JPH0735628A - ひずみゲージ添着個所被覆構造およびその被覆方法 - Google Patents

ひずみゲージ添着個所被覆構造およびその被覆方法

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JPH0735628A
JPH0735628A JP19886193A JP19886193A JPH0735628A JP H0735628 A JPH0735628 A JP H0735628A JP 19886193 A JP19886193 A JP 19886193A JP 19886193 A JP19886193 A JP 19886193A JP H0735628 A JPH0735628 A JP H0735628A
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coating
strain
layer
gauge
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JP19886193A
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English (en)
Inventor
Yoshiro Yamaura
義郎 山浦
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Kyowa Electronic Instruments Co Ltd
Original Assignee
Kyowa Electronic Instruments Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 変換器の起歪部や被測定体に添着された状態
のひずみゲージの全表面とひずみゲージを添着した起歪
部の添着個所の表面を、外気から確実に遮断して、高い
防湿性および電気的絶縁性を長期に亘って保持し得るよ
うにする。 【構成】 表面にラミネート層10を施したひずみゲー
ジ1と中継端子6を起歪部5の予定個所に添着し、ひず
みゲージ1、ゲージリード7、中継端子6、リード線8
の端部を含む各部材の表面上に有機材料から成るコーテ
ィング層9を形成する。その後、このコーティング層9
の全表面と起歪部の添着個所の表面とに無電解メッキ法
の条件化処理を施し、水洗工程後に、活性化処理を施し
て活性化処理液中に含まれた例えばNi をコーティング
層および添着個所の全表面に析出させて、金属メッキ層
を形成する。これによって、ひずみゲージ1の防湿性を
飛躍的に向上させ、ひずみゲージ1の検出性能を長期に
亘って高精度に維持させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ひずみゲージ式変換器
または被測定物に添着されたひずみゲージの添着個所
を、無電解メッキ法による金属メッキ層で被覆して、ひ
ずみゲージの添着個所における防湿性の保持能力および
電気的絶縁性の保持能力を高め得るようにしたひずみゲ
ージ添着個所被覆構造とその被覆方法に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】ひずみゲージを、例えば圧力変換器や加
速度変換器のようなひずみゲージ式変換器または被測定
物に添着するときには、従来、ひずみゲージを含む添着
個所に、図6に示すような被覆構造を用いるのが普通で
ある。
【0003】すなわち、図6において、1はひずみゲー
ジで、適宜の絶縁材料で作られた薄いゲージベース2上
に、金属箔製のゲージ素子(または、素線)3およびこ
れと一体的に形成されたゲージタブ4とを有するように
構成され、例えば圧力変換器の起歪部5上の所定の添着
個所に適宜の方法で添着されるように構成されている。
【0004】この場合、ひずみゲージ1は、圧力変換器
の起歪部5への添着面とひずみゲージ1上面のゲージタ
ブ4領域とを除いた実質的全表面に、適宜のラミネート
層(図示なし)を施した状態で圧力変換器の起歪部5上
に添着されることになる。
【0005】このように添着されたひずみゲージ1は、
先ず、そのゲージベース2上のゲージタブ4からひずみ
ゲージ1の近傍個所に添着された中継端子6まで細いゲ
ージリード7で電気的に接続され、さらに、この中継端
子6から電気絶縁被覆付きのリード線8をもって、外部
のひずみ測定器などの計測機器(図示なし)まで電気的
に接続されるように構成されている。
