JP2021113706A - 応力評価方法、曲げ加工性評価方法、および金属部材の製造方法 - Google Patents

応力評価方法、曲げ加工性評価方法、および金属部材の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】金属の板材に対して曲げ加工を行う際の応力および曲げ加工性を、定量的に評価することができる応力評価方法および曲げ加工性評価方法、および定量的に曲げ加工性を評価して原料を選定することができる金属部材の製造方法を提供する。【解決手段】金属の板材として構成された試験材Sを、面内で相互に離れた2つの保持箇所S1,S1で保持した状態で、前記2つの保持箇所S1,S1の間に設けられた押圧箇所S2において、前記試験材Sの一方面に対して、垂直に荷重Fを印加し、応力と変位量との関係を記録する、応力評価方法とする。前記応力評価方法によって、前記試験材Sが破断した際の前記応力を、最大せん断応力τmaxとして取得し、前記試験材Sの引張強度をσmaxとして、τmax/σmaxとして算出される最大応力比が大きいほど、前記試験材Sが面外方向に変形する際に割れを生じにくいと判定する曲げ加工性評価方法とする。【選択図】図2

Description

本開示は、応力評価方法、曲げ加工性評価方法、および金属部材の製造方法に関する。
電気接続端子等、金属の板材に対して、曲げを伴う加工を行って、金属部材を製造する場合に、所定の曲げを経た際に、金属材料に、割れやしわ等、せん断変形に伴う損傷が生じないように、材料が選定される。適切な材料を選定するための基礎として、曲げによる応力と、損傷の発生との関係を、試験によって把握することが重要である。そのために、金属材料に対して、どの程度の応力が生じた際に、どの程度の損傷が発生するのかを調べる試験が行われる。
その種の試験の方法は、例えば、下記非特許文献1に掲載された日本伸銅協会の規格「JBMA T307:1999」に定められている。この規格においては、図6Aに示すように、2つの凸部92,92を有する上型91と、それら凸部92,92を収容できる2つの凹部96,96を備えた下型95との組を備えた治具90を用いて、金属の板材として構成された試験材Sに曲げを加える。つまり、図6Bのように、試験材Sを上型91と下型95の間に挟み込み、W型に曲げる。そして、曲げによって山となった試験材Sの曲げ加工部S5を光学顕微鏡で観察し、形成された「割れ」および「しわ」の程度を評価する。ここで、「しわ」とは、「曲げ加工によって現れた段差状のくぼみ又はすじが観察できる状態」と定義され、「割れ」とは、「割れの底が真上から観察できない、せん断帯に沿って割れた状態」と定義されている。「しわ無し」「しわ小」「しわ大」「割れ小」「割れ大」の5つの水準に、試験材Sが分類される。
また、金属の板材に生じるせん断応力を定量的に評価する方法も開発されている。例えば、下記非特許文献2に記載されたMiyauchiによる方法においては、金属材を所定の形状に加工した試験材に対して、引張りを加え、せん断応力と変位の関係を評価している。Miyauchiによる方法では、せん断方向への回転の影響を排除する観点から、所定の位置に複数のスリットを形成した試験材の形状が、規定されている。
「日本伸銅協会技術標準 銅および銅合金薄板条の曲げ加工性評価方法 JBMA T307:1999」日本伸銅協会 電子部品用銅合金標準化委員会 1999年 Kunio MIYAUCHI,"A Proposal of a Planar Simple Shear Test in Sheet Metals",Scientific Papers of the Institute of Physical and Chemical Research,1972年,78巻,3号,27−40頁
金属の板材に曲げを加える際に発生するせん断応力を評価する方法として、非特許文献1に掲載された規格のように、曲げ加工部を顕微鏡観察して、割れやしわの程度を評価する場合には、評価指標が定性的なものとなってしまう。すると、異なる材料の間で曲げ加工性を定量的に比較することが難しくなる。試験者の違い等によって、評価結果が変化してしまう可能性もある。また、異なる材料の間で曲げ加工性の高低を比較するためには、治具90の上型91の凸部92,92の頂部、および下型95の2つの凹部96,96の間の接合部97の頂部における曲面形状の曲率半径Rと、試験材Sの板厚tとの比率R/tを変化させながら、多数の試験材Sに対して評価を行う必要があり、試験に大きな労力を要する。
非特許文献2に開示された方法のように、試験材に対して変形を加えながら、応力と変位の関係を記録する方法によれば、金属の板材に対して、せん断応力を定量的に評価することができる。非特許文献2の方法のように、試験材に対して引張りを加えながら、応力を測定する場合には、測定によって得られる応力は、板材の面内におけるせん断応力となる。しかし、板材に対して曲げを加える場合には、板材が面外方向に変形されることになる。よって、曲げ加工を行う際に、割れ等、材料のせん断に伴う損傷の発生を回避するための指標としては、面内方向のせん断応力を評価するだけでは、不十分であり、面外方向も含めて、せん断応力を定量的に評価することが望まれる。
そこで、金属の板材に対して曲げ加工を行う際の応力および曲げ加工性を、定量的に評価することができる応力評価方法および曲げ加工性評価方法、および定量的に曲げ加工性を評価して原料を選定することができる金属部材の製造方法を提供することを、課題とする。
本開示の応力評価方法は、金属の板材として構成された試験材を、前記試験材の面内で相互に離れた2つの保持箇所で保持した状態で、前記2つの保持箇所の間に設けられた押圧箇所において、前記試験材の一方面に対して、垂直に荷重を印加し、前記試験材が破断するまでの応力と変位量との関係を記録するものである。
本開示の曲げ加工性評価方法は、前記応力評価方法によって、前記試験材が破断した際の前記応力を、最大せん断応力τmaxとして取得し、前記試験材の引張強度をσmaxとして、τmax/σmaxとして算出される最大応力比が大きいほど、前記試験材が、面外方向に変形する際に割れを生じにくいと判定するものである。あるいは、前記応力評価方法によって、前記試験材が破断するまでの間に、前記応力を前記変位量の関数として記録した曲線において、最も低変位量に出現する極大点における応力を、せん断降伏応力τとし、前記試験材の引張強度をσmaxとして、τ/σmaxとして算出される降伏応力比が大きいほど、前記試験材が、面外方向に変形する際にしわを生じにくいと判定するものである。
