JP3918153B2 - 分注装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、シリンダユニットによって、試液容器等から定量吸入するなどして供給された試液(検体含む)を、小容器に定量吐出するための分注(吐出)装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
一般に、この種分注装置は、試液を複数の小容器に小分けして定量吐出した後、小容器を揺動させて小容器内の検体と吐出液とを混和する必要が生じる。
【0003】
ところで、従来、例えば特開2001−169771号公報に開示された図1〜3に示す如く、分注位置に設けられた液注入部(K14)に、傾斜保持された試験管(K31)に対し、分注ヘッド部(K72)に設けられた各種試液(サンプル、試薬、菌)用の各分注ノズル(K74、K75、K76)を動作させて順次吐出した後、ヘッド部(K72)が菌液セット部(K13)に移動して液注入部(K14)から離れている間、モータ(K47)により偏心カム(K46)を正逆方向に一定角度回動させて、液注入部(K14)に保持されている試験管(K31)を揺動させ、これにより分注されたサンプル液および緩衝液を攪拌して混和するようにしたものが知られている。
しかしながら、このものは、図4、5に示すごとく、一本の試験管(K31)を容器ラックとしてのコ字状部材44に支持させ、軸(K43a,K43b)を中心に所定角度をもって、所謂容器ラック自体を振り子状に揺動させる構造であり、分注位置への位置決めは、回転移動する分注ヘッド部(K72)を自在に制御し、偏心カム(K46)の回転角度を検出する角度センサ(K48)を設けるなどにより行うようにした当該装置専用に構成された撹拌機構であるため、専門の分析や反応を行う特定の分野にのみ供することには適しているものの、例えば、小容器ラックに縦横複数配列してセットされた小容器に、1種類の検体を予め分注しておき、順次試液を吐出するような使い勝手のものに対応することができず、種々の分析や分注形態の要求に対応することができないため汎用性に欠けると共に、専用に供されるが故に製作コストが高くなるという問題がある。
なお上記符号と共に付した記号(K)は当該公報に所載の符号であることを示す。
【0004】
一方、この様な分注装置は、市販されている任意の攪拌機、加振機、振動機、ミキサーなどの揺動機器を選択しそのまま転用し、できるだけ安価に製作することが望まれている。
しかしながら、市販の攪拌機や加振機などでは、本来単独で使用されることを前提に製作されたものであり、揺動停止後の位置決め等の必要性もないことから位置決め機能を具備しておらず、分注装置に単に隣設させて使用されていたにすぎないため、例えば、小容器ラックを他の工程に位置決めした状態で搬送するなどの自動化が要求される場合、この自動工程中に組み込むことができず、他の工程との連繋が図れないという問題がある。
【0005】
【特許文献1】
特開2001−169771号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記の如き問題点を一掃すべく創案されたものであって、分注と揺動を同一箇所で行えるようにしたものでありながら、分注テーブルにセッティングされる小容器ラックとは無関係に、分注テーブル自体を揺動することができ、しかも、揺動停止に伴う分注位置との位置ズレ復帰とその揺動規制は、分注テーブルに対し揺動機器の構造に影響されない構成をもって、小容器を最適な分注位置に位置決めすることができる。その結果、種々の汎用性有る安価な揺動機器のアッセンブリが簡易化されて、当該分注装置に最適なものを選択的に導入することが可能となり、さらに、搬送手段の導入に際しても、適正な分注位置への復帰をそのまま適正な搬送位置として利用できると共に、揺動機器が搬送経路に配置されない構成が確保され、小容器ラックの次工程への移送や反復受け渡し連繋がスムーズに行え、搬送手段の構造を簡素化することができ、小規模な分注装置の自動化要請に対しその導入を安価にかつ容易に行うことができる分注装置を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために本発明が採用した技術手段は、分注ノズル下面領域の分注位置に設けられ小容器ラックがセットされる分注テーブルと、試液容器、廃液ボトル、作業テーブル等の任意装備とを備え、前記シリンダユニットを上下、前後または左右方向に可動して、前記試液容器等から供給された試液を前記小容器に定量吐出する分注装置であって、前記分注テーブルを、その近傍に設けた攪拌機等の揺動機器に連結せしめて揺動可能に構成し、かつ、その近傍に設けた位置決め手段により、前記揺動手段の駆動停止に伴って、前記小容器が分注位置から外れ分注不能に位置ズレした分注テーブルを、前記適正な分注位置に押動させて位置ズレ復帰と揺動規制とをすべく構成したことを特徴とするものである。