JP3916969B2 - 生タイヤ予熱方法およびその装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、加硫成形前の生タイヤに対して予熱を行う生タイヤ予熱方法およびその装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
通常、成形機で成形された生タイヤは、加硫設備の建屋内等に設定された保管場所のラックに室温環境下で保管され、生産計画に基づいてラックから取り出されて加硫機へ運搬される。そして、この加硫機で生タイヤが加熱されて加硫温度に昇温されることによって、生タイヤの加硫成形が行われる。この際、生タイヤが室温環境下で長時間保管されていると、生タイヤが加硫開始温度よりも大幅に低い温度、例えば25℃等の室温に近い温度にまで冷えるため、この温度から加硫開始温度以上に昇温させて生タイヤの加硫成形を完了するまでに長時間を要することになる。従って、従来、生タイヤの保管時においては、例えば加硫開始温度に近い予熱温度に保管室の雰囲気を設定し、この保管室で生タイヤを保管する方法や、生タイヤに対してマイクロ波を照射することによって、生タイヤを直接的に加熱して予熱する方法が実施および考えられている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来のように、保管室の雰囲気を予熱温度に設定して生タイヤの予熱を行う方法では、保管室全体を予熱温度に昇温および維持する必要があることや、生タイヤの表面側を主に予熱(加熱)し、加硫成形時に最も昇温の遅れる内部側を十分に予熱することができないことにより、ランニングコストが高騰し易いという問題がある。
【0004】
また、マイクロ波を生タイヤに照射する方法では、生タイヤに対してマイクロ波が全体的に照射されるため、複雑な形状、厚みおよび内部構造を有した生タイヤをタイヤ幅方向において均等に予熱することが極めて困難であるという問題がある。
【0005】
そこで、本発明は、小さなランニングコストで予熱を均等に行うことができる生タイヤ予熱方法およびその装置を提供するものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、第1の発明は、生タイヤの内部に埋め込まれた金属製部材を電磁誘導加熱することによって、該生タイヤを予熱する生タイヤ予熱装置であって、前記生タイヤに対向配置され、該生タイヤに高周波磁界を生成して印加するコイル手段と、前記高周波磁界を引き込む強磁性低導電率材を有した材質で形成され、前記生タイヤの全体を均等に予熱するような分布状態に前記高周波磁界を設定するコア手段とを有することを特徴としている。
【0007】
上記の構成によれば、生タイヤに埋め込まれた金属製部材がコイル手段で生成された高周波磁界により電磁誘導加熱されることによって、生タイヤが内部からの加熱により予熱される。従って、従来のように保管室全体を予熱温度に昇温して維持する必要がないため、予熱時のランニングコストを低減することができる。さらに、コア手段の強磁性低導電率材により高周波磁界を引き込んで任意の分布状態に変更および設定することができるため、生タイヤが複雑な形状、厚みおよび内部構造を有していても、生タイヤの全体をほぼ均一な温度であるいは所望の温度分布で予熱することができる。
【0008】
第2の発明は、生タイヤの内部に埋め込まれた金属製部材を電磁誘導加熱することによって、該生タイヤを予熱する生タイヤ予熱装置であって、トレッド部に対向配置され、該トレッド部に高周波磁界を生成して印加するフロントコイルと、前記高周波磁界を引き込む強磁性低導電率材を有した材質で形成され、前記トレッド部のタイヤ幅方向の全体を均等に予熱するように前記高周波磁界を設定するコア機構とを備えたトレッド部予熱機構と、前記トレッド部予熱機構をトレッド部に沿って相対移動させるように、前記トレッド部予熱機構および前記生タイヤの少なくとも一方を移動させる移動機構とを有することを特徴としている。
【0009】
第3の発明は、生タイヤの内部に埋め込まれた金属製部材を電磁誘導加熱することによって、該生タイヤを予熱する生タイヤ予熱装置であって、トレッド部に対向配置され、該トレッド部に高周波磁界を生成して印加するフロントコイルと、強磁性低導電率材を有した材質で形成されたコア機構とを備えたトレッド部予熱機構と、前記トレッド部予熱機構をトレッド部に沿って相対移動させるように、前記トレッド部予熱機構および前記生タイヤの少なくとも一方を移動させる移動機構とを有することを特徴としている。
【0010】
上記の第2または第3の発明の構成によれば、生タイヤのトレッド部に埋め込まれた金属製部材がフロントコイルで生成された高周波磁界により電磁誘導加熱されることによって、トレッド部が内部からの加熱により予熱される。従って、従来のように保管室全体を予熱温度に昇温して維持する必要がないため、予熱時のランニングコストを低減することができる。さらに、コア機構の強磁性低導電率材により高周波磁界を引き込んで任意の分布状態に変更および設定することができるため、トレッド部が複雑な形状、厚みおよび内部構造を有していても、トレッド部の全体をほぼ均一な温度で予熱することができる。
【0011】
第4の発明は、第2または第3の発明に係る生タイヤ予熱装置であって、前記コア機構は、前記トレッド部および前記フロントコイル間において前記トレッド部の内側部分に対向するように設けられたシールドコアを有することを特徴としている。
【0012】
上記の構成によれば、トレッド部の内側部分に対向するように設けられたシールドコアがフロントコイルの高周波磁界を遮蔽した状態にするため、トレッド部の内側部分よりも外側部分を優先的に電磁誘導加熱させることができる。これにより、シールドコアによる簡単な構成で高周波磁界を所望の状態に設定することができる。
【0013】
第5の発明は、第4の発明に係る生タイヤ予熱装置であって、前記フロントコイルは、開口部を前記トレッド部に対向させるように配置されており、前記コア機構は、前記開口部内において前記トレッド部の外側部分に近接するように先端面を位置させたセンターコアを有することを特徴としている。
【0014】
上記の構成によれば、トレッド部の内側部分に対向するように設けられたシールドコアがフロントコイルの高周波磁界を遮蔽した状態にする。一方、センターコアがフロントコイルの高周波磁界を引き込んで先端面に高周波磁界を集合させた状態にし、近接した位置から高密度の磁界をトレッド部の外側部分に印加する。この結果、トレッド部の内側部分よりも外側部分をさらに優先的に電磁誘導加熱することができる。
【0015】
第6の発明は、第4または5の発明に係る生タイヤ予熱装置であって、前記コア機構は、前記トレッド部の外側部分に先端面を近接させるようにフロントコイルの両側面に設けられたサイドコアを有することを特徴としている。
【0016】
上記の構成によれば、サイドコアとセンターコアとが並列配置された状態になって、両コアがフロントコイルの高周波磁界を引き込んで先端面に集合させた状態にし、近接した位置から高密度の磁界をトレッド部の外側部分に印加する。この結果、トレッド部の内側部分よりも外側部分をさらに優先的に電磁誘導加熱することができる。
【0017】
第7の発明は、第2または3の発明に係る生タイヤ予熱装置であって、前記フロントコイルは、開口部を前記トレッド部に対向させるように配置されており、前記コア機構は、前記開口部内において前記トレッド部の内側部分から外側部分にかけて徐々に近接するように先端面を位置させたコアブロックを有することを特徴としている。
【0018】
上記の構成によれば、コアブロックがフロントコイルの高周波磁界を引き込んで先端面に集合させた状態にし、先端面に近接したトレッド部の外側部分を内側部分よりも優先的に電磁誘導加熱することができる。
【0019】
第8の発明は、生タイヤの内部に埋め込まれた金属製部材を電磁誘導加熱することによって、該生タイヤを予熱する生タイヤ予熱装置であって、トレッド部に開口部を対向させるように配置され、該トレッド部に高周波磁界を生成して印加するフロントコイルと、前記フロントコイルの背面側に配置され、該フロントコイルの高周波磁界とは逆方向の高周波磁界を生成するリアコイルと、前記高周波磁界を引き込む強磁性低導電率材を有した材質で形成され、前記フロントコイルおよびリアコイル間において前記トレッド部の外側部分に対応した部位に設けられたセパレーションコアとを備えたトレッド部予熱機構と、前記トレッド部予熱機構をトレッド部に沿って相対移動させるように、前記トレッド部予熱機構および前記生タイヤの少なくとも一方を移動させる移動機構とを有することを特徴としている。
【0020】
第9の発明は、生タイヤの内部に埋め込まれた金属製部材を電磁誘導加熱することによって、該生タイヤを予熱する生タイヤ予熱装置であって、トレッド部に開口部を対向させるように配置され、該トレッド部に高周波磁界を生成して印加するフロントコイルと、前記フロントコイルの背面側に配置され、該フロントコイルの高周波磁界とは逆方向の高周波磁界を生成するリアコイルと、強磁性低導電率材を有した材質で形成され、前記フロントコイルおよびリアコイル間において前記トレッド部の外側部分に対応した部位に設けられたセパレーションコアとを備えたトレッド部予熱機構と、前記トレッド部予熱機構をトレッド部に沿って相対移動させるように、前記トレッド部予熱機構および前記生タイヤの少なくとも一方を移動させる移動機構とを有することを特徴としている。
【0021】
上記の第8または第9の発明の構成によれば、生タイヤのトレッド部に埋め込まれた金属製部材がフロントコイルで生成された高周波磁界により電磁誘導加熱されることによって、トレッド部が内部からの加熱により予熱される。従って、従来のように保管室全体を予熱温度に昇温して維持する必要がないため、予熱時のランニングコストを低減することができる。また、フロントコイルで生成された高周波磁界とフロントコイルの背面側に設けられたリアコイルで生成された高周波磁界とは、互いに打消し合うように作用する。従って、セパレーションコアが設けられていないトレッド部の内側部分においては、フロントコイルの高周波磁界が殆ど印加されない状態となる。一方、セパレーションコアが設けられたトレッド部の外側部分においては、セパレーションコアが高周波磁界の遮蔽板として機能するため、フロントコイルの高周波磁界が強度に印加される。この結果、トレッド部の内側部分よりも外側部分を優先的に誘導加熱することによって、トレッド部の外側部分が内側部分よりも厚くても、トレッド部の全体をほぼ均一な温度で予熱することができる。
