JP3919962B2 - 流体温度制御装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、流体温度制御装置に関し、特に、流量変化時の温度変動の抑制に有効な流体温度制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
半導体や液晶の製造ラインで使用される超純水等の洗浄用流体は、所定温度での使用が要求される。この要求を満たすために、従来は、ランプヒーターを収容した加熱ユニットに該洗浄用の流体を流入し、ランプヒーターに供給する電力を調節して、流体の温度制御を行っていた。具体的には、低温の流体を所定の流量で加熱ユニットに流入し、該流量で流れる流体の温度上昇に必要な電力をランプヒーターに供給して、流体を設定温度まで加熱することにより、上記温度制御が達成される。
【0003】
ここで、上記温度制御では、洗浄処理を行っていない間でも流体が所定の流量で流出し、ランプヒーターには電力が継続して供給されるため、電力が浪費される。そこで、洗浄処理を行っていない間は、ランプヒーターに供給する電力を一時的にパワーダウンし、消費電力の低減を図る構成が上記温度制御技術に付加される。
【0004】
上記省電力構成を適用する場合に、ランプヒーターの供給電力のみをパワーダウンすると、加熱ユニットから流出する流体の温度が低下する。その結果、洗浄処理を再開する際に、流体が該低下した温度から設定温度に達するまでの間、流体が使用できないことになる。そこで、上記省電力構成には、ランプヒーターの供給電力をパワーダウンすると同時に、流体の流量を減少させて、加熱ユニットからの流出温度を設定温度に維持する構成がさらに適用される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記従来技術では、省電力動作に移行する際に供給電力と流量を変化させると、該変化時に加熱ユニットの流出温度に過渡変動が生じ、該流出温度が設定温度に収束するまでの間は、流体が使用できないという問題があった。
【0006】
そこで、本発明は、流量変化時の温度変動の抑制に有効な流体温度制御装置を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、請求項1記載の発明は、加熱ユニット(10)に供給する電力を制御して、該加熱ユニット(10)を通過した流体(12)の温度を制御する流体温度制御装置において、前記加熱ユニット(10)に供給する流体(12)の流量を制御する流量制御手段(M10)と、前記流量の変化量と変化タイミングを前記流量制御手段(M10)に指示する流量変化指示手段(M12)と、前記流量変化指示手段(M12)が指示した変化量と変化タイミングに基づいて、前記加熱ユニット(10)に供給する電力の変化量と変化タイミングを決定し、該加熱ユニット(10)に供給する電力を制御する供給電力制御手段(M14)と、前記供給電力制御手段(M14)が決定した前記電力の変化タイミングを操作して、前記加熱ユニット(10)の応答遅れを補償する電力変化タイミング操作手段(M16)とを具備することを特徴とする。
【0008】
また、請求項2記載の発明は、加熱ユニット(10)に供給する電力を制御して、該加熱ユニット(10)を通過した流体(12)の温度を制御する流体温度制御装置において、前記加熱ユニット(10)に供給する流体(12)の流量を制御する流量制御手段(M10)と、前記流量の変化量と変化タイミングを前記流量制御手段(M10)に指示する流量変化指示手段(M12)と前記流量制御手段(M10)による流量の変化時間を操作して、前記加熱ユニット(10)の応答遅れを補償する流量変化時間操作手段(M18)とを具備することを特徴とする。
【0009】
【発明の実施の形態】
(発明の概要)
本発明の特徴は、流体を加熱する加熱ユニットに、該加熱ユニットの応答遅れを補償した電力パターンを入力することにある。また、本発明の別の特徴は、流量の変化時間を操作して、加熱ユニットの応答遅れを補償することにある。これらの特徴により、流量が変化するタイミングと、流体に供給される熱量が所望の値に到達するタイミングとが整合し、流量変化時の温度変動が抑制される。
【0010】
(発明プロセス)
本発明者らは、以下に示すプロセスを通して、上記従来の課題を解決し得る本発明を完成させるに至った。
【0011】
