JP5994685B2 - 歪み式腐食センサの製造方法および歪み式腐食センサを用いた腐食測定方法 - Google Patents
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このような要求に対して、監視対象と同じ金属製の被検体を、監視対象がおかれる同じ腐食環境中に配置し、被検体の表面(腐食環境により腐食される被腐食面)の腐食状態を経時的に測定することで、代替的に監視対象の腐食状態を推定する腐食測定方法が知られている(特許文献1参照)。
このような腐食測定方法に好適な歪み式腐食センサとして、筒状の被検体の内部に棒状体を設置し、棒状体で被検体に軸力を付与することで被検体に初期応力を導入するとともに、被検体の内周または棒状体の外周に歪みセンサを設置したものが用いられている。
図9は、棒状体により与えられる軸力によって被検体に生じる歪み(曲線so)および棒状体の歪み(曲線si)が、被検体の被腐食面(腐食環境中に暴露される領域)の腐食の進行に伴って変化する状況を模式的に示すグラフである。ここで、横軸は被腐食面の腐食量cd(表面からの腐食深さ)である。
棒状体(曲線si)においては、前述した被検体の歪みsoと上下反転した曲線を描き、被検体が腐食により歪みを増し、やがて破壊に至ることで、最終的に歪みがなくなる。
歪みセンサは、このような歪みso,siの何れの側を検出してもよいが、ここでは棒状体の歪みsiを検出しているものとする。
ここで、区間p3は前述した初期段階の区間p1とほぼ同じ腐食深さであるが、変化量ds3は変化量ds1よりも遙かに大きく、つまり区間p3は区間p1よりも著しく検出感度が高い。その相違の程度は、曲線siの状況にもよるが、例えば図9の例では、変化量ds3は変化量ds1の8倍にも及ぶ。言い換えると、初期段階の区間p1では、末期段階の区間p3のような高い検出感度が得られない、ということである。
腐食が進んだ状態の被検体としては、被検体の製造時に腐食が進んだ状態の厚みに相当する薄肉の材料を用いることで実現できる。あるいは、被検体が腐食により薄くなるのと同様に、切削等により被検体の材料を除去して薄肉化することによっても得られる。ただし、被検体を切削等する場合、製造工程の複雑化を考慮する必要がある。
このような薄肉化した被検体を用いることで、腐食測定の初期から高い検出感度を得ることが期待できる。
しかし、本発明の発明者は、被検体を単に薄肉化しても、次のような不都合が生じ、実用化が難しいことを見いだした。
このセンサは、被検体の厚さが横軸に示す深さc3相当となるように製造されており、腐食が深さ0から深さc3まで進行するのに従って、被検体に生じる歪み(曲線so3)が増大し、棒状体の歪み(曲線si3)が減少する。
棒状体の歪み(曲線si3)は、初期値で歪み量snであるが、腐食の進行に伴って深さc3(つまり被検体が消失)となった時点で歪み量0となる。
このセンサは、被検体の厚さが深さc2となるように製造されており、横軸に示す深さ0から深さc2まで腐食が進行するのに従って、被検体に生じる歪み(曲線so2)が増大し、棒状体の歪み(曲線si2)が減少する。
棒状体の歪み(曲線si2)は、初期値で歪み量snであるが、腐食の進行に伴って深さc2となった時点で歪み量0となる。つまり、曲線si2は、前述した曲線si3に対して、横軸だけが縮小した形状となっている。
被検体の歪み(曲線so2)は、薄く製造されている分、前述した曲線so3を図中左方向(深さが少なくなる方向)へ平行移動させた形状を示す。この際、被検体としての断面積が小さくなるため、同じ軸力であっても初期応力が大きくなっており、曲線so2の深さ0時点での歪み量は、曲線so3の深さc1時点での歪み量に相当する値となっている。
棒状体の歪み(曲線si1)は、初期値で歪み量snであるが、腐食の進行に伴って深さc1となった時点で歪み量0となる。つまり、曲線si1は、前述した曲線si3に対して、横軸が曲線si2以上に縮小された形状である。
被検体の歪み(曲線so1)は、前述した曲線so3を図中左方向(深さが少なくなる方向)へ更に平行移動させた形状となっており、曲線so1の深さ0時点での歪み量は、曲線so3の深さc2時点での歪み量に相当する値となっている。
つまり、何れの歪み式腐食センサにおいても、測定レンジra3〜ra1は同じである。
