JP3457489B2 - 未加硫ゴム加熱装置 - Google Patents

未加硫ゴム加熱装置

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JP3457489B2
JP3457489B2 JP31540096A JP31540096A JP3457489B2 JP 3457489 B2 JP3457489 B2 JP 3457489B2 JP 31540096 A JP31540096 A JP 31540096A JP 31540096 A JP31540096 A JP 31540096A JP 3457489 B2 JP3457489 B2 JP 3457489B2
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heating
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滋 結城
裕彦 福元
夏四郎 嬉野
成人 足立
隆之 佐藤
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    • B29D30/0005Pretreatment of tyres or parts thereof, e.g. preheating, irradiation, precuring
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B29WORKING OF PLASTICS; WORKING OF SUBSTANCES IN A PLASTIC STATE IN GENERAL
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    • B29C35/08Heating or curing, e.g. crosslinking or vulcanizing during moulding, e.g. in a mould by wave energy or particle radiation
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  • Heating, Cooling, Or Curing Plastics Or The Like In General (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電磁誘導加熱を利
用して未加硫ゴムを加熱する未加硫ゴム加熱装置に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】一般に、タイヤや免振部材等に使用され
る加硫ゴム成形品は、未加硫ゴムをモールド内に装填し
た後、架橋構造のゴム組織となるように、蒸気等の加熱
媒体により加熱して加硫成形されるようになっている
が、近年においては、高効率で未加硫ゴムを加熱可能な
電磁誘導加熱による加硫成形が注目されている。
【0003】従来の電磁誘導加熱による加硫成形は、鉄
等の磁性材料によりモールドを形成すると共に、このモ
ールドの周囲に環状の誘導コイルを配置し(図2参
照)、モールド内に未加硫ゴムを装填した後、誘導コイ
ルに高周波の交流電流を通電してモールドの周囲に磁界
を生成させる。そして、この磁界によりモールドに渦電
流を発生させてモールドを加熱することによって、モー
ルド内の未加硫ゴムを加熱し、この電磁誘導加熱による
加熱のみで未加硫ゴムを加硫成形したり、或いは蒸気等
の加熱媒体による加熱を加えて加硫成形するようになっ
ている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来の構成では、設備コスト等を低減するため、一つの誘
導コイルを用いて各種サイズの加硫ゴム成形品を製造し
ようとすると、小さなサイズの加硫ゴム成形品を製造す
る際に加熱効率が低下するという問題がある。
【0005】即ち、環状の誘導コイルは、モールドの周
囲に配置されており、各種サイズの加硫ゴム成形品に対
応させようとすると、最大径のモールドに対応した径に
設定する必要がある。ところが、電磁誘導加熱は、誘導
