JP2001260136A - 生タイヤ予熱方法およびその装置 - Google Patents

生タイヤ予熱方法およびその装置

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JP2001260136A JP2000231015A JP2000231015A JP2001260136A JP 2001260136 A JP2001260136 A JP 2001260136A JP 2000231015 A JP2000231015 A JP 2000231015A JP 2000231015 A JP2000231015 A JP 2000231015A JP 2001260136 A JP2001260136 A JP 2001260136A
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    • B29C35/08Heating or curing, e.g. crosslinking or vulcanizing during moulding, e.g. in a mould by wave energy or particle radiation
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 大きな肉厚を有したトレッド部4a等のタイ
ヤ内部を予熱しながら保管することによって、加硫成形
をより確実に短時間で完了させる。 【解決手段】 生タイヤ4を所定姿勢で着脱可能に支持
する載置台82と、載置台82に支持された生タイヤ4
に対して高周波磁界を印加する予熱用コイル83とを有
している。予熱用コイル83は、生タイヤ4のトレッド
部4aおよびビード部4c・4c’のタイヤ内部にそれ
ぞれ埋め込まれたベルト部材56およびビードワイヤ5
2を誘導加熱する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、加硫成形前の生タ
イヤに対して予熱を行う生タイヤ予熱方法およびその装
置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、成形機で成形された生タイヤは、
加硫設備の建屋内等に設定された保管場所のラックに室
温の環境下で保管され、生産計画に基づいてラックから
取り出されて加硫機へ運搬される。加硫機に生タイヤが
搬入されると、例えばブラダ方式の加硫機においては、
生タイヤをモールドの型締めによりモールド内に装填し
た後、タイヤ穴に挿入されたブラダ内に高温高圧の熱媒
体を供給することによって、ブラダを伸展させてタイヤ
内壁面に密接させる。そして、ブラダを介してタイヤ内
壁面を加熱しながらモールド方向に押圧することによっ
て、生タイヤのトレッド部にモールドのタイヤ溝を形成
する。また、加熱されたモールドと高温の熱媒体に接す
るブラダとで生タイヤを外側および内側から加熱し、生
タイヤを早期に加硫開始温度(100℃〜120℃以
上)にまで昇温させることによって、短時間で加硫成形
を完了するようにしている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来のように、生タイヤを室温の環境下で長時間保管する
と、生タイヤが例えば25℃等の室温に近い温度になる
ため、加硫機で生タイヤを加硫成形する際に、生タイヤ
を室温から加硫開始温度にまで昇温させる必要がある。
従来においては、上述のように、モールドおよびブラダ
により生タイヤの外側および内側から加熱することによ
り短時間で加硫成形を完了するようにしているが、生タ
イヤが熱伝導率の低いゴムを主要な構成材料としている
ため、生タイヤの表面側が短時間で昇温しても、内部側
の昇温が遅れ、特に大きな厚みを有したトレッド肉厚部
やビード部における内部中心の昇温の遅れが顕著にな
る。従って、生タイヤの表面側の加硫を終えた場合で
も、生タイヤの内部側が加硫温度に昇温して加硫を終え
るまでは加硫成形を継続する必要があるため、加硫成形
を十分に短時間で完了することができないという問題が
ある。
【0004】また、生タイヤの保管時に生タイヤに対し
てマイクロ波を照射することによって、加硫成形前に生
タイヤを予熱する方法が採用されることもあるが、この
方法では、マイクロ波が生タイヤの表面側を主に予熱
(加熱)し、加硫成形時に最も昇温の遅れる内部側を十
分に予熱することができないため、加硫成形を短時間で
完了するための根本的な解決策とはならない。
【0005】そして、このような問題は、ブラダ方式や
ブラダレス方式等の各種の加硫機において生じており、
特にブラダ方式の加硫機にあっては、ブラダ自体も熱伝
導率の低いゴムにより形成されているため、一層大きな
問題になっている。
【0006】そこで、本発明は、加硫成形を十分に短時
間で完了することができる生タイヤ予熱方法およびその
装置を提供するものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、請求項1の発明は、生タイヤ予熱方法であって、タ
イヤ内部に金属製部材が埋め込まれた生タイヤの加硫成
形前に、前記金属製部材を誘導加熱することを特徴とし
ている。上記の構成によれば、加硫成形前に金属製部材
