JP3920689B2 - 測定用ゲージおよびその使用方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
請求項に係る発明は、ひずみゲージなどのように機械や構造物等における各種部材の表面に貼り付けられてその部材の状態を測定する各種測定用ゲージ、およびそのようなゲージの使用方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
機械や構造物中の部材(被測定部材)について応力やひずみ、温度、疲労損傷度などを測定する場合、当該部材にシート状の測定用ゲージを貼り付けることがある。測定のためのそのようなゲージは平面状に製作されていて、通常は平面部分に貼り付けて使用する。測定対象である部材の表面が曲面である場合には、したがってそのゲージを、その部材表面に沿うように曲げたうえ貼り付けている。
【0003】
上記のような測定用ゲージの一種として、疲労センサー(疲労損傷検出素子)がある。船舶や橋梁などの一部に貼り付けて、そこに作用した繰返しひずみの程度などを検出し疲労損傷度を推定するためのもので、たとえば特開2001−281120号公報に記載されている。
【0004】
同公報等に示された疲労センサーの概要は、図14(a)・(b)に示すとおりである。すなわち、スリット3をあらかじめ形成された平らな金属箔2Zを、当該スリット3をはさむ両側の固着部4・4にてベース材5の表面上に固着することにより、疲労センサー1Zを構成する。そしてこのようなセンサー1Zを、ベース材5の底面(金属箔2Zのない側の面)に接着剤層(接合部6)を設けることにより部材M上に貼り付ける。金属箔2Zをベース材5に重ねた状態で部材Mに貼り付けるのは、もし金属箔2Zを直接に部材M上に貼り付けるとすれば、固着部4・4の間隔などを一律に定めるという精度の要る煩わしい作業が貼り付けの現場に求められるからである。
図14のように部材M上に疲労センサー1Zを貼り付けると、当該部材Mに生じるひずみ振幅は、ベース材5を介して金属箔2Zに伝達され、ひずみの繰り返しとともにスリット3の先端からき裂Xを進展させる。進展したき裂Xの長さから、当該部材Mの疲労損傷度等を推定することができる。なお、スリット3を含む部分では金属箔2Zを薄く(つまり減厚部2aに)形成し、それにより、部材Mに生じたひずみによってスリット3の付近に集中的に応力を発生させ、部材Mの疲労損傷度を高感度・高精度に測定できるようにしている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
平面状に製作された測定用ゲージを、曲げたうえで部材表面(曲面部分)に貼り付ける場合、ゲージにできる曲面と部材表面の曲面とがぴったりとは沿いにくいため、ゲージの付きが悪くて部材表面から剥がれやすいことがある。ゲージが硬かったり脆い物でできていたりする場合には、強く曲げようとするときゲージが折損してしまうこともある。
【0006】
とくに、上に記載した疲労センサーの場合、金属箔とベース材とが2層に重なった構成を有しているため、容易には曲げにくく、折損しやすいとか部材表面から剥がれやすいとかの不都合が一層に発生しやすい。また、疲労センサーは、引張りの応力場において金属箔中のスリットからき裂の進展することが測定の基本であるが、曲げ方が不適当であると金属箔に引張りの応力場が生じなくなる(そのためき裂が進展し難くなる)恐れもある。
【0007】
請求項の発明は、このような点を考慮し、被測定部材のうち曲面部分の表面に適切に貼り付けることができる測定用ゲージとその使用方法とを提供しようとするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載した測定用ゲージは、部材表面に貼り付けられてその部材の状態を測定すべくベース材と金属箔で構成された測定用ゲージであるが、ベース材および金属箔のそれぞれをあらかじめ曲面に形成したうえで固着し、貼り付けられる部分に沿う曲面をベース材が有するよう形成したことを特徴とするものである。なお、「測定用ゲージ」には、歪みゲージや温度センサー、疲労センサーなど種々のゲージを含む。また、それらゲージによって測定しようとする部材の「状態」とは、歪みや応力、温度、疲労損傷度などをいう。
