JP3917674B2 - ブレフェルジン類化合物の合成方法 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は抗カビ性、抗腫瘍性、抗ウィルス性を有するブレフェルジン類化合物の中間体の合成方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
ブレフェルジンAは1958年にSingletonらによりPenicillium decumbensから初めて単離され、抗カビ性、抗腫瘍性、抗ウィルス性など広範な生理活性を有する化合物として知られている。また、ブレフェルジンCはブレフェルジンAの生合成上の前駆体であってEupenicillium brefeldianumから単離され、ブレフェルジンAと同様に生理活性を有するマクロリド系抗生物質として知られている。このブレフェルジンA又はブレフェルジンC(以下、これらを単にブレフェルジン類化合物ということがある。)は次のような一般式を有する化合物である。
【0003】
【化3】
【0004】
従来、これらの化合物の合成方法のポイントとしては次の点が挙げられている。
1.13員環ラクトン骨格の構築2.2位、10位のオレフィンの幾何配置の制御3.C4、C5、C7、C9及びC15の不斉炭素の立体制御この不斉炭素の立体制御方法についてはいくつかの報告があるが、代表的な例としてTrostらのブレフェルジンA、又は、高野らのブレフェルジンCの合成方法がある。Trost( JACS 1986, 108, 284-291 )のブレフェルジンAの合成方法は次の方法による。
【0005】
【化4】
【0006】
この方法では立体配置の定まっているD−マニト−ル由来の(R)−グリセルアルデヒドを4位の不斉源とし、Pd触媒を用いるトリメチレンメタン付加環化反応で5,9位の立体配置を制御する(C:C’=7:3)。7位の立体化学はCをオゾン酸化後、ジイソブチルアルミニウムヒドリド(DIBAL−H)と2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノ−ル(BHT)から調製される山本試薬によるジアステレオ面選択的還元により制御する(E:E’=6:1)。10位の幾何配置は、Juliaオレフィン化によりE配置に制御する(G)。2位の幾何配置は、スルホキシドの脱離反応によりEに制御し、15位の立体化学は、(H)をパン酵母還元によりエナンチオ選択的に得られた(I)に由来している。また、高野( Tetrahedron Letters, Vol30, pp4845-4848,1989 )らの方法は次の反応による。
【0007】
【化5】
【0008】
この方法では4位、5位、9位の立体化学をキラルなエポキシ−アリルシランAをルイス酸(SnCl4)を用いて閉環させることによって制御している。15位の立体化学は(S)−4,5−O−イソプロピリデンペンタン酸エチルに由来し9段階でCを調製している(全体として46%収率)。2位の幾何配置はHorner−Emmons試薬を用いてE配置に制御している。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
このように、これまで上鎖の導入はWittig反応等のオレフィン化により2,3位をE配置に制御して導入する方法が多かった。しかし、従来の方法ではE体に制御することが難しく、また、E体を制御するため、使用する反応が限られていた。本発明者は、先に下記の構造式(8)を有するビナフト−ル−チタン錯体を使用した不斉触媒的カルボニル−エン反応によりイソカルバサイクリンを合成した。
【0010】
【化6】
【0011】
今回この反応を利用することによってジアステレオ及びエナンチオ制御を図りながら、ブレフェルジン類化合物のC1〜C4の炭素骨格を直接構築することができるとの知見を得、この知見に基づいてより効果的にブレフェルジン類鍵中間体を製造し、これよりブレフェルジン類化合物を合成する方法を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明の要旨は化学式(1)で示されるシクロペンテンと化学式(3)を有する不飽和アルデヒドとを光学活性ビナフト−ル−チタン錯体触媒の存在下に反応させて下記の反応式(1)により一般式(C)で表されるブレフェルジンA若しくはブレフェルジンCの中間体を合成することを特徴とするブレフェルジン類化合物の中間体の合成方法である。
【0013】
【化7】
【0014】