【0022】
第10の発明は、第8または第9の発明に係る生タイヤ予熱装置であって、前記トレッド部予熱機構は、前記開口部内において前記トレッド部の外側部分に近接するように先端面を位置させたセンターコアを有することを特徴としている。
【0023】
上記の構成によれば、センターコアがフロントコイルの高周波磁界を引き込んで先端面に高周波磁界を集合させた状態にし、近接した位置から高密度の磁界をトレッド部の外側部分に印加する。この結果、トレッド部の内側部分よりも外側部分をさらに優先的に電磁誘導加熱することができる。
【0024】
第11の発明は、第8ないし10の発明の何れか1つに係る生タイヤ予熱装置であって、前記トレッド部予熱機構は、前記トレッド部の外側部分に先端面を近接させるようにフロントコイルの両側面に設けられたサイドコアを有することを特徴としている。
【0025】
上記の構成によれば、サイドコアとセンターコアとが並列配置された状態になって、両コアがフロントコイルの高周波磁界を引き込んで先端面に集合させた状態にし、近接した位置から高密度の磁界をトレッド部の外側部分に印加する。この結果、トレッド部の内側部分よりも外側部分をさらに優先的に電磁誘導加熱することができる。
【0026】
第12の発明は、第2ないし11の発明の何れか1つに係る生タイヤ予熱装置であって、前記トレッド部予熱機構は、複数台が前記トレッド部に沿って設けられていることを特徴としている。
【0027】
上記の構成によれば、複数のトレッド部予熱機構により誘導加熱することによって、トレッド部をほぼ均一に予熱することができる。
【0028】
第13の発明は、生タイヤの内部に埋め込まれた金属製部材に高周波磁界を印加して電磁誘導加熱することによって、該生タイヤを予熱する生タイヤ予熱方法であって、前記高周波磁界を引き込む強磁性低導電率材を有した材質で形成されたコア手段を前記生タイヤ4に沿って配置することによって、前記生タイヤの全体を均等に予熱するような分布状態に前記高周波磁界を設定することを特徴としている。
【0029】
上記の構成によれば、生タイヤに埋め込まれた金属製部材がコイル手段で生成された高周波磁界により電磁誘導加熱されることによって、生タイヤが内部からの加熱により予熱される。従って、従来のように保管室全体を予熱温度に昇温して維持する必要がないため、予熱時のランニングコストを低減することができる。さらに、コア手段の強磁性低導電率材により高周波磁界を引き込んで任意の分布状態に変更および設定することができるため、生タイヤが複雑な形状、厚みおよび内部構造を有していても、生タイヤの全体をほぼ均一な温度で予熱することができる。
【0030】
第14の発明に係る生タイヤ予熱装置は、生タイヤの内部に埋め込まれた金属製部材を電磁誘導加熱することによって、該生タイヤを予熱する生タイヤ予熱装置であって、前記生タイヤに対向配置され、該生タイヤに高周波磁界を生成して印加するコイル手段と、強磁性低導電率材を有した材質で形成されたコア手段とを有し、前記コイル手段及び前記コア手段の組の2以上が、前記生タイヤの幅方向に設けられていることを特徴としている。
【0031】
上記の構成によれば、2以上のコイル手段により電磁誘導加熱することによって、低容量の高周波電源を用いても短時間で予熱が可能となる。また、コイル手段とコア手段の組が2以上あるため、生タイヤの幅方向の入熱分布を制御でき、生タイヤの幅方向の加熱分布を調整することも容易となる。
【0032】
第15の発明に係る生タイヤ予熱装置は、第14の発明に係る生タイヤ予熱装置であって、前記生タイヤの幅方向に設けられている2以上の前記コイル手段及び前記コア手段の組は、前記生タイヤの周方向にずらして配置されていることを特徴としている。
【0033】
上記の構成によれば、2以上のコイル手段とコア手段の組が、配置上タイヤ幅方向で重なり合うことを避けることができる。
【0034】
【発明の実施の形態】
[実施形態1]
本発明の第1の実施形態を図1ないし図10に基づいて以下に説明する。本実施形態に係る生タイヤ予熱装置1は、保管工程に設けられている。保管工程は、生タイヤ4を成形する成形工程と、生タイヤ4を加硫成形する加硫工程との間に位置されている。
【0035】
上記の生タイヤ4は、図8に示すように、両端部が曲折されたカーカス組立体51と、カーカス組立体51の曲折部に設けられた金属製のビードワイヤ52と、カーカス組立体51の内周面に貼設されたゴム製のインナーライナ53と、カーカス組立体51の外周面および側周面にそれぞれ貼設されたゴム製のトレッド部材54およびサイドウオール部材55と、トレッド部材54およびカーカス組立体51間に設けられた金属製のベルト部材56とを有することによって、大きな肉厚のトレッド部4aおよびビード部4c・4c'のタイヤ内部に金属製部材(ビードワイヤ52、ベルト部材56)を有した構成にされている。尚、生タイヤ4は、上記の構成に限定されるものではなく、ベルト部材56等の金属製部材が生タイヤ4の一部に設けられた構成であっても良い。
【0036】
上記のように構成された生タイヤ4を保管する保管工程は、図示しない保管装置を有している。保管装置は、図2(a)・(b)に示すように、生タイヤ4を保持機構10で保持しながら保管する複数の保管部を有している。各保管部は、生タイヤ予熱装置1を備えている。生タイヤ予熱装置1は、生タイヤ4を載置する載置台11を有している。載置台11の下面中心部には、回転軸12を介して図示しない回転駆動機構が連結されている。回転駆動機構は、生タイヤ4の保管時に載置台11と共に生タイヤ4を水平方向に回転させる機能を有している。
【0037】
載置台11の内部には、下ビード部予熱用コイル13が設けられている。下ビード部予熱用コイル13は、下ビード部4cに沿うように配置されている。また、載置台11の上方には、コイルを備えた上ビード部予熱機構15が設けられている。上ビード部予熱機構15は、上ビード部4c'の僅かに上方位置において上ビード部4c'の一部分に対向するように配置されている。さらに、載置台11の斜め上方には、後述するトレッド部予熱機構16が生タイヤ4のトレッド部4aの一部に沿うように配置されている。
【0038】
上記の下ビード部予熱用コイル13、上ビード部予熱機構15およびトレッド部予熱機構16は、高周波電源17にそれぞれ接続されている。そして、下ビード部予熱用コイル13は、高周波電源17から高周波電力が供給されることによって、下ビード部4cのビードワイヤ52(金属製部材)に強度の高周波磁界を印加することにより下ビード部4cを優先的に誘導加熱する。また、上ビード部予熱機構15は、高周波電源17から高周波電力が供給されることによって、上ビード部4c'のビードワイヤ52(金属製部材)に強度の高周波磁界を印加することにより上ビード部4c'を優先的に誘導加熱する。また、トレッド部予熱機構16は、高周波電源17から高周波電力が供給されることによって、トレッド部4aのベルト部材56(金属製部材)に強度の高周波磁界を印加することによりトレッド部4aを優先的に誘導加熱する。
【0039】
上記のトレッド部予熱機構16は、図1に示すように、生タイヤ4のトレッド部4aに対向するように配置されたフロントコイル21を備えている。フロントコイル21は、図3にも示すように、左側フロントコイル部22と右側フロントコイル部23とを左右対称に備えている。左側フロントコイル部22と右側フロントコイル部23とは、両コイル部22・23の接合部(フロントコイル21の中心部)よりも左右の端部側がトレッド部4a側に位置されることによって、生タイヤ4のトレッド部4aの曲面形状に沿ったV字形状の状態に配置されている。
【0040】
各フロントコイル部22・23は、環状の楕円形状にコイルを巻回することにより形成されており、コイルの巻回方向が互いに逆方向となるように設定されている。また、各フロントコイル部22・23は、長軸方向が生タイヤ4のタイヤ幅方向に一致するように設定されている。そして、各フロントコイル部22・23は、内側の開口部22a・23aが生タイヤ4のタイヤ幅よりも充分に大きな長軸方向の長さを有するように形成されている。
【0041】
上記の各フロントコイル部22・23の開口部22a・23a内には、磁力を引き込む機能を有した強磁性低導電率材からなるセンターコア24・24が上下一対に設けられている。尚、強磁性低導電率材としては、フェライトコアや積層珪素鋼板等を用いることができる。各センターコア24・24は、上面がフロントコイル21よりも生タイヤ4側に位置するように形成されていると共に、生タイヤ4のトレッド部の外側部分(ショルダー部分)に近接している。これにより、センターコア24は、フロントコイル21内において生タイヤ4を中心として四方に配置された状態にされている。
【0042】
上記のセンターコア24・24は、強磁性低導電率材からなるセパレーションコア25・25にそれぞれ設けられている。セパレーションコア25は、フロントコイル21の裏面側において水平方向に上下一対に配置されている。また、セパレーションコア25は、図6に示すように、上述の左側フロントコイル部22および右側フロントコイル部23に沿うようにV字形状に形成されており、両端部がフロントコイル21の外周側に位置するように設定されている。そして、図1に示すように、各セパレーションコア25の両端部には、強磁性低導電率材からなるサイドコア26・26がそれぞれ設けられている。各サイドコア26は、上面がフロントコイル21よりも生タイヤ4側に位置するように設定されている。これにより、フロントコイル21の上部および下部は、セパレーションコア25を介して連結されたサイドコア26・26とセンターコア24・24とで挟持された状態にされており、図6にも示すように、これらのコア26・26・24・24に磁力線を集中させながらトレッド部の内側部分よりも外側部分(ショルダ-部分)を優先的に誘導加熱する。
【0043】