を誘導加熱することによって、加硫成形時に最も昇温の
遅れるタイヤ内部側を優先的に加熱しながら予熱するこ
とができるため、加硫成形を短時間で完了することがで
きる。
【0008】請求項2の発明は、請求項1に記載の生タ
イヤ予熱方法であって、トレッド部、ビード部およびサ
イドウオール部のタイヤ内部に埋め込まれた金属製部材
のうちの少なくとも一方を誘導加熱することを特徴とし
ている。上記の構成によれば、特に大きな肉厚を有した
トレッド部および/またはビード部のタイヤ内部を予熱
することができるため、加硫成形をより確実に短時間で
完了することができる。
【0009】請求項3の発明は、請求項2記載の生タイ
ヤ予熱方法であって、前記トレッド部の内部に埋め込ま
れた前記金属製部材を前記生タイヤの内側から誘導加熱
することを特徴としている。上記の構成によれば、生タ
イヤの内側はタイヤの種類による厚み変動が少なく十分
に薄いため、誘導加熱するためのコイル手段と金属製部
材の距離が近くなり、十分な交番磁界を前記金属製部材
に印加することが可能となり、金属製部材を効率良く誘
導加熱することが可能である。
【0010】請求項4の発明は、請求項1または2に記
載の生タイヤ予熱方法であって、前記誘導加熱が高周波
磁界を生成するコイルによって行われ、前記高周波磁界
の周波数が、前記生タイヤ内部の金属製部材の構成に応
じて変更されることを特徴としている。上記の構成によ
れば、タイヤ内部に埋め込まれた金属製部材の構成は、
タイヤの種類またはサイズによって異なり、その線径ま
たは電流浸透深さに応じて適切な周波数に変更すること
ができるため、金属製部材を効率良く誘導加熱すること
が可能である。
【0011】請求項5の発明は、請求項1または2に記
載の生タイヤ予熱方法であって、前記誘導加熱が高周波
磁界を生成するコイルによって行われ、前記コイルと前
記生タイヤの相対距離が、前記生タイヤ内部の金属製部
材の構成に応じて調節されることを特徴としている。上
記の構成によれば、金属製部材の材料構成または形状に
応じて、金属製部材を通過する磁束密度を調節すること
ができるため、金属製部材を効率良く誘導加熱すること
が可能である。
【0012】請求項6の発明は、請求項1または2記載
の生タイヤ予熱方法であって、加硫成形するまでの間
に、前記誘導加熱中および加熱の終了した生タイヤを保
温することを特徴としている。上記の構成によれば、生
タイヤ内部の金属製部材を誘導加熱することにより予熱
された生タイヤからの放熱による温度の低下を防止する
とともに、生タイヤの均熱性を向上させることが可能で
ある。
【0013】請求項7の発明は、生タイヤ内部に金属製
部材が埋め込まれた生タイヤに対して予熱を行う生タイ
ヤ予熱装置であって、前記生タイヤを所定姿勢で着脱可
能に支持するタイヤ支持手段と、前記タイヤ支持手段に
支持された生タイヤに対して高周波磁界を印加すること
によって、前記生タイヤの金属製部材を前記高周波磁界
により誘導加熱するコイル手段とを有することを特徴と
している。上記の構成によれば、生タイヤをタイヤ支持
手段に装着して加硫成形前に一時保管しながら、コイル
手段の高周波磁界により金属製部材を誘導加熱させるこ
とができる。したがって、加硫成形時に最も昇温の遅れ
るタイヤ内部側を優先的に加熱しながら予熱することが
できるため、加硫成形を短時間で完了することができ
る。
【0014】請求項8の発明は、請求項7記載の生タイ
ヤ予熱装置であって、前記生タイヤは、前記金属製部材
が少なくともトレッド部およびビード部のタイヤ内部に
それぞれ埋め込まれており、前記コイル手段は、前記生
タイヤのトレッド部に沿うように配置され、前記高周波
磁界を生成するトレッド部予熱用コイル手段と、前記生
タイヤのビード部に沿うように配置され、前記高周波磁
界を生成するビード部予熱用コイル手段とを有すること
を特徴としている。上記の構成によれば、生タイヤのト
レッド部に沿うように配置されたトレッド部予熱用コイ
ル手段がトレッド部に対して高周波磁界を高い磁束密度
で印加することによって、トレッド部の金属製部材を効
率良く誘導加熱する。一方、生タイヤのビード部に沿う
ように配置されたビード部予熱用コイル手段がビード部
に対して高周波磁界を高い磁束密度で印加することによ
って、ビード部の金属製部材を効率良く誘導加熱する。
【0015】請求項9の発明は、請求項7記載の生タイ
ヤ予熱装置であって、前記生タイヤは、前記金属製部材
が少なくともトレッド部およびビード部のタイヤ内部に
それぞれ埋め込まれており、前記コイル手段は、前記生
タイヤのタイヤ穴に挿通可能であると共に、前記生タイ
ヤの両ビード部に両端部が位置するように形成および配
置された柱状予熱用コイルを備えることを特徴としてい
る。上記の構成によれば、タイヤ穴に挿通された柱状予
熱用コイルから生成された高周波磁界がトレッド部の金
属製部材およびビード部の金属製部材を誘導加熱するこ
とによって、加硫成形時に特に昇温の遅れる大きな肉厚
のトレッド部およびビード部のタイヤ内部の予熱を十分
に行うことができる。さらに、一つの柱状予熱用コイル
のみでトレッド部およびビード部の金属製部材を誘導加
熱することができるため、部品コストおよび組立コスト
を低減することができる。
