JP3918707B2 - コネクタ - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、自動車に配索されるワイヤハーネスと接続するコネクタに関し、詳しくは、各ワイヤハーネスの端末に接続されるコネクタ内の端子をジョイントして回路接続を図るジョイントコネクタにおいて、ジョイント回路を汎用部品を利用して、コネクタの形状および回路接続形態に容易に対応させると共に安価に提供するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、この種のジョイントコネクタでは、図19(A)(B)に示すように、専用のジョイントバスバー1を金属板を打抜加工して形成し、ジョイント導通部1aよりジョイントピン1bをコネクタ2のキャビテイ2aのピッチPに合わせて突設している。コネクタ2に相手方コネクタを嵌合して、該相手方コネクタ内の雌端子3とジョイントピン1bとを嵌合して電気接続を行う際、雌端子43電気接触片3aとジョイントピン1bの広幅面Sとを接触させて接触面積の確保を図って電気接続安定性を図っている。
【0003】
そのため、相手方コネクタ内の上下段のキャビテイ内の雌端子とジョイントピンとを接続してジョイントを図る場合には、図19(C)に示すように、ジョイント導通部1aをコ字形状に屈折させ、ジョイントピン1bの広幅面Sを水平方向とする必要がある。(特開2002−33168号参照)
【0004】
【特許文献】
特開2002−33168
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上記のようにジョイントバスバー1を各コネクタ毎の専用部品としているため、回路変更が生じてジョイントバスバーの形状を変える必要が生じると、金型を新規に製作しなければならず、コスト高になる要因となっている。
さらに、上下段のキャビテイの端子を接続する場合には、ジョイントピンは広幅面(板面方向)を水平にする必要があるため、図19(C)に示すように、ジョイント導通部1aをコ字状に屈折させているが、上下同一列で3段以上となると、1枚の金属板を折り曲げ加工して形成できない問題がある。
【0006】
本発明は、上記問題に鑑みてなされたもので、ジョイントバスバーを金型を用いて形成する専用部品とせず、既存の汎用品を利用してコストの低下を図ると共に、ジョイントピンの広幅面と相手方端子とが接触出来るようして電気接続信頼性を確保し、かつ、容易に回路接続の変更にも対応できるようにすることを課題としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、本発明は、金属板を打抜加工した後に折り曲げ加工し、雄型圧着端子を細幅の切断分割用部分を介して帯状のキャリアから一定間隔をあけて並列に突設して製造している端子部材を用い、
上記端子部材を、複数の圧着端子を1組として上記切断分割用部分で切断し、上記キャリアをジョイント導通部とすると共に上記圧着端子の雄端子部をジョイントピンとし、かつ、上記キャリアの長さ方向に対して上記ジョイントピンの広幅面が直交方向となるように上記切断分割用部分を捩り、及び/又は上記キャリアの隣接する圧着端子突設部の間を屈曲させたジョイント端子材を設け、
上記ジョイント端子材を複数個設け、これら複数個のジョイント端子材は、圧着端子のサイズおよびキャリアに対する突設ピッチが相違するものを上記端子部材より形成し、端子サイズが相違する相手方コネクタの端子と対応させ、かつ、
上下複数段で且つ各段に複数のキャビテイを並列しているコネクタに対して、上記ジョイント端子材の上記ジョイント導電部を上下方向として上記ジョイントピンを上下段のキャビテイに挿入係止し、上記コネクタに嵌合する相手方コネクタの雌端子を上記ジョイントピンと嵌合し、該ジョイントピンの広幅面と上記雌端子とを電気接触させている構成からなるコネクタを提供している。
【0008】
