JP4222819B2 - バルーン付き超音波プローブ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、超音波診断用の超音波プローブに係り、特に観察部位との密着性を高めたり、超音波プローブと観察部位との距離を所望の値に保つための超音波プローブ用バルーンシースが装着されたバルーン付き超音波プローブに関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、体腔内の深部を超音波診断するために、先端に超音波振動子を設けた挿入部を経内視鏡的もしくは経皮的に体腔内に挿入し、観測用超音波をラジアル走査やリニア走査して超音波画像を得る超音波プローブ及び超音波観測装置が広く使われてきている。
【0003】
このような超音波プローブにおいて、発生する超音波ビームの周波数は5MHz以上が一般的であり、超音波プローブと観察部位との間に空気が存在すると超音波ビームは減衰して観察部位まで到達することができず、超音波画像を得ることができなくなる。そこで、良好な超音波観察を行うためには超音波プローブと観察部位との間に超音波伝達媒体(水など)を介在させることが必要となる。
【0004】
超音波プローブと観察部位との間に超音波伝達媒体を介在させる手法としては、観察部位に水を注水して観察部位とプローブの振動子部分とを水没させる方法(一般に充満法と呼ばれる)と、超音波プローブにバルーンを装着し、バルーン内に水を注入して観察部位にバルーンを密着させる方法(一般にバルーン密着法と呼ばれる)の大きく2通りの方法がある。
【0005】
バルーン密着法を行うための装置としては、外装チューブの開口端に口金を介して袋小路状のバルーンを取り付けた構成のバルーンシースが従来用いられている。このバルーンシースでは、バルーン内に超音波伝達媒体を注入してバルーンを膨張させ、超音波振動子を備えた超音波プローブを外装チューブ内部に挿入して超音波観察を行う構成となっている。なお、シースの手元側には、前記バルーンを膨張させたり、収縮させたりするための超音波伝達媒体をバルーン内に注水/吸水するシリンジ等の注水/吸水装置が設けられている。
【0006】
また、バルーンシースの他の構成例として、先端が閉塞された外装チューブを用いて構成したものもある。このバルーンシースは、外装チューブの先端近傍の側面に開口部が形成され、この開口部を被うように外装チューブの先端近傍の外周部にバルーンが設けられ、開口部の前後でバルーンが固定された構成となっている。
【0007】
しかしながら、このような構成では、前者の構造のものでは、術者が誤ってバルーンを過剰に膨張させてしまったときに、バルーンが破裂して脱落する虞れがあり、一方、後者の構造のものでは、過剰にバルーンを膨張させた場合でも、バルーンの両端が固定されているため、バルーンの脱落の問題は解消されるものの、超音波観察において、超音波プローブから出射した超音波ビームが外装チューブ及びバルーンを経て観察部位に到達するため、バルーンによるアーチファクトに加え外装チューブによるアーチファクトが発生し、良好な超音波画像が得られず、また、バルーンによる感度低下に加え外装チューブによる感度低下が生じてしまう。
【0008】
そこで、本件出願人は、上記問題点を解消するために、例えば特開平8−24348号公報によって、提案がなされた超音波プローブ用バルーンシースがある。この提案による超音波プローブ用バルーンシースは、可撓性シースの先端部にバルーンを備え、内部に超音波プローブを挿通可能な超音波プローブ用バルーンシースにおいて、前記バルーンが破裂する圧力以下で該バルーンの一部が前記可撓性シース先端部より外れるようにバルーンと可撓性シースとの固定強度を部分的に弱くして前記バルーンを前記可撓性シースの先端に固定したことを特徴とするものである。これにより、術者が誤ってバルーンを過剰に膨張させた場合でもバルーンが脱落したり破裂することを防止でき、また、バルーン以外でのアーチファクト及び感度低下が発生しないようにすることが可能な超音波プローブ用バルーンシースを提供するようにしている。
【0009】
【特許文献1】
特願平8−24348号公報(第3−5頁、第8図)