上記のセパレーションコア25の裏面側には、図4に示すように、リアコイル27が設けられている。リアコイル27は、上部および下部がセパレーションコア25で隠れた状態となるように設けられている。また、リアコイル27は、図5に示すように、左側リアコイル部28と右側リアコイル部29とを備えている。これらの左側リアコイル部28および右側リアコイル部29は、フロントコイル21の左側フロントコイル部22および右側フロントコイル部23にそれぞれ対向されている。さらに、各リアコイル部28・29は、環状の楕円形状にコイルを巻回することにより形成されており、対向するフロントコイル部22・23に対してコイルの巻回方向が逆方向となるように設定されている。これにより、フロントコイル21のセパレーションコア25・25間においては、図7に示すように、リアコイル27の磁力がフロントコイル21の磁力を相殺するように作用することによって、磁界が殆ど発生しない状態にされる。
【0044】
上記の構成において、生タイヤ予熱装置の動作を通じて生タイヤ予熱方法について説明する。
【0045】
先ず、成形工程において、図8に示すように、タイヤ成形機によりベルト部材56やビードワイヤ52を内部に有した複数の層からなる生タイヤ4が作成されると、生タイヤ4がタイヤ成形機から取り外される。そして、生タイヤ4を加硫成形するまでに待ち時間が存在する場合には、図2に示すように、生タイヤ4が保管工程に搬送され、生タイヤ予熱装置1において予熱されながら保管される。
【0046】
即ち、生タイヤ4が保管工程に搬送されると、生タイヤ4が生タイヤ予熱装置1の載置台11に載置される。そして、図示しない回転駆動機構が作動され、回転軸12を介して載置台11と共に生タイヤ4が回転される。この後、高周波電源17から高周波電力が下ビード部予熱用コイル13、上ビード部予熱機構15、およびトレッド部予熱機構16に供給される。
【0047】
下ビード部予熱用コイル13においては、高周波電力の供給により生タイヤ4の下ビード部4cに強度の高周波磁界を印加し、下ビード部4cのビードワイヤ52を誘導加熱する。一方、上ビード部予熱機構15においては、高周波電力の供給により生タイヤ4の上ビード部4c'に強度の高周波磁界を印加し、上ビード部4c'のビードワイヤ52を誘導加熱する。この結果、生タイヤ4の大きな肉厚のビード部4c・4c'がタイヤ内部から加熱されるため、ビード部4c・4c'の温度低下を生じることがなく、さらに、高周波磁界の印加の程度によっては加硫温度に近い温度にまで昇温される。
【0048】
また、トレッド部予熱機構16においては、図1に示すように、フロントコイル21およびリアコイル27が高周波磁界をそれぞれ生成する。この際、フロントコイル21の上部および下部には、セパレーションコア25で連結されたセンターコア24およびサイドコア26が設けられており、これらのコア24・25・26は、強磁性低導電率材により磁力を引き込む機能を有している。これにより、フロントコイル21で生成された高周波磁界は、図6にも示すように、セパレーションコア25を通過した後、センターコア24およびサイドコア26に集中しながら生タイヤ4側である表面側に出現した状態になる。尚、リアコイル27で生成された磁界は、セパレーションコア25により遮蔽されるため、フロントコイル21の磁界に影響を及ぼすことはない。また、これらのコア24・25・26が設けられたフロントコイル21の上部および下部は、生タイヤ4のタイヤ幅方向の両端、即ち、トレッド部4aの両端に近い部分に設定されている。この結果、フロントコイル21の上部および下部で生成された高周波磁界は、生タイヤ4のトレッド部4aの両端部分(ショルダー部分)を強度に印加して優先的に誘導加熱する。
【0049】
一方、セパレーションコア25・25間である生タイヤ予熱装置1の中間部分においては、フロントコイル21に対してリアコイル27が対向されていると共に、フロントコイル21とリアコイル27とが互いに逆方向の巻回方向に設定されている。これにより、図7に示すように、フロントコイル21で生成された高周波磁界とリアコイル部28で生成された高周波磁界とが互いに打ち消し合うことによって、フロントコイル21の中間部分で生成された高周波磁界の大部分が消失することになる。この結果、フロントコイル21の中間部分に対向された生タイヤ4のトレッド部4aの内側部分は、フロントコイル21の上部および下部に設けられたコア24・25・26による高周波磁界により低度に誘導加熱されることになる。そして、このようにトレッド部4aの内側部分から外側部分(ショルダー部分)にかけて誘導加熱の強度が高められた加熱分布とされることによって、トレッド部4aの肉厚の比率が内側から外側(ショルダー部分)にかけて厚くなっていても、トレッド部4aの全体が略均等に昇温した状態で予熱される。
【0050】
また、上記のようにして生タイヤ4に対して予熱が行われているときに、生タイヤ4が回転されているため、生タイヤ4に沿って上ビード部予熱機構15およびトレッド部予熱機構16が相対移動した状態となる。従って、これらの予熱機構15・16が低い組付け精度や加工精度等により生タイヤ4におけるトレッド部4aおよび上ビード部4c'に不均一に高周波磁界を印加することになっていても、生タイヤ4の全周にわたって高周波磁界を均等に印加して誘導加熱することができる。これにより、予熱機構15・16を高精度に組付けたり、加工したりする必要がないため、組付け作業および加工作業を容易化することができる。
【0051】
次に、トレッド部予熱機構16によりトレッド部4aを実際に誘導加熱することによって、トレッド部4aの両端部(“top”、“bottom”)と中間部(“center”)との昇温特性を調査した。また、これとの比較のため、フロントコイル21のみを用いてトレッド部4aを予熱した場合の両端部と中間部との昇温特性も調査した。この結果、本実施形態のトレッド部予熱機構16で予熱を行った場合には、図9に示すように、両端部および中間部の予熱状態を略同一の昇温速度で略同一の予熱温度に設定できることが確認された。これに対し、フロントコイル21のみで予熱を行った場合には、図10に示すように、中間部が端部よりも昇温速度が大きくて予熱温度が高温の予熱状態になることが確認された。
【0052】
以上のように、本実施形態の生タイヤ予熱装置1は、図1に示すように、トレッド部4aに対向配置され、トレッド部4aに高周波磁界を生成して印加するフロントコイル21と、高周波磁界を引き込む強磁性低導電率材を有した材質で形成され、トレッド部4aのタイヤ幅方向の全体を均等に予熱するような分布状態に高周波磁界を設定するコア機構(センターコア24、セパレーションコア25、サイドコア26)とを備えたトレッド部予熱機構16と、トレッド部予熱機構16をトレッド部4aに沿って相対移動させるように、トレッド部予熱機構16および生タイヤ4の少なくとも一方を移動させる図2(b)の移動機構(保持機構10)とを有した構成にされている。そして、高周波磁界を引き込む強磁性低導電率材を有した材質で形成されたコア手段を生タイヤ4に沿って配置することによって、生タイヤ4の全体を均等に予熱するような分布状態に前記高周波磁界を設定する生タイヤ予熱方法を実現している。
【0053】
尚、本実施形態においては、移動機構である保持機構10が生タイヤ4を回転駆動させることによって、トレッド部予熱機構16をトレッド部4aに沿って相対移動させるようになっているが、これに限定されるものではなく、トレッド部予熱機構16をトレッド部4aに沿って回転(旋回)させるようになっていても良いし、トレッド部予熱機構16と生タイヤ4との両方を回転させるようになっていても良い。
【0054】
上記の構成によれば、生タイヤ4のトレッド部4aに埋め込まれた金属製部材がフロントコイル21で生成された高周波磁界により電磁誘導加熱されることによって、トレッド部4aが内部からの加熱により予熱される。従って、従来のように保管室全体を予熱温度に昇温して維持する必要がないため、予熱時のランニングコストを低減することができる。さらに、コア機構の強磁性低導電率材により高周波磁界を引き込んで任意の分布状態に変更および設定することができるため、トレッド部4aが複雑な形状、厚みおよび内部構造を有していても、トレッド部4aの全体を確実に均一な温度で予熱することができる。
【0055】
より具体的には、本実施形態の生タイヤ予熱装置1は、図1に示すように、生タイヤ4の内部に埋め込まれた金属製部材(ビードワイヤ52やベルト部材56)を電磁誘導加熱することによって、生タイヤ4を予熱するものであり、トレッド部4aに開口部22a・23aを対向させるように配置され、トレッド部4aに高周波磁界を生成して印加するフロントコイル21と、フロントコイル21の背面側に配置され、フロントコイル21の高周波磁界とは逆方向の高周波磁界を生成するリアコイル27と、高周波磁界を引き込む強磁性低導電率材を有した材質で形成され、フロントコイル21およびリアコイル27間においてトレッド部4aの外側部分(ショルダー部分)に対応した部位に設けられたセパレーションコア25とを備えたトレッド部予熱機構16と、トレッド部予熱機構16をトレッド部4aに沿って相対移動させるように、トレッド部予熱機構16および生タイヤ4の少なくとも一方を移動させる移動機構(図2の保持機構10)とを有した構成にされている。
【0056】
上記の構成によれば、フロントコイル21で生成された高周波磁界とフロントコイル21の背面側に設けられたリアコイル27で生成された高周波磁界とは、互いに打消し合うように作用する。従って、セパレーションコア25が設けられていないトレッド部4aの内側部分においては、フロントコイル21の高周波磁界が殆ど印加されない状態となる。一方、セパレーションコア25が設けられたトレッド部4aの外側部分(ショルダー部分)においては、セパレーションコア25が高周波磁界の遮蔽板として機能するため、フロントコイル21の高周波磁界が強度に印加される。この結果、トレッド部4aの内側部分よりも外側部分(ショルダー部分)を優先的に誘導加熱することによって、トレッド部4aの外側部分(ショルダー部分)が内側部分よりも厚くても、トレッド部4aの全体を均一な温度で予熱することができる。
【0057】
