JP5737217B2 - 弧状試験片用の試験治具、応力試験機及び応力試験方法 - Google Patents

弧状試験片用の試験治具、応力試験機及び応力試験方法 Download PDF

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Description

本発明は、試験治具、応力試験機及び応力試験方法に関し、さらに詳しくは、弧状試験片用の試験治具、その試験治具を備える応力試験機、及び、応力試験方法に関する。
海底パイプラインの敷設方法として、大型ドラムを搭載した敷設船を用いて行われるリーリング法の採用が増加している。リーリング法では、陸上において、鋼管の管端同士を突合せ溶接(周溶接)して連結管を製造する。製造された連結管を敷設船の大型ドラムに巻き取った後、敷設地へ搬送する。敷設地の洋上で、大型ドラムに巻かれた連結管を巻き出しながら、海底に敷設する。
リーリング法において、巻き取り及び巻き出しにより、連結管には複数回の引張荷重及び圧縮荷重が付与される。そのため、引張及び圧縮荷重を繰り返し受けた後の連結管の材料特性の評価が求められ、これらの評価には高い精度が要求される。
このような材料特性の評価方法には、大型試験方法と小型試験方法とがある。大型試験方法では、曲げダイスを用いて、敷設される連結管と同じサイズの鋼管に対して曲げ変形及び曲げ戻し変形を与える。そして、変形を与えられた鋼管の材料特性を評価する。大型試験方法では実際の連結管と同じサイズの鋼管を用いるため、試験により得られる材料特性値の精度は高い。しかしながら、試験装置が大型になる。
一方、小型試験方法では、鋼管から試験片(丸棒試験片、弧状試験片等)を採取し、試験片に対して引張荷重及び圧縮荷重を付与し、得られた材料特性を評価する。小型試験方法では、試験片は小さいため、大型試験方法と比較して、試験を容易に実施できる。
特開2008−241530号公報(特許文献1)は、小型試験方法として、丸棒引張試験片を用いた引張圧縮応力試験方法を開示する。
特開2008−241530号公報
小型試験方法の場合、試験片に引張荷重及び圧縮荷重を付与する応力試験を実施した後、試験片からさらに新たな試験片(引張試験片、シャルピー試験片等、以下、二次試験片という)を採取する場合がある。特許文献1が採用する丸棒試験片の平行部の直径は、採取元の鋼管の肉厚よりも小さくなる。そのため、丸棒試験片から二次試験片を採取するのは困難である。
これに対して、弧状試験片の場合、二次試験片を容易に採取しやすい。しかしながら、弧状試験片は、その断面形状の影響により、丸棒試験片と比較して、圧縮荷重が付与されたときに座屈しやすい。
弧状試験片の座屈を抑制する方法として、弧状試験片の平行部の内面及び外面を、内面及び外面と平行な主面を持つ板状の治具で拘束し、応力試験を実施することが考えられる。しかしながらこのような治具を利用する場合、実際の鋼管と異なる材料特性が得られる可能性がある。
本発明の目的は、弧状試験片が座屈するのを抑制でき、精度の高い試験結果が得られる試験治具を提供することである。
本実施形態による試験治具は、軸方向に圧縮荷重が付与される弧状試験片に用いられる。試験治具は、複数の接触部材を備える。複数の外面接触部材は、弧状試験片と接触する先端部分を含む。複数の接触部材は、複数の外面接触部材と、複数の内面接触部材とを備える。複数の外面接触部材は、弧状試験片の外面において、弧状試験片の周方向に配列される。外面接触部材の先端部分は、互いに離れて配置される。内面接触部材は、弧状試験片の内面において周方向に配列され、内面接触部材の先端部分は互いに離れて配置され、かつ、外面接触部材と対向する位置から周方向にずれて配置される。
本実施形態による応力試験機は、上述の試験治具と、荷重付与機構とを備える。荷重付与機構は、弧状試験片の軸方向に圧縮荷重を付与する。
本実施形態による応力試験方法は、弧状試験片を準備する工程と、弧状試験片の外面において、複数の外面接触部材を弧状試験片の周方向に配列し、外面接触部材の先端部分を互いに離して外面と接触させる工程と、弧状試験片の内面において、複数の内面接触部材を周方向に配列し、内面接触部材の先端部分を互いに離して配置し、かつ、外面接触部材と対向する位置から周方向にずらして配置して内面と接触させる工程と、外面接触部材及び内面接触部材と接触した弧状試験片の軸方向に圧縮荷重を付与する工程とを備える。
