JP3917893B2 - 電子撮像装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、撮像素子を有する電子撮像装置に係わり、例えばカメラシステムなどの構成部材に付着した塵を除去可能な防塵機能付きの電子撮像装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、光学装置の防塵機能に関する技術の一例としては、撮像素子を保護する保護ガラス(防塵ガラス)を振動させることで、そのガラスに付着した塵を払い落とすという技術が提案されている。具体的に例えば、特願平2000−401291号に教示されたものがあり、これには、ガラス板を振動させる手段として圧電素子が用いられている。この圧電素子は印加される電圧に反応して伸縮して、取り付けられたガラス板を所定の1つの周期で加振するものである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
種々のアクセサリ装置が着脱自在に提供されており、運用に際して所望のアクセサリ装置をその本体に装着して利用される。ただしカメラの場合などは、交換レンズの着脱のほかにも、アクセサリ装置の着脱をするとカメラの内部に外部の空気が循環してカメラ内部には空気中の塵が進入し、この塵がレンズガラスやCCDなどの表面に付着することが多い。
しかしながら、上記特願平2000−401291号には、アクセサリ装置の着脱時にガラス板に付着する塵を除去する点に関しての開示はされていない。
【0004】
そこで本発明の目的は、アクセサリ装置の着脱時に構成部材に付着する塵を確実に除去するような防塵機能付きの電子撮像装置を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決し目的を達成するため本発明では次のような手段を講じている。即ち第1の態様によれば、被写体の光学像を電気信号に変換する撮像手段を有する電子撮像装置において、この電子撮像装置に着脱自在なアクセサリ装置と、上記撮像手段の前面に配置された光学素子と、上記光学素子を振動させる加振手段と、上記加振手段に対して周波数信号を供給することによって、上記加振手段を駆動する駆動制御手段と、を具備し、上記駆動制御手段は、上記光学素子の共振周波数を検出するために上記加振手段を駆動する共振周波数検出モードと、上記光学素子に付着した塵を除去するために上記加振手段を駆動する塵除去モードとを有し、上記アクセサリ装置が装着されたタイミングにおいては、上記共振周波数検出モードと上記塵除去モードを連続して実行するように制御するような電子撮像装置を提案する。
【0006】
第2の態様によれば、被写体の光学像を電気信号に変換する撮像手段を有する電子撮像装置において、上記電子撮像装置に着脱自在であって、上記撮像手段に上記光学像を結像させる撮像光学系と、上記撮像光学系と上記撮像手段との間に配される光学素子と、上記光学素子を振動させる加振手段と、上記加振手段に対して周波数信号を供給することによって、上記加振手段を駆動する駆動制御手段と、を具備しており、上記駆動制御手段は、上記撮像光学系が上記電子撮像装置に装着されると、上記光学素子の共振周波数を検出する為の共振点検出動作を実行した後、上記共振点検出動作によって検出された共振周波数で上記加振手段を駆動して、上記光学素子の振動を制御するような電子撮像装置を提案する。
【0007】
また、第3の態様によれば、被写体の光学像を電気信号に変換する撮像手段を有する電子撮像装置において、上記電子撮像装置に着脱自在であって、上記撮像手段に上記光学像を結像させる撮像光学系と、上記撮像光学系と上記撮像手段との間に配される光学素子と、上記光学素子を振動させる加振手段と、上記加振手段に対して周波数信号を供給することによって、上記加振手段を駆動する駆動制御手段と、を具備しており、上記駆動制御手段は、上記光学素子の共振周波数を検出するために上記加振手段を駆動する共振周波数検出モードと、上記光学素子に付着した塵を除去するために上記加振手段を駆動する塵除去モードとを有し、上記撮像光学系が装着されたタイミングにおいては、上記共振周波数検出モードと上記塵除去モードを連続して実行し、撮像動作に先立つ所定のタイミングにおいては、上記塵除去モードのみを実行するように制御するような電子撮像装置を提案する。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係わる防塵機能付きの電子撮像装置として、撮像素子と種々のアクセサリを有するカメラシステムを例に挙げ、実施形態に基づき詳しく説明する。
図1には、本発明に係わる一実施形態のカメラシステム構成をブロック構成図で示す。このカメラシステムは、カメラ本体としてのボディユニット100と、アクセサリ装置(以下「アクセサリ」と略称する)として例えば、交換レンズとしてのレンズユニット10と、撮影した画像データを記録しておく記録メディア27、外部電源70および外付けのストロボユニット80などから主にシステム構成されている。
【0009】
ユーザが所望するレンズユニット10は、ボディユニット100の前面に設けられたレンズマウント(不図示)を介して着脱自在に設定されている。
上記の記録メディア27は、各種のメモリカードや、外付けのHDD等の外部記録媒体であり、通信コネクタ35を介してカメラ本体と通信可能かつ交換可能に装着される。
上記の外部電源70はAC/DCコンバータ機能を内蔵し、付属するコネクタ71とプラグ72を介して、例えば家庭用電源コンセントからカメラ本体側のジャック37へ、プラグ72を差し込むことで必要な電力が供給可能になっている。
【0010】
また上記のストロボユニット80は、閃光電球81、DC/DCコンバータ82、ストロボ制御マイクロコンピュータ83および電池84から成り、ストロボ通信コネクタ85を介してカメラ本体と通信可能に装着できる。
【0011】
レンズユニット10の制御はレンズ制御用マイクロコンピュータ(以下”Lucom”と称する)5が行う。ボディユニット100の制御はボディ制御用マイクロコンピュータ(以下“Bucom”と称する)50が行う。尚、これらLucom5とBucom50とは、合体時において通信コネクタ6を介して通信可能に電気的接続がなされる。そしてカメラシステムとしてLucom5がBucom50に従属的に協働しながら稼動するようになっている。