まず、本発明者は、流量変化時の温度変動が起こる原因を模索し、この原因が加熱ユニットの応答遅れにあることを見出した。以下、温度変動の原因となる加熱ユニットの応答遅れについて詳細に説明する。
【0012】
図1は、加熱ユニットの保護機能が作動することによって発生した応答遅れを示すタイミングチャートである。加熱ユニットの保護機能とは、該加熱ユニットの電力変化をゆるやかに行って、該加熱ユニットに過電流が流れることを防止する機能である。このような保護機能は、一般に、加熱ユニットに入力する電力パターンを監視し、ソフト的にプロテクトをかけることによって達成される。上記のような保護機能が働くと、加熱ユニットに供給される電力は、同図に示すような人工的な応答遅れ14を有するパターンとなる。これに対し、流量の変化は、一般にON/OFFバルブを用いて行われるので、同図の流量パターンに示すようなデジタル的な変化を示す。
【0013】
従って、流量変化を指示したタイミングtqと、電力変化を指示したタイミングtpを同時にすると、電力の変化が流量の変化に追従できなくなって、流体の流量が変化量の目標値ΔQに到達した後でも、供給電力が目標値ΔPに到達していない期間が生じる。その結果、応答遅れ14が生じている間、設定温度を維持するためのΔQとΔPと理想関係がくずれて、流量の減少時には、供給熱量がオーバーして加熱ユニットの出口温度が上昇方向に変動し、流量の増加時には、供給熱量が不足して出口温度が下降方向に変動する。
【0014】
図2は、加熱ユニットの物理的要因によって発生した応答遅れを示すタイミングチャートである。流体の加熱に使用する加熱ユニットは、電力を熱量に変換する物理素子である以上、電力を変化させてから該変化後の電力に相当する熱量を発生するまでに時間を要する。例えば、ハロゲンランプを用いて流体を加熱する場合には、該ハロゲンランプに電力を供給してから所定の光量を得るまでに、ハロゲンサイクルに起因して数秒のタイムラグを生じる。
【0015】
このような物理的要因による応答遅れ14は、加熱ユニットの発熱量に現れ、同図に示すように、加熱ユニットに入力された電力パターン16に対して、ある時定数を持って変化するものと考える。この物理的要因による応答遅れ14は、前述した保護機能による遅れに比べると短いが、温度変動の許容範囲を超えて作用する場合も十分考えられる。
【0016】
このように、加熱ユニットが実際に出力する熱量は、加熱ユニットの保護機能や物理的要因によって、流量の変化から遅れ、温度変動の原因となる。そこで、本発明者は、上記観点に基づいて創作行為を繰り返し、加熱ユニットの応答遅れを補償する基本概念を想到した。
【0017】
図3は、加熱ユニットの保護機能による応答遅れの補償概念を示すタイミングチャートである。同図に示すように、保護機能の作動によって発生する応答遅れは、流量が変化する前に加熱ユニットの供給電力を変化させて行う。即ち、供給電力の変化タイミングtpを流量の変化タイミングtqよりもαだけ速くして、加熱ユニットの応答遅れを実質的に相殺する。具体的には、次のようにして電力パターンを整形する。
【0018】
同図に示す点線は、加熱ユニットの応答遅れがないものと仮定したときの電力パターンであり、この点線と電力パターンによって画成された不足部18と余剰部20の面積が同一となるシフト量をαとする。ここで、不足部18は、応答遅れを有する供給電力のパターンが応答遅れのない点線パターンよりも小さくなる部分であり、応答遅れによる電力不足を示す。そして、余剰部20は、応答遅れを有する供給電力のパターンが応答遅れのない点線パターンよりも大きくなる部分であり、応答遅れによる電力余りを示す。このように、不足部18と余剰部20の面積が同一になると、流体の流量と加熱ユニットの発熱量のずれが少なくなって、温度の変動幅が小さくなる。
【0019】
図4は、加熱ユニットの物理的要因による応答遅れの補償概念を示すタイミングチャートである。同図に示すように、物理的要因によって発生する応答遅れは、保護機能の場合と同様に、流量が変化する前に加熱ユニットの供給電力を変化させて行う。応答遅れを補償する方法論は、基本的に保護機能の場合と同じである。
【0020】
即ち、同図に示す一点鎖線は、加熱ユニットに入力する電力パターン16であり、このような電力の変化タイミングtpが流量の変化タイミングtqよりもαだけ速いパターンを加熱ユニットに入力すると、該加熱ユニットの発熱量が同図点線で示す電力パターン16と等価になる。つまり、この加熱ユニットに供給した電力パターン16を境界として形成される不足部18と余剰部20の面積が同一となる。