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を好適な実施の形態として例示する分注装置を図面に基づいて詳細に説明する。図1は分注装置の全体正面図、図2は分注装置の全体平面図、図3は分注テーブル部の詳細正面図、図4は注テーブルの位置決め手段詳細図、図5は小容器ラック搬送体の平面図、図6は小容器ラック搬送体の側面図、図7は作業テーブルの正面図である。図に示すように、1は分析装置11に隣接された自動分注装置であって、該分注装置1は、基台101上に、後部側の駆動制御ユニットボックス12内に設けられた制御機構(図示せず)により、前後、左右、上下(XYZ軸)方向の任意に動作制御される分注機構2と、任意装備3として横列状に配されるノズルチップ321の廃棄ボックス31、ノズルチップ321をセットするチップラック32、試液等のボトル331を収容するボトルラック33、液中の磁性体を分離反応するためのマグネット作業テーブル34、不要な試液等を廃棄する廃棄ボックス35、およびこの廃液をシリコンチューブ351を介して収容する廃棄ボトル36と、揺動手段としての攪拌機41に揺動可能に連結された分注テーブル4と、前記分析装置11に設けられた分析テーブル111を備えている。
【0009】
5は小容器ラックであって、該小容器ラック5には、縦横4×6列の都合24個のセット孔501が穿設され、小容器51がセットされる。そして、この小容器ラック5が後述する搬送手段6により分注テーブル4、作業テーブル34、分析テーブル111に搬送されるようになっている。なお、小容器ラック5と小容器51が一体形成されたパッケージ式のもの、小容器51が複数一体成形されたカートリッジ式もの等であっても良く、また、小容器ラックは、試験管セット用のものとしても良い。
【0010】
前記分注機構2は、モータ211により正逆回転する送りネジ212に案内されて上下動するシリンダユニット21と、該シリンダユニット21を、モータ駆動(図示しない)によりX軸案内レール221に支持させて前後方向に動作し、Y軸案内レール222にX軸案内レール221と共に支持させて左右方向に動作させる作動機構22とによって構成され、全体が支持柱102上の棚板103に取り付けられて基台101から所定空間をもって配設されている。
前記シリンダユニット21は、先端に前記ノズルチップ321を抜け止め装着するためのOリングが設けられたシリンダ213と、該シリンダ213装着されたノズルチップ321内に、前記試液ボトル331から試液を吸入し、分注テーブル4上の各小容器51、51……に定量吐出する駆動ポンプ215とで構成され、前記作動機構22により小容器51、51……の配置部位等に対し精度良く位置決めし分注するようになっている。214はバネにより常時上方へ付勢されたイジェクタで、該イジェクタ214は、使用済みのノズルチップ321を下方に押し下げてシリンダ213より取り外し廃棄ボックス31へ廃棄するようになっている。なお、シリンダユニット21は、駆動ポンプ215によらずシリンダ213内に密封嵌装されて駆動機構によりピストン駆動するプランジャーとからなるシリンダユニットとしても良い。
【0011】
前記攪拌機41は、偏心軸構造により前後または左右、または前後左右の円運動により平面揺動する機能を備えるが、位置決め機能を備え無いものであり、前記分注テーブル4の下面域に形成された機器収容部(収容スペース)42において、基台101に設けられた取付けプレート411、411によって固定されている。この取付けプレート411は、L字状に形成されたものを攪拌機41の角部面を面当て固定するよう対角線上に配設させれており、基台101に穿設された長孔(図示しない)と取付けプレート411に穿設された長孔411aとにより、攪拌機41の大きさや製作メーカーが異なるものであっても取り付けられるよう、また、位置調整できるようにネジ止めにより調整取着可能になっている。なお、攪拌機41に予め設けられているスイッチ等は切断され前記制御機構により動作制御される。
【0012】
