JP3722720B2 - 超音波内視鏡 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、超音波観察を行える超音波内視鏡に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、超音波を体内組織に照射し、超音波が組織の音響インピーダンスの境界面で反射するという特性を利用して体内の組織断層像を得る超音波診断と、光学像による観察又は診断とを行うため、内視鏡先端に超音波振動子を設けた超音波内視鏡が広く利用されている。
【0003】
この超音波内視鏡では、バルーンが取り付けられる先端キャップ内に超音波振動子が内包されており、超音波観察を行う際、バルーン内に生体の音響インピーダンスと略同様な水などの超音波伝達媒体を注入して膨張させ、この膨張したバルーンを観察目的部位に密着させ、超音波振動子を回転走査することによって超音波画像が得られるようになっている。
【0004】
例えば、特開平2−286144号公報には操作部の上部側に副操作部を設け、この副操作部内に回転する超音波振動子からの回転信号伝達手段や回転位置検出手段、回転駆動手段を設けた超音波診断装置が開示されている。この超音波診断装置の超音波内視鏡では操作部を左手で把持した状態で、右手で湾曲操作ノブの操作を行えるように操作部の側面に湾曲操作ノブを設けていた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前記特開平2−286144号公報の超音波診断装置の超音波内視鏡では操作部を左手で把持する場合には問題はないが、観察状況或いは術者の利き腕によっては操作部を右手で把持する場面も考えられるが、そのときには非常に操作がし難くなって、術者に大きな負担をかけてしまう。
【0006】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、操作部を左右どちらの手で把持することが可能で、操作性に優れた超音波内視鏡を提供することを目的にしている。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明による超音波内視鏡は、内視鏡の挿入部と前記挿入部の先端側に設けられる上下方向に湾曲可能な湾曲部と前記挿入部の前記湾曲部よりも先端側に設けられる超音波送受信部を覆うバルーンと前記挿入部内に設けられる処置具を挿通するための処置具挿通管路と前記挿入部内に設けられ、前記バルーン内に超音波を伝達する媒体を送液または該バルーン内から該媒体を吸引するための超音波伝達媒体給排水管路と前記湾曲部の湾曲方向上側に処置具挿通口を形成する面を有する操作部と前記操作部の前記面に設けられた、前記処置具挿通管路から吸引操作を行う吸引ボタンを取り付けるための吸引ボタンシリンダと前記吸引ボタンシリンダに接続された吸引チューブと前記操作部の前記面に設けられ、湾曲上方向側に開口するように超音波伝達媒体給排水口を形成する超音波伝達媒体給排水口金と前記操作部内に設けられ、前記処置具挿通管路を保持して該処置具挿通管路と前記吸引チューブと前記処置具挿通口とを連通する処置具挿入口分岐部と前記操作部内に設けられ、前記超音波伝達媒体給排水管路を保持して該超音波伝達媒体給排水管路と前記超音波伝達媒体給排水口金とを連通するブロックとを備えたことを特徴とする
【0008】
本発明では、操作部の湾曲方向上側に位置する面に処置具挿通口を形成し、且つ該操作部の該面に吸引ボタンシリンダと超音波伝達媒体給排水口金とを設けることにより、吸引ボタン操作、処置具の挿入、バルーン内への超音波伝達媒体の給排水という操作を、操作部を把持する手を選択して行うことができ、さらに、操作部内に処置具挿通管路と吸引チューブと処置具挿通口とを連通する処置具挿通口分岐部と、超音波伝達媒体給排水管路と超音波伝達媒体給排水口とを連通するブロックとを設けることによって、処置具挿通管路と超音波伝達媒体給排水管路とを別個に保持することができ、該処置具挿通管路及び該超音波伝達媒体給排水管路を互いの機能を損ねることなく保持することができる
【0009】
この構成によれば、操作部を左右どちらの手で把持した場合でも、処置具挿通口、吸引口、超音波伝達媒体給排水口の位置関係が同じである。
【0010】
【発明の実施の形態】
