JP3918602B2 - 超音波検査装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、体腔内等に挿入されて超音波走査を行うための超音波検査装置において、超音波プローブの先端部を構成し、内部に超音波振動子を設けた超音波走査部を超音波伝達媒体が充満されるバルーンによって覆うようにした超音波検査装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
超音波検査装置は、超音波振動子を備えた超音波プローブと、超音波観測装置とから大略構成されるものであり、超音波プローブを操作して検査を行うべき部位に超音波振動子を対面させるように配置し、この超音波振動子を駆動して体内等に向けて超音波パルスを送信して、反射エコーを受信することによって超音波走査が行われる。そして、超音波振動子で得た反射エコー信号は超音波観測装置に取り込まれて、所定の信号処理を行うことによりモニタ画面に超音波画像が表示される。
【0003】
超音波プローブは、体表皮から超音波の送受信を行うタイプのものに加えて、超音波プローブを体内に挿入して、体腔内壁から超音波の送受信を行うようにしたものも実用化されている。このためには体腔内に挿入される可撓性コードの先端に超音波振動子を内装した超音波走査部を連設するように構成する。また、可撓性コードの基端部は超音波観測装置に接続されるが、超音波プローブと超音波観測装置とは通常接離可能に連結するように構成する。従って、可撓性コードの基端部には超音波観測装置への接続コネクタが設けられる。
【0004】
体腔内壁から直接超音波の送受信を行うように構成すると、超音波検査を行うべき部位の至近位置で超音波の送受信を行うことができ、また超音波を減衰させる体内脂肪層等の影響を排除できる等の利点がある。超音波プローブを体内に挿入するに当たっては、超音波プローブ自体を直接体腔内に挿入するように構成したもの、また内視鏡と一体に超音波プローブを組み込んだ超音波内視鏡等がある。さらに、ガイド手段を体腔内に挿入しておき、超音波プローブをガイド手段にガイドさせて体腔内に導くように構成したものもある。この場合、ガイド手段として内視鏡を用いると、体腔内の内視鏡検査を行って、患部等が発見された時に、この内視鏡による観察下で超音波プローブによる走査を行える等のことから、体腔内の総合的な検査、診断を行える等の点で有利である。この内視鏡をガイド手段として超音波プローブを体腔内に挿入するに当たっては、通常、鉗子等の処置具を挿通するための処置具挿通チャンネルが利用される。
【0005】
体腔内に直接挿入するタイプのものであれ、また内視鏡等をガイド手段として体腔内に挿入するタイプのものであれ、超音波走査を行う際に、超音波振動子から体腔内壁に至るまでの超音波の送受信経路に空気が介在していると送受信した超音波が著しく減衰するために、超音波伝達媒体を保持するバルーンを超音波プローブに装着する構成としたものは従来から広く用いられている。
【0006】
バルーンはラテックス等のように伸縮性の高い可撓膜からなり、このバルーンは袋状または筒状に形成される。このバルーンは超音波プローブにおける超音波振動子を設けた超音波走査部を囲繞するように装着され、内部に超音波伝達媒体を供給して膨出させることができる。バルーンを超音波操作部に固定するために、その開口側端部、即ち袋状のバルーンの場合には開口端が1箇所であるからこの部位に、また筒状に形成されている場合には、両端の開口部にシールリングを連設して設ける。このシールリングはその弾性力により超音波走査部等に固定的に保持させる。このために、シールリングが止着される円環状の凹溝が超音波走査部を構成するケーシングに設けて、この凹溝にシールリングを嵌着させるようにする。
【0007】
バルーンの内部に高圧の超音波伝達媒体を供給して可撓膜を膨出させるので、シールリングは強い締め付け力で凹溝に嵌着させる必要がある。このために、シールリングの内径をそれが装着される凹溝の溝底径より小さくなし、その径差により強い締め付け力を作用させるようにしている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
超音波走査を行う際に、超音波伝達媒体を供給してバルーンを膨出させて体腔壁に密着させる。この超音波伝達媒体の供給量が多すぎて、バルーンが大きく膨らむと、体腔壁を過度に圧迫してしまう。また、バルーンを膨出させた状態で、超音波プローブを狭窄部に挿入したり、体腔内の狭窄部から引き抜いたりすると、バルーンが狭窄部を過度に圧迫してしまう。このようにバルーンが体腔壁や狭窄部を過度に圧迫すると、観察部位が歪んで正確な超音波画像が得られなくなったり、体内組織を圧迫してダメージを与えるおそれがある等といった問題が生じる。