【0012】
レンズユニット10内には撮影レンズ1と絞り3が設けられている。撮影レンズ1はレンズ駆動機構2内に在る図示しないDCモータによって駆動される。絞り3は絞り駆動機構4内に在る図示しないステッピングモータによって駆動される。Lucom5はBucom50の指令に従ってこれら各モータを制御する。
【0013】
ボディユニット100内には次の構成部材が図示のように配設されている。例えば、光学系としての一眼レフ方式の構成部材(クイックリターンミラー11、ペンタプリズム12、接眼レンズ13、サブミラー14)と、光軸上のフォーカルプレーン式のシャッタ15と、上記サブミラー14からの反射光束を受けて自動測距する為のAFセンサユニット16が設けられている。
また、上記AFセンサユニット16を駆動制御するAFセンサ駆動回路17と、上記クイックリターンミラー11を駆動制御するミラー駆動機構18と、上記シャッタ15の先幕と後幕を駆動するばねをチャージするシャッタチャージ機構19と、それら先幕と後幕の動きを制御するシャッタ制御回路20と、上記ペンタプリズム12からの光束に基づき測光処理する測光回路21が設けられている。
【0014】
光軸上には、上記光学系を通過した被写体像を光電変換するためのCCDユニット22が光電変換素子として設けられ、更にこのCCDユニット22と撮影レンズ1との間に配された光学素子としての防塵ガラス30によって保護されている。そして、この防塵ガラス30を所定の周波数で振動させる加振手段の一部として例えば圧電素子31がその防塵ガラス30の周縁部に取り付けられている。
【0015】
また、圧電素子31は2つの電極(詳細後述)を有しており、この圧電素子31が加振手段の一部としての防塵ガラス駆動回路40によって防塵ガラス30を振動させ、そのガラス表面に付着していた塵を除去できるように構成されている。よって、このカメラシステムはいわゆる「防塵機能付きカメラ」に属する基本構造をもつ電子カメラである。
なお、CCDユニット22の周辺の温度を測定するために、防塵ガラス30の近傍には、温度測定回路33が設けられている。
【0016】
このカメラシステムにはまた、CCDユニット22に接続したCCDインターフェイス回路23、液晶モニタ24、記憶領域として設けられたSDRAM25、FlashROM26および記録メディア27などを利用して画像処理する画像処理コントローラ28とが設けられ、電子撮像機能と共に電子記録表示機能を提供できるように構成されている。
その他の記憶領域としては、カメラ制御に必要な所定の制御パラメータを記憶する不揮発性記憶手段として例えばEEPROMから成る不揮発性メモリ29が、Bucom50からアクセス可能に設けられている。
【0017】
Bucom50には、当該カメラの動作状態を表示出力によってユーザへ告知するための動作表示用LCD51と、カメラ操作SW52とが設けられている。上記カメラ操作SW52は、例えばレリーズSW、モード変更SWおよびパワーSWなどの、当該カメラを操作するために必要な操作釦を含むスイッチ群である。さらに、電源としての電池54と、この電源の電圧を、当該カメラシステムを構成する各回路ユニットが必要とする電圧に変換して供給する電源回路53aが設けられ、外部電源70からジャック37を介して電流が供給されたときの電圧変化を検知する電圧検出回路53bが併設されている。
【0018】
上述した如くに構成されたカメラシステムでは、各部が次のように稼動する。画像処理コントローラ28は、Bucom50の指令に従ってCCDインターフェイス回路23を制御してCCDユニット22から画像データを取り込む。この画像データは画像処理コントローラ28でビデオ信号に変換され、液晶モニタ24にて出力表示される。ユーザはこの液晶モニタ24の表示画像から、撮影した画像イメージを確認できる。
SDRAM25は画像データの一時的保管用メモリであり、画像データが変換される際のワークエリアなどに使用される。またこの画像データはJPEGデータに変換された後には記録メディア27に保管されるように設定されている。
【0019】
CCDユニット22は、透明な防塵ガラス30によって保護されている。この防塵ガラス30の周縁部にはそのガラス面を加振するための圧電素子31が配置されており、この圧電素子31は、後で詳しく説明するようにこの為の駆動手段としても働く防塵ガラス駆動回路40によって駆動される。
CCDユニット22および圧電素子31は、防塵ガラス30を一面とし且つ破線で示すような枠体によって囲まれたケース内に一体的に収納されることが、防塵のためにはより好ましい。
【0020】
通常、温度はガラス製の物材の弾性係数に影響し、その固有振動数を変化させる要因の1つであるため、運用時にその温度を計測してその固有振動数の変化を考慮しなければならない。稼動中に温度上昇が激しいCCDユニット22の前面を保護するため設けられた防塵ガラス30の温度変化を測定してその時の固有振動数を予想するほうがよい。
したがってこの例の場合、上記温度測定回路33に接続されたセンサ(不図示)が、CCDユニット22の周辺温度を測定するため設けられている。尚、そのセンサの温度測定ポイントは、防塵ガラス30の振動面の極近傍に設定されるのが好ましい。
【0021】
ミラー駆動機構18は、クイックリターンミラー11をUP位置とDOWN位置へ駆動するための機構であり、このクイックリターンミラー11がDOWN位置にある時、撮影レンズ1からの光束はAFセンサユニット16側とペンタプリズム12側へと分割されて導かれる。
AFセンサユニット16内のAFセンサからの出力は、AFセンサ駆動回路17を介してBucom50へ送信されて周知の測距処理が行われる。
【0022】
また、ペンタプリズム12に隣接する接眼レンズ13からはユーザが被写体を目視できる一方、このペンタプリズム12を通過した光束の一部は測光回路21内のホトセンサ(不図示)へ導かれ、ここで検知された光量に基づき周知の測光処理が行われる。
【0023】
次に、図2に示す防塵ガラス駆動回路40の回路図と、図3のタイムチャートに基づいて、この実施形態における防塵機能付きカメラの防塵ガラス30の駆動およびその動作と制御について説明する。
