JP3696006B2 - 超音波内視鏡 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、挿入部に設けられた超音波振動子を内包する先端キャップを超音波伝達媒体が充満されるバルーンによって覆い包む超音波内視鏡に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、超音波を体内組織に照射し、超音波が組織の音響インピーダンスの境界面で反射するという特性を利用して体内の組織断層象を得る超音波診断と、光学象による観察又は診断とを行うため、内視鏡先端に超音波振動子を設けた超音波内視鏡が広く利用されている。
【0003】
この超音波内視鏡では、バルーンが取り付けられる先端キャップ内に超音波振動子が内包されており、超音波観察を行う際、バルーン内に生体の音響インピーダンスと略同様な水などの超音波伝達媒体を注入して膨張させ、この膨張したバルーンを観察部位に密着させ、超音波振動子を走査することによって超音波画像が得られるようになっている。
【0004】
例えば、特開昭61−168337号公報には体腔内に挿入して使用される超音波内視鏡の先端に、360゜の広い範囲の超音波像を得られる超音波送受信操作部を容易に着脱自在に取り付けられる改良した超音波内視鏡が示されている。また、実公昭63−34412号公報には超音波振動子を内蔵した挿入部の外周壁面部にバルーンの周縁部分を嵌め込む溝に特徴を持たせてバルーン膨張時にバルーンが溝より外れ難い構造にした超音波内視鏡が示されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前記特開昭61−168337号公報に示されている超音波内視鏡及び実公昭63−34412号公報に示されている超音波内視鏡では、バルーン内に過剰に超音波伝達媒体が注入されたとき、シール部がバルーン取付溝から外れることによってバルーンが体腔内に脱落したり、バルーンが破裂してバルーンの一部が体腔内に飛散するおそれがあった。
【0006】
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、バルーン内に超音波伝達媒体が過剰注入された場合でも、バルーンの破裂及び挿入部からの脱落を確実に防止した超音波内視鏡を提供することを目的にしている。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明による第1の超音波内視鏡は、挿入部と、前記挿入部の先端部に配置された超音波振動子と、開口部を有し、前記超音波振動子を覆うとともに超音波伝達媒体を収容する内部空間を形成するためのバルーンと、前記開口部に設けられた前記バルーンを前記挿入部に固定するためのOリング部と、前記挿入部に設けられた前記Oリング部が係入するための溝部と、前記溝部を構成し、前記溝部の底面部に対して前記超音波振動子側に形成された第1の側面部と、前記溝部を構成し、前記底面部に対して前記第1の側面部と対向する側に形成され底面からの深さが前記第1の側面部に対して浅く形成された第2の側面部と、を具備したことを特徴とする。
【0008】
本発明による第2の超音波内視鏡は、挿入部と、前記挿入部の先端部に配置された超音波振動子と、開口部を有し、前記超音波振動子を覆うとともに超音波伝達媒体を収容する内部空間を形成するためのバルーンと、前記開口部に設けられた前記バルーンを前記挿入部に固定するためのOリング部と、前記挿入部に設けられた前記Oリング部が係入するための溝部と、前記溝部を構成し、前記溝部の底面部に対して前記超音波振動子側に形成された第1の側面部と、前記溝部を構成し、前記底面部に対して前記第1の側面部と対向する側に形成され前記底面から溝部の開口側に向かって溝幅寸法が広がる方向に斜面を形成する第2の側面部と、を具備したことを特徴とする。
【0009】
【発明の実施の形態】
図1ないし図11は本発明の第1実施形態に係り、図1は超音波内視鏡を備える超音波内視鏡システムの構成を説明する図、図2は超音波内視鏡の先端部分の構成を説明する図、図3は図2に示した超音波内視鏡の先端部分を正面、側面及び下面から見たときの図、図4は図3(a)のA−A線断面図、図5は挿入部に設けた脱落/破裂防止手段の一構成例を説明する図、図6は超音波探触子の構成を説明する図、図7は超音波内視鏡の先端部分の断面図、図8はガイドチューブ基端側の構成を説明する図、図9はバルーン膨張状態を示す図、図10は脱落/破裂防止手段の作用を説明する図、図11はバルーンが体腔壁に密着して超音波観察を行っている状態を示す図である。