図11において、前述した降伏が、被検体の歪み量syで生じたとする。被検体の歪みを表す曲線so3〜so1においては、それぞれ深さc3〜c1に達する前に降伏を生じる歪み量syに達し、各曲線に係る歪み式腐食センサが有効な期間はt3’〜t1’となり、これらは各々前述した期間t3〜t1に対して深さdc分だけ短い。
このように、被検体の歪み(曲線so3〜so1)に深さdc分の短縮が生じることで、棒状体で検知される歪み(曲線si3〜si1)においては測定レンジの縮小が生じ、それぞれ測定レンジra3’〜ra1’となる。
これらの測定レンジra3’〜ra1’は、その縮小状況がセンサによって異なる。これは、被検体の歪み(曲線so3〜so1)がグラフ上で平行移動した形状を示すのに対し、棒状体の歪み(曲線si3〜si1)は横軸だけが縮まり、結果として異なる形状となることによる。
とくに、被検体の厚みを深さc1とした歪み式腐食センサでは、測定レンジra1’が、被検体の厚みが深さc3であった元の歪み式腐食センサの測定レンジra3’の70%程度まで縮小されてしまうことになる。
このような不都合に対し、本発明の発明者は、被検体を単に薄肉化するのではなく、予め厚みの大きな被検体と棒状体とを組み立て、軸力を導入した状態で被検体を所定の厚さまで薄肉化することで、上述した被検体の降伏にも拘わらず、測定レンジの縮小を回避できることを見いだした。
本発明は、前述した通りの知見に基づいてなされたものであり、具体的には次の構成を備える。
このような本発明では、被検体は、十分な厚さを有する状態で応力付与部材により応力が付与された後、被腐食面での厚みが減少するように材料を除去される。つまり、被検体は、従来の歪み式腐食センサにおいて、被検体が腐食されて厚みが減少するのと同様な状況とされる。これにより、被検体を薄肉化した状態で応力を付与した場合のような被検体の降伏を回避し、測定レンジの縮小を回避することができる。そして、測定レンジの縮小を回避しつつ、被検体の薄肉化により腐食測定の初期から十分な検出感度を得ることができ、腐食の進行を確実に検出することができる
このような本発明では、既に歪み式腐食センサとして汎用されている部品を用いることで、部品確保が容易でありかつ製造コストを低減することができる。
前記被検体の材料の除去は、前記被腐食面のエッチング処理により行うことが望ましい。機械加工のような加工応力がないため被検体を不必要に変化させることがない。
ただし、一般的に歪み式腐食センサとして十分な測定レンジおよび精度が得られる期間(腐食深さの範囲)は有限であり、歪み式腐食センサとしての測定期間を長くしようとすると測定レンジおよび精度が不十分になる傾向にある。
このような関係に対して、本発明の歪み式腐食センサを用いた腐食測定使用方法により、測定レンジおよび精度と測定期間との両方を確保することができる。
例えば、被検体の材料除去を十分に行うことで、歪み式腐食センサは被腐食面での厚みが十分に薄くなり、腐食環境中に配置された初期段階から、十分な精度および測定レンジを有するものとすることができる。一方、被検体の材料除去の程度を緩和することで、歪み式腐食センサは被腐食面での厚みが元の厚みに近く維持されており、腐食環境中に配置されて一定期間を経過したのち、十分な精度および測定レンジを有するものとすることができる。
従って、複数の歪み式腐食センサの被腐食面での厚みを調整し、測定期間を互いにずらした状態としておき、測定期間が到来した歪み式腐食センサを順次選択して腐食測定に利用することで、精度および測定レンジが十分である測定期間を連続させることができる。
本発明において、複数の歪み式腐食センサの全てが本発明の歪み式腐食センサの製造方法で製造されたものであってもよいが、一部が本発明の歪み式腐食センサの製造方法によらない歪み式腐食センサであってもよい。例えば、測定期間の最後に選択される歪み式腐食センサは、本発明に基づく材料除去を行わないものとしてもよい。
〔第1実施形態〕
図1において、歪み式腐食センサ1は、被検体19を有する外ピース10と、棒状体29を有する内ピース20とを備えている。
外ピース10の外周面は、封止部11および接続部12が比較的大径とされているが、これらの間の部分は比較的小径に形成されている。この小径の部分により筒状の被検体19が形成され、この被検体19の外周面が腐食環境中に暴露される被腐食面18とされている。
本体21の外周の棒状体29側には、前述した外ピース10の雌ねじ13に螺合可能な雄ねじ23が形成されている。