本発明では、上記したように、コネクタ内に挿入係止しておくジョイントバスバーとして、既存の電線端末と圧着接続する雄型の圧着端子の製造部品を利用し、製造工程で各圧着端子を連続させているキャリアをジョイント導通部と、各圧着端子をそのままジョイントピンとしている。上記ジョイント導通部として利用するキャリアを所要位置で切断すれば、必要な個数のジョイントピンをジョイント導通部より突出させたジョイントバスバーとでき、回路形態の変更にも容易に追従させることができる。このように、電線接続用として広範に用いられている既存の製造部品を利用してジョイントバスバーを用いているため、ジョイントバスバーの製造コストを大幅に低減できる。
【0009】
しかしながら、圧着端子のキャリア付き製造部品をそのまま利用した場合、図20(A)(B)に示すように、コネクタ4’の上下段のキャビテイに挿入されるジョイントピン100は、その広幅面Sが上下垂直方向となってしまい、相手方端子3’の電気接触片3a’と板厚方向の狭幅面Tが接触し、電気接続信頼性が劣る問題がある。
そのため、本発明では、各圧着端子とキャリアとを連結している切断分割用部分を捩って、キャリアを上下に配置した時に、ジョイントピンの広幅面が水平となるようにして、相手方の雌端子をジョイントピンの広幅面に接触させ、電気接続信頼性を高めている。
あるいは、切断分割用部分を捩る代わりに、キャリア側を屈曲させ、キャリアを上下に配置した時に、ジョイントピンの広幅面が水平となるようにして、相手方の雌端子をジョイントピンの広幅面に接触させ、電気接続信頼性を高めている。 更に、切断分割用部分の捩りと、キャリアの屈曲とを併用してジョイントピンの広幅面がキャリアの長さ方向と直交方向となり、キャリアを上下方向に配置した時にジョイントピンの広幅面が水平を向くようにしてもよい。
さらに、複数個のジョイント端子材は、圧着端子のサイズおよびキャリアに対する突設ピッチが相違するものを上記端子部材より形成しておくと、端子サイズが相違するハイブリットの相手方コネクタの端子と対応させることができる。
【0010】
具体的には、上記ジョイント端子材は、上記切断分割用部分を90度捩っておき、上記コネクタに上下方向に挿入する上記ジョイント導通部に対してジョイントピンの広幅面を水平方向とし、上記コネクタの複数段の同一上下列のキャビテイに挿入係止している。
即ち、電線接続用として圧着端子を利用する時はキャリアと切り離す切断分割用部分を利用し、この部分を90度捩ることにより、上下垂直方向のキャリアからなるジョイント導通部に対してジョイントピンの広幅面を水平方向としている。上記切断分割用部分は細幅であるため90度捩ることが簡単にできる。
【0011】
上記切断分割用部分を捩る代わりに、キャリア側を屈曲させてもよい。
即ち、ジョイントピンの間のキャリアをZ字状に屈曲すると、コネクタに上下方向に挿入する上記ジョイント導通部に対してジョイントピンの広幅面を水平方向とできる。かつ、Z字状に捩って上下垂直部を傾斜させると、コネクタの複数段の同一上下列のキャビテイにジョイントピンを挿入係止することができる。
このように、キャリア側をZ字状に捩ると、隣接するジョイントピンを上下同一列に位置させることができる。また、ジョイントピン間の上下方向のピッチ調節も可能となる。
【0012】
また、隣接するジョイントピンの間のキャリアをZ字状に屈曲する代わりに、キャリアを階段状に折り曲げてもよい。この場合には、ジョイントピンは上下同一列とはならないため、ジョイントピンを挿入するコネクタの複数段のキャビテイは、上下隣接する列のキャビテイとなる。
【0013】
上記ジョイント端子材が、キャリアからなるジョイント導通部より一方側にのみジョイントピンを突設した場合、該ジョイント端子材を収容するコネクタの一端側にジョイント導通部を収容し、他端側より相手方コネクタを嵌合してジョイントピンと接続する構成となる。
上記ジョイント端子材は、キャリアからなるジョイント導通部より両側、あるいは3方向、さらには4方向ににジョイントピンを突設させ、該ジョイント端子材を収容するコネクタに対して、両側、3方向、あるいは4方向より相手方コネクタを嵌合する構成としてもよい。
【0014】
