JP2016003951A - 引張圧縮試験方法および装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】板厚数mm以下の薄鋼板の引張圧縮特性を、圧縮ひずみが5%以上の領域で座屈変形なく、十分な測定精度でしかも安定して測定でき、作業性、経済性にも優れる、引張圧縮試験方法および装置を提供する。【解決手段】試験片1の平行部および平行部両端の肩アール部からなる試験部に引張から圧縮へと、圧縮から引張へとの何れかの負荷繰り返し試験を行なう引張圧縮試験方法であって、試験片1の側面に伸び計2を固定し、試験片1をその厚さ方向両側から、チャック用ブロック5、6の凹形状と噛み合う凸形状を有する座屈防止治具7と、座屈防止ベース治具3、4とで挟み、さらに座屈防止ベース治具3、4の試験片設置面に段差3A、4Aを設け、試験片長手方向からも挟み込んで圧縮力を付与可能とし、バネ9Aで座屈に抵抗する力を発生させた状態下で、前記試験部に前記負荷繰り返し試験を施す。【選択図】図8

Description

本発明は、引張圧縮試験方法および装置に関し、特に薄鋼板の引張圧縮試験に好ましく用いうる、引張圧縮試験方法および装置に関する。
引張圧縮試験は、金属材料の強度性能を評価する(応力‐ひずみの関係を求める)ための試験である。具体的には所定の試験片形状に加工された金属材料に引張荷重を付与し、特定ひずみ量の引張変形を与えた後、一旦荷重を除荷し、そのまま圧縮荷重を付与して圧縮変形させる試験である。または、所定の試験片形状に加工された金属材料に圧縮荷重を付与し、特定ひずみ量の圧縮変形を与えた後、一旦荷重を除荷し、そのまま引張荷重を付与して引張変形させる試験である。
与える荷重が引張から圧縮に反転する場合に、引張変形時に達した応力値より低い応力で再降伏し塑性変形する現象が知られている。この現象はバウシンガー効果と呼ばれている。
近年、白動車用鋼板が高強度化されるにつれ、このバウシンガー効果の影響が重要視されるようになってきた。
例えば、高強度自動車用鋼板のプレス成形時に、スプリングバックと呼ばれる寸法精度不良が発生する。これはプレス成形した材料が金型から外される場合に材料の残留応力により弾性回復して形状が変化するものである。プレス成形中に材料は複雑な変形をうけ、引張変形と圧縮変形が素材に与えられるため、上記のバウシンガー効果が残留応力の大きさに影響する。
また、自動車の重要な性能である衝突安全性能にもバウシンガー効果の影響があることが知られている。車体は、その衝突時に自動車部品が塑性変形することで衝突エネルギーを吸収し乗員の安全を確保する構造となっているが、衝突による変形時に、材料には複雑な引張変形と圧縮変形が繰り返し発生する。この負荷応力の方向が反転する場合にバウシンガー効果により降伏応力が低下するため、結果的に衝突エネルギーに影響を与えることになる。
したがって、より精度の高いプレス成形や衝突特性を実現するためには、バウシンガー効果を含めた材料の特性を正確に把握する必要がある。
バウシンガー効果を評価する引張圧縮試験を薄鋼板で実施する場合、圧縮時に材料が座屈変形を起こす問題がある。また、試験対象材料の強度が高くて板厚が薄くなるほど座屈変形が更に発生しやすく、精度の高い試験が難しいという問題があり、従来から薄板での引張圧縮試験方法が検討されてきた。
特許文献1には座屈を防止するため、応力試験中に試験片に対する応力負荷方向と試験片長手方向が常に一致するように、少なくとも2本のガイド材が試験片に対する応力負荷方向に平行に設置された試験方法が提案されている。これにより、1.5%以上のひずみを付与しても引張圧縮試験が可能とされている。
特許文献2には、薄鋼板の引張圧縮試験の際の試験片を保持する試験片保持装置が提案されている。これにより圧縮試験時に試験片が曲がることが防止され、精度の良い試験がなし得るとされ、座屈防止冶具に設定された窓から試験片に発生するひずみが容易に測定されるとされている。