【0016】請求項10の発明は、請求項7〜9のいず
れかの生タイヤ予熱装置であって、前記コイル手段によ
る高周波磁界を前記金属製部材に導くための磁性材料を
配置したことを特徴としている。上記の構成によれば、
コイル手段により生成される高周波磁界が金属製部材を
通過して、磁性材料へ収束するように形成されるため、
金属製部材を通過する磁束密度が大きくなり、金属製部
材を効率良く誘導加熱することが可能である。
【0017】請求項11の発明は、請求項7記載の生タ
イヤ予熱装置であって、前記タイヤ支持手段に支持され
た生タイヤに沿って前記生タイヤの周方向に前記コイル
手段を相対移動させるように、前記タイヤ支持手段の回
転移動および前記コイル手段の旋回移動のうちの少なく
とも一方を行う移動手段を有することを特徴としてい
る。上記の構成によれば、生タイヤに沿いながらコイル
手段が相対移動するため、低い組付け精度や加工精度等
によりコイル手段が生タイヤの一部に強い高周波磁界を
印加することになっていても、生タイヤの全体にわたっ
て強い高周波磁界を均等に印加して誘導加熱することが
できる。したがって、コイル手段を小型化することがで
きるとともに、コイル手段の組付け作業を容易化するこ
とができる。
【0018】請求項12の発明は、請求項7〜9,11
のいずれか記載の生タイヤ予熱装置であって、前記コイ
ル手段に対する高周波磁界を生成するための高周波電源
がその周波数を可変とする周波数変更手段を備えている
ことを特徴としている。上記の構成によれば、タイヤ内
部に埋め込まれた金属製部材の構成は、タイヤの種類ま
たはサイズによって異なり、その線径または電流浸透深
さに応じて適切な周波数を変更することができるため、
金属製部材を効率良く誘導加熱することが可能である。
【0019】請求項13の発明は、請求項12に記載の
生タイヤ予熱装置であって、前記コイル手段に、共振電
流を生じさせるコンデンサを接続したことを特徴として
いる。上記の構成によれば、コンデンサにより共振回路
が形成されるため、装置全体の発熱効率が良くなるとと
もに、力率を改善することができ、金属製部材を効率良
く誘導加熱することが可能である。
【0020】請求項14の発明は、請求項7〜9,12
記載の生タイヤ予熱装置であって、タイヤ内部に埋め込
まれた前記金属製部材に対して、前記コイル手段を近接
離反自在に調節可能とするように相対距離調節手段を有
することを特徴としている。上記の構成によれば、金属
製部材の材料構成または形状に応じて、金属製部材を通
過する磁束密度を調節することが可能であるあるため、
金属製部材を効率良く誘導加熱することが可能である。
【0021】請求項15の発明は、請求項11記載の生
タイヤ予熱装置であって、前記移動段は、前記タイヤ支
持手段に支持された生タイヤのタイヤ中心軸が回転中心
となるように、前記タイヤ支持手段を回転移動させる回
転移動機構を有し、前記コイル手段は、前記生タイヤの
トレッド部およびビード部の一部に沿うように配置さ
れ、前記高周波磁界を生成する部分予熱用コイルを有す
ることを特徴としている。上記の構成によれば、部分予
熱用コイルを小さなサイズで形成することができるた
め、予熱装置を小型化することができる。
【0022】請求項16の発明は、請求項15に記載の
生タイヤ予熱装置であって、前記トレッド部に対する部
分予熱用コイル手段を、前記生タイヤの内側に配置した
ことを特徴としている。上記の構成によれば、生タイヤ
の内側はタイヤの種類による厚み変動が少なく十分に薄
いため、トレッド部予熱用コイル手段と金属製部材の距
離が近くなり、十分な交番磁界を金属製部材に印加する
ことが可能となり、金属製部材を効率良く誘導加熱する
ことが可能である。
【0023】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態を図1ないし
図10に基づいて以下に説明する。本実施形態に係る生
タイヤ予熱装置は、図2に示すように、保管工程に設け
られている。保管工程は、生タイヤ4を成形する成形工
程と、生タイヤ4を加硫成形する加硫工程との間に配置
されており、加硫成形前に生産計画に応じて一時的に生
タイヤ4を保管する。なお、保管工程における生タイヤ
予熱装置の動作およびこの装置による生タイヤ予熱方法
については後述する。
【0024】保管工程から生タイヤ4が供給される加硫
工程は、生タイヤ4を加硫成形する加硫機1を備えてい
る。加硫機1は、図3に示すように、所定の高さ位置に
設定されたモールド固定部2と、モールド固定部2に対
して昇降するモールド昇降部3とを有している。なお、
生タイヤ4は、図7に示すように、両端部が曲折された
カーカス組立体51と、カーカス組立体51の曲折部に
設けられた金属製のビードワイヤ52と、カーカス組立
体51の内周面に貼設されたゴム製のインナーライナ5
3と、カーカス組立体51の外周面および側周面にそれ
ぞれ貼設されたゴム製のトレッド部材54およびサイド
ウオール部材55と、トレッド部材54およびカーカス
組立体51間に設けられた金属製のベルト部材56とを
有することによって、大きな肉厚のトレッド部4aおよ
びビード部4c・4c’のタイヤ内部に金属製部材(ビ
ードワイヤ52、ベルト部材56)を有した構成にされ
