていない未改良部の粘着力Cs’と地盤改良部である斜面平行壁33dの粘着力Cc’とから求められる複合地盤の粘着力C’を用いて複合地盤の滑り安全率を算出し、滑り安全率が1を超えるように設定される。斜面平行壁33dの深度は、軟弱層23の過剰間隙水圧の抑制と滑りの抑制とを考慮して決定される。
次に、斜面と略直交する方向に地盤改良を行って複数の斜面直交壁35dを施工する。斜面直交壁35dの深度は、軟弱層23の過剰間隙水圧の抑制のみを考慮して決定される。
その後、斜面平行壁33dと斜面直交壁35dとの交差部に杭51を設置する。杭51の仕様は、軟弱層23の滑りを抑制できるものとする。斜面平行壁33dおよび杭51の深さは、例えば、非液状化層21に着底する程度とするか、非液状化層21に根入れするのが望ましいが、安定計算で得た滑り円弧が浅い場合は非着底型にできる。
第4の実施の形態では、斜面地盤27に斜面平行壁33dと斜面直交壁35dとを有する流動抑制構造31dを形成することにより、地震時に液状化しやすい軟弱層23の表層の過剰間隙水圧を抑制して斜面地盤27の表面の揺れを防止することができる。また、斜面平行壁33dの壁面摩擦や杭51により斜面地盤27の軟弱層23の滑りを抑制し、斜面直交壁35dで斜面平行壁33dの振動を抑制して、斜面地盤27の安定性を高めることができる。
第4の実施の形態では、斜面平行壁33dや斜面直交壁35dの深度を過剰間隙水圧の抑制のみを考慮して決定することにより、広範囲にわたって地盤改良を行う場合にも、改良土量を削減できる。
次に、第5の実施の形態について説明する。図7は、第5の実施の形態の流動抑制構造31eの概要を示す図である。図7(a)は、斜面地盤27の平面図である図7(c)に示す矢印E−Eによる斜面地盤27の斜面直交方向の縦断図である。図7(a)では、図の奥側が軟弱層23の流動方向の上流側、図の手前側が下流側である。図7(b)は、図7(c)に示す矢印F−Fによる斜面地盤27の斜面方向の縦断図である。図7(b)では、図の右側が軟弱層23の流動方向の上流側、図の左側が下流側である。図7(c)は、流動抑制構造31eを施工した斜面地盤27の平面図である。
斜面地盤27に流動抑制構造31eを形成するには、図7に示すように、まず、斜面と平行方向に地盤改良を行って複数の斜面平行壁33eを施工する。斜面平行壁33eの施工間隔や壁厚は、第1の実施の形態と同様に、地盤改良を行っていない未改良部の粘着力Cs’と地盤改良部である斜面平行壁33eの粘着力Cc’とから求められる複合地盤の粘着力C’を用いて複合地盤の滑り安全率を算出し、滑り安全率が1を超えるように設定される。
斜面平行壁33eの深度は、軟弱層23の過剰間隙水圧の抑制と滑りの抑制とを考慮して決定される。斜面平行壁33eの深度は、軟弱層23の滑りを抑制するため、非液状化層21に着底する程度とするか、非液状化層21に根入れするのが望ましいが、安定計算で得た滑り円弧が浅い場合は非着底型にできる。
次に、斜面と略直交する方向に地盤改良を行って複数の斜面直交壁35eを施工する。斜面直交壁35eの深度は、軟弱層23の過剰間隙水圧の抑制のみを考慮して決定される。
その後、斜面地盤27の表層に、斜面直交壁35eの頂部に沿って、凸部57を形成する。凸部57は、斜面平行壁33eの硬化前に頂部近傍に埋設されたアンカ59によって、斜面平行壁33eに接続される。鉱さい集積場の斜面地盤27では、表層に沿って、図7(c)の矢印Jに示すように上流から降雨などの水が流れる場合がある。凸部57は、斜面地盤27の上流側の面から下流側の面を貫通する水抜き孔61を有する。水抜き孔61は、鉱さい集積場の上流から流れる水が鉱さい集積場の側方(図7(c)の右側と左側)に流れるように傾きをもたせて配置される。
第5の実施の形態では、斜面地盤27に斜面平行壁33eと斜面直交壁35eとを有する流動抑制構造31eを形成することによって、地震時に液状化しやすい軟弱層23の表層の過剰間隙水圧を抑制して斜面地盤27の表面の揺れを防止することができる。また、斜面平行壁33eの壁面摩擦により斜面地盤27の軟弱層23の滑りを抑制し、斜面直交壁35eで斜面平行壁33eの振動を抑制して、斜面地盤27の安定性を高めることができる。さらに、斜面地盤27の表層に斜面直交壁35eの頂部に沿って凸部57を形成することにより、水を鉱さい集積場の両側方に逃して斜面地盤27に浸透する水を削減することができるとともに、図7(b)の破線63に示すように斜面地盤27の表層の土砂が流動した場合に、流動土砂を凸部57で堰き止めることができる。