コイルにより生成された磁界の磁束密度に比例して加熱
効率が増減するものであり、磁束密度は、誘導コイルか
ら離れる程低下するという性質を有している。従って、
最大径のモールドを用いて加硫成形する場合には、モー
ルドが誘導コイルに近接しているため、大きな磁束密度
により高い加熱効率を得ることができるが、小さな径の
モールドを用いて加硫成形する場合には、モールドが誘
導コイルから離隔するため、磁束密度の減少により加熱
効率が低下することになる。これにより、従来の構成で
は、小さなサイズの加硫ゴム成形品を製造する際に、未
加硫ゴムを効率良く加熱することができないものとなっ
ている。
【0006】従って、本発明は、各種サイズの加硫ゴム
成形品を一つの誘導コイルを用いて効率良く加熱して製
造することができる未加硫ゴム加熱装置を提供しようと
するものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、請求項1の発明は、環状に形成された誘導コイルの
内周側に誘導加熱体および未加硫ゴムを配置し、該誘導
加熱体を前記誘導コイルによる磁界により電磁誘導加熱
することによって、前記未加硫ゴムを加熱する未加硫ゴ
ム加熱装置において、前記誘導コイルの少なくとも一部
を外周側から内周側にかけて包囲しながら前記誘導加熱
体に近接した位置で開放端を有するように形成し、前記
誘導コイルの周囲に発生した磁界を渦電流を生じること
なく収集して前記開放端から発生させる磁界移転手段を
備えたことを特徴としている。これにより、磁界移転手
段が誘導コイルの周囲に発生した磁界を収集し、誘導加
熱体に近接した開放端から磁界を発生させるため、誘導
コイルと誘導加熱体とが離隔していても、誘導加熱体が
強度の磁界により電磁誘導加熱されることになる。従っ
て、多様なサイズの未加硫ゴムを加熱するように、未加
硫ゴムのサイズに対応して誘導加熱体のサイズを変更し
ても、磁界移転手段により強度の磁界を常に誘導加熱体
に印加して電磁誘導加熱することができるため、各種サ
イズの未加硫ゴムを効率良く加熱することができる。
【0008】請求項2の発明は、請求項1記載の未加硫
ゴム加熱装置であって、前記磁界移転手段は、珪素鋼板
を積層して形成した積層部材を、これら各珪素鋼板が磁
界方向に平行となるように有していることを特徴として
いる。これにより、一般的な材料である珪素鋼板を用い
て積層部材を形成することができるため、磁界移転手段
を容易に得ることができる。そして、誘導コイルによる
磁界を効率良く収集して開放端から発生させることがで
きる。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態を図1ないし
図3に基づいて以下に説明する。本実施形態に係る未加
硫ゴム加熱装置は、図1および図2に示すように、モー
ルド13内に装填された免振部材12を上下方向に押圧
する加圧装置10と、免振部材12を加熱する電磁誘導
加熱装置11とを有している。加圧装置10は、内部が
開口された枠型フレーム1を有している。枠型フレーム
1は、複数枚の枠板2…を積層してボルト3…で締結す
ることにより形成されており、枠板2…の積層数を調整
することによって、所望の応力や歪み量を容易に得るこ
とができるようになっている。
【0010】上記の枠型フレーム1の内部には、図1に
示すように、スペーサ部材4が上面に設けられており、
スペーサ部材4の下端には、プラテンサポート5を介し
て上部プラテン6が設けられている。また、上部プラテ
ン6の下方には、上部プラテン6と同様に中空部7aを
有した下部プラテン7が配置されている。そして、これ
らの上部および下部プラテン6・7の中空部6a・7a
には、図示しない熱供給源が接続されており、熱供給源
は、蒸気等の加熱媒体を中空部6a・7aに供給するこ
とによって、上部および下部プラテン6・7を所定温度
以上に昇温させるようになっている。
【0011】上記の下部プラテン7は、プラテンサポー
ト8を介して油圧等の流体圧を利用した加圧シリンダ9
に支持されている。加圧シリンダ9は、軸心が鉛直方向
に設定された加圧ロッド9aを有しており、加圧ロッド
9aを進退移動させることによって、下部プラテン7を
昇降させるようになっている。これらの上部プラテン6