なお、図3(a)は超音波内視鏡先端部分の正面図、図3(b)は超音波内視鏡先端部分の側面図、図3(c)は超音波内視鏡先端部分の下面図、図7(a)は図4のB−B断面図、図7(b)は図4のC−C断面図である。
【0010】
図1に示すように本実施形態の超音波内視鏡システムは、超音波診断装置として挿入部10の先端硬性部11から突出する超音波送受部2に後述する超音波探触子を備えた超音波内視鏡(以下内視鏡と略記する)1と、この内視鏡1に設けられている図示しない照明光学系に照明光を供給する光源部や前記超音波探触子から伝送される電気信号を画像信号に処理する信号処理部等を備えた超音波観測装置3と、この超音波観測装置3で生成された映像信号を表示するモニタ4と、このモニタ4に表示された画像を記録するビデオ装置やビデオプリンタからなる画像記録装置5とで主に構成されている。
【0011】
前記内視鏡1は、体腔内に挿入される可撓性を有する挿入部10と、この挿入部10の基端部に連結された把持部を兼ねた主操作部6Aと、この主操作部6Aの後端部に設けられ接眼部7を備え内部にサーボモータ(不図示)等の回転駆動源を配設した副操作部6Bと、前記主操作部6Aの側部から延出して基端部に図示しない光源部に着脱自在に接続される光源用コネクタ8aを備えた光源ケーブル8と、前記副操作部6Bの側部から延出して基端部に前記超音波観測装置3の信号処理部に着脱自在に接続される超音波用コネクタ9aを備えた超音波コード9とで主に構成されている。
【0012】
前記挿入部10は、硬質な部材で形成された先端硬性部11、上下左右方向に湾曲自在な湾曲部12、細長で柔軟なシースで形成された可撓管部13を先端側から順に連接して構成されている。
【0013】
前記主操作部6Aには、挿入部10及び主操作部6Aを挿通する後述する処置具挿通用チャンネル14に連通する処置具挿入口6aや前記湾曲部12を例えば上下方向に湾曲操作するための湾曲操作ノブ6b、送気及び送液の操作を行う送気・送液ボタン6c、吸液の操作を行う吸液ボタン6d等が設けられている。
【0014】
図2ないし図4に示すように前記先端硬性部11には超音波送受部2を構成する先端キャップ20が配置される先端キャップ配置凹部31及びイメージガイド32の周囲にライトガイド33を配置して構成した観察光学部34が挿通配置され、体液の吸液や体腔内へ処置具を案内する処置具挿通用チャンネル35を形成した柱状支持部(以下支持部と略記する)36が設けられている。つまり、この支持部36は、前記先端キャップ20に略平行して設けられている。
【0015】
また、前記先端硬性部11の基端部外周面には超音波透過性を有するラテックスやテフロンゴム等の膨縮自在なバルーン部材で両端が開口した略チューブ状のバルーン90の一端部に形成したOリング部91を配置する周溝である後端側バルーン設置溝39が形成されている。
【0016】
前記先端キャップ配置凹部31に配置される先端キャップ20は、超音波透過性に優れた高密度ポリエチレン、ポリメチルペンテン等のプラスチック材料や超音波を透過する弾性体で袋状に形成されている。この先端キャップ20の内部には、前記回転駆動源の回転力を伝達するフレキシブルシャフト21によって回転する超音波探触子50が配設されており、超音波を挿入部長手軸方向に対して直交する方向に出射してラジアル走査を行う。なお、前記先端キャップ20の先端面には超音波伝達媒体を注入するための透孔23が形成されている。
【0017】
前記先端硬性部11の先端にはさらに固定用ビス38によって先端カバー40が一体的に螺合固定されるようになっている。この先端カバー40の外周面には前記バルーン90の他端部に形成したOリング部92を配置する周溝である先端側バルーン設置溝49が形成されている。そして、この先端側バルーン設置溝49及び前記後端側バルーン設置溝39にそれぞれバルーン90に設けられているOリング部91,92を係入することによって前記先端キャップ20を覆い包むバルーン90が配置される。
【0018】
なお、前記Oリング部91,92は、このバルーン90の先端側に設けられている先端細径部(不図示)を外側方向に連続的に丸めてOリングの作用を有するように形成したものである。
【0019】
ここで、前記Oリング部91,92が係入配置されるバルーン設置溝39,49の溝形状について説明する。