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記特願平8−24348号公報に記載の超音波用バルーンシースでは、超音波プローブとバルーンシースとの組み合わせにおいては、誤ってバルーン内に許容量以上の注水を行った際に、バルーン先端部がバルーン固定部から外れることになるため、検査を続行するには、プローブを体腔内から引き抜き、体腔外で作業し、再度鉗子チャンネルを通して体腔内に入れる必要があり、検査時間が増大するといった問題点があった。
【0011】
そこで、本発明は上記問題点に鑑みてなされたものであり、許容量以上の注水が行われても、再度バルーン先端部をバルーン固定部に取付ける必要なく継続して使用可能なバルーン付き超音波プローブを提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
請求項1に係る発明は、内視鏡の鉗子チャンネルに挿通可能な挿入部の先端付近に超音波振動子を有し、その先端側にバルーンを係止するためのバルーン固定部を有する超音波プローブと、該超音波プローブに対し固定保持するためのバルーン先端部がOリング状に成形されたバルーンをチューブの先端に固定したバルーンシースとを組み合わせて構成されたバルーン付き超音波プローブにおいて、前記超音波プローブは、前記バルーン固定部の挿入方向の長さをバルーン先端部のOリングの線径より長くして該バルーン先端部が前記バルーン固定部上を挿入方向に対して移動可能に構成し、前記バルーン固定部は、挿入方向の前方側に配された第1の固定部と、後方側に配された第2の固定部とを有し、前記第1の固定部は前記バルーン先端部との間で前記バルーンの内側と外側を結ぶ経路を生成することで前記第1の固定部と前記バルーン先端部との水密が確保されない連通構造に構成し、前記第2の固定部は前記バルーンの先端部との間で前記バルーンの内側と外側を結ぶ経路を生成しないで前記第2の固定部と前記バルーン先端部との水密が確保された非連通構造に構成したことを特徴とするものである。
請求項2に係る発明は、請求項1に記載のバルーン付き超音波プローブにおいて、前記バルーン固定部は、該バルーン固定部より挿入方向前方側に配され突起形状に形成されたバルーン止め部材を設け、該バルーン止め部材は、前記第1の固定部に設けられた前記経路が前記超音波プローブの外側に連通していることを特徴とするものである。
【0013】
請求項2に係る発明は、請求項1に記載のバルーン付き超音波プローブにおいて、前記バルーン固定部は、該バルーン固定部より挿入方向前方側に配され突起形状に形成されたバルーン止め部材を設け、該バルーン止め部材は、前記第1の固定部に設けられた経路が前記超音波プローブの外側に連通された構造で構成したことを特徴とするものである。
【0014】
この構成によれば、許容量以上の注水が行われても、再度バルーン先端部をバルーン固定部に取付ける必要なく継続して使用可能なバルーン付き超音波プローブの実現が可能となる。
【0015】
第1の実施形態:
(構成)
図1乃至図5は本発明に係るバルーン付き超音波プローブの第1の実施の形態を示し、図1は本実施の形態のバルーン超音波プローブの概略構成を説明するもので、図1(a)は該バルーン付き超音波プローブの全体構成を示す断面図、図1(b)は図1(a)に示す超音波プローブの先端部の拡大図、図1(c)は図1(a)に示す超音波プローブの先端部の第1の変形例を示す拡大図、図1(d)は図1(a)に示す超音波プローブの先端部の第2の変形例を示す拡大図である。また、図2乃至図5は本実施の形態のバルーン付き超音波プローブの作用を説明するためのもので、図2はバルーン先端部のバルーン固定部への固定状態を示す先端部近傍の断面図、図3はバルーン膨張時の初期段階の状態を示す先端部近傍の断面図、図4はバルーン過膨張時の状態を示す先端部近傍の断面図、図5はバルーン膨張時の最終段階の状態を示す先端部近傍の断面図である。
【0016】
第1の実施形態:
(構成)
図1乃至図5は本発明に係るバルーン付き超音波プローブの第1の実施の形態を示し、図1は本実施の形態のバルーン超音波プローブの概略構成を説明するもので、図1(a)は該バルーン付き超音波プローブの全体構成を示す断面図、図1(b)は図1(a)に示す超音波プローブの先端部の拡大図、図1(b)は図1(a)に示す超音波プーローブの先端部の第1の変形例を示す拡大図、図1(c)は図1(a)に示す超音波プーローブの先端部の第2の変形例を示す拡大図である。また、図2乃至図5は本実施の形態のバルーン付き超音波プローブの作用を説明するためのもので、図2はバルーン先端部のバルーン固定部への固定状態を示す先端部近傍の断面図、図3はバルーン膨張時の初期段階の状態を示す先端部近傍の断面図、図4はバルーン過膨張時の状態を示す先端部近傍の断面図、図5はバルーン膨張時の最終段階の状態を示す先端部近傍の断面図である。