【0006】そして、所定の電気結線の後に、ひずみゲ
ージ1およびリード線8の中継端子6寄りの領域を含む
添着個所に、例えばブチルゴムのようなゴム系或いはエ
ポキシ樹脂系の有機物材料を用いてコーティング処理を
施すようにしている。
【0007】これは、一方において、コーティング層9
の存在により、酸化や吸湿による電気絶縁抵抗性能の低
下を惹き起す外部からの水分の浸入を防止し、他方で
は、ひずみゲージ1の損傷の原因となる異物(外力)か
らひずみゲージ1を保護するためである。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな処理では、添着個所の被覆構造の耐水性、耐湿性、
ガス透過性が、直接、コーティング層9に使用される有
機物材料の有する物性に左右されることになるため、耐
水性、耐湿性、ガス透過性がいずれも大きくなって、ひ
ずみゲージ1としての性能が劣化するという問題があっ
た。例えば吸湿性を例にとると0.1%にもなる。
【0009】さらに、コーティング層9としてブチルゴ
ムを用いた場合には、有機物の中ではガス透過性が優れ
ているが、有機溶剤には欠点があり、また、エポキシ樹
脂を用いたコーティング層9では、処理後に硬くなると
いう問題があるため、ひずみゲージ1に直接接する部分
に軟質のゴムの層を設けなければならないという欠点が
ある。
【0010】そのため、従来のひずみゲージ1では、こ
のような構成的な対策を実施すると共に、圧力変換器を
密閉構造にして内部に窒素ガスのような不活性ガスを封
入してひずみゲージ1の防湿を抑制するなどの処置を施
していた。
【0011】本発明は、このような事情に鑑みてなされ
たもので、その第1および第2の目的とするところは、
ひずみゲージの添着個所における防湿性を高めて、吸湿
による電気絶縁抵抗の低下およびゲージ素子の酸化等に
よるひずみゲージの性能劣化を防止し、ひずみゲージの
検出性能を長期に亘って高精度に維持し得る新しいひず
みゲージ添着個所被覆構造およびその被覆方法を提供す
ることにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記第1の目
的を、達成するために、ひずみゲージ式変換器または被
測定物上の所定添着個所に添着されたひずみゲージと、
このひずみゲージのゲージ素子に電気的に接続された電
気絶縁被覆付きのリード線と、前記ひずみゲージの実質
的全表面と前記電気絶縁被覆付きリード線の所定領域の
実質的全表面とを含む前記所定添着個所の周囲領域表面
上に、有機物コーティング材料により一体的に被覆され
たコーティング層と、前記ひずみゲージの添着個所にお
ける防湿性の保持能力および電気的絶縁性の保持能力を
高め得る無電解メッキ材料を用いた無電解メッキ法によ
り、前記コーティング層の全表面を覆うような状態で前
記コーティング層上と前記ひずみゲージ式変換器または
被測定物上に一体的に形成された金属メッキ層と、から
構成されていることを特徴としたものである。
【0013】また、本発明は、上記第2の目的を達成す
るために、ひずみゲージ式変換器または被測定物に添着
されたひずみゲージの添着個所を被覆する方法におい
て、少なくとも、ゲージベース上にゲージ素子を具えた
前記ひずみゲージを、前記ひずみゲージ式変換器または
被測定物上の所定添着個所に添着する添着工程と、添着
された前記ひずみゲージに外部の計測機器に導出するた
めの電気絶縁被覆付きリード線を電気的に接続する電気
結線工程と、前記結線済みの前記ひずみゲージの実質的
全表面並びに前記電気絶縁被覆付きリード線の所定領域
の実質的全表面とを含む前記所定添着個所の周囲領域表
面上を、有機物のコーティング材料を用いて一体的に被
覆するコーティング処理工程と、前記コーティング層上
と前記ひずみゲージ式変換器または被測定物上に、前記
ひずみゲージの添着個所における防湿性の保持能力およ
び電気的絶縁性の保持能力を高め得る無電解メッキ材料
を使用した無電解メッキ法により、前記コーティング層
の全表面を覆うような状態で一体的に金属メッキ層を形
成するメッキ工程と、を含むことを特徴とするものであ
る。
【0014】
【作用】上記のように構成されたひずみゲージ添着個所
被覆構造およびその被覆方法は、ひずみゲージ式変換器
または被測定物上の所定添着個所に添着されたひずみゲ
ージの実質的全表面と、このひずみゲージのゲージ素子
に電気的に接続された電気絶縁被覆付きのリード線の所