図5に示すように前記後端側バルーン設置溝39は、直線状の底面39aと2側面部39b,39cとで構成され、2側面部39b,39cで構成される開口端幅寸法と底面幅寸法とを略同寸法に形成している。つまり、後端側バルーン設置溝39は、所定の深さ寸法の底面39aに対して垂直な2側面部39b,39cを有するいわゆる角溝として形成されている。
【0020】
一方、前記先端側バルーン設置溝49は、直線状の底面49aと2側面部49b,49cとで構成され、一方の側面部である基端側側面49bは前記後端側バルーン設置溝39の2側面部39b,39cと同様、底面49aに対して垂直な側面部になっている。これに対して、他方の側面部である先端側側面49cは底面49aから開口側に向かうにしたがって溝幅寸法が徐々に広がる、脱落/破裂防止手段となる傾斜角θの傾斜面を形成している。
【0021】
前記図3及び図4に示すように先端カバー40の先端面側には前記固定用ビス38が配置される座ぐり部41と、前記支持部36の先端部を構成する先端凸部36aが係入する位置決め透孔42と、前記先端キャップ20の先端部を構成する凸部20aが係入する透孔30が形成されている。この凸部20aには先端キャップ20内に透孔23を介して超音波伝達媒体を注入するための媒体注入用貫通孔43が形成されている。
【0022】
前記媒体注入用貫通孔43にはOリング47を外周面に配置した開口閉塞ネジ48が配置されるようになっており、この開口閉塞ネジ48を配置することによってに先端キャップ20内に注入された超音波伝達媒体が漏出することを防止している。なお、前記先端キャップ20内に注入される超音波伝達媒体は、超音波を伝達する特性を有する流動パラフィン、水、カルボキシルメチルセルロース水溶液、KYゼリー等である。
【0023】
前記支持部36を構成する先端キャップ配置凹部31の外周面であって、前記超音波探触子50に対向する探触子対向面には、前記超音波探触子50から出射される超音波を吸音する作用を有するウレタンゴム、フェライトゴム等の吸音シート82が貼付されている。そして、探触子対向面と先端キャップ20との間に吸音シート82を隙間なく配置して、超音波が乱反射することを防止している。
【0024】
前記先端キャップ配置凹部31の基端側側面37には送液口83及び吸液口84が開口している。この送液口83は、前記先端側バルーン設置溝49及び後端側バルーン設置溝39を介して配置されるバルーン90内に超音波伝達媒体を送り込んで膨張させる送液チューブ(図7符号85)に連通しており、前記吸液口84はバルーン90内に注入されている超音波伝達媒体を吸液する吸液チューブ(図7符号86)に連通している。
【0025】
図6に示すように超音波探触子50は、前記フレキシブルシャフト21の端部が一体的に固定されて回転自在なハウジング51にフェライト入りのポリクロロプレンゴムやタングステン粉末入りのエポキシ樹脂等で形成した超音波吸収体であるバッキング材52、ジルコン酸チタン酸塩又はチタン酸塩等の平板状の圧電素子53及びエポキシ樹脂で形成した凹レンズ形状の音響レンズ54を接着剤55によって一体的に固着して形成されている。なお、符号56はフレキシブルシャフト21内を挿通して超音波探触子50と前記超音波観測装置3とを電気的に接続する信号線であり、この信号線によって超音波駆動信号や受信信号が伝送されるようになっている。
【0026】
図7(a),(b)に示すように前記挿入部10内には前記処置具挿通用チャンネル35に連通するチャンネルチューブ87や前記ライトガイド33、イメージガイド32、前記超音波探触子50を回転させるフレキシブルシャフト21を被覆するガイドチューブ27、前記送液口83に連通した送液チューブ85、吸液口84に連通した吸液チューブ86及び前記湾曲部12を上・下方向に湾曲させるためのアングルワイヤ88u,88d等が挿通配置されている。前記ガイドチューブ27内にはフレキシブルシャフト21とガイドチューブ27内周面との摺動性を良好にするための潤滑油が充填されている。
【0027】
前記図4及び図7(b)に示すように前記先端硬性部11には前記超音波探触子50のハウジング51の後方側を保持する2つの軸受部59が設けられている。この軸受部59の間には切り欠き部57を形成したスペーサ58が配設されている。このスペーサ58の切欠部57には抜け止めネジ89に設けたピン部89aが嵌合するようになっており、この抜け止めネジ89は位置決め穴を兼ねる第1の潤滑用穴19に螺合固定する構成になっている。そして、この抜け止めネジ89を第1の潤滑用穴19に螺合固定することによって、前記超音波探触子50の挿入部長手軸方向の進退を規制するとともに、第1の潤滑用穴19にシール材を充填することにより潤滑油が漏出することを防止している。