ここに例示した防塵ガラス駆動回路40は、図2に示すような回路構成を有し、その各部において、図3のタイムチャートで表わす波形信号(Sig1〜Sig6)が生成され、それらの信号に基づいて次のように制御される。すなわち、防塵ガラス駆動回路40は図2に例示の如く、N進カウンタ41、1/2分周回路42、インバータ43、複数のMOSトランジスタ(Q00,Q01,Q02)44a,44b,44c、トランス45、抵抗(R00)46、A/Dコンバータ60、圧電素子31の第1の電極Aとこれに並ぶ第2の電極B61、ダイオード(D00)62、抵抗(R01,R02)63,64、およびコンデンサ(C00)65から構成されている。
【0024】
上記トランス45の1次側に接続されたトランジスタ(Q01)44bおよびトランジスタ(Q02)44cのON/OFF切替え動作によって、そのトランス45の2次側に所定周期の信号(Sig4)が発生するように構成されており、この所定周期の信号に基づき2つの電極A,Bを有した圧電素子31を種々に駆動させながら、効率的な共振周波数を探し出して防塵ガラス30を効果的に共振させるようになっている(詳細後述)。
【0025】
Bucom50は、制御ポートとして設けられた2つのIOポートP_PwCont及びIOポートD_NCntと、このBucom50内部に存在するクロックジェネレータ55を介して防塵ガラス駆動回路40を次のように制御する。クロックジェネレータ55は、圧電素子31へ印加する信号周波数より充分に早い周波数でパルス信号(基本クロック信号)をN進カウンタ41へ出力する。この出力信号が図3中のタイムチャートが表わす波形の信号Sig1である。そしてこの基本クロック信号はN進カウンタ41へ入力される。
【0026】
N進カウンタ41は、当該パルス信号をカウントし所定の値“N”に達する毎にカウント終了パルス信号を出力する。即ち、基本クロック信号を1/Nに分周することになる。この出力信号が図3中のタイムチャートが表わす波形の信号Sig2である。
この分周されたパルス信号はHighとLowのデューティ比が1:1ではない。そこで、1/2分周回路42を通してデューティ比を1:1へ変換する。
【0027】
なお、この変換されたパルス信号は図3中のタイムチャートが表わす波形の信号Sig3に対応する。
この変換されたパルス信号のHigh状態において、この信号が入力されたMOSトランジスタ(Q01)44bがONする。一方、トランジスタ(Q02)44cへはインバータ43を経由してこのパルス信号が印加される。したがって、パルス信号のLow状態において、この信号が入力されたトランジスタ(Q02)44cがONする。トランス45の1次側に接続されたトランジスタ(Q01)44bとトランジスタ(Q02)44cが交互にONすると、2次側には図3中の信号Sig4の如き周期の信号が発生する。
【0028】
トランス45の巻き線比は、電源回路53のユニットの出力電圧と圧電素子31の駆動に必要な電圧から決定される。尚、抵抗(R00)46はトランス45に過大な電流が流れることを制限するために設けられている。
圧電素子31を駆動するに際しては、トランジスタ(Q00)44aがON状態にあり、電源回路53ユニットからトランス45のセンタータップに電圧が印加されていなければならない。図中トランジスタ(Q00)44aのON/OFF制御はIOポートのP_PwContを介して行われる。N進カウンタ41の設定値“N”はIOポートD_NCntから設定できる。よって、Bucom50は、設定値“N”を適宜に制御することで、圧電素子31の駆動周波数を任意に変更可能である。
【0029】
このとき、次式によって周波数は算出可能である。
N:カウンタへの設定値、
fpls:クロックジェネレータの出力パルスの周波数、
fdrv:圧電素子へ印加される信号の周波数、
fdrv = fpls/2N …(1式)
尚、この式に基づいた演算は、Bucom50のCPU(制御手段)で行われる。
【0030】
電極B61は、ガラス板の振動状態を検出するための圧電素子の電極である。この電極B61からそのガラス板の振動状態に応じた交流電圧(モニタ信号)が発生する。これが図3のタイムチャート上のSig5である。
電極B61に接続するダイオード(D00)62はそのモニタ信号を半波整流するために設けられている。また、このダイオード(D00)62に続く抵抗(R01,R02)63,64およびコンデンサ(C00)65によって、そのモニタ信号の包絡線が形成されている。これら抵抗(R01,R02)63,64およびコンデンサ(C00)65から成る検出回路によって決定される時定数は、ガラスの振動周波数によって最適値が異なる。この実施形態のガラス板は2つの共振モード(第1、第2の駆動モード)で駆動される。この2つの共振モードにおける駆動周波数が大きく異なるときは、時定数を変更できるように回路構成を採用する必要がある。抵抗(R01,R02)63,64でモニタ信号は、A/Dコンバータ60へ入力可能なレベルまで減圧される。この信号が図3のタイムチャート上のSig6である。
【0031】
この信号はA/Dコンバータ60でデジタルデータに変換され、Bucom50のIOポートD_DACinから読み取られる。Bucom50は、モニタ信号が最大レベルになるようにN進カウンタ41に設定する値を変化させればよい。最大レベルを示すN進カウンタ41の値(共振周波数)でガラスを駆動するとき、効率よく塵を払うことができる。
【0032】
上述のカメラボディ制御用マイクロコンピュータ(Bucom)50が行う制御について、図4に示された制御プログラムのメインルーチンに基づき、具体的に説明する。
カメラの電源SW(不図示)がONされると、Bucom50は稼動を開始し、#000ではまず、カメラシステムを起動するための処理が実行される。電源回路53を制御してこのカメラシステムを構成する各回路ユニットへ電力を供給する。また、各回路ユニットの初期設定を行う。
【0033】
#001では、サブルーチン「共振点検出動作」がコールされ実行される。このサブルーチンでは防塵ガラス30が効率よく振動させるために適した駆動周波数(共振周波数)を検出する(詳細後述)。この為の周波数データはBucom50の所定アドレスのメモリ領域に記憶されている。
【0034】
続いて#002では、サブルーチン「塵除去動作」がコールされ実行される。このサブルーチン中では、上記#001で検出された共振周波数で防塵ガラス30を加振し、ガラス面に付着した塵を振り払うことで、このカメラを撮影に使用しない期間に、ユーザが意図せずに付着した塵を除去できるようになっている。