特許文献3には、二軸荷重負荷条件下であっても座屈を起こさず、試験片が破損しても負荷グリップが変形や損傷等の不具合を生じない試験装置および試験方法が提案されている。そこでは、比較的板厚の厚い試験片を取り扱い、試験部に均一な応力を与えることを目的として試験片形状の寸法が規定されている。
特許文献4には、10%以上の高ひずみ域でも圧縮時の座屈を生じない、薄鋼板の引張圧縮試験方法および装置が提案されている。これには、スプリングを用いた座屈防止調整方法や、伸び計を用いた測定に適した試験片形状が提案されている。対象とする鋼板も1.6mm程度といった、比較的薄い板厚での引張圧縮試験を可能としている。
特開2008−241530号公報 特開2009−257885号公報 特開2000−180322号公報 特開2014−20940号公報
プレス成形や衝突変形において、鋼板に発生するひずみは5%以上の領域になる場合があり、バウシンガー効果の測定においてもこのような高いひずみ領域で測定するニーズがある。
しかしながら、特許文献1および特許文献2に記載されるとおり、従来の引張圧縮試験では、付加できるひずみは最大でも5%未満であり、前記ニーズに応じて板厚1.0mm程度の薄鋼板の引張・圧縮変形を5%以上ものひずみを加えて高い精度で行なうことは困難であった。
特許文献1および特許文献3で提案されている技術は、板厚が10mm以上あるラインパイプ用の材料や構造用ステンレス鋼およびセラミックスを対象にした試験方法であるため、板厚が数mm以下と薄い自動車用の薄鋼板で実施する場合、容易に座屈変形が生じてしまう問題がある。
特許文献2に記載された技術は薄鋼板を対象にした試験方法であるが、座屈防止冶具に設置された窓からのひずみ測定では、窓部に位置する試験体部分に座屈押さえがないため試験体の座屈を完全にゼロにすることは難しく、さらにひずみ測定手段として、ひずみゲージを用いるため、現状市販されているひずみゲージの最大限界である5%のひずみを超えると精度低下やゲージの剥離といった問題を生じる。なお、ひずみゲージは繰り返しの引張ひずみと圧縮ひずみには対応しておらず、引張変形後の圧縮変形では測定される精度が保証されない問題もある。また、ひずみゲージを添付する作業は作業性が良くない。また、ひずみゲージは使い捨てであり、試験の都度、新しく交換する必要があって経済性にも問題がある。
以上のように、特許文献1〜3の技術では、板厚数mm以下の薄鋼板試験片の引張圧縮試験片において、圧縮ひずみが5%以上になると座屈変形或いは引張及び圧縮共に測定精度の低下を生じ易く、又、作業性、経済性が良くないという問題があった。
特許文献4においては、上記問題を解決する技術の提案がなされた。特許文献4の技術では、アクチュエータの駆動方向を鉛直方向とすることを想定しており、その限りにおいては、上記問題を十分に解決し得る。ただし鉛直方向に駆動するアクチュエータを用いると、装置全体が大掛かりになりやすい。また、引張圧縮試験機を横置きにした場合、小型のアクチュエータが適用可能となるが、伸び計の測定部と試験片との接触部がすべりを生じやすくなり安定した測定ができない場合があるという構造上の問題があった。
そこで、本発明は、前記従来技術の諸問題に鑑み、板厚数mm以下の薄鋼板の引張圧縮特性を、圧縮ひずみが5%以上の領域においても座屈変形なく、十分な測定精度でしかも安定して測定でき、作業性、経済性にも優れる、引張圧縮試験方法および装置を提供することを課題(本発明が解決しようとする課題)とした。
本発明は、前記課題を解決する為になされたものであり、その要旨構成は以下のとおりである。