本開示の金属部材の製造方法は、前記曲げ加工性評価方法による評価を経て、原料として選定した金属材料を用い、前記金属材料の面外方向への変形を含む工程を経て、金属部材を製造するものである。
本開示にかかる応力評価方法および曲げ加工性評価方法は、金属の板材に対して曲げ加工を行う際の応力および曲げ加工性を、定量的に評価することができる。また、本開示にかかる金属部材の製造方法は、定量的に曲げ加工性を評価して原料を選定することができる。
図1A〜1Cは、本開示の一実施形態にかかる応力評価方法および曲げ加工性評価方法に用いられる試験装置を示す図である。図1Aは平面図であり、図1Bは図1A中のA−A断面図である。図1Cは図1Bの拡大図である。断面を示すハッチングは、省略している。 図2A,2Bは、上記試験装置を用いた応力評価を説明する断面図である。図2Aは荷重印加前の状態、図2Bは荷重印加中の状態を示している。断面を示すハッチングは、省略している。 図3は、応力評価において得られるせん断応力曲線の例を示す図である。 図4A,4Bは、実施例において、銅合金に対して測定されたせん断応力曲線を示す図である。図4Aはコルソン合金1に対して試験方向をRDとした場合、図4BはCu−Mg合金に対して試験方向をTDとした場合を示している。 図5A,5Bは、実施例において、各種銅合金に対して得られた応力評価の結果を示す図である。図5Aは、最大応力比τmax/σmaxを示し、図5Bは、降伏応力比τmax/σmaxを示している。 図6A,6Bは、従来の曲げ加工性評価方法を説明する図である。図6Aは曲げを加える前、図6Bは曲げを加えた後の状態を示している。
[本開示の実施形態の説明]
最初に、本開示の実施形態を列挙して説明する。
本開示の一実施形態にかかる応力評価方法は、金属の板材として構成された試験材を、前記試験材の面内で相互に離れた2つの保持箇所で保持した状態で、前記2つの保持箇所の間に設けられた押圧箇所において、前記試験材の一方面に対して、垂直に荷重を印加し、前記試験材が破断するまでの応力と変位量との関係を記録するものである。
上記応力評価方法においては、金属の板材として構成された試験材に対して、板面に垂直に荷重を印加しながら、破断するまでの応力と変位量の関係を記録する。板材に対して面外方向に荷重を印加することで、板材に面外方向のせん断変形が加えられ、その際に板材に発生する応力を評価するので、せん断変形に伴って板材に発生する応力を、面外方向の成分も含んで、定量的に評価することができる。試験材として、板材を特殊な形状に加工する必要も、多数の試験材に対して測定を行うことも必要ないので、板材に対するせん断応力の定量評価を、簡便に実行することができる。
ここで、前記試験材が破断した際の前記応力を、最大せん断応力τmaxとして記録するとよい。最大せん断応力は、試験材に曲げ等の面外の変位を加えた際の割れの発生と、高い相関性を有しており、割れの発生に関連する応力値を、定量的に得ることができる。
前記試験材が破断するまでの間に、前記応力を前記変位量の関数として記録した曲線において、最も低変位量に出現する極大点における応力を、せん断降伏応力τとして記録するとよい。せん断降伏応力は、試験材に曲げ等の面外の変位を加えた際のしわの発生と、高い相関性を有しており、しわの発生に関連する応力値を、定量的に得ることができる。
前記応力評価方法は、第一の治具と、第二の治具と、第三の治具と、を有する測定装置を用いて実施され、前記第一の治具および前記第二の治具は、前記試験材の面内で相互に離れた2つの位置で、前記試験材を、それぞれ面外方向から挟み込んで保持し、前記第三の治具は、前記第一の治具と前記第二の治具の間の位置で、前記試験材を面外方向から挟み込んで保持した状態で、前記第一の治具および前記第二の治具に対して、前記試験材の面外方向に移動することで、前記試験材に荷重を印加するとよい。すると、簡素な装置構成によって、金属材料の板材に対して、面外方向へのせん断変形に伴って発生する応力を、定量的に評価することができる。試験材の形状は、各治具で挟み込むことができれば、特に限定されない。
前記試験材は、矩形の板材として準備され、該矩形の1辺に沿った方向を長さ方向として、前記第一の治具、前記第二の治具、前記第三の治具は、それぞれ、前記試験材を、長さ方向全域において、挟み込んで保持するとよい。すると、試験材を面外方向から挟み込む単純な方式で保持した状態で、応力を計測することになるので、応力評価の結果に、試験材を保持するための機構に起因する影響が及ぼされにくくなる。
前記第三の治具と、前記第一の治具および前記第二の治具のそれぞれとの間の距離は、前記試験材の面内方向に沿って、0.5mm以下であるとよい。すると、治具の間の間隔が、小さく抑えられていることにより、治具間での試験材の伸び等、面外方向へのせん断変形以外の変形による影響が、応力評価の結果に及ぼされにくくなる。
本開示の第一の実施形態にかかる曲げ加工性評価方法は、前記応力評価方法によって、前記試験材が破断した際の前記応力を、最大せん断応力τmaxとして取得し、前記試験材の引張強度をσmaxとして、τmax/σmaxとして算出される最大応力比が大きいほど、前記試験材が、面外方向に変形する際に割れを生じにくいと判定するものである。
上記曲げ加工性評価方法においては、金属の板材に面外方向の変形を加えた際に、せん断変形に伴って発生する応力を計測した結果に基づいて、材料の曲げ加工性の程度を評価するものである。発明者らの研究により、上記の応力評価方法によって計測されるせん断応力が、板材を曲げ変形させる際の材料組織の状態との間に高い相関性を有すること、また、その応力計測によって得られる最大応力比τmax/σmaxが、曲げ加工時の割れの発生と高い相関を示すことが、明らかになっている。よって、最大応力比を指標として用い、その値が大きい材料ほど、曲げ加工等、面外方向への加工を行った際に、割れを生じにくいと判定することにより、曲げ加工時の割れの発生の可能性を、定量的に評価することができる。
ここで、前記最大応力比τmax/σmaxが、所定の最大応力比閾値以上である場合に、前記試験材が、十分な耐割れ性を有していると判定するとよい。すると、高い耐割れ性を有し、曲げ加工を行っても割れを生じにくい材料を、定量的な指標に基づいて弁別し、曲げ加工等を施す原料として選択することができる。
前記試験材が銅または銅合金である場合に、前記最大応力比閾値を0.58とするとよい。すると、高い耐割れ性を有する銅または銅合金を、高い精度で弁別することが可能となる。