前記分注テーブル4は、小容器ラック5のセットが行い易く、把持し易いようにテーブル面の中央がくびれた工字状面に形成され、四隅部に小容器ラック5がセットされた際のズレを防止するための立上りパット片402が設けられており、前記攪拌機41に対してその上部に取り付けられる矩形の接続部材401を介して一体的に連結される。つまり、分注テーブル4は、その下面部に配設されるされるよう攪拌機41上に載置された状態で取り付けられ、これにより水平揺動可能に構成されており、攪拌機41は分注テーブル4の揺動架台に兼用する機能をもって構成されている。
なお、接続部材401の攪拌機41に対するネジ止め孔は長孔(図示しない)に形成されていて、攪拌機41の大きさや製作メーカーが異なるものであっても取り付けられるよう、また、位置調整できるようになっている。これにより、前記取付けプレート411と相俟って、攪拌機41に代えて加振機、振動機など任意の揺動機器に取替え、セットできる。また、前記パット片402は小容器ラックの大きさ、形状等に併せて取り替えられるようになっている。
【0013】
一方、分注テーブル4の近傍には、前記接続部材401に対して押圧・離間動作する位置決め手段7が設けられている。この位置決め手段7は、ケーシング711内に、エアーの流入圧力により図示しないピニオンギアを回転させ、エアーの流入を停止することでピニオンギアを逆転させて、該ピニオンギアに歯合する一対のラックが互いに近接・離間して背反方向に動作する機構を備えた駆動部71を2箇所の取付けフレーム701に取着したものである。各駆動部71、71のそれぞれのラックには、押動体71aと71bと、押動体71cと71dが固定されており、所定のストローク間でピストン駆動する、所謂公知のワーク把持機構により構成される。
前記取付けフレーム701は、二部材に分割形成されており、それぞれが上下高さ調整可能にボルト702止めされ、また、基台に対して前後調整可能にボルト702止めされており、使用される揺動機器の大きさに適合して高さ位置や奥行き位置を考慮した最適な位置に駆動部71を配設できるようになっている。
【0014】
各押動体71a、71b、71c、71dには、前記接続部材401の各四周面に当接する樹脂製リングにて形成された当接体72がそれぞれ2個ずつ配設されている。すなわち、押動体71aと71bは前後方向から、押動体71cと71dは左右方向から、それぞれ接続部材401の各四周面に対して把持するよう近接動作させて前記当接体72、72……により押圧する構成となっており、各当接体72、72……は、押動体71dを、押動体71bの交差下面部に形成された凹溝部73を通って交差させることで同一軌条面に配置される。これにより、攪拌機41の駆動停止に伴って位置ズレした分注テーブル4を、前記押動体71aと71b、71cと71dにより強制的に押動して適正な分注位置に復帰させる位置決めがなされ、分注作業と撹拌作業が同一箇所である分注テーブル4で行なわれるようになっている。
なお、本実施例においては、押動体を4箇所に配設させて四周方向から分注テーブル4を押動するように構成したがこれに限定されるものでなく、例えば押動体71dを設けずに3方向から押動することでも位置決めが行えるものである。
【0015】
前記搬送手段6は、搬送工程として分注テーブル4から分析テーブル111に亘ってその後方に設けられた搬送レール61と、該搬送レール61に設けられたモータ611により正逆回転する送りネジ612に螺合案内され、前記小容器ラック5を把持して、分注テーブル4、作業テーブル34、分析テーブル111の各テーブル間を任意動作に基づいて移動するラック搬送体62とで構成される。前記ラック搬送体62は、前述した駆動部71と、該駆動部71の一対のラックにそれぞれ取り付けられて互いに所定ストローク内で近接・離間動作する略L字状の把持腕部63、63とから構成され、かつ、この把持腕部63、63は、モータ613により正逆回転する送りネジ614で上下動するようになっている。これにより、把持腕部63、63が前記小容器ラック5を略L字状部に載せる状態で把持し、把持腕部63、63が上動して、任意テーブルへ搬送する構成となっている。
また、把持腕部63には、分注テーブル4に小容器ラック5がセットされた際に、その浮き上がりをチェックする位置センサー631が設けられていて、セッティング不良があると該位置センサー631の正常信号が出力されず、異常ブザーを発して次作業が行われない制御が成される。
【0016】