定領域の実質的全表面とを、先ず、両方の表面を一体的
に覆う有機物コーティング材料のコーティング層で被覆
し、さらに、このコーティング層の全表面とコーティン
グ層に接触するひずみゲージ式変換器または被測定物上
の所定添着個所とに跨がって金属メッキ層で被覆すると
いう2重被覆構造のものとしてある。
【0015】しかも、このとき設けられる金属メッキ層
を無電解メッキ法により形成するようにしたため、形成
対象物の表面形状に制限されることがなくなり、また、
無電解メッキ材料に、防湿性の保持能力および電気的絶
縁性の保持能力を高め得る材料を用いている関係で、こ
の金属メッキ層の存在により防水性ないし防湿性が向上
してガス透過性が殆ど零に近くまで低くなり、その結
果、電気絶縁性能の保持力を大幅に高めることができる
ようになる。
【0016】さらに、金属メッキ層をNi メッキ層とし
て構成した場合には、Ni メッキ層の硬度が高いので、
外力によるゲージ素子または素線の損傷を防止すること
が可能になり、また、ひずみゲージおよび添着個所の耐
食性をも向上させ得るという作用効果がある。
【0017】
【実施例】以下、図示実施例に基づいて本発明のひずみ
ゲージ添着個所被覆構造およびその被覆方法を説明す
る。
【0018】図1は、本発明のひずみゲージ添着個所被
覆構造の縦断面構成を示す概略断面図、図2は、ラミネ
ートされた状態のひずみゲージで、リード線を省略した
断面構成を示す縦断面図、図3は、図2のひずみゲージ
にコーティング層および金属メッキ層を形成した後のひ
ずみゲージの断面構成を示す縦断面図である。なお、図
1中、図6に使用された符号と同じ符号を付された部材
は、図6と共通であるので、以下の説明では、特別な場
合を除いてその詳細な説明を省略する。
【0019】図1において、1は、例えば圧力変換器、
荷重変換器、加速度変換器などの起歪部5の所定添着個
所に添着されたひずみゲージで、例えばポリイミド材の
ような絶縁材料を用いたゲージベース2上に、例えばC
u −Ni 合金箔で形成されたゲージ素子(または素線)
3とこのゲージ素子3と一体的に形成されたゲージタブ
4とを有するように構成されている。
【0020】そして、起歪部5上に添着される面(下
面)とゲージタブ4上の所定領域、例えばゲージリード
7を半田付けするための領域とを除いたひずみゲージ1
の実質的全面には、例えばポリエステル材料から成る適
当の厚さのラミネート層10が形成されるように構成さ
れている。
【0021】6は中継端子、7はこの中継端子6に結線
されたゲージリード、8は外部の計測機器に導出するた
めに中継端子6に結線された電気絶縁被覆付きリード線
である。
【0022】さて、9は適当な厚さを有するコーティン
グ層で、図6の場合と同様に、結線済みのひずみゲージ
の実質的全表面と電気絶縁被覆付きリード線8のゲージ
タブ4寄りの所定領域の実質的全表面とを含む圧力変換
器の起歪部5の所定添着個所の周囲領域表面上を、有機
物のコーティング材料を用いて一体的に被覆するような
状態で形成されている。なお、コーティング層9および
ラミネート層10は、公知のラミネート方法およびコー
ティング方法によりそれぞれ形成されるものとする。
【0023】11はひずみゲージ1の添着個所における
防湿性の保持能力および電気的絶縁性の保持能力を高め
るために、例えばNi のような無電解メッキ材料を使用
し且つ無電解メッキ法により形成された金属メッキ層
で、コーティング層9の全表面と前述した所定添着個所
の周囲に位置する起歪部5の表面とを完全に覆うような
状態で形成されている。
【0024】次に、無電解メッキ法による金属メッキ層
11の具体的な形成方法について説明する。なお、この
形成方法の説明では、特にゲージタブ4、中継端子6お
よびリード線8等を省略したものについて説明する。従
って、この具体的な形成方法では[電気結線工程]が説
明されないことになる。
【0025】図2に示すように、例えばCu −Ni 合金
箔から成る適宜のゲージ素子3を適宜の絶縁材料から成
るゲージベース2上に接着剤で添着されたひずみゲージ
1を準備し、このひずみゲージ1を充分に脱脂した後、
このひずみゲージ1の下面を除く実質的全表面に、ポリ
エステル材料を使用し且つそれ自体公知のラミネート方
法を用いて、簡単な防湿を目的とした適宜の厚さのラミ
ネート層10を形成する[ラミネート処理工程]。
【0026】そして、このラミネート層10付きひずみ
ゲージ1を適宜の接着剤による接着剤層12を介して起