【0009】
しかしながら、従来技術の構成では、バルーンの体腔壁や狭窄部に対する過度の圧迫を緩和する構造とはなっていなかった。そして、バルーンの内部圧力が極端に高くなる等により可撓膜にシールリングを凹溝から引き出す方向に大きな張力が作用することがあれば、シールリングが凹溝から逸脱して超音波プローブの表面に乗り上げてしまうことになる。そうなると、超音波プローブを体内から引き抜いて、シールリングを凹溝に再装着しなければ、バルーンを膨らませて超音波検査を行なうことができなくなる。
【0010】
本発明は以上の点に鑑みてなされたものであって、その目的とするところは、体腔内における狭窄部を通過させる際等に、バルーンによる体腔内壁への過度の圧迫を緩和することができる超音波検査装置を提供することである。
【0011】
【課題を解決するための手段】
前述した目的を達成するために、本発明は、可撓性コードの先端に、内部に超音波振動子を設けた超音波走査部を有する超音波プローブに、その超音波走査部に可撓膜の端部にシール部を設けたバルーンが装着される超音波検査装置であって、前記超音波走査部には、前記バルーンの端部に形成したシール部が止着される円環状の凹溝が形成されており、この凹溝は前記バルーンのシール部が密着して、前記可撓膜の内部を密閉する密着部と、この密着部に連なり、少なくとも一方の壁部が密着部から遠ざかる方向に向けて傾斜するように立ち上がる傾斜面部とを有するものであり、前記シール部が引っ張られる方向に所定以上の張力が前記可撓膜に作用したときに、前記シール部が前記傾斜面部側に移行して可撓膜内の超音波伝達媒体を排出するリリーフ溝が形成されており、このリリーフ溝の流路断面積は前記密着部から遠ざかるに従って大きくなる構成としたことをその特徴とするものである。
【0012】
ここで、密着部は凹溝の溝底部を含む凹湾曲面形状として構成されるが、リリーフ部はこの凹湾曲面部に連なる少なくとも一方側の壁を溝底部から遠ざかる方向に向けて立ち上がる傾斜面となし、この傾斜面に切り欠きからなるリリーフ溝を少なくとも1箇所形成することにより構成できる。この場合、リリーフ溝の流路断面積は前記密着部から遠ざかるに従って大きくするのが望ましい。リリーフ部は密着部の片側に形成され、この密着部の他側の壁はシール部の動きを規制する規制壁とすることができる。また、密着部の両側の壁部にリリーフ部を形成することもできる。さらに、バルーンの形状としては、筒状の可撓膜の両端にシール部を連設したもの、また袋状の可撓膜の開口端にシール部を連設することで形成したものが含まれる。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。まず、図1に超音波プローブの先端部分の概略構成を示す。図中において、1は超音波プローブを示し、この超音波プローブ1は、可撓性コード2の先端に音響特性に優れた樹脂材からなる硬質の先端キャップ3が連結パイプ4を介して連設されており、この先端キャップ3内には超音波振動子5が設けられている。このように、先端キャップ3内に超音波振動子5を設けることにより超音波走査部が構成される。
【0014】
超音波振動子5は、例えばラジアル走査を行うものであり、従ってこの超音波振動子5は回転基台6に装着される。そして、回転基台6には回転軸7が連設されており、この回転軸7は連結パイプ4を貫通して可撓性コード2側に延在されており、その端部には密着コイルからなるフレキシブルシャフト8に連結されている。そして、超音波振動子5に接続したケーブルはフレキシブルシャフト8の内部に挿通される。従って、このフレキシブルシャフト8を遠隔操作で軸回りに回転させると、この回転が回転軸7にまで伝達されて、超音波振動子5を取り付けた回転基台6が回転駆動されるようになっている。
【0015】
以上のように構成される超音波プローブ1は、体腔内に挿入されて超音波検査が行われる。即ち、超音波プローブ1の先端部を体腔内における超音波検査を行う体内壁に対面させた状態で、フレキシブルシャフト8を回転させることによって、超音波振動子5を装着した回転基台6を回転駆動する。そして、この回転中に所定の角度毎に超音波振動子5から超音波パルスを体内に向けて送信する。体内に向けて送信された超音波は、体内組織の断層部分で反射エコーを生じることになり、この反射エコーを超音波振動子5で受信させて、この受信信号を取り出して、所定の信号処理を行うことによって、超音波断層像をモニタに表示できるようになる。
