JP4002785B2 - 防塵機能付き光学装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、撮像素子を有する光学装置に係わり、特にカメラシステムなどの内部に付着した塵を除去可能な防塵機能付き光学装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、光学装置の防塵機能に関する技術の一例としては、撮像素子を保護する保護ガラス(防塵ガラス)を振動させることで、そのガラスに付着した塵を払い落とすという技術が提案されている。具体的に例えば、特願平2000−401291号に教示されたものがあり、これには、ガラス板を振動させる手段として圧電素子が用いられている。この圧電素子は印加される電圧に反応して伸縮して、取り付けられたガラス板を所定の1つの周期で加振するものである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、圧電素子そのものの変異量は僅かである。一般的に、確実に塵を払い落とす為には、ガラス板の振動の振幅が可能な限り大きいことが望ましい。ただし、ガラス板の振動の振幅を大きくするには、そのガラス板自体がもつ固有の共振周波数で加振することが必要である。こうしないと圧電素子のそのものの変異量でガラス板が振動するだけになり、それでは効率よく塵を払い落とせない。
【0004】
通常、共振周波数は、ガラス板の形状、材質、支持方法、および振動モード(振動形態)によって異なる。また、保護ガラスとして量産すれば、加工精度のバラツキによって共振周波数もバラツクことになる。ただし、個々の保護ガラスの共振周波数を測定して圧電素子へ電圧を印加する発振器の周波数を運用時に適宜調整すれば、そのバラツキは相殺でき得る。
しかし上述のような相殺方法を適用したとしても、経時変化、温度変化によってその保護ガラスの共振周波数がドリフトすれば、そのバラツキに対応できなくなる。つまり、発振器の周波数を確実に調整しても、確実にその保護ガラスの共振周波数で駆動できる訳ではない。
【0005】
よって、保護ガラスとして用いるガラス板の共振周波数に影響する要素(ガラス板の形状や材質の弾性係数等)のバラツキを、保護ガラス製作工程時またはカメラ運用時に調整しなくとも、簡単かつ効率的に塵の除去を可能とする方式が求められる。
【0006】
そこで本発明の目的は、共振周波数を一箇所に特定できない保護ガラスを効率よく駆動するような方式を有する防塵機能付き光学装置を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決し目的を達成するため本発明では次のような手段を講じている。即ち第1の態様によれば、被写体の光学像を結像する撮像光学系と、上記光学像を電気信号に変換する光電変換素子と、上記光電変換素子と上記撮像光学系との間に配される光学素子と、上記光学素子を振動させるための第1の圧電素子と、上記光学素子の振動状態に応じた信号を出力する第2の圧電素子と、複数の周波数を切り替えながら上記第1の圧電素子を振動させ、その際の上記第2の圧電素子の出力から上記光電素子が共振状態となる共振周波数を決定する第1の駆動モードと、この第1の駆動モードで決定された共振周波数でもって上記光学素子を駆動する第2の駆動モードとを有する駆動手段と、を備えて成るような防塵機能付き光学装置を提案する。
【0008】
第2の態様によれば、複数の周波数データをデータテーブルとして記憶する不揮発性記憶手段を更に含み、上記駆動手段は、上記データテーブルを参照して、上記第1の駆動モードにおける設定すべき共振周波数を決定するような、上記載の防塵機能付き光学装置を提案する。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の防塵機能付き光学装置として撮像素子を有するカメラシステムを一例に挙げた複数の実施形態に基づき詳しく説明する。
(第1実施形態)
図1には、本発明に係わる第1実施形態のカメラシステムの構成をブロック構成図で示す。
このカメラシステムは、交換レンズとしてのレンズユニット10と、カメラ本体としてのボディユニット100から主に構成されており、ボディユニット100の前面に対して、所望のレンズユニット10が着脱自在に設定されている。
【0011】
レンズユニット10の制御はレンズ制御用マイクロコンピュータ(以下”Lucom”と称する)5が行う。ボディユニット100の制御はボディ制御用マイクロコンピュータ(以下“Bucom”と称する)50が行う。尚、これらLucom5とBucom50とは、合体時において通信コネクタ6を介して通信可能に電気的接続がなされる。そしてカメラシステムとしてLucom5がBucom50に従属的に協働しながら稼動するようになっている。
【0012】
レンズユニット10内には撮影レンズ1と絞り3が設けられている。撮影レンズ1はレンズ駆動機構2内に在る図示しないDCモータによって駆動される。絞り3は絞り駆動機構4内に在る図示しないステッピングモータによって駆動される。Lucom5はBucom50の指令に従ってこれら各モータを制御する。
【0013】
ボディユニット100内には次の構成部材が図示のように配設されている。例えば、光学系としての一眼レフ方式の構成部材(クイックリターンミラー11、ペンタプリズム12、接眼レンズ13、サブミラー14)と、光軸上のフォーカルプレーン式のシャッタ15と、上記サブミラー14からの反射光束を受けて自動測距する為のAFセンサユニット16が設けられている。
また、上記AFセンサユニット16を駆動制御するAFセンサ駆動回路17と、上記クイックリターンミラー11を駆動制御するミラー駆動機構18と、上記シャッタ15の先幕と後幕を駆動するばねをチャージするシャッタチャージ機構19と、それら先幕と後幕の動きを制御するシャッタ制御回路20と、上記ペンタプリズム12からの光束に基づき測光処理する測光回路21が設けられている。
【0014】
光軸上には、上記光学系を通過した被写体像を光電変換するためのCCDユニット22が光電変換素子として設けられ、更にこのCCDユニット22と撮影レンズ1との間に配された光学素子としての防塵ガラス30によって保護されている。そして、この防塵ガラス30を所定の周波数で振動させる加振手段の一部として例えば圧電素子31がその防塵ガラス30の周縁部に取り付けられている。