および下部プラテン7の間には、モールド13および免
振部材12が搬入されるようになっている。モールド1
3は、免振部材12の側周面に当接するように筒形状に
一体的に形成されている。そして、このモールド13内
には、中空部13aが形成されており、中空部13aに
は、加硫成形時において上述の図示しない熱供給源が接
続されるようになっている。これにより、モールド13
は、熱供給源から蒸気等の加熱媒体が中空部13aに供
給されることによって、所定温度以上に加熱されるよう
になっている。また、モールド13は、SUS304等
の非磁性体を用いて形成されており、モールド13内に
おいて磁界を良好に生成させるようになっている。尚、
モールド13は、複数個に分割された半円形状や円弧形
状の割モールドであっても良いし、免振部材12の全体
を完全に覆うように形成されていても良い。
【0012】上記のモールド13内に装填される免振部
材12は、円柱形状の未加硫ゴムからなるゴム体14を
有している。ゴム体14の内部には、鉄板等の磁性体か
らなる誘導加熱板15…が所定間隔をおいて上下方向に
積層されながら水平配置されている。また、ゴム体14
の上面および下面には、誘導加熱板15と同様に磁性体
からなるフランジ板16a・16bが接合されており、
これらのフランジ板16a・16bおよび誘導加熱板1
5…は、電磁誘導により加熱されることによって、ゴム
体14を上下面および内部から加熱するようになってい
る。
【0013】尚、免振部材12は、誘導加熱板15がゴ
ム体14に完全に埋設された構成であっても良いし、誘
導加熱板15の側周面の一部または全部がゴム体14か
ら露出された構成であっても良い。そして、誘導加熱板
15…がゴム体14に完全に埋設された構成であれば、
一回の加硫成形により誘導加熱板15…を十分に防錆し
た加硫ゴム成形品とすることできる。一方、誘導加熱板
15の側周面の一部または全部がゴム体14から露出さ
れた構成であれば、モールド13に当接した誘導加熱板
15…を介してゴム体14を一層効率良く加熱すること
ができると共に、冷却時において誘導加熱板15…を介
して放熱させることにより効率良く冷却することができ
る。
【0014】上記の誘導加熱板15…およびフランジ板
16a・16bに対する加熱は、図2に示すように、モ
ールド13の周囲に配置された電磁誘導加熱装置11に
より行われるようになっている。電磁誘導加熱装置11
は、環状の誘導コイル17と、誘導コイル17を空気や
水により強制冷却する図示しない冷却装置と、誘導コイ
ル17から外周方向に均等配置された6台の磁界移転装
置18…とを有している。誘導コイル17には、図示し
ない交流発生器が接続されており、交流発生器は、1k
Hz以下の低周波から数10kHzの高周波までの任意の周
波数で交流電流を誘導コイル17に通電し、誘導コイル
17の周囲に任意の強度の磁界を発生させるようになっ
ている。
【0015】一方、誘導コイル17の外周方向に配置さ
れた磁界移転装置18は、図3に示すように、支持台1
9と積層部材20とを有しており、積層部材20は、モ
ールド13方向に進退移動可能にされている。積層部材
20は、コ字形状に形成された0.1mm厚程度の珪素
鋼板21…を樹脂で接合しながら積層することにより形
成されており、上面部20aと、下面部20bと、これ
ら両部20a・20bを連結する連結部20cとからな
っている。積層部材20は、各珪素鋼板21の板面が磁
界方向に対して平行となるように設定されていると共
に、上面部20aおよび下面部20b間に誘導コイル1
7を位置させ、これら両部20a・20bの開放端が誘
導コイル17の内周側(モールド13方向)に位置する
ように設定されている。これにより、積層部材20は、
誘導コイル17を外周側から内周側にかけて包囲するこ
とによって、誘導コイル17の周囲に生じた磁界を各部
20a〜20cにおいて渦電流を生じることなく収集
し、上面部20aおよび下面部20bの開放端から再度
発生させ、モールド13に近接した位置において強度の
磁界を発生させるようになっている。尚、積層部材20
における上面部20aおよび下面部20bの開放端の間
隔は、免振部材12の高さに略等しい距離に設定されて