【0016】
ここで、超音波振動子5から体腔内壁に至る超音波の送受信経路に空気が介在していると超音波が減衰するために、超音波走査部を構成する先端キャップ3にはバルーン10が装着される。バルーン10は、筒状の可撓膜11の両端にシール部としてのシールリング12,13を連設したものである。
【0017】
このバルーン10を先端キャップ3に装着するために、先端キャップ3の超音波振動子5の配置部より先端側に凹溝15が形成され、可撓性コード2の先端キャップ3との連結部近傍に円環状の凹溝16が形成されている。従って、バルーン10のシールリング12,13をそれぞれ凹溝15,16に装着して、先端キャップ3における超音波振動子5による超音波の送受信経路を含むほぼ全体を可撓膜11で覆うようにする。そして、このバルーン10の内部に脱気水等の超音波伝達媒体を供給することによって、可撓膜11を膨張させるようにする。ここで、超音波伝達媒体のバルーン10内への供給経路としては、例えば図1に示したように、連結パイプ4に設けた溝17と先端キャップ3に設けた透孔18とから構成される。従って、この場合には超音波伝達媒体は可撓性コード2の内部から供給される。
【0018】
バルーン10内に超音波伝達媒体を供給すると、可撓膜11が膨張して体腔内壁と密着する。この結果、超音波振動子5から体腔内壁に至る超音波の送受信経路に空気が介在しなくなるので、送受信特性が向上し、鮮明な超音波画像が得られる。
【0019】
図2に示したように、凹溝15は溝底を含む凹湾曲部がシールリング12を接離可能に装着させる密着部20となっている。ここで、シールリング12は自由状態では一点鎖線で示した位置となる直径を有するものである。従って、シールリング12が凹溝15に装着されると、実線で示した状態にまで拡径されることになる。従って、この径差Dが締め付け代となり、シールリング12がこの密着部20に対して強い密着力が作用して、この密着力によりバルーン10の内部は密閉されて、超音波伝達媒体が保持されることになる。
【0020】
そして、この密着部20と連設して、超音波振動子5の装着部とは反対側の立ち上がり壁は溝底から離れる方向に鋭角的に立ち上がる傾斜面部21となっている。この傾斜面部21には、密着部20を過ぎた部分から上方に少なくとも一つの切り欠きからなるリリーフ溝22が設けられている。従って、これら傾斜面部21とリリーフ溝22とにより凹溝15におけるリリーフ部を構成する。つまり、可撓膜11によりシールリング12を傾斜面部21方向に引き出そうとする張力が作用すると、シールリング12が傾斜面部21に移行して、バルーン10の内部と外部とが連通し、超音波伝達媒体を排出されることになる。一方、リリーフ部を構成する壁とは反対側の面は実質的に真直ぐに立ち上がるようになっており、規制壁23として機能するようになっている。また、凹溝16についても同様に、少なくとも溝底を含む凹湾曲部にシールリング13が接離可能に装着される密着部25が形成され、超音波振動子5の装着部と反対側には、傾斜面部26と切り欠きからなるリリーフ溝27を設けたリリーフ部が形成されている。リリーフ溝22,27はバルーン10内の圧力が極端に高くなったときに,内部の超音波伝達媒体を流出させるものであり、リリーフ溝22,27の深さを上方に向かうに応じて深くする等によって、その流路断面積は密着部20,25から離れるに応じて大きくなるように設定されている。また、リリーフ溝22,27の端部は超音波プローブ1の表面にまで至るものである。
【0021】
以上の構成を有するバルーン10を装着した超音波プローブ1は、体腔内に挿入する際には、バルーン10を先端キャップ3に密着した状態に保持される。そして、超音波プローブ1が体腔内における所定の位置にまで挿入されて超音波検査を行うに当たっては、まず、バルーン10内に超音波伝達媒体を供給して、このバルーン10の可撓膜11を膨らませる。
【0022】
バルーン10は、何らの規制がなければ、図3(a)に示したように膨らむことになる。シールリング12,13は、自由状態での内径がそれぞれ凹溝15,16の溝底の直径より小さくなっており、図2にDで示した締め付け代があるので、確実に密着部20,25の溝底部に密着した状態で安定している。その結果、シール機能を発揮して、バルーン10内に超音波伝達媒体が保持される。従って、超音波観測を行う際にはバルーン10を膨らませて体腔壁30に当接させるが、この時にバルーン10の内部の圧力が所定の設定値以下であるならば、シールリング12,13は密着部20,25に密着した状態に保持され、十分シール機能を発揮し、バルーン10内に超音波伝達媒体が保持される。