【0015】
また、圧電素子31は2つの電極(詳細後述)を有しており、この圧電素子31が加振手段の一部としての防塵ガラス駆動回路40によって防塵ガラス30を振動させ、そのガラス表面に付着していた塵を除去できるように構成されている。よって、このカメラシステムはいわゆる「防塵機能付きカメラ」に属する基本構造をもつ電子カメラである。
なお、CCDユニット22の周辺の温度を測定するために、防塵ガラス30の近傍には、温度測定回路33が設けられている。
【0016】
このカメラシステムにはまた、CCDユニット22に接続したCCDインターフェイス回路23、液晶モニタ24、記憶領域として設けられたSDRAM25、FlashROM26および記録メディア27などを利用して画像処理する画像処理コントローラ28とが設けられ、電子撮像機能と共に電子記録表示機能を提供できるように構成されている。
その他の記憶領域としては、カメラ制御に必要な所定の制御パラメータを記憶する不揮発性記憶手段として例えばEEPROMから成る不揮発性メモリ29が、Bucom50からアクセス可能に設けられている。
【0017】
また、Bucom50には、当該カメラの動作状態を表示出力によってユーザへ告知するための動作表示用LCD51と、カメラ操作SW52とが設けられている。上記カメラ操作SW52は、例えばレリーズSW、モード変更SWおよびパワーSWなどの、当該カメラを操作するために必要な操作釦を含むスイッチ群である。
さらに、電源としての電池54と、この電源の電圧を、当該カメラシステムを構成する各回路ユニットが必要とする電圧に変換して供給する電源回路53が設けられている。
【0018】
上述した如くに構成されたカメラシステムでは、各部が次のように稼動する。
【0019】
画像処理コントローラ28は、Bucom50の指令に従ってCCDインターフェイス回路23を制御してCCDユニット22から画像データを取り込む。この画像データは画像処理コントローラ28でビデオ信号に変換され、液晶モニタ24にて出力表示される。ユーザはこの液晶モニタ24の表示画像から、撮影した画像イメージを確認できる。
SDRAM25は画像データの一時的保管用メモリであり、画像データが変換される際のワークエリアなどに使用される。またこの画像データはJPEGデータに変換された後には記録メディア27に保管されるように設定されている。
【0020】
CCDユニット22は、透明な防塵ガラス30によって保護されている。この防塵ガラス30の周縁部にはそのガラス面を加振するための圧電素子31が配置されており、この圧電素子31は、後で詳しく説明するようにこの為の駆動手段としても働く防塵ガラス駆動回路40によって駆動される。
CCDユニット22および圧電素子31は、防塵ガラス30を一面とし且つ破線で示すような枠体によって囲まれたケース内に一体的に収納されることが、防塵のためにはより好ましい。
【0021】
通常、温度はガラス製の物材の弾性係数に影響し、その固有振動数を変化させる要因の1つであるため、運用時にその温度を計測してその固有振動数の変化を考慮しなければならない。稼動中に温度上昇が激しいCCDユニット22の前面を保護するため設けられた防塵ガラス30の温度変化を測定してその時の固有振動数を予想するほうがよい。
したがってこの例の場合、上記温度測定回路33に接続されたセンサ(不図示)が、CCDユニット22の周辺温度を測定するため設けられている。尚、そのセンサの温度測定ポイントは、防塵ガラス30の振動面の極近傍に設定されるのが好ましい。
【0022】
ミラー駆動機構18は、クイックリターンミラー11をUP位置とDOWN位置へ駆動するための機構であり、このクイックリターンミラー11がDOWN位置にある時、撮影レンズ1からの光束はAFセンサユニット16側とペンタプリズム12側へと分割されて導かれる。
AFセンサユニット16内のAFセンサからの出力は、AFセンサ駆動回路17を介してBucom50へ送信されて周知の測距処理が行われる。
【0023】
また、ペンタプリズム12に隣接する接眼レンズ13からはユーザが被写体を目視できる一方、このペンタプリズム12を通過した光束の一部は測光回路21内のホトセンサ(不図示)へ導かれ、ここで検知された光量に基づき周知の測光処理が行われる。
【0024】
次に、図2に示す防塵ガラス駆動回路40の回路図と、図3のタイムチャートに基づいて、この第1実施形態における防塵機能付きカメラの防塵ガラス30の駆動およびその動作と制御について説明する。
ここに例示した防塵ガラス駆動回路40は、図2に示すような回路構成を有し、その各部において、図3のタイムチャートで表わす波形信号(Sig1〜Sig6)が生成され、それらの信号に基づいて次のように制御される。すなわち、防塵ガラス駆動回路40は図2に例示の如く、N進カウンタ41、1/2分周回路42、インバータ43、複数のMOSトランジスタ(Q00,Q01,Q02)44a,44b,44c、トランス45、抵抗(R00)46、A/Dコンバータ60、圧電素子31の第1の電極Aとこれに並ぶ第2の電極B61、ダイオード(D00)62、抵抗(R01,R02)63,64、およびコンデンサ(C00)65から構成されている。
【0025】
上記トランス45の1次側に接続されたトランジスタ(Q01)44bおよびトランジスタ(Q02)44cのON/OFF切替え動作によって、そのトランス45の2次側に所定周期の信号(Sig4)が発生するように構成されており、この所定周期の信号に基づき2つの電極A,Bを有した圧電素子31を種々に駆動させながら、効率的な共振周波数を探し出して防塵ガラス30を効果的に共振させるようになっている(詳細後述)。
【0026】
Bucom50は、制御ポートとして設けられた2つのIOポートP_PwCont及びIOポートD_NCntと、このBucom50内部に存在するクロックジェネレータ55を介して防塵ガラス駆動回路40を次のように制御する。クロックジェネレータ55は、圧電素子31へ印加する信号周波数より充分に早い周波数でパルス信号(基本クロック信号)をN進カウンタ41へ出力する。この出力信号が図3中のタイムチャートが表わす波形の信号Sig1である。そしてこの基本クロック信号はN進カウンタ41へ入力される。