本実施形態による試験治具では、弧状試験片が座屈するのを抑制でき、精度の高い試験結果が得られる。
図1は、第1の実施形態による応力試験機の正面図である。 図2は、図1に示す応力試験機のうち、弧状試験片の近傍部分の側面図である。 図3は、図1に示す応力試験機のうち、弧状試験片の近傍部分の平面図である。 図4は、FEM解析に用いられた解析モデルの模式図である。 図5は、FEM解析に用いられた応力−ひずみ曲線図である。 図6Aは、FEM解析に用いられた比較例の解析モデルの模式図である。 図6Bは、FEM解析に用いられた実施例の解析モデルの模式図である。 図7は、図6Aの解析モデルにより得られた応力−ひずみ曲線図である。 図8は、図6Bの解析モデルにより得られた応力−ひずみ曲線図である。 図9は、図1の応力試験機を用いた応力試験中の弧状試験片の変形挙動を説明するための模式図である。 図10は、第2の実施形態による応力試験機の側面図である。 図11は、図10の応力試験機の平面図である。
以下、本発明の実施の形態について図面を用いて詳しく説明する。図中同一又は相当する部分には、同一符号を付してその説明を援用する。
本実施形態による試験治具は、軸方向に圧縮荷重が付与される弧状試験片に用いられる。試験治具は、複数の接触部材を備える。複数の外面接触部材は、弧状試験片の外面又は内面に接触する先端部分を含む。複数の接触部材は、複数の外面接触部材と、複数の内面接触部材とを備える。複数の外面接触部材は、弧状試験片の外面において、弧状試験片の周方向に配列される。外面接触部材の先端部分は、互いに離れて配置される。内面接触部材は、弧状試験片の内面において周方向に配列され、内面接触部材の先端部分は互いに離れて配置され、かつ、外面接触部材の先端部分と対向する位置から周方向にずれて配置される。
本実施形態による試験治具を用いて、弧状試験片の軸方向に圧縮荷重を付与した場合、複数の接触部材が弧状試験片の内面及び外面と接触しているため、弧状試験片が試験中に座屈しにくい。さらに、外面接触部材及び内面接触部材の先端部分は互いに離れて配置される。つまり、隣り合う先端部分の間には隙間が設けられるため、弧状試験片が圧縮荷重を付与されたとき、肉厚方向へ歪む(逃げる)ことができる。そのため、応力試験で得られる試験結果の精度が高くなる。
好ましくは、複数の外面接触部材及び内面接触部材の一方は、偶数個配列され、他方は奇数個配列される。好ましくは、外面接触部材及び内面接触部材の一方は、互いに隣り合う2つの他方の間に配置される。好ましくは、外面接触部材の個数と、内面接触部材の個数との差分は1である。この場合、弧状試験片がさらに座屈し難くなる。
接触部材の先端部分は丸みを有する。この場合、先端部分が弧状試験片に過剰な荷重を付与するのを抑制できる。そのため、試験結果の精度が増す。
好ましくは、先端部分は、弧状試験片の軸方向に延びる。好ましくは、先端部分は、弧状試験片の平行部よりも短い。この場合、弧状試験片がさらに座屈し難くなる。
好ましくは、外面接触部材の個数は、内面接触部材の個数よりも多い。弧状試験片の外面の幅は、内面の幅よりも大きい。外面接触部材の個数が内面接触部材の個数よりも多いため、弧状試験片がさらに座屈し難くなる。
好ましくは、接触部材は、第1及び第2先端部分と、第1及び第2調整部材とを備える。第1及び第2先端部は、弧状試験片の軸方向に並んで配置される。第1調整部材は、第1先端部分を弧状試験片の厚み方向に移動可能である。第2調整部材は、第2先端部を弧状試験片の厚み方向に移動可能である。
たとえば、弧状試験片に周溶接部が含まれる場合、周溶接部を境とした試験片上部と試験片下部とで目違いが発生している場合がある。このような場合であっても、第1調整部材及び第2調整部材により、第1及び第2先端部分のそれぞれの位置を別個に調整できる。したがって、目違いを有する弧状試験片の上部及び下部に、第1先端部分及び第2先端部分をそれぞれ接触させることができ、弧状試験片の座屈を抑制できる。