ジョイント端子材のジョイント導電部より両側にジョイントピンを突設する場合、上記切断分割用部分を90度捩った後にキャリアに対して一方側へ90度折り曲げたジョイントピンと、他方側へ90度折り曲げたジョイントピンとを設けて、上記キャリアを中心として両側よりジョイントピンを突出させておき、
上記コネクタの中央部に上記ジョイント端子材のジョイント導通部を上下方向に挿入し、その両側より突出する上記ジョイントピンの広幅面を水平方向とし、上記コネクタのキャリア挿入部の両側に設けられる複数段のキャビテイに挿入係止する構成としている。
【0015】
上記構成とすると、ジョイント端子材を収容するコネクタに対して両側より嵌合するワイヤハーネス端末のコネクタ内の端子をジョイントすることができ、回路接続の多様化を図ることができる。
なお、90度捩った後に折り曲げないジョイントピンを併用すると、キャリアからなるジョイント導電部を中心として3方向にジョイントピンを突設したジョイント端子材とすることができ、雌コネクタに3方向のコネクタ収容部を設けて、3方向からワイヤハーネス端末の雄コネクタを嵌合できる構成としてもよい。
さらに、90度捩った後に180度屈曲させたジョイントピンも併用すると、キャリアからなるジョイント導電部を中心として4方にジョイントピンを突設したジョイント端子材を設けてもよい。
【0017】
上記ジョイント端子材を収容しているコネクタと嵌合する相手方コネクタの構成は限定されないが、各1段の複数の雄コネクタからなり、これら複数の雄コネクタを、上記ジョイント端子材を挿入係止している雌コネクタからなる上記コネクタ内に挿入係止し、上記ジョイント端子材により複数の雄コネクタ内の雌端子をジョイントしていることが好ましい。
また、上記複数の雄コネクタは上下に組み合わせて一体化した後、上記雌コネクタ内に嵌合しても良いし、それぞれ別体のままで上記ジョイント端子材を収容係止しているコネクタに嵌合係止させてもよい。
このように、雄コネクタを上下方向に組み合わせた一体型雄コネクタとした場合、上下方向のピッチが大きく取れ、コネクタ間のピッチを端子間のピッチと略同一とすることができる。よって、上下方向に配置する上記ジョイント端子材は一体型雄コネクタに好適に用いられる。
かつ、コネクタ間のピッチと端子間のピッチとが同一にならない場合でも、各種コネクタの組み合わせを変更することにより、コネクタのピッチを調節可能であるため、この点でも上記ジョイント端子材一体型雄コネクタに好適に用いられる。更に、ジョイント端子材を上下縦方向に配置することにより、寸法管理の厳しい雄コネクタの横方向のピッチを変更する必要がなくなる。
【0018】
なお、上下複数段の回路接続を図ると共に、同一段の回路も接続する場合は、上記切断分割用部分あるいはキャリアを捩らずにそのままとした部分を残し、キャリアを所要箇所で屈曲させ、コネクタの同一段のキャビテイに、上記捩っていない部分の圧着端子からなるジョイントピンを挿入係止すればよい。
このように、上下複数段さらに同一段のキャビテイの回路接続ができるジョイント端子材を、既存の圧着端子の製造部品から簡単に設けることができる。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を図面を参照して説明する。
図1乃至図7は参考第1実施形態を示す。
図1の分解斜視図において、10はジョイント端子材、11はジョイント端子材10を収容係止している雌コネクタ、20(20A、20B、20C、20D)はそれぞれワイヤハーネスの端末に接続される1段の雄コネクタで、これら4つの雄コネクタ20A〜20Dを上下に組み合わせ形成して一体化し、上記雌コネクタ11内に嵌合するものである。
【0020】
ジョイント端子材10は、図2(A)(B)に示す雄型の圧着端子10a’の製造部品からなる端子部材10’を利用して設けている。該端子部材10’は金属板を打抜折曲工程において、帯状に連続するキャリア10b’より長さ方向に一定間隔をあけて切断分割用部分10c’介して圧着端子10a’を突設した状態で形成している。
この端子部材10’では、キャリア10b’を水平方向とすると、図2(C)に示すように、圧着端子10a’の広幅面(板面)Sがキャリア10b’と同一方向の水平面となり、狭幅面(板厚)Tが直交する垂直面となっている。