【0027】
N進カウンタ41は、当該パルス信号をカウントし所定の値“N”に達する毎にカウント終了パルス信号を出力する。即ち、基本クロック信号を1/Nに分周することになる。この出力信号が図3中のタイムチャートが表わす波形の信号Sig2である。
この分周されたパルス信号はHighとLowのデューティ比が1:1ではない。そこで、1/2分周回路42を通してデューティ比を1:1へ変換する。
【0028】
なお、この変換されたパルス信号は図3中のタイムチャートが表わす波形の信号Sig3に対応する。
この変換されたパルス信号のHigh状態において、この信号が入力されたMOSトランジスタ(Q01)44bがONする。一方、トランジスタ(Q02)44cへはインバータ43を経由してこのパルス信号が印加される。したがって、パルス信号のLow状態において、この信号が入力されたトランジスタ(Q02)44cがONする。トランス45の1次側に接続されたトランジスタ(Q01)44bとトランジスタ(Q02)44cが交互にONすると、2次側には図3中の信号Sig4の如き周期の信号が発生する。
【0029】
トランス45の巻き線比は、電源回路53のユニットの出力電圧と圧電素子31の駆動に必要な電圧から決定される。尚、抵抗(R00)46はトランス45に過大な電流が流れることを制限するために設けられている。
圧電素子31を駆動するに際しては、トランジスタ(Q00)44aがON状態にあり、電源回路53ユニットからトランス45のセンタータップに電圧が印加されていなければならない。図中トランジスタ(Q00)44aのON/OFF制御はIOポートのP_PwContを介して行われる。N進カウンタ41の設定値“N”はIOポートD_NCntから設定できる。よって、Bucom50は、設定値“N”を適宜に制御することで、圧電素子31の駆動周波数を任意に変更可能である。
【0030】
このとき、次式によって周波数は算出可能である。
N:カウンタへの設定値、
fpls:クロックジェネレータの出力パルスの周波数、
fdrv:圧電素子へ印加される信号の周波数、
fdrv = fpls/2N …(1式)
尚、この式に基づいた演算は、Bucom50のCPU(制御手段)で行われる。
【0031】
電極B61は、ガラス板の振動状態を検出するための圧電素子の電極である。
【0032】
この電極B61からそのガラス板の振動状態に応じた交流電圧(モニタ信号)が発生する。これが図3のタイムチャート上のSig5である。
電極B61に接続するダイオード(D00)62はそのモニタ信号を半波整流するために設けられている。また、このダイオード(D00)62に続く抵抗(R01,R02)63,64およびコンデンサ(C00)65によって、そのモニタ信号の包絡線が形成されている。これら抵抗(R01,R02)63,64およびコンデンサ(C00)65から成る検出回路によって決定される時定数は、ガラスの振動周波数によって最適値が異なる。この第1実施形態のガラス板は2つの共振モード(第1、第2の駆動モード)で駆動される。この2つの共振モードにおける駆動周波数が大きく異なるときは、時定数を変更できるように回路構成を採用する必要がある。抵抗(R01,R02)63,64でモニタ信号は、A/Dコンバータ60へ入力可能なレベルまで減圧される。この信号が図3のタイムチャート上のSig6である。
【0033】
この信号はA/Dコンバータ60でデジタルデータに変換され、Bucom50のIOポートD_DACinから読み取られる。Bucom50は、モニタ信号が最大レベルになるようにN進カウンタ41に設定する値を変化させればよい。最大レベルを示すN進カウンタ41の値(共振周波数)でガラスを駆動するとき、効率よく塵を払うことができる。
【0034】
上述のカメラボディ制御用マイクロコンピュータ(Bucom)50が行う制御について具体的に説明する。
図4にBucom50で稼動する制御プログラムのメインルーチンを例示する。まずカメラの電源SW(不図示)がONされると、Bucom50は稼動を開始し、#000では、カメラシステムを起動するための処理が実行される。電源回路53を制御してこのカメラシステムを構成する各回路ユニットへ電力を供給する。また各回路の初期設定を行う。
【0035】
#001では、本発明の特徴的なサブルーチン「共振点検出動作」がコールされ実行される。このサブルーチンでは防塵ガラス30が効率よく振動させるために適した駆動周波数(共振周波数)を検出する(詳細後述)。この周波数データはBucom50の所定アドレスのメモリ領域に記憶される。
#002では、サブルーチン「塵除去動作」がコールされ実行される。このサブルーチン中では、上記#001で検出された共振周波数で防塵ガラス30を加振し、ガラス面に付着した塵を振り払うことで、このカメラを撮影に使用しない期間に、ユーザが意図せずに付着した塵を除去できるようになっている。
【0036】
#003は、周期的に実行されるステップであり、Lucom5と通信動作を行うことでレンズユニット10の状態を検出するための動作ステップである。そして#004にて、レンズユニット10がボディユニット50に装着されたことを検出すると#007へ移行する。一方、レンズユニット10がボディユニット50から外されたことを検出したときは、#005から#006へ移行する。そして制御フラグF_Lensをリセットする。そして#010に移行する。
【0037】
#007では、制御フラグF_Lensをセットする。この制御フラグは、当該カメラのボディユニット50にレンズユニット10が装着されている期間は“1”を示し、レンズユニット10が外されている期間は“0”を示す。
そして#008にて、上述と同様にサブルーチン「共振点検出動作」がコールされ実行され、その直後の#009においては同様に、防塵ガラス30の塵を除去するためのサブルーチン「塵除去動作」がコールされ実行される。
【0038】