【0021】
以上説明したように、加熱ユニットの応答遅れは、不足部18と余剰部20の面積が実質的に同一となるシフト量αを決定することにより補償できる。そして、この応答遅れの補償によって、流体の温度変動を許容範囲内に抑えることが可能になる。尚、上記不足部18と余剰部20の面積の一致は、厳密な条件ではなく、温度変動の許容範囲が広い場合には、シフト量αの有効範囲も緩和される。
【0022】
本発明者は、上述した基本概念を利用して、従来の課題を解決し得る新規な温度制御装置を構成した。以下、この特徴ある新規な構成を詳細に説明する。
【0023】
(第1の形態)
図5は、本発明の第1の形態に係る流体温度制御装置の構成を示す概念図である。以下、同図に基づいて、この第1の形態の構成を説明する。
【0024】
流体12は、温度制御の対象となる制御対象物であり、超純水や薬液等の洗浄用流体が含まれる。この流体12は、流路42を通って、流量制御手段M10と加熱ユニット10に順次流入し、所定の温度に制御されて加熱ユニット10から流出する。
【0025】
加熱ユニット10は、電力を熱量に変換して、流体12を加熱する。この加熱ユニット10には、ハロゲンランプを備えたランプヒーターやニクロム線を備えた電熱器が含まれる。この加熱ユニット10は、入力された電力量に応じた熱量を生成し、該生成した熱量を該加熱ユニット10を通過する流体12に供給して、該流体12を加熱する。
【0026】
流量制御手段M10は、加熱ユニット10に供給する流体12の流量を制御する。この流量制御手段M10は、ON/OFF式のバルブ弁、アナログ式のバルブおよび三方弁を含み、装置を安価に構成したい場合には、ON/OFF式のバルブ弁が好ましく、流体12の流量をなめらかに変化させ、さらに温度変動を抑えたい場合には、アナログ式のバルブや三方弁が好ましい。
【0027】
流量変化指示手段M12は、流量の変化量ΔQと変化タイミングtqを流量制御手段M10に指示し、流量制御手段M10は、このΔQとtqに従って、流体12の流量を調節する。この流量変化指示手段M12は、流量の変化を手動で指示する構成と、流量の変化パターンを予め記憶しておき、該記憶したパターンを出力するような自動で指示する構成を含む。流量の変化量ΔQとは、例えば、省電力を目的として変化させる量であり、加熱ユニットに供給する電力の変化量ΔPとの関係で定義される。ΔQとΔPとの関係、即ち、流量Q<l/min>で流れる流体をΔT<℃>変化させるために必要な電力変化量ΔP<kW>は、周知の関係である。例えば、ΔP<kW>=ΔT・Q/13.75で算出可能である。ここで、13.75は、流体の比熱、密度および加熱ユニットの加熱効率に応じて決定される定数である。
【0028】
供給電力制御手段M14は、流量変化指示手段M12が指示した変化量ΔQと変化タイミングtqに基づいて、加熱ユニット10に供給する電力の変化量ΔPと変化タイミングtpを決定し、該加熱ユニット10に供給する電力を制御する。ΔQからΔPを決定する方法は、前述したように周知であり、tpは、一般にtqと同一となる。
【0029】
電力変化タイミング操作手段M16は、供給電力制御手段M14が決定した電力の変化タイミングtpを操作して、加熱ユニット10の応答遅れを補償する。前述したように、tpの操作は、該tpのシフト量αを加熱ユニット10の応答遅れに基づいて決定し、このα分だけtpを速くして行う。その結果、加熱ユニット10には、該加熱ユニット10の応答遅れが補償された電力パターンが入力される
図6は、本発明の第1の形態による制御動作を示すタイミングチャートである。同図に示すように、加熱ユニット10に供給する電力を変化させるタイミングtpは、流体12の流量を変化させるタイミングtqよりもαだけ速くなり、その結果、加熱ユニット10の応答遅れ14が補償される。
【0030】
同図に示す流量の変化パターンと電力の変化パターンに従う流体12の出口温度は、変動時間t1、t2およびt3を経て点線で示す目標温度に収束する。ここで、変動時間t1は、温度制御を開始してから流体12が最初に目標温度に到達するまでの時間を示し、t2は、流量と電力の減少時に流体12の温度が変動する時間を示し、t3は、流量と電力の増加時に流体12の温度が変動する時間を示す。このt1、t2、t3のうち、本発明で主に着目するのは、流体の温度が一旦収束した後の変動t2とt3である。
【0031】
