JP3921656B2 - 火災感知器 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明が属する技術分野】
この発明は、取付ベースを介して天井面等に取り付けられる火災感知器に関する。
【0002】
【従来の技術】
天井面等に取付ベースを介して取り付けられる火災感知器は、取付ベースをネジ等によって天井面等に固定し、その取付ベースに火災感知器本体を嵌合金具によって接続するようになっている。
【0003】
上記の如く取り付けられる火災感知器において、取付ベースと火災感知器本体とを接続する嵌合部としての嵌合金具は、取付ベース側に設けられる嵌合受け部である金具と、火災感知器本体側に設けられる嵌合片部である金具とからなり、取付ベース側の金具が火災受信機等に接続されるリード線と電気的に接続され、火災感知器本体側の金具が本体内に収納される回路基板と電気的に接続されている。
【0004】
したがって、上記嵌合金具は、取付ベースと火災感知器本体とを機械的に接続する部材としての機能を備えるとともに、両者を電気的に接続する電気的接続端子としての機能も兼ね備えている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上記の如き嵌合金具によって取付ベースと火災感知器本体とが機械的且つ電気的に接続される火災感知器においては、火災感知器本体側の嵌合金具をネジ等によって回路基板と電気的に接続しつつ回路基板に固定しなければならない。このため、同感知器においては以下の如き問題点が存する。
【0006】
▲1▼ 火災感知器本体側の嵌合金具や、その嵌合金具を固定するネジ等といった部品が必要であり、部品点数が多くなることから、部品にかかるコストが高く、結果として火災感知器の製造コストが高くなる。
▲2▼ 火災感知器本体側の嵌合金具をネジ等により固定する作業が必要であり、組み立て作業の工程数が多くなるばかりか、組み立て作業が煩雑なものとなることから、組み立て作業に要する時間が長くなり、結果として火災感知器の製造コストが高くなる。
▲3▼ 火災感知器本体側の嵌合金具をネジ等により回路基板に電気的に接続しているので、天井からの水滴等が嵌合金具及びネジ等を伝って回路基板側に浸入する可能性があり、またこのことから所謂防滴型の火災感知器を構成することができない。
【0007】
この発明は、上記事情に鑑み、取付ベースと火災感知器本体とを機械的且つ電気的に接続しつつも、部品点数が少なく、安価に製造することができる、取付ベースを介して取り付けられる火災感知器を提供することを目的とする。
【0008】
またこの発明は、上記事情に鑑み、取付ベースと火災感知器本体とを機械的且つ電気的に接続しつつも、組み立て作業に要する時間が短く、安価に製造することができる、取付ベースを介して取り付けられる火災感知器を提供することを目的とする。
【0009】
またこの発明は、上記事情に鑑み、取付ベースと火災感知器本体とを機械的且つ電気的に接続しつつも、天井からの水滴等が回路基板側に浸入することを防ぐことができ、防滴型の火災感知器を構成することができる、取付ベースを介して取り付けられる火災感知器を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するこの発明について述べれば、それは、天井面等に固定される取付ベース側に設けられた嵌合受け部と、火災感知器本体側に設けられた嵌合片部とからなる嵌合部が嵌合することによって、該取付ベースと該火災感知器本体とが電気的に接続される如く構成された火災感知器であって、該火災感知器本体側に設けられる嵌合片部を、該火災感知器本体内部に収納される回路基板より該回路基板の側方に向けて突出する如く延出し、該回路基板の回路実装部と電気的に接続される導電パターンを有する嵌合延出片部により構成し、該嵌合延出片部を該回路基板と一体のものとして形成し、該嵌合延出片部と該回路基板とを一部材のものとすることを特徴とする火災感知器である。