ている。
【0025】図3に示すように、モールド昇降部3は生
タイヤ4の上サイドウオール4b’に当接する上サイド
モールド25と、生タイヤ4のトレッド部4aの外周方
向に位置する割りモールド26と、上サイドモールド2
5および割りモールド26のスライドセグメント26a
を昇降させる第1モールド昇降機構27と、上サイドモ
ールド25を所定温度に加熱する上加熱機構28と、上
加熱機構28および割りモールド26の固定リング26
bを昇降させる第2モールド昇降機構29と、これら機
構27〜29等を支持する支持部材30とを有してい
る。
【0026】上加熱機構28は、円盤形状の上プラテン
32を有している。上プラテン32は、高温の蒸気が供
給される内部空間を有しており、この内部空間に供給さ
れる蒸気により発熱し、上サイドモールド25を面状に
加熱する。さらに、上加熱機構28は、上プラテン32
を支持するプラテンサポート33と、上プラテン32の
熱をプラテンサポート33に伝達させないように上プラ
テン32およびプラテンサポート33間に介装された断
熱板34とを有している。
【0027】また、上加熱機構28の中心部には、第1
モールド昇降機構27の棒状部材35が昇降自在に貫挿
されている。図4に示すように、棒状部材35の下端に
は円盤形状のスライドプレート36が設けられている。
スライドプレート36の下面中心部には、上サイドモー
ルド25が中心側に固設されている。上サイドモールド
25の内周部には、生タイヤ4の上ビード部4c’に当
接するように形成された上ビードリング40が設けられ
ている。上ビードリング40の内部には、環状の第3誘
導加熱コイル41が設けられている。そして、第3誘導
加熱コイル41には、図6の高周波電源24が接続され
ており、第3誘導加熱コイル41は、高周波電力の供給
により生タイヤ4の上ビード部4c’に強度の高周波磁
界を印加することによって、上ビード部4c’のビード
ワイヤ52を優先的に誘導加熱する。
【0028】また、スライドプレート36の下面外周部
には、アルミニウム等の非磁性材料により形成された複
数のセグメントモールド26a’を有するスライドセグ
メント26aが設けられている。各スライドセグメント
26aは、上サイドモールド25を中心とした同一円周
上に等間隔に配置され、中心方向に移動自在に係合され
ている。これらのスライドセグメント26aの外側方向
には、非磁性材料により形成された固定リング26bが
配置されている。固定リング26bは、上プラテン32
の下面周縁部に固設されており、スライドセグメント2
6aの外側面に係合しながらスライドセグメント26a
を半径方向に進退移動させるようになっている。そし
て、スライドセグメント26aは、固定リング26bに
より中心方向に移動したときに、生タイヤ4のトレッド
部4aに対応した筒形状のモールドを形成する。
【0029】モールド昇降部3の下方には、モールド固
定部2が配置されている。モールド固定部2は、生タイ
ヤ4の下サイドウオール4bに当接する下サイドモール
ド5と、下サイドモールド5を所定温度に加熱する下加
熱機構9と、下加熱機構9および下サイドモールド5の
中心部に設けられた中心機構10と、中心機構10およ
び下加熱機構9を支持するベースフレーム11とを有し
ている。
【0030】下加熱機構9は、下サイドモールド5を面
状に支持する円盤形状の下プラテン6を有している。下
プラテン6は、高温の蒸気が供給される内部空間を有し
ており、この内部空間に供給される蒸気により発熱し、
下サイドモールド5を面状に加熱する。さらに、下加熱
機構9は、下プラテン6を支持するプラテンサポート7
と、下プラテン6の熱をプラテンサポート7に伝達させ
ないように下プラテン6およびプラテンサポート7間に
介装された断熱板8とを有している。そして、このよう
に構成された下加熱機構9の中心部には、中心機構10
が設けられており、中心機構10は、保持機構71を主
要部として備えている。
【0031】保持機構71は、モールド固定部2(下加
熱機構9および下サイドモールド5)に対して着脱可能
にされており、図1および図3に示すように、ブラダ2
0と、ブラダ20の下縁部を保持した下部リング機構1
2と、ブラダ20の上縁部を保持した上部リング19
と、下部リング機構12および上部リング19の中心部
に摺動自在に貫設され、両リング12・19を連結固定
可能なセンターポスト22とを以下の接続関係および位
置関係で有している。
【0032】すなわち、図4に示すように、下部リング
機構12は生タイヤ4の下ビード部4cに当接するよう
に形成された下ビードリング13と、下ビードリング1
3の上面に設けられ、下ビードリング13とでブラダ2
0の下縁部を挟持する下ブラダリング14と、下ブラダ
リング14の内周側に設けられたクランプリングハブ1
5とを有している。クランプリングハブ15の内部に
は、蒸気や窒素ガス等の加圧加熱媒体を流通させる給排
路15a・15aが形成されている。そして、これらの
給排路15a・15aは、クランプリングハブ15の上
端面から下端面にかけて連通されており、下端の給排路
15a・15aは、配管17a・17aおよび開閉バル
ブ17b・17bを介して図示しない加圧・加熱媒体供
給装置に接離可能に連絡されている。