【0017】
本実施の形態のバルーン付き超音波プローブは、図1(a)に示すように、超音波プロープ1,シース2,バルーン固定部3A,ハウジング4,超音波振動子5,フレキシブルシャフト6,媒体7,チューブ8,口金9,バルーン10,バルーンシース11,コネクタ12,注水/吸水装置13及びバルーン止め部材14とを含んで構成されている。
【0018】
前記超音波プローブ1の体腔内に挿入する部分は、前記媒体7で満たされたシース2で覆われて構成されている。
【0019】
このシース2の先端内には、挿入軸周りに回転可能で、また3次元走査型の超音波プローブでは挿入方向軸方向にも進退自在となる円柱形状のハウジング4が配置されている。
【0020】
このハウジング4には、超音波を送受信する超音波振動子5が固定されており、さらに該ハウジングの基端側には、ハウジング4ら回転動力等を伝えるためのフレキシブルシャフト6が連結されている。
【0021】
また、シース2の先端には、バルーン固定部3Aが設けられており、さらにその先端側に突起状のバルーン止め部材14が設けられて構成されている。
【0022】
前記バルーン固定部3Aは、第1の固定部3aと第2の固定部3bとを有し、その外径は先端側の第1の固定部3aの方が後端側の第2の固定部3bの方よりも細い2段階構造となるように構成されている。これにより、第1の固定部3aは第2の固定部3bとの境界部分には段差ができ、バルーン先端部15(Oリング状部ともいう)は、第1の固定部3aから第2の固定部3bに移動し難くなる。
【0023】
なお、本実施の形態では、前記バルーン先端部15が前記第1の固定部3aと前記第2の固定部3bに移動し易くするために、前記境界部分はテーパー形状に形成されることが望ましい。
【0024】
また、図1(a),図1(b)に示すように、本実施の形態では、バルーン先端部15がバルーン固定部3Aの第2の固定部3b上を容易に移動しないよう強固に固定するために、第2の固定部3bの基端側の全周、または円周上に数カ所に溝17を設けて構成されている。この溝17の外径は、バルーン先端部15の内径(Oリング部15の内径)よりも大きく形成されている。
【0025】
また、本実施の形態では、図1(c)の変形例に示すように、前記溝17が無い構成であっても良い。
【0026】
さらに、本実施の形態では、図1(b)に示すように、前記バルーン止め部材14は、その外径がバルーン固定部3Aの外径よりも大きく、その側面に挿入方向に対して先端と後端とを貫通する溝16a、または図1(d)の変形例に示すように、その先端と後端側側面とを貫通する穴16bが数カ所設けられて構成されている。
【0027】
一方、超音波プローブ1は、チューブ8の先端の口金9の基端側とが接続されており、該口金9の先端側とその先端部がOリング状に成形されているバルーン10が装着されている。この場合、バルーン10は、超音波プローブ1の先端側(バルーン先端部15近傍)から挿入部分を介して覆うように装着されており、また、該バルーン10の基端が接続されている口金9近傍部分から所定範囲においては、バルーンシース11で覆われるように構成されている。
【0028】
バルーン先端部15の内径(Oリング状部の内径)は、バルーン固定部3Aの第1の固定部3aの外径よりも大きく、バルーン固定部3Aの第2の固定部3bよりも小さくなるように形成されている。
【0029】
また、バルーン固定部3Aの第1の固定部3a,第2の固定部3bの軸方向の長さは、バルーン先端部15のOリング状部の径より長くなるように形成されている。
【0030】
さらに、超音波プローブ1の体腔内に挿入する部分の基端側とバルーンシース11の基端は、コネクタ12で固定されており、このコネクタ12には、注水/吸水装置13が接続されている。この注水/吸水装置13は、チューブ8等を介してバルーン10内に注水,及び吸水を行うための装置である。
【0031】
(作用)
次に、本実施の形態のバルーン付き超音波プローブの特徴となる作用を図2乃至図5を参照しながら詳細に説明する。
【0032】