【0021】
上記のように製造された端子部材10’は、通常、キャリア10b’に穿設された穴10d’を端子圧着機に位置決め固定し、圧着端子10a’の芯線バレル10a−1’と絶縁被覆バレル10a−2’に電線を圧着接続した後、各切断分割用部分10c’を切断して、圧着端子10a’および該圧着端子に圧着接続された電線を1つづつ分割している。
【0022】
3に示すように、各切断分割部分10c’で切断せず、4つの圧着端子10a’を突設させた部位が1組となるようにキャリア10b’を所定の箇所で切断してジョイント端子材10とし、キャリア10b’をジョイント導電部10b、圧着端子10a’をジョイントピン10aとしている。
【0023】
このジョイント端子材10では、細幅の各切断分割用部分10c’を90度捩り、キャリア10b’からなるジョイント導電部10bに対して、圧着端子10a’からなるジョイントピン10aの広幅面Sを直交する向きとしている。即ち、ジョイント導電部10bを水平方向とするとジョイントピン10aを垂直向きとし、図1に示すように、ジョイント導電部10bを垂直配置するとジョイントピン10aが水平配置される状態としている。
【0024】
上記ジョイント端子材10を収容係止する上記雌コネクタ11は、図4に示すように、内部に仕切壁11aを設け、該仕切壁11aに上下4段で且つ各段に多数個の端子穴15を設けている。該端子穴15の内周面にはジョイントピン係止爪(図示せず)を設け、圧着端子からなるジョイントピンに予め設けられれているランスと係止する構成としている。
上記仕切壁11aの一方側を空洞状のコネクタ収容部16とし、他方側をジョイント端子材収容部17としている。このジョイント端子材収容部17には、上下同一列の端子穴15をそれぞれ隣接する列の端子穴と仕切る縦方向仕切壁11bを設けている。
なお、上記各縦方向仕切壁11より係止爪11cを突設し、この係止爪11cを上記キャリア11b’の係止穴11d’に係止してジョイント端子材を位置決め固定してもよい。
上記ジョイント端子材収容部17にジョイント端子材10を収容した後、カバー18で閉鎖している。
上記コネクタ収容部16には相手方の雄コネクタ20を挿入した時に係止するロック部(図示せず)を上壁内面より突設している。
【0025】
ジョイント端子材10は、図5に示すように、ジョイント端子材収容部17の縦方向仕切壁11bに挟まれた挿入口11cより、ジョイント導電部10bを上下垂直方向として、突出するジョイントピン10aを同一列の上下4段の端子穴15に挿入して、図6に示すように、コネクタ収容部16に突出させている。この突出したジョイントピン10aは広幅面Sが水平方向となり、狭幅面Tが垂直方向となる。
【0026】
このように、雌コネクタ11は、複数段の同一列の端子穴15に、ジョイント端子材10のジョイントピン10aが突出した状態で挿入係止されたジョイントコネクタとしている。
【0027】
上記ジョイントコネクタの雌コネクタ11に嵌合する上記4つの雄コネクタ20(20A〜20D)は、それぞれ異なるワイヤハーネスW/H1〜W/H4に接続され、これらワイヤハーネスを構成する電線群の各電線端末に雌端子21を圧着接続し、各雄コネクタ20のキャビテイ22に挿入係止している。これら各雌端子21の電気接続部21aは図7に示すように、四角筒形状の上下広幅部の先端より内部に折り返した舌状の上下一対の電気接触片21bを備えている。各雄コネクタ20のキャビテイ内に挿入した状態で上記電気接触片21bは水平方向となっている。
なお、上記電線端末に接続する雌端子21は圧着端子でも良いし、圧接端子でもよい。
【0028】
上記した4つのワイヤハーネス端末の雄コネクタ20内の雌端子21と上記ジョイント端子材10のジョイントピン11aとを接続してジョイント回路を形成する際、図1に示すように、4つの雄コネクタ20A〜20Dを上下に結合して一体化し、上記ジョイントコネクタの雌コネクタ11のコネクタ収容部16に挿入してロック結合する。