【0033】また、下ビードリング13の内部には、環
状の第1誘導加熱コイル18が設けられている。第1誘
導加熱コイル18には、高周波電力を供給する図6の高
周波電源24が接離可能に接続されている。そして、第
1誘導加熱コイル18は、高周波電力の供給により生タ
イヤ4の下ビード部4cに強度の高周波磁界を印加する
ことによって、下ビード部4cのビードワイヤ52を優
先的に誘導加熱する。
【0034】下部リング機構12の中心部には、センタ
ーポスト22が上下方向に摺動自在に立設されている。
センターポスト22の上端部には、上部リング19が設
けられている。上部リング19は、上ブラダリング21
を有しており、上ブラダリング21は、ブラダ20の上
縁部を挟持している。一方、センターポスト22の下端
部には、センターポスト22を任意の高さ位置に昇降さ
せる図示しないポスト昇降機構が接離可能に連結されて
おり、ポスト昇降機構は、保持機構71とで中心機構1
0を構成している。そして、ポスト昇降機構は、加硫済
タイヤの搬出時において、ブラダ20の上縁部を持ち上
げてブラダ20をタイヤ4のタイヤ穴よりも小さな径に
設定するようにセンターポスト22を上限位置に上昇さ
せる一方、生タイヤ4の加硫成形時において、ブラダ2
0を生タイヤ4のタイヤ内壁面に当接可能な径に拡大さ
せるようにセンターポスト22を下降させる。
【0035】センターポスト22により拡縮されるブラ
ダ20は、生タイヤ4の加硫成形時に、加圧媒体が供給
されることによりタイヤ内壁面をモールド方向に押圧す
るものであり、高温環境下で変質し難い低延伸性材料を
構成部材として有している。この低延伸性材料は、生タ
イヤ4を加硫成形して加硫済タイヤとしたときのタイヤ
内壁面形状と略同形状に形成されている。すなわち、図
6に示すように、ブラダ20は高温環境下で変質し難い
低延伸性材料を採用し、この材料を加硫済タイヤのタイ
ヤ内壁面形状と略同形状に形成したブラダ本体20a
と、ブラダ本体20aの表面に等間隔で設けられた複数
の磁性部材20bとを有している。磁性部材20bは、
例えばメッシュメタルや金属蒸着膜等の磁性を有した金
属製の薄膜からなっており、生タイヤ4のトレッド部4
aに対応する部位が他の部位よりも大きな面積となるよ
うに形成されている。
【0036】なお、低延伸性材料とは、加硫温度の高温
環境下で従来のブラダ用ゴム(例えばブチルゴム)より
も小さな伸び率の物性値を有した材料のことであり、特
に200℃の高温環境下で伸び率が5%〜15%の範囲
であることが好ましい。伸び率が上記の範囲であること
が好ましい理由は、5%未満であると、加硫成型時に生
タイヤ4の全体を均等に押圧する力が低下して成形性が
不十分になるからであり、15%を越えると、従来のブ
ラダ用ゴム(例えばブチルゴム)と同様に生タイヤ4を
高精度に加硫成形することが困難になるからである。
【0037】また、高温環境下で変質し難い低延伸性材
料としては、ポリエステル、ナイロン、アラミド、ポリ
パラフェニレンベンゾビスオキサゾール(PBO)とい
った繊維を用いた編物や織物、またはメッシュメタルや
高密度繊維、カーボン入り繊維、金属被覆繊維、樹脂被
覆繊維等を採用することができると共に、これら材料の
うちの一種以上を混在させたものを採用することができ
る。混在の形態としては、例えばポリエステルフィルム
にメッシュメタルを積層したり、ポリエステルフィルム
に金属膜を蒸着した積層構造の形態や、金属被覆繊維と
高密度繊維とを均等または偏在させながら織り込んだ形
態がある。また、気密性を持たせるため、フッ素、シリ
コンといった樹脂およびエストラマーの少なくとも一種
を上述の編物や織物等の基材に含浸あるいはコーティン
グさせるという形態もある。そして、これらの形態は、
ブラダの設計仕様(誘導加熱による発熱の有無や強度
等)に応じて適宜選択される。
【0038】ブラダ20の内部には、第2誘導加熱コイ
ル23が配置されている。第2誘導加熱コイル23は、
センターポスト22の周囲に設けられており、上ブラダ
リング21と下ブラダリング14とが最も接近した場合
の距離よりも小さなコイル高に設定されていると共に、
縮小されたブラダ20に接触しないように両リング21
・14の外径よりも小さなコイル径に設定されている。
また、第2誘導加熱コイル23は、上ブラダリング21
が下限位置に下降した場合でも両リング21・14に当
接しないように配置されている。そして、第2誘導加熱
コイル23には、高周波電源24が接離可能に接続され
ており、第2誘導加熱コイル23は、高周波電力の供給
によりブラダ20に強度の高周波磁界を印加することに
よって、ブラダ20の磁性部材20bを優先的に誘導加
熱する。
【0039】図2に示すように、保持機構71は図1の
搬送装置43により加硫工程、保管工程および成形工程
間を搬送されるようになっている。そして、成形工程に
おいては、成形用ドラムとして機能し、保管工程や工程
間の搬送時においては、生タイヤ4の変形を防止すると
共に支持中心のずれを防止するように機能し、加硫工程
においては、上述の中心機構10の主要部として機能す
る。
【0040】成形工程は、シングルステージ方式のタイ
ヤ成形機61を備えている。なお、タイヤ成形機61