いま、図1(a)に示す本実施の形態のバルーン付き超音波プローブを用いて、体腔内の超音波診断を行うものとする。この場合、本実施の形態のバルーン付き超音波プローブにおいては、図2に示すように、バルーン先端部15を、バルーン固定部3Aの第2の固定部3bの挿入方向後端側に固定する。このとき、前記バルーン先端部15と第2の固定部3bとは、水密が確保されている。
【0033】
そして、術者が図2に示すバルーン付き超音波プローブを体腔内に挿入し、目的部位に到達し、超音波プローブ1と観察部位との距離を所望の値に保つためにバルーン10を膨張させるものとする。この場合、術者は図示しない操作部を操作することで、図1(a)に示す注水/吸水装置13が駆動し、該注水/吸水装置13は、コネクタ12,チューブ8等を介してバルーン10内に水等を注入し、バルーン10を図3に示すように膨張させる。
【0034】
その後、前記注水/吸水装置13による許容量以上の注水により、バルーン10内の内圧がある一定以上になると、バルーン固定部15は、図4に示すように、バルーン固定部3A上を挿入方向先端側(図中に示す矢印方向)移動することになる。
【0035】
そして、バルーン先端部15がバルーン固定部3Aの第1の固定部3aまで移動すると、該バルーン先端部15と第1の固定部3aとの水密が確保されなくなり、図4に示すように、バルーン10の先端から水が漏れ、バルーン止め部材14の溝16aまたは穴16bを介して放水されることになる。これにより、バルーン10は、収縮する。このとき、バルーン先端部15は、バルーン止め部材14の基端まで移動すると、該バルーンと止め部材14の基端部との接触により止まり、超音波プローブ1先端から脱落することはない。
【0036】
その後、一定量の放水が行われてバルーン10内の内圧がある一定以下になると、図5に示すように、バルーン10の収縮力に伴いバルーン先端部15は、挿入方向とは逆方向(図中に示す矢印方向)に移動することになる。
【0037】
そして、前記バルーン先端部15がバルーン固定部3Aの第2の固定部3bまで移動すると、該バルーン先端部15と第2の固定部3bとの間の水密が確保されることで放水が止まることになる。すなわち、バルーン先端部15と第2の固定部3bとの間の水密が確保されることにより、再びバルーン10を膨張させて使用することが可能となる。
【0038】
(効果)
したがって、本実施の形態によれば、バルーン10に許容量以上の注水を行った場合に、バルーン先端部15が超音波プローブ1の先端から外れることなくバルーン10内の水を放出し、一定量以上の水が放水されると放水が止まりバルーン先端部と第2の固定部3bとの水密を確保することができるので、再度そのまま継続して使用することが可能となる。これにより、バルーン10内に許容量以上注水したことによって生じる検査時間の増大を防止することが可能となる。
【0039】
第2の実施形態:
(構成)
図6乃至図10は本発明に係るバルーン付き超音波プローブの第2の実施の形態を示し、図6は本実施の形態のバルーン超音波プローブの概略構成を説明するもので、図6(a)は該バルーン付き超音波プローブの全体構成を示す断面図、図6(b)は図6(a)に示す超音波プローブの先端部の拡大図、図6(c)は図6(b)に示す超音波プローブの先端部の変形例を示す拡大図である。また、図7乃至図10は本実施の形態のバルーン付き超音波プローブの作用を説明するためのもので、図7はバルーン先端部のバルーン固定部への固定状態を示す先端部近傍の断面図、図8はバルーン膨張時の初期段階の状態を示す先端部近傍の断面図、図9はバルーン過膨張時の状態を示す先端部近傍の断面図、図10はバルーン膨張時の最終段階の状態を示す先端部近傍の断面図である。なお、図6乃至図10は、前記第1の実施の形態のバルーン付き超音波プローブと同様な構成要素については同一に符号を付して説明を省略し、異なる部分のみを詳細に説明する。
【0040】
本実施の形態では、前記第1の実施の形態のバルーン付き超音波プローブにおいて、前記バルーン固定部3Aの第1の固定部3aと第2の固定部3bとの間に設けられていた段差を無くすように構成したことが特徴である。
【0041】
その他の構成については、図6(a)に示すように、前記第1の実施の形態のバルーン付き超音波プローブ(図1参照)と略同様であり、超音波プロープ1,シース2,バルーン固定部3B,ハウジング4,超音波振動子5,フレキシブルシャフト6,媒体7,チューブ8,口金9,バルーン10,バルーンシース11,コネクタ12,注水/吸水装置13及びバルーン止め部材14とを含んで構成されている。