図1ないし図18は本発明の一実施形態に係り、図1は超音波内視鏡を備えた超音波内視鏡システムの構成を説明する図、図2は操作部に配置される吸引ボタン、処置具挿通口、バルーン送水・吸引口金の位置関係を説明する図、図3は超音波内視鏡の超音波送受信部を正面、側面及び下面から見たときの図、図4は図3(a)のA−A線断面図、図5は超音波内視鏡の先端部分の断面図、図6は潤滑油用ブロックの構成を説明する図、図7は超音波探触子の構成を説明する図、図8は挿入部折れ止め部材内の構成例を説明する図、図9は操作部内の構成例を説明する図、図10はスリップリング、エンコーダを配置したユニバーサルコード折れ止め部材内の構成例を説明する図、図11は操作部内に配置された管路系を説明する図、図12はスコープコネクタ内の構成を説明する図、図13はバルーン送水・吸引口金を説明する図、図14はバルーン送水・吸引口金の構造及び取り付け構造を説明する図、図15は超音波送受信部の超音波走査範囲を説明する図、図16はバルーン膨張状態を説明する図、図17は過膨張したときバルーン内から脱気水が排出される1例を示す図、図18は過膨張したときバルーン内から脱気水が排出される他の例を示す図である。
なお、図3(a)は超音波内視鏡先端部分の正面図、図3(b)は超音波内視鏡先端部分の側面図、図3(c)は超音波内視鏡先端部分の下面図、図5(a)は図4のB−B線断面図、図5(b)は図4のC−C線断面図、図5(c)は図4のD−D線断面図、図13(a)は図11のA−A線断面図、図13(b)は図11のB−B線断面図である。
【0011】
図1に示すように本実施形態の超音波内視鏡システム1は、観察光学系及び照明光学系と、超音波振動子を設けた超音波送受信部10とを有する超音波内視鏡(以下、内視鏡と略記する)2と、前記照明光学系に照明光を供給する光源装置3と、前記超音波振動子を駆動させる駆動信号を出力する一方、この超音波振動子から伝送される電気信号を画像信号に処理する信号処理部等を備えた超音波観測装置4とで主に構成されている。
【0012】
前記内視鏡2は、体腔内に挿入される可撓性を有する挿入部5と、この挿入部5の基端部に連結された把持部を兼ねた操作部6と、この操作部6の側部から延出して基端部にスコープコネクタ7を有するユニバーサルコード8とを備えている。
【0013】
このユニバーサルコード8と操作部6との連結部分には急激な曲がりを防止する弾性部材で構成されたコード用折れ止め部材8aが設けられ、前記操作部6と挿入部5との連結部分には挿入部用折れ止め部材5aが設けられている。また、前記操作部6の基端部には観察画像を目視にて観察するための接眼部9が設けられている。
【0014】
前記挿入部5は、硬質な部材で形成された先端硬性部11と、例えば上下方向に湾曲自在な湾曲部12と、細長で柔軟なシースで形成された可撓管部13とを先端側から順に連接している。前記超音波送受信部10は前記先端硬性部11の先端側に突設している。
【0015】
前記操作部6には前記挿入部5内を挿通する処置具挿通管路と吸引管路とを兼ねるである処置具挿通用チャンネル(図4符号22参照)に連通する処置具挿通口6aや前記湾曲部12を湾曲操作するための湾曲操作部である湾曲操作ノブ6b、超音波伝達媒体給排水口であるバルーン送水・吸引口金6c、吸引操作を行うための吸引ボタン6d、超音波画像のフリーズON,OFFや撮影を行うためのリモートスイッチ6eが設けられている。
【0016】
そして、前記操作部6の上部側より、接眼部9、吸引ボタン6d、リモートスイッチ6e、処置具挿通口6a、バルーン送水・吸引口金6cの順番に配置するとともに、図2に示すように前記吸引ボタン6d、処置具挿通口6a、バルーン送水・吸引口金6cを、前記湾曲操作ノブ6bの設置部と同一面上の湾曲方向(視野が移動する方向)上側に位置させて、一直線上に配置させている。
【0017】
前記バルーン送水・吸引口金6cは、操作部6と挿入部5を接続する後述する接続部材110に設けてある。
【0018】
図3(a)、(b)、(c)に示すように前記先端硬性部11の先端側に設けられる超音波送受信部10には、超音波振動子等を配設して構成した超音波探触子50を覆う先端キャップ20と、この先端キャップ20と略平行に突出した柱状の支持部80とが設けられている。この支持部80は、前記湾曲部12の湾曲方向である上下方向とは一致しない左方向又は右方向に位置している。
【0019】
前記支持部80内には観察光学系であるイメージガイド32及び照明光学系であるライトガイド33と、体液の吸液や体腔内へ処置具を案内する前記処置具挿通用貫通孔35が形成されている。本実施形態においてはイメージガイド32の周囲にライトガイド33が配置されている。