いることが望ましい。
【0016】上記のように磁界を発生させる誘導コイル
17は、図2に示すように、左右一対に設けられた支持
レール22・22により支持されている。これらの支持
レール22・22間には、モールド13を支持しながら
移動させる搬送機構23が並設されており、支持レール
22・22および搬送機構23は、加圧装置10と、モ
ールド13の周囲に誘導コイル17をセットするコイル
着脱装置24とを結ぶように敷設されている。そして、
搬送装置23および支持レール22・22は、モールド
13と誘導コイル17とを等速度で移動させることによ
って、加圧装置10に対して誘導コイル17とモールド
13とを一定の形態で搬入および搬出するようになって
いる。
【0017】上記の磁界移転装置18や加圧装置10等
の各機器は、図示しない制御装置に接続されている。制
御装置は、免振部材12の仕様に対応した加熱パターン
(誘導コイル17への通電量、通電周波数、蒸気温度
等)や、免振部材12が装填されるモールド13のサイ
ズ(モールド径、モールド高さ)等の各種の加熱情報デ
ータを記憶している。そして、制御装置は、免振部材1
2の品種データが入力されたときに、この品種データと
加熱情報データとに基づいて積層部材20の進出量を求
めると共に加熱パターンを求め、免振部材12を加熱し
て加硫成形するようになっている。
【0018】上記の構成において、未加硫ゴム加熱装置
の動作について説明する。尚、以降の説明においては、
免振部材12(モールド13)の高さが一定の品種につ
いて加硫成形する場合を想定し、免振部材12(モール
ド13)の高さを変更するときには、この高さに対応し
たサイズ(高さ)の積層部材20を支持台19に載置し
直すものとする。
【0019】先ず、図示しない制御装置に操作電源が投
入されると、初期設定動作を行うことによって、磁界移
転装置18に対して積層部材20を最後部まで後退させ
ると共に、モールド13をコイル着脱装置24から加圧
装置10に搬入させるように、搬送機構23の経路中に
位置する磁界移転装置18を搬送機構23よりも下方に
下降させる。また、コイル着脱装置24に対して誘導コ
イル17を最上部の退避位置まで上昇させる。
【0020】次に、加硫成形を行う免振部材12の品種
データが図示しない制御装置に入力されると、制御装置
は、この品種データと加熱情報データとを突き合わせ処
理する。そして、今回の加硫成形に使用されるモールド
13のモールド径から積層部材20の進出量を求めると
共に、品種データに対応する加熱パターン(誘導コイル
17への通電量、通電周波数、蒸気温度等)を読み出
す。
【0021】この後、免振部材12を装填されたモール
ド13が搬送装置等によりコイル着脱装置24に到達し
たことを確認した後、誘導コイル17を下降させて支持
レール22・22に載置することによって、モールド1
3の周囲に誘導コイル17を位置させる。この誘導コイ
ル17のセットが完了すると、搬送機構23および支持
レール22を作動させることによって、モールド13と
誘導コイル17とを等速度で加圧装置10方向に移動さ
せる。そして、モールド13および誘導コイル17が加
圧装置10に到達すると、図1に示すように、加圧シリ
ンダ9に対して加圧ロッド9aを進出させることによっ
て、モールド13および免振部材12を下部プラテン7
および上部プラテン6により挟持して押圧する。
【0022】また、搬送機構23の経路中に存在する磁
界移転装置18を他の磁界移転装置18…と同一の高さ
まで上昇させた後、予め求めておいた進出量となるよう
に、全ての磁界移転装置18…に対して積層部材20…
を進出させ、積層部材20…の開放端をモールド13の
側周面に近接させる。
【0023】この後、上部プラテン6、下部プラテン
7、およびモールド13に蒸気等の加熱媒体を供給して
加熱すると共に、誘導コイル17に対して所定の周波数
で交流電流を通電し、誘導コイル17の周囲に磁界を発
生させる。この際、図2に示すように、誘導コイル17
は、6台の積層部材20…に一部(6か所)を包囲され
ており、各積層部材20は、誘導コイル17の周囲に生
じた磁界を各部20a〜20cにおいて収集し、上面部
20aおよび下面部20bの開放端から再度発生させる