は、ツーステージ方式であっても良い。図2に示すよう
に、タイヤ成形機61は第1駆動装置62と第2駆動装
置63とを有している。第1駆動装置62および第2駆
動装置63には、第1チャック機構64および第2チャ
ック機構65がそれぞれ設けられている。これらのチャ
ック機構64・65は、保持機構71の上部リング19
および下部リング機構12の中心部をそれぞれ保持可能
なチャック部材64a・65aを有している。そして、
両チャック機構64・65は、回転軸が同一直線上に存
在するように対向配置されており、同一の回転速度で回
転し、同一の回転角度で停止するように連動されてい
る。さらに、一方の第1チャック機構64は、回転軸方
向に進退移動可能にされており、生タイヤ4の成形およ
び取り出し時に保持機構71の上部リング19と下部リ
ング機構12とのリング間隔を拡大および縮小させる。
また、タイヤ成形機61は、生タイヤ4の取り出し時等
にブラダ20内に圧力ガスを供給する図示しない圧力ガ
ス供給装置を有している。
【0041】図2に示すように、成形工程で作成された
生タイヤ4は保持機構71に保持された状態で運搬さ
れ、後工程である保管工程や加硫工程に搬送される。保
管工程は、保管倉庫80を有している。保管倉庫80
は、生タイヤ4を保持機構71で保持しながら保管する
複数の保管部81を有している。各保管部81は、図1
に示すように、生タイヤ予熱装置を備えている。生タイ
ヤ予熱装置は、下部リング機構12の下面に当接するよ
うに形成された円筒形状の載置台82と、載置台82上
の生タイヤ4を囲むように設けられた予熱用誘導加熱コ
イル83と、予熱用誘導加熱コイル83に対して高周波
電力を供給する高周波電源84とを有している。そし
て、予熱用コイル83は、高周波電源84からの高周波
電力の供給により生タイヤ4のトレッド部4aに強度の
高周波磁界を印加することによって、トレッド部4aの
ベルト部材56を優先的に誘導加熱する。
【0042】上記の構成において、生タイヤ予熱装置の
動作を通じて生タイヤ予熱方法について説明する。
【0043】まず、図2に示すように、成形工程におい
て、タイヤ成形機61によりベルト部材56やビードワ
イヤ52を内部に有した複数の層からなる生タイヤ4を
作成すると、保持機構71の上部リング19と下部リン
グ機構12とをセンターポスト22により連結固定し、
第1チャック機構64を上部リング19から切り離す。
そして、図1の搬送装置43により上部リング19の中
心部を把持した後、チャック機構65を下部リング12
から切り離し、保持機構71を上方に引き抜くことによ
って、保持機構71と共に生タイヤ4をタイヤ成形機6
1から抜脱する。そして、生タイヤ4を加硫成形するま
でに待ち時間が存在する場合には、保持機構71で生タ
イヤ4を膨張させて保持しながら保管工程の生タイヤ予
熱装置に搬送し、下記の動作により生タイヤ4を予熱し
ながら保管する。
【0044】すなわち、図1に示すように、生タイヤ4
を保持した保持機構71を生タイヤ予熱装置における載
置台82の上方に位置決めする。そして、保持機構71
を下降させて載置台82に載置することによって、この
保持機構71と共に生タイヤ4を保管する。この後、高
周波電源84から予熱用コイル83に高周波電力を供給
することによって、生タイヤ4のトレッド部4aに強度
の高周波磁界を印加し、トレッド部4aのベルト部材5
6を誘導加熱する。尚、予熱用コイル83により生成さ
れた高周波磁界は、ビード部4c・4c’のビードワイ
ヤ52も誘導加熱する。これにより、生タイヤ4が室温
の環境下で保管されていても、生タイヤ4の大きな肉厚
のトレッド部4aおよびビード部4c・4c’が生タイ
ヤ予熱装置によりタイヤ内部から加熱されるため、生タ
イヤ4の温度低下を生じることがなく、さらに、高周波
磁界の印加の程度によっては加硫温度に近い温度にまで
生タイヤ4が昇温される。
【0045】次に、生タイヤ4を加硫成形する場合に
は、保持機構71で生タイヤ4を保持しながら加硫工程
に搬送し、下記の動作により生タイヤ4を加硫成形す
る。すなわち、まず図3に示すように、モールド昇降部
3を上昇させることによって、モールド固定部2の上方
にモールド昇降部3を位置させる。この後、搬送装置4
3により保持機構71と共に生タイヤ4をモールド固定
部2とモールド昇降部3との間に搬送する。図4に示す
ように、保持機構71がモールド固定部2の中心部の上
方に位置すると、保持機構71を下降させることによっ
て、保持機構71をモールド固定部2に係合させる。そ
して、センターポスト22による上部リング19と下部
リング機構12との連結固定を解除した後、保持機構7
1のセンターポスト22を図示しないポスト昇降機構に
連結すると共に、開閉バルブ17a・17bおよび誘導
加熱コイル18・23・41を図示しないガス供給装置
および図6の高周波電源24にそれぞれ接続することに
よって、中心機構10として機能させる。
【0046】次に、図3の第2シリンダ部材38からシ
リンダロッド38aを進出させると共に、第1シリンダ
部材37から棒状部材35を進出させることによって、
上加熱機構28およびスライドプレート36をそれぞれ
下降させて分離し、スライドセグメント26aを外周方