【0020】
前記支持部80の前記超音波探触子50に対向する振動子対向面には、前記超音波探触子50から出射される超音波を吸音する作用を有するウレタンゴム、フェライトゴム等の吸音シート82が前記先端キャップ20との隙間を埋めるように貼付してある。このことによって、超音波探触子50から出射された超音波超音波が振動子対向面で乱反射することが防止される。
【0021】
前記支持部80の先端には固定用ビス83によって先端カバー84が一体的に螺合固定されている。この先端カバー84の外周面には超音波透過性を有するラテックスやテフロン(登録商標)ゴム等の膨縮自在なバルーン部材で両端が開口して形成された略チューブ状のバルーン90の一端部に設けたOリング部91が配置される周溝となる先端側バルーン溝86fが形成してある。そして、このバルーン90の他端部に設けられるOリング部92は支持部80の基端部に形成された基端側バルーン溝86bに配置されるようになっている。
【0022】
つまり、先端側バルーン溝86f及び基端側バルーン溝86bにそれぞれバルーン90に設けられるOリング部91,92を係入することによって、前記先端キャップ20を覆い包むバルーン90が配置される。なお、この基端側バルーン溝86bの基端側には平面部201が設けてある。
【0023】
前記先端カバー84の先端面84aには前記イメージガイド32及び前記ライトガイド33の先端面が面一致するように配置されている。また、この先端面84aには前記処置具挿通用貫通孔35に連通する開口35aが形成されている。さらに、この先端面84aには前記先端キャップ20内に超音波伝達媒体を封入するための媒体注入口を水密に塞ぐ図示しないOリングを設けた固定ビス48が配置されている。
【0024】
先端キャップ配置凹部30の基端側側面87には超音波伝達媒体を送水/吸引する超音波伝達媒体給排水管路である送水・吸引チューブ89と一端部が連結した送水・吸引口88が開口している。前記送水・吸引チューブ89の他端部は、前記バルーン送水・吸引口金に連結している。また、前記先端硬性部11の外周面には前記送水・吸引口88と連通する吸引溝93が形成されている。
【0025】
図4及び図5(a)、(b)、(c)に示すように前記挿入部5内には体液の吸引や体腔内へ処置具を案内する処置具挿通用チャンネル22や体腔内を照明するライトガイド33、体腔内の観察を行うためのイメージガイド32、ガイドチューブ27に覆われ、前記超音波探触子50を回転させる回転伝達手段であるフレキシブルシャフト28、前記基端側側面87に開口した送水・吸引口88に連通した送水・吸引チューブ89、湾曲部12を上・下に湾曲させるためのアングルワイヤ21U,21D等が設けられている。
【0026】
前記ガイドチューブ27内には前記フレキシブルシャフト28と前記ガイドチューブ27の内周面との摺動性を良好にする潤滑油が充填されている。
【0027】
前記先端キャップ20は、超音波透過性に優れた高密度ポリエチレン、ポリメチルペンテン等のプラスチック材料や超音波を透過する弾性体で袋状に形成されている。この先端キャップ20の内部に配設された超音波探触子50は、回転駆動手段である回転駆動源の回転力を伝達する前記フレキシブルシャフト28によって回転して超音波を挿入部長手軸方向に対して直交する方向に出射する。つまり、この超音波探触子50は、ラジアル走査を行う。
【0028】
前記先端キャップ20の先端面には超音波を伝達する特性を有する流動パラフィン、水、カルボキシルメチルセルロース水溶液、キシロカインゼリー等超音波伝達媒体を注入するための透孔85(図4参照)が形成されている。
つまり、前記先端キャップ20内には超音波伝達媒体31が充填されている。
前記超音波探触子50のハウジング51には、フレキシブルシャフト28の回転力によって滑らかに回転するように保持する軸受部59が構成されている。
【0029】
前記支持部80の基端部には前記超音波探触子50のハウジング51の後方側に設けた2つの軸受部59の間に設けられたスペーサ58部に連通する第1の潤滑油孔60が形成されている。この第1の潤滑油孔60には超音波探触子50の挿入部長手軸方向の進退を規制するため、スペーサ58の切り欠き部57に嵌合するピン23aを備えた抜け止めネジ23が螺合配置されるようにようになっている。
【0030】