【0028】
図8に示すように前記フレキシブルシャフト21を内挿しているガイドチューブ27の基端部は、前記主操作部6Aに設けた潤滑油用ブロック61から突出する連結凸部61aに外嵌されており、締め付けゴム62を設けた締め付けネジ部材63を潤滑油用ブロック61の端部に形成した雄ネジ部に螺合することにより、締め付けゴム62が圧縮されることによってガイドチューブ27を押圧して連結凸部61aに固定するようになっている。
【0029】
前記潤滑油用ブロック61にはフレキシブルシャフト21の後端部に固定された軸部69が挿通するシャフト挿通孔64が形成されており、このシャフト挿通孔64の中途部には第2の潤滑油穴65が連通している。
【0030】
この第2の潤滑油穴65には基端部にOリング66を配置したシールネジ67が螺合固定されるようになっている。また、前記潤滑油用ブロック61の連結凸部61aの反対側には前記軸部69を受ける軸受部68、前記軸部69を介して潤滑油が漏出するのを防止する水密リング71、前記軸受部68を潤滑油用ブロック61に固定する押さえネジ部材72が設けられている。
【0031】
そして、前記抜け止めネジ89とシールネジ67とを外した状態にして、一方の潤滑用穴19(又は潤滑油穴65)から潤滑油を注入する一方、潤滑油穴65(又は潤滑用穴19)から前記潤滑油を吸液することによって、ガイドチューブ27内に潤滑油を充填するようになっている。
【0032】
上述のように構成した超音波内視鏡1の作用を説明する。
術者は接眼部7を覗いて体腔内を観察しながら内視鏡1の挿入部10を観察目的部位まで挿入していく。
【0033】
次に、挿入部10の先端硬性部11に配置されている先端キャップ20が観察目的部位に到達したとき、送液チューブ85によってバルーン90内部に超音波伝達媒体である脱気水を注入していく。すると、図9に示すように脱気水が注入されていくにしたがってバルーン90が徐々に膨張していく。
【0034】
このとき、万一、バルーン90内に過剰の脱気水を供給してしまった場合には、図10に示すように脱気水がバルーン90内に多く流れ込むことにより、バルーン90が膨張して内圧が上昇していく。その結果、前記Oリング部91,92を長手方向に押圧する力が働くが、先端側バルーン設置溝49の先端側側面49cが傾斜面を形成しているため前記バルーン90のOリング部92が先端側側面49cに沿って移動して挿入部前方方向に脱落する。
【0035】
このことにより、バルーン90が大きく膨らんで破裂する前に、バルーン90内に送り込まれた脱気水が開口部90aから腹腔内に流れ出ていく。このとき、前記バルーン90のOリング部91は後端側バルーン設置溝39に係入したままの状態であるので、このバルーン90が体腔内に脱落することがない。そして、バルーン部92が先端側バルーン設置溝49から脱落してしまったので、挿入部10を体腔外へ一度抜去してバルーン90の再装着を行う。
【0036】
一方、脱気水が注入されて規定通りにバルーン90が膨張すると、図11に示すようにバルーン90は体腔壁に密着する。ここで、超音波走査を開始するため超音波観測装置3から超音波探触子50へ高電圧パルスの送信を行うとともに、副操作部6B内のモータを駆動させる。
【0037】
このことにより、フレキシブルシャフト21が回転を開始するとともに、超音波探触子50から超音波が出射されて挿入部長手軸方向に対して垂直な方向に超音波を出射するラジアル走査による超音波観察を行う。そして、診断終了後、術者は、バルーン90内の脱気水を吸液チューブ86によって吸液してバルーン90を収縮させた状態にして挿入部10を体腔外へ抜去する。
【0038】
このように、バルーンに形成したOリング部が係入配置される先端側バルーン設置溝の先端側側面を傾斜角θの傾斜面として形成したことにより、バルーン内に過剰に脱気水を送り込まれたとき、この供給される脱気水によってバルーンは大きく膨らんでいくが、後端側バルーン設置溝にOリング部を係入配置した状態を保持して、破裂する前に先端側バルーン設置溝に係入配置されているOリング部が傾斜面を移動して挿入部前方方向に脱落して、脱気水を外部に排出することによりバルーンが脱気水の過剰供給によって破裂すること及び脱落することを確実に防止することができる。
【0039】