【0009】
この測定用ゲージは、部材のうちの貼り付けられる部分に合わせて、あらかじめそれに沿う曲面に形成したものであるから、部材上に貼り付ける際、部材表面に沿うように平面状のゲージを曲げる必要がない。そのため、曲げるときに折れてしまうとか、部材表面に付きにくい、あるいは後にそこから剥がれやすいとかいった不都合を解消することができる。したがって、部材表面に貼り付けるという測定現場での作業がきわめて容易になり、その後の測定も長期間にわたって円滑に実施できることになる。
【0010】
請求項2に記載した測定用ゲージは、とくに、部材表面の凹状曲面の部分に貼り付けられてその周方向の引張力を受けて感知すべく、ベース材を介して凹状曲面の部分に沿う曲面を両端部に形成するとともそれらの間に平面部分を形成した金属箔を、凹状曲面の部分に沿う上記両端部のみにおいてベース材に固着したことを特徴とする。
【0011】
この測定用ゲージは、両端部に曲面の部分を有していて、貼り付けようとする部材の凹状部分にその曲面が沿うことから、その曲面部分において適切に部材表面(凹状の表面)に貼り付ることができる。つまり、貼り付けの際に曲げようとして折れたり、部材表面に付きにくかったり、あるいは剥がれやすかったりするという不都合が生じ難い。
またこのゲージでは、両端部に形成された上記の曲面部分の間に平面部分が形成されている。部材表面に貼り付けられる曲面部分の間にこうした平面部分があるがゆえに、このゲージは、測定のために部材から周方向(当該部材の周方向)の引張力を受けることができる。もし、このような平面部分がなくてゲージの全体が曲面状であるなら、周方向の引張力が作用したとき、貼り付けた部分の間にある曲面状部分が変形する(曲率が下がる)ことにより、ゲージに伸びが生じなくなってしまう。なお、このゲージは凹状部分に貼り付けられるものなので、中ほどに平面部分のあることが両端部での部材表面への貼り付けを妨げることはない。
【0012】
請求項3に記載した測定用ゲージの使用方法は、測定する部材の表面に、請求項1または2に記載の測定用ゲージであって該当部分の表面に沿う曲面をベース材が有するものを貼り付けることを特徴とする。
【0013】
上記のように貼り付け部分に沿う曲面を有する測定用ゲージであっても、ゲージの曲面と一致しない曲面部分に貼り付けようとするなら、所期のメリットはもたらされない。この請求項の方法のように、被測定部材の表面に沿う曲面を有する測定用ゲージを使用する必要がある。つまり、このような方法にしたがってこそ、ゲージが折れたり、部材表面に付きにくかったり、あるいは剥がれやすかったりするような不都合が確実に解消される。なお、こうした方法を効率的に実施するには、曲率の異なる曲面をもたせて多数種類のゲージをあらかじめ製作し準備しておき、部材に貼り付ける際には、その部材中の該当部分の曲面に合うゲージを選択して使用するのがよい。
【0014】
請求項4に記載した測定用ゲージの使用方法は、測定する部材の表面に、請求項1または2に記載の測定用ゲージであってスリット付きの金属箔が当該スリットをはさむ両側位置でのみベース材の表面上に固着されてなる疲労センサーを、金属箔に引張力をかける向きに弾性変形させたうえで貼り付けることを特徴とする。
【0015】