【0042】
本実施の形態のバルーン付き超音波プローブにおいては、図6(a),図6(b)に示すようにバルーン固定部3Bは、第1の固定部3cと第2の固定部3dとを有し、挿入方向先端側の第1の固定部3cには、バルーン止め部材14の溝17、または穴に通ずる溝16c、または穴16d(図6(b)参照)が数カ所設けられて構成されている。
【0043】
また、この場合、バルーン固定部3Bの前記第1の固定部3c,第2の固定部3d共通の外径は、バルーン先端部15の内径(Oリング状部の内径)よりも大きく形成されている。
【0044】
さらに、本実施の形態では、上述したように、前記第1の実施の形態とは異なり、前記バルーン固定部3Bの前記第1の固定部3cと前記第2の固定部3dとの間で段差がなく、面一に形成されている。
【0045】
なお、本実施の形態では、前記バルーン固定部3Bは、図6(a),図6(b)に示すように、前記バルーン先端部15が前記第1の固定部3cから前記第2の固定部3dに移動し易くするために、前記第2の固定部3dの基端から前記第1の固定部3cの先端にかけて外径が大きくなるテーパー形状、すなわち、該第1の固定部3cの先端から第2の固定部3dの基端に欠けてバルーン先端部15の締め付け率が小さくなるような形状に形成されることが望ましい。
【0046】
また、本実施の形態では、図6(c)の変形例に示すように、前記バルーン固定部3Bは、該バルーン固定部3Bの第1の固定部3cと第2の固定部3dとの外径が同じになる形状に構成されたバルーン固定部3Cとして構成するようにしても良い。
【0047】
さらに、バルーン固定部3B,3Cの第1の固定部3c,第2の固定部3dの軸方向の長さは、バルーン先端部15のOリング状部の径よりも長くなるように構成されている。
【0048】
(作用)
次に、本実施の形態のバルーン付き超音波プローブの特徴となる作用を図7乃至図10を参照しながら詳細に説明する。
【0049】
いま、図6(a)に示す本実施の形態のバルーン付き超音波プローブを用いて、体腔内の超音波診断を行うものとする。この場合、本実施の形態のバルーン付き超音波プローブにおいては、前記第1の実施の形態と略同様に、図7に示すように、バルーン先端部15を、バルーン固定部3Bの第2の固定部3dの挿入方向後端側に固定する。このとき、前記バルーン先端部15と第2の固定部3dとは、水密が確保されている。
【0050】
そして、術者が図7に示すバルーン付き超音波プローブを体腔内に挿入し、目的部位に到達し、超音波プローブ1と観察部位との距離を所望の値に保つためにバルーン10を膨張させるものとする。この場合、術者は図示しない操作部を操作することで、図6(a)に示す注水/吸水装置13が駆動し、該注水/吸水装置13は、コネクタ12,チューブ8等を介してバルーン10内に水等を注入し、バルーン10を図8に示すように膨張させる。
【0051】
その後、前記注水/吸水装置13による許容量以上の注水により、バルーン10内の内圧がある一定以上になると、バルーン固定部15は、図9に示すように、バルーン固定部3B上を挿入方向先端側(図中に示す矢印方向)移動することになる。この場合、本実施の形態では、前記バルーン固定部3Bの前記第1の固定部3cと前記第2の固定部3dとの間で段差がなく、面一でしかも、該第1の固定部3cの先端から第2の固定部3dの基端に欠けてバルーン先端部15の締め付け率が小さくなるような形状に形成されているので、バルーン先端部15が前記第2の固定部3dと前記第1の固定部3cに移動し易い。
【0052】
そして、バルーン先端部15がバルーン固定部3Bの第1の固定部3cまで移動すると、該バルーン先端部15と第1の固定部3cとの水密が確保されなくなり、図9に示すように、バルーン10の先端から水が漏れ、バルーン止め部材14の溝16cまたは穴16dを介して放水されることになる。これにより、バルーン10は、収縮する。このとき、バルーン先端部15は、バルーン止め部材14の基端まで移動すると、該バルーンと止め部材14の基端部との接触により止まり、超音波プローブ1先端から脱落することはない。
【0053】
その後、一定量の放水が行われてバルーン10内の内圧がある一定以下になると、図10に示すように、バルーン10の収縮力に伴いバルーン先端部15は、挿入方向とは逆方向(図中に示す矢印方向)に移動することになる。