[1] 試験片の平行部および平行部両端の肩アール部からなる試験部に引張から圧縮へと、圧縮から引張へとの何れかの負荷繰り返し試験を行なう引張圧縮試験方法であって、試験片の側面に伸び計を固定し、試験片をその厚さ方向両側から、チャック用ブロックの凹形状と噛み合う凸形状を有する座屈防止治具と、座屈防止ベース治具とで挟み、さらに座屈防止ベース治具の試験片設置面に段差を設け、試験片長手方向からも挟み込んで圧縮力を付与可能とし、バネで座屈に抵抗する力を発生させた状態下で、前記試験部に前記負荷繰り返し試験を施すことを特徴とする引張圧縮試験方法。
[2] 平行部および平行部両端の肩アール部からなる試験片と、当該試験片の側面に固定した伸び計とからなり、チャック用ブロックの凹形状と噛み合う凸形状を有する座屈防止治具と、試験片設置面に段差を設け、試験片長手方向から挟み込んで圧縮力を付与可能とした座屈防止ベース治具とからなり、座屈防止治具と座屈防止ベース治具で試験片の厚さ方向から挟み込み、バネで座屈に抵抗する力を発生させる試験治具と、スライド機構を有し前記試験治具をスライドさせる高剛性スライド治具と、当該高剛性スライド治具全体を組み付ける設置用治具からなることを特徴とする引張圧縮試験装置。
本発明によれば、形状を特定した試験片の側面部に弾性体で固定した伸び計によって前記負荷繰り返し試験時のひずみを測定し、さらに圧縮時の座屈を防止する治具(座屈防止治具及び座屈防止ベース治具)を用いたから、前記の負荷繰り返し試験時のひずみを高精度に測定することが可能となる。又、従来のひずみゲージ貼付に代えて伸び計を弾性体により固定するとしたから、作業性、経済性が向上する。加えて、座屈防止治具の試験片設置面に段差を設け、圧縮力を負荷する際に試験片長手方向の端面に力を加えるようにしたこと、かつ凹形状を有するチャック用ブロックとそれに噛み合わせる凸形状を有する座屈防止治具を用いたことで、より大きな圧縮ひずみの領域での圧縮特性を安定して測定可能となる。さらに、上記の測定安定性向上の結果として試験装置を横置きにしても安定した測定が可能となったため、多くのタイプのアクチュエータへ適用でき、装置全体の小型化が実現できる。
本発明の実施形態の一例に用いる制御系における信号の伝達経路を示すブロック図である。 図1の制御系における制御の流れを示すフローチャートである。 本発明に係る引張圧縮試験装置の横置き状態の一例を示す立体図である。 本発明の実施形態の一例に係る試験片形状を示す立体図である。 図3のA部詳細図である。 試験片への伸び計の取付け状態を示す立体図である。 図6のB部詳細図である。 試験治具の分解図である。 座屈防止ベース治具3、4へ試験片1をセットした状態を示す立体図である。 試験片1へ座屈防止治具7をセットした状態を示す図8のB−B断面図である。 寸法を種々変えて引張試験した試験片の中央部ひずみλCと、該λCに対する側面部ひずみλEの誤差Δλ(=λE−λC)との関係を示す線図である。 実施例1の試験で得た応力‐ひずみ履歴曲線を示す線図である。 実施例2の試験で得た応力‐ひずみ履歴曲線を示す線図である。 比較例2の試験で得た応力‐ひずみ履歴曲線を示す線図である。 比較例3の試験で得た応力‐ひずみ履歴曲線を示す線図である。
以下、図面を参照して、本発明の実施形態を説明する。
本引張圧縮試験装置は、主に、試験片1、伸び計2、座屈防止ベース治具3、4、座屈防止治具7、座屈押さえ8からなる。
本引張圧縮試験装置における試験片1の取付け方法は以下のとおりである。
図4に示す試験片1に、図6に示す伸び計2を弾性体10で取り付ける。次に伸び計2を取り付けた試験片1を図8に示す座屈防止ベース治具3、4に取り付けるにあたり、座屈防止ベース治具3と4を試験片長手方向に開いて、伸び計2を取り付けた試験片1を図8の太矢印に示すように、座屈防止ベース治具4の空間に入れてから、座屈防止ベース治具3と4を試験片長手方向に閉じる。その後、チャック用ブロック5と6を試験片1のボルト穴にねじ込み、さらに図6に示すように、座屈防止治具7で試験片1を押さえるために、座屈押さえ8に取り付けた座屈防止治具7を凹形状5Aと6Aに差し込みつつ、座屈押さえ8に取り付けられたバネ付きボルト9を座屈防止ベース治具4のボルト穴にねじ込む。