【0023】
しかし、可撓膜11が体腔壁30に強く押し付けられて、バルーン10の内部圧力がある設定された値より大きくなると、図3(b)に示すように、可撓膜11の端部(両端または一方側の端部)にシールリング12,13を凹溝15,16から引き出そうとする方向の張力Fが、図2にDで示した締め付け代によるシールリング12,13を凹溝15,16に保持しようとする力よりも強くなる。その結果、シールリング12,13は傾斜面部21,26に乗り上げる方向に移動する。これによって、傾斜面部21,26に形成したリリーフ溝22,27を介してバルーン10の内部が外部と連通することになり、バルーン10の内部から超音波伝達媒体が流出して、リリーフ機能を発揮する。超音波伝達媒体が流出すると、バルーン10内の圧力が低下し、前述した張力Fが小さくなる。シールリング12,13は傾斜面部21,26の途中に位置しているので、その位置は安定せず、張力Fが小さくなると、密着部20,25方向に移動してこれら密着部20,25に密着することになって、シール機能を発揮する状態に復帰する。
【0024】
ここで、バルーン10内の圧力がどの程度まで上昇したときに、シールリング12,13を密着部20,25から傾斜面部21,26に移行させるか、つまりリリーフ部におけるリリーフ圧をどの程度に設定するかは、体腔内壁の状態等との関係で定まる。例えば体腔内壁に小さい押圧力が作用しただけでも体内組織が圧迫されて、正確な超音波検査を行えなくなったり、体内組織に何らかのダメージが発生したりするおそれがある場合には、このリリーフ圧を低くする。ただし、そうするとバルーン10を膨らませたときに、あまり大きくは膨らまない。一方、体腔内壁にかなりの圧迫力が作用しても、超音波検査上格別の問題が生じず、しかも体内組織にダメージを与えない場合には、バルーン10の必要な膨らみ量を確保できるように高いリリーフ圧となるように設定する。
【0025】
ここで、前述したリリーフ圧は、シールリング12,13の締め付け代Dの大きさと、傾斜面部21,26の角度とに基づいて設定することができる。従って、シールリング12,13をゆるく締め付けるか、または傾斜面部21,26の傾斜角を小さくするかのいずれか一方若しくはその両方により、リリーフ圧が低下し、逆にシールリング12,13を強く締め付けるか、または傾斜面部21,26の傾斜角を大きくするかのいずれか一方若しくはその両方により、リリーフ圧を高くすることができる。
【0026】
さらに、バルーン10を膨出させた状態で超音波プローブ1を移動させることがある。この時に体腔内の狭窄部31を通過すると、やはりこの狭窄部31を圧迫する。例えば、図3(c)に示したように、超音波プローブ1を矢印P方向に移動させる際に、狭窄部31を通過したとする。この場合には、狭窄部31の内壁によりバルーン10における可撓膜11は、その先端側が縮径されて、内部の超音波伝達媒体が基端側に押しやられる。これにより、シールリング13側の圧力が異常に高くなる。その結果、可撓膜11のシールリング13への連結部に大きな張力Fが作用して、超音波伝達媒体がリリーフ溝27から排出されて、内部圧力が低下するので、このリリーフ設定圧以上の押圧力が体腔内壁に作用することはない。そして、狭窄部31を通過した後、超音波検査を行う場合には、排出された超音波伝達媒体を補充すれば良い。また、図3(d)に示すように、超音波プローブ1を矢印R方向に移動させて、狭窄部31を通過させる際には、シールリング12側に大きな張力Fが発生して、この部位でリリーフ機能を発揮する。
【0027】
ところで、シールリング12,13が傾斜面部21,26を乗り上げて、先端キャップ3の表面まで移行すると、バルーン10内の圧力低下後にシールリング12,13が密着部20,25の位置に復帰しなくなる。リリーフ溝22,27の流路断面積を傾斜面部21,26の上方に向かうに応じて大きくしたのはこのためで、シールリング12,13が傾斜面部21,26を上昇すればするほど、超音波伝達媒体の流出量が増えて、バルーン10内の圧力低下が促進される。しかも、シールリング12,13は傾斜面部21,26を上るように変位することは、それらが拡径して締め付け力が増大するようになるので、凹溝15,16の深さ寸法を適切に設定すれば、シールリング12,13の乗り上げ防止を図ることができる。一方、傾斜面部21,26とは反対側の壁部は概略垂直状態となっているので、シールリング12,13はこの方向には移動することがなく、従って凹溝15,16から逸脱するおそれはない。