本実施形態による応力試験機は、上述の試験治具と、荷重付与機構とを備える。荷重付与機構は、弧状試験片の軸方向に圧縮荷重を付与する。この場合、試験中の弧状試験片の座屈を抑制できる。
好ましくは、応力試験機は、ひずみセンサを備える。ひずみセンサは、弧状試験片の外面又は内面のうち、隣り合う外面接触部材の先端部分の間の領域に配置される。接触部材の先端部分は互いに離れて配置されるため、ひずみセンサを弧状試験片に容易に配置することができる。
本実施形態による応力試験方法は、弧状試験片を準備する工程と、弧状試験片の外面において、複数の外面接触部材を弧状試験片の周方向に配列し、外面接触部材の先端部分を互いに離して外面と接触させる工程と、弧状試験片の内面において、複数の内面接触部材を周方向に配列し、内面接触部材の先端部分を互いに離して配置し、かつ、外面接触部材の先端部分と対向する位置から周方向にずらして配置して内面と接触させる工程と、外面接触部材及び内面接触部材と接触した弧状試験片に対して、弧状試験片の軸方向に圧縮荷重を付与する工程とを備える。
この場合、試験中の弧状試験片の座屈を抑制でき、かつ、精度の高い試験結果が得られる。
以下、本実施形態の試験治具、応力試験機及び応力試験方法について詳述する。
[第1の実施の形態]
[応力試験機1]
図1は、応力試験機1の正面図である。図1を参照して、応力試験機1は、荷重付与機構20と、試験治具10とを備える。
荷重付与機構20は、弧状試験片8の軸方向に、圧縮荷重、又は引張荷重を付与する。応力試験機1は、荷重付与機構20により、弧状試験片8に対して、圧縮試験と、圧縮及び引張の繰り返し試験とを実施することができる。以降の説明では、圧縮荷重を弧状試験片8に付与する試験(圧縮試験、並びに、圧縮及び引張の繰り返し試験)を応力試験という。
荷重付与機構20は、クロスヘッド駆動部2と、クロスヘッド3と、一対のフレーム4と、ロードセル5と、チャック6及び7とを備える。
クロスヘッド駆動部2は、応力試験機1の下端に配置され、土台として機能する。クロスヘッド駆動部2はさらに、クロスヘッド3を昇降して弧状試験片8に圧縮荷重又は引張荷重を付与する。
クロスヘッド3は、クロスヘッド駆動部2の上方に配置される。一対のフレーム4内には、上下方向に延びる一対のシャフトが配置される。一対のシャフトにはネジが切られている。一方、クロスヘッド3の両端部には、一対のシャフトを通すネジ孔(貫通孔)が形成されている。クロスヘッド3は、フレーム4内のシャフトを介してクロスヘッド駆動部2と連結する。
クロスヘッド駆動部2は、シャフトを回転してクロスヘッド3を昇降する。応力試験機1は、シャフトに形成されたネジのピッチ及びシャフトの回転角に基づいて、弧状試験片8に付与する変位量を調整できる。
ロードセル5は、クロスヘッド3に取り付けられる。ロードセル5により、弧状試験片8に付与される荷重を算定することができる。
チャック6は、クロスヘッド3の下面に取り付けられ、チャック7は、クロスヘッド駆動部2の上面に取り付けられる。チャック6は弧状試験片8の上部のつかみ部を把持し、固定する。チャック7は弧状試験片8の下部のつかみ部を把持し、固定する。要するに、チャック6及び7により、弧状試験片8は、応力試験機1に固定される。
応力試験機1はさらに、試験治具10を備える。応力試験機1は、弧状試験片8に対して、応力試験を実施する。応力試験中、試験治具10は、弧状試験片が座屈するのを抑制する。試験治具10はさらに、試験結果の精度を高める。以下、試験治具10の構成を詳述する。
[試験治具10]
図2は、図1に示す応力試験機1のうち、弧状試験片8近傍部分の側面図であり、図3は、平面図である。図2及び図3を参照して、試験治具10は、土台11と、複数の接触部材12とを備える。複数の接触部材12は、弧状試験片8の軸方向に延びる。各接触部材12の先端部分13は、弧状試験片8の外面8OU又は内面8INと接触する。各接触部材12は、図示しないボルト等の固定部材により、土台11に固定される。
土台11は、複数の接触部材12を固定する役割とともに、接触部材12の先端部分13を弧状試験片8の平行部に配置する役割も有する。