内ピース20と外ピース10とは、棒状体29を接続部12から外ピース10の内部へ挿入し、雄ねじ23を雌ねじ13に螺合させることで一体に連結される。連結された状態では、棒状体29の先端が封止部11の内側に当接される。
これにより、封止部11および接続部12を連結する被検体19には封止部11および接続部12を離隔させる方向の軸力が付与され、被検体19に応力が付与される。
棒状体29の外周面には歪みセンサ30が張られている。歪みセンサ30からの信号線は、本体21の挿通孔24を通して本体21内部の空洞に引き込まれ、本体21の棒状体29とは反対側の端面から外部に引き出され、図示しないデータ処理装置に接続されている。
ただし、被検体19の材料除去は、被腐食面18のエッチング処理によって行ってもよい。このようなエッチングを採用することで、切削等の機械加工で生じる加工応力がなく、被検体19を不必要に変化させることがない。
深さc3は被検体19の材料除去前の厚みに相当し、被検体19の応力特性を示す曲線so,siは腐食が深さc3に至った時点で被検体19の厚さが0となって破壊に至る。実際には、被検体19の材料の降伏強度(歪み量sy)に達することで塑性変形を始め、被検体19の厚さが0となる前の所定厚みdc分だけ早く破壊に至る(図11参照)。従って、歪み式腐食センサ1としての腐食深さは0から(c3−dc)までとなり、測定期間である期間t3’に確保できる測定レンジはra3’(図11参照)である。
図3において、横軸0〜c1の区間に表れる曲線eso,esiは、図2の曲線so,si(図3では点線で図示)を深さc2分だけ左へ平行移動させたものであり、曲線so,siの横軸c2〜c3の区間に現れるものと同じ曲線である。
曲線eso,esiは、深さ0において、前述した曲線so,siの深さc2時点の歪みをそれぞれ示し、深さc1に至った時点で被検体19の厚さが0となって破壊に至る。実際には、曲線so,siについて説明した通り、被検体19の材料の降伏強度に基づいて、被検体19の厚さが0となる前の所定厚みdc分だけ早く破壊に至り、従って歪み式腐食センサ1としての腐食深さは0から(c1−dc)までとなり、測定期間である期間t1’に確保できる測定レンジはera1となる。
従って、本実施形態の歪み式腐食センサ1では、被検体19の材料除去を行うことにより、同じ深さ(c1−dc)までの期間t1’において、測定レンジra1’から測定レンジera1へと飛躍的に拡大し、検出精度を高めることができる。
図4において、被検体19の材料除去を深さ(c2−dc)とすれば、被検体19の破壊(曲線esoが歪み量syに到達)は深さc1で起こることになり、深さ0〜c1の期間t1で歪み式腐食センサ1としての測定を行うことができ、測定期間である期間t1において測定レンジera1’(図3の測定レンジera1より大きい)を確保することができる。
図5および図6には、本発明の第2実施形態が示されている。
前記第1実施形態では、被検体19の材料除去を深さc2とし、元の深さc3の2/3を除去するものとした。しかし、本発明に基づく被検体19の材料除去は、深さがより小さくても有効である。
本実施形態において、歪み式腐食センサ1の構成(図1参照)は同一であるため、重複する説明は省略する。
図5において、材料除去を行う前つまり元の被検体19の応力は、図2で説明した通り、曲線so,siで表され、深さ0〜c3までの期間のうち降伏して破壊に至る所定厚みdc分を除く深さ(c3−dc)までの期間t3’において、測定レンジra3’を確保することができる。
図6において、横軸0〜c2の区間に表れる曲線eso2,esi2は、図2の曲線so,si(図6では点線で図示)を左にc1だけ平行移動させたものであり、曲線so,siの横軸c1〜c3の区間に現れるものと同じ曲線である。
曲線eso2,esi2は、深さ0において、前述した曲線so,siの深さc1時点の歪みをそれぞれ示し、深さc2に至った時点で被検体19の厚さが0となって破壊に至る。実際には、被検体19の材料の降伏強度に基づいて、被検体19の厚さが0となる前の所定厚みdc分だけ早く破壊に至り、従って歪み式腐食センサ1としての腐食深さは0から(c2−dc)までとなり、測定期間である期間t2’に確保できる測定レンジはera2となる。
従って、本実施形態の歪み式腐食センサ1では、被検体19の材料除去が元の厚みの半分以下であっても、同じ深さ(c2−dc)までの期間t2’において、測定レンジra2’から測定レンジera2へと3倍程度に拡大し、検出精度を高めることができる。