コネクタ収容部16に雄コネクタ20を挿入すると、該雄コネクタの各キャビテイにジョイントピン10aが挿入し、図7に示すように、雌端子21の電気接触片21bの間に差し込まれる。この差し込まれたジョイントピン10aは電気接触片21bと接する面が広幅面Sとなっているため、接触面積を広く確保できる。
【0029】
ジョイントピン10aは上下4段の同一列がジョイント導電部10bを介して連結されているため、4つの雄コネクタ20A〜20Dの同一列の端子がジョイントされることとなる。
【0030】
なお、本発明は上記参考実施形態に限定されず、ジョイント端子材10のジョイント導電部10bを介して連結するジョイントピン10aは2〜3個あるいは5個以上でもよい。また、ジョイント端子材10を収容したジョイントコネクタと嵌合する雄コネクタ20も4個に限定されず、ジョイント導電部10bで連結されたジョイントピン10aの個数に対応すればよく、かつ、1つのコネクタが複数段のキャビテイを備えた場合にも適用でき、その場合には、1つのコネクタの上下段の端子をジョイント端子材でジョイントする。
また、ジョイント端子材10を収容している雌コネクタ11のコネクタ収容部16に、各段を仕切る仕切壁を突設し、相手方コネクタを別体としてそれぞれ嵌合させてもよい。
【0031】
図8および図9は参考第2実施形態を示す。
参考第2実施形態では、図2(A)に示す端子部材10’を利用してジョイント端子材30を形成する際に、圧着端子10a’からなるジョイントピン30aをキャリアからなるジョイント導電部30bに対して直交方向の向きとするため、切断分割用部材を90度捩る代わりに、隣接するジョイントピン30aの間の部分のジョイント導電部30bをZ字状に屈曲している。
【0032】
即ち、ジョイント導電部30bは、前記図4に示す端子穴15に該当する位置では水平部30b−1とし、上下端子穴16の間の部分を傾斜させて屈曲させた垂直部30b−2とし、ジョイントピン30aの広幅面Sを水平向きとしながら上下同一列に位置させている。
【0033】
上記ジョイント端子材30を上下垂直方向として、雌コネクタ11に挿入係止して、各端子穴からジョイントピン30aを突出させると、図9に示すように、複数段の上下同一列にジョイントピン30aを突出させることができる。
他の構成は参考第1実施形態と同様であるため説明を省略する。
【0034】
このように、端子部材の切断分割用部分を捩るのではなく、キャリア10b’の部位で屈曲させると、屈曲の傾斜角度により、上下ジョイントピン30aのピッチ調節も可能となり、相手方コネクタのピッチとの調節を容易に行うことができる。
【0035】
図10および図11は参考第3実施形態を示す。
参考第3実施形態は第2実施形態と同様に端子部材10’のキャリア10b’を屈曲させて、図示のように階段形状のジョイント端子材32としている。
このジョイント端子材32のジョイント導電部32bは、ジョイントピン32aが突出する部分を水平部32b−1とし、ジョイントピン32aの間の部分を垂直部32b−2とし、ジョイントピン32aを1段毎に1列ずらせながら突設し、ジョイントピン32aの広幅面Sを水平向きとしている。
【0036】
上記ジョイント端子材32を雌コネクタ11に挿入係止すると、図11に示すように、上下段の同一列の端子穴ではなく、順次隣接する列の端子穴にジョイントピン32aが挿入係止される。よって、相手方コネクタのキャビテイ内の端子に対しても、同様に、上下同一列の端子ではなく、順次隣接する端子がジョイント端子材32によりジョイントされることとなる。
なお、空きとなる部位には、ジョイントピンを少数としたジョイント端子材32を設けて挿入係止すると、コネクタを有効利用できる。
【0037】
図12および図13は参考第4実施形態を示す。
参考第4実施形態のジョイント端子材35は、参考第1実施形態と同様に、端子部材10’の切断分割用部分10c’を90度捩ってジョイントピン35aの広幅面35a−1を水平向きとした後に、キャリアからなるジョイント導電部35bに対して一方側に90度屈曲させ、隣接するジョイントピン35aを他方側に90度屈曲させ、ジョイント導電部35bを挟んで両側にジョイントピン35aを交互に突設している。
【0038】