曲率の異なる曲面をもつ多数種類のゲージを準備しておくとしても、すべての曲面(曲率)に完全に一致するゲージが必ずあるように準備することは不可能である。したがって現実的には、部材の表面とは多少異なる曲面をもつゲージをやや曲げて貼り付けることにより使用することが避けられない。その際、一般的なゲージならどちら向きに曲げてもよいのだが、上記のような疲労センサーの場合には、金属箔に引張力をかける向きに曲げる(ただし弾性変形の範囲内で)のがよい。疲労センサーの場合、引張りの応力場において金属箔中のスリットからき裂が進展することが測定上必要であるため、部材の疲労損傷度を高感度・高精度に知るうえでは、曲げるとすれば、金属箔に圧縮力ではなく引張力が作用する向きに曲げるべきなのである。
【0016】
測定用ゲージの使用方法としては、測定する部材の表面に、底面が該当部分の表面に固着され得る曲面であり上面が平面である中間板を取り付けて、その中間板の上面に、ベース材と金属箔で構成された平面状の測定用ゲージを貼り付けるようにすることもできる。なお「上面」とは、被測定部材から離れた側の面をさし、鉛直上方であるか否かは問わない(以下も同様)。
【0017】
このような中間板を介して部材表面上に測定用ゲージを貼るのなら、適切な中間板さえ準備しておけば、測定用ゲージを曲げて使用する必要がなく、また曲面状の測定用ゲージを準備する必要もない。平面状の測定用ゲージは製造容易で入手しやすいこと、部材表面の曲面に合った曲面を底面にもち上面が平らな中間板なら金属板等で容易に製造できることなどから、この方法は低コストで実現できるものだといえる。
【0018】
請求項5に記載した測定用ゲージの使用方法は、測定する部材の表面に、底面が該当部分の表面に固着され得る曲面であり上面が他の曲面である中間板を取り付け、その中間板の上面に請求項1または2に記載の測定用ゲージを貼り付けることを特徴とする。
【0019】
前述したように、曲面の異なる多数の測定用ゲージを準備するとしても、つねに部材表面に完全にぴったりと沿うわけではない。しかし、この請求項の方法をとれば、限られた曲面のゲージを準備しておくだけで、それらのゲージを少しも曲げずに適切に部材上に貼り付けて各種計測を行うことが可能である。底面が部材表面に合った曲面であって、上面が、準備したゲージの曲面と一致する曲面(標準曲面)であるような中間板を、部材表面とゲージとの間に使用すればよいからである。ゲージよりも中間板の方が低コストで入手または製造できるため、ゲージの種類を減らして中間板を多数種類準備しておくのが合理的である。
【0020】
請求項6に記載した測定用ゲージの使用方法はさらに、上記の測定用ゲージが貼り付けられた部分の曲率(または当該ゲージの曲率)に応じて、当該ゲージの出力に、a)当該部分の曲率とゲージにおける金属箔の曲率とが異なることを補正する処理、または、b)当該部分の曲率とゲージにおける金属箔の曲率とが異なることに基づいて当該部分の変化とゲージにおける金属箔の変化とが異なることを補正する処理を加える(上記a)・b)のいずれかまたは双方の処理をする)ことを特徴とする。
【0021】
部材表面に貼り付けられて使用される測定用ゲージは、通常の測定部位が平面であり測定中も平面であり続けるため、ゲージの感度や出力値は平面状態で校正されている。しかし、測定用ゲージを曲面上に貼り付けると、その部分の曲率とゲージにおける金属箔の曲率とが異なり、または、その部分の変化(機械的変位など)とゲージの変化(機械的変位など)とが異なることから、平面上にゲージを貼り付けた場合と同じ信号処理によっては、ゲージの出力から被測定部材に関する真値を知ることはできない。そこで、ゲージから得られる出力に上記のような補正を加え、もって部材の状態を正確に把握するのである。
【0022】
上記の補正は、具体的には、
i) 部材表面の曲率ρmとゲージにおける金属箔の板厚中心での曲率ρsとから、ゲージの出力値Qsに対し、測定する部位の値Qmを Qm=Qs・ρs/ρmで求める、
ii) 理論解析やFEM(有限要素法解析)等の力学的シミュレーションによって、測定部位に曲率があるときの関数Qs=F(Qm)を得、これにより補正をしてQmを知る、