【0011】
上記火災感知器において、嵌合延出片部は、筒状の内部隔壁とその内部隔壁の上縁に被せられる如く設けられた蓋状の裏カバーとによって火災感知器本体内に形成され、回路基板等が収納される回路収納部の内部隔壁側よりその外方に突出しているものとすることができる、又、前記火災感知器本体と取付ベースとは、それぞれの外周部分に互いに係合される係合部が設けられているものとすることができる。
【0012】
上記火災感知器によれば、火災感知器本体側の嵌合延出片部を、取付ベース側の嵌合受け部に差し込んで両者を嵌合させることで、取付ベースと火災感知器本体とを機械的且つ電気的に接続することができる。
【0013】
そして、火災感知器本体側の嵌合延出片部を回路基板より延出する構成としたので、またその嵌合延出片部は回路基板と一体のものとして形成されている構成としたので、従来例のような火災感知器本体側の嵌合金具やそれを固定するネジ等の部品の必要はなく、また火災感知器の組み立てに際して、従来例のような火災感知器本体側の嵌合嵌具のネジ等による固定作業は必要がない。
【0014】
このため、上記火災感知器によれば、取付ベースと火災感知器本体とを機械的且つ電気的に接続しつつも、部品点数を少なくすることができるとともに、組み立てに要する作業時間も短くすることができ、それにより火災感知器を安価に製造することができる。
【0015】
さらに、上記火災感知器において、嵌合延出片部は、回路収納部よりその外方にパッキンを介して突出しているものとすることができる。
【0016】
このようにすることで、火災感知器本体側の嵌合延出片部と回路基板との間をパッキンによってシールすることができるので、取付ベースと火災感知器本体とを機械的且つ電気的に接続しつつも、天井からの水滴等が回路基板側に浸入するのを防ぐことができ、所謂防滴型の火災感知器を構成することができる。
【0017】
【発明の実施の形態】
この発明の実施の形態を添付図面の図1及び図2により説明する。なお、図1は取付ベースに火災感知器本体が接続された状態における断面図であり、図2は火災感知器本体の平面図である。
【0018】
図1及び図2において、1は火災感知器の一例としての煙感知器であり、感知器本体(火災感知器本体)2と取付ベース3とを備えている。
【0019】
取付ベース3は天井面(図示省略)にネジ等の固定手段により固定されるものであり、この取付ベース3に感知器本体2が機械的且つ電気的に接続(接続機構の詳細については後述する)される。
【0020】
感知器本体2内には、筒状の内部隔壁2aとその内部隔壁2aの上縁2cに被せられる如く設けられた蓋状の裏カバー2bとによって回路収納部4が形成されており、回路収納部4内には回路基板5が収納されている。さらに感知器本体2には、回路基板5に取り付けられる如く、その下方に煙を感知するための光学系が収納される光学系収納部10が設けられている。
【0021】
回路基板5は、ねじ止め5b,5cによって裏カバー2bに固定されている。また、裏カバー2bは内部隔壁2aにねじ止め2d,2eにより固定されている。そして、光学系収納部10は、回路基板5にフック10a,10bにより係合されている。
【0022】
この回路基板5には、回路基板5よりその側方に向けて突出する如く延出する2片の嵌合延出片6,7が設けられており、この嵌合延出片6,7は回路基板5と一体のものとして形成されている。またこの嵌合延出片6,7の上下の嵌合面(後述する嵌合受け部との嵌合面)のうち一方の嵌合面6a,7aには図示しない導電パターンが形成されている。この導電パターンは回路基板5の回路実装部5aと電気的に接続されており、導電パターンが形成されている側の一方の嵌合面6a,7aに電気的接続端子としての機能を持たせている。なお、他方の嵌合面(嵌合面6a,7aの裏側の嵌合面)に導電パターンを形成するようにしてもよいし、一方の嵌合面6a,7aと他方の嵌合面の両方に導電パターンを形成するようにしてもよい。