向に移動させる。この後、図4の二点鎖線に示すよう
に、上加熱機構28およびスライドプレート36の分離
状態を維持しながらモールド昇降部3を下降させ、スラ
イドセグメント26aの内周側に生タイヤ4を位置させ
た後、スライドセグメント26aを固定リング26bに
より中心方向に移動させる。そして、図5に示すよう
に、各スライドセグメント26a同士を当接させて生タ
イヤ4のトレッド部4aに対応した筒形状のモールドを
形成すると共に、このモールドの上部および下部に上サ
イドモールド25および下サイドモールド5をそれぞれ
当接させることによって、モールドの型締を完了する。
【0047】上プラテン32、下プラテン6、および割
りモールド26の固定リング26aには、高温の蒸気が
供給されており、両プラテン6・32により上および下
サイドモールド25・5を加熱すると共に、割りモール
ド26のスライドセグメント26aを発熱させることに
よって、これらモールド25・5・26a’で囲まれた
生タイヤ4を外表面側から加熱する。また、ガス配管1
7aを介して高温高圧の蒸気や窒素ガス等の圧力媒体を
ブラダ20内に供給することによって、ブラダ20によ
り生タイヤ4をモールドの内壁面に押圧させる。そし
て、高温高圧の圧力媒体の熱量をブラダ20を介して生
タイヤ4に伝達させることによって、生タイヤ4を内表
面側から加熱する。
【0048】さらに、図6に示すように、高周波電源2
4から高周波電力を各誘導加熱コイル18・23・41
・39に供給する。高周波電力が供給された第1誘導加
熱コイル18および第3誘導加熱コイル41は、生タイ
ヤ4の下ビード部4cおよび上ビード部4c’に強度の
高周波磁界をそれぞれ印加することによって、両ビード
部4c・4c’の内部に設けられたビードワイヤ52・
52を優先的に誘導加熱する。また、第4誘導加熱コイ
ル39は、割りモールド26が非磁性材料で形成されて
いるため、生タイヤ4のトレッド部4aに強度の高周波
磁界を印加することによって、トレッド部4aの内部に
設けられたベルト部材56を優先的に誘導加熱する。こ
れにより、生タイヤ4には、外面側および内面側からの
加熱に加えて、大きな肉厚を有したビード部4c・4
c’およびトレッド部4aにおいてはタイヤ内部側から
の加熱も行われるため、タイヤ全体の温度は短時間で加
硫温度にまで昇温する。
【0049】さらに、保管工程から搬送された生タイヤ
4にあっては、長時間に亘って室温環境下で保管されて
いた場合でも、大きな肉厚を有したビード部4c・4
c’およびトレッド部4aが加硫温度に近い温度に予熱
されているため、加硫のための加熱を開始してから極め
て短時間で生タイヤ4全体が加硫温度にまで昇温する。
また、加硫成形するまでの間に、誘導加熱された生タイ
ヤ4を保温する工程を設けてもよい。具体的には、予熱
された生タイヤ4を保温箱に入れ、次に加硫工程に至る
直前まで生タイヤ4を予熱温度付近に保つように加熱し
続ける。これにより、所定温度まで予熱の完了した生タ
イヤ4からの放熱による温度低下を防止するとともに、
生タイヤ4の均熱性を向上させることができる。
【0050】また、高周波電力が供給された第2誘導加
熱コイル23は、ブラダ20の磁性部材20bに強度の
高周波磁界を印加し、ブラダ20自体を発熱させる。し
たがって、圧力媒体の熱量をブラダ20を介して生タイ
ヤ4に伝達する際に、ブラダ20による熱量の伝達時間
の遅延が最小限に抑制されるため、生タイヤ4がより一
層短時間で加硫温度にまで昇温する。そして、生タイヤ
4が加硫温度に維持されながら、生タイヤ4の加硫成形
が行われる。
【0051】また、生タイヤ4が加硫成形されている
間、ブラダ20は、生タイヤ4をモールド方向に押圧す
ることにより生タイヤ4の成形を行っている。この際、
ブラダ20は、加硫済タイヤのタイヤ内壁面形状と略同
形状の低延伸性材料により形成されているため、圧力媒
体の圧力に多少の変動があった場合でも、加硫済タイヤ
のタイヤ内壁面の形状を確実に出現する。したがって、
ブラダ20により生タイヤ4を押圧して成形が行われる
と、高精度に成形された加硫済タイヤが得られることに
なる。
【0052】このようにして加硫済タイヤが得られる
と、図4に示すように、上述の動作とは逆の動作により
モールドを型開きした後、センターポスト22を上昇さ
せてブラダ20を縮小させる。そして、加硫済タイヤ
4’を保持機構71から抜脱して外部に取り出した後、
保持機構71を外部に取り出し、加硫済タイヤ4’を後
工程に搬送する一方、保持機構71を成形工程に搬送す
る。この後、以上の動作によって、新たな生タイヤ4を
搬入して加硫成形を繰り返すことになるが、このような
加硫形成が繰り返された場合でも、ブラダ20の低延伸
性材料が高温環境下で変質し難いため、低延伸性材料が
初期の性質を維持する。したがって、加硫成形の繰り返
し回数が多くなった段階でも、ブラダ20が加硫済タイ
ヤのタイヤ内壁面の形状を確実に出現させるため、ブラ
ダ20を長期間に亘って使用することができる。
【0053】以上のように、図1に示すように、本実施
形態においては、タイヤ内部に金属製部材が埋め込まれ
た生タイヤ4の加硫成形前に、金属製部材を誘導加熱す
るという生タイヤ予熱方法を実施することによって、加