iii) 代表する曲率ρをもつ被測定部材にゲージを貼り付け、代表する荷重条件によりこのゲージの出力を実測して、関数Qs=F(Qm)を得、これによる補正をしてQmを知る(実際の測定のためのゲージは、上記の代表する曲率ρの近傍(ρ±Δρ)で使用する)
といった手法のうちいずれかをとるとよい。ただし、上記i)の手法は、部材側の曲率が変化しない場合に限って採用できる。
【0023】
【発明の実施の形態】
発明の実施についての形態を図1〜図13に示す。図1〜図5の形態では、図14に示す疲労センサー1Zを曲面状に改変した疲労センサー1A〜1Eを使用し、図6〜図11のものでは、図14の疲労センサー1Zをそのまま使用している。
【0024】
疲労センサー1(1Zおよび1A〜1E)の概要は、図14に基づいてすでに説明したとおりである。材料としてはたとえば、金属箔2に純ニッケル、ベース材5にインバー(高ニッケル含有の不変鋼)を使用するのが好ましい。たとえば金属箔2の厚さを0.1mm、ベース材5の厚さを0.05mmなどとし、双方とも、長さを8〜40mm程度、幅を5〜25mm程度とする(ただしベース材5の長さおよび幅が金属箔2のそれらをやや上回るようにするのがよい)。金属箔2の長さ方向の中ほどに、片側の縁部から長さ方向と直角な向きに、短いスリット3を形成している。長さ方向の両端付近であってスリット3をはさむ2箇所に、図14(b)のように間隔をおいて、金属箔2とベース材5との固着部4を設ける。金属箔2とベース材5との固着は、接着剤によって行うことができ、また図1・図2の例のように各複数点の点溶接(たとえばPGRM:パラレルギャップ式抵抗溶接)で行うのもよい。
【0025】
センサー1を貼り付けた被測定部材Mに小さなひずみが発生しただけでもスリット3の先にき裂Xを発生・進展させ、もって部材Mの疲労損傷度を高感度かつ高精度に測定できるよう、疲労センサー1(1Zおよび1A〜1E)には、いずれもつぎのような構成または性質を付加している。すなわち、イ)スリット3の先端部を、き裂の発生をうながしやすい鋭角なものにした。ロ)金属箔2にはその長さ方向と直角な向きに、スリット3を含むよう減厚部2aを形成し、その減厚部2aは厚さを0.02mmとして金属箔2の全幅に及ぶ長さにした。ハ)金属箔2とベース材5とを昇温状態で上記2箇所にて固着しそののち常温に戻すことにより、ベース材5よりも熱膨張率の大きい金属箔2に引張応力を残留させている。
【0026】
図1〜図5に示す疲労センサー1A〜1Eは、貼り付けられる部材の表面に合う曲面をもたせて形成したものである。そのような曲面をもつ金属箔2A〜2Eやベース材5A〜5Eの素材を得るには、相当の曲面をもつ型の表面上に電鋳をし、または各薄板の素材をプレス成形したのち応力除去焼鈍を施すなどすればよい。なお、金属箔2に減厚部2aを形成するには、減厚部2aのみを露出して他をレジスト被覆して行うエッチング処理をするのがよい。
【0027】
上記のうち図1〜図4の例では、被測定部材における円筒状の面に各センサー1A〜1Dをぴったりと貼り付けられるようにしている。すなわち、いずれも、ベース材5A〜5Dの下の面(金属箔を有しない面)の曲率を、被測定部材の当該曲面の曲率に一致させ(または使用する接着剤層の厚さを考慮して一致させ)ているので、測定部分の表面に密に接合できる。
【0028】
まず、図1のセンサー1Aは、その長さ方向を周方向に向け、スリット3の長さ方向を円筒面の軸線の方向に合わせて、円筒面の外向きの面(凸の面)に貼り付け得るようにしたものである。被測定部材に生じる周方向のひずみ振幅を検出するのに適している。センサー1Aにおける金属箔2Aとベース材5Aとを、貼り付けられる面に合う曲面に形成している。