歪部5上の予定個所に添着される[添着工程]。その
後、ラミネート層10付きひずみゲージ1の実質的全表
面、並びに、起歪部5の添着個所の周囲領域表面(以
下、「メッキ予定面」という)上に、ブチルゴム材料ま
たはエポキシ系樹脂材料等の有機物材料を使用し、且
つ、それ自体公知のコーティング方法を用いて、図3に
示すような適宜の厚さのコーティング層9を形成する
[コーティング処理工程]。
【0027】その後、この状態にあるひずみゲージ1の
メッキ予定面に、無電解メッキ法を用いて、コーティン
グ層9を覆うような状態で一体的に金属メッキ層11を
形成することになる。
【0028】この具体的な形成方法における、メッキ工
程は、次の通りである。先ず、例えば耐薬品性を有する
と共に耐熱性を有する蝋材料等を用いて、コーティング
層9形成後のひずみゲージ1のメッキ予定面を除いた範
囲(「非メッキ範囲」という)にメッキ液遮断層(図示
なし)を形成する[メッキ予定面確定工程]。
【0029】その後、この状態にあるひずみゲージ1の
メッキ予定面に感受性を付与するための条件化処理を実
施するが、この処理には、条件化処理液の1種である、
例えばピンクシューマー液(株式会社カニゼン製造に係
る商品の商品名)を使用する。
【0030】このピンクシューマー液は、非金属体の表
面に触媒金属分子を隈なく付着させるための予備処理液
で、次に実施する活性化処理で使用する触媒金属塩の水
溶液と接触すると直ちにこれと反応して金属に還元させ
る目的で使用される。
【0031】処理作業に当っては、メッキ予定面確定工
程を終了したひずみゲージ1を充分に水洗した後、常温
下において、適当な濃度に設定したピンクシューマー液
中に浸漬し、1〜2分間程度経た後に取り出すようにす
る。このようにすると、条件化処理液中に存在するSn
(II)イオンがひずみゲージ1のメッキ予定面に吸着さ
れる。
【0032】なお、この工程の前に、クロム酸浴または
リン酸浴を実施して、予めひずみゲージ1のメッキ予定
面にエッチング処理(粗面化処理)を施しておくと触媒
金属分子の付着作用が良くなる。また、この工程の前に
脱脂作業工程をおくことが好ましい[条件化処理工
程]。
【0033】この条件化処理工程が終了した後は、取り
出したひずみゲージ1に活性化処理(触媒化処理)を実
施するが、この処理には、活性化処理液の1種である、
例えばレッドシューマー液(株式会社カニゼン製造に係
る商品名)を用いる。
【0034】その処理作業は、ピンクシューマー液中か
ら取り出したひずみゲージ1を軽く水洗いした後、常温
下において、適当な濃度に設定したレッドシューマー液
中に浸漬し、前述の条件化処理の場合と同様に1〜2分
間程度経た後に取り出すようにする。
【0035】このようにすると、活性化処理液中に存在
するPd が、ひずみゲージ1のメッキ予定面に吸着した
Sn(II)イオンと反応を起して、メッキ予定面に析出
される[活性化処理工程]。
【0036】この後、レッドシューマー液中から取り出
したひずみゲージ1を再び軽く水洗した後、80〜90
℃の液温に保たれた無電解メッキ液中に所定の時間浸漬
する。この工程では、例えばNi が90〜92%、Pが
8〜10%の組成を持つメッキ液を使用する。
【0037】このようにすると、活性化処理工程で析出
されたPd に無電解メッキ液中のNi が析出し、ひずみ
ゲージ1のメッキ予定面上に金属メッキ層11が形成さ
れることになるから、所定時間後にメッキ液中から取り
出し適宜の手段で乾燥する。なお、金属メッキ層11の
厚さは、無電解メッキ液中のNi −P組成の濃度と浸漬
時間とを制御して決定するものとする[無電解メッキ処
理工程]。
【0038】そして、このひずみゲージ1の具体的な形
成方法では、[添着工程]から[無電解メッキ処理工
程]までの諸工程を、総称して特許請求の範囲請求項4
に記載された[メッキ工程]としている。なお、本発明
では、[ラミネート処理工程]を任意に実施する工程と
している。
【0039】さて、このような諸工程を経て、ひずみゲ
ージ1のコーティング層9の実質的全表面上と起歪部5
の添着個所の周囲領域表面上とに形成された金属メッキ
層11は、電気的にも機械的にも物性的にも、以下に記
載したような優れた性能の金属メッキ層となる。
【0040】
【表1】 このようにして形成された金属メッキ層11を備えたひ
ずみゲージ1の絶縁抵抗値の劣化度と、有機物材料から
成るコーティング層9だけを施した従来のひずみゲージ