本開示の第二の実施形態にかかる曲げ加工性評価方法は、前記応力評価方法によって、前記試験材が破断するまでの間に、前記応力を前記変位量の関数として記録した曲線において、最も低変位量に出現する極大点における応力を、せん断降伏応力τとし、前記試験材の引張強度をσmaxとして、τ/σmaxとして算出される降伏応力比が大きいほど、前記試験材が、面外方向に変形する際にしわを生じにくいと判定するものである。
発明者らの研究により、上記の応力評価方法によって計測されるせん断応力が、板材を曲げ変形させる際の材料組織の状態との間に高い相関性を有すること、また、その応力計測によって得られる降伏応力比τmax/σmaxが、曲げ加工時のしわの発生と高い相関を示すことが、明らかになっている。よって、降伏応力比を指標として用い、その値が大きい材料ほど、曲げ加工等、面外方向への加工を行った際に、しわを生じにくいと判定することにより、曲げ加工時のしわの発生の可能性を、定量的に評価することができる。
ここで、前記降伏応力比τ/σmaxが、所定の降伏応力比閾値以上である場合に、前記試験材が、十分な耐しわ性を有していると判定するとよい。すると、高い耐しわ性を有し、曲げ加工を行ってもしわを生じにくい材料を、定量的な指標に基づいて弁別し、曲げ加工等を施す原料として選択することができる。
前記試験材が銅または銅合金である場合に、30mm四方の板面を有する前記試験材に対して、前記降伏応力比閾値を0.20とするとよい。すると、高い耐しわ性を有する銅または銅合金を、高い精度で弁別することが可能となる。
本開示の一実施形態にかかる金属部材の製造方法は、前記曲げ加工性評価方法による評価を経て、原料として選定した金属材料を用い、前記金属材料の面外方向への変形を含む工程を経て、金属部材を製造するものである。
曲げ等の面外方向への変形を伴う工程を経て、金属部材を製造する場合には、その面外方向への変形を行う際に、変形させた部位に、割れ等、せん断に伴う損傷が生じると、所定の性能や強度を有する金属部材を製造することが難しくなる。そこで、上記曲げ加工性評価方法によって、面外方向に変形させた際の応力評価の結果に基づいて、原料となる金属材の曲げ加工性を評価しておくことで、高い曲げ加工性を有する原料を、定量的な指標に基づいて選択することができる。その結果、曲げ加工等を経て、所定の強度や性能を有する金属部材を、高い信頼性で製造することが可能となる。
ここで、前記曲げ加工性評価方法において十分な耐割れ性を有していると判定された金属材料を、前記原料として選定するとよい。すると、曲げ加工等、面外方向の変形を行う際に、割れの発生を抑制しながら、金属部材を製造することが可能となる。
前記曲げ加工性評価方法において十分な耐しわ性を有していると判定された金属材料を、前記原料として選定するとよい。すると、曲げ加工等、面外方向の変形を行う際に、しわの発生を抑制しながら、金属部材を製造することが可能となる。
前記金属部材は電気接続端子であるとよい。電気接続端子は、金属の板材を原料として、曲げ加工等を経て、所定の形状に加工して製造される。急な角度での曲げ加工が加えられる場合も多い。それらの加工の際に、割れやしわ等の損傷が生じると、電気接続端子の機械的強度や電気的特性に、影響が生じうる。そこで、上記曲げ加工性評価方法によって、十分な曲げ加工性を有していると判定された原料を用いて、電気接続端子を製造することで、所望の特性および強度を有する電気接続端子を、高い生産性をもって製造することが可能となる。
[本開示の実施形態の詳細]
以下、図面を用いて、本開示の実施形態にかかる応力評価方法、曲げ加工性評価方法、および金属部材の製造方法について、詳細に説明する。本開示にかかる応力評価方法による評価結果を利用して、本開示にかかる曲げ加工性評価方法を実行することができる。また、本開示にかかる曲げ加工性評価方法による評価の結果に基づいて、本開示にかかる金属部材の製造方法を実行することができる。以下、本明細書において、各種測定値は、特記しない限り、室温、大気中にて測定されるものとする。また面内、面外、垂直等、部材の形状や配置を表す概念、また寸法値には、幾何的に厳密な概念のみならず、金属の板材に対する評価において許容される範囲のずれを含むものとする。
<試験装置>
まず、本開示の実施形態にかかる応力評価方法および曲げ加工性評価方法に用いられる試験装置1について説明する。図1A〜1Cに、試験装置1の構成の概略を示す。図1Aは、試験装置1の平面図であり、図1Bは図1A中のA−A断面を示す断面図である。図1Cは、図1Bの一部を拡大して示すものである。
試験装置1は、支持枠10と、ホルダ20とを有している。ホルダ20は、第一の治具および第二の治具としての一対の固定治具21,22と、第三の治具としての可動治具23を備えている。これらの治具21〜23は、それぞれ、上下2つに分割されたブロック状の部材21a〜23a,21b〜23bを有しており、間に板状の試験材Sを挟むことができる。各治具21〜23の上側ブロック21a〜23aには、試験材Sに対して、面内方向(x方向およびy方向)の外側に当たる位置に、ネジ24を挿入可能な貫通孔が設けられており、下側のブロック21b〜23bの対応する位置には、ネジ24を嵌め込み可能なタップ孔が設けられている。
3つの治具を、第一の固定治具21、可動治具23、第二の固定治具22の順に一列に並べて配置し、1枚の板状の試験材Sを、各治具21〜23の上下のブロックの間に挟んで、ネジ24を締め込むことで、ホルダ20によって試験材Sを保持することができる。2つの固定治具21,22のそれぞれを構成する上側のブロック21a,22aと、可動治具23を構成する上側のブロック23aの間には、それぞれ、間隙25,25が設けられている。間隙25,25の距離は、0.5mm以下、例えば0.02mmとなっている。各治具21〜23の下側のブロック21b〜23bは、隣接するものどうしが、相互に当接している。
3つの治具21〜23を備えたホルダ20で試験材Sを挟んだ状態の保持体Hを、支持枠10に収容して保持することができる。本明細書において、ホルダ20で試験材Sを挟んだ状態の保持体Hにおいて治具21〜23が並んだ方向を、幅方向(x方向)とする。また、ホルダ20に保持された試験材Sの面内で、x方向に直交する方向を、長さ方向(y方向)とする。そして、x方向およびy方向に直交する、試験材Sの厚さ方向を、上下方向(z方向)とする。
支持枠10は、保持体Hを収容可能な収容空間11を有し、その収容空間11の中に、保持体Hを載置可能な載置部13を有している。そして、収容空間11に収容した保持体Hを、2つの固定治具21,22の下側のブロック21b,22bにおいて、載置部13に載置することができる。保持体Hのうち、可動治具23の各部位は、載置部13をはじめ、支持枠10の構成部材によって直接的には支持されず、試験材Sの連続性によって、両側の固定治具21,22と同一面内に保持される。