なお、本実施形態の歪み式腐食センサ1は、センサとして有効な深さ0から深さ(c2−dc)の期間t2’のうち、深さc1から深さ(c2−dc)に対応する期間(深さ0〜c1までの期間t1を除く期間)にわたって使用してもよく、この期間における本実施形態の曲線eso2,esi2は、前述した第1実施形態の曲線eso,esiと同じ曲線となる。
図7には、本発明の第3実施形態が示されている。
前述した第1実施形態および第2実施形態が単一の歪み式腐食センサ1であったのに対し、本実施形態は、被腐食面での厚みが異なる複数の歪み式腐食センサを組み合わせて用いることで、全体としての測定期間および深さ範囲の拡張を図るものである。
図7において、複数の歪み式腐食センサS1,S2は、それぞれ前述した第1実施形態の歪み式腐食センサ1(図3参照)および第2実施形態の歪み式腐食センサ1(図6参照)と同じものであり、各々は同じ腐食環境中に例えば並列に設置される。
歪み式腐食センサS1は、第1実施形態で図3に基づき説明した通り、被検体19の表面を深さc2分だけ材料除去することにより、期間T1’において測定レンジera1が確保されている。
歪み式腐食センサS2は、第2実施形態で図6に基づき説明した通り、被検体19の表面を深さc1分だけ材料除去することにより、期間T2’において測定レンジera1が確保されている。
このように、歪み式腐食センサS1では測定期間が期間t1’であり、歪み式腐食センサS2は測定期間が期間t2’とされており、歪み式腐食センサS2の測定期間は歪み式腐食センサS1よりも期間t12(=t2’−t1’)だけ長くなっている。
歪み式腐食センサS2では、期間t12において測定レンジera12が確保されている。
その結果、期間t1’においては歪み式腐食センサS1による測定レンジera1が確保され、続く期間t12においては歪み式腐食センサS2による測定レンジera12が確保される。
言い換えれば、歪み式腐食センサS2だけでは、期間t1’において歪み量の変動が少なく(期間t2’の測定レンジera2と期間t12の測定レンジera12との差として表れる)、当該期間の検出精度が不十分となる。しかし、本実施形態のように歪み式腐食センサS1を組み合わせることで、期間t1’における測定レンジera1を確保することができ、期間t2’の全体にわたって広い測定レンジが確保される。
図8には、本発明の第4実施形態が示されている。
前述した第3実施形態では、2つの歪み式腐食センサS1,S2を組み合わせて用いた
が、本実施形態では3つの歪み式腐食センサS1〜S3を組み合わせて用いる。
ただし、本実施形態の歪み式腐食センサS1では、材料除去の深さが深さc2(図7参照)ではなく、深さ(c2−dc)となっている。その結果、歪み式腐食センサS1の応力は曲線esi’,eso’を示し、測定期間t1において、測定レンジera1’となる(図4で説明した例と同様)。
また、本実施形態の歪み式腐食センサS2では、材料除去の深さが深さc1(図7参照)ではなく、深さ(c1−dc)となっている。その結果、歪み式腐食センサS2の応力は曲線esi2’,eso2’を示し、測定期間t12’において、測定レンジera12’となる。
このように、2つの歪み式腐食センサS1,S2により、期間t1および期間t12’つまり深さ0から深さc2に及ぶ区間において、十分に広い測定レンジera1’あるいは測定レンジera12’が確保されている。
ここで、歪み式腐食センサS3では、被検体19の応力は曲線si,soで示される通りであり、期間t3’としては測定レンジra3’が得られていたが、深さc2までの期間では曲線si,soの傾きが緩く、十分な測定レンジが得られていなかった(図2および図5参照)。
しかし、本実施形態では、深さ0〜c2にわたって、前述した2つの歪み式腐食センサS1,S2が代替するため、この期間t1,t2において十分に広い測定レンジera1’あるいは測定レンジera12’が確保される。
その結果、歪み式腐食センサS3では、深さc2〜(c3−dc)までの期間t23における測定レンジera23を確保することができる。
なお、本発明は前記各実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形等は本発明に含まれるものである。