【0023】
回路基板5の嵌合延出片6,7は、回路収納部4を形成する内部隔壁2aの上縁2cと裏カバー2bとの間から回路収納部4の外方4aに突出する如く設けられており、嵌合延出片6,7と回路基板5の回路実装部5aとの間は、内部隔壁2aの上縁2cと裏カバー2bとの間に設けられたパッキンPによりシールされている。なお、内部隔壁2aの上縁2cには、嵌合延出片6,7に対応して、嵌合延出片6,7が挿入される凹部が形成されている。
【0024】
取付ベース3には、図1に示す如く、回路基板5の2片の嵌合延出片6,7のうち一方の嵌合延出片6と嵌合する嵌合受け部8が設けられており、この嵌合受け部8は、接触バネ8bを有する刃受け金具8aによって構成されており、嵌合延出片6が差し込まれて、それを上下から挟持することができる如く構成されている。また、嵌合受け部8は、図示されていない火災受信機のリード線と接続されている。なお、取付ベース3には、図面上は表れてはいないが、回路基板5のもう一方の嵌合延出片7と嵌合するもう一方の嵌合受け部も設けられている。なお、このもう一方の嵌合受け部は、嵌合受け部8と同様に構成されており、図示されていない火災受信機のリード線にも接続されている。
【0025】
感知器本体2の回路基板5の嵌合延出片6,7は、取付ベース3の嵌合受け部8と図面上表されていない嵌合受け部とに差し込まれて挟持されて、両者が嵌合することで、火災感知器本体2と取付ベース3とが機械的且つ電気的に接続されることとなる。また、感知器本体2と取付ベース3とは、それぞれの外周部分に設けた係合部11,12が係合することによっても機械的に接続されており、この係合(引掛)構造を設けることで、回路基板5にかかる応力を軽減することができる。なお、この引掛構造のみで感知器本体2と取付ベース3との機械的な接続を行うようにしてもよい。
【0026】
感知器本体2と取付ベース3とを機械的且つ電気的に接続する嵌合部における嵌合片部を回路基板5から延出する回路基板5と一体の嵌合延出片6,7としたことで、従来例では別部品として必要であった火災感知器本体側の嵌合金具やそれを固定するネジ等の部品の必要をなくすることができるとともに、従来例では火災感知器の組み立ての際に必要であった火災感知器本体側の嵌合嵌具をネジ等による固定する作業の必要をなくすることができる。
【0027】
また、回路基板5の嵌合延出片6,7を、回路収納部4を構成する内部隔壁2aの上縁2cと裏カバー2bとの間から外方に突出させ、嵌合延出片6,7と回路基板5の回路実装部5aとの間を、内部隔壁2aの上縁2cと裏カバー2bとの間に設けられたパッキンPによりシールしているので、天井からの水滴が嵌合受け部や嵌合延出片6,7に伝わったとしても、それが回路収納部4内に伝わるのを防ぐことができる。またこのようにすることで、取付ベース3と感知器本体2とを機械的且つ電気的に接続しつつも、煙感知器1を所謂防滴型の火災感知器とすることができることとなる。なお、裏カバー2b及びパッキンPを用いずに、回路基板5の回路実装部5a等を充填剤により覆って、天井からの水滴が回路基板5に伝わるのを防止してもよい。
【0028】
次に、この煙感知器1の組み立て方法について説明する。先ず、発光素子及び受光素子等の光学系を収納した光学系収納部10を光学系収納部10のフック10a,10bにより回路基板5に係合させる。次に内面外周上にパッキンPを載置した裏カバー2bと回路基板5の一方の嵌合面6a,7aを対向させて、ねじ止め5b,5cにより固定する。そして、内部隔壁2a内に光学系収納部10を挿入して、回路基板5の嵌合延出片6,7をそれに対応して内部隔壁2aの上縁2cに形成された凹部に挿入して、裏カバー2bと内部隔壁2cとをねじ止め2d,2eにより固定して、回路収納部4を形成し、感知器本体2を組み立てる。なお、凹部の外周面にパッキンを載置すると、天井からの水滴等が回路収納部4内へ浸入することをより防止できる。また、凹部を形成せずに、内部隔壁2aの上縁2c上にパッキンを載置し、裏カバー2bと上縁2cとを圧接させて、回路収納部4内への水滴等の浸入を防止してもよい。