の絶縁抵抗値の劣化度とを比較するために、図4に示す
ような一般的な試験方法を利用してその試験を実施し
た。
【0041】すなわち、先ず両方のひずみゲージを室温
(RT)状態における水中に浸漬し、1時間かけて室温
から80〜90℃の水温になるまで昇温させ、その後、
1時間だけこの水温のままの状態を保ち、さらに、1時
間〜2時間をかけて室温(RT)まで下げ、その後に、
各々のひずみゲージの絶縁抵抗(kΩ)を測定する、と
いうことを1サイクルとして比較試験した。図5に示す
のは、この試験結果である。
【0042】この試験結果は、従来のひずみゲージで
は、1〜3サイクルの間にその絶縁抵抗値が大きく低下
して、ひずみゲージの実用上の精度を劣化させるが、金
属メッキ層11を備えたひずみゲージ1の場合には、少
なくとも7サイクルまでは、実用上の精度を高く保持し
得ることを物語っている。
【0043】そして、無電解メッキ法で形成される金属
メッキ層11は、前述の性能表にも記載されているよう
に、被メッキ品の形状の如何に拘らず、すなわち、対象
とするひずみゲージのメッキ予定面(コーティング層9
の表面やひずみゲージ添着個所の周囲領域の表面)の表
面形状の如何に拘らず、付き廻りが完全であるから、た
とえ、ひずみゲージ1以外の表面形状がいかなる曲面形
状を呈している場合にも、充分にその電気絶縁性能の保
持効果を発揮することになる。
【0044】以上、図示実施例について説明したが、本
発明は、これに限定されるものではなく、その要旨を逸
脱しない範囲内で種々に変形実施することが可能であ
る。
【0045】例えば、図示実施例では、Ni のメッキ層
について説明しているが、本発明の目的が達せられる性
質を持つ金属を用いてメッキ層を形成してもよい。ま
た、条件化処理液および活性化処理液についても、ピン
クシューマーおよびレッドシューマー以外の他の処理液
を使用することもできる。
【0046】また、図示実施例では、コーティング層9
を施した後の起歪部5を条件化処理液および活性化処理
液中に漬浸して金属メッキ層を形成するようにしている
が、例えば橋梁の垂直面が被測定体であるような場合に
は、コーティング層9を施した後の被測定対象体の周囲
部分に液密構造の簡易バスを設けて、ここに、条件化処
理液、水洗水、活性化処理液、水洗水等を順次に注入
し、適宜の温度管理の下で金属メッキ層を形成すること
も可能である。
【0047】
【発明の効果】以上述べたように、本発明に係るひずみ
ゲージ添着個所被覆構造によれば、 (イ)金属メッキ層の存在により、ひずみゲージおよび
添着個所におけるガス透過性が低くなり、防水効果ない
し防湿効果が顕著に向上し、そのため、電気絶縁性能の
保持力が高まって長期間の計測が可能になる。
【0048】(ロ)金属メッキ層の形成に当って、ひず
みゲージのコーティング層の表面形状やひずみゲージ添
着個所の周囲領域の表面形状に制限されることがないか
ら、広い範囲に亘って適用することができる。
【0049】(ハ)コストアップの増大を殆ど招かない
状態で金属メッキ層の形成ができるから、製品全体が安
価になる。
【0050】(ニ)特に、金属メッキ層をNi メッキ層
として構成した場合には、Ni メッキ層の存在によりひ
ずみゲージおよび添着個所の耐食性が良くなり、長期間
の使用に耐えることができるようになる。
【0051】(ホ)特に、金属メッキ層をNi メッキ層
として構成した場合には、Ni メッキ層の硬度が高いの
でゲージ素子または素線を外力から保護することができ
る。すなわち、外力によるゲージ素子または素線の損傷
を防止することができるようになる。
【0052】また、本発明に係るひずみゲージ添着個所
被覆方法によれば、金属メッキ層の形成処理作業が簡単
であり、しかも、そのときの処理操作が簡単でありなが
ら、上記したような優れた効果を奏することになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るひずみゲージ添着個所被覆構造の
構成を示す概略縦断面図である。
【図2】下面を除く実質的全表面にポリエステル材料を
使用してラミネートされた状態のひずみゲージの断面構
成を示す縦断面図である。
【図3】図2のひずみゲージにコーティング層および金
属メッキ層を形成した後のひずみゲージの断面構成を示
す縦断面図である。
【図4】ひずみゲージの絶縁抵抗値の劣化度を試験する
ための一般的な試験方法を説明するための試験方法図で
ある。
【図5】図4の方法を用いて、金属メッキ層を備えたひ