通常、カメラ本体であるボディユニット50にレンズユニット10が装着されていない期間において、レンズや防塵ガラス30等に塵が付着する可能性が高い。したがってレンズユニット10の装着を検出したタイミングで塵を払う動作を実行することが望ましい。また、レンズ交換するとカメラの内部に外部の空気が循環してカメラ内部の温度が変化する。この温度変化によってガラスの共振周波数も変化する。そこで、上記#008では、新しい駆動周波数(共振周波数)を決定するため上記「共振点検出動作」が実行される。続いて、その直後の#009にて、その決定された周波数で「塵除去動作」が実行されるようになっている。
【0039】
#010では、カメラ操作SW52の状態を検出する。そして、カメラ操作SW52の1つであるCleanUP−SW(不図示)の状態変化が次の#110で検出されると、#012へ移行する。
#012,#013では、防塵ガラス30の塵を除去するための動作が実行される。この#012の動作に連動して、#013にてCCDの画素欠陥情報の取込み動作が実行される。欠陥画素の情報はFlashRom26に記憶され、画像データの補正に用いられる。塵が付着していると正確に欠陥情報が入手できない。そこで、#0131の動作の前に#012,#013の一連の動作が上述したと同様に実行される。
【0040】
#014では、カメラ操作SWの1つである1st.レリーズSW(不図示)が操作されたか否かを判定する。もし、1st.レリーズSWがONしているならば#015へ移行し、OFFならば上記#003へ再び移行する。
#015では、測光回路21から被写体の輝度情報を入手する。そしてこの情報からCCDユニット22の露光時間(Tv値)と撮影レンズ1の絞り設定値(Av値)を算出する。
#016では、AFセンサ駆動回路17を経由してAFセンサユニット16の検知データを入手する。このデータに基づきピントのズレ量を算出する。
ここで#017にて、F_Lensの状態を判定する。“0”ならばレンズユニット10が存在しないことを意味するので、次の#018以降の撮影動作は実行できない。そこでこの場合は上記#003へ再び移行する。
【0041】
#018では、Lucom5に対してピントのズレ量を送信して、このズレ量に基づく撮影レンズ1の駆動を指令する。
#019では、カメラ操作SW52の1つである2nd.レリーズSW(不図示)が操作されたか否かを判定する。この2nd.レリーズSWがONしているときは#0190へ移行して所定の撮影動作を行うが、OFFのときは上記#003へ再び移行する。
【0042】
また、#0190では、撮影動作に先立って塵を除くため「塵除去動作」ルーチンが実行される。ただしこの動作によってタイムラグが発生することを避けるため、ここでは「共振点検出動作」ルーチンは実行されない。確実に塵を払うにはこれら2つのルーチンによる動作をあわせて行う事が望ましいが、共振周波数が変化する可能性が無ければ、「共振点検出動作」ルーチンは省略してもかまわない。ただし、カメラシステムの電源起動時、レンズ交換時、CCDの画素欠陥検出動作時はこの限りではない。
【0043】
#020からは、まずLucom5へAv値を送信し、絞り3の駆動を指令し、#021にてクイックリターンミラー11をUP位置へ移動する。#022にてシャッタ15の先幕走行を開始させ、#023にて画像処理コントローラ28に対して撮像動作の実行を指令する。Tv値で示される時間、CCDユニット22への露光が終了すると、#024において、シャッタ15の後幕走行を開始させ、#025にてクイックリターンミラー11をDown位置へ駆動する。
【0044】
またこれと並行してシャッタ15のチャージ動作を行う。
そして#026では、Lucom5に対して絞り3を開放位置へ復帰させるように指令し、#027では、画像処理コントローラ28に対して、撮影した画像データを記録メディア27へ記録するように指令する。その画像データの記録が終了すると、再び上記#003へ移行する。
【0045】
以下、図5に例示するフローチャートおよび図7(a)〜図11(b)に基づき、特徴的なサブルーチン「共振点検出動作」について詳しく説明する。その前に、共振対象の防塵ガラス30の支持構造と振動形態について、図7(a)〜図8(b)を参照しながら概説しておく。
本発明に係わるカメラシステムにおいては、防塵ガラス30の形状を仮に円盤とする。またその防塵ガラス30のガラス板の円周に沿って加振用の圧電素子31を配置すると、このガラス板は円周で支持されることになる。このとき、当該ガラス板は複数の振動モード(振動形態)で加振する。本発明ではこの振動モードの中から2つのモードを選択して使い分けることとする。図7(a),(b)および図8(a),(b)に選択した振動モードにおけるガラス板の振動の状態を示す。
【0046】
この第1実施形態に係わる防塵ガラス30は、図7(a),(b)にそれぞれ図示したような振動形態を示す。すなわち、加振手段として働く圧電素子31によって振動を加えると、そのガラス板の周囲には振動しない「節」が発生するが、概ねガラス全面が同じ位相にて、太矢印で示された如く図7(a)と図7(b)の状態を交互に繰り返して振動する。このような振動形態を以下「振動モード1」と称する。
【0047】
同様に、この第1実施形態の防塵ガラス30は、加える振動の周波数によっては、図8(a),(b)にそれぞれ図示したような形態でも振動することができる。すなわち、図8(a),(b)に例示した防塵ガラス30の振動形態は、ガラス板の内側と外側が180度ずれた位相で振動するものである。詳しくは、図示する振動形態ではガラス板の周囲と内部に節がそれぞれ発生するモードであり、図示の如く、内側の節に囲まれた領域の振動と内部の節の外側領域(ドーナツ状の領域)の振動は位相が180度ずれている。以下これを「振動モード2」と称する。
【0048】
よって、図5に示す当該サブルーチン「共振点検出動作」においては、上述した振動モード1と振動モード2の二種類の振動モードにおける共振周波数の検知動作が最初に行われる。
ガラスの特性(例えば形状、組成、支持方法など)によって共振周波数が存在する範囲が予想できるので、この範囲内でガラス板に振動を加えて共振点を検出するべきである。さもないと、検出動作に必要以上に時間がかかることになる。また、検出範囲を想定しないと、意図した振動モード以外の高次の共振モードにおける共振周波数を検出するおそれがある。