このことにより、脱落したバルーンの回収が困難な部位である胆管膵管や気管支等におけるバルーンを使用した超音波観察を安全に行える。
【0040】
また、術者がバルーンを膨張させた状態で、誤って超音波内視鏡を引き抜こうとした場合でも、バルーンに外力が加わることによって、バルーンの内圧が上昇するので、この場合においてもOリング部が傾斜面に沿って移動して脱落することにより、バルーン内に注入されている脱気水を外部に排出してバルーンが破裂することを確実に防止することができる。
【0041】
なお、バルーンの基端側を糸巻き接着等によって一体的に固定する構成であってもよい。
【0042】
図12は本発明の第2実施形態に係る挿入部に設けた脱落/破裂防止手段の他の構成例を説明する図である。
【0043】
図に示すように本実施形態においては、後端側バルーン設置溝39の溝底面外形寸法Aと先端側バルーン設置溝49の溝底面外形寸法Bとの間を以下の関係で設定している。
【0044】
寸法A>寸法B>Oリング部内径寸法
このことにより、Oリング部91を後端側バルーン設置溝39に係入配置したときのOリング部91の締め付け率(P1 )と、Oリング部92を先端側バルーン設置溝49に係入配置したときのOリング部92の締め付け率(P2 )とは以下の関係になる。
【0045】
P1 >P2 (締め付け率=Oリング部内径寸法/バルーン溝底面外形寸法)つまり、後端側バルーン設置溝39に係入配置したOリング部91による締め付けの方が、先端側バルーン設置溝49に係入配置したOリング部92による締め付けより強くなっている。
【0046】
このため、脱気水がバルーン90内に多く流れ込んでバルーン内圧が上昇したときには、締め付けの弱いOリング部92は、後端側バルーン設置溝39に係入配置されているOリング部91よりも先に、先端側バルーン設置溝49から脱落する。
【0047】
なお、先端硬性部11及び先端カバー40の外形寸法は同一寸法Cに設定されている。その他の構成は前記第1実施形態度同様である。
【0048】
このように、先端側バルーン設置溝の溝底面外形寸法を後端側バルーン設置溝の溝底面外形寸法より小さく形成して、後端側バルーン設置溝に係入配置したOリング部の締め付け率よりも先端側バルーン設置溝に係入配置したOリング部の締め付け率を小さくしたことによって、供給される脱気水によってバルーンは大きく膨らんでいくが、後端側バルーン設置溝に係入配置されているOリング部を配置したままの状態で、破裂する前に先端側バルーン設置溝に係入配置されているOリング部が挿入部前方方向に脱落して、脱気水を外部に排出することによりバルーンが脱気水の過剰供給によって破裂すること及び脱落することを確実に防止することができる。その他の作用及び効果は前記第1実施形態と同様である。なお、図13に示すように先端側バルーン設置溝49を形成するとき、先端側側壁の外径寸法を寸法Cより小さい寸法Dに設定して、後端側バルーン設置溝39に係入配置されているOリング部91よりも先に、先端側バルーン設置溝49に係入配置されているOリング部92を脱落させるようにしてもよい。
【0049】
また、同図に示すように先端硬性部11の外表面にバルーン90内に流れ込む脱気水によって上昇する内圧を検知する検知手段となる圧力検知センサ100を設けている。このことによって、バルーン90内に流れ込む脱気水によって上昇する内圧の検知を行う一方、先端側バルーン設置溝49に係入配置されているOリング部92が脱落して脱気水が外部に排出されることによって低下する内圧を検知して、術者に一方のOリング部が脱落したことを告知したり、バルーン内に脱気水が流れ込むことを停止させることができる。
【0050】
なお、前記圧力検知センサ100は図示しない内圧観測装置に接続されている。
【0051】
尚、本発明は、以上述べた実施形態のみに限定されるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲で種々変形実施可能である。
【0052】
[付記]
以上詳述したような本発明の上記実施形態によれば、以下の如き構成を得ることができる。
【0053】
(1)挿入部の先端側に配置され、超音波振動子を内包した先端キャップと、この先端キャップを覆い包む前記挿入部先端部に着脱自在で超音波伝達媒体が充満されるバルーンとを具備する超音波内視鏡において、
前記バルーン内に超音波伝達媒体を注入してこのバルーンを膨張させるとき、前記バルーンが超音波伝達媒体の過剰注入によって、破裂したり、挿入部から脱落することを防止する脱落/破裂防止手段を有する超音波内視鏡。