【0035】
本発明の特徴的な1つである処理ステップ#003〜#0105にて、各種のアクセサリの装着の有無およびその状態について順次にチェックしていく。
まず、#003は、周期的に実行されるステップであり、Lucom5と通信動作を行うことでレンズユニット10の状態を検出するための動作ステップである。そして#0041にて、レンズユニット10がボディユニット100に装着されたことを検出すると#0044へ移行する。一方、レンズユニット10がボディユニット100から外されたことを検出したときは、#0042から#0043へ移行して、制御フラグF_Lensをリセットする。そして#005に移行する。
#0044では、制御フラグF_Lensをセットする。この制御フラグは、当該カメラのボディユニット100にレンズユニット10が装着されている期間は“1”を示し、レンズユニット10が外されている期間は“0”を示す。
【0036】
#005は周期的に実行されるステップであり、通信コネクタ35の状態判定を行うことで記録メディア27がボディユニット100内に装着された状態を検出できるステップである。
#0061では、記録メディア27がボディユニット100内に装着されたことを検出すると、#0064へ移行する。一方、記録メディア27がボディユニット100から取り出されたことを検出したときは、#0062から#0063へ移行して、制御フラグF_Medumをリセットする。そして#010へ移行する。
#0064では、制御フラグF_Medumをセットする。そして#008へ移行する。この制御フラグは、当該カメラのボディユニット100内に記録メディア27が装着されている期間は“1”を示し、取り出されている期間は“0”を示す。
【0037】
同様にして、アクセサリであるストロボユニット80や、外部電源70なども次の処理手順にて判定できる。すなわち、
#010は周期的に実行されるステップであり、ストロボ通信コネクタ85の状態判定を行うことでストロボユニット80がボディユニット100に装着されたか否かを検出する。
#0100にて、ストロボユニット80がボディユニット100に装着されたことを検出すると、#0103へ移行して、制御フラグF_Strobeをセットした後、#008へ移行する。一方、ストロボユニット80がボディユニット100から取り出されたことを検出すると、#0101から#0102へ移行して、制御フラグF_Strobeをリセットしてから、#0104へ移行する。
【0038】
尚、この制御フラグもまた、ストロボユニット80の装着期間は“1”を示し、外されている期間は“0”を示す。
【0039】
次にまた、#0104も周期的に実行されるステップであり、ジャック37の状態判定を行うことで、プラグ72がボディユニット100のジャック37に挿入されたか否かを検出する。
#0105にて、プラグ72がジャック37に挿入されたことで外部電源70の接続が検出できると#008へ移行するが、外部電源70の接続がなければ、#014へ移行する。詳しくは、外部電源70を介して電流が電源回路53aと電圧検出回路53bへ供給されると、電圧変化が生ずるので検知できる。よって、ここでは専用の制御フラグは設定しなくても接続状態がわかる。
【0040】
上記の何れかのアクセサリが装着されると次に、#008にて、前述同様にサブルーチン「共振点検出動作」がコールされ実行されて、その直後の#009においては同様に、防塵ガラス30の塵を除去するためのサブルーチン「塵除去動作」がコールされ実行される。
【0041】
通常、カメラ本体であるボディユニット100にレンズユニット10が装着されていない期間において、レンズや防塵ガラス30等に塵が付着する可能性が高い。したがってレンズユニット10の装着を検出したタイミングで塵を払う動作を実行することが望ましい。また、レンズ交換やアクセサリの装着をすると、カメラの内部に外部の空気が循環してカメラ内部の温度が変化する場合がある。よって、この温度変化によってガラスの共振周波数も変化する。そこで、上記#008では、新しい駆動周波数(共振周波数)を決定するため上記「共振点検出動作」が実行され、続いて、その直後の#009にて、その決定された周波数で「塵除去動作」が実行されるようになっている。
【0042】
#014では、カメラ操作SWの1つである1st.レリーズSW(不図示)が操作されたか否かを判定する。もし、1st.レリーズSWがONしているならば#015へ移行し、OFFならば上記#003へ再び移行する。
【0043】
#015では、測光回路21から被写体の輝度情報を入手する。そしてこの情報からCCDユニット22の露光時間(Tv値)と撮影レンズ1の絞り設定値(Av値)を算出する。
#016では、AFセンサ駆動回路17を経由してAFセンサユニット16の検知データを入手する。このデータに基づきピントのズレ量を算出する。
ここで#017にて、F_Lensの状態を判定する。“0”ならばレンズユニット10が存在しないことを意味するので、次の#018以降の撮影動作は実行できない。そこでこの場合は上記#003へ再び移行する。
【0044】
#018では、Lucom5に対してピントのズレ量を送信して、このズレ量に基づく撮影レンズ1の駆動を指令する。
#019では、カメラ操作SW52の1つである2nd.レリーズSW(不図示)が操作されたか否かを判定する。この2nd.レリーズSWがONしているときは#0190へ移行するが、OFFのときは上記#003へ再び移行する。
【0045】
#0190では、制御フラグF_Medumの値に基づき記録媒体の有無を判定する。もし”1”以外であれば、上記#003へ再び移行する。一方、”1”であれば、撮影動作に先立って塵を除くため「塵除去動作」ルーチンが実行される。但しこの動作によってタイムラグが発生することを避けるため、ここでは「共振点検出動作」ルーチンは実行されない。
【0046】
確実に塵を払うにはこれら2つのルーチンによる動作をあわせて行う事が望ましいが、共振周波数が変化する可能性が無ければ、「共振点検出動作」ルーチンは省略してもかまわない。
尚、このルーチンの実行の省略は、レンズ交換時のほか、カメラシステムの電源起動時、スリープ状態解除時、などではこの限りではない。但し、連写モード時は、二回目の撮像動作後からはこのルーチンの実行を省略してもかまわない。
【0047】