複数の接触部材12は、複数の外面接触部材12OUと、複数の内面接触部材12INとを含む。図3を参照して、外面接触部材12OUは、弧状試験片8の外面8OUにおいて、弧状試験片8の周方向に配列される。このとき、複数の外面接触部材12OUの先端部分13は、互いに離れて配置される。外面接触部材12OUの先端部分13は、外面8OUと接触する。
複数の内面接触部材12INは、弧状試験片の内面8INにおいて、弧状試験片8の周方向に配列される。複数の内面接触部材12INの先端部分13は、互いに離れて配置される。内面接触部材12INの先端部分13はさらに、外面接触部材12OUの先端部分13と対向する位置(たとえば図3中の地点P1)からずれて配置される。図3では、内面接触部材12INの先端部分13は、内面8INのうち、互いに隣り合う外面接触部材12OUの間の領域に配置される。一方、外面接触部材12OUの先端部分13は、外面8OUのうち、互いに隣り合う内面接触部材12INの間に配置される。
このように、内面接触部材12INの先端部分13を、外面接触部材12OUの先端部分13と対向する位置からずらして配置することにより、試験結果の精度が高まる。この点については後述する。
図3を参照して、応力試験機1はさらに、ひずみセンサ14を備える。ひずみセンサはたとえば、ひずみゲージである。ひずみセンサ14は、外面8OUと内面8INとに取り付けられる。具体的には、ひずみセンサ14は、外面8OUのうち、隣り合う外面接触部材12OUの先端部分13の間の領域に取り付けられる。なぜなら、この領域には隙間が形成されるため、ひずみセンサ14を取り付けやすいからである。同様に、ひずみセンサ14は、内面8INのうち、隣り合う内面接触部材12INの先端部分13の間の領域に取り付けられる。
[試験方法]
弧状試験片8に対する応力試験は、次の方法で実施される。初めに、弧状試験片8を準備する。次に、弧状試験片8を応力試験機1に取り付ける。具体的には、弧状試験片8の上下のつかみ部を、チャック6及び7に把持し、固定する。
続いて、試験治具10を応力試験機1に取り付ける。このとき、弧状試験片8の外面8OUにおいて、複数の外面接触部材12OUを、外面8OUの周方向に配列する。そして、外面接触部材12OUの先端部分13を外面8OUに接触させる。このとき、隣り合う先端部分13は互いに離れて配置される。
同様に、内面8INにおいて、複数の内面接触部材12INを、内面8INの周方向に配列する。そして、内面接触部材12INの先端部分13を、内面8INに接触させる。このとき、内面接触部材12INの隣り合う先端部分13は互いに離れて配置され、さらに、内面接触部材12INの先端部分13は、外面接触部材12OUの先端部分13と対向する位置から周方向にずれて配置される。
配置位置が調整された外面接触部材12OU及び内面接触部材12INは、土台11に固定される。これにより、接触部材12の各先端部分13の位置は固定される。なお、試験開始前において、先端部分13は外面8OU及び8INと単に接触しているのみであり、外面8OU及び内面8INを押しつける力は実質的に掛かっていない。
以上のとおり、試験治具10を取り付けた後、荷重付与機構20により、弧状試験片8に対して、その軸方向に圧縮荷重が付与され、応力試験が実施される。
[試験治具10の作用]
弧状試験片8の外面8OU及び内面8INは、試験治具10の複数の先端部分13と接触し、先端部分13により支持される。そのため、弧状試験片8は、圧縮荷重が付与されても座屈が発生しにくい。
さらに、複数の先端部分13は外面8OU及び内面8INにおいて、互いに離れて配置される。試験治具10は、弧状試験片8を過剰に拘束しないため、応力試験により得られた試験結果の精度が向上する。以下、この点について詳述する。
上述の試験治具10を使用して弧状試験片8に対して圧縮試験を実施して得られる応力−ひずみ曲線(以下、SSカーブという)を、有限要素法(FEM)解析により求めた。
図4に示す解析モデル100を想定した。弧状試験片8の対象性を考慮して、解析領域は、図4の実線部分に示す1/4領域とした。解析モデルは等方性材料とし、図5に示すSSカーブを有すると仮定した。つまり、解析モデル100と同じ等方性材料の丸棒試験片で圧縮試験を実施した場合、得られるSSカーブは図5のとおりになると仮定した。