前記作業テーブル34には、小容器ラック5にセットされた小容器51、51の縦列間に挿入されるL字状のセッティングブロック341が所定間隔を存して都合5列設けられており、テーブル面が凹凸面に形成されている。各セッティングブロック341、341……のそれぞれの側面には、取付け孔が複数穿設されており、この取付け孔にマグネット342が都合6個挿着されている。これにより、作業テーブル34上に小容器ラック5が載置された際、各マグネット342が各小容器51、51間に入り込んで(挿入されて)検体液中の磁性体を分離反応することができるようになっている。なお、セッティングブロック341は、小容器51配列や形状変化に対応できるようボルト等により、その間隔や配置の調整を行うことができる。
【0017】
次に、本装置の自動分注動作について説明する。全てのワーク動作は、前記駆動制御ユニットボックス12内に設けられた制御機構によりプログラミング制御されて自動化がなされており、電源を投入することで、分注機構2のチップラック32への移動、分注テーブル4の位置決め(押動体71a〜71dが当接した揺動規制状態)、ラック搬送体62の分注テーブル4への移動等全ての機能がリセットされ所定の原点位置に復帰する。なお、前記揺動規制状態とするタイミングは分注前において任意である。
次に、押動体71a〜71dにより固定された状態の分注テーブル4に小容器51がセットされた小容器ラック5を載せて、スタートボタン121をONすると、分注機構2は、前記制御機構によりプログラミング制御されて、所定のワーク位置に移動し、上下動して任意動作を行う。つまり、分注機構2は、先ず、チップラック32上に移動し、シリンダユニット21を下動してシリンダ213の先端にノズルチップ321を挿着後、再び上動してボトルラック33へ移動する。同様の上下動作により試液等のボトル331からノズルチップ321内に試液を吸入し、分注テーブル4上に移動して各小容器51に定量吐出(必要において小容器51より吸入)する分注作業が行われる。
分注作業が終了すると、廃棄ボックス31へ移動し、イジェクタ214が下方に押し下げられノズルチップ321をシリンダ213より取り外し廃棄する。
【0018】
一方、分注テーブル4では、押動体71a〜71dの離間動作が行われ前記の揺動規制状態が解除され、攪拌機41が作動し分注テーブル4を所定時間揺動して、小容器51内の検体と試液を撹拌混和する。この分注・撹拌工程が終了すると、再び押動体71a〜71dにより分注テーブル4を押動し、揺動後の位置ズレを強制的に復帰させて分注テーブル4を固定した状態に保持すると、前記ラック搬送体62が下動して、小容器ラック5を、把持腕部63、63により把持し、上動後、作業テーブル34に搬送する。
この作業テーブル34上で所定時間磁性反応を行わしめた後、小容器ラック5は、再び把持腕部63、63で把持されて分注テーブル4に搬送され、所定の分注作業が行われる。この分注−磁性反応作業を数回繰り返すために、小容器ラック5は、分注テーブル4−作業テーブル34間を反復搬送する。しかる後、作業テーブル34から分析テーブル111へ搬送されて分析装置11内に送り込まれ、所定の分析作業が完了すると分析テーブル111上に送出されて一連の作業工程が完了する。なお、122はストップボタン、123は非常停止ボタンである。
【0019】
叙述の如く構成された本発明の実施例の形態において、分注機構2が分注テーブル4上に移動し、ノズルチップ321内に吸入した試液を各子容器51、51……に順次小分けして定量吐出(分注)する作業が行われるのであるが、分注テーブル4は、その近傍に設けた攪拌機41等の揺動手段に連結されて揺動可能に構成されるが、前記攪拌機41は位置決め機能を備えておらず、駆動停止された際には常に揺動可能状態となっているため、小容器ラック5のセッティング時等に手が触れるなどの外部要因によって簡単に動いてしまい、前記小容器51がノズルチップ321の分注位置から外れ分注不能な状態に位置ズレを生じてしまう。
しかしながら、本発明等における分注装置1には、分注テーブル4の近傍に位置決め手段7が設けられており、この位置決め手段7によって、前記小容器51が分注位置から外れ分注不能に位置ズレした状態の分注テーブルを、前記適正な分注位置に押動させて強制的に復帰せしめ揺動規制(振れ止め、位置決め、または位置ズレ規制など)した状態で分注し、分注後にこの規制状態を解除すべく構成されているため、分注作業と揺動作業の工程を同一箇所である分注テーブル4上で行えるようにしたものでありながら、分注テーブル4にセッティングされる小容器ラック5とは無関係に、分注テーブル4自体を揺動することができ、しかも、揺動停止に伴う分注位置との位置ズレ復帰とその揺動規制を、分注テーブル4に対し、例えば、攪拌機41の構造に何ら影響されない構成をもって、小容器51を最適な分注位置に位置決めすることができる。