【0049】
そこで本実施形態においては、共振周波数の検出動作のために必要なパラメータを、図9にメモリマップで示された複数の領域を有するEEPROM29に予め記憶しておき、例えば「振動モード1対応制御パラメータ」として有している。振動モード1に対応する制御パラメータの値の詳細は、図10(a)に例示された値で記憶されている。例えば、StartOffsetはこのテーブルの読出し開始位置を示す。
【0050】
また同様に、「振動モード1対応周波数補正テーブル」として振動モード1に対応する制御パラメータの値の詳細は、図11(a)に例示された値で記憶されている。このようなデータテーブルは、振動モード1でガラスを駆動するときN進カウンタ41に設定する値を示している。このテーブルはクロックジェネレータ55が周波数40(MHz)のパルス信号を出力するものとして算出されている。既に説明した(1式)を使えば駆動周波数が算出できる。
【0051】
StopOffsetはこの振動モード1対応周波数補正テーブルの読出し終了位置を示す。StartOffsetからStopOffsetの範囲で駆動周波数を遷移させると、何れかのテーブルの値でガラス板は振動モード1で振動する。
【0052】
StepTimeは、駆動周波数を遷移させる際の1つの周波数で駆動すべき時間を示す。防塵ガラス駆動回路40の安定時間を考慮して決定する。駆動周波数の変更に対しても、ガラス板の振動が直ちに追従するわけではない。追従しなければ、モニタ信号の出力もあてにならない。
【0053】
ADwaitは、モニタ信号をA/D変換する周波数を決定するパラメータであり、ガラスの共振周波数に応じて適当な値に決定する。M1OscTimeは、検出された周波数で防塵ガラス30を加振する時間を示している。これは、サブルーチン「塵除去動作」で必要になる。
以上は、振動モード1における制御パラメータである。
振動モード2対応の制御パラメータの詳細は、図10(b)に示される。また、振動モード2対応周波数補正テーブルの詳細は図11(b)に示され、振動モード1と同様な構成のパラメータであり、基本的に同じなのでその説明は省略する。
【0054】
さらに図5のフローチャートおよび図9〜図12に基づき「共振点検出動作」の手順について説明する。
#100では、EEPROM29から4つの制御パラメータ(StartOffset,StopOffset,StepTime,ADwait)を読み出す。
そして#101では、EEPROM29の読出し開始アドレスとしてAddressM1+StartOffsetを設定し、読出し終了アドレスとしてAddressM1+StopOffsetを設定する。AddressM1は振動モード1対応周波数補正テーブルの先頭アドレスを示している。
仮に、読出し開始位置(StartOffset)を”3”とし、読出し終了位置(StopOffset)を”9”とすると、図11(a)中の*1から*2で示された領域のプリセット値”N”をN進カウンタ41へ設定することになる。すなわち、f1,f2,f3, …,f7の周波数の中からモニタ信号の出力が最大となる周波数を検出することになる。
【0055】
#102では、モニタ信号の最大値を一時的に記憶するために確保したメモリD_ADMAXへ便宜上モニタ信号の最小値である#0を設定する。
#103では、圧電素子31を駆動するための準備動作が行われる。IOポートのP_PwContを制御してトランジスタQ00をON状態にする。更に、クロックジェネレータ55からパルス信号の出力を開始する。この状態でN進カウンタ41にテーブルから取り出したデータを設定すれば、所望の周波数で圧電素子31を駆動できる。
【0056】
#104においては、設定されたEEPROM29のアドレスからプリセット値(N)を読み出す。そして、IOポートのD_NCntからN進カウンタ41に読み出したプリセット値を設定する。
そして#105にて、周波数駆動回路の安定するまでの所定時間だけ待機する。
【0057】
#106では、タイマカウンタ1へSteptimeを設定し、タイマのカウント動作を開始する。例えば図10(a)に示す如く、Steptimeが記憶されていると、2(msec)がタイマカウンタ1へ設定されることになる。
#107にて、A/Dコンバータ60の加算データを一時的に記憶するために確保したメモリ領域D_ADSUMへ#0を設定する。更にA/Dコンバータ60の動作回数をカウントするために確保したメモリD_ADcountへ#0を設定する。
【0058】
#108では、タイマカウンタ2へADwaitを設定し、カウント動作を開始する。例えば図10(a)に示す如くADwaitが記憶されていると、80(μsec)がタイマカウンタ2へ設定されることになる。
そして、#109にて、A/Dコンバータ60を用いてモニタ信号のA/D変換値を取得する。
【0059】
#110では、モニタ信号のA/D変換値を、メモリ領域D_ADSUMへ加算する。更にメモリ領域D_ADcountをインクリメント(1を加算)する。#111では、タイマカウンタ2のカウント動作が終了するまで待機する。 #112では、タイマカウンタ1のカウント動作が終了しているか否かを判定する。まだ終了していない場合は、再度モニタ信号の測定のため、上記#108へ移行する。もし終了していれば#113へ移行する。
【0060】
#113では、メモリ領域D_ADSUMとD_ADcountから、AD変換値の平均値を求める。そして、平均値はその平均値の記録のため確保したメモリ領域D_ADAVEへ格納される。D_ADAVEは、現在の駆動周波数におけるモニタ信号のレベルを示すことになる。
#114では、D_ADAVEとD_ADMAXとの内容を比較する。もしD_ADAVEの内容がD_ADMAXの内容よりも大きい場合は、#115へ移行し、小さい場合は#119へ移行する。
【0061】
#115では、D_ADAVEの内容をD_ADMAX中に移す。古い最大値は破棄され、今回測定された値がモニタ信号の最大値として記憶される。
現在、振動モード1でモニタ信号を測定中ならば、#116から#117へ移行する。現在、振動モード2でモニタ信号を測定中ならば、#116から#118へ移行する。