一方、図2のセンサー1Bは、円筒面に対する向きは図1のセンサー1Aと同じだが、内向きの面(凹の面)に貼り付けるようにしたものである。センサー1Bにおいては、ベース材5Bは全体がその凹状の面に沿うよう曲面に形成しているが、金属箔2Bは、凹状の面において周方向に発生する引張力を適切に受けるよう、ベース材5に固着した両端付近(固着部4)を除く中ほどの部分に平面部分2bを設けている。
【0029】
図3のセンサー1Cは、図1のセンサー1Aと同じく円筒面の外向きの面(凸の面)に貼り付けるものだが、センサー1Aとは違って金属箔2C等の長さ方向を円筒面の軸線方向に合わせ、スリット3の長さ方向を円周方向に向けて、軸線方向のひずみ振幅を検出しようとしている。そして図4のセンサー1Dは、円筒面に対する向きはセンサー1Cと同じであるものの、円筒面の内向きの面(凹の面)に貼り付けるよう構成している。
【0030】
図5の疲労センサー1Eは、2次元曲面である円筒面ではなく、球面のような3次元の曲面上に密に貼り付けられるようにしたものである。すなわち、金属箔2Eとベース材5Eとは、その長さの方向に見ても幅の方向に見ても曲率をもっている。このようなセンサー1Eは、被測定部材中の相当する曲面をもつ部分に適切に貼り付けられて剥がれず安定的に機能して、スリット3と直交する方向のひずみ振幅を良好に検出する。なお、図5には球面的な面の外側(凸の面)に貼るのに適したセンサー1Eのみを示したが、そのような面の内側(凹の面)に貼るセンサーも構成できることは言うまでもない。また、たとえば、イ)騎馬用の鞍のように、側方の一側から見ると上に凸であり、90°だけ異なる他の側から見ると下に凸となった曲面を有するセンサーや、ロ)水平においたドーナツの上向きの部位のように、上に凸の面であって最上部を連ねる尾根の線がその面とほぼ直角の向きから見て曲がっているような曲面をもつセンサー、ハ)凸部または凹部を各1箇所以上に有する凹凸面をもつセンサー等も、被測定部材の面に合うように構成することが可能である。
【0031】
測定しようとする部材表面の曲面に自然状態でぴったりと合う曲面をもつセンサーを使用するのが理想的であるが、部材表面に近い曲面をもつセンサーがあってそれを僅かに曲げて使用する場合には、金属箔2に引張力がかかる向きに弾性変形させたうえで当該部材に貼り付けるのがよい。そうすれば、引張りの応力場を得て金属箔2のスリット3からき裂が進展しやすく、したがって疲労損傷度について高感度の測定が可能だからである。金属箔2に引張力がかかる向きに曲げるには、図1・図3・図5のように外向きに凸の部材表面に貼る場合にはその部材表面よりも曲率半径の大きなセンサーを使用し、図2・図4のように凹の部材表面に貼る場合にはその部材表面よりも曲率半径の小さなセンサーを使用するのがよい。
【0032】
図6〜図11に示す例は、いずれも図14に示した平面状の疲労センサー1Zを、平面状のまま、中間板11(11A〜11F)を介して被測定部材M(M1〜M6)の曲面上に貼るようにしたものである。すなわち、中間板11はいずれも、平面状のセンサー1(のベース材5)を密に貼り付け得る平面を一方の面に有し、他方の面に、部材中の測定面にぴったり沿う曲面を備えている。各中間板11はたとえば金属片で形成し、接着剤や溶接等にて部材Mの表面に接合する。中間板11は間隔をおいて二つを部材M上に固定するが、間隔をおくのは、中間板11Aの剛性が部材Mのひずみ等に影響を及ぼさないようにするためである。そして、そうした一対の中間板11における上面(平坦面)に、各センサー1Zのベース材5を接着する。
【0033】
これらのうち図6の例は、部材M1における円筒状の外向き面(凸の面)に、金属箔2Zの長さ方向を円筒面の軸線方向に合わせ、スリット3の長さ方向を円周方向に向けてセンサー1Zを配置するものである。図3のようなセンサー1Cを使用する場合と同様に、円筒面での長さ方向のひずみ振幅による疲労損傷度等を測定するのに好適である。図7の例は、円筒状の内向き面(凹の面)にセンサー1Zを配置するようにした点で図6の例と異なっている。中間板11Bのうち一方の面には、内向きの面に密に沿うような凸状の面を形成している。