【0028】
次に、図4に本発明の第2の実施の形態を示す。この実施の形態において、超音波プローブ40の先端部分は、可撓性コード41の先端に音響特性に優れた樹脂材からなる硬質の先端キャップ42が連設されており、この先端キャップ42内には超音波振動子43が設けられている。超音波走査部を構成する先端キャップ42にはバルーン45が装着される。バルーン45は、筒状の可撓膜46の両端にシールリング47,48を連設したものである。
【0029】
このバルーン45を超音波走査部に装着するために、先端キャップ42の超音波振動子43の配置部より先端側に凹溝50が形成され、可撓性コード41の先端キャップ42との連結部近傍に円環状の凹溝51が形成されている。凹溝50には、溝底を少なくとも含む凹湾曲部にシールリング47が接離可能に装着される密着部52が形成され、超音波振動子43の装着部と反対側の側面に傾斜面部53が設けられ、この傾斜面部53の密着部52を過ぎた部分から上方に少なくとも一つの切り欠きからなるリリーフ溝54が設けられている。凹溝51にも同様に、溝底を少なくとも含む凹湾曲部にシールリング48が接離可能に装着される密着部55が形成され、超音波振動子5の装着部と反対側の側面に傾斜面部56が設けられ、この傾斜面部56の密着部55を過ぎた部分から上方に少なくとも一つの切り欠きからなるリリーフ溝57が設けられたリリーフ部が形成されている。
【0030】
以上の構成を有する超音波プローブ40をバルーン45を膨出させた状態で先端側から狭窄部に挿入すると、バルーン45が狭窄部に押圧されると、バルーン45の膨らみが基端側に押しやられ、シールリング47,48は基端側への張力を受けると、シールリング48は密着部55に密着したまま保持され、シールリング47が傾斜面部53に乗り上げる結果、リリーフ機能を発揮して、リリーフ溝54からバルーン45内の超音波伝達媒体が排出されて狭窄部への圧迫が緩和される。そして、圧迫が緩和されると、シールリング47は再び密着部52に密着し、シール機能を発揮する状態に復帰する。
【0031】
また、超音波プローブ40をバルーン45を膨出させた状態で狭窄部から引き出すと、シールリング47は密着部52に密着したまま保持されるが、シールリング48が傾斜面部56に乗り上げて、リリーフ機能を発揮し、リリーフ溝57からバルーン45内の超音波伝達媒体が排出されて狭窄部への圧迫が緩和される。そして、圧迫が緩和されると、シールリング48は再び密着部55に密着し、シール機能を発揮する状態に復帰する。
【0032】
次に、図5に本発明の第3の実施の形態を示す。この実施の形態において、超音波プローブ60の先端部分は、可撓性コード61の先端に先端キャップ62が連設されており、この先端キャップ62内には超音波振動子63が設けられている。超音波走査部を構成する先端キャップ62にはバルーン65が装着される。バルーン65は、袋状の可撓膜66の開口端にシールリング67を連設したものである。
【0033】
このバルーン65を超音波走査部に装着するために、可撓性コード61の先端キャップ62との連結部近傍に円環状の凹溝70が形成されている。凹溝70には、図6に示すように、溝底を少なくとも含む凹湾曲部にシールリング67が接離可能に装着される密着部71が形成され、超音波振動子63の装着部側の側面に傾斜面部72が設けられ、この傾斜面部72の密着部71を過ぎた部分から上方に少なくとも一つの切り欠きからなるリリーフ溝73が設けられ、また超音波振動子63の装着部と反対側の側面にも傾斜面部74が設けられ、この傾斜面部74の密着部71を過ぎた部分から上方に向けて少なくとも一つの切り欠きからなるリリーフ溝75が設けられている。
【0034】
以上の構成を有する超音波プローブ60をバルーン65を膨出させた状態で先端側から狭窄部に挿入すると、バルーン65が狭窄部に押圧されて、バルーン65の膨らみが基端側に押しやられ、シールリング67が傾斜面部74に乗り上げる結果、リリーフ機能を発揮して、リリーフ溝75からバルーン65内の超音波伝達媒体が排出されて狭窄部への圧迫が緩和される。そして、圧迫が緩和されると、シールリング67は再び密着部71に密着し、シール機能を発揮する状態に復元する。
【0035】