図6Aに示す比較例解析モデル(以下、単に比較例という)100Aと、図6Bに示す実施例解析モデル(以下、単に実施例という)100Bとを準備した。図6Aを参照して、比較例100Aでは、内面8IN及び外面8OUと面接触する試験治具200を想定した。試験治具200は2枚の板材で弧状試験片を挟む。板材の面200OUは、外面8OUと平行であり、面200INは、内面8INと平行である。そのため、面200OUは外面8OUと面接触し、面200INは内面8INと面接触する。
一方、実施例100Bは、図1〜図3に示した試験治具10を想定した解析モデルである。実施例100Bでは、外面8OUには外面接触部材12OUの先端部分13が接触する領域(図6Bでは符号13を付す)があり、内面8INには内面接触部材12INの先端部分13が接触する領域(符号13を付す)がある。これらの接触面積は、比較例100Aでの試験治具200よりも小さい。
なお、比較例100Aの試験治具200及び実施例100Bの試験治具10の、試験開始前における弧状試験片の外面8OU及び内面8INへの押しつけ力は0(ゼロ)とした。
図6A及び図6Bの解析モデルを用いて、弧状試験片に対して圧縮試験を実施した場合のSSカーブを求めた。具体的には、図4の解析モデルに示すとおり、FEM解析において、試験片の上端面に下方向の変位を付与した。このときに生じる反力を、圧縮荷重値と定義した。さらに、図4中の初期距離GLの変化量から圧縮ひずみ値を算出した。
以上のFEM解析において、図5に示すSSカーブと異なるSSカーブが得られた場合、試験治具が圧縮試験時の弧状試験片の変形挙動に影響を与えたことになる。したがって、そのような試験治具を利用すれば、正確なSSカーブが得られにくく、試験結果の精度が低くなる。
図6Aの比較例100AのFEM解析により得られたSSカーブを図7に、図6Bの実施例100BのFEM解析による得られたSSカーブを図8にそれぞれ示す。圧縮変形のため、解析により得られる真応力と真ひずみの値はともに負となるが、図5に示すSSカーブとの比較を容易にするため、解析結果は絶対値で取り扱った。図7及び図8中の破線は、図5に示すSSカーブを示す。実線は、それぞれの解析モデル(100A及び100B)で得られたSSカーブを示す。
図7を参照して、比較例100Aでは、得られたSSカーブ(実線)が、解析に用いたSSカーブ(破線)から上方にずれた。試験治具200が外面8OU及び内面8INと接触する面積が大きいため、試験治具200が弧状試験片を拘束し、高めの応力が得られたものと考えられる。
これに対して、図8を参照して、実施例100Bでは、得られたSSカーブ(実線)が解析に用いたSSカーブ(破線)とほぼ一致した。したがって、試験治具10を使用すれば、弧状試験片8の座屈を抑制しつつ、試験結果の精度も高めることができる。
このような試験治具10の効果は、以下の作用によるものと考えられる。図9を参照して、試験治具10では、隣り合う接触部材12の先端部分13は互いに離れて配置される。したがって、外面8OU及び内面8INでは、先端部分13による接触を受けない領域が存在する。以下、これらの領域を自由領域FSという。弧状試験片8に圧縮荷重が付与されたとき、図9の破線に示すとおり、自由領域FSは肉厚方向に変形することができる。つまり、試験治具10は、圧縮荷重が付与されたときに、弧状試験片8の肉厚方向の変形を許容する。そのため、弧状試験片8が過度に拘束されず、精度の高い試験結果が得られる。
以上のとおり、本実施形態による試験治具10は、応力試験時において、弧状試験片8が座屈するのを抑制することができる。試験治具10はさらに、応力試験時における弧状試験片8の肉厚方向の変形を許容するため、精度の高い試験結果を得ることができる。
外面接触部材12OU及び内面接触部材12INの個数は特に制限されない。たとえば、外面接触部材12OU及び内面接触部材12INを共に同じ個数としてもよい。