流量と電力の減少時に発生するt2の変動は、次のようなパターンとなる。即ち、同図の出口温度曲線に示すように、電力の変化タイミングtpで、出口温度が目標温度よりも若干低くなり、流量の変化タイミングtqで、再び目標温度に収束し、供給電力の応答遅れ14が終了するまで目標温度よりも若干高くなる。ここで、図3に示したように、電力パターンの不足部18と余剰部20の面積が同一である場合には、出口温度曲線のうち、目標温度よりも低くなる部分と高くなる部分が実質的に等しくなって、t2の変動振幅が最も好適に抑制される。
【0032】
一方、流量と電力の増加時に発生するt3の変動は、次のようなパターンとなる。即ち、同図の出口温度曲線に示すように、電力の変化タイミングtpで、出口温度が目標温度よりも若干高くなり、流量の変化タイミングtqで、再び目標温度に収束し、供給電力の応答遅れ14が終了するまで目標温度よりも若干低くなる。t3の場合もt2の場合と同様に、電力パターンの不足部18と余剰部20の面積が同一である場合には、出口温度曲線のうち、目標温度よりも高くなる部分と低くなる部分が実質的に等しくなって、t3の変動振幅が最も好適に抑制される。
【0033】
以上のように構成される本発明の第1の形態によれば、流量を変化させるタイミングに合わせて、加熱ユニットに供給する電力のパターンがシフトされるため、加熱ユニットの応答遅れが実質的に補償され、その結果、流量変化時の温度変動を抑制することができる。換言すると、この効果は、図1に示す従来使用不可であった領域を許容範囲に収めることができるといえる。
【0034】
(第2の形態)
上記第1の形態では、電力パターンをシフトして、加熱ユニットの応答遅れを補償したが、流量の変化時間を加熱ユニットの応答遅れに対応させて、該応答遅れを補償することも可能である。
【0035】
即ち、流体の温度変動は、電力の変化が流量の変化に追従できない場合に発生すると考えられるので、流量をなめらかに変化させれば、電力の変化が追従可能になる。本発明の第2の形態は、このような観点から構成された発明である。
【0036】
図7は、本発明の第2の形成に係る流体温度制御装置の構成を示す概念図である。以下、同図に基づいて、本発明の第2の形態の構成を説明する。尚、前述した第1の形態に準ずる構成要素については、同一符号を付して説明を省略し、以下の説明では、第1の形態と異なる部分を主に説明する。
【0037】
流量変化時間操作手段M18は、流量制御手段M10による流量の変化時間を操作して、加熱ユニット10の応答遅れを補償する。流量の変化時間を操作する方法としては、流量制御手段M10をアナログ式のバルブで構成し、該アナログ式のバルブの開度を電気的に制御する方法が好適である。流量変化時間操作手段M18は、加熱ユニットの応答遅れに応じた流量変化時間βを決定し、このβを流量制御手段M10に出力する。
【0038】
流量制御手段M10は、流量変化指示手段M12から受信した流量の変化量ΔQを前記β時間かけて達成する。例えば、アナログバルブを使用する場合には、ΔQ/βで算出される傾きで該バルブの開度を変化させる。
【0039】
図8は、本発明の第2の形態による制御動作を示すタイミングチャートである。同図に示すように、電力の変化タイミングtpと流量の変化タイミングtqが同じ場合には、流量変化時間βを加熱ユニットの応答遅れ14が生じる時間、即ち、応答遅れ時間と同一に設定し、流量の変化ΔQと電力の変化ΔPを同一のスパンで行うことが好ましい。これにより、加熱ユニットの発熱変化が実質的に流量の変化に追従する。
【0040】
流量変化時間βによる流量の傾斜と応答遅れによる電力の傾斜が等価であり、かつ、流量が変化している期間と、応答遅れが発生している期間が一致する場合には、t2とt3の変動がほとんどなくなり、安定した温度制御が得られる。もっとも、流量の変化パターンと応答遅れの一致は、好適な一条件例であり、温度変動の許容範囲に応じて、多少のずれは容認される。
【0041】
以上のように構成される本発明の第2の形態によれば、加熱ユニットの応答遅れに合わせて、流量が傾斜を持って変化するため、加熱ユニットの応答遅れが実質的に補償され、その結果、流量変化時の温度変動を抑制することができる。
【0042】
【実施例】
(要約)
半導体ウェハ洗浄用の超純水40を加熱する第1ボトル24−1、第2ボトル24−2および第3ボトル24−3をカスケードに接続し、超純水40の温度を20℃から80℃まで上昇させる。このような構成において、省電力モードに移行する場合には、第1ボトル24−1および第2ボトル24−2の応答遅れ時間を考慮して、超純水40の流量を変化させる前に、該各ボトルに供給する電力をパワーダウンする(図9参照)。