図13に示すように、ジョイント端子材35を収容するジョイントコネクタの雌コネクタ40は、左右分割部材40a、40bからなり、接合部側にそれぞれ端子穴41を備えた仕切壁40c、40dを備えている。
一方のコネクタ分割部材40aにジョイント端子材35を組みつけ、該ジョイント端子材35の一方側に突出したジョイントピン35aを端子穴に通して組みつけた後、他方のコネクタ分割部材40bの端子穴に他方側に突出したジョイントピン35a挿入してコネクタ分割部材40aと40bとを結合している。
【0039】
上記雌コネクタ40の両側に開口するコネクタ収容部40e、40fにそれぞれワイヤハーネス端末の雄コネクタ43A、43Bを嵌合し、その内部の端子と上記ジョイント端子材35とを電気接続している。
【0040】
上記のように、ジョイントコネクタの雌コネクタ40に対して両側よりワイヤハーネス端末コネクタを接続できる構成とすると、ワイヤハーネスの接続形態を多様化することができる。
なお、90度捩って形成したジョイントピンを屈折せずに残し、上記±90度屈曲させて両側に突出させたジョイントピンと合わせて、ジョイント導電部より3方向にジョイントピンを突出させてもよい。
さらに、図14に示すように、ジョイントピンを180度屈曲させてのも含めて4方向にジョイントピン48aを突出させてもよい。
これら3方向あるいは4方向にジョイントピンを突設させた場合には、該ジョイント端子材を収容する雌コネクタに3方向あるいは4方向に突出するコネクタ収容部を設けて対応させればよい。
【0041】
図15および図16は本発明の実施形態を示す。
実施形態はワイヤハーネス端末コネクタに端子サイズが相違する雌端子を収容しているハイブリットの雄コネクタからなる場合に対応させている。
即ち、雌端子を接続する電線径が相違すると、雌端子サイズが相違する。よって、該雌端子と嵌合接続するジョイント端子材のジョイントピンのサイズも対応して変更する必要がある。
【0042】
よって、端子部材10’として、圧着端子サイズが相違する複数の端子部材10’、10”よりそれぞれジョイント端子材45、46を参考第2実施形態と同様の手法で形成している。上記ジョイント端子材45、46では圧着端子のサイズが相違すると、キャリアからの突出ピッチも相違するため、キャリアからなるジョイント導電部45b、46bの屈曲度を調節して、ジョイントピン45a、46aは同一ピッチでジョイント導電部45b、46bより突出させている。
【0043】
上記したジョイントピン45a、46aのサイズが相違するジョイント端子材45、46を雌コネクタ48に垂直方向に挿入係止すると、同一段の水平方向に並列するキャビテイにサイズの相違するジョイントピン45a、46aを突出させることができ、ハイブリットの雌コネクタと対応させて電気接続を図ることができる。
【0044】
図17および図18は参考第5実施形態を示す。
参考第5実施形態では、同一段の複数のキャビテイに挿入される雌端子と、上下複数段の複数のキャビテイに挿入される雌端子を1つのジョイント端子材50でジョイントしている。
該ジョイント端子材50では、キャリアからなるジョイント導電部50bをL形状に屈折させ、水平方向のジョイント導電部50b−1より突出するジョイントピン50a−1では切断分割用部分を捩らずに、端子部材が製造されたままの状態としておく一方、複数段の同一列の雌端子と接続するジョイントピン50a−2は参考第1実施形態と同様に90度捩っている。
よって、ジョイントピン50a−1と50a−2のいずれも広幅面が水平方向となっている。
【0045】
上記ジョイント端子材50を収容する雌コネクタ52では、ジョイント端子材収容部にL形状に挿入口52aをあけた仕切壁を設けておき、挿入口52aより上記L形状としたジョイント端子材50を挿入し、コネクタ収容部側にジョイントピン50aをL形状の配列で突出させ、相手方コネクタの雌端子(図示せず)と電気接続させている。
上記構成とすると、上下複数段の雌端子とジョイントするだけでなく、同一段の雌端子もジョイントすることができる。
【0046】