また、超音波プローブ60をバルーン65を膨出させた状態で狭窄部から引き出すと、バルーン65の膨らみが先端側に押しやられ、シールリング67が傾斜面部72に乗り上げ、リリーフ溝73からバルーン65内の超音波伝達媒体が排出されて狭窄部への圧迫が緩和される。そして、圧迫が緩和されると、シールリング67は再び密着部71に密着し、シール機能を発揮する状態になる。
【0036】
【発明の効果】
本発明は以上のように構成したので、バルーンの体腔壁や狭窄部への過度の圧迫を緩和することができる等の効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態を示す挿入部先端の断面図である。
【図2】本発明の第1の実施の形態を示す凹溝の構成説明図である。
【図3】本発明の第1の実施の形態におけるバルーンの動作説明図である。
【図4】本発明の第2の実施の形態を示す挿入部先端の構成説明図である。
【図5】本発明の第3の実施の形態を示す挿入部先端の構成説明図である。
【図6】本発明の第3の実施の形態を示す凹溝の構成説明図である。
【符号の説明】
1,40,60 超音波プローブ
2,41,61 可撓性コード
3,42,62 先端キャップ
5,43,63 超音波振動子
10,45,65 バルーン
11,46,66 可撓膜
12,13,47,48,67 シールリング
15,16,50,51,70 凹溝
20,25,52,55,71 密着部
21,26,53,56,72,74 傾斜面部
22,27,54,57,73,75 リリーフ溝
23 規制壁
30 体腔壁
31 狭窄部
Claims (7)
- 可撓性コードの先端に、内部に超音波振動子を設けた超音波走査部を有する超音波プローブに、その超音波走査部に可撓膜の端部にシール部を設けたバルーンが装着される超音波検査装置において、
前記超音波走査部には、前記バルーンの端部に形成したシール部が止着される円環状の凹溝が形成されており、
この凹溝は前記バルーンのシール部が密着して、前記可撓膜の内部を密閉する密着部と、この密着部に連なり、少なくとも一方の壁部が密着部から遠ざかる方向に向けて傾斜するように立ち上がる傾斜面部とを有するものであり、
前記シール部が引っ張られる方向に所定以上の張力が前記可撓膜に作用したときに、前記シール部が前記傾斜面部側に移行して前記可撓膜内の超音波伝達媒体を排出するリリーフ溝が形成されており、
このリリーフ溝の流路断面積は前記密着部から遠ざかるに従って大きくなる
構成としたことを特徴とする超音波検査装置。 - 前記傾斜面部と、この傾斜面部に形成した前記リリーフ溝とから構成されるリリーフ部のリリーフ圧は、前記シール部の前記密着部への締め付け代と、前記傾斜面部の傾斜角とに基づいて設定されるものであることを特徴とする請求項1記載の超音波検査装置。
- 前記傾斜面部と、この傾斜面部に形成される前記リリーフ溝は前記密着部の片側に設けられ、この密着部の他側の壁部は前記シール部の動きを規制する規制壁とする構成としたことを特徴とする請求項1または請求項2記載の超音波検査装置。
- 前記規制壁は、前記溝底部から真っ直ぐ立ち上がる壁から構成したことを特徴とする請求項3記載の超音波検査装置。
- 前記密着部の両側の壁部に前記傾斜面部と前記リリーフ溝とを形成する構成としたことを特徴とする請求項1または請求項2記載の超音波検査装置。
- 前記バルーンは筒状の可撓膜の両端に前記シール部を連設することで形成され、前記凹溝は前記超音波振動子の先端側と基端側に設けられ、前記超音波振動子の先端側の凹溝には、その先端側または基端側のいずれか一方の壁部が前記リリーフ溝を設けた前記傾斜面部で、前記超音波振動子の基端側の凹溝には、その基端側または先端側のいずれか一方の壁部であって、前記先端側の凹溝を形成した側とは反対方向に傾斜する壁部を、前記リリーフ溝を設けた前記傾斜面部とする構成としたことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の超音波検査装置。
- 前記バルーンは袋状の可撓膜の開口端に前記シール部を連設することにより形成され、前記凹溝は前記超音波振動子の装着位置より基端側の位置に設けられ、この凹溝の両側の壁部を前記傾斜面部となし、かつこれら両傾斜面部に前記リリーフ溝を形成する構成としたことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の超音波検査装置。
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