第5の実施の形態では、斜面直交壁35eの深度を軟弱層23の過剰間隙水圧の抑制のみを考慮して決定することにより、広範囲にわたって地盤改良を行う場合にも、改良土量を削減できる。
図8は、他の流動抑制構造の概要を示す図である。図8(a)は、斜面地盤27の平面図である図8(b)に示す矢印G−Gによる斜面地盤2の斜面直交方向の縦断図である。図8(a)では、図の奥側が軟弱層23の流動方向の上流側、図の手前側が下流側である。図8(b)は、流動抑制構造31fを施工した斜面地盤27の平面図である。
第5の実施の形態では、凸部57を斜面直交壁35eの頂部に沿って形成したが、凸部57の配置はこれに限らない。図8(a)および図8(b)に示す流動抑制構造31fのように、斜面地盤27の表層に、凸部57fを、平面視が山型となるように配置してもよい。鉱さい集積場の斜面地盤27では、表層に沿って、図8(b)の矢印Hに示すように上流から降雨などの水が流れる場合がある。凸部57fを形成することにより、上流から流れる水が、凸部57fに沿って鉱さい集積場の側方(図8(b)の右側と左側)に流れる。図8(a)に示すように、凸部57fは、斜面平行壁33fとの交差部において、斜面平行壁33fの頂部付近にアンカ59fによって接続される。凸部57fは、斜面地盤27の上流側の面から下流側の面を貫通する水抜き孔61fを有する。水抜き孔61fは、鉱さい集積場の上流から流れる水が鉱さい集積場の側方に流れるように傾きをもたせて配置される。
図8(c)は、流動抑制構造31gを施工した斜面地盤27の平面図である。図8(c)に示す流動抑制構造31gのように、凸部57gを、平面視が谷型となるように配置してもよい。凸部57gを形成することにより、図8(c)の矢印Iに示すように上流から流れる水が、凸部57gに沿って鉱さい集積場の中央に流れる。凸部57gは、斜面平行壁33gとの交差部において、斜面平行壁33gの頂部付近に図示しないアンカによって接続される。凸部57gは、斜面地盤27の上流側の面から下流側の面を貫通する水抜き孔61gを有する。水抜き孔61gは、凸部57gの折れ曲がり部に水が溜まらないよう、鉱さい集積場の上流から流れてきた水を下流側に流すように配置される。
なお、上述した実施の形態では、斜面平行壁を施工した後に斜面直交壁を施工したが、施工順序はこれに限らない。図4(b)に示す例のように斜面平行壁と斜面直交壁とを一体に施工してもよい。斜面直交壁を施工した後に斜面平行壁を施工してもよい。格子壁の方向に関係なく、下流側から順に施工してもよい。
また、図1から図8に示す例では斜面平行壁を平面視で直線状に形成したが、斜面平行壁の形状はこれに限らない。図9は、斜面平行壁を平面視でジグザグ状に形成した例を示す図である。
図9(a)は、流動抑制構造1aを施工した斜面地盤2の平面図である。図9(a)に示すように、豪雨等による斜面地盤2の滑りを抑制するために、平面視でジグザグ状の斜面平行壁5aを所定の間隔で施工して流動抑制構造1aとしてもよい。斜面平行壁5aは、平面視で斜面に平行な軸65を中心として軸65の左右に所定の振れ幅でジグザグ状に形成される。
図9(b)は、流動抑制構造31hを施工した斜面地盤27の平面図である。図9(b)に示すように、地震等による斜面地盤27の液状化を抑制するために、平面視でジグザグ状の斜面平行壁33hを所定の間隔で施工し、斜面直交壁35hと合わせて流動抑制構造31hとしてもよい。斜面平行壁33hは、平面視で斜面に平行な軸67を中心として軸67の左右に所定の振れ幅でジグザグ状に形成される。このように、本発明では、斜面平行壁は、全体として斜面に略平行に形成されれば、部分的に多少の傾きを持って形成されてもよい。
以上、添付図を参照しながら、本発明の実施形態を説明したが、本発明の技術的範囲は、前述した実施形態に左右されない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
1、1a、31、31a、31b、31c、31d、31e、31f、31g、31h………流動抑制構造
2、27………斜面地盤
3………滑り層
4………基礎地盤