例えば、被検体19に対する材料除去は、第1実施形態および第2実施形態のような元の厚みの2/3あるいは1/3に限らず、他の比率であってもよく、歪み式腐食センサとして要求される条件等に応じて適宜選択すればよい。
一方、1つの腐食センサパッケージに複数の被検体19を形成し、同パッケージにおいて測定期間が異なる複数の歪み式腐食センサを構成してもよい。
前記各実施形態では、応力付与部材として被検体19内部に設置されて両端を離隔方向に加圧する棒状体29を用いたが、応力付与部材としては、被検体19の両端間に掛け渡されて被検体19に圧縮方向の軸力を付与する棒状体、鎖あるいはケーブル等の紐状体であってもよい。
応力付与部材は被検体19の内部に限らず、被検体19の外部に設置されるものであってもよく、被検体19を内側に収容してその両端から圧縮方向の軸力を付与する枠体等であってもよい。
被検体19は、内部に応力付与部材を収容する筒状の部材に限らず、表面が被腐食面とされた棒状あるいは柱状の部材、または長尺の板材等であってもよい。
歪みセンサ30は、歪み式腐食センサ1の外部への信号出力を有線で行ってもよいが、ARIB規格(STE−T67等)やIEEE規格(802,1451)他の短距離無線通信を利用してもよい。
歪みセンサ30の設置は、歪み式腐食センサ1の組み立て工程中の任意の時期でよい。但し、前記各実施形態のように歪みセンサ30を外ピース10の内部に設置する場合、外ピース10と内ピース20との組み立て前に装着しておく必要がある。
ただし、歪みセンサ30を外ピース10の表面に設置して外部センサとするなら、被検体19に対する材料除去の後でも設置が可能である。
さらに、本発明の歪み式腐食センサは、図1に示した歪み式腐食センサ1の構成に限定されるものではなく、他の構造の被検体および応力付与部材によって構成してもよい。
10…外ピース
11…封止部
12…接続部
18…被腐食面
19…被検体
20…内ピース
21…本体
29…応力付与部材である棒状体
30…センサ
c1,c2,c3…深さ(腐食深さ)
ds1,ds3…変化量
era1,era1’,era12,era12’,era2,era23,era3…測定レンジ
esi,esi’,esi2,esi2’…曲線
eso,eso’,eso2,eso2’…曲線
p1,p2,p3…区間
ra1,ra2,ra3…測定レンジ
S1,S2,S3…歪み式腐食センサ
si,si1,si2,si3…曲線
so,so1,so2,so3…曲線
sy…降伏強度の歪み量
t1,t1’,t12,t2,t2’,t23,t3,t3’…期間(測定期間)
Claims (4)
- 腐食環境中に暴露される被腐食面を有する被検体と、前記被検体に応力を付与する応力付与部材と、前記被検体における応力を検出する歪みセンサとを有する歪み式腐食センサの製造方法であって、
前記被検体を前記応力付与部材により応力が付与された状態とした後、前記被腐食面での厚みが減少するように前記被検体の材料を除去することを特徴とする歪み式腐食センサの製造方法。 - 請求項1に記載した歪み式腐食センサの製造方法において、
前記被検体は、外周面に前記被腐食面を有する筒状の部材であり、前記応力付与部材は、被検体の内部に同軸で設置されかつ前記被検体の両端に圧接して前記被検体に引っ張り方向の軸力を付与する棒状体であり、前記歪みセンサは、前記被検体の内周面または前記棒状体の外周面に設置されることを特徴とする歪み式腐食センサの製造方法。 - 請求項1または請求項2に記載した歪み式腐食センサの製造方法において、
前記被検体の材料の除去は、前記被腐食面の切削または前記被腐食面のエッチング処理により行うことを特徴とする歪み式腐食センサの製造方法。 - 腐食環境中に暴露される被腐食面を有する被検体と、前記被検体に応力を付与する応力付与部材と、前記被検体における応力を検出する歪みセンサとを有する歪み式腐食センサを用いた腐食測定方法であって、
請求項1から請求項3の何れかの歪み式腐食センサの製造方法で製造された歪み式腐食センサを含む前記被腐食面での厚みが異なる複数の歪み式腐食センサを用い、
前記複数の歪み式腐食センサを腐食環境中に配置し、先ず一つの前記歪み式腐食センサで腐食測定を行い、次に他の前記歪み式腐食センサで腐食測定を行うことを特徴とする歪み式腐食センサを用いた腐食測定方法。
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