前記吸引溝93は、挿入部5の中心軸に対して偏芯して設けられており、その一部は送水、吸引口88の管路に連通するように面取りされている。
【0031】
図6に示すように操作部6の挿入部用折れ止め部材5a内に設けられた潤滑油用ブロック36(図8参照)には、前記フレキシブルシャフト28の基端部に固定された第1連結シャフト37が挿通するシャフト挿通口38が形成されている。このシャフト挿通口38の中途部には、第2の潤滑油孔39が連通している。この第2の潤滑油孔39にはOリング40aを配置したシールネジ40が螺合固定されるようになっている。
【0032】
一方、フレキシブルシャフト28が内挿されているガイドチューブ27の基端部は、潤滑油用ブロック36から突出する接続部41に外嵌されており、締め付けゴム42を設けた締め付けネジ部材43を、潤滑油用ブロック36に螺合していくことにより、前記締め付けゴム42が変形して前記ガイドチューブ27を押圧し、接続部41にガイドチューブ27を押圧固定する。
【0033】
潤滑油用ブロック36の接続部41の反対側にはフレキシブルシャフト28の基端部に固定された第1連結シャフト37を受ける軸受部44と、第1連結シャフト37を介して潤滑油が流れ出るのを防止する水密リング45と、軸受部44を潤滑油用ブロック36に固定する押さえネジ46とが設けられている。
【0034】
前記抜け止めネジ23とシールネジ40とを外した状態にして、第1の潤滑油孔60(又は第2の潤滑油孔39)から潤滑油を注入する一方、第2の潤滑油孔39(又は第1の潤滑油孔60)から潤滑油を吸引することによって、ガイドチューブ27内に潤滑油を充填することができるようになっている。
【0035】
なお、本実施形態ではガイドチューブ27内と先端キャップ20内とはOリングにより遮断されている。しかし、ガイドチューブ27内と先端キャップ20内とを連通させ、先端キャップ20内の超音波伝達媒体とガイドチューブ27内の潤滑剤とを同一部材にしても良い。
【0036】
図7に示すように超音波探触子50は、前記フレキシブルシャフト28の端部が一体的に固定されて回転自在なハウジング51に、フェライト入りのポリクロロプレンゴムやタングステン粉末入りのエポキシ樹脂等で形成した超音波吸収体であるバッキング材52、ジルコン酸チタン酸塩又はチタン酸塩等の平板状の圧電素子53及びエポキシ樹脂で形成した凹レンズ形状の音響レンズ54を接着剤55によって一体的に固設して形成されている。なお、符号56はフレキシブルシャフト28内を挿通して超音波探触子50と前記超音波観測装置4とを電気的に接続して超音波駆動信号や受信信号を伝送する信号線である。
【0037】
図8ないし図11に示すように前記超音波探触子50を先端に配設したフレキシブルシャフト28は、挿入部5内を挿通してその基端を前記第1連結シャフト37を介して操作部6の先端側に位置する挿入部用折れ止め部材5a内に設置されたカップリング部材73の一端に接続されている。
【0038】
カップリング部材73の他端には第2連結シャフト74を介して操作部内フレキシブルシャフト75が接続されている。この操作部内フレキシブルシャフト75は、保護チューブ76で覆われており、この操作部6内でユニバーサルコード側に略90°屈曲してスコープコネクタ7まで延出している。
【0039】
前記第2連結シャフト74の他端部は、ジョイント77を介してユニバーサルコード折れ止め部材8a内に設けた回転信号伝達手段であるスリップリング78の回転軸78aの一端部に接続されている。
【0040】
一方、このスリップリング78の他端側に位置する回転軸78aの他端部には回転位置検出手段であるエンコーダ79が設けられている。このエンコーダ79側の前記回転軸78aには動力伝達用のコード側フレキシブルシャフト94の一端がジョイント95を介して接続されている。
【0041】
このコード側フレキシブルシャフト94は、ユニバーサルコード8内を挿通して他端部がスコープコネクタ7内に設けた回転駆動手段であるモータ17に接続されている。
【0042】
また、ユニバーサルコード折れ止め部材8a内に設けたスリップリング78やエンコーダ79から延出する図示しない信号伝達ケーブルは、ユニバーサルコード8内を挿通してスコープコネクタ7内に導かれ、図12に示すようにスコープコネクタ7内に設けられたアンプ基板96、エンコーダ基板97にそれぞれ接続されている。
【0043】