その結果、種々の汎用性有る位置決め機能を有しない安価な揺動機器の採用を可能とし、そのアッセンブリが簡易化されて、当該分注装置1に最適なものを選択的に導入することが可能となるばかりか、搬送手段の導入や連繋に際しても、適正な分注位置への復帰をそのまま適正な搬送位置として利用できると共に、揺動機器が搬送経路上に配置されない構成が確保され、小容器ラック5の次工程となる作業テーブル34への移送や、反復受け渡し連繋がスムーズに行え、搬送手段6の構造を簡素化することができ、小規模な分注装置1の自動化要請に対しその導入を安価にかつ容易に行うことができる。
【0020】
つまり、前記位置決め手段7は、前記分注テーブル4に対して押圧・離間する一対の押動体71aと71bと、71cと71dを有し、この押動体71a〜71dの押圧動作により位置ズレ修正すべく構成されており、この位置ズレ修正した状態を保持することにより、分注テーブル4はしっかりと揺動規制された固定状態となり動くことがない。したがって、この規制状態のまま小容器ラック5のセッティング等を行っても不用意に動いて位置ズレしてしまうことが無く、直ちに分注作業を開始することができるばかりか、押動体の押圧動作と離間動作という簡単な動作により制御できるので、分注テーブル4の位置決め状態と揺動可能状態との切り替えを、分注工程や搬送工程の動作制御に適合してタイミング良くスムーズに行うことができる。
また、前記押動体71a〜71dの全てを用いる必要が無く、少なくとも3方向から押圧するよう構成されていれば良く、その押圧も分注テーブル4の裏面に形成された攪拌機41との接続部材401の四周面に対して行われ、押動体が分注や搬送作業の邪魔となることがない。
【0021】
また、前記攪拌機41は、分注テーブルの下面域に形成された機器収容部42に収容されると共に、該機器収容部42は、汎用性有る任意の揺動機器を選択的に収容可能に構成されていることにより、攪拌機41を分注テーブル4の架台として兼用(利用)することができ、種々の汎用性有る安価な揺動機器のアッセンブリが容易となり、当該分注装置1に最適なものを選択的に導入することが可能となる。
そして、揺動手段は、回転軸の偏心により分注テーブル4を平面的な1次元的または2次元的に揺動する攪拌機41であるので、小容器ラック5を単に分注テーブル4に載せた状態で揺動でき、前記接続部材401の高さを低くすることができる。なお、2次元的な揺動を行う場合には、各小容器51を一体としてカバーするカバー体などを用いて容器内の試液が漏れないようにすればよい。
【0022】
また、前記分注装置1には、前記分注テーブル4にセットされ、前記分注位置に位置決めされた小容器ラック5を把持し、所定の分析、反応等を行う工程へ搬送する搬送手段6が備えられ、該搬送手段6は、小容器ラック5を、搬送工程として設けられた作業テーブル34に搬送し、該作業テーブル34から前記分注テーブル4に再セットされる繰り返し搬送工程により構成されていても、撹拌後の位置ズレを押動体71a〜71dにより、分注テーブル4を前記適正な分注位置に押動させて位置ズレ修正し揺動規制した状態、つまり、位置決めされた状態の小容器ラック5を前記ラック搬送体62によって把持することができ、搬送受け渡しが確実に精度良く行われ、作業テーブル34の各セッティングブロック341、341……がそれぞれに対応した小容器51、51間に挿入される所定位置に的確に載置することができる。
【0023】
【発明の効果】
本発明は、前記分注テーブル4を、その近傍に設けた攪拌機等の位置決め機能を備えていない揺動手段41に連結せしめて揺動可能に構成し、かつ、その近傍に前記分注テーブルの押動と揺動規制を行なわしめる位置決め手段7を設けると共に、前記揺動手段41の駆動停止に伴って、前記小容器51が分注位置から外れ分注不能に位置ズレした分注テーブル4を、前記位置決め手段によって適正な分注位置に押動させて位置ズレ復帰させ、かつ、分注時に揺動規制させて位置決め状態を保持し、分注後に揺動規制を解除すべく構成したことにより、分注と揺動を同一箇所で行えるようにしたものでありながら、分注テーブル4にセッティングされる小容器ラック5とは無関係に、分注テーブル4自体を揺動することができ、しかも、揺動停止に伴う分注位置との位置ズレ復帰とその揺動規制は、分注テーブル4に対し揺動機器の構造に影響されない構成をもって、小容器51を最適な分注位置に位置決めすることができる。その結果、種々の汎用性有る安価な揺動機器のアッセンブリが簡易化されて、当該分注装置に最適なものを選択的に導入することが可能となり、さらに、搬送手段6の導入に際しても、適正な分注位置への復帰をそのまま適正な搬送位置として利用できると共に、揺動機器が搬送経路に配置されない構成が確保され、小容器ラック5の次工程への移送や反復受け渡し連繋がスムーズに行え、搬送手段6の構造を簡素化することができ、小規模な分注装置の自動化要請に対しその導入を安価にかつ容易に行うことができる