【0062】
#117では、現在のEEPROM29のアドレスをD_M1resonantに記憶する。D_M1resonantは振動モード1用のアドレスを記憶するためメモリ上に確保した領域である。
また、#118では、現在のEEPROMのアドレスをD_M2resonantに記憶する。D_M2resonantは振動モード2用のアドレスを記憶するためメモリ上に確保した領域である。
これらD_M1resonant及びD_M2resonantの値は、後述のサブルーチン「塵除去動作」で使用される。
【0063】
#119では、EEPROM読出し終了アドレスで示される駆動周波数までモニタ信号の測定が終了したか否かを判定する。まだ終了していなければ#121へ移行し、終了していれば次の#120へ移行する。
#120では、駆動動作を停止する処理が行われる。トランジスタQ00をOFFして、クロックジェネレータの動作を止める。
#121では、EEPROM29の読出しアドレスをインクリメントし、#104へ移行する。
【0064】
#122では、振動モード1と振動モード2における共振点の検出動作が終了したか否かを判定する。共に検出動作が終了していればメインルーチンへリターンする。
振動モード1のみが終了している場合は、振動モード2における共振周波数を検出するために#130へ移行する。尚、#130,#131の動作は既に説明した#100,#101と基本的に同じねあるので説明は省略する。そして、共振周波数を検出するため再び上記#102へ移行する。
【0065】
尚、本サブルーチンでは2つのパラメータ(StartOffset、StopOffset)で規定される範囲で周波数補正テーブルからプリセット値を読み出した。そしてこのプリセット値すべてを利用してガラス板を駆動し、モニタ信号のレベルを測定するものである。
【0066】
図12には周波数とガラス板の振幅の関係を示している。また、*3は共振モード1の特性を示すと仮定する。
本ルーチンでは、図11(a)に例示したf1,f2,f3, …,f7という周波数(プリセット値)において、モニタ信号レベルを測定する。*3の特性における共振周波数はfcである。fcはf4に相当する。本ルーチンでは、f1,f2,f3,f4と順次に駆動周波数を変更していきながらモニタ信号の測定を行う。そして、共振周波数fcを過ぎても、f5,f6,f7と順次に駆動を続ける。
【0067】
f1〜f4では、モニタ信号は増加方向にある。そして、f5からモニタ信号は減少方向に変化する。よって、このモニタ信号の増加方向から減少方向への変化を検出すれば、f6,f7の周波数であえて駆動する必要性はなくなる。なお、周波数を変化させる範囲が広い場合は、共振周波数の検出時間短縮のために、ここで例示した如くの制御プログラムを作ることが望ましい。
【0068】
ここで、図6に示すサブルーチン「塵除去動作」について説明する。
このサブルーチンでは、上述した振動モード1と振動モード2の2つのモードで防塵ガラス30が共振されるように圧電素子31を駆動するように設定されている。一般的に、塵の特性(例えば重さ、形状、素材など)によって、塵を除去しやすい周波数や振幅が異なる。そこで、確実に塵を除くためにはこれら2つの振動モードでそのガラス板を共振させるとよい。勿論、更に複数の振動モードで共振させてもよい。但し、除去動作にかかる時間もまたその分余計にかかることがあるので、除去効果の程度と所要時間とを充分鑑みて適当な数に設定するべきである。
【0069】
そこでまず、#200では、EEPROM29の振動モード1対応制御パラメータよりM1OSCtimeを、振動モード2対応制御パラメータよりM2OSCtimeをそれぞれ読み出す。
#201では、圧電素子31を駆動するための準備動作が行われる。IOポートのP_PwContを制御して、トランジスタQ00をON状態にする。更に、クロックジェネレータ55からパルス信号の出力を開始する。この状態でN進カウンタ41にEEPROM29のテーブルから取り出したデータを設定すれば、所望の周波数で圧電素子31を駆動できる。
【0070】
#202では、D_M1resonantが示すEEPROM29のアドレスからプリセット値(N)を読み出す。この値は、N進カウンタ41へセットされる。これにより防塵ガラス駆動回路40は、そのガラス板を振動モード1の共振周波数で駆動する。
#203では、タイマカウンタ1へM1OscTimeを設定し、カウント動作を開始する。例えば、図10(a)に示す如くM1OscTimeが記憶されていると、200(msec)がタイマカウンタ1ヘ設定されることになる。
#204では、タイマカウンタ1のカウント動作が終了するまで待機する。 以上により、振動モード1による塵払いの動作は完了する。さらに、確実に塵払いを行うため、振動モード2でガラス板を振動させる。
【0071】
#205では、D_M2resonantが示すEEPROM29のアドレスからプリセット値(N)を読み出す。この値は、N進カウンタ41へセットされる。これにより防塵ガラス駆動回路40は、そのガラス板を振動モード2の共振周波数で駆動する。
#206では、タイマカウンタ2へM2OscTimeを設定し、カウント動作を開始する。例えば、図10(b)に示す如くM2OscTimeが記憶されていると、100(msec)がタイマカウンタ2ヘ設定されることになる。
【0072】
#207では、タイマカウンタ2のカウント動作が終了するまで待機する。
そして#208では、駆動動作を停止する処理が行われる。トランジスタQ00をOFF状態にし、クロックジェネレータ55の動作を止める。
その後は、メインルーチンへリターンする。
【0073】
なお、カメラシステムの設計段階では、ガラス板の共振周波数のバラツキを予測することは非常に困難である。したがって、このカメラシステムが完成した後に、圧電素子31の駆動周波数を決定する制御パラメータを設定できるようにすべきである。そこで必要なパラメータは、上述した如く本発明ではすべてEEPROM29に選択可能に格納されている。
【0074】
(変形例1)
なお、本サブルーチンは、前述したサブルーチン「共振点検出動作」で検出された共振周波数のみでガラス板の駆動を行っている。