また、本実施形態におけるトレッド部予熱機構16は、開口部22a・23a内においてトレッド部4aの外側部分(ショルダー部分)に近接するように先端面を位置させたセンターコア24を有した構成にされている。これにより、センターコア24がフロントコイル21の高周波磁界を引き込んで先端面に高周波磁界を集合させた状態にし、近接した位置から高密度の磁界をトレッド部4aの外側部分(ショルダー部分)に印加する。この結果、トレッド部4aの内側部分よりも外側部分(ショルダー部分)をさらに優先的に電磁誘導加熱することができる。
【0058】
さらに、本実施形態におけるトレッド部予熱機構16は、トレッド部4aの外側部分(ショルダー部分)に先端面を近接させるようにフロントコイル21の両側面に設けられたサイドコア26を有した構成にされている。これにより、サイドコア26とセンターコア24とが並列配置された状態になって、両コア26・24がフロントコイル21の高周波磁界を引き込んで先端面に集合させた状態にし、近接した位置から高密度の磁界をトレッド部4aの外側部分(ショルダー部分)に印加する。この結果、トレッド部4aの内側部分よりも外側部分(ショルダー部分)をさらに優先的に電磁誘導加熱することができる。
【0059】
また、本実施形態におけるトレッド部予熱機構16は、複数台がトレッド部4aに沿って設けられていていても良く、この場合には、複数のトレッド部予熱機構16により誘導加熱することによって、トレッド部4aを確実に予熱することができる。
【0060】
尚、本実施形態においては、各コア24・25・26がフェライトコア等の強磁性低導電率材のみで構成された場合について説明しているが、これに限定されるものではない。即ち、各コア24・25・26は、鉄系磁性粉末や酸化金属磁性粉末等の強磁性低導電率材の粉状体を耐熱性樹脂と混合することにより形成されたものであっても良い。ここで、耐熱性樹脂としては、シリコンシーラントやエポキシ樹脂等を挙げることができる。そして、この場合には、耐熱性樹脂が粉状体のバインダーとしての機能を発揮するため、複雑な形状のコア24・25・26を容易に形成することができる。この結果、生タイヤ4の表面形状に対応したコア24・25・26を形成して漏れ磁場を最小限に抑制することができるため、低容量の高周波電源を用いても短時間で生タイヤ4を予熱することができる。さらに、耐熱性樹脂がコア24・25・26の耐衝撃性を向上させることができる。
【0061】
また、各コア24・25・26は、鉄系磁性粉末や酸化金属磁性粉末等の強磁性低導電率材の粉状体を耐熱性オイルと混合し、この混合物を非磁性のケースに封入することにより形成されたものであっても良い。ここで、耐熱性オイルとしては、シリコンオイルやグリース、その他の不燃オイル等を挙げることができる。非磁性のケースの材料としては、塩ビシートやアクリルシート、セラミック板、木材等を挙げることができる。そして、この場合には、ケースを所望の形状に形成しておくことによって、複雑な形状のコア24・25・26を容易に形成することができると共に、コア24・25・26の表面がケースで保護された状態になるため、極めて大きな強度(耐衝撃性)をコア24・25・26に持たせることができる。尚、非磁性のケースに強磁性低導電率材の粉状体のみを封入することにより各コア24・25・26を形成しても良い。
【0062】
さらに、強磁性低導電率材の粉状体を耐熱性樹脂や耐熱性オイルと混合して各コア24・25・26を形成する場合には、強磁性低導電率材の含有率が生タイヤ4の表面形状や内部構造に対応して部位ごとに変更されることが望ましい。この場合には、強磁性低導電率材の含有率に応じた強度分布の磁場を生タイヤ4に印加することができるため、生タイヤ4の予熱を一層効率良く行うことができる。
【0063】
また、本実施形態においては、フロントコイル21が左側フロントコイル部22と右側フロントコイル部23とを左右対称に備えた場合について説明しているが、これに限定されるものではなく、何れか一方のコイルのみであっても良い。さらに、本実施形態においては、生タイヤ4の曲面形状に対応した状態となるように、フロントコイル21の各コイル部22・23を配置すると共にセパレーションコア25をV字形状に曲折しているが、これに限定されるものではなく、直線的に配置されていても良い。尚、この場合には、センターコア24およびサイドコア26の表面が生タイヤ4の曲面形状に対応するように各コア24・26の高さが調整されていることが好ましい。
【0064】
[実施形態2]
次に、本発明の第2の実施形態を図11ないし図14に基づいて以下に説明する。尚、第1の実施形態と同一の部材には同一の符号を付記してその説明を省略する。
【0065】
本実施形態に係る生タイヤ予熱装置1は、図11(a)〜(c)に示すように、トレッド部予熱機構31を備えている。トレッド部予熱機構31は、生タイヤ4のトレッド部4aに対向するように配置されたフロントコイル32を備えている。フロントコイル32の中間部であるトレッド部4aの内側部分に対向する部分には、フロントコイル32で生成された高周波磁界を閉じ込めるように作用する強磁性低導電率材からなるシールドコア33が設けられている。また、フロントコイル32の開口部32aには、強磁性低導電率材からなるセンターコア34が上下対称に設けられている。各センターコア34は、生タイヤ4のトレッド部4aの両端部に対応するように配置されている。
【0066】
上記のシールドコア33は、フロントコイル32の表面側および裏面側にそれぞれ設けられている。また、センターコア34は、フロントコイル32の表面側および裏面側にそれぞれ同一の突出量で突出されている。これにより、トレッド部予熱機構31は、表面側および裏面側に生タイヤ4が対称に配置されたときに、これらの生タイヤ4を同一条件で誘導加熱して予熱可能になっている。その他の構成は、第1の実施形態と同一である。
【0067】
上記の構成において、生タイヤ予熱装置の動作を通じて生タイヤ予熱方法について説明する。
【0068】
生タイヤ4が保管工程に搬送され、第1の実施形態と同様に回転されながら保管されると、高周波電源17からトレッド部予熱機構31に高周波電力が供給されることによって、生タイヤ4のトレッド部4aに対する誘導加熱による予熱が行われる。また、第1の実施形態と同様に、下ビード部予熱用コイルや上ビード部予熱機構(図2参照)に対して高周波電力が供給されることによって、生タイヤ4のビード部4c・4c'に対しても誘導加熱による予熱が行われる。
【0069】
トレッド部予熱機構31に高周波電力が供給されると、フロントコイル32が高周波磁界を生成する。この際、フロントコイル32の開口部32aには、センターコア34が上部および下部に設けられており、このセンターコア34は、強磁性低導電率材により磁力を引き込む機能を有している。これにより、フロントコイル32で生成された高周波磁界は、センターコア34に集中しながら表面側および裏面側に出現した状態になる。そして、センターコア34が設けられたフロントコイル32の上部および下部は、生タイヤ4のタイヤ幅方向の両端、即ち、トレッド部4aの両端に近い部分に設定されている。この結果、フロントコイル32の上部および下部で生成された高周波磁界は、生タイヤ4のトレッド部4aの両端部分(ショルダー部分)を強度に印加して優先的に誘導加熱する。
【0070】
一方、センターコア34・34間であるトレッド部予熱機構31(フロントコイル32)の中間部分においては、シールドコア33が生タイヤ4のトレッド部4aに対向するように配置されている。シールドコア33は、強磁性低導電率材からなっているため、フロントコイル32で生成された高周波磁界を閉じ込めるように作用する。この結果、フロントコイル32の中間部分に対向された生タイヤ4のトレッド部4aの内側部分は、フロントコイル32の上部および下部に設けられたセンターコア34・34による高周波磁界により低度に誘導加熱されることになる。この結果、トレッド部4aの内側部分から外側部分(ショルダー部分)にかけて誘導加熱の強度が高められた加熱分布とされることによって、トレッド部4aの肉厚の比率が内側から外側(ショルダー部分)にかけて厚くなっていても、トレッド部4aの全体が略均等に昇温した状態で予熱される。その他の動作は、第1の実施形態と同一である。
【0071】
尚、本実施形態においては、開口部32aの上下に設けられたセンターコア34・34のみで磁力を集中させるようになっているが、これに限定されるものではない。即ち、図12(a)〜(c)に示すように、トレッド部予熱機構31は、センターコア34の側方にサイドコア35を設け、これらコア34・35同士でフロントコイル32を挟み込んだ構成にされていても良い。
【0072】
次に、上記のトレッド部予熱機構31によりトレッド部4aを実際に誘導加熱することによって、トレッド部4aの両端部(“top”、“bottom”)と中間部(“center”)との昇温特性を調査した。また、これとの比較のため、フロントコイル32のみを用いてトレッド部4aを予熱した場合の両端部(ショルダー部分)と中間部との昇温特性も調査した。この結果、本実施形態のトレッド部予熱機構31で予熱を行った場合には、図13に示すように、両端部(ショルダー部分)および中間部の予熱状態を略同一の昇温速度で略同一の予熱温度に設定できることが確認された。これに対し、フロントコイル32のみで予熱を行った場合には、図14に示すように、中間部が端部(ショルダー部分)よりも昇温速度が大きくて予熱温度が高温の予熱状態になることが確認された。
【0073】
以上のように、本実施形態の生タイヤ予熱装置1は、図11・12(a)〜(c)に示すように、トレッド部4aに対向配置され、トレッド部4aに高周波磁界を生成して印加するフロントコイル32と、高周波磁界を引き込む強磁性低導電率材を有した材質で形成され、トレッド部4aのタイヤ幅方向の全体を均等に予熱するような分布状態に高周波磁界を設定するコア機構(シールドコア33、センターコア34、サイドコア35)とを備えたトレッド部予熱機構31と、トレッド部予熱機構31をトレッド部4aに沿って相対移動させるように、トレッド部予熱機構16および生タイヤ4の少なくとも一方を移動させる図2(b)の移動機構(保持機構10)とを有した構成にされている。
【0074】