撮像動作として、#020から、まずLucom5へAv値を送信し、絞り3の駆動を指令し、#021にてクイックリターンミラー11をUP位置へ移動する。#022にてシャッタ15の先幕走行を開始させシャッタ15を開く。
#0220では、制御フラグF_Strobeが”1”にセットされていれば、#0230にてストロボ発光を行なわせ、それ以外ならばストロボ発光せずに、#023にて画像処理コントローラ28に対して撮像動作の実行を指令する。
【0048】
Tv値で示される時間、CCDユニット22による撮像が終了すると、#024において、シャッタ15の後幕走行を開始させ、#025にてクイックリターンミラー11をDown位置へ駆動する。
またこれと並行してシャッタ15のチャージ動作を行う。そして#026では、Lucom5に対して絞り3を開放位置へ復帰させるように指令し、#027では、画像処理コントローラ28に対して、撮影した画像データを記録メディア27へ記録するように指令する。その画像データの記録が終了すると、再び上記#003へ移行して、同様な一連の処理ステップを繰り返す。
【0049】
以下、図5に例示するフローチャートおよび図7(a)〜図11(b)に基づき、サブルーチン「共振点検出動作」について詳しく説明する。その前に、共振対象の防塵ガラス30の支持構造と振動形態について、図7(a)〜図8(b)を参照しながら概説しておく。
本発明に係わる電子撮像装置においては、防塵ガラス30の形状を仮に円盤とする。またその防塵ガラス30のガラス板の円周に沿って加振用の圧電素子31を配置すると、このガラス板は円周で支持されることになる。このとき、当該ガラス板は複数の振動モード(振動形態)で加振する。本発明ではこの振動モードの中から2つのモードを選択して使い分けることとする。図7(a),(b)および図8(a),(b)に選択した振動モードにおけるガラス板の振動の状態を示す。
【0050】
この実施形態に係わる防塵ガラス30は、図7(a),(b)にそれぞれ図示したような振動形態を示す。すなわち、加振手段として働く圧電素子31によって振動を加えると、そのガラス板の周囲には振動しない「節」が発生するが、概ねガラス全面が同じ位相にて、太矢印で示された如く図7(a)と図7(b)の状態を交互に繰り返して振動する。このような振動形態を以下「振動モード1」と称する。
【0051】
同様に、この実施形態の防塵ガラス30は、加える振動の周波数によっては、図8(a),(b)にそれぞれ図示したような形態でも振動することができる。すなわち、図8(a),(b)に例示した防塵ガラス30の振動形態は、ガラス板の内側と外側が180度ずれた位相で振動するものである。詳しくは、図示する振動形態ではガラス板の周囲と内部に節がそれぞれ発生するモードであり、図示の如く、内側の節に囲まれた領域の振動と内部の節の外側領域(ドーナツ状の領域)の振動は位相が180度ずれている。以下これを「振動モード2」と称する。
【0052】
よって、図5に示す当該サブルーチン「共振点検出動作」では、上述した振動モード1と振動モード2の二種類の振動モードにおける共振周波数の検知動作が最初に行われる。
ガラスの特性(例えば形状、組成、支持方法など)によって共振周波数が存在する範囲が予想できるので、この範囲内でガラス板に振動を加えて共振点を検出するべきである。さもないと、検出動作に必要以上に時間がかかることになる。また、検出範囲を想定しないと、意図した振動モード以外の高次の共振モードにおける共振周波数を検出するおそれがある。
【0053】
そこで本実施形態においては、共振周波数の検出動作のために必要なパラメータを、図9にメモリマップで示された複数の領域を有するEEPROM29に予め記憶しておき、例えば「振動モード1対応制御パラメータ」として有している。振動モード1に対応する制御パラメータの値の詳細は、図10(a)に例示された値で記憶されている。例えば、StartOffsetはこのテーブルの読出し開始位置を示す。
【0054】
また同様に、「振動モード1対応周波数補正テーブル」として振動モード1に対応する制御パラメータの値の詳細は、図11(a)に例示された値で記憶されている。このようなデータテーブルは、振動モード1でガラスを駆動するときN進カウンタ41に設定する値を示している。このテーブルはクロックジェネレータ55が周波数40(MHz)のパルス信号を出力するものとして算出されている。既に説明した(1式)を使えば駆動周波数が算出できる。
【0055】
StopOffsetはこの振動モード1対応周波数補正テーブルの読出し終了位置を示す。StartOffsetからStopOffsetの範囲で駆動周波数を遷移させると、何れかのテーブルの値でガラス板は振動モード1で振動する。
【0056】
StepTimeは、駆動周波数を遷移させる際の1つの周波数で駆動すべき時間を示す。防塵ガラス駆動回路40の安定時間を考慮して決定する。駆動周波数の変更に対しても、ガラス板の振動が直ちに追従するわけではない。追従しなければ、モニタ信号の出力もあてにならない。
【0057】
ADwaitは、モニタ信号をA/D変換する周波数を決定するパラメータであり、ガラスの共振周波数に応じて適当な値に決定する。M1OscTimeは、検出された周波数で防塵ガラス30を加振する時間を示している。これは、サブルーチン「塵除去動作」で必要になる。
以上は、振動モード1における制御パラメータである。
振動モード2対応の制御パラメータの詳細は、図10(b)に示される。また、振動モード2対応周波数補正テーブルの詳細は図11(b)に示され、振動モード1と同様な構成のパラメータであり、基本的に同じなのでその説明は省略する。
【0058】
さらに図5のフローチャートおよび図9〜図12に基づき「共振点検出動作」の手順について説明する。
#100では、EEPROM29から4つの制御パラメータ(StartOffset,StopOffset,StepTime,ADwait)を読み出す。
そして#101では、EEPROM29の読出し開始アドレスとしてAddressM1+StartOffsetを設定し、読出し終了アドレスとしてAddressM1+StopOffsetを設定する。AddressM1は振動モード1対応周波数補正テーブルの先頭アドレスを示している。
【0059】