【図面の簡単な説明】
【図1】分注装置の全体正面図。
【図2】分注装置の全体平面図。
【図3】分注テーブル部の詳細正面図。
【図4】注テーブルの位置決め手段詳細図
【図5】小容器ラック搬送体の平面図
【図6】小容器ラック搬送体の側面図
【図7】(A)は作業テーブルの正面図、(B)はセッティングブロックの斜視図
【符号の説明】
1 分注装置
101 基台
102 支持柱
103 棚板
11 分析装置
111 分析テーブル
12 駆動制御ユニットボックス
121 スタートボタン
2 分注機構
21 シリンダユニット
211 モータ
212 送りネジ
213 シリンダ
214 イジェクタ
215 駆動ポンプ
22 作動機構
221 X軸案内レール
222 Y軸案内レール
3 任意装備
31 廃棄ボックス
32 チップラック
321 ノズルチップ
33 ボトルラック
331 試液ボトル
34 作業テーブル
341 セッティングブロック
342 マグネット
35 廃棄ボックス
351 シリコンチューブ
36 廃棄ボトル
4 分注テーブル
401 接続部材
402 パット片
41 攪拌機(揺動手段)
411 取付けプレート
411a 長孔
42 機器収容部
44 コ字状部材
5 小容器ラック
501 セット孔
51 小容器
6 搬送手段
61 搬送レール
611 モータ
612 送りネジ
613 モータ
614 送りネジ
62 ラック搬送体
63 把持腕部
631 位置センサー
7 位置決め手段
701 フレーム
702 ボルト
71 駆動部
711 ケーシング
71a 押動体
71b 押動体
71c 押動体
71d 押動体
72 当接体
73 凹溝部
Claims (6)
- 分注ノズル下面領域の分注位置に設けられ小容器ラックがセットされる分注テーブルと、シリンダユニット、試液容器、廃液ボトル、作業テーブル等の任意装備とを備え、前記シリンダユニットを上下、前後または左右方向に可動して、前記試液容器等から供給された試液を前記小容器に定量吐出する分注装置であって、前記分注テーブルを、その近傍に設けた攪拌機等の位置決め機能を備えていない揺動手段に連結せしめて揺動可能に構成し、かつ、その近傍に前記分注テーブルの押動と揺動規制を行なわしめる位置決め手段を設けると共に、前記揺動手段の駆動停止に伴って、前記小容器が分注位置から外れ分注不能に位置ズレした分注テーブルを、前記位置決め手段によって、適正な分注位置に押動させて位置ズレ復帰させ、かつ、分注時に揺動規制させて位置決め状態を保持し、分注後に揺動規制を解除すべく構成したことを特徴とする分注装置。
- 請求項1において、前記位置決め手段は、前記分注テーブルに対して押圧・離間する押動体を有し、該押動体の押圧動作により位置ズレ修正すべく構成されていることを特徴とする分注装置。
- 請求項2において、前記押動体は、分注テーブルの裏面に形成された四周面に対し、少なくとも3方向から押圧するよう構成されていることを特徴とする分注装置。
- 請求項1乃至3のいずれかにおいて、前記揺動手段は、分注テーブルの下面域に形成された機器収容部に収容されると共に、該機器収容部は、汎用性有る任意の揺動機器を選択的に収容可能に構成されていることを特徴とする分注装置。
- 請求項1乃至4のいずれかにおいて、前記揺動手段は、回転軸の偏心により分注テーブルを揺動する攪拌機であることを特徴とする分注装置。
- 請求項1乃至5のいずれかにおいて、前記分注装置には、前記分注テーブルにセットされ、前記分注位置に位置決めされた小容器ラックを把持し、所定の分析、反応等を行う工程へ搬送する搬送手段が備えられ、該搬送手段は、小容器ラックを、搬送工程として設けられた作業テーブルに搬送し、該作業テーブルから前記分注テーブルに再セットされることを特徴とする分注装置。
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