図12には、周波数とガラス板の振幅の関係を示している。サブルーチン「共振点検出動作」を実行しているときの特性を*3とする。共振周波数fcは、図11(a)中のf4に相当するものとする。しかし、共振周波数が予期しない要因で特性が*4、*5の如く変動する可能性もある。このような変動が生じても対応できるようにEEPROM29のテーブルからf4以外にもf3,f5のデータを読み出して当該サブルーチンを実行してもよい。
【0075】
また、温度によっても共振周波数がある範囲で変動するので、所定の実験により作成した温度補正テーブルを適正に設定し参照可能に保持することで、その運用時の温度において最も好適な共振周波数でそのガラス板を駆動させてもよい。そのためには、振動モードに対応する温度補正テーブルからその時の温度に対応するパラメータを読み出すために、温度情報(t)を当サブルーチンの実行前に、温度測定回路33の温度センサ(不図示)によって検出しておけばよい。
このように、第1実施形態の防塵機能付き光学装置(例えばカメラ)によれば、被写体像を光電変換するためのCCDユニット22と、このCCDと撮影レンズ1との間に配される光学素子(防塵ガラス30)と、この防塵ガラス30を所定の周波数で振動させる加振手段(例えば圧電素子31)とをケース状の枠体内に収めて有し、構成的には、この防塵ガラス30を振動させるために、電極Aを含む第1の圧電素子および、上記光学素子の振動状態に応じた信号を出力する電極B61を含む第2の圧電素子(但し圧電素子としては圧電素子31一つで良い)を有する。
【0076】
そして、複数の周波数を切り替えながら第1の圧電素子を振動させ、その際の第2の圧電素子の出力から防塵ガラス30が共振状態となる共振周波数を決定する第1の駆動モード(振動モード1)とこの第1の駆動モードで決定された共振周波数にて防塵ガラス30を駆動する第2の駆動モード(振動モード2)とを機能的に有する駆動手段(防塵ガラス駆動回路40)を備えるような防塵機能付き光学装置を前述の如く構成した。
そして、圧電素子31が防塵ガラス駆動回路40によって防塵ガラス30を振動させる際には、その振動の周波数を順次変更するように適宜制御している。
【0077】
特にここでは、所定周期の信号に基づき2つの電極A及び電極Bを有した圧電素子31を、最初は検出回路に接続された電極Bの電圧をモニタしながら駆動させ、最も効率的な共振周波数として防塵ガラス30を効果的に共振させる共振周波数を求める共振検出動作を実行してから、その求まった共振周波数で本格的に圧電素子31を駆動させるように制御している。
これにより、防塵ガラス30の表面は、上記の共振周波数に基づき同一位相ないし180度ずれた位相でしかも効率的に共振されるので、ガラス表面に付着していた塵がより効果的に除去される。
【0078】
したがって、この第1実施形態のように実施したことで、保護ガラスとしての防塵ガラス30の共振周波数に影響する例えばガラス形状や弾性係数のバラツキなどを調整しなくとも、測定された周囲の温度を考慮する程度で効率的な塵の除去が可能なカメラを提供することができる。
また、保護ガラスの如きその共振周波数を特定できないガラス部材のバラツキに起因する固有共振周波数に対する調整に要する手間やコストも不要となる。
【0079】
(第2実施形態)
次に、本発明の第2実施形態について説明する。前述した第1実施形態は次のように実施してもよい。すなわち、図13に例示の回路図にはこの第2実施形態としての加振手段(防塵ガラス駆動回路40′)の構成を示している。重複する説明は避けて特徴的な部分について説明すると、前述の第1実施形態がN進カウンタ41の分周率を制御することで、駆動周波数を変化させる方式にて実施したのに対して、この第2実施形態では、まず図13のような回路の防塵ガラス駆動回路40′を構成実施している。そしてここでは、D/Aコンバータ47とVCO(電圧制御発振器)48とを用い、駆動周波数を変化させる方式にて実施している。
【0080】
図13の如く防塵ガラス駆動回路40′は、Bucom50の出力ポートのD_DAに接続するD/Aコンバータ47と、このコンバータ47に接続するVCO(電圧制御発振器)48と、このVCO48に接続するアンプ49と、このアンプ49に接続するトランジスタ44およびトランス45から構成されている。上記トランジスタ44のベースは、Bucom50の出力ポートのP_PWContに接続され、電源回路53からは必要な電力が供給されている。そして、上記トランス45には圧電素子31が接続され、所定の振動にてガラス板を加振できるように構成されている。
【0081】
なお、この第2実施形態の場合も勿論、2つの電極A,Bを有する圧電素子31が同様に用いられて、最初は、検出回路に接続された電極Bの電圧をモニタしながら駆動させ、最も効率的な共振周波数として防塵ガラス30を効果的に共振させるような共振周波数を求める共振検出動作を実行してから、その求まった共振周波数で本格的に圧電素子31を駆動させるように制御している。
【0082】
このように、第2実施形態のこの防塵ガラス駆動回路の構成においては、出力ポートD_DAから与えられた信号に基づきD/Aコンバータ47でアナログ信号に変換して、この変換された信号に基づきVCO(電圧制御発振器)48によって所定の周期の信号を発振させる。アンプ49でこれを増幅した後、この増幅信号をトランス45の1次側に供給して得られた2次側の電圧で圧電素子31を駆動周波数fc(fn)で振動させる。尚、この駆動周波数fcは、D/Aコンバータ47の設定値を適宜に変化させることによって、図12に示すfc′からfc″の範囲で変化させられるので、前述の第1実施形態と同様な制御が可能となる。よって、効率的な塵の除去が可能なカメラを提供することができる。
【0083】
(変形例2)
なお、電子撮像可能なカメラシステムを例にして保護ガラス(防塵ガラス)による実施形態について説明してきたが、埃や塵を嫌うその他の光学装置においても、本発明を同様に適用すれば、前述した第1または第2実施形態と同等な効果が得られる。
また、共振周波数を特定できないガラス以外の光学素子部材を適用することもでき、その場合にも、製品個々のバラツキに起因する固有共振周波数に対する調整は不要となり、前述同等な効果が期待できる。