仮に、読出し開始位置(StartOffset)を”3”とし、読出し終了位置(StopOffset)を”9”とすると、図11(a)中の*1から*2で示された領域のプリセット値”N”をN進カウンタ41へ設定することになる。すなわち、f1,f2,f3, …,f7の周波数の中からモニタ信号の出力が最大となる周波数を検出することになる。
【0060】
#102では、モニタ信号の最大値を一時的に記憶するために確保したメモリD_ADMAXへ便宜上モニタ信号の最小値である#0を設定する。
#103では、圧電素子31を駆動するための準備動作が行われる。IOポートのP_PwContを制御してトランジスタQ00をON状態にする。更に、クロックジェネレータ55からパルス信号の出力を開始する。この状態でN進カウンタ41にテーブルから取り出したデータを設定すれば、所望の周波数で圧電素子31を駆動できる。
【0061】
#104においては、設定されたEEPROM29のアドレスからプリセット値(N)を読み出す。そして、IOポートのD_NCntからN進カウンタ41に読み出したプリセット値を設定する。
そして#105にて、周波数駆動回路の安定するまでの所定時間だけ待機する。
【0062】
#106では、タイマカウンタ1へSteptimeを設定し、タイマのカウント動作を開始する。例えば図10(a)に示す如く、Steptimeが記憶されていると、2(msec)がタイマカウンタ1へ設定されることになる。
#107にて、A/Dコンバータ60の加算データを一時的に記憶するために確保したメモリ領域D_ADSUMへ#0を設定する。更にA/Dコンバータ60の動作回数をカウントするために確保したメモリD_ADcountへ#0を設定する。
【0063】
#108では、タイマカウンタ2へADwaitを設定し、カウント動作を開始する。例えば図10(a)に示す如くADwaitが記憶されていると、80(μsec)がタイマカウンタ2へ設定されることになる。
そして、#109にて、A/Dコンバータ60を用いてモニタ信号のA/D変換値を取得する。
【0064】
#110では、モニタ信号のA/D変換値を、メモリ領域D_ADSUMへ加算する。更にメモリ領域D_ADcountをインクリメント(1を加算)する。#111では、タイマカウンタ2のカウント動作が終了するまで待機する。 #112では、タイマカウンタ1のカウント動作が終了しているか否かを判定する。まだ終了していない場合は、再度モニタ信号の測定のため、上記#108へ移行する。もし終了していれば#113へ移行する。
【0065】
#113では、メモリ領域D_ADSUMとD_ADcountから、AD変換値の平均値を求める。そして、平均値はその平均値の記録のため確保したメモリ領域D_ADAVEへ格納される。D_ADAVEは、現在の駆動周波数におけるモニタ信号のレベルを示すことになる。
#114では、D_ADAVEとD_ADMAXとの内容を比較する。もしD_ADAVEの内容がD_ADMAXの内容よりも大きい場合は、#115へ移行し、小さい場合は#119へ移行する。
【0066】
#115では、D_ADAVEの内容をD_ADMAX中に移す。古い最大値は破棄され、今回測定された値がモニタ信号の最大値として記憶される。そして、現在、振動モード1でモニタ信号を測定中ならば、#116から#117へ移行する。現在、振動モード2でモニタ信号を測定中ならば、#116から#118へ移行する。
【0067】
#117では、現在のEEPROM29のアドレスをD_M1resonantに記憶する。D_M1resonantは振動モード1用のアドレスを記憶するためメモリ上に確保した領域である。
また、#118では、現在のEEPROMのアドレスをD_M2resonantに記憶する。D_M2resonantは振動モード2用のアドレスを記憶するためメモリ上に確保した領域である。
これらD_M1resonant及びD_M2resonantの値は、後述のサブルーチン「塵除去動作」で使用される。
【0068】
#119では、EEPROM読出し終了アドレスで示される駆動周波数までモニタ信号の測定が終了したか否かを判定する。まだ終了していなければ#121へ移行し、終了していれば次の#120へ移行する。
#120では、駆動動作を停止する処理が行われる。トランジスタQ00をOFFして、クロックジェネレータの動作を止める。
#121では、EEPROM29の読出しアドレスをインクリメントし、#104へ移行する。
【0069】
#122では、振動モード1と振動モード2における共振点の検出動作が終了したか否かを判定する。共に検出動作が終了していればメインルーチンへリターンする。
振動モード1のみが終了している場合は、振動モード2における共振周波数を検出するために#130へ移行する。尚、#130,#131の動作は既に説明した#100,#101と基本的に同じねあるので説明は省略する。そして、共振周波数を検出するため再び上記#102へ移行する。
【0070】
尚、本サブルーチンでは2つのパラメータ(StartOffset、StopOffset)で規定される範囲で周波数補正テーブルからプリセット値を読み出した。そしてこのプリセット値すべてを利用してガラス板を駆動し、モニタ信号のレベルを測定するものである。
【0071】
図12には周波数とガラス板の振幅の関係を示している。また、*3は共振モード1の特性を示すと仮定する。
本ルーチンでは、図11(a)に例示したf1,f2,f3, …,f7という周波数(プリセット値)において、モニタ信号レベルを測定する。*3の特性における共振周波数はfcである。fcはf4に相当する。本ルーチンでは、f1,f2,f3,f4と順次に駆動周波数を変更していきながらモニタ信号の測定を行う。そして、共振周波数fcを過ぎても、f5,f6,f7と順次に駆動を続ける。
【0072】
f1〜f4では、モニタ信号は増加方向にある。そして、f5からモニタ信号は減少方向に変化する。よって、このモニタ信号の増加方向から減少方向への変化を検出すれば、f6,f7の周波数であえて駆動する必要性はなくなる。なお、周波数を変化させる範囲が広い場合は、共振周波数の検出時間短縮のために、ここで例示した如くの制御プログラムを作ることが望ましい。
【0073】
ここで、図6に示すサブルーチン「塵除去動作」について説明する。