支持枠10には、収容空間11を囲む縁部12に、4つの支持柱14が立設されている。支持柱14には、図2Aに示すように、±z方向に運動可能に、押圧具30が取り付けられている(図1A,1Bでは省略)。押圧具30は、y方向中央部に、柱状の押圧部材31を有している。押圧部材31の下端面を、可動治具23の上面に接触させた状態で、押圧具30が、下方(−z方向)に移動することで、可動治具23を介して、試験材Sに、面外方向の荷重Fを印加することができる。押圧部材31の下端面の面積および形状は、試験材Sの面のうち、可動治具23に挟まれた領域(押圧箇所S2)全体を含むように、設定しておくことが好ましい。
押圧具30には、ロードセル(不図示)が取り付けられており、押圧部材31によって試験材Sに印加した荷重Fを、計測することができる。そして、押圧部材31のz方向への変位量と、荷重Fの関係を、記録することができる。荷重Fを印加しながら変位量を計測、記録できる装置として、金属材料に対して引張試験や圧縮試験等を行うことができる公知の材料試験機を用いて、押圧部材31による押圧を行うことができる。材料試験機のクロスヘッドを押圧具30に結合して、材料試験機を圧縮モードで運転し、押圧具30を押し下げながら、クロスヘッドの変位量と、印加した荷重Fの関係を記録すればよい。
<応力評価方法>
次に、本開示の一実施形態にかかる応力評価方法について説明する。本応力評価方法においては、金属の板材として構成された試験材Sに対して、面外方向に荷重を印加し、せん断変形させる。本実施形態にかかる応力評価方法は、試験材Sを面内の相互に離れた2つの保持箇所S1,S1で保持した状態で、保持箇所S1,S1の間に設けられた押圧箇所S2において、試験材Sの一方面に対して、垂直に荷重Fを印加しながら、試験材Sが破断するまでの応力と変位量との関係を記録できるものであれば、どのような装置を用いて実行してもよいが、上記で説明した試験装置1を用いて、好適に実行することができる。
試験材Sとしては、評価したい金属材を、矩形の板材として準備する。板材の寸法としては、試験装置1のホルダ20のネジ24に囲まれた領域の内側に収まる面形状を有するものとすればよい。また、試験材Sの厚さは、ホルダ20に挟んで保持できるものであればよい。試験材Sの寸法を、長さ30mm×幅30mm×厚さ0.15mmとする形態を、好適なものとして例示することができる。
図2Aに示すように、試験前の準備として、試験装置1を構成する各治具を、第一の固定治具21、可動治具23、第二の固定治具22の順に並べ、各治具21〜23を構成する上側ブロック21a〜23aと下側ブロック21b〜23bの間に、試験材Sを配置する。試験材Sにおいて、2つの固定治具21,22に挟まれた領域が、保持箇所S1,S1となり、可動治具23に挟まれた領域が、押圧箇所S2となる。そして、各治具21〜23にネジ24を締め込み、上下のブロックで試験材Sを挟み込んで保持する。すると、試験材Sは、ホルダ20の各治具21〜23によって、長さ方向(y方向)全域に沿って、挟み込んで保持された状態となる。このようにして、ホルダ20で試験材Sを保持した保持体Hを、2つの固定治具21,22の下面にて、試験装置1の支持枠10の載置部13に載置する。
その状態で、押圧具30の押圧部材31を、上方から、可動治具23の上面に当接させる。この状態から、材料試験機の圧縮モードで、押圧具30に、下方に向かう荷重Fを印加し、可動治具23を押し下げる。荷重Fの印加中、押圧具30の下方への変位量と、押圧具30から可動治具23に印加される荷重Fとの関係を記録しておく。
可動治具23に、下方へ向かう荷重Fを印加することにより、ホルダ20に挟み込まれた試験材Sにおいて、x方向中途部に当たる押圧箇所S2が、板面に垂直に、下方に向かう荷重Fを印加されることになる。すると、図2Bに示すように、試験材Sのうち、x方向両端の固定治具21,22に保持された領域である保持箇所S1,S1は、変位されないのに対し、x方向中途部の可動治具23に保持された領域である押圧箇所S2は、面外方向に変位される。その結果として、保持箇所S1,S1と押圧箇所S2の間に、面外方向のせん断変形が生じる。荷重Fによる押圧箇所S2の変位量を大きくし、せん断変形をさらに大きくしていくと、最後に、保持箇所S1,S1と押圧箇所S2との間に、破断が生じる。
試験装置1を用いる場合には、保持箇所S1,S1と押圧箇所S2の間に、せん断変形が加えられる箇所が2か所あるので、ロードセル等によって計測された押圧荷重Fを2で割り、さらに、1箇所ごとの断面積、つまり板材の長さ(y方向の寸法)に厚さ(z方向の寸法)を乗じた面積で規格化することで、試験材Sのせん断変形箇所に生じるせん断応力を算出することができる。その応力を、試験材Sが破断するまでの間、z方向の変位量(ストローク)に対して、記録する。図3に、せん断応力を変位量の関数として記録したせん断応力曲線を例示する。
図3に示すように、せん断応力曲線においては、変位量の増大に伴って、せん断応力が増大する傾向が見られる。せん断応力曲線において、試験材Sが破断した時点(図3では、概ね変位量0.6mmの点)に観測されるせん断応力を、最大せん断応力τmaxとする。図3では、最大せん断応力τmaxは、概ね、380MPaとなっている。
さらに、せん断応力曲線においては、降伏点、つまり、変位量の増大に対して、せん断応力が、増大から減少または停滞に転じる極大点が、見られる。この極大点における応力を、せん断降伏応力τとする。せん断応力曲線において、極大点が複数存在する場合もあるが、そのような場合には、最も低変位量に出現する極大点を、降伏点とみなし、その降伏点における応力を、せん断降伏応力τとみなす。図3に示したせん断応力曲線においては、矢印で表示するように、3つの極大点(肩構造)が見られる。このうち、塗り矢印で示す最も低変位量(概ね0.18mm)に位置する極大点が、降伏点となり、せん断降伏応力τは、概ね、120MPaとなる。
本実施形態にかかる応力評価においては、板状の試験材Sに、面外方向に荷重Fを印加し、試験材Sを面外方向に変形させながら、応力の測定を行っている。そのため、非特許文献2に記載されるような従来のせん断応力評価法とは異なり、面内にせん断変形させる際の応力ではなく、面外にせん断変形させる際のせん断応力を、面外方向の成分も含んで、計測することができる。このように、面外への変形に伴うせん断応力を計測することにより、計測結果を、曲げ加工等、面外への変形を伴う加工を板材に対して行う際に、板材に発生する応力の指標として、用いることができる。