好ましくは、外面接触部材12OU及び内面接触部材12INのいずれか一方の個数を偶数とし、他方の個数を奇数とする。さらに好ましくは、外面接触部材12OUの個数と内面接触部材12INの個数との差分は1である。この場合、たとえば、図3に示すように、隣り合う外面接触部材12OUの先端部分13の間に内面接触部材12INの先端部分13が配置されたり、隣り合う内面接触部材12INの先端部分13の間に外面接触部材12OUの先端部分13が配置されたりする。このような場合はさらに、弧状試験片8の座屈を抑制できる。
好ましくは、外面接触部材12OUの個数の方が、内面接触部材12INの個数よりも多い。図3に示すとおり、弧状試験片8では、外面8OUの幅の方が、内面8INの幅よりも大きい。外面接触部材12OUの個数が内面接触部材12INよりも多ければ、弧状試験片8を安定して支持することができ、座屈をさらに抑制できる。
好ましくは、先端部分13の軸方向長さは、弧状試験片8の平行部の長さ以下である。先端部分13は弧状試験片8の平行部を支持すれば足りるからである。先端部分13の好ましい軸方向長さの下限は、平行部の1/2である。
先端部分13の形状は特に限定されない。先端部分13は、平坦面を含み、その平坦面が弧状試験片8の外面8OU又は内面8INと接触してもよい。さらに、先端部分13は先端に向かって徐々に幅が狭くなってもよい。
好ましくは、先端部分13は図3に示すように丸みを有する。この場合、圧縮変形中の弧状試験片8が先端部分13から過度の外力を受けるのを軽減できる。そのため、試験結果の精度が向上する。
[第2の実施の形態]
図10及び図11を参照して、第2の実施形態による応力試験機30は、応力試験機1と比較して、試験治具10に代えて、試験治具40を備える。応力試験機30のその他の構成は、応力試験機1と同じである。
試験治具40は、複数の接触部材50を備える。複数の接触部材50は、複数の外面接触部材50OUと、複数の内面接触部材50INとを含む。
[外面8OU側]
外面接触部材50OUは、土台51OUと、上下部材40OU及び41OUと、調整部材60OU及び61OUとを含む。上部材40OU及び下部材41OUは、弧状試験片8の軸方向に並んで配置される。上部材40OU及び下部材41OUはそれぞれ、先端部分13を備える。
調整部材60OUは、土台51OUと上部材40OUとの間に配置され、土台51OU及び上部材40OUとを連結する。調整部材60OUはさらに、上部材40OUの位置を弧状試験片8の厚さ方向に移動可能にする。ここでいう「厚さ方向」とは、弧状試験片8に対して厳密な肉厚方向でなくてもよい。
調整部材60OUはたとえばネジが切られたシャフトである。この場合、土台51OU及び上部材40OUには雌ねじが形成されており、調整部材60により、上部材60OUの位置が調整される。調整部材60OUは油圧や電動のシリンダ装置であってもよい。
調整部材61OUは、土台51OUと下部材41OUとの間に配置され、土台51OU及び下部材41OUとを連結する。調整部材61OUは、調整部材60OUと同様に、下部材41OUの位置を弧状試験片8の厚さ方向に移動可能にする。
[内面8IN側]
内面接触部材50INの構成も、外面接触部材50OUと同様である。内面接触部材50INは、土台51INと、上下部材40IN及び41INと、調整部材60IN及び61INとを含む。上部材40IN及び下部材41INは、弧状試験片8の軸方向に並んで配置され、それぞれ、先端部分13を備える。
調整部材60IN及び61INの構成及び機能は、調整部材60OU及び61OUと同様である。調整部材60INは、上部材40INの位置を調整可能である。調整部材61INは、下部材41INの位置を調整可能である。
以上のとおり、試験治具40では、上下に一列に並んだ上部材40OU、40INと、下部材41OU、40INとの位置をそれぞれ別個に調整できる。たとえば、図10に示すように、弧状試験片8が周溶接部8Cを含む場合、弧状試験片8の上部8Aと、下部8Bとで目違いが生じている場合がある。
このような場合であっても、試験治具40は、弧状試験片8を支持することができる。具体的には、上部材40OU、40INと、下部材41OU、40INとの位置を別個に調整する。これにより、上部材40OU及び40INの先端部分13を弧状試験片8の上部8Aと接触させることができ、下部材41OU及び41INの先端部分13を弧状試験片8の下部8Bと接触させることができる。そのため、弧状試験片8が目違いを有していても、応力試験中に座屈が生じにくい。