また、化学式(2)で示されるシクロペンテンと化学式(3)を有する不飽和アルデヒドとを光学活性ビナフト−ル−チタン錯体触媒存在下に反応させて一般式(E)で表されるブレフェルジンA若しくはブレフェルジンCの中間体を合成することを特徴とするブレフェルジン類化合物の中間体の合成方法である。
【0015】
【化8】
【0016】
次に更に詳細に本発明について説明する。
反応式(I)は化学式(1)の置換シクロペンテンをエン体とし、化学式(3)の不飽和アルデヒドを親エン体とする新規なカルボニル−エン反応であって、使用する原料の量比としては、オレフィン/アルデヒド=1.2:1程度である。この反応では触媒として光学活性ビナフト−ル−チタン錯体触媒を使用する。光学活性ビナフト−ル−チタン錯体触媒は先に示した構造式(8)を有し、Xはハロゲン基で、例えば塩化物や臭化物が使用される。使用量としては約20mol%程度である。
反応式(I)において、化学式(1)の置換シクロペンテンのXがHの場合、使用する溶媒としては、ジクロロメタン、トルエン等が用いられるが、好ましい溶媒としてはジクロロメタン(CH2Cl2)である。反応温度としては0℃〜室温の温度範囲において行う。この反応においては比較的高い光学純度のものが得られるが、生成物は化学式(4)及び(4’)の位置異性体の混合物である。
化学式(1)の置換基Xがtert−ブチルジメチルシロキシ基を有する化合物を使用する場合には、位置選択性の向上が見られ、目的とするエキソメチレン体のみが得られる。
【0017】
エン体としてトリメチルシリルメチル基を有するシクロペンテンを使用し、当該化合物と親エン体として化学式(3)を有する不飽和アルデヒドとを光学活性ビナフト−ル−チタン錯体触媒存在下でカルボニル−エン反応を行わせると、反応式(II)に示されるような一般式(5)、(6)、(7)で示される化合物の混合物である生成物(E)が収率50%程度で得られる。(5)、(6)及び(7)の不斉収率は44%、30%及び86%程度である。
この場合の反応条件としては、反応温度を前記反応式(I)の場合より低く、約−20℃〜室温程度であり、その他の条件は反応式(I)の場合と同じである。
この反応の生成物(E)のうち主成分は化学式(7)を有する化合物であって、この化合物は化合物(5)及び(6)よりエナンチオ選択性が高い。
(S)−ビナフト−ル−チタンハロゲン化物触媒を使用すると、7のエナンチオマ−ができる。
この化合物を原料としてTrost或いは高野らの方法、即ち、OH基の保護、ハイドロボレ−ション−酸化、酸化、エピ化、Hornor−Emmons等の反応によって目的とするブレフェルジン類化合物を合成する。
次に実施例をもって本発明について更に具体的に説明する。
【0018】
【実施例】
実施例1
モレキュラ−シ−ブ4Aのジクロロメタン懸濁液へ、20mol%量の(R)−ビナフト−ル−チタン二塩化物触媒、1−メチル−1−シクロシクロペンテン0.6〜0.8mmol、(E)−3−ホルミルアクリル酸エチル0.5mmolを加え、0℃〜室温で約1日反応させ反応式(I)により生成物(C)を得た。生成物は化学式(4)の化合物と化学式(4’)の化合物とが29:71の混合物であった。1−メチルシクロシクロペンテンの代わりに1−メチル−4−tert−ブチルジメチルシロキシ−1−シクロペンテンを使用し同様に反応を行ったところ、生成物は化学式(4)の化合物と化学式(4’)の化合物とが100:0の割合で化学式(4)を有する化合物が選択的に得られた。化学式(4)を有する化合物を原料としてTrost或いは高野らの方法によってブレフェルジン類化合物を合成することが出来る。
【0019】
実施例2
1−トリメチルシリルメチル−1−シクロペンテン0.6〜0.8mmolと実施例1で使用したアルデヒド0.5mmolとをジクロロメタンに溶解し、(R)−ビナフト−ル−チタン二臭化物触媒の存在下−20℃〜室温の温度範囲で約1日反応させると、前述の反応式(II)により収率約49%で生成物が得られた。得られた生成物は化学式(5)、(6)、(7)の化合物が37:6:57の割合よりなる混合物であった。
【0020】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明は光学活性ビナフト−ル−チタン錯体触媒を使用し、置換シクロペンテンをエン体とし、不飽和アルデヒドを親エン体とするカルボニル−エン反応を行うことによってブレフェルジン類の中間体であるエキソメチレン体が得られ、これよりブレフェルジン類化合物を合成することが出来る。
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