特に、せん断応力曲線において得られる応力の代表値として、最大せん断応力τmaxおよびせん断降伏応力τを、材料のせん断変形に対する耐性を示す指標として、好適に用いることができる。最大せん断応力τmaxは、試験材Sが破断する際の応力に対応しており、後の実施例において示すように、試験材Sにおける割れの発生と、高い相関性を有している。よって、最大せん断応力τmaxが大きな値を示すほど、その材料において、せん断変形による割れが起こりにくいと言える。一方、せん断降伏応力τは、試験材Sにおいて、せん断帯が発生しはじめる応力に対応しており、後の実施例に示すように、試験材Sにおけるしわの発生と関連を有している。よって、せん断降伏応力τが大きな値を示すほど、その材料において、せん断変形によるしわの発生が起こりにくいと言える。
本評価方法においては、板状の試験材Sに対して、板面に垂直に荷重Fを印加して、試験材Sを面外方向に変形させるので、非特許文献2の場合のように、特殊な形状に試験材を加工する必要はなく、矩形等、単純な形状の試験材Sを準備するだけでよい。また、上記で説明した試験装置1のように、試験材Sを面内で相互に離れた2つの保持箇所S1,S1で保持し、その2つの保持箇所S1,S1の間の押圧箇所S2に荷重Fを印加するという簡素な構成の装置を用い、適宜、汎用的な材料試験機等を組み合わせることで、簡便に、応力の評価を行うことができる。
評価を行う装置の具体的な構成は、特に限定されるものではないが、上記で説明した試験装置1のように、試験材Sを長さ方向(y方向)全域にわたって挟みこんで保持する形態のホルダ20を用いることで、保持のための機構に起因して、試験材Sに不要な負荷が印加されにくく、試験材Sを保持するための機構が、応力評価の結果に影響を及ぼすのを、抑制することができる。ただし、試験材Sの種類等によっては、せん断降伏応力τが、試験材Sの幅(x方向の寸法)に対して依存性を示す場合があり、その場合には、材料間でせん断降伏応力を比較する際に、同じ幅を有する試験材Sに対して計測した値を用いればよい。最大せん断応力τmaxについては、試験材Sの幅にはほぼ依存しないことが確認されている。また、試験材Sの長さ(x方向の寸法)や厚さ(z方向の寸法)は、断面積での規格化を経れば、得られるせん断応力曲線にほぼ影響を与えないことが確認されている。以下、特記しないかぎり、応力の具体的な数値は、長さ30mm×幅30mm×厚さ0.15mmの試験材Sに対して計測された値を示すものとする。
試験材Sの種類によっては、板面内の方向によって、せん断応力に異方性が存在する場合がある。その場合には、せん断応力を評価したい方向を、試料の長さ方向(y方向)に揃えて、試験を行えばよい。例えば、試験材Sが銅または銅合金である場合に、せん断応力は、圧延方向との関係において、板面内で異方性を示すが、圧延方向(Rolling Direction;RD)と、圧延方向に直行する方向である直角方向(Traverse Direction;TD)のうち、曲げ等の加工に伴う応力を評価したい試験方向が、y方向に向くように、試験材Sおよび保持体Hを準備すればよい。
上記試験装置1においては、固定治具21,22と可動治具23との間の摩擦の影響を避ける等の目的で、固定治具21,22の上側ブロック21a,22aと可動治具23の上側ブロック23aの間には、間隙25,25が設けられている。しかし、せん断応力曲線を取得する際に、金属材の伸び等、せん断変形以外の現象による影響が、測定結果に及ぶのを抑制する観点から、2つの固定治具21,22と可動治具23の間の間隙25,25は小さい方が好ましい。その観点から、x方向に沿った間隙25,25の幅は、0.5mm以内とされている。さらに好ましくは、その間隙25,25の幅は、試験材Sの厚さよりも小さいとよい。
<曲げ加工性評価方法>
次に、本開示の一実施形態にかかる曲げ加工性評価方法について説明する。本実施形態にかかる曲げ加工性評価方法は、上記で説明した本開示の実施形態にかかる応力評価方法による評価結果を利用して、金属材の曲げ加工性を評価するものである。ここで、曲げ加工性とは、金属材に曲げ加工を施した際に、曲げの箇所に、割れやしわ等の損傷が発生する程度を示すものであり、それらの損傷が発生しにくいほど、曲げ加工性が高いとみなされる。
銅合金等の金属材に曲げを加えた箇所を、走査電子顕微鏡(SEM)によって観察するとともに、電子線後方散乱回折(EBSD)によって、結晶方位の解析を行ったところ、曲げに伴う割れが、せん断帯に沿って発生すること、また、しわもせん断帯の形成に伴って発生することが、明らかになった。さらに、曲げ変形中にせん断変形が起き、せん断変形の進行に伴って、結晶組織内に、せん断帯に対応づけられる結晶粒群が生成することが確認された。よって、上記応力評価方法によって、せん断変形に伴う応力を計測した結果を、曲げ加工を行った際の割れやしわの発生しやすさに、対応づけることができる。
具体的には、応力評価試験で得られた最大せん断応力τmaxを、曲げ加工時の割れの発生の程度に対応づけることができる。最大せん断応力τmaxが大きいほど、曲げ加工時に割れが発生にしくいとみなすことができる。異なる材料間で、最大せん断応力τmaxの値を、そのまま比較してもよいが、最大せん断応力τmaxを、材料の引張強度σmaxで除して、最大応力比τmax/σmaxとすることで、材料の曲げ加工性を、より正確に評価することができる。最大応力比τmax/σmaxの値が大きいほど、曲げ加工時に、面外方向への変形に伴って、割れが発生にしくい、つまり耐割れ性が高いと評価することができる。
さらに、応力評価試験で得られたせん断降伏応力τを、曲げ加工時のしわの発生の程度に対応づけることができる。せん断降伏応力τが大きいほど、曲げ加工時にしわが発生にしくいとみなすことができる。異なる材料間で、せん断降伏応力τの値を、そのまま比較してもよいが、せん断降伏応力τを、材料の引張強度σmaxで除して、降伏応力比τ/σmaxとすることで、材料の曲げ加工性を、より正確に評価することができる。降伏応力比τ/σmaxの値が大きいほど、曲げ加工時に、面外方向への変形に伴って、しわが発生にしくい、つまり耐しわ性が高いと評価することができる。