【0054】
そして、前記バルーン先端部15がバルーン固定部3Bの第2の固定部3dまで移動すると、該バルーン先端部15と第2の固定部3dとの間の水密が確保されることで放水が止まることになる。すなわち、バルーン先端部15と第2の固定部3dとの間の水密が確保されることにより、再びバルーン10を膨張させて使用することが可能となる。
【0055】
(効果)
したがって、本実施の形態によれば、前記第1の実施の形態と同様の効果が得られる他に、前記バルーン固定部3Bの第1の固定部3cと第2の固定部3dとの間で段差を無くすように構成したので、バルーン先端部15の円滑な移動作用と製造工程の簡略化といった効果が得られる。
【0056】
なお、前記第1及び第2の実施の形態においては、前記バルーン固定部3A(3B)の第1の固定部3a(3c)と第2の固定部3b(3d)との間で段差を設け、又は無くし、テーパー形状に構成したが、本発明はこれに限定されるものではなく、バルーン先端部15がバルーン固定部3A(3B)の第1の固定部3a(3c)と第2の固定部3b(3d)との間で円滑に移動可能な構成であれば良い。
【0057】
また、本発明は上記第1及び第2の実施の形態、変形例に限定されるものではなく、各実施の形態や各種変形例の組み合わせや応用についても本発明に適用される。
【0058】
[付記]
(付記項1) 内視鏡の鉗子チャンネルに挿通可能な挿入部の先端付近に超音波振動子を有し、その先端側にバルーンを係止するためのバルーン固定部を有する超音波プローブと、該超音波プローブに対し固定保持するためのバルーン先端部がOリング状に成形されたバルーンをチューブの先端に固定したバルーンシースとを組み合わせて構成されたバルーン付き超音波プローブにおいて、
前記超音波プローブは、前記バルーン固定部の挿入方向の長さをバルーン先端部のOリングの線径より長くして該バルーン先端部が前記バルーン固定部上を挿入方向に対して移動可能に構成し、
前記バルーン固定部は、挿入方向の前方側に配された第1の固定部と、後方側に配された第2の固定部とを有し、前記第1の固定部は前記バルーン先端部との間で前記バルーンの内側と外側を結ぶ経路が生成される連通構造となるように構成し、前記第2の固定部は前記バルーンの先端部との間で前記バルーンの内側と外側を結ぶ経路が生成されない非連通構造となるように構成したことを特徴とするバルーン付き超音波プローブ。
【0059】
(付記項2) 前記バルーン固定部は、該バルーン固定部より挿入方向前方側に配され突起形状に形成されたバルーン止め部材を設け、該バルーン止め部材は、前記第1の固定部に設けられた経路が前記超音波プローブの外側に連通された構造で構成したことを特徴とする付記項1に記載のバルーン付き超音波プローブ。
【0060】
(付記項3) 前記バルーン固定部の前記第2の固定部は、前記バルーン先端部を係止するための溝を設けたことを特徴とする付記項1または付記項2に記載のバルーン付き超音波プローブ。
【0061】
(付記項4) 前記バルーン固定部の前記第1の固定部は、該第1の固定部の経路を生成するための溝または穴を設けたことを特徴とする付記項1または付記項2特徴とする付記項1乃至付記項3のいずれか1つに記載のバルーン付き超音波プローブ。
【0062】
(付記項5) 前記バルーン固定部の前記第1の固定部の外径は、前記第2の固定部の外径よりも細く構成したことを特徴とする付記項1乃至付記項3のいずれか1つに記載のバルーン付き超音波プローブ。
【0063】
(付記項6) 前記バルーン固定部の前記第1の固定部の外径は、前記第2の固定部の外径よりも細くすると同時に、該第1の固定部と該第2の固定部との間をテーパー状に構成したことを特徴とする付記項1乃至付記項3のいずれか1つに記載のバルーン付き超音波プローブ。
【0064】
(付記項7) 前記バルーン固定部の外径は、前記第2の固定部から前記第1の固定部にかけてテーパー状に大きくなるように構成したことを特徴とする付記項1乃至付記項3のいずれか1つに記載のバルーン付き超音波プローブ。
【0065】
【発明の効果】
以上、述べたように本発明によれば、許容量以上の注水が行われても、再度バルーン先端部をバルーン固定部に取付ける必要なく継続して使用可能なバルーン付き超音波プローブを提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のバルーン付き超音波プローブの第1の実施の形態を示し、該バルーン超音波プローブの概略構成を説明する構成図。