なお、キャリアからなるジョイント導電部を上記L形状に大きく屈折させるだけでなく、所要の形状に屈折させることにより、上下複数段で各段が多極に配置される雌端子に対して、所要の雌端子同士をジョイント端子材でジョイントすることができる。
【0047】
【発明の効果】
以上の説明より明らかなように、本発明によれば、コネクタ内に挿入係止しておくジョイント端子材として、既存の電線端末と圧着接続する雄型の圧着端子の製造部品を利用し、製造工程で各圧着端子を連続させているキャリアをジョイント導通部と、各圧着端子をそのままジョイントピンとしているため、キャリアを所要位置で切断すれば、必要な個数のジョイントピンをジョイント導通部より突出させたジョイントバスバーとでき、ジョイントする端子を変更する回路形態の変更にも容易に追従させることができる。かつ、電線接続用として広範に用いられている既存の製造部品を利用してジョイントバスバーを用いているため、ジョイントバスバー専用品を製造する手間が省け、製造コストを大幅に低減できる。
【0048】
かつ、上記電線接続される圧着端子用として製造される端子部材をジョイント端子材として利用する際に、切断分割用部分で捩って、あるいは、ジョイントピンの間の位置でキャリアを折り曲げて、ジョイントピンの広幅面をキャリアからなるジョイント導電部と直交する方向に向けているため、ジョイント導電部を上下垂直方向に配置した時に、ジョイントピンの広幅面を水平方向に向けることができ、相手方コネクタの雌端子の電気接触片と広い面積で接触させることができる。よって、既存の端子部材を利用してジョイント端子材を形成したものでありながら、相手方端子との電気接続信頼性を高いものとすることができる。
【0049】
さらに、キャリアからなるジョイント導電部を屈曲させる場合には、その屈曲角度を変えることにより、ジョイントピン間のピッチも調節可能なる等、相手方コネクタに対応した調節が容易にできる利点がある。
特に、ジョイント端子材を上下縦方向に配置すると、複数のコネクタを上下多段に結合する一体型のコネクタ内の端子と接続する際に、コネクタ間のピッチとジョイント端子材のジョイントピンとのピッチを合わせ易くなり、コネクタの寸法管理が厳しい横方向のピッチを変更する必要がない利点を有するものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の参考第1実施形態の分解斜視図である。
【図2】 ジョイント端子材として用いる端子部材を示し、(A)は平面図、(B)は一部拡大図、(C)は斜視図である。
【図3】 ジョイント端子材を示す平面図である。
【図4】 ジョイント端子材を収容するコネクタを示し、(A)は雄端子接続側の正面図、(B)はカバーで閉鎖される側の裏面図、(C)は断面図である。
【図5】 ジョイント端子材をコネクタに差し込む方向を示す概略分解斜視図である。
【図6】 ジョイント端子材を収容したコネクタに相手方コネクタを差し込む方向を示す概略断面図である。
【図7】 ジョイント端子材とジョイントピンと相手方コネクタの雌端子との接続状態を示し、(A)は斜視図、(B)は拡大断面図である。
【図8】 参考第2実施形態のジョイント端子材の概略斜視図である。
【図9】 図8のジョイント端子材をコネクタに収容した状態を示す概略斜視図である。
【図10】 参考第3実施形態のジョイント端子材の概略斜視図である。
【図11】 図10のジョイント端子材をコネクタに収容した状態を示す概略斜視図である。
【図12】 参考第4実施形態のジョイント端子材の概略斜視図である。
【図13】 図12のジョイント端子材をコネクタに収容した状態を示す概略断面図である。
【図14】 参考第4実施形態の変形例を示す説明図である。
【図15】 本発明の実施形態を示し、(A)は2種類のジョイント端子材を示す平面図である。
【図16】 図15に示す2種類のジョイント端子材をコネクタに収容した状態を示す概略図である。
【図17】 参考第5実施形態のジョイント端子材を示す図面である。
【図18】 図17に示すジョイント端子材をコネクタに収容した状態を示す概略図である。