ここで、材料の引張強度σmaxとは、材料を引張って破断させた際に、試料に印加される引張応力であり、例えば、JIS Z 2241に準拠した引張試験によって評価することができる。金属材料の曲げに伴う変形は、平面ひずみとせん断ひずみの両方を伴って進行する可能性があるが、このうち、平面ひずみは引張強度と、せん断ひずみはせん断応力と関係していると考えられる。せん断ひずみは、上記のように、曲げ加工時に、割れやしわ等を発生させる原因となるが、平面ひずみは、割れやしわを生じさせるものとはなりにくい。よって、材料の引張強度σmaxが小さく、平面ひずみを伴う曲げを起こしやすいものであれば、ある程度せん断応力が小さい材料でも、曲げに伴って、せん断ひずみに伴う割れやしわを発生しにくいと言える。よって、最大せん断応力τmaxやせん断降伏応力τの値そのものを曲げ加工性に対応づけるのではなく、引張強度σmaxで除した値である最大応力比τmax/σmaxや降伏応力比τ/σmaxを指標として用いることで、曲げ加工時に、割れやしわが発生しやすいかどうかを、より正確に評価することができる。多くの銅合金においては、最大せん断応力τmaxは、引張強度σmaxよりも小さく、最大応力比τmax/σmaxが1以下となる。降伏応力比τ/σmaxは、最大応力比τmax/σmaxよりも小さい。
最大応力比τmax/σmaxや降伏応力比τ/σmaxを、異なる材料間で相互に比較することで、材料間で、耐割れ性や耐しわ性を比較することができる。また、最大応力比τmax/σmaxおよび降伏応力比τ/σmaxについて、それ以上の値を取れば、材料に割れやしわが生じないという閾値として、それぞれ、最大応力比閾値および降伏応力比閾値を見積もっておけばよい。閾値の見積もりは、例えば、事前の試験として、顕微鏡観察によって、曲げに伴う割れやしわの発生の程度を見積もった結果と、上記実施形態にかかる応力評価方法による応力の測定結果とを対照することで、行いうる。そして、評価対象となる材料において、最大応力比τmax/σmaxが、所定の最大応力比閾値以上であれば、その材料が十分な耐割れ性を有していると評価すればよい。また、降伏応力比τ/σmaxが、所定の降伏応力比閾値以上であれば、その材料が十分な耐しわ性を有していると評価すればよい。
具体的な最大応力比閾値や、降伏応力比閾値は、合金の主成分等、材料の種類や、用途等に応じて、設定することができる。例えば、電気接続端子等の材料として用いられる銅や銅合金の場合に、後の実施例に示すように、最大応力比閾値を、0.58としておけば、曲げ加工時に割れの発生しにくい材料を選別することができる。最大応力閾値は、0.60以上であると、さらに好ましい。また、降伏応力比閾値を、0.20としておけば、曲げ加工時にしわの発生しにくい材料を選別することができる。降伏応力比閾値は、0.21以上であると、さらに好ましい。
ミーゼス応力においては、垂直応力σとせん断応力τは、σ=√3τの関係をとる。つまり、τ=(1/√3)σとなる。この(1/√3)≒0.577との係数は、上記で、銅または銅合金について、実施例に基づいて挙げた最大応力比閾値の値と一致している。垂直応力σとせん断応力τの比率は、引張強度σmaxと最大せん断応力τmaxの比率に対応づけることができ、この係数の一致から、上記の0.58との最大応力比閾値は、銅や銅合金に限られず、種々の金属材料に対して、割れの発生の有無の指標として用いることができると考えられる。
金属材料の曲げ加工性を評価する場合に、非特許文献1に記載されるように、実際に曲げ加工を施した箇所を顕微鏡観察し、割れやしわの有無を判定する場合には、曲げ加工性を定量的に評価し、材料間での比較等に用いることは難しい。しかし、本実施形態にかかる曲げ加工性評価方法においては、応力評価試験を行い、最大せん断応力τmaxやせん断降伏応力τを、数値として計測したうえで、閾値との比較等により、曲げ加工性を定量的に評価することができる。よって、評価者ごとのばらつき等、定性評価に伴う影響を排除して、曲げ加工性を客観的な数値として見積もることができ、また、異なる材料間での定量的な比較も、簡便に行うことができる。
<金属部材の製造方法>
最後に、本開示の一実施形態にかかる金属部材の製造方法について説明する。ここでは、板状の金属材料を原料として用いて、曲げ加工等、金属材料の面外方向への変形を含む工程を経て、所定の形状を有する金属部材を製造する。この際、原料として用いる金属材料を選定するにあたり、上記で説明した本開示の実施形態にかかる曲げ加工性評価方法を適用する。
つまり、加工の原料となる金属材料に対して、上記で説明した応力評価方法による試験を行い、その試験結果を用いて、上記で説明した曲げ加工性評価方法による評価を実施する。例えば、候補とする金属材料が、所定の最大応力比閾値以上の最大応力比τmax/σmaxを有していることにより、十分な耐割れ性を有していると評価できるものであれば、その金属材料を、加工の原料として用いることができる。さらには、候補とする金属材料が、所定の降伏応力比閾値以上の降伏応力比τ/σmaxを有していることにより、十分な耐しわ性を有していると評価できるものであればよい。あるいは、複数の候補を比較して、それらの候補の中で、大きな最大応力比τmax/σmax、また大きな降伏応力比τ/σmaxを示す金属材料を、加工の原料として選定すればよい。
製造される金属部材の種類は、特に限定されるものではないが、電気接続端子を、好適な例として挙げることができる。電気接続端子は、銅や銅合金に代表される金属の板材を、所定の形状に打ち抜いたうえで、曲げ加工を施し、製造されるものである。180°等、急な角度への曲げを伴うことも多い。そのように、打ち抜きや曲げ加工を行う際に、板材に、割れやしわ等の損傷が発生すれば、製造される電気接続端子において、所定の電気的特性や、機械的強度を確保できなくなる可能性がある。上記曲げ加工性評価により、材料の曲げ加工性を定量的に評価したうえで、十分に高い耐割れ性や耐しわ性を有する材料を原料として選定しておけば、所定の電気的特性および機械的強度を有する電気接続端子を、高い生産性をもって、製造することができる。
以下に実施例を示す。なお、本発明はこれら実施例によって限定されるものではない。ここでは、種々の銅合金材について、せん断応力の測定を行い、曲げ試験の結果との比較を行った。以下で、各評価は、室温(25℃)、大気中にて行った。
[試験方法]
(試料の準備)
試料として、以下の各種銅合金の板材を準備した。
・コルソン合金1,2:成分元素の含有量が相互に異なる。
・Cu−Mg合金
・Cu−Zn合金1〜3:成分元素の含有量が相互に異なる。
(せん断応力曲線の取得)