【0043】
(好適な実施例)
図9は、本発明の好適な実施例に係る流体温度制御装置の構成を示すブロック図である。以下、同図に基づいて、この流量温度制御装置の構成を説明する。
【0044】
超純水40は、処理槽38内で半導体ウェハの洗浄に使用され、同図に示す各流路42を通って、第1ボトル24−1、第2ボトル24−2および第3ボトル24−3と処理槽38との間を巡回する。この超純水40の温度は、処理槽38内で80℃に維持され、洗浄終了後、フィルタ44で浄化される。超純水40の吸引は、ポンプ26によって行われ、浄化後20℃まで温度低下した超純水40は、再び、第1ボトル24−1、第2ボトル24−2および第3ボトル24−3に流入する。
【0045】
第1ボトル24−1、第2ボトル24−2および第3ボトル24−3は、ハロゲンランプを収容したガラス管で構成され、該ガラス管内を通過する超純水40を加熱する。同図に示すように、第1ボトル24−1は、コントローラ30からの電力信号PWR1に基づいて、超純水40の温度を20℃から40℃に上昇させ、同様に、第2ボトル24−2は、コントローラ30からの電力信号PWR2に基づいて、40℃から60℃に上昇させる。第3ボトル24−3は、PID演算部32の出力PWR3に基づいて、超純水40の温度を60℃から80℃に上昇させる。
【0046】
コントローラ30は、ON/OFF式の弁28を操作して、超純水40の流量Qを調節するとともに、該流量Qに対応した電力PWR1およびPWR2を算出し、該算出した値を第1ボトル24−1および第2ボトル24−2にそれぞれ出力する。
【0047】
PID演算部32は、処理槽38内に設置された温度センサ36の検出値Tと、設定温度TSの差ΔTを偏差入力として、PID演算を実行し、その結果得られた電力PWR3を第3ボトル24−3に出力する。ここで、設定温度TSは80℃であり、TとTSとの差ΔTは、減算器34が生成する。
【0048】
上記のように構成される温度制御装置の構成を概略的に説明すると、第1ボトル24−1および第2ボトル24−2は、流量Qに応じた計算値上の加熱を行い、第3ボトル24−3は、処理槽38内の温度Tを設定温度TSに収束させる加熱を行う。
【0049】
図10は、図9に示した流体温度制御装置の制御動作を示すタイミングチャートである。同図に示すように、流量を変化させる際、即ち、省電力モードに移行する場合および省電力モードから復帰する場合には、電力の変化を流量の変化よりもαだけ速くし、ハロゲンランプの応答遅れを補償する。温度制御時の流量Qと電力PWR1、PWR2およびPWR3の関係は、次の通りである。
【0050】
省電力モード以外の通常時には、超純水40の流量がQ1に設定され、第1ボトル24−1および第2ボトル24−2に供給される電力PWR1およびPWR2は、それぞれP1/3となる。その結果、PID制御によって、第3ボトル24−3に供給される電力PWR3は、P1/3に収束し、超純水40温度が80℃になる。ここで、各ボトルの合計電力P1は、流量Q1の超純水を80℃に維持するために必要な電力量であり、各ボトルには、温度制御の結果として、P1を3等分した電力が供給される。
【0051】
一方、省電力モードでは、超純水40の流量がQ0に設定され、第1ボトル24−1に供給される電力PWR1はP0/2となり、第2ボトル24−2に対する電力の供給は一時停止する。その結果、PID制御によって、第3ボトル24−3に供給される電力PWR3は、P0/2に収束し、超純水40温度が80℃になる。ここで、各ボトルの合計電力P0は、流量Q0の超純水を80℃に維持するために必要な電力量であり、省電力時には、第2ボトル24−2が停止するため、第1ボトル24−1および第3ボトル24−3には、温度制御の結果として、P0を2等分した電力が供給される。 このように、第2ボトル24−2を停止して、P0を2等分した電力を供給する理由は、定格電力の30%以下でのハロゲンランプの動作を防止するためである。ハロゲンランプは、一般に、定格電力の30%以下で動作させると、ハロゲンサイクルに起因して動作が不安定になり、寿命が短くなる。即ち、上記の例で説明すると、各ボトル内に収容されたハロゲンランプは、P1/3およびP0/2の供給電力なら安定して動作するが、P0を3等分したP0/3の供給電力は、定格の30%以下に該当し、すべてのハロゲンランプの動作が不安定になるからである。