これにより、生タイヤ4のトレッド部4aに埋め込まれた金属製部材がフロントコイル32で生成された高周波磁界により電磁誘導加熱されることによって、トレッド部4aが内部からの加熱により予熱される。従って、従来のように保管室全体を予熱温度に昇温して維持する必要がないため、予熱時のランニングコストを低減することができる。さらに、コア機構の強磁性低導電率材により高周波磁界を引き込んで任意の分布状態に変更および設定することができるため、トレッド部4aが複雑な形状、厚みおよび内部構造を有していても、トレッド部4aの全体を確実に均一な温度で予熱することができる。
【0075】
尚、コア機構は、高周波磁界を所望の状態に設定できれば、取り付け場所が特に限定されるものではないが、本実施形態のように、トレッド部4aおよびフロントコイル32間においてトレッド部4aの内側部分に対向するように設けられたシールドコア33を有することが好ましい。この場合には、トレッド部4aの内側部分に対向するように設けられたシールドコア33がフロントコイル32の高周波磁界を遮蔽した状態にするため、トレッド部4aの内側部分よりも外側部分(ショルダー部分)を優先的に電磁誘導加熱させることができる。
【0076】
さらに、本実施形態においては、フロントコイル32の開口部32aをトレッド部4aに対向させるように配置し、開口部32a内においてトレッド部4aの外側部分(ショルダー部分)に近接するように先端面を位置させたセンターコア34をコア機構が備えた構成にされている。この場合には、トレッド部4aの内側部分に対向するように設けられたシールドコア33がフロントコイル21の高周波磁界を遮蔽した状態にする。一方、センターコア24がフロントコイル21の高周波磁界を引き込んで先端面に高周波磁界を集合させた状態にし、近接した位置から高密度の磁界をトレッド部4aの外側部分(ショルダー部分)に印加する。この結果、トレッド部4aの内側部分よりも外側部分(ショルダー部分)をさらに優先的に電磁誘導加熱することができる。
【0077】
さらに、図12(a)〜(c)においては、トレッド部4aの外側部分(ショルダー部分)に先端面を近接させるようにフロントコイル32の両側面に設けられたサイドコア35をコア機構が備えた構成にされている。この構成によれば、サイドコア26とセンターコア24とが並列配置された状態になって、両コア26・24がフロントコイル21の高周波磁界を引き込んで先端面に集合させた状態にし、近接した位置から高密度の磁界をトレッド部4aの外側部分(ショルダー部分)に印加する。これにより、トレッド部4aの内側部分よりも外側部分(ショルダー部分)をさらに優先的に電磁誘導加熱することができる。
【0078】
[実施形態3]
次に、本発明の第3の実施形態を図15ないし図24に基づいて以下に説明する。尚、第1の実施形態と同一の部材には同一の符号を付記してその説明を省略する。
【0079】
本実施形態に係る生タイヤ予熱装置1は、図15に示すように、トレッド部予熱機構41を備えている。トレッド部予熱機構41は、生タイヤ4のトレッド部4aに対向するように配置されたフロントコイル42を備えている。フロントコイル42は、楕円形状の環状に形成されており、長径方向が生タイヤ4の幅方向に一致され、長手方向の開口径がトレッド部4aよりも大きな長さに設定されている。
【0080】
上記のフロントコイル42の開口部42aには、強磁性低導電率材からなる複数のコアブロック43が長径方向に直列状態に挿通されている。各コアブロック43は、長方体形状に形成されており、先端面が生タイヤ4のトレッド部4aに対向されている。一方、コアブロック43の後端面には、空気式や油圧式のシリンダ装置等のブロック駆動機構44が設けられており、ブロック駆動機構44は、コアブロック43を生タイヤ4方向に進退移動させることによって、コアブロック43の先端面をトレッド部4aから所望の距離に位置決め可能になっている。その他の構成は、第1の実施形態と同一である。
【0081】
上記の構成において、生タイヤ予熱装置の動作を通じて生タイヤ予熱方法について説明する。
【0082】
生タイヤ4が保管工程に搬送され、第1の実施形態と同様に回転されながら保管されると、図16(a)・(b)にも示すように、ブロック駆動機構44によりコアブロック43が進退移動され、コアブロック43の先端面と生タイヤ4のトレッド部4aとの距離が内側から外側にかけて縮小するように位置決めされる。この後、高周波電源17からトレッド部予熱機構41に高周波電力が供給されることによって、生タイヤ4のトレッド部4aに対する誘導加熱による予熱が行われる。また、第1の実施形態と同様に、下ビード部予熱用コイルや上ビード部予熱機構(図2参照)に対して高周波電力が供給されることによって、生タイヤ4のビード部4c・4c'に対しても誘導加熱による予熱が行われる。
【0083】
トレッド部予熱機構41に高周波電力が供給されると、フロントコイル42により高周波磁界が生成される。そして、高周波磁界がフロントコイル42の開口部42aに設けられた各コアブロック43に引き込まれ、各コアブロック43の先端面において集中した分布状態にされる。この際、各コアブロック43は、生タイヤ4のトレッド部4aとの距離が内側から外側にかけて縮小するように位置決めされている。従って、各コアブロック43から同程度の磁束密度で集中された高周波磁界は、離れた部位であるトレッド部4aの内側部分を低度に誘導加熱し、近い部位であるトレッド部4aの外側部分(ショルダー部分)を強度に誘導加熱する。この結果、トレッド部4aの内側部分から外側部分(ショルダー部分)にかけて誘導加熱の強度が高められた加熱分布とされることによって、トレッド部4aの肉厚の比率が内側から外側(ショルダー部分)にかけて厚くなっていても、トレッド部4aの全体が略均等に昇温した状態で予熱される。その他の動作は、第1の実施形態と同一である。
【0084】
以上のように、本実施形態における生タイヤ予熱装置1は、開口部42aを生タイヤ4のトレッド部4aに対向させるように配置されたフロントコイル42と、開口部42a内においてトレッド部4aの内側部分から外側部分(ショルダー部分)にかけて徐々に近接するように先端面を位置させたコアブロック43とを有したトレッド部予熱機構41を備えた構成にされている。これにより、コアブロック43がフロントコイル42の高周波磁界を引き込んで先端面に集合させた状態にし、先端面に近接したトレッド部4aの外側部分(ショルダー部分)を内側部分よりも優先的に電磁誘導加熱することができる。
【0085】
尚、本実施形態のトレッド部予熱機構41は、複数のコアブロック43を備えた構成にされているが、これらのコアブロック43を一体的に形成したものを備えた構成であっても良い。また、本実施形態におけるトレッド部予熱機構41は、コアブロック43をブロック駆動機構44により個々に位置決め可能にしているが、これに限定されるものでもない。即ち、図17(a)・(b)に示すように、全てのコアブロック43の後端面に非磁性のスペーサ45を接合し、このスペーサ45で全コアブロック43を位置決めするようになっていても良い。この場合には、コアブロック43を高い位置決め精度で保持することができると共に、予熱対象となる生タイヤ4の種類に応じてスペーサ45を準備しておくことによって、簡単かつ速やかに全コアブロック43の位置決め作業を完了することができる。
【0086】
また、トレッド部予熱機構41は、図18(a)・(b)に示すように、各コアブロック43の後端面に当接された非磁性のネジ部材46と、これらのネジ部材46を螺合させて生タイヤ4方向に進退移動可能に保持したネジ保持部材47とを備えたネジ機構48によって、コアブロック43を位置決めするようになっていても良い。この場合には、ネジ部材46を回転させることによりコアブロック43の位置を微調整することができる。
【0087】
さらに、トレッド部予熱機構41は、図19(a)・(b)に示すように、コアブロック43間に非磁性の板状スペーサ48が挟み込まれていても良い。この場合には、板状スペーサ48の厚みを調整することによって、生タイヤ4に印加される高周波磁界の分布状態をタイヤ幅方向において調整することができる。また、トレッド部予熱機構41は、図20に示すように、各コアブロック43の厚みが同一でなく良く、この場合には、各種の厚みのコアブロック43を組み合わせることによって、生タイヤ4のタイヤ幅に好適なコアブロック43の配置状態にすることができる。
【0088】
また、トレッド部予熱機構41は、図21(a)・(b)に示すように、各コアブロック43がフロントコイル42の開口部42aに嵌挿された中間凸部43aと、中間凸部43aの両側にフロントコイル42を嵌め込むように形成されたコイル溝部43bとを備えた構成にされていても良い。この場合には、コアブロック43から外部に漏れる磁場を充分に抑制することができる。また、トレッド部予熱機構41は、図22に示すように、コアブロック43の先端面が曲面形状にされていても良く、この場合には、高周波磁界を生タイヤ4側において集中した分布状態にすることができる。
【0089】
さらに、トレッド部予熱機構41は、図23に示すように、上ビード部4c'の上方に上ビード部予熱機構15として適用されていても良い。この場合には、上ビード部4c'に対して高周波磁界を集中させることが可能になる。また、トレッド部予熱機構41は、図24に示すように、回転自在に設けられたローラ部材49a・49bを備え、これらのローラ部材49a・49bによりトレッド部4aの外面および内面を挟持するようになっていても良い。この場合には、生タイヤ4を回転させたときに、トレッド部4aをローラ部材49a・49bにより保持することによって、トレッド部4aとコアブロック43との距離を一定に維持させることができる。
【0090】
[実施形態4]
次に、本発明の第4の実施形態を図25ないし図30に基づいて以下に説明する。尚、第1の実施形態と同一の部材には同一の符号を付記してその説明を省略する。
【0091】