以上、本発明の実施の形態を説明したが、上述した実施の形態は本発明を実施するための例示に過ぎない。よって、本発明は上述した実施の形態に限定されることなく、その趣旨を逸脱しない範囲内で上述した実施の形態を適宜変形して実施することが可能である。
1,30 応力試験機
8 弧状試験片
8IN 内面
8OU 外面
10,40 試験治具
12 接触部材
12IN 内面接触部材
12OU 外面接触部材
13 先端部
14 ひずみセンサ
20 荷重付与機構

Claims (12)

  1. 軸方向に圧縮荷重が付与される弧状試験片に用いられる試験治具であって、
    前記弧状試験片に接触する先端部分を有する複数の接触部材を備え、
    前記複数の接触部材は、
    前記弧状試験片の外面において、前記弧状試験片の周方向に配列され、先端部分が互いに離れて配置される複数の外面接触部材と、
    前記弧状試験片の内面において、前記周方向に配列され、先端部分が互いに離れて配列され、かつ、外面接触部材の先端部分と対向する位置から前記周方向にずれて配置される複数の内面接触部材とを備える、試験治具。
  2. 請求項1に記載の試験治具であって、
    前記複数の外面接触部材及び内面接触部材の一方は、偶数個であり、他方は奇数個である、試験治具。
  3. 請求項1又は請求項2に記載の試験治具であって、
    前記外面接触部材及び内面接触部材の一方は、互いに隣り合う2つの他方の間に配置される、試験治具。
  4. 請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の試験治具であって、
    前記外面接触部材の個数と、前記内面接触部材の個数との差は1である、試験治具。
  5. 請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の試験治具であって、
    前記接触部材の前記先端部分は丸みを有する、試験治具。
  6. 請求項5に記載の試験治具であって、
    前記先端部分は、前記弧状試験片の軸方向に延びる、試験治具。
  7. 請求項6に記載の試験治具であって、
    前記先端部分は、前記弧状試験片の平行部よりも短い、試験治具。
  8. 請求項1〜請求項7のいずれか1項に記載の試験治具であって、
    前記外面接触部材の個数は、前記内面接触部材の個数よりも多い、試験治具。
  9. 請求項1〜請求項8のいずれか1項に記載の試験治具であって、
    前記接触部材は、
    前記弧状試験片の軸方向に並んで配置される第1及び第2先端部分と、
    前記第1先端部分を前記弧状試験片の厚さ方向に移動可能な第1調整部材と、
    前記第2先端部分を前記厚さ方向に移動可能な第2調整部材とを備える、試験治具。
  10. 請求項1〜請求項9に記載の試験治具と、
    前記弧状試験片の軸方向に圧縮荷重を付与する荷重付与機構とを備える、応力試験機。
  11. 請求項10に記載の応力試験機であってさらに、
    前記弧状試験片の外面及び内面のうち、隣り合う接触部材の先端部分の間の領域に配置されるひずみセンサを備える、応力試験機。
  12. 弧状試験片を準備する工程と、
    前記弧状試験片の外面において、複数の外面接触部材を前記弧状試験片の周方向に配列し、前記外面接触部材の先端部分を互いに離しながら前記外面と接触させる工程と、
    前記弧状試験片の内面において、複数の内面接触部材を前記周方向に配列し、かつ、前記内面接触部材の先端部分を互いに離しながら配置し、かつ、前記外面接触部材の先端部分と対向する位置から前記周方向にずらして配置して前記内面と接触させる工程と、
    前記外面接触部材及び内面接触部材と接触した弧状試験片の軸方向に圧縮荷重を付与する工程とを備える、応力試験方法。
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