【図19】 従来例を示し、(A)はジョイントバスバーとコネクタの分解斜視図、(B)はジョイントバスバーとコネクタ側の雌端子との嵌合状態を示す図面、(C)は上下2段のコネクタ側端子と接続するジョイントバスバーの斜視図である。
【図20】 (A)(B)は問題点の説明図である。
【符号の説明】
10、30,32,35,45,46,50 ジョイント端子材
10’端子部材
10a’圧着端子
10a ジョイントピン
10b’キャリア
10b ジョイント導電部
10c’切断分割用部分
11 雌コネクタ
11c 仕切壁
15 端子穴
16 コネクタ収容部
17 ジョイント端子材収容部
18 カバー
20(20A〜20D) 雄コネクタ
21 雌端子
S 広幅面
T 狭幅面

Claims (7)

  1. 金属板を打抜加工した後に折り曲げ加工し、雄型圧着端子を細幅の切断分割用部分を介して帯状のキャリアから一定間隔をあけて並列に突設して製造している端子部材を用い、
    上記端子部材を、複数の圧着端子を1組として上記切断分割用部分で切断し、上記キャリアをジョイント導通部とすると共に上記圧着端子の雄端子部をジョイントピンとし、かつ、上記キャリアの長さ方向に対して上記ジョイントピンの広幅面が直交方向となるように上記切断分割用部分を捩り、及び/又は上記キャリアの隣接する圧着端子突設部の間を屈曲させたジョイント端子材を設け、
    上記ジョイント端子材を複数個設け、これら複数個のジョイント端子材は、圧着端子のサイズおよびキャリアに対する突設ピッチが相違するものを上記端子部材より形成し、端子サイズが相違する相手方コネクタの端子と対応させ、かつ、
    上下複数段で且つ各段に複数のキャビテイを並列しているコネクタに対して、上記ジョイント端子材の上記ジョイント導電部を上下方向として上記ジョイントピンを上下段のキャビテイに挿入係止し、上記コネクタに嵌合する相手方コネクタの雌端子を上記ジョイントピンと嵌合し、該ジョイントピンの広幅面と上記雌端子とを電気接触させている構成からなるコネクタ。
  2. 上記ジョイント端子材は、上記切断分割用部分を90度捩っておき、上記コネクタに上下方向に挿入する上記ジョイント導通部に対してジョイントピンの広幅面を水平方向とし、上記コネクタの複数段の同一上下列のキャビテイに挿入係止している請求項1に記載のコネクタ。
  3. 上記ジョイント端子材は、上記ジョイントピンの間のキャリアをZ字状に屈曲させておき、上記コネクタに上下方向に挿入する上記ジョイント導通部に対してジョイントピンの広幅面を水平方向とし、上記コネクタの複数段の同一上下列のキャビテイに挿入係止している請求項1に記載のコネクタ。
  4. 上記ジョイント端子材は、上記キャリアを階段状に折曲させておき、上記コネクタに上下方向に挿入する上記ジョイント導通部に対してジョイントピンの広幅面を水平方向とし、上記コネクタの複数段の上下隣接する列のキャビテイに挿入係止している請求項1に記載のコネクタ。
  5. 上記ジョイント端子材は、上記切断分割用部分を90度捩った後にキャリアに対して一方側へ90度折り曲げたジョイントピンと、他方側へ90度折り曲げたジョイントピンとを設けて、上記キャリアを中心として両側よりジョイントピンを突出させておき、
    上記コネクタの中央部に上記ジョイント端子材のジョイント導通部を上下方向に挿入し、その両側より突出する上記ジョイントピンの広幅面を水平方向とし、上記コネクタのキャリア挿入部の両側に設けられる複数段のキャビテイに挿入係止している請求項1に記載のコネクタ。
  6. 上記相手方コネクタは各1段の複数の雄コネクタからなり、これら複数の雄コネクタを、上記ジョイント端子材を挿入係止している雌コネクタからなる上記コネクタ内に挿入係止し、上記ジョイント端子材により複数の雄コネクタ内の端子をジョイントしている請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載のコネクタ。
  7. 上記複数の雄コネクタは上下に組み合わせて一体化した後、上記雌コネクタ内に嵌合している請求項6に記載のコネクタ。
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