本実施形態に係る生タイヤ予熱装置1は、図25に示すように、左右一対のコイル部61・62からなる上部コイル60と上部コア72の組と、同じく左右一対のコイル部64・65からなる下部コイル63と下部コア73の組とを備えている。上部コイル60は、生タイヤ4の上ショルダー部4d'の前面に近接して配置されている。また、下部コイル63は、生タイヤ4の下ショルダー部4dの前面に近接して配置されている。ここで、上ショルダー部4d'は、図8に示す上サイドウォール4b'とトレッド部4aとが重複する部分をいい、下ショルダー部4dは、図8に示す下サイドウォール4bとトレッド部4aとが重複する部分をいう。
【0092】
各コイル部61・62及び各コイル部64・65は、図26に示すように、環状の楕円形状にコイルを巻回することにより形成されており、コイルの巻回方向が互いに逆方向となるように設定されている。また、各コイル部61・62及び各コイル部64・65は、長軸方向が生タイヤ4のタイヤ幅方向に一致するように設定されている。さらに、コイル部61とコイル部64は直列に接続されており、コイル部62とコイル部65は直列に接続されている。そして、コイル部61とコイル部62は並列に接続されており、コイル部64とコイル部65は並列に接続されている。なお、各コイル部は、上部コイル60のコイル部の1つと下部コイル63のコイル部の1つを直列に接続し、上部コイル60のコイル部の残り1つと下部コイル63のコイル部の残り1つを直列に接続し、さらにそれらを並列に接続されていればよい。従って、コイル部61とコイル部65を直列に接続し、コイル部62とコイル部64を直列に接続し、さらにそれらを並列に接続してもよい。
【0093】
図26に示すように、上記の各コイル部61・62の開口部61a・62a及び各コイル部64・65の開口部64a・65a内には、磁力を引き込む機能を有した強磁性低導電率材からなるセンターコア66・66及びセンターコア67・67が設けられている。尚、強磁性低導電率材としては、フェライトコアや積層珪素鋼板等を用いることができる。各センターコア66・66及び67・67は、上面が上部コイル60又は下部コイル63よりも生タイヤ4側に位置するように形成されていると共に、生タイヤ4の上下ショルダー部4d'・4dに近接している。
【0094】
図26に示すように、上記のセンターコア66・66及び67・67は、強磁性低導電率材からなるリアコア68及び69にそれぞれ設けられている。リアコア68は、上部コイル60の裏面側において水平方向に配置されている。リアコア69は、下部コイル60の裏面側において水平方向に配置されている。また、各リアコア68・69は、図27に示すように、生タイヤ4の外周の曲率に合わせて、上述の左側コイル部61・64及び右側コイル部62・65に沿うようにV字形状に形成されており、両端部が上下コイル部60・63の外周側に位置するように設定されている。そして、図26に示すように、各リアコア68・69の両端部には、強磁性低導電率材からなるサイドコア70・70及び71・71がそれぞれ設けられている。各サイドコア70または各サイドコア71は、上面が上下コイル部60・63よりも生タイヤ4側に位置するように設定されている。これにより、上コイル部60は、リアコア68を介して連結されたサイドコア70・70とセンターコア66・66とで挟持された状態にされており、図27にも示すように、これらのコア70・70・66・66に磁力線を集中させながら上ショルダー部4d'を優先的に誘導加熱する。また、下コイル部63は、リアコア69を介して連結されたサイドコア71・71とセンターコア67・67とで挟持された状態にされており、図27にも示すように、これらのコア71・71・67・67に磁力線を集中させながら下ショルダー部4dを優先的に誘導加熱する。
【0095】
上記の構成において、生タイヤ予熱装置の動作を通じて生タイヤ予熱方法について説明する。
【0096】
生タイヤ4が保管工程に搬送され、第1の実施形態と同様に回転されながら保管されると、高周波電源17から生タイヤ予熱装置1に高周波電力が供給されることによって、生タイヤ4のショルダー部4d、4d'に対する誘導加熱が行なわれる。
【0097】
生タイヤ予熱装置1に高周波電力が供給されると、図25に示すように、上部コイル60及び下部コイル63が高周波磁界を生成する。この際、上部コイル60には、リアコア68で連結されたセンターコア66及びサイドコア70が設けられており、このコア66・68・70は、強磁性低導電率材により磁力を引き込む機能を有している。これにより上部コイル60で生成された高周波磁界は、図27にも示すように、リアコア68を通過した後、センターコア66及びサイドコア70に集中しながら生タイヤ4側である表面側に出現した状態になる。また、下部コイル63にも同様に、リアコア69で連結されたセンターコア67及びサイドコア71が設けられており、このコア67・69・71は、強磁性低導電率材により磁力を引き込む機能を有している。これにより下部コイル63で生成された高周波磁界は、図27にも示すように、リアコア69を通過した後、センターコア67及びサイドコア71に集中しながら生タイヤ4側である表面側に出現した状態になる。この結果、上部コイル60及び下部コイル63で生成された高周波磁界は生タイヤ4のショルダー部4d、4d'を強度に印加して優先的に誘導加熱する。即ち、タイヤ内部のベルト部材56(金属性部材)に到達する磁力線が増加し、かつベルト部材56の走査方向にほぼ平行に走る。従って、当該磁力線は渦電流を効果的に誘起し、ベルト部材56を効果的にジュール加熱する。また、このとき、上部コイル60と下部コイル63は、ショルダー部4d、4d'に対向しているため、トレッド部4aのセンター部分の発熱は相対的に低く抑えられる。
【0098】
尚、本実施形態においては、上部コイル60と上部コア72の組と、下部コイル63と下部コア73の組とを生タイヤ4の周方向にずらした配置になっているが、これに限定されるものではない。即ち、図28に示すように、上部コイル60と下部コイル63とが配置上重なり合うことがない場合は、生タイヤ4の周方向にずらすことなく、生タイヤ4の幅方向に並べて配置しても良い。但し、上部コイル60と下部コイル63の干渉を避けるため、図28に示すように、それぞれの磁極の向きを同方向とする。
【0099】
また、本実施形態においては、上部コア72及び下部コア73は、図27に示すように、生タイヤ4の外周の曲率に合わせてV字形状に曲がっているが、これに限定されるものではない。即ち、図29に示すように、リアコア68、69を直線形状として形成し、センターコア66、67及びサイドコア70、71を生タイヤ4側に延長させて形成しても良い。
【0100】
また、本実施形態においては、各コイル部61・62・64・65は、環状の楕円形状にコイルを巻回することにより形成されているが、これに限定されるものではない。例えば、環状の円形状あるいは長方形状にコイルを巻回することにより形成されているものであってもよい。
【0101】
さらに、本実施形態においては、コイルとコアの組は上部と下部の2つで構成されているが、これに限定されるものではない。例えば、上部と下部のコイルとコアの組に加えて、生タイヤ4のトレッド部4aの中心部に、コイルとコアの組を配置しても良い。
【0102】
次に、上記の生タイヤ予熱装置1により生タイヤ4を実際に誘導加熱することによって、トレッド部4aの両端部(“top”、“bottom”)と中間部(“center”)との昇温特性を調査した。この結果、本実施形態の生タイヤ予熱装置1で予熱を行った場合には、図30に示すように、両端部および中間部の予熱状態を略同一の昇温速度で略同一の予熱温度に設定できることが確認された。
【0103】
以上のように、本実施形態の生タイヤ予熱装置1は、図25ないし図27に示すように、生タイヤ4の上ショルダー部4d'に対向配置され、上ショルダー部4d'に高周波磁界を生成して印加する上部コイル60と、高周波磁界を引き込む強磁性低導電率材を有した材質で形成された上部コア72(センターコア66、リアコア68、サイドコア70)との組と、生タイヤ4の下ショルダー部4dに対向配置され、下ショルダー部4dに高周波磁界を生成して印加する下部コイル63と、高周波磁界を引き込む強磁性低導電率材を有した材質で形成された下部コア73(センターコア67、リアコア69、サイドコア71)との組とを有した構成にされている。そして、それらの組を生タイヤ4の幅方向に備え、周方向にずらして配置することによって、生タイヤ4の上下ショルダー部4d'・4dを集中的に予熱して、トレッド部4aのセンター部分の発熱を低く抑えるような分布状態に前記高周波磁界を設定する生タイヤ予熱方法を実現している。
【0104】
また、図26に示すように、コイル部61とコイル部64、及びコイル部62とコイル部65は直列に接続されており、コイル部61とコイル部62、及びコイル部64とコイル部65は並列に接続されていることによって、コイルインダクタンスをいたずらに大きくすることなく、また並列接続で問題となる支流電流の偏りに起因する磁束密度の偏差、即ち発熱偏差を防ぐことができる。
【0105】
【発明の効果】
第1の発明は、生タイヤの内部に埋め込まれた金属製部材を電磁誘導加熱することによって、該生タイヤを予熱する生タイヤ予熱装置であって、前記生タイヤに対向配置され、該生タイヤに高周波磁界を生成して印加するコイル手段と、前記高周波磁界を引き込む強磁性低導電率材を有した材質で形成され、前記生タイヤの全体を均等に予熱するような分布状態に前記高周波磁界を設定するコア手段とを有する構成である。
【0106】
上記の構成によれば、生タイヤに埋め込まれた金属製部材がコイル手段で生成された高周波磁界により電磁誘導加熱されることによって、生タイヤが内部からの加熱により予熱される。従って、従来のように保管室全体を予熱温度に昇温して維持する必要がないため、予熱時のランニングコストを低減することができる。さらに、コア手段の強磁性低導電率材により高周波磁界を引き込んで任意の分布状態に変更および設定することができるため、生タイヤが複雑な形状、厚みおよび内部構造を有していても、生タイヤの全体をほぼ均一な温度であるいは本願発明網の温度分布で予熱することができる。
【0107】