なお、回転する部分においてはそれぞれ、他の内蔵物との接触を保護する保護部材が設けてある。また、前記操作部6内には湾曲部12を上・下に湾曲させるためのアングルワイヤ21U,21Dや湾曲機構99、前記処置具挿通用チャンネル22に連通した吸引チューブ100、この吸引チューブ100と接続された吸引ボタンシリンダ101、処置具挿入口分岐部102等が設けられている。
【0044】
ここで、図11及び図13(a)、(b)図14(a)、(b)、(c)、(b)を参照して前記バルーン送水・吸引口金6cの取り付けについて説明する。
図に示すように操作部6の把持部材111、ツナギ部材112、挿入部折れ止め部材5aを挿入部5側から挿入する。
【0045】
前記接続部材110内には基端側側面87に開口した送水・吸引口88と連通し、バルーン90内に脱気水等の超音波伝達媒体を送水・吸引する送水・吸引チューブ89に連通したブロック103が設けられている。このブロック103は、接続部材110に螺合固定され、バルーン送水・吸引口金6cと嵌合する開口114が設けられている。
【0046】
前記接続部材110には長円形の開口110aが設けられており、バルーン送水・吸引口金6cと嵌合する開口114に連通している。前記バルーン送水・吸引口金6cには長円部116が設けられている。図14(c)に示すように長円部116を、接続部材110の長円形の開口110aと方向を合わせ挿入した後、90度回転させることによって、図14(d)に示すように長円部116の一部120が接続部材110に噛み合うようになっている。
【0047】
前記バルーン送水・吸引口金6cを、接続部材110に噛み合うように配置した後、回転止め117により回転が規制され、、固定ネジ118により締め付けることにより、ツナギ部材112と接続部材110とを挟むように固定される。
上述のように構成した内視鏡2の作用を説明する。
術者は内視鏡2のスコープコネクタ7を、光源装置3に接続するとともに、スコープコネクタ7の電気コネクタ部7bに接続ケーブル15の内視鏡側コネクタ15bを接続するとともに、この接続ケーブル15の装置側コネクタ15aを超音波観測装置4に接続する。
【0048】
そして、光源装置3、超音波観測装置4の電源をON状態にし、接眼部9を覗いて体腔内を観察しながら超音波内視鏡2の挿入部5を目的部位に向けて挿入していく。このとき、術者は、吸引ボタン6d、処置具挿通口6a、バルーン送水・吸引口金6cの位置を気にすることなく、操作部6を把持して手元操作を行える。
【0049】
前記挿入部5の先端硬性部11に配置されている先端キャップ20が目的部位に到達したなら、バルーン送水・吸引口金6cからバルーン90内部に脱気水を注入していく。すると、バルーン90が膨張して体腔壁に密着する。
【0050】
その後、超音波走査を行うため、超音波観測装置4から超音波探触子50へ高圧パルスの送信を開始するとともに、スコープコネクタ7内のモータ17を駆動する。
【0051】
すると、モータ17の駆動によってフレキシブルシャフト28が回転を開始するとともに、ユニバーサルコード折れ止め部材8a内に設けられたエンコーダ79、スリップリング78の回転軸78a等が回転を開始し、送信された高圧パルスによって超音波探触子50から超音波が出射される。
【0052】
このとき、前記フレキシブルシャフト28が回転していることによってハウジング51が回転し、超音波探触子50から挿入部長手軸方向に対して垂直な方向に出射された超音波は、先端キャップ20を通過して生体内に伝播されて挿入部長手軸方向に対して垂直な方向に超音波を出射してラジアル走査を行う。
【0053】
しかしながら、先端キャップ20とほぼ平行に突出した支持部80に設けた吸音シート82部分で、先端キャップ20を通過した超音波は吸音される。その結果、前記支持部80の位置での超音波画像は得られず、図15の二点鎖線に示すような超音波走査範囲になり、その範囲で超音波診断を行う。
【0054】
診断終了後、術者はバルーン90内の脱気水をバルーン送水・吸引口金6cから吸引してバルーン90を収縮させてから挿入部5を体腔外へ抜去する。
【0055】
なお、前記バルーン90内の脱気水は、支持部80の基端側側面87に設けられた送水・吸引口88、吸引溝93より吸引される。
【0056】