ことになる。従って、モールド13に近接した位置にお
いて強度の磁界が発生し、この磁界は、モールド13が
非磁性体で形成されているため、内部の免振部材12に
おいても略同様の強度で生じることになる。
【0024】免振部材12に発生した磁界は、図1に示
すように、免振部材12におけるゴム体14の上面およ
び下面に接合されたフランジ板16a・16bおよびゴ
ム体14中に埋設された誘導加熱板15…に渦電流を発
生させて加熱する。そして、このフランジ板16a・1
6bおよび誘導加熱板15…の加熱によりゴム体14を
上下面および内部から加熱し、さらに、上部プラテン
6、下部プラテン7、およびモールド13によりゴム体
14への加熱を促進することによって、ゴム体14を外
部および内部から加熱して加硫成形することになる。
【0025】この後、免振部材12の加硫成形が完了す
ると、磁界移転装置18に対して積層部材20を後退さ
せると共に、搬送機構23の経路中に存在する磁界移転
装置18を下降させる。そして、モールド13を誘導コ
イル17と共に加圧装置10から搬出してコイル着脱装
置24に移送し、コイル着脱装置24において誘導コイ
ル17を上昇させた後、モールド13を加硫済みの免振
部材12と共に冷却工程等の次工程に搬送する。
【0026】以上のように、本実施形態の未加硫ゴム加
熱装置は、環状に形成された誘導コイル17の内周側に
誘導加熱板15(誘導加熱体)およびゴム体14(未加
硫ゴム)を配置し、誘導加熱板15を誘導コイル17に
よる磁界により電磁誘導加熱することによって、ゴム体
14を加熱するものであり、誘導コイル17の外周側か
ら内周側にかけて包囲しながらゴム体14に近接した位
置で開放端を有するように形成することによって、誘導
コイル17の周囲に発生した磁界を収集して開放端から
発生させる磁界移転装置18(磁界移転手段)を備えた
構成にされている。
【0027】尚、本実施形態における磁界移転装置18
は、積層部材20を所定幅に形成することによって、誘
導コイル17の一部を包囲する構成にされているが、こ
れに限定されることはなく、積層部材20を環形状や半
円形状に形成することによって、誘導コイル17の全周
を包囲する構成にされていても良い。
【0028】これにより、磁界移転装置18が誘導コイ
ル17の周囲に発生した磁界を収集し、誘導加熱板15
に近接した開放端から磁界を発生させるため、誘導コイ
ル17と誘導加熱板15とが離隔していても、誘導加熱
板15が強度の磁界により電磁誘導加熱されることにな
る。従って、ゴム体14のサイズに対応して誘導加熱板
15のサイズを変更しても、磁界移転装置18により強
度の磁界を誘導加熱板15に印加して電磁誘導加熱する
ことができるため、多様なサイズのゴム体14を効率良
く加熱することができる。
【0029】また、本実施形態における磁界移転装置1
8は、珪素鋼板21を積層して形成した積層部材20
を、これら各珪素鋼板21が磁界方向に平行となるよう
に有した構成にされている。これにより、一般的な材料
である珪素鋼板21を用いて積層部材20を形成するこ
とによって、磁界移転装置18を容易に得ることができ
る。そして、誘導コイル17による磁界を効率良く収集
して開放端から発生させることができる。
【0030】尚、本実施形態における未加硫ゴム加熱装
置は、免振部材12を加硫成形する用途に用いられてい
るが、これに限定されることはなく、タイヤを加硫成形
する用途に用いられても良いし、さらには、これらの免
振部材12やタイヤを加硫成形前に予備加熱する用途に
用いられても良い。また、誘導加熱板15等を備えない
タイヤを加熱する用途においては、モールド13を磁性
体で形成し、このモールド13を電磁誘導加熱すること
により加熱する構成にされていることが望ましい。
【0031】また、本実施形態においては、積層部材2
0を珪素鋼板21により形成しているが、これに限定さ
れることはなく、例えばいわゆる非晶質構造のアモルフ
ァスリボン等の板材を積層することによっても形成する
ことができる。また、珪素鋼板21の表面には、渦電流
を抑えるため、Si系樹脂、テフロン等の電気絶縁被膜
が施されている。
【0032】
【発明の効果】請求項1の発明は、環状に形成された誘