【0029】
次に回路収納部4より外方4aに突出している嵌合延出片6,7を、所謂ツイスト嵌合により、天井に設置されている取付ベース3の対応した嵌合受け部に装着し、煙感知器1をセットする。このとき、感知器本体2と取付ベース3とは、それぞれの係合部11,12が係合して、機械的に接続される。
【0030】
なお、裏カバー2b及びパッキンPを用いない場合は、回路実装部5a等を充填剤により覆った回路基板5と内部隔壁2aとをねじ止め等により固定する。
【0031】
この発明の実施の形態の上記説明において、火災感知器として煙感知器を例に説明したが、火災感知器としては所謂熱感知器や炎感知器でもよい。
【0032】
【発明の効果】
この発明は、上記の如く構成したので、従来例においては必要であった火災感知器本体側の嵌合金具やそれを固定するネジ等の部品の必要をなくすることできるとともに、火災感知器の組み立てに際して、従来例においては必要であった火災感知器本体側の嵌合嵌具をネジ等により固定する作業の必要をなくすることができる。
【0033】
このため、この発明によれば、取付ベースと火災感知器本体とを機械的且つ電気的に接続しつつも、部品点数が少なくすることができるとともに、組み立てに要する作業時間を短くすることができ、安価に製造することができる火災感知器を得ることがことができる。
【0034】
さらにこの発明は、火災感知器本体側の嵌合延出片部と回路基板との間をパッキンによってシールすることで、取付ベースと火災感知器本体とを機械的且つ電気的に接続しつつも、天井からの水滴等が回路基板側に浸入するのを防ぐことができる火災感知器を得ることができ、これにより、取付ベースと火災感知器本体とを機械的且つ電気的に接続しつつも、所謂防滴型の火災感知器を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、取付ベースに火災感知器本体が接続された状態における断面図である。
【図2】図2は、火災感知器本体の平面図である。
【符号の説明】
1 煙感知器(火災感知器)
2 感知器本体(火災感知器本体)
2a 内部隔壁
2b 裏カバー
2c 内部隔壁の上縁
3 取付ベース
4 回路収納部
4a 回路収納部の外方
5 回路基板
5a 回路実装部
6 嵌合延出片
6a 一方の嵌合面
7 嵌合延出片
7a 一方の嵌合面
8 嵌合受け部
8a 刃受け金具
8b 接触バネ
P パッキン

Claims (3)

  1. 天井面等に固定される取付ベース側に設けられた嵌合受け部と、火災感知器本体側に設けられた嵌合片部とからなる嵌合部が嵌合することによって、該取付ベースと該火災感知器本体とが電気的に接続される如く構成された火災感知器であって、
    該火災感知器本体側に設けられる嵌合片部を、該火災感知器本体内部に収納される回路基板より該回路基板の側方に向けて突出する如く延出し、該回路基板の回路実装部と電気的に接続される導電パターンを有する嵌合延出片部により構成し
    該嵌合延出片部を該回路基板と一体のものとして形成し、該嵌合延出片部と該回路基板とを一部材のものとすることを特徴とする火災感知器。
  2. 前記火災感知器本体内には、筒状の内部隔壁とその内部隔壁の上縁に被せられる如く設けられた蓋状の裏カバーとによって回路収納部が形成され、前記嵌合延出片部は、前記火災感知器本体内部の回路基板等が収納される前記回路収納部の内部隔壁側よりその外方に突出していることを特徴とする請求項1記載の火災感知器。
  3. 前記火災感知器本体と取付ベースとは、それぞれの外周部分に互いに係合される係合部が設けられていることを特徴とする請求項1又は2記載の火災感知器。
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