また、本実施形態においては図16に示すバルーン90膨張状態より、さらにバルーン90を膨張させてしまった場合、図17に示すようにバルーン90のOリング部91が先端側バルーン溝86fから外れて脱気水が排出されたり、図18に示すようにOリング部92が外周面の一部に設けられた平面部201へ移動する。このことにより、Oリング部92のシール状態がこの平面部201で解除されて、脱気水がOリング部92と平面部201との隙間から排出される。
【0057】
このように、吸引ボタン、処置具挿入口、バルーン送水・吸引口金を、湾曲操作ノブの設置部と同一面上の湾曲方向上側に一直線上に配置したことによって、術者は操作部を左右いずれの手で把持した場合でも内視鏡操作を行うことができる。
【0058】
また、バルーン送水・吸引口金を、操作部の最下端に設けることによって、内視鏡機能を損なうことなく超音波機能用の管路を設置することができる。
このことによって、超音波内視鏡の小型化を図れる。
【0059】
なお、本実施形態では吸引ボタン6dと処置具挿通口6aとが別体な構成を示したが、図19の操作部の他の構成を説明する図に示すように吸引ボタン6dと処置具挿通口6aとを一体に構成するようにしてもよい。
【0060】
なお、本発明は、以上述べた実施形態のみに限定されるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲で種々変形実施可能である。
【0061】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、操作部を左右どちらの手で把持することが可能で、操作性に優れた超音波内視鏡を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1ないし図19は本発明の一実施形態に係り、図1は超音波内視鏡を備えた超音波内視鏡システムの構成を説明する図
【図2】操作部に配置される吸引ボタン、処置具挿通口、バルーン送水・吸引口金の位置関係を説明する図
【図3】超音波内視鏡の超音波送受信部を正面、側面及び下面から見たときの図
【図4】図3(a)のA−A線断面図
【図5】超音波内視鏡の先端部分の断面図
【図6】潤滑油用ブロックの構成を説明する図
【図7】超音波探触子の構成を説明する図
【図8】挿入部折れ止め部材内の構成例を説明する図
【図9】操作部内の構成例を説明する図
【図10】スリップリング、エンコーダを配置したユニバーサルコード折れ止め部材内の構成例を説明する図
【図11】操作部内に配置された管路を説明する図
【図12】スコープコネクタ内の構成を説明する図
【図13】バルーン送水・吸引口金を説明する図
【図14】バルーン送水・吸引口金の構造及び取り付け構造を説明する図
【図15】超音波送受信部の超音波走査範囲を説明する図
【図16】バルーン膨張状態を説明する図
【図17】過膨張したときバルーン内から脱気水が排出される1例を示す図
【図18】過膨張したときバルーン内から脱気水が排出される他の例を示す図
【図19】操作部の他の構成を説明する図
【符号の説明】
2…超音波内視鏡
6…操作部
6a…処置具挿通口
6c…バルーン送水・吸引口金
6d…吸引ボタン
6e…リモートスイッチ
9…接眼部

Claims (1)

  1. 内視鏡の挿入部と
    前記挿入部の先端側に設けられる上下方向に湾曲可能な湾曲部と
    前記挿入部の前記湾曲部よりも先端側に設けられる超音波送受信部を覆うバルーンと
    前記挿入部内に設けられる処置具を挿通するための処置具挿通管路と
    前記挿入部内に設けられ、前記バルーン内に超音波を伝達する媒体を送液または該バルーン内から該媒体を吸引するための超音波伝達媒体給排水管路と
    前記湾曲部の湾曲方向上側に処置具挿通口を形成する面を有する操作部と
    前記操作部の前記面に設けられた、前記処置具挿通管路から吸引操作を行う吸引ボタンを取り付けるための吸引ボタンシリンダと
    前記吸引ボタンシリンダに接続された吸引チューブと
    前記操作部の前記面に設けられ、湾曲上方向側に開口するように超音波伝達媒体給排水口を形成する超音波伝達媒体給排水口金と
    前記操作部内に設けられ、前記処置具挿通管路を保持して該処置具挿通管路と前記吸引チューブと前記処置具挿通口とを連通する処置具挿入口分岐部と
    前記操作部内に設けられ、前記超音波伝達媒体給排水管路を保持して該超音波伝達媒体給排水管路と前記超音波伝達媒体給排水口金とを連通するブロックと
    を備えたことを特徴とする超音波内視鏡。
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