【0034】
図8の例は、センサー1Zを、その長さ方向を円筒面の周方向に向け、スリット3の長さ方向を円筒面の軸線の方向に合わせて、円筒面の外向きの面(凸の面)に設けるもので、図1の場合と同様、部材M3に生じる周方向のひずみ振幅を検出するのを目的としている。中間板11Cには、センサー1Zをそのような向きに配置するのに適した曲面と平面とを形成している。図9の例は、図8の例とは違って円筒状の内向き面(凹の面)にセンサー1Zを配置するようにしたもので、中間板11Dには内向き面に合う曲面を形成している。
【0035】
図10および図11の例は、円筒面ではなく球面のような3次元曲面上にセンサー1Zを配置することとしたもので、図10では部材M5の凸の面に、図11では部材M6の凹の面にセンサー1Zを設ける。平面状のセンサー1Zをそのように使用できるよう、平坦面と適切な曲面とを有する中間板11Eおよび11Fをそれぞれセンサーと部材との間に使用する。なお、同様にして適切な曲面を有する中間板を使用することにより、たとえば、イ)馬の鞍のような曲面上での平坦なセンサーの使用、ロ)水平においたドーナツの上向きの部位のような曲面における平坦なセンサーの使用、ハ)凸部または凹部を各1箇所以上に有する凹凸曲面における平坦なセンサーの使用なども可能になる。
【0036】
なお、図示は省略したが、平面状の疲労センサー1Zに代えて、被測定部材の曲面に近い曲面を有するセンサーを、適当な中間板とともに使用することも可能である。
また、上記には疲労センサーに関する例ばかりを示したが、歪みゲージや温度センサーなど、部材表面に貼り付けて使用するものなら、種々の測定用ゲージについて図1〜図11と同様に構成し、または使用することができる。
【0037】
ただし、測定用ゲージを曲面上に貼り付ける場合には、部材表面の曲率とゲージの曲率とが異なり、または、その部材の変化(伸び等)とゲージの変化(同)とが異なることから、平面上にゲージを貼った場合の校正データのにみよっては一般に被測定部材の状態を正確に知ることはできない。
そこで、たとえばFEMなど材料力学的な解析に基づき、図12のように、曲面で得られたセンサーの(生の)出力に曲面(曲率)別の補正を加えてそのセンサーの(正式な)出力とする、といった補正処理を加えるのがよい。測定用ゲージが疲労センサーである場合にも、材料力学的な解析や実測データに基づき、たとえば図13のようにき裂進展長さに曲率別の補正を加えて疲労損傷度を求めるのが好ましい。
【0038】
【発明の効果】
請求項1に記載した測定用ゲージは、貼り付けられる部分に合わせてあらかじめ曲面状に形成したものであるから、部材表面に貼り付けるという測定現場での作業がきわめて容易になり、その後の測定も安定して円滑に行える。
請求項2に記載の測定用ゲージなら、適切に部材表面(凹状の表面)に貼り付られるうえ、その凹状の部分に作用する周方向の引張力を受けとめ、測定に適した変化をきたす。
【0039】
請求項3に記載した測定用ゲージの使用方法によれば、ゲージが折れたり、部材表面に付きにくかったり、あるいは剥がれやすかったりするような不都合が確実に解消される。
請求項4に記載した測定用ゲージの使用方法なら、疲労センサーにおいて、金属箔中にき裂を進展させる引張りの応力場が形成されやすいため、部材の疲労損傷度を高感度・高精度に知るうえで好ましい。どんな部材表面にも合うように多数種類のゲージを準備しておく必要がなくなる、という点でも都合がよい。
【0040】
請求項5に記載の使用方法ならば、限られた曲面のゲージを準備しておくだけで、それらのゲージを少しも曲げずに適切に部材上に貼り付けて各種計測を行うことができる。ゲージの種類を減らして中間板を多数種類準備しておけば、低コストで実施ができる。