【0054】
(2)前記脱落/破裂防止手段は、前記バルーンに形成したOリング部が配置されるバルーン設置溝に形成した、底部から開口端に向かうにしたがって幅寸法が広がるように変化する傾斜面である付記1記載の超音波内視鏡。
【0055】
(3)前記傾斜面を、先端側のOリング部が配置される先端側バルーン設置溝の前方側側面に形成した付記2記載の超音波内視鏡。
【0056】
(4)前記脱落/破裂防止手段は、前記バルーンに形成したOリング部の締め付け率を変化させるバルーン設置溝の溝底外径寸法の調整によって行う付記1記載の超音波内視鏡。
【0057】
(5)先端側バルーン設置溝の溝底外径寸法を、基端側バルーン設置溝の溝底外径寸法より小径に形成した付記4記載の超音波内視鏡。
【0058】
(6)先端キャップを覆うバルーンに形成した一Oリング部が挿入部から脱落したとき、バルーン内部から外部に向かって超音波伝達媒体が排出されていることを検知する検知手段を有する付記1記載の超音波内視鏡。
【0059】
(7)前記検知手段は、バルーン内圧を検知する圧力センサである付記6記載の超音波内視鏡。
【0060】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、バルーン内に超音波伝達媒体が過剰注入された場合でも、バルーンの破裂及び挿入部からの脱落を確実に防止した超音波内視鏡を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1ないし図11は本発明の第1実施形態に係り、図1は超音波内視鏡を備える超音波内視鏡システムの構成を説明する図
【図2】超音波内視鏡の先端部分の構成を説明する図
【図3】図2に示した超音波内視鏡の先端部分を正面、側面及び下面から見たときの図
【図4】図3(a)のA−A線断面図
【図5】挿入部に設けた脱落/破裂防止手段の一構成例を説明する図
【図6】超音波探触子の構成を説明する図
【図7】超音波内視鏡の先端部分の断面図
【図8】ガイドチューブ基端側の構成を説明する図
【図9】バルーン膨張状態を示す図
【図10】脱落/破裂防止手段の作用を説明する図
【図11】バルーンが体腔壁に密着して超音波観察を行っている状態を示す図
【図12】本発明の第2実施形態に係る挿入部に設けた脱落/破裂防止手段の他の構成例を説明する図
【図13】挿入部に設けた脱落/破裂防止手段の別の構成例を説明する図
【符号の説明】
1…超音波内視鏡において、
2…超音波送受部
6A…主操作部
6b…湾曲操作ノブ
11…先端硬性部
12…湾曲部
20…先端キャップ
31…先端キャップ配置凹部
34…観察光学部
36…柱状支持部
39…後端側バルーン設置溝
49…先端側バルーン設置溝
50…超音波探触子
90…バルーン
Claims (3)
- 挿入部と、
前記挿入部の先端部に配置された超音波振動子と、
開口部を有し、前記超音波振動子を覆うとともに超音波伝達媒体を収容する内部空間を形成するためのバルーンと、
前記開口部に設けられた前記バルーンを前記挿入部に固定するためのOリング部と、
前記挿入部に設けられた前記Oリング部が係入するための溝部と、
前記溝部を構成し、前記溝部の底面部に対して前記超音波振動子側に形成された第1の側面部と、
前記溝部を構成し、前記底面部に対して前記第1の側面部と対向する側に形成され底面からの深さが前記第1の側面部に対して浅く形成された第2の側面部と、
を具備したことを特徴とする超音波内視鏡。 - 挿入部と、
前記挿入部の先端部に配置された超音波振動子と、
開口部を有し、前記超音波振動子を覆うとともに超音波伝達媒体を収容する内部空間を形成するためのバルーンと、
前記開口部に設けられた前記バルーンを前記挿入部に固定するためのOリング部と、
前記挿入部に設けられた前記Oリング部が係入するための溝部と、
前記溝部を構成し、前記溝部の底面部に対して前記超音波振動子側に形成された第1の側面部と、
前記溝部を構成し、前記底面部に対して前記第1の側面部と対向する側に形成され前記底面から溝部の開口側に向かって溝幅寸法が広がる方向に斜面を形成する第2の側面部と、
を具備したことを特徴とする超音波内視鏡。 - 前記溝部は前記超音波振動子に対して先端側に形成されていることを特徴とする請求項1または2に記載の超音波内視鏡。
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