伸び計2を試験片へ固定するには、図4に示す試験片1の側面に抵抗溶接にて接合した伸び計保持金具11に、図6に示す伸び計2を弾性体10で固定することで作業効率が格段に向上した。伸び計2は繰り返し使用することができるため、試験毎に廃棄されるひずみゲージを用いていた従来の試験形態におけるような非経済性を解消することが可能となる。
伸び計2を固定するために試験片1側面には伸び計保持金具11が必要になるが、抵抗溶接を用いることで簡便・強固に伸び計保持金具11を試験片1に固定することが可能となる。伸び計2の計測部は試験片側面部に、伸び計保持金具11で固定された弾性体10の弾性力で、押し付けられて保持される。この弾性力により伸び計2の計測部が試験片1の側面部に対して試験中にすべることなく固定されるため、精度の高いひずみ測定が可能となる。
さらに、引張圧縮試験装置を横置きで使用する場合、図3に示すように接地用治具500に組みつけて使用する。同図に示すように、作業性の問題から試験機の前面(座屈押さえ8やバネ付ボルト9を組み付ける側)を上側とする必要があるが、図6の伸び計2の自重によって伸び計2の計測部と試験片1の接触面積が小さくなり、両者が滑りやすくなる傾向があり、問題となることがある。その場合は、例えば図7の如く、接着剤12等を伸び計2の計測部に塗布し、試験片1の側面部に対する追従性を高めることで、この問題を解決できる。
上記接着剤12は、作業性を高めるため瞬間接着剤であること、かつ伸び計2の稼動部に侵入しないように塗布することが好ましい。瞬間接着剤を用いると、接着面積が小さいため剥離も容易であることも、溶接などの他の接着方法と比較して優れる。以上のようにして、引張圧縮試験装置を横置きで使用することができれば、多くのタイプのアクチュエータに適用可能となる。
又、座屈防止の為に、図8の如く、試験治具100を上下に分割して下側を座屈防止ベース治具3、4、上側を座屈防止治具7とし、座屈防止ベース治具3、4の凹部底平面に試験片1の板厚方向両端面のうちの一方の面を当接させ、他方の面には座屈防止治具7を当接させて、試験片1を座屈防止治具7と座屈防止ベース治具3、4との間に挟み込み、座屈防止治具7を座屈押さえ8および座屈押さえ力調整用バネ9A付きボルト9で押さえる。斯かる構成とされた試験治具100を用いることで板厚数mm程度以下の薄鋼板の引張圧縮試験でひずみが5%以上の圧縮時の座屈変形を極力抑えて試験することが可能となる。
座屈押さえ力が試験片の引張方向の変形に影響することが懸念されるが、本発明では、座屈押さえ力は座屈押さえ力調整用バネ9A付きボルト9で、座屈押さえ力の付与レベルを調整することが可能であり、座屈押さえ力の影響をできるだけ小さくして試験することが可能である。
また、座屈は試験片1を圧縮した際に発生しやすいが、試験片1の板厚方向両端面のうちの一方の面は座屈防止治具7の下端平面に常に当接され、他方の面は座屈防止ベース治具3、4の凹部底平面に測定部を含む大半が当接し、かつ、圧縮時には座屈防止ベース治具3、4が近接するため、座屈防止ベース治具3、4間の隙間は僅かとなり、座屈を充分防止できるわけである。
さらに、座屈防止ベース治具3、4の試験片設置面に図8、図9、図10の如く段差を設け、試験片長手方向の端面を、座屈防止ベース治具3、4で挟み込むようにして圧縮力を加えることで、チャックすべりによる圧縮ストロークの制約を最小にすることが可能となったこと、および、座屈防止治具7が、チャック用ブロック5、6に設けた凹形状5A、6Aと噛み合わさる形の凸形状を有するようにしたことで、座屈防止治具7とチャック用ブロック5、6を常に試験片に接触させることが可能となったことで、より大きな圧縮ひずみを付与しても安定した測定が可能となった。