このほかにも、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変形実施が可能である。
【0084】
以上、実施形態に基づき説明したが、本明細書中には次の発明が含まれる。
(1) 上記不揮発性記憶手段としてのEEPROMは、上記圧電素子の駆動手段(防塵ガラス駆動回路)へ設定する所定の周波数データをデータテーブルとして格納することを特徴とする防塵機能付きカメラを提供できる。
(2) 上記周波数データは、防塵ガラスを共振させる複数の振動モードに応じた駆動周波数としてテーブル化されていることを特徴とする(1)に記載の防塵機能付きカメラを提供できる。
(3) 上記テーブルの読出し位置を指定する情報も当該EEPROMに格納されていることを特徴とする(2)に記載の防塵機能付きカメラを提供できる。
【0085】
(4) 共振周波数の検出の為の圧電素子電極および検出回路による駆動と、塵除去の為の圧電素子電極による駆動と、を所定のタイミングでそれぞれ行ない、上記検出回路のために上記圧電素子電極の出力をモニタして、最大電圧が得られたときの周波数を共振周波数とみなすことを特徴とする(1)に記載の防塵機能付きカメラを提供できる。
【0086】
【発明の効果】
以上、本発明によれば、共振周波数を一箇所に特定できない保護ガラス(防塵ガラス)の個々のバラツキに起因する固有共振周波数に対する特別な調整を行う必要がなくなり、塵の除去のために効率よく駆動するような方式を有する防塵機能付き光学装置を提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係わる実施形態のカメラの構成を示すブロック構成図。
【図2】 第1実施形態としての加振手段(防塵ガラス駆動回路)の回路構成を示す回路図。
【図3】 防塵ガラス駆動回路の動作を説明するため、図2中の各部における信号波形の表わすタイムチャート。
【図4】 カメラボディ制御用マイコンのカメラシーケンスの手順を表わすフローチャート。
【図5】 図4のフローチャート中のルーチン「共振点検出動作」の詳細手順を表わすフローチャート。
【図6】 図4のフローチャート中のルーチン「塵除去動作」の詳細手順を表わすフローチャート。
【図7】 図7(a),(b)は本発明に係わる防塵ガラスの振動形態を示し、ガラス板の周囲に節が発生して全面が同じ位相で振動する形態(振動モード1)の説明図。
【図8】 図8(a),(b)は本発明に係わる防塵ガラスの振動形態を示し、ガラス板の内側と外側が180°異なる位相で振動する形態(振動モード2)の説明図。
【図9】 EEPROMに占める周波数補正に関するテーブル領域を示すメモリマップ。
【図10】 図10(a),(b)は、振動モードの周波数補正に関する制御パラメータを示し、
(a)は、振動モード1対応制御パラメータテーブルの詳細を表わす一覧表、
(b)は、振動モード2対応制御パラメータテーブルの詳細を表わす一覧表。
【図11】 図11(a),(b)は振動モードに対応する補正値を示し、
(a)は、振動モード1対応周波数補正テーブルの詳細表、
(b)は、振動モード2対応周波数補正テーブルの詳細表。
【図12】 駆動周波数とガラス板の振動の振幅との関係を表わす特性グラフ。
【図13】 第2実施形態としての加振手段(防塵ガラス駆動回路)の回路構成を示す回路図。
【符号の説明】
1…撮影レンズ、 2…レンズ駆動機構、
3…絞り、 4…絞り駆動機構、
5…レンズ制御用マイクロコンピュータ、
6…通信コネクタ、
10…レンズユニット(交換レンズ)、
11…クイックリターンミラー、
12…ペンタプリズム、
13…接眼レンズ、 14…サブミラー、
15…シャッタ(前幕、後幕)、
16…AFセンサ、 17…AFセンサ駆動回路、
18…ミラー駆動機構、
19…シャッタチャージ機構、
20…シャッタ制御回路、
21…測光回路、
22…CCDユニット(光電変換素子)、
23…CCDインターフェイス回路、
24…液晶モニタ、 25…SDRAM、
26…FlashROM、
27…記録メディア、28…画像処理コントローラ、
29…不揮発性メモリ(EEPROM)、
30…防塵ガラス(光学素子)、
31…圧電素子(加振手段)、
33…温度測定回路、
40…防塵ガラス駆動回路(加振、駆動手段)、
41…N進カウンタ、
42…1/2分周回路(分周手段)、
43…インバータ、 44…トランジスタ、
44a,44b,44c…MOSトランジスタ、
45…トランス、 46…抵抗、
47…D/Aコンバータ、
48…VCO(電圧制御発振器)、
49…アンプ、
50…ボディ制御用マイクロコンピュータ、
51…動作表示用LCD、
52…カメラ操作SW、
53…電源回路、 54…電池、
55…クロックジェネレータ、
60…A/Dコンバータ、
61…電極B(モニタ用圧電素子電極)、
62…ダイオード(検出回路要素)、
63,64…抵抗(:)、
65…コンデンサ(:)。

Claims (2)

  1. 被写体の光学像を結像する撮像光学系と、
    上記光学像を電気信号に変換する光電変換素子と、
    上記光電変換素子と上記撮像光学系との間に配される光学素子と、
    上記光学素子を振動させるための第1の圧電素子と、
    上記光学素子の振動状態に応じた信号を出力する第2の圧電素子と、
    複数の周波数を切り替えながら上記第1の圧電素子を振動させ、その際の上記第2の圧電素子の出力から上記光電素子が共振状態となる共振周波数を決定する第1の駆動モードと、この第1の駆動モードで決定された共振周波数でもって上記光学素子を駆動する第2の駆動モードとを有する駆動手段と、
    を具備することを特徴とする防塵機能付き光学装置。
  2. 複数の周波数データをデータテーブルとして記憶する不揮発性記憶手段を更に含み、
    上記駆動手段は、上記データテーブルを参照して、上記第1の駆動モードにおける設定すべき共振周波数を決定するように制御されることを特徴とする、請求項1に記載の防塵機能付き光学装置。
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