このサブルーチンでは、上述した振動モード1と振動モード2の2つのモードで防塵ガラス30が共振されるように圧電素子31を駆動するように設定されている。一般的に、塵の特性(例えば重さ、形状、素材など)によって、塵を除去しやすい周波数や振幅が異なる。そこで、確実に塵を除くためにはこれら2つの振動モードでそのガラス板を共振させるとよい。勿論、更に複数の振動モードで共振させてもよい。但し、除去動作にかかる時間もまたその分余計にかかることがあるので、除去効果の程度と所要時間とを充分鑑みて適当な数に設定するべきである。
【0074】
そこでまず、#200では、EEPROM29の振動モード1対応制御パラメータよりM1OSCtimeを、振動モード2対応制御パラメータよりM2OSCtimeをそれぞれ読み出す。
#201では、圧電素子31を駆動するための準備動作が行われる。IOポートのP_PwContを制御して、トランジスタQ00をON状態にする。更に、クロックジェネレータ55からパルス信号の出力を開始する。この状態でN進カウンタ41にEEPROM29のテーブルから取り出したデータを設定すれば、所望の周波数で圧電素子31を駆動できる。
【0075】
#202では、D_M1resonantが示すEEPROM29のアドレスからプリセット値(N)を読み出す。この値は、N進カウンタ41へセットされる。これにより防塵ガラス駆動回路40は、そのガラス板を振動モード1の共振周波数で駆動する。
#203では、タイマカウンタ1へM1OscTimeを設定し、カウント動作を開始する。例えば、図10(a)に示す如くM1OscTimeが記憶されていると、200(msec)がタイマカウンタ1ヘ設定されることになる。
#204では、タイマカウンタ1のカウント動作が終了するまで待機する。 以上により、振動モード1による塵払いの動作は完了する。さらに、確実に塵払いを行うため、振動モード2でガラス板を振動させる。
【0076】
#205では、D_M2resonantが示すEEPROM29のアドレスからプリセット値(N)を読み出す。この値は、N進カウンタ41へセットされる。これにより防塵ガラス駆動回路40は、そのガラス板を振動モード2の共振周波数で駆動する。
#206では、タイマカウンタ2へM2OscTimeを設定し、カウント動作を開始する。例えば、図10(b)に示す如くM2OscTimeが記憶されていると、100(msec)がタイマカウンタ2ヘ設定されることになる。
【0077】
#207では、タイマカウンタ2のカウント動作が終了するまで待機する。 そして#208では、駆動動作を停止する処理が行われる。トランジスタQ00をOFF状態にし、クロックジェネレータ55の動作を止める。
その後は、メインルーチンへリターンする。
【0078】
なお、カメラシステムの設計段階では、ガラス板の共振周波数のバラツキを予測することは非常に困難である。したがって、このカメラシステムが完成した後に、圧電素子31の駆動周波数を決定する制御パラメータを設定できるようにすべきである。そこで必要なパラメータは、上述した如く本発明ではすべてEEPROM29に選択可能に格納されている。
また、本サブルーチン「塵除去動作」は、前述したサブルーチン「共振点検出動作」で検出された共振周波数のみでガラス板の駆動を行っている。
【0079】
図12には、周波数とガラス板の振幅の関係を示している。サブルーチン「共振点検出動作」を実行しているときの特性を*3とする。共振周波数fcは、図11(a)中のf4に相当するものとする。しかし、共振周波数が予期しない要因で特性が*4、*5の如く変動する可能性もある。このような変動が生じても対応できるようにEEPROM29のテーブルからf4以外にもf3,f5のデータを読み出して当該サブルーチンを実行してもよい。
【0080】
また、温度によっても共振周波数がある範囲で変動するので、所定の実験により作成した温度補正テーブルを適正に設定し参照可能に保持することで、その運用時の温度において最も好適な共振周波数でそのガラス板を駆動させてもよい。そのためには、振動モードに対応する温度補正テーブルからその時の温度に対応するパラメータを読み出すために、温度情報(t)を当サブルーチンの実行前に、温度測定回路33の温度センサ(不図示)によって検出しておけばよい。
【0081】
このように当該実施形態の防塵機能付きの電子撮像装置(例えばカメラ)によれば、レンズユニット10のほか、記録メディア27、外部電源70またはストロボユニット80等のアクセサリを着脱可能であり、撮影レンズ1とCCDユニット22の間に配される構成部材(防塵ガラス30)および、このガラスを複数種類の周波数で振動させ付着した塵を除去する塵除去手段(圧電素子31および防塵ガラス駆動回路40)を有して構成されているので、上記アクセサリの何れかの装着に応じた効果的なタイミングにて圧電素子31による共振動作で塵除去動作を行うことができる。
【0082】
特にここでの防塵機能においては、光学素子(防塵ガラス30)の共振周波数を検出する為に加振手段(圧電素子31)を駆動する共振周波数検出モードと、上記光学素子に付着した塵を除去する為に圧電素子31を駆動する塵除去モードとを有し、アクセサリ装置が装着されたタイミングにて、基本的には上記共振周波数検出モードと上記塵除去モードを連続して実行するようにしている。また、共振周波数検出の為の所要時間によるタイムラグを撮影時に与えないように、共振周波数検出動作を撮影直前には省略している。よって、撮影タイミングに悪影響を与えず、効率的かつ確実な塵除去が可能となる。
【0083】
(変形例)
以上、電子撮像装置としてカメラシステムを一例に、保護ガラス(防塵ガラス)における実施形態について説明してきたが、埃や塵を嫌うその他の電子撮像装置においても、また防塵ガラス以外の構成部材やその他の部位においても、本発明を同様に適用すれば、前述の実施形態と同等な効果が得られる。
また、共振周波数を特定できないガラス以外の光学素子部材を適用することもでき、その場合にも、製品個々のバラツキに起因する固有共振周波数に対する調整は不要となり、前述同等な効果が期待できる。
このほかにも、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変形実施が可能である。
【0084】
【発明の効果】
このように本発明によれば、アクセサリ装置の着脱時に構成部材に付着する塵を確実に除去できる防塵機能付きの電子撮像装置を提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係わる実施形態のカメラの構成を示すブロック構成図。