【0052】
上記のような制御動作により、処理槽38内に貯水された超純水40の温度Tは、同図に示すように、t1、t2およびt3で変動するが、一旦設定温度TSに収束した後は、温度変動が好適に抑制され、常に、80℃の超純水が使用できる。
【0053】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、流量変化時の温度変動の抑制に有効な流体温度制御装置を提供することができる。
【0054】
また、本発明の第1の形態によれば、流量を変化させるタイミングに合わせて、加熱ユニットに供給する電力のパターンがシフトされるため、加熱ユニットの応答遅れが実質的に補償され、その結果、流量変化時の温度変動を抑制することができる。換言すると、この効果は、図1に示す従来使用不可であった領域を許容範囲に収めることができるといえる。
【0055】
また、本発明の第2の形態によれば、加熱ユニットの応答遅れに合わせて、流量が傾斜を持って変化するため、加熱ユニットの応答遅れが実質的に補償され、その結果、流量変化時の温度変動を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】加熱ユニットの保護機能が作動することによって発生した応答遅れを示すタイミングチャートである。
【図2】加熱ユニットの物理的要因によって発生した応答遅れを示すタイミングチャートである。
【図3】加熱ユニットの保護機能による応答遅れの補償概念を示すタイミングチャートである。
【図4】加熱ユニットの物理的要因による応答遅れの補償概念を示すタイミングチャートである。
【図5】本発明の第1の形態に係る流体温度制御装置の構成を示す概念図である。
【図6】本発明の第1の形態による制御動作を示すタイミングチャートである。
【図7】本発明の第2の形成に係る流体温度制御装置の構成を示す概念図である。
【図8】本発明の第2の形態による制御動作を示すタイミングチャートである。
【図9】本発明の好適な実施例に係る流体温度制御装置の構成を示すブロック図である。
【図10】図9に示した流体温度制御装置の制御動作を示すタイミングチャートである。
【符号の説明】
10…加熱ユニット、12…流体、14…応答遅れ、16…電力パターン、18…不足部、20…余剰部、22…流量傾斜、24−1…第1ボトル、24−2…第2ボトル、24−3…第3ボトル、26…ポンプ、28…弁、30…コントローラ、32…PID演算部、34…減算器、36…温度センサ、38…処理槽、40…超純水、42…流路、44…フィルタ、M10…流量制御手段、M12…流量変化指示手段、M14…供給電力制御手段、M16…電力変化タイミング操作手段、M18…流量変化時間操作手段

Claims (2)

  1. 加熱ユニット(10)に供給する電力を制御して、該加熱ユニット(10)を通過した流体(12)の温度を制御する流体温度制御装置において、
    前記加熱ユニット(10)に供給する流体(12)の流量を制御する流量制御手段(M10)と、
    前記流量の変化量と変化タイミングを前記流量制御手段(M10)に指示する流量変化指示手段(M12)と、
    前記流量変化指示手段(M12)が指示した変化量と変化タイミングに基づいて、前記加熱ユニット(10)に供給する電力の変化量と変化タイミングを決定し、該加熱ユニット(10)に供給する電力を制御する供給電力制御手段(M14)と、
    前記供給電力制御手段(M14)が決定した前記電力の変化タイミングを操作して、前記加熱ユニット(10)の応答遅れを補償する電力変化タイミング操作手段(M16)と
    を具備することを特徴とする流体温度制御装置。
  2. 加熱ユニット(10)に供給する電力を制御して、該加熱ユニット(10)を通過した流体(12)の温度を制御する流体温度制御装置において、
    前記加熱ユニット(10)に供給する流体(12)の流量を制御する流量制御手段(M10)と、
    前記流量の変化量と変化タイミングを前記流量制御手段(M10)に指示する流量変化指示手段(M12)と
    前記流量制御手段(M10)による流量の変化時間を操作して、前記加熱ユニット(10)の応答遅れを補償する流量変化時間操作手段(M18)と
    を具備することを特徴とする流体温度制御装置。
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