また、アクチュエータの制御に関しては、変位増分が経過時間に対して一定となるようにアクチュエータを駆動し、伸び計2の計測値が目標の値に到達したところで負荷を反転する方法をとることで、引張‐圧縮の負荷反転を目的のひずみで行なえる。本発明で用いる制御系における信号の伝達経路を図1に、制御のフローチャートを図2に示す。
さらに、本発明に係る引張圧縮試験装置は、前記試験治具100(図8を参照)を、図5の如く、試験治具ベース200のボールベアリング300付きスライド軸400によるスライド機構である高剛性スライド機構に組み込んだ構造の装置とした。これにより、引張圧縮負荷方向の軸が試験中に偏心するのを防止でき、座屈変形のない安定した引張圧縮試験が可能となる。
なお、本発明の一実施の形態として、より最適な試験を行うには、以下の試験片寸法を限定するのが好ましい。
試験片の側面部でひずみを計測する場合、任意の試験片形状を用いるとひずみが試験片幅方向で不均一になり、試験片の中央部とのひずみ値の誤差が懸念される。そこで、試験片形状を種々変えて事前検討実験を行なった結果、図4に示す試験片形状において、試験部長さLと試験片平行部の幅Wの関係がL/W≧4.0であって、かつ、肩アール部のRがR≦2.0mmとなる試験片を用いることで中央部と側面部のひずみがほぼ等しくなる(誤差0.15%以下となる)という知見を得た。
(事前検討実験の一例)
試験片サイズ(試験部の長さL、幅W、肩アールR)を例えば表1に示す各水準とした試験片にケガキ線を付して最大14%までの引張変形を加え、ケガキ線間隔の変化からの試験片の中央部のひずみλCと、側面部ひずみλEの差Δλ(=λE−λC)との関係を求めた。すると、例えば図11に線図で示す様に、Δλは、L/W≧4.0およびR≦2.0mmを満たす寸法範囲(便宜上、特定寸法範囲という)内であるS4およびS5では、λCの増加に対し減少から増加に転じる極小点(該極小点におけるΔλ=−0.15%)(|Δλ|では最大値0.15%である)を有する谷形状曲線を呈し、一方、前記特定寸法範囲外であるS1〜S3、S6、S7では、λCの増加に対し単調減少曲線を呈することが分かった。尚、表1には各水準における14%引張時の最大誤差Δλmax(|Δλ|が最大を示すΔλの値)を記した。
Figure 2016003951
上記事前検討の知見に基づき、本発明で用いる試験片を、L/W≧4.0且つR≦2.0mmであるものに限定するとよい。
斯かる試験片寸法限定により、前記負荷繰り返し試験時の測定誤差を充分排除することができる。
(実施例1)
実施例1として、水平方向に変位を生じるアクチュエータを利用し、図3〜図11に示した引張圧縮試験装置にて引張圧縮試験を実施した。伸び計2の計測部と試験片1の側面部にすべりを生じ難くするため、瞬間接着剤を用いて固定した。板厚1.4mm、TS=980MPa級の薄鋼板から表1の水準S5の寸法に合わせて採取した試験片を用い、図1、図2に示したとおりの実施形態に従い、表2に示す条件1、および条件3で引張圧縮(但し条件3は引張のみ)試験を行い、図12に示す処の、真応力と真ひずみの関係を表す応力‐ひずみ履歴曲線を得た。
Figure 2016003951
(実施例2)
実施例2として、水平方向に変位を生じるアクチュエータを利用し、図3〜図11に示した引張圧縮試験装置にて引張圧縮試験を実施した。伸び計2の計測部と試験片1の側面部にすべりを生じ難くするため、瞬間接着剤を用いて固定した。板厚1.4mm、TS=1180MPa級の薄鋼板から表1の水準S5の寸法に合わせて採取した試験片を用い、図1、図2に示した通りの実施形態に従い、表2に示す条件2、および条件3で引張圧縮(但し条件3は引張のみ)試験を行い、図13に示す処の、真応力と真ひずみの関係を表す応力‐ひずみ履歴曲線を得た。また、表2に示す条件4で引張圧縮試験を行い、図14に示す処の、真応力と真ひずみの関係を表す応力‐ひずみ履歴曲線を得た。