導コイルの内周側に誘導加熱体および未加硫ゴムを配置
し、該誘導加熱体を前記誘導コイルによる磁界により電
磁誘導加熱することによって、前記未加硫ゴムを加熱す
る未加硫ゴム加熱装置において、前記誘導コイルの少な
くとも一部を外周側から内周側にかけて包囲しながら前
記誘導加熱体に近接した位置で開放端を有するように形
成し、前記誘導コイルの周囲に発生した磁界を渦電流を
生じることなく収集して前記開放端から発生させる磁界
移転手段を備えた構成である。これにより、磁界移転手
段が誘導コイルの周囲に発生した磁界を収集し、誘導加
熱体に近接した開放端から磁界を発生させるため、誘導
コイルと誘導加熱体とが離隔していても、誘導加熱体が
強度の磁界により電磁誘導加熱されることになる。従っ
て、多様なサイズの未加硫ゴムを加熱するため、誘導加
熱体のサイズを変更しても、磁界移転手段からの強度の
磁界により誘導加熱体を常に電磁誘導加熱することがで
きるため、未加硫ゴムを効率良く加熱することができる
という効果を奏する。
【0033】請求項2の発明は、請求項1記載の未加硫
ゴム加熱装置であって、前記磁界移転手段は、珪素鋼板
を積層して形成した積層部材を、これら各珪素鋼板が磁
界方向に平行となるように有している構成である。これ
により、一般的な材料である珪素鋼板を用いて積層部材
を形成することができるため、磁界移転手段を容易に得
ることができる。そして、誘導コイルによる磁界を効率
良く収集して開放端から発生させることができるという
効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】未加硫ゴム加熱装置の正面図である。
【図2】未加硫ゴム加熱装置の平面図である。
【図3】磁界移転装置の動作状態を示す説明図である。
【符号の説明】
1 枠型フレーム 2 枠板 3 ボルト 4 スペーサ部材 5 プラテンサポート 6 上部プラテン 7 下部プラテン 8 プラテンサポート 9 加圧シリンダ 10 加圧装置 11 電磁誘導加熱装置 12 免振部材 13 モールド 14 ゴム体 15 誘導加熱板 16a・16b フランジ板 17 誘導コイル 18 磁界移転装置 19 支持台 20 積層部材 21 珪素鋼板 22 支持レール 23 搬送機構 24 コイル着脱装置
フロントページの続き (72)発明者 福元 裕彦 兵庫県神戸市西区高塚台1丁目5番5号 株式会社神戸製鋼所 神戸総合技術研 究所内 (72)発明者 嬉野 夏四郎 兵庫県高砂市荒井町新浜2丁目3番1号 株式会社神戸製鋼所 高砂製作所内 (72)発明者 足立 成人 兵庫県高砂市荒井町新浜2丁目3番1号 株式会社神戸製鋼所 高砂製作所内 (72)発明者 佐藤 隆之 兵庫県高砂市荒井町新浜2丁目3番1号 株式会社神戸製鋼所 高砂製作所内 (56)参考文献 特開 昭59−25194(JP,A) 実開 平6−7193(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B29C 35/02 - 35/14 B29C 33/02 - 33/08 B29C 43/52

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 環状に形成された誘導コイルの内周側に
    誘導加熱体および未加硫ゴムを配置し、該誘導加熱体を
    前記誘導コイルによる磁界により電磁誘導加熱すること
    によって、前記未加硫ゴムを加熱する未加硫ゴム加熱装
    置において、 前記誘導コイルの少なくとも一部を外周側から内周側に
    かけて包囲しながら前記誘導加熱体に近接した位置で開
    放端を有するように形成し、前記誘導コイルの周囲に発
    生した磁界を渦電流を生じることなく収集して前記開放
    端から発生させる磁界移転手段を備えたことを特徴とす
    る未加硫ゴム加熱装置。
  2. 【請求項2】 前記磁界移転手段は、珪素鋼板を積層し
    て形成した積層部材を、これら各珪素鋼板が磁界方向に
    平行となるように有していることを特徴とする請求項1
    記載の未加硫ゴム加熱装置。
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