図1A〜1Cに示した構造を有する試験装置を用い、上記で説明した実施形態にかかる応力評価方法によって、各試料に対して、せん断応力曲線を取得した。この際、押圧具に対する荷重の印加と、変位量および印加荷重の計測には、材料試験機(島津製作所製 「オートグラフ AG−10」)を用いた。変位速度は、2mm/minとした。測定に際しては、各試料について、圧延方向(RD)と垂直方法(TD)の2つの方向を、それぞれ試験方向として、長さ方向(y方向)に向けた。各試験方向の測定は、それぞれ3回ずつ行った。測定時の試験材の形状は、長さ30mm×幅30mm×厚さ0.15mmとした。ホルダにおいて、固定治具と可動治具の間の間隙の幅は、0.02mmとした。
(引張強度)
各試料に対して、JIS Z 2241に準拠した引張試験を行い、引張強度σmaxを測定した。測定は、厚さ0.15mmの板状試料をJIS 13Bのダンベル形状に加工して、RDおよびTDのそれぞれの方向に、引張荷重を印加して行った。試験には、材料試験機(島津製作所製 「オートグラフ AG−10」)を用い、試験速度を2mm/min、標線間距離を25mmとした。
(曲げ評価試験)
各試料に対して、曲げ加工を行い、曲げ加工性を評価した。具体的には、厚さ0.15mm、幅1.5mmとした試料に対して、RDおよびTDの2つの方向に、それぞれ曲げを加えた。この際、曲げの内側の曲率半径(内R)が0.3mmとなるように、180°曲げを行った。その後、曲げの外側に当たる部位を、光学顕微鏡にて観察し、割れおよびしわの有無を観察した。この際、非特許文献1に記載された規格と同様に、「割れ」は、「割れの底が真上から観察できない、せん断帯に沿って割れた状態」として判定し、「しわ」は、「曲げ加工によって現れた段差状のくぼみ又はすじが観察できる状態」として判定した。
[試験結果]
図4Aに、コルソン合金1に対する試験方向をRDとした測定、図4Bに、Cu−Mg合金に対する試験方向をTDとした測定について、得られたせん断応力曲線を示す。横軸が変位量、縦軸がせん断応力を示しており、概ね、変位量の増大に対して、せん断応力が増大している。測定は、試料が破断を起こすまで行っている。各図には、3回の独立した測定の結果を示している。
図4Aおよび図4Bでは、それぞれ、3回の測定が、類似した結果を示しており、最大せん断応力τmax(破断時の応力)の値が同程度になっているとともに、同程度の変位量において、肩構造が形成されている。このことから、本応力評価方法によるせん断応力の測定が、高い再現性を有していることが確認される。
図4A,図4Bのせん断応力曲線において、破断時のせん断応力、つまりせん断応力の最大値を、最大せん断応力τmaxとして読み取ると、図4Aのコルソン合金および図4BのCu−Mg合金のいずれにおいても、最大せん断応力τmaxは、約380MPaとなっている。また、図4A,図4Bのいずれにおいても、図中に矢印で示すように、せん断応力曲線に、3つの肩構造が見られている。このうち、最も低変位量に現れた肩構造に対応するせん断応力を、せん断降伏応力として読み取ると、いずれの試料についても、せん断降伏応力は、約120MPaとなっている。最大せん断応力τmax、せん断降伏応力τとも、3回の測定の平均値を記録した。
上記で図4A,図4Bについて説明したのと同様に、各試料に対して得られたせん断応力曲線から、最大せん断応力τmaxおよびせん断降伏応力τを読み取った。そして、それぞれを引張強度σmaxで除して、最大応力比τmax/σmaxおよび降伏応力比τ/σmaxを算出した。図5Aおよび図5Bに、それぞれ、各試料の最大応力比τmax/σmaxおよび降伏応力比τ/σmaxの値を示す。図中には、合金種ごとに、試験方向をRDとした値と、TDとした値の両方を、棒グラフとして表示している。また、グラフの下部には、合金種の名称と合わせて、曲げ評価試験の結果を表示している。曲げ評価試験において、割れが観測された場合には、「割れ」と表示し、しわが観測された場合には、「しわ」と表示している。割れとしわのいずれも観測されなかった場合には、「良好」と表示している。
図5Aの最大応力比τmax/σmaxをまとめた結果を見ると、曲げ評価試験において「割れ」が発生している場合に比べて、試験の結果が「良好」となっている場合や、「しわ」の発生に留まっている場合の方が、最大応力比τmax/σmaxが大きくなっている傾向が見られる。このことから、最大せん断応力τmaxは、曲げ変形における割れの発生と相関を有しており、その値が大きいほど、耐割れ性が高いことが示唆される。そして、最大せん断応力τmaxを引張強度σmaxで除して最大応力比τmax/σmaxとすることで、耐割れ性を定量的に評価することができる。図中に破線にて示すように、最大応力比τmax/σmaxが0.58以上であれば、曲げ変形時に「割れ」が発生していない一方、最大応力比τmax/σmaxが0.58よりも小さい場合には、「割れ」が発生していることが分かる。このように、最大応力比τmax/σmaxに閾値を設け、その閾値よりも最大応力比τmax/σmaxが大きい材料を選別することで、曲げ加工時に、割れの発生を回避することができる。閾値としては、試験方向(RDまたはTD)を問わず、同じ値を適用することができる。
さらに、図5Bの降伏応力比τ/σmaxをまとめた結果を見ると、曲げ評価試験において「割れ」または「しわ」が発生している場合に比べて、試験の結果が「良好」となっている場合の方が、降伏応力比τ/σmaxが大きくなっている傾向が見られる。このことから、せん断降伏応力τは、曲げ変形におけるしわの発生と相関を有しており、その値が大きいほど、耐しわ性が高いことが示唆される。なお、曲げ評価試験において「割れ」が発生しているということは、それよりも緩やかな条件で曲げを施した際に、しわが発生するということを意味している。せん断降伏応力τを引張強度σmaxで除して降伏応力比τ/σmaxとすることで、耐しわ性を定量的に評価することができる。図中に破線にて示すように、降伏応力比τ/σmaxが0.20以上であれば、曲げ変形時に「しわ」が発生していない一方、降伏応力比τ/σmaxが0.20よりも小さい場合には、「しわ」またはさらに「割れ」が発生していることが分かる。このように、降伏応力比τ/σmaxに閾値を設け、その閾値よりも降伏応力比τ/σmaxが大きい材料を選別することで、曲げ加工時に、しわの発生を回避することができる。閾値としては、試験方向(RDまたはTD)を問わず、同じ値を適用することができる。