【図2】図1のバルーン先端部のバルーン固定部への固定状態を示す先端部近傍の断面図。
【図3】バルーン膨張時の初期段階の状態を示す先端部近傍の断面図。
【図4】バルーン過膨張時の状態を示す先端部近傍の断面図。
【図5】バルーン膨張時の最終段階の状態を示す先端部近傍の断面図。
【図6】本発明のバルーン付き超音波プローブの第2の実施の形態を示し、該バルーン超音波プローブの概略構成を説明する構成図。
【図7】図6のバルーン先端部のバルーン固定部への固定状態を示す先端部近傍の断面図。
【図8】バルーン膨張時の初期段階の状態を示す先端部近傍の断面図。
【図9】バルーン過膨張時の状態を示す先端部近傍の断面図。
【図10】バルーン膨張時の最終段階の状態を示す先端部近傍の断面図。
【符号の説明】
1…超音波プローブ、
2…シース、
3,3A,3B,3C…バルーン固定部、
3a,3c…第1の固定部、
3b,3d…第2の固定部、
4…ハウジング、
5…超音波振動子、
6…フレキシブルシャフト、
7…媒体、
8…チューブ、
9…口金、
10…バルーン、
11…バルーンシース、
12…コネクタ、
13…注水/吸水装置、
14…バルーン止め部材、
15…バルーン固定部(Oリング状部)。
Claims (7)
- 内視鏡の鉗子チャンネルに挿通可能な挿入部の先端付近に超音波振動子を有し、その先端側にバルーンを係止するためのバルーン固定部を有する超音波プローブと、該超音波プローブに対し固定保持するためのバルーン先端部がOリング状に成形されたバルーンをチューブの先端に固定したバルーンシースとを組み合わせて構成されたバルーン付き超音波プローブにおいて、
前記超音波プローブは、前記バルーン固定部の挿入方向の長さをバルーン先端部のOリングの線径より長くして該バルーン先端部が前記バルーン固定部上を挿入方向に対して移動可能に構成し、
前記バルーン固定部は、挿入方向の前方側に配された第1の固定部と、後方側に配された第2の固定部とを有し、前記第1の固定部は前記バルーン先端部との間で前記バルーンの内側と外側を結ぶ経路を生成することで前記第1の固定部と前記バルーン先端部との水密が確保されない連通構造に構成し、前記第2の固定部は前記バルーンの先端部との間で前記バルーンの内側と外側を結ぶ経路を生成しないで前記第2の固定部と前記バルーン先端部との水密が確保された非連通構造に構成したことを特徴とするバルーン付き超音波プローブ。 - 前記バルーン固定部は、該バルーン固定部より挿入方向前方側に配され突起形状に形成されたバルーン止め部材を設け、該バルーン止め部材は、前記第1の固定部に設けられた前記経路が前記超音波プローブの外側に連通していることを特徴とする請求項1に記載のバルーン付き超音波プローブ。
- 前記第2の固定部は、前記バルーン先端部を係止するための溝を設けたことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のバルーン付き超音波プローブ。
- 前記第1の固定部は、該第1の固定部の前記経路を生成するための溝又は穴を設けたことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載のバルーン付き超音波プローブ。
- 前記第1の固定部の外径は、前記第2の固定部の外径よりも細く構成したことを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか1項に記載のバルーン付き超音波プローブ。
- 前記第1の固定部の外径は、前記第2の固定部の外径よりも細くすると同時に、該第1の固定部と該第2の固定部との間をテーパー状に構成したことを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか1項に記載のバルーン付き超音波プローブ。
- 前記バルーン固定部の外径は、前記第2の固定部から前記第1の固定部にかけてテーパー状に大きくなるように構成したことを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか1項に記載のバルーン付き超音波プローブ。
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