第2の発明は、生タイヤの内部に埋め込まれた金属製部材を電磁誘導加熱することによって、該生タイヤを予熱する生タイヤ予熱装置であって、トレッド部に対向配置され、該トレッド部に高周波磁界を生成して印加するフロントコイルと、前記高周波磁界を引き込む強磁性低導電率材を有した材質で形成され、前記トレッド部のタイヤ幅方向に予熱するように前記高周波磁界を設定するコア機構とを備えたトレッド部予熱機構と、前記トレッド部予熱機構をトレッド部に沿って相対移動させるように、前記トレッド部予熱機構および前記生タイヤの少なくとも一方を移動させる移動機構とを有する構成である。
【0108】
第3の発明は、生タイヤの内部に埋め込まれた金属製部材を電磁誘導加熱することによって、該生タイヤを予熱する生タイヤ予熱装置であって、トレッド部に対向配置され、該トレッド部に高周波磁界を生成して印加するフロントコイルと、強磁性低導電率材を有した材質で形成されたコア機構とを備えたトレッド部予熱機構と、前記トレッド部予熱機構をトレッド部に沿って相対移動させるように、前記トレッド部予熱機構および前記生タイヤの少なくとも一方を移動させる移動機構とを有する構成である。
【0109】
上記の第2または第3の発明の構成によれば、生タイヤのトレッド部に埋め込まれた金属製部材がフロントコイルで生成された高周波磁界により電磁誘導加熱されることによって、トレッド部が内部からの加熱により予熱される。従って、従来のように保管室全体を予熱温度に昇温して維持する必要がないため、予熱時のランニングコストを低減することができる。さらに、コア機構の強磁性低導電率材により高周波磁界を引き込んで任意の分布状態に変更および設定することができるため、トレッド部が複雑な形状、厚みおよび内部構造を有していても、トレッド部の全体をほぼ均一な温度で予熱することができる。
【0110】
第4の発明は、第2または第3の発明に係る生タイヤ予熱装置であって、前記コア機構は、前記トレッド部および前記フロントコイル間において前記トレッド部の内側部分に対向するように設けられたシールドコアを有する構成である。
【0111】
上記の構成によれば、トレッド部の内側部分に対向するように設けられたシールドコアがフロントコイルの高周波磁界を遮蔽した状態にするため、トレッド部の内側部分よりも外側部分(ショルダー部分)を優先的に電磁誘導加熱させることができる。これにより、シールドコアによる簡単な構成で高周波磁界を所望の状態に設定することができる。
【0112】
第5の発明は、第4の発明に係る生タイヤ予熱装置であって、前記フロントコイルは、開口部を前記トレッド部に対向させるように配置されており、前記コア機構は、前記開口部内において前記トレッド部の外側部分(ショルダー部分)に近接するように先端面を位置させたセンターコアを有する構成である。
【0113】
上記の構成によれば、トレッド部の内側部分に対向するように設けられたシールドコアがフロントコイルの高周波磁界を遮蔽した状態にする。一方、センターコアがフロントコイルの高周波磁界を引き込んで先端面に高周波磁界を集合させた状態にし、近接した位置から高密度の磁界をトレッド部の外側部分(ショルダー部分)に印加する。この結果、トレッド部の内側部分よりも外側部分(ショルダー部分)をさらに優先的に電磁誘導加熱することができる。
【0114】
第6の発明は、第4または第5の発明に係る生タイヤ予熱装置であって、前記コア機構は、前記トレッド部の外側部分(ショルダー部分)に先端面を近接させるようにフロントコイルの両側面に設けられたサイドコアを有する構成である。
【0115】
上記の構成によれば、サイドコアとセンターコアとが並列配置された状態になって、両コアがフロントコイルの高周波磁界を引き込んで先端面に集合させた状態にし、近接した位置から高密度の磁界をトレッド部の外側部分(ショルダー部分)に印加する。この結果、トレッド部の内側部分よりも外側部分(ショルダー部分)をさらに優先的に電磁誘導加熱することができる。
【0116】
第7の発明は、第2または第3の発明に係る生タイヤ予熱装置であって、前記フロントコイルは、開口部を前記トレッド部に対向させるように配置されており、前記コア機構は、前記開口部内において前記トレッド部の内側部分から外側部分(ショルダー部分)にかけて徐々に近接するように先端面を位置させたコアブロックを有する構成である。
【0117】
上記の構成によれば、コアブロックがフロントコイルの高周波磁界を引き込んで先端面に集合させた状態にし、先端面に近接したトレッド部の外側部分(ショルダー部分)を内側部分よりも優先的に電磁誘導加熱することができる。
【0118】
第8の発明は、生タイヤの内部に埋め込まれた金属製部材を電磁誘導加熱することによって、該生タイヤを予熱する生タイヤ予熱装置であって、トレッド部に開口部を対向させるように配置され、該トレッド部に高周波磁界を生成して印加するフロントコイルと、前記フロントコイルの背面側に配置され、該フロントコイルの高周波磁界とは逆方向の高周波磁界を生成するリアコイルと、前記高周波磁界を引き込む強磁性低導電率材を有した材質で形成され、前記フロントコイルおよびリアコイル間において前記トレッド部の外側部分(ショルダー部分)に対応した部位に設けられたセパレーションコアとを備えたトレッド部予熱機構と、前記トレッド部予熱機構をトレッド部に沿って相対移動させるように、前記トレッド部予熱機構および前記生タイヤの少なくとも一方を移動させる移動機構とを有する構成である。
【0119】
第9の発明は、生タイヤの内部に埋め込まれた金属製部材を電磁誘導加熱することによって、該生タイヤを予熱する生タイヤ予熱装置であって、トレッド部に開口部を対向させるように配置され、該トレッド部に高周波磁界を生成して印加するフロントコイルと、前記フロントコイルの背面側に配置され、該フロントコイルの高周波磁界とは逆方向の高周波磁界を生成するリアコイルと、強磁性低導電率材を有した材質で形成され、前記フロントコイルおよびリアコイル間において前記トレッド部の外側部分(ショルダー部分)に対応した部位に設けられたセパレーションコアとを備えたトレッド部予熱機構と、前記トレッド部予熱機構をトレッド部に沿って相対移動させるように、前記トレッド部予熱機構および前記生タイヤの少なくとも一方を移動させる移動機構とを有する構成である。
【0120】
上記の第8または第9の発明の構成によれば、生タイヤのトレッド部に埋め込まれた金属製部材がフロントコイルで生成された高周波磁界により電磁誘導加熱されることによって、トレッド部が内部からの加熱により予熱される。従って、従来のように保管室全体を予熱温度に昇温して維持する必要がないため、予熱時のランニングコストを低減することができる。また、フロントコイルで生成された高周波磁界とフロントコイルの背面側に設けられたリアコイルで生成された高周波磁界とは、互いに打消し合うように作用する。従って、セパレーションコアが設けられていないトレッド部の内側部分においては、フロントコイルの高周波磁界が殆ど印加されない状態となる。一方、セパレーションコアが設けられたトレッド部の外側部分(ショルダー部分)においては、セパレーションコアが高周波磁界の遮蔽板として機能するため、フロントコイルの高周波磁界が強度に印加される。この結果、トレッド部の内側部分よりも外側部分(ショルダー部分)を優先的に誘導加熱することによって、トレッド部の外側部分(ショルダー部分)が内側部分よりも厚くても、トレッド部の全体をほぼ均一な温度で予熱することができる。
【0121】
第10の発明は、第8または9の発明に係る生タイヤ予熱装置であって、前記トレッド部予熱機構は、前記開口部内において前記トレッド部の外側部分(ショルダー部分)に近接するように先端面を位置させたセンターコアを有する構成である。
【0122】
上記の構成によれば、センターコアがフロントコイルの高周波磁界を引き込んで先端面に高周波磁界を集合させた状態にし、近接した位置から高密度の磁界をトレッド部の外側部分(ショルダー部分)に印加する。この結果、トレッド部の内側部分よりも外側部分(ショルダー部分)をさらに優先的に電磁誘導加熱することができる。
【0123】
第11の発明は、第8ないし10の発明の何れか1つに係る生タイヤ予熱装置であって、前記トレッド部予熱機構は、前記トレッド部の外側部分(ショルダー部分)に先端面を近接させるようにフロントコイルの両側面に設けられたサイドコアを有する構成である。
【0124】
上記の構成によれば、サイドコアとセンターコアとが並列配置された状態になって、両コアがフロントコイルの高周波磁界を引き込んで先端面に集合させた状態にし、近接した位置から高密度の磁界をトレッド部の外側部分(ショルダー部分)に印加する。この結果、トレッド部の内側部分よりも外側部分(ショルダー部分)をさらに優先的に電磁誘導加熱することができる。
【0125】
第12の発明は、第2ないし11の発明の何れか1つに係る生タイヤ予熱装置であって、前記トレッド部予熱機構は、複数台が前記トレッド部に沿って設けられている構成である。
【0126】
上記の構成によれば、複数のトレッド部予熱機構により誘導加熱することによって、トレッド部をほぼ均一に予熱することができる。
【0127】
第13の発明は、生タイヤの内部に埋め込まれた金属製部材に高周波磁界を印加して電磁誘導加熱することによって、該生タイヤを予熱する生タイヤ予熱方法であって、前記高周波磁界を引き込む強磁性低導電率材を有した材質で形成されたコア手段を前記生タイヤ4に沿って配置することによって、前記生タイヤの全体を均等に予熱するような分布状態に前記高周波磁界を設定する構成である。
【0128】
上記の構成によれば、生タイヤに埋め込まれた金属製部材がコイル手段で生成された高周波磁界により電磁誘導加熱されることによって、生タイヤが内部からの加熱により予熱される。従って、従来のように保管室全体を予熱温度に昇温して維持する必要がないため、予熱時のランニングコストを低減することができる。さらに、コア手段の強磁性低導電率材により高周波磁界を引き込んで任意の分布状態に変更および設定することができるため、生タイヤが複雑な形状、厚みおよび内部構造を有していても、生タイヤの全体をほぼ均一な温度で予熱することができる。
【0129】
第14の発明に係る生タイヤ予熱装置は、生タイヤの内部に埋め込まれた金属製部材を電磁誘導加熱することによって、該生タイヤを予熱する生タイヤ予熱装置であって、前記生タイヤに対向配置され、該生タイヤに高周波磁界を生成して印加するコイル手段と、強磁性低導電率材を有した材質で形成されたコア手段とを有し、前記コイル手段及び前記コア手段の組の2以上が、前記生タイヤの幅方向に設けられている構成である。