図5Aにおいて、曲げ加工性評価の結果が「良好」となっている場合と、「しわ」が発生している場合との間で、最大応力比τmax/σmaxの値に、明確な大小関係は見られない。よって、「しわ」の発生の指標とするパラメータとしては、最大応力比τmax/σmaxを適用することはできず、降伏応力比τ/σmaxを用いる必要がある。また、図5Bにおいて、「割れ」が発生している場合と、「しわ」の発生に留まっている場合との間で、降伏応力比τ/σmaxの値に、明確な大小関係は見られない。よって、「割れ」の発生の指標とするパラメータとしては、降伏応力比τ/σmaxを適用することはできず、最大応力比τmax/σmaxを用いる必要がある。製造すべき金属部材の種類や、施す加工の形態等に応じて、「割れ」は許容されないが、「しわ」程度であれば許容できる場合には、最大応力比τmax/σmaxのみを材料選定の指標として用い、最大応力比τmax/σmaxが所定の閾値以上となっている材料を選定すればよい。一方、「しわ」の発生も許容されない場合には、最大応力比τmax/σmaxに加えて、降伏応力比τ/σmaxも指標として用い、最大応力比τmax/σmaxが所定の最大応力比閾値以上となり、かつ、降伏応力比τ/σmaxが所定の降伏応力比閾値以上となっている材料を選定すればよい。
以上、本開示の実施の形態について詳細に説明したが、本発明は上記実施の形態に何ら限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の改変が可能である。
1 試験装置
10 支持枠
11 収容空間
12 縁部
13 載置部
14 支持柱
20 ホルダ
21 第一の固定治具
21a 第一の固定治具の上側ブロック
21b 第一の固定治具の下側ブロック
22 第二の固定治具
22a 第二の固定治具の上側ブロック
22b 第二の固定治具の下側ブロック
23 可動治具
23a 可動治具の上側ブロック
23b 可動治具の下側ブロック
24 ネジ
25 間隙
30 押圧具
31 押圧部材
90 従来の曲げ加工性試験用の治具
91 上型
92 凸部
95 下型
96 凹部
97 接合部
F 荷重
H 保持体
S 試験材
S1 保持箇所
S2 押圧箇所
S5 曲げ加工部
t 板厚
x 幅方向
y 長さ方向
z 上下方向

Claims (16)

  1. 金属の板材として構成された試験材を、前記試験材の面内で相互に離れた2つの保持箇所で保持した状態で、
    前記2つの保持箇所の間に設けられた押圧箇所において、前記試験材の一方面に対して、垂直に荷重を印加し、
    前記試験材が破断するまでの応力と変位量との関係を記録する、応力評価方法。
  2. 前記試験材が破断した際の前記応力を、最大せん断応力τmaxとして記録する、請求項1に記載の応力評価方法。
  3. 前記試験材が破断するまでの間に、前記応力を前記変位量の関数として記録した曲線において、最も低変位量に出現する極大点における応力を、せん断降伏応力τとして記録する、請求項1または請求項2に記載の応力評価方法。
  4. 前記応力評価方法は、第一の治具と、第二の治具と、第三の治具と、を有する測定装置を用いて実施され、
    前記第一の治具および前記第二の治具は、前記試験材の面内で相互に離れた2つの位置で、前記試験材を、それぞれ面外方向から挟み込んで保持し、
    前記第三の治具は、前記第一の治具と前記第二の治具の間の位置で、前記試験材を面外方向から挟み込んで保持した状態で、前記第一の治具および前記第二の治具に対して、前記試験材の面外方向に移動することで、前記試験材に荷重を印加する、請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の応力評価方法。
  5. 前記試験材は、矩形の板材として準備され、該矩形の1辺に沿った方向を長さ方向として、
    前記第一の治具、前記第二の治具、前記第三の治具は、それぞれ、前記試験材を、長さ方向全域において、挟み込んで保持する、請求項4に記載の応力評価方法。
  6. 前記第三の治具と、前記第一の治具および前記第二の治具のそれぞれとの間の距離は、前記試験材の面内方向に沿って、0.5mm以下である、請求項4または請求項5に記載の応力評価方法。
  7. 請求項1から請求項6に記載のいずれか1項に記載の応力評価方法によって、前記試験材が破断した際の前記応力を、最大せん断応力τmaxとして取得し、
    前記試験材の引張強度をσmaxとして、τmax/σmaxとして算出される最大応力比が大きいほど、前記試験材が、面外方向に変形する際に割れを生じにくいと判定する、曲げ加工性評価方法。
  8. 前記最大応力比τmax/σmaxが、所定の最大応力比閾値以上である場合に、前記試験材が、十分な耐割れ性を有していると判定する、請求項7に記載の曲げ加工性評価方法。
  9. 前記試験材が銅または銅合金である場合に、前記最大応力比閾値を0.58とする、請求項8に記載の曲げ加工性評価方法。
  10. 請求項1から請求項6に記載のいずれか1項に記載の応力評価方法によって、前記試験材が破断するまでの間に、前記応力を前記変位量の関数として記録した曲線において、最も低変位量に出現する極大点における応力を、せん断降伏応力τとし、
    前記試験材の引張強度をσmaxとして、τ/σmaxとして算出される降伏応力比が大きいほど、前記試験材が、面外方向に変形する際にしわを生じにくいと判定する、曲げ加工性評価方法。
  11. 前記降伏応力比τ/σmaxが、所定の降伏応力比閾値以上である場合に、前記試験材が、十分な耐しわ性を有していると判定する、請求項10に記載の曲げ加工性評価方法。
  12. 前記試験材が銅または銅合金である場合に、30mm四方の板面を有する前記試験材に対して、前記降伏応力比閾値を0.20とする、請求項11に記載の曲げ加工性評価方法。
  13. 請求項7から請求項12のいずれか1項に記載の曲げ加工性評価方法による評価を経て、原料として選定した金属材料を用い、
    前記金属材料の面外方向への変形を含む工程を経て、金属部材を製造する、金属部材の製造方法。
  14. 請求項8または請求項9に記載の曲げ加工性評価方法において十分な耐割れ性を有していると判定された金属材料を、前記原料として選定する、請求項13に記載の金属部材の製造方法。
  15. 請求項11または請求項12に記載の曲げ加工性評価方法において十分な耐しわ性を有していると判定された金属材料を、前記原料として選定する、請求項13または請求項14に記載の金属部材の製造方法。
  16. 前記金属部材は電気接続端子である、請求項13から請求項15のいずれか1項に記載の金属部材の製造方法。
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