【図2】 本発明の実施形態としての加振手段(防塵ガラス駆動回路)の回路構成を示す回路図。
【図3】 防塵ガラス駆動回路の動作を説明するため、図2中の各部における信号波形の表わすタイムチャート。
【図4】 カメラボディ制御用マイコンのカメラシーケンスの手順を表わすフローチャート。
【図5】 図4のフローチャート中のルーチン「共振点検出動作」の詳細手順を表わすフローチャート。
【図6】 図4のフローチャート中のルーチン「塵除去動作」の詳細手順を表わすフローチャート。
【図7】 図7(a),(b)は本発明に係わる防塵ガラスの振動形態を示し、ガラス板の周囲に節が発生して全面が同じ位相で振動する形態(振動モード1)の説明図。
【図8】 図8(a),(b)は本発明に係わる防塵ガラスの振動形態を示し、ガラス板の内側と外側が180°異なる位相で振動する形態(振動モード2)の説明図。
【図9】 EEPROMに占める周波数補正に関するテーブル領域を示すメモリマップ。
【図10】 図10(a),(b)は、振動モードの周波数補正に関する制御パラメータを示し、
(a)は、振動モード1対応制御パラメータテーブルの詳細を表わす一覧表、
(b)は、振動モード2対応制御パラメータテーブルの詳細を表わす一覧表。
【図11】 図11(a),(b)は振動モードに対応する補正値を示し、(a)は、振動モード1対応周波数補正テーブルの詳細表、
(b)は、振動モード2対応周波数補正テーブルの詳細表。
【図12】 駆動周波数とガラス板の振動の振幅との関係を表わす特性グラフ。
【符号の説明】
1…撮影レンズ、 2…レンズ駆動機構、
3…絞り、 4…絞り駆動機構、
5…レンズ制御用マイクロコンピュータ、
6…通信コネクタ、
10…レンズユニット(交換レンズ)、
11…クイックリターンミラー、
12…ペンタプリズム、
13…接眼レンズ、 14…サブミラー、
15…シャッタ(前幕、後幕)、
16…AFセンサ、 17…AFセンサ駆動回路、
18…ミラー駆動機構、
19…シャッタチャージ機構、
20…シャッタ制御回路、
21…測光回路、
22…CCDユニット(光電変換素子)、
23…CCDインターフェイス回路、
24…液晶モニタ、 25…SDRAM、
26…FlashROM、
27…記録メディア(アクセサリ)、
28…画像処理コントローラ、
29…不揮発性メモリ(EEPROM)、
30…防塵ガラス(光学素子)、
31…圧電素子(加振手段、塵除去手段)、
33…温度測定回路、
35…通信コネクタ、 37…ジャック、
40…防塵ガラス駆動回路(加振、駆動手段)、
41…N進カウンタ、 42…1/2分周回路、
43…インバータ、 44…トランジスタ、
44a,44b,44c…MOSトランジスタ、
45…トランス、 46…抵抗、
47…D/Aコンバータ、
48…VCO(電圧制御発振器)、
49…アンプ、
50…ボディ制御用マイクロコンピュータ、
51…動作表示用LCD、
52…カメラ操作SW、
53a…電源回路、53b…電圧検出回路、
54…電池、 55…クロックジェネレータ、
60…A/Dコンバータ、
61…電極B(モニタ用圧電素子電極)、
62…ダイオード(検出回路要素)、
63,64…抵抗(:)、
65…コンデンサ(:)、
70…外部電源(アクセサリ)、
71…コネクタ(コンセント用プラグ)、
72…プラグ(ピンジャック)、
80…ストロボユニット(アクセサリ)、
81…閃光電球、 82…DC/DCコンバータ、
83…ストロボ制御マイクロコンピュータ、
84…電池(ストロボ用バッテリ)、
85…ストロボ通信コネクタ。

Claims (3)

  1. 被写体の光学像を電気信号に変換する撮像手段を有する電子撮像装置において、
    この電子撮像装置に着脱自在なアクセサリ装置と、
    上記撮像手段の前面に配置された光学素子と、
    上記光学素子を振動させる加振手段と、
    上記加振手段に対して周波数信号を供給することによって、上記加振手段を駆動する駆動制御手段と、
    を具備し、
    上記駆動制御手段は、上記光学素子の共振周波数を検出するために上記加振手段を駆動する共振周波数検出モードと、上記光学素子に付着した塵を除去するために上記加振手段を駆動する塵除去モードとを有し、
    上記アクセサリ装置が装着されたタイミングにおいては、上記共振周波数検出モードと上記塵除去モードを連続して実行するように制御することを特徴とする電子撮像装置。
  2. 被写体の光学像を電気信号に変換する撮像手段を有する電子撮像装置において、
    上記電子撮像装置に着脱自在であって、上記撮像手段に上記光学像を結像させる撮像光学系と、
    上記撮像光学系と上記撮像手段との間に配される光学素子と、
    上記光学素子を振動させる加振手段と、
    上記加振手段に対して周波数信号を供給することによって、上記加振手段を駆動する駆動制御手段と、
    を具備しており、
    上記駆動制御手段は、上記撮像光学系が上記電子撮像装置に装着されると、上記光学素子の共振周波数を検出する為の共振点検出動作を実行した後、上記共振点検出動作によって検出された共振周波数で上記加振手段を駆動して、上記光学素子の振動を制御することを特徴とする電子撮像装置。
  3. 被写体の光学像を電気信号に変換する撮像手段を有する電子撮像装置において、
    上記電子撮像装置に着脱自在であって、上記撮像手段に上記光学像を結像させる撮像光学系と、
    上記撮像光学系と上記撮像手段との間に配される光学素子と、
    上記光学素子を振動させる加振手段と、
    上記加振手段に対して周波数信号を供給することによって、上記加振手段を駆動する駆動制御手段と、
    を具備しており、
    上記駆動制御手段は、上記光学素子の共振周波数を検出するために上記加振手段を駆動する共振周波数検出モードと、上記光学素子に付着した塵を除去するために上記加振手段を駆動する塵除去モードとを有し、上記撮像光学系が装着されたタイミングにおいては、上記共振周波数検出モードと上記塵除去モードを連続して実行し、撮像動作に先立つ所定のタイミングにおいては、上記塵除去モードのみを実行するように制御することを特徴とする電子撮像装置。
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