【0130】
上記の構成によれば、2以上のコイル手段により電磁誘導加熱することによって、低容量の高周波電源を用いても短時間で予熱が可能となる。また、コイル手段とコア手段の組が2以上あるため、生タイヤの幅方向の入熱分布を制御でき、生タイヤの軸方向の加熱分布を調整することも容易となる。
【0131】
第15の発明に係る生タイヤ予熱装置は、第14の発明に係る生タイヤ予熱装置であって、前記生タイヤの幅方向に設けられている2以上の前記コイル手段及び前記コア手段の組は、前記生タイヤの周方向にずらして配置されている構成である。
【0132】
上記の構成によれば、2以上のコイル手段とコア手段の組が、タイヤ幅方向で配置上重なり合うことを避けることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】トレッド部予熱機構の斜視図である。
【図2】生タイヤ予熱装置が生タイヤを予熱する状態を示す説明図であり、(a)は平面視した状態、(b)は正面視した状態である。
【図3】トレッド部予熱機構の正面図である。
【図4】トレッド部予熱機構の要部正面図である。
【図5】リアコイルの正面図である。
【図6】図3のB線位置における高周波磁界の状態を示す説明図である。
【図7】図3のA線位置における高周波磁界の状態を示す説明図である。
【図8】生タイヤの分解斜視図である。
【図9】生タイヤを電磁誘導加熱したときの昇温状態を示すグラフである。
【図10】生タイヤを電磁誘導加熱したときの昇温状態を示すグラフである。
【図11】トレッド部予熱機構の構成を示すものであり、(a)は正面図、(b)は(a)図におけるB−B線矢視断面図、(c)は(a)図におけるA−A線矢視断面図である。
【図12】トレッド部予熱機構の構成を示すものであり、(a)は正面図、(b)は(a)図におけるB−B線矢視断面図、(c)は(a)図におけるA−A線矢視断面図である。
【図13】生タイヤを電磁誘導加熱したときの昇温状態を示すグラフである。
【図14】生タイヤを電磁誘導加熱したときの昇温状態を示すグラフである。
【図15】トレッド部予熱機構の斜視図である。
【図16】トレッド部予熱機構の構成を示すものであり、(a)は正面図、(b)は側面図である。
【図17】トレッド部予熱機構の構成を示すものであり、(a)は正面図、(b)は側面図である。
【図18】トレッド部予熱機構の構成を示すものであり、(a)は正面図、(b)は側面図である。
【図19】トレッド部予熱機構の構成を示すものであり、(a)は正面図、(b)は側面図である。
【図20】トレッド部予熱機構の正面図である。
【図21】トレッド部予熱機構の構成を示すものであり、(a)は正面図、(b)は(a)図におけるA−A線矢視断面図である。
【図22】トレッド部予熱機構の斜視図である。
【図23】トレッド部予熱機構が生タイヤの上ビード部の予熱に適用された状態を示す説明図である。
【図24】生タイヤのトレッド部をローラ部材で保持した状態を示す説明図である。
【図25】生タイヤ予熱装置の正面図である。
【図26】生タイヤ予熱装置の構成を示す正面図である。
【図27】図26におけるA−A線矢視断面図である。
【図28】生タイヤ予熱装置の構成を示す正面図である。
【図29】コイルとコアの組の構成を示す断面図である。
【図30】生タイヤを電磁誘導加熱したときの昇温状態を示すグラフである。
【符号の説明】
1 生タイヤ予熱装置
4 生タイヤ
10 保持機構
11 載置台
13 下ビード部予熱用コイル
15 上ビード部予熱機構
16 トレッド部予熱機構
17 高周波電源
21b 右側コイル部
21a 左側コイル部
21 フロントコイル
22 左側フロントコイル部
22a・23a 開口部
22 左側コイル部
23 右側フロントコイル部
23 右側コイル部
24 センターコア
25 セパレーションコア
26 サイドコア
27 リアコイル
28 左側リアコイル部
29 右側リアコイル部
31 トレッド部予熱機構
32a 開口部
32 フロントコイル
33 シールドコア
34 センターコア
35 サイドコア
41 トレッド部予熱機構
42a 開口部
42 フロントコイル
43 コアブロック
44 ブロック駆動機構
45 スペーサ
46 ネジ部材
48 板状スペーサ
48 ネジ機構
52 ビードワイヤ
56 ベルト部材
60 上部コイル
63 下部コイル
72 上部コア
73 下部コア

Claims (10)

  1. 生タイヤの内部に埋め込まれた金属製部材を電磁誘導加熱することによって、該生タイヤを予熱する生タイヤ予熱装置であって、
    トレッド部に対向配置され、該トレッド部に高周波磁界を生成して印加するフロントコイルと、前記高周波磁界を引き込む強磁性低導電率材を有した材質で形成され、前記トレッド部のタイヤ幅方向の全体を均等に予熱するように前記高周波磁界を設定するコア機構とを備えたトレッド部を優先的に加熱するトレッド部予熱機構と、
    前記トレッド部予熱機構をトレッド部に沿って相対移動させるように、前記トレッド部予熱機構および前記生タイヤの少なくとも一方を移動させる移動機構とを有し、
    前記高周波磁界により前記生タイヤの内部に埋め込まれた金属製部材を電磁誘導加熱するよう、前記生タイヤと前記コア機構との間に電磁誘導加熱される他の金属性部材を介することなく構成されており、
    前記コア機構は、前記トレッド部および前記フロントコイル間において前記トレッド部の内側部分に対向するように設けられたシールドコアを有することを特徴とする生タイヤ予熱装置。
  2. 生タイヤの内部に埋め込まれた金属製部材を電磁誘導加熱することによって、該生タイヤを予熱する生タイヤ予熱装置であって、
    トレッド部に対向配置され、該トレッド部に高周波磁界を生成して印加するフロントコイルと、強磁性低導電率材を有した材質で形成されたコア機構とを備えたトレッド部を優先的に加熱するトレッド部予熱機構と、
    前記トレッド部予熱機構をトレッド部に沿って相対移動させるように、前記トレッド部予熱機構および前記生タイヤの少なくとも一方を移動させる移動機構とを有し、
    前記高周波磁界により前記生タイヤの内部に埋め込まれた金属製部材を電磁誘導加熱するよう、前記生タイヤと前記コア機構との間に電磁誘導加熱される他の金属性部材を介することなく構成されており、
    前記コア機構は、前記トレッド部および前記フロントコイル間において前記トレッド部の内側部分に対向するように設けられたシールドコアを有することを特徴とする生タイヤ予熱装置。
  3. 前記フロントコイルは、開口部を前記トレッドに対向させるように配置されており、
    前記コア機構は、前記開口部内において前記トレッド部の外側部分に近接するように先端面を位置させたセンターコアを有することを特徴とする請求項1又は2に記載の生タイヤ予熱装置。
  4. 前記コア機構は、前記トレッド部の外側部分に先端面を近接させるようにフロントコイルの両側面に設けられたサイドコアを有することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の生タイヤ予熱装置。
  5. 生タイヤの内部に埋め込まれた金属製部材を電磁誘導加熱することによって、該生タイヤを予熱する生タイヤ予熱装置であって、
    トレッド部に開口部を対向させるように配置され、該トレッド部に高周波磁界を生成して印加するフロントコイルと、前記フロントコイルの背面側に配置され、該フロントコイルの高周波磁界とは逆方向の高周波磁界を生成するリアコイルと、前記高周波磁界を引き込む強磁性低導電率材を有した材質で形成され、前記フロントコイルおよびリアコイル間において前記トレッド部の外側部分に対応した部位に設けられたセパレーションコアとを備えたトレッド部予熱機構と、
    前記トレッド部予熱機構をトレッド部に沿って相対移動させるように、前記トレッド部予熱機構および前記生タイヤの少なくとも一方を移動させる移動機構とを有することを特徴とする生タイヤ予熱装置。
  6. 生タイヤの内部に埋め込まれた金属製部材を電磁誘導加熱することによって、該生タイヤを予熱する生タイヤ予熱装置であって、
    トレッド部に開口部を対向させるように配置され、該トレッド部に高周波磁界を生成して印加するフロントコイルと、前記フロントコイルの背面側に配置され、該フロントコイルの高周波磁界とは逆方向の高周波磁界を生成するリアコイルと、
    強磁性低導電率材を有した材質で形成され、前記フロントコイルおよびリアコイル間において前記トレッド部の外側部分に対応した部位に設けられたセパレーションコアとを備えたトレッド部予熱機構と、
    前記トレッド部予熱機構をトレッド部に沿って相対移動させるように、前記トレッド部予熱機構および前記生タイヤの少なくとも一方を移動させる移動機構とを有することを特徴とする生タイヤ予熱装置。
  7. 前記トレッド部予熱機構は、前記開口部内において前記トレッド部の外側部分に近接するように先端面を位置させたセンターコアを有することを特徴とする請求項5又は6に記載の生タイヤ予熱装置。
  8. 前記トレッド部予熱機構は、前記トレッド部の外側部分に先端面を近接させるようにフロントコイルの両側面に設けられたサイドコアを有することを特徴とする請求項5乃至7の何れか1項に記載の生タイヤ予熱装置。
  9. 生タイヤの内部に埋め込まれた金属製部材を電磁誘導加熱することによって、該生タイヤを予熱する生タイヤ予熱装置であって、
    前記生タイヤに対向配置され、該生タイヤに高周波磁界を生成して印加するコイル手段と、
    強磁性低導電率材を有した材質で形成されたコア手段とを有し、
    前記コイル手段及び前記コア手段の組の2以上が、前記生タイヤの幅方向に設けられていることを特徴とする生タイヤ予熱装置。
  10. 前記生タイヤの幅方向に設けられている2以上の前記コイル手段及び前記コア手段の組は、前記生タイヤの周方向にずらして配置されていることを特徴とする請求項に記載の生タイヤ予熱装置。
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