尚、前記実施例1及び実施例2では、本発明例として引張‐圧縮の負荷繰り返し試験の場合を示したが、これ以外の、圧縮‐引張の負荷繰り返し試験の場合においても本発明を適用して同様の高精度のひずみ計測ができることを確認済みである。実施例1においては、±3%のひずみで試験を実施したが、試験条件は±3%のひずみに限定されず、縦置きで使用する場合と同様のひずみ量での引張‐圧縮繰り返し試験が可能である。
(比較例1)
比較例1として、伸び計2の使用に代えてひずみゲージを試験片に貼って、図8〜図10のベース治具3、4および座屈防止治具7を付帯していない従来の引張圧縮試験機を用いて実施例1及び実施例2と同様の条件の試験を試みたが、条件2では2回目の引張(ひずみ=+10%)負荷途上、条件3では1回目の引張(ひずみ=+10%)負荷途上で、何れもひずみゲージが壊れてひずみ計測ができなくなった。また、条件2では圧縮(ひずみ=−5%)負荷時に試験片が撓んで、試験片長手(L)方向に正確に圧縮ひずみが加わらなかった。
(比較例2)
比較例2として、座屈防止ベース治具3、4から段差3A、4A(図8)を取り去った形の、図示しない座屈防止ベース治具(比較用座屈防止ベース治具C3、C4と称する)を用いて引張圧縮試験を行った結果を図15に示す。板厚1.4mm、TS=1180MPa級の薄鋼板から表1の水準S5の寸法に合わせて採取した試験片を用いた。TS=1180MPa級鋼板は引張圧縮変形の負荷が大きいため、試験片1のチャック部のすべりに起因して、圧縮方向の距離が増加したため、比較用座屈防止ベース治具C3、C4間の隙間不足により比較用座屈防止ベース治具C3、C4同士が接触し、試験片に荷重が加わらなかったことで試験続行が不可能となった。
1 試験片
2 伸び計
3、4 座屈防止ベース治具
3A、4A 段差
5、6 チャック用ブロック
5A、6A 凹形状
7 座屈防止治具
8 座屈押さえ
9 バネ付きボルト
9A バネ(座屈押さえ力調整用バネ)
10 弾性体
11 伸び計保持金具
12 接着剤
100 試験治具
200 試験治具ベース
300 ボールベアリング
400 スライド軸
500 接地用治具
600 アクチュエータ連結用の軸

Claims (2)

  1. 試験片の平行部および平行部両端の肩アール部からなる試験部に引張から圧縮へと、圧縮から引張へとの何れかの負荷繰り返し試験を行なう引張圧縮試験方法であって、試験片の側面に伸び計を固定し、試験片をその厚さ方向両側から、チャック用ブロックの凹形状と噛み合う凸形状を有する座屈防止治具と、座屈防止ベース治具とで挟み、さらに座屈防止ベース治具の試験片設置面に段差を設け、試験片長手方向からも挟み込んで圧縮力を付与可能とし、バネで座屈に抵抗する力を発生させた状態下で、前記試験部に前記負荷繰り返し試験を施すことを特徴とする引張圧縮試験方法。
  2. 平行部および平行部両端の肩アール部からなる試験片と、当該試験片の側面に固定した伸び計とからなり、チャック用ブロックの凹形状と噛み合う凸形状を有する座屈防止治具と、試験片設置面に段差を設け、試験片長手方向から挟み込んで圧縮力を付与可能とした座屈防止ベース治具とからなり、座屈防止治具と座屈防止ベース治具で試験片の厚さ方向から挟み込み、バネで座屈に抵抗する力を発生させる試験治具と、スライド機構を有し前記試験治具をスライドさせる高剛性スライド治具と、当該高剛性スライド治具全体を組み付ける設置用治具からなることを特徴とする引張圧縮試験装置。
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