ずみゲージの絶縁抵抗値の劣化度と、有機物材料から成
るコーティングだけを施した従来のひずみゲージの絶縁
抵抗値の劣化度とを比較するために試験したときの試験
結果図である。
【図6】ひずみゲージを含む添着個所にコーティング層
を施す際の従来の被覆構造を説明するための概略縦断面
図である。
【符号の説明】
1 ひずみゲージ 2 ゲージベース 3 ゲージ素子 4 ゲージタブ 5 起歪部 6 中継端子 7 ゲージリード 8 電気絶縁被覆付きリード線 9 コーティング層 10 ラミネート層 11 金属メッキ層 12 接着剤層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 G01B 7/16 G01D 5/16 G01L 9/04

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ひずみゲージ式変換器または被測定物上
    の所定添着個所に添着されたひずみゲージと、 このひずみゲージのゲージ素子に電気的に接続された電
    気絶縁被覆付きのリード線と、 前記ひずみゲージの実質的全表面と前記電気絶縁被覆付
    きリード線の所定領域の実質的全表面とを含む前記所定
    添着個所の周囲領域表面上に、有機物コーティング材料
    により一体的に被覆されたコーティング層と、 前記ひずみゲージの添着個所における防湿性の保持能力
    および電気的絶縁性の保持能力を高め得る無電解メッキ
    材料を用いた無電解メッキ法により、前記コーティング
    層の全表面を覆うような状態で前記コーティング層上と
    前記ひずみゲージ式変換器または被測定物上に一体的に
    形成された金属メッキ層と、から構成されていることを
    特徴とするひずみゲージ添着個所被覆構造。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載されたひずみゲージ添着
    個所被覆構造において、前記金属メッキ層は、Ni 系材
    料から成る金属メッキ層として構成されていることを特
    徴とするひずみゲージ添着個所被覆構造。
  3. 【請求項3】 請求項1または2に記載されたひずみゲ
    ージ添着個所被覆構造において、 前記ひずみゲージ式変換器または被測定物に添着する領
    域を除く前記ひずみゲージの表面上と前記コーティング
    層との間に、保護用のラミネート層が介在設置されてい
    ることを特徴とするひずみゲージ添着個所被覆構造。
  4. 【請求項4】 ひずみゲージ式変換器または被測定物に
    添着されたひずみゲージの添着個所を被覆する方法にお
    いて、 少なくとも、ゲージベース上にゲージ素子を具えた前記
    ひずみゲージを、前記ひずみゲージ式変換器または被測
    定物上の所定添着個所に添着する添着工程と、 添着された前記ひずみゲージに外部の計測機器に導出す
    るための電気絶縁被覆付きリード線を電気的に接続する
    電気結線工程と、 前記結線済みの前記ひずみゲージの実質的全表面並びに
    前記電気絶縁被覆付きリード線の所定領域の実質的全表
    面とを含む前記所定添着個所の周囲領域表面上を、有機
    物のコーティング材料を用いて一体的に被覆するコーテ
    ィング処理工程と、 前記コーティング層上と前記ひずみゲージ式変換器また
    は被測定物上に、前記ひずみゲージの添着個所における
    防湿性の保持能力および電気的絶縁性の保持能力を高め
    得る無電解メッキ材料を使用した無電解メッキ法によ
    り、前記コーティング層の全表面を覆うような状態で一
    体的に金属メッキ層を形成するメッキ工程と、を含むこ
    とを特徴とするひずみゲージ添着個所被覆方法。
  5. 【請求項5】 請求項4に記載されたひずみゲージ添着
    個所被覆方法において、前記コーティング処理工程の前
    段工程として、前記ひずみゲージ式変換器または被測定
    物に添着する領域を除く前記ひずみゲージの表面上に保
    護用のラミネート層を形成するラミネート処理工程を置
    き、さらに、前記メッキ工程をNi 系材料から成る無電
    解メッキ材料を用いた無電解メッキ法による工程となし
    たことを特徴とするひずみゲージ添着個所被覆方法。
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