5、5a、33、33a、33b、33c、33d、33e、33f、33g、33h………斜面平行壁
7、37、39、37c………間隔
9………壁厚
11………滑り円弧
15………斜面
17−1、17−2、…、17−n………分割土塊
19………鉱さい集積場
21………非液状化層
23………軟弱層
25………基礎堤
41………補強部分
43、45………深度
47………土被り部
51………杭
57、57f、57g………凸部
61………水抜き孔

Claims (12)

  1. 斜面地盤の流動を抑制する方法であって、
    斜面地盤に、斜面と平行方向に所定の間隔で地盤改良を行い、地盤改良部である斜面平行壁を施工する工程aを具備し、
    一部の前記斜面平行壁の深度が他の前記斜面平行壁の深度よりも浅く、
    前記斜面平行壁の壁面摩擦により前記斜面地盤の滑りを抑制することを特徴とする斜面地盤の流動抑制方法。
  2. 斜面地盤の流動を抑制する方法であって、
    斜面地盤に、斜面と平行方向に所定の間隔で地盤改良を行い、地盤改良部である斜面平行壁を施工する工程aと、
    前記斜面地盤の表層に、前記斜面地盤の上流側の面から下流側の面を貫通する水抜き孔を有する凸部を形成する工程と、
    を具備し、
    前記斜面平行壁の壁面摩擦により前記斜面地盤の滑りを抑制することを特徴とする斜面地盤の流動抑制方法。
  3. 前記所定の間隔および前記斜面平行壁の壁厚は、地盤改良を行っていない未改良部の粘着力と前記地盤改良部の粘着力とから求められる複合地盤の粘着力を用いて算出した前記複合地盤の滑り安全率が1を超えるように設定されることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の斜面地盤の流動抑制方法。
  4. 前記斜面平行壁は過剰間隙水圧の抑制と斜面の滑り抑制に必要な深度まで改良されることを特徴とする請求項1に記載の斜面地盤の流動抑制方法。
  5. 前記斜面地盤に、前記斜面と略直交する方向に所定の間隔で地盤改良を行い、地盤改良部である斜面直交壁を施工する工程bをさらに具備し、
    前記斜面直交壁により前記斜面地盤の液状化を抑制することを特徴とする請求項1から請求項4のいずれかに記載の斜面地盤の流動抑制方法。
  6. 前記斜面直交壁は、過剰間隙水圧抑制に必要な深度だけ改良されることを特徴とする請求項5に記載の斜面地盤の流動抑制方法。
  7. 斜面地盤の流動を抑制する構造であって、
    斜面地盤に斜面と平行方向に所定の間隔で形成された地盤改良部である斜面平行壁を具備し、
    一部の前記斜面平行壁の深度が他の前記斜面平行壁の深度よりも浅く、
    前記斜面平行壁の壁面摩擦により前記斜面地盤の滑りが抑制されることを特徴とする斜面地盤の流動抑制構造。
  8. 斜面地盤の流動を抑制する構造であって、
    斜面地盤に斜面と平行方向に所定の間隔で形成された地盤改良部である斜面平行壁を具備し、
    前記斜面平行壁の壁面摩擦により前記斜面地盤の滑りが抑制され、
    前記斜面地盤の表層に、前記斜面地盤の上流側の面から下流側の面を貫通する水抜き孔を有する凸部が形成されることを特徴とする斜面地盤の流動抑制構造。
  9. 前記所定の間隔および前記斜面平行壁の壁厚は、地盤改良を行っていない未改良部の粘着力と前記地盤改良部の粘着力とから求められる複合地盤の粘着力を用いて算出した前記複合地盤の滑り安全率が1を超えるように設定されることを特徴とする請求項7又は請求項8に記載の斜面地盤の流動抑制構造。
  10. 前記斜面平行壁が、過剰間隙水圧抑制と斜面の滑り抑制に必要な深度まで形成されることを特徴とする請求項7記載の斜面地盤の流動抑制構造。
  11. 前記斜面地盤に前記斜面と略直交する方向に所定の間隔で形成された地盤改良部である斜面直交壁をさらに具備し、
    少なくとも一部の前記斜面直交壁の深度が、前記斜面平行壁の深度よりも浅く形成され、
    前記斜面直交壁により前記斜面地盤の液状化が抑制されることを特徴とする請求項7から請求項10のいずれかに記載の斜面地盤の流動抑制構造。
  12. 前記斜面直交壁は、過剰間隙水圧抑制に必要な深度だけ形成されることを特徴とする請求項11記載の斜面地盤の流動抑制構造。
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