請求項6に記載の使用方法によれば、測定用ゲージの出力から被測定部材の状態を正確に把握することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】発明の実施の形態として示す疲労センサー1Aの斜視図である。
【図2】発明の実施の形態として示す疲労センサー1Bの斜視図である。
【図3】発明の実施の形態として示す疲労センサー1Cの斜視図である。
【図4】発明の実施の形態として示す疲労センサー1Dの斜視図である。
【図5】発明の実施の形態として示す疲労センサー1Eの斜視図である。
【図6】発明の実施の形態として使用状態を示す疲労センサー1Z等の斜視図である。
【図7】発明の実施の形態として使用状態を示す疲労センサー1Z等の斜視図である。
【図8】発明の実施の形態として使用状態を示す疲労センサー1Z等の斜視図である。
【図9】発明の実施の形態として使用状態を示す疲労センサー1Z等の斜視図である。
【図10】発明の実施の形態として使用状態を示す疲労センサー1Z等の斜視図である。
【図11】発明の実施の形態として使用状態を示す疲労センサー1Z等の斜視図である。
【図12】曲面について使用される測定用ゲージの出力に加えるべき補正処理を例示する線図である。
【図13】曲面について使用される疲労センサーの出力(き裂進展長さ)に加えるべき補正処理を例示する線図である。
【図14】一般的な疲労センサー1Zを示す平面図(図(a))および正面図(図(b))である。
【符号の説明】
1A〜1E・1Z 疲労センサー(測定用ゲージ)
2A〜2E・2Z 金属箔
2a 減厚部
3 スリット
5A〜5E・5 ベース材
M1〜M6・M 部材(被測定部材)
11A〜11F 中間板

Claims (6)

  1. 部材表面に貼り付けられてその部材の状態を測定すべく、ベース材と金属箔で構成された測定用ゲージであって、
    それぞれあらかじめ曲面に形成されたベース材と金属箔とが固着され、ベース材が、貼り付けられる部分に沿う曲面を有することを特徴とする測定用ゲージ。
  2. 部材表面の凹状曲面の部分に貼り付けられてその周方向の引張力を受けて感知すべく、
    ベース材を介して凹状曲面の部分に沿う曲面が両端部に形成されているとともにそれらの間に平面部分が形成された金属箔が、凹状曲面の部分に沿う上記両端部のみにおいてベース材に固着されていることを特徴とする請求項1に記載した測定用ゲージ。
  3. 測定する部材の表面に、請求項1または2に記載の測定用ゲージであって該当部分の表面に沿う曲面をベース材が有するものを貼り付けることを特徴とする測定用ゲージの使用方法。
  4. 測定する部材の表面に、請求項1または2に記載の測定用ゲージであってスリット付きの金属箔が当該スリットをはさむ両側位置でのみベース材の表面上に固着されてなる疲労センサーを、金属箔に引張力をかける向きに弾性変形させたうえで貼り付けることを特徴とする測定用ゲージの使用方法。
  5. 測定する部材の表面に、底面が該当部分の表面に固着され得る曲面であり上面が他の曲面である中間板を取り付け、その中間板の上面に請求項1または2に記載の測定用ゲージを貼り付けることを特徴とする測定用ゲージの使用方法。
  6. 上記の測定用ゲージが貼り付けられた部分の曲率に応じて、当該ゲージの出力に、当該部分の曲率とゲージにおける金属箔の曲率とが異なることを補正する処理、または、当該部分の曲率とゲージにおける金属箔の曲率とが異なることに基づいて当該部分の変化とゲージにおける金属箔の変化とが異なることを補正する処理を加えることを特徴とする請求項3〜5のいずれかに記載した測定用ゲージの使用方法。
JP2002103961A 2002-04-05 2002-04-05 測定用ゲージおよびその使用方法 Expired - Lifetime JP3920689B2 (ja)

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