硫成形時に最も昇温の遅れる生タイヤ内部側を優先的に
加熱しながら予熱して加硫成形を短時間で完了すること
を可能にしている。具体的には、トレッド部4aおよび
ビード部4c・4c’のタイヤ内部にそれぞれ埋め込ま
れたベルト部材56(金属製部材)およびビードワイヤ
52(金属製部材)のうちの少なくとも一方を誘導加熱
することによって、特に大きな肉厚を有したトレッド部
4aおよび/またはビード部4c・4c’のタイヤ内部
を予熱して加硫成形をより確実に短時間で完了すること
を可能にしている。なお、本実施形態においては、トレ
ッド部4aとビード部4c・4c’とに金属製部材が埋
め込まれた場合について説明しているが、これに限定さ
れるものではなく、大きな肉厚を有した任意の部分に金
属製部材が埋め込まれた場合のおいても適用できる。例
えばサイドウオール部となるサイドウオール4b・4
b’に金属製部材が埋め込まれた場合には、トレッド部
4a、ビード部4c・4c’およびサイドウオール4b
・4b’に埋め込まれた金属製部材のうちの少なくとも
一方を誘導加熱すれば良い。
【0054】そして、本実施形態において、生タイヤ予
熱方法は、生タイヤ4を所定姿勢で着脱可能に支持する
載置台82(タイヤ支持手段)と、載置台82(タイヤ
支持手段)に支持された生タイヤ4に対して高周波磁界
を印加することによって、生タイヤ4の金属製部材を高
周波磁界により誘導加熱する予熱用コイル83とを有し
た生タイヤ予熱装置により実施されている。
【0055】なお、本実施形態における生タイヤ予熱装
置は、生タイヤ4を保持機構71で内部側から保持しな
がら、生タイヤ4の周囲に配置された予熱用コイル83
によりトレッド部4aおよびビード部4c・4c’の金
属製部材を誘導加熱して予熱するように構成されている
が、これに限定されるものではなく、一般的なブラダ方
式やブラダレス方式の加硫機においても適用可能なよう
に、生タイヤ4のみを保管しながら予熱する構成にされ
ていても良い。
【0056】したがって、生タイヤ予熱装置は、図8〜
図16に示した構成にされていても良い。図8(a)・
(b)の構成を詳細に説明すると、生タイヤ予熱装置
は、生タイヤ4を載置する載置台90と、載置台90上
の生タイヤ4のトレッド部4aに沿うように配置され、
高周波磁界を生成するトレッド部予熱用コイル91とを
有している。載置台90の下面中心部には、回転軸95
を介して図示しない回転駆動装置が連結されており、回
転駆動装置は、生タイヤ4の保管時に載置台90と共に
生タイヤ4を水平方向に回転させる。載置台90の内部
には、下ビード部予熱用コイル92が設けられており、
下ビード部予熱用コイル92は、下ビード部4cのビー
ドワイヤ52(金属製部材)に強度の高周波磁界を印加
するため、下ビード部4cに沿うように配置されてい
る。
【0057】また、載置台90の上面中心部には、支持
部材93が立設されている。支持部材93は、上ビード
部予熱用コイル94を支持しており、上ビード部予熱用
コイル94は、生タイヤ4のタイヤ穴よりも小さなコイ
ル径に設定されている。そして、上ビード部予熱用コイ
ル94は、上ビード部4c’のビードワイヤ52(金属
製部材)に強度の高周波磁界を印加するため、上ビード
部4c’と略同一高さ位置で上ビード部4c’に沿うよ
うに配置されている。
【0058】上記の構成において、生タイヤ4を保管す
る場合には、図示しない搬送装置により水平方向に移動
して載置台90の上方に位置決めした後、垂直方向に下
降させ、タイヤ穴に上ビード部予熱用コイル94を挿通
させながら載置台90に載置する。この後、図示しない
回転駆動装置により回転軸95を介して載置台90およ
び生タイヤ4を水平方向に回転させるとともに、図示し
ない高周波電源から高周波電力を各予熱用コイル91・
92・94に供給する。
【0059】高周波電力が供給されたトレッド部予熱用
コイル91は、トレッド部4aに高周波磁界を高い磁束
密度で印加することによりトレッド部4aのベルト部材
56を効率良く誘導加熱する。一方、各ビード部予熱用
コイル92・94は、各ビード部4c・4c’に対して
高周波磁界を高い磁束密度でそれぞれ印加することによ
り各ビード部4c・4c’のビードワイヤ52を効率良
く誘導加熱する。これにより、加硫成形時に特に昇温の
遅れる大きな肉厚のトレッド部4aおよびビード部4c
・4c’のタイヤ内部の予熱を十分に行うことができ
る。
【0060】また、生タイヤ4が水平方向に回転されて
いるため、生タイヤ4に沿ってトレッド部予熱用コイル
91および上ビード部予熱用コイル94が相対移動した
状態となる。したがって、予熱用コイル91・94が低
い組付け精度や加工精度等により生タイヤ4におけるト
レッド部4aおよび上ビード部4c’に不均一に高周波
磁界を印加することになっていても、生タイヤ4の全体
にわたって高周波磁界を均等に印加して誘導加熱するこ
とができる。これにより、予熱用コイル91・94を高
精度に組付けたり、加工したりする必要がないため、組
付け作業および加工作業を容易化することができる。
【0061】また、図9(a)・(b)の構成を詳細に
説明すると、生タイヤ予熱装置は、生タイヤ4を載置す
る載置台96を有している。載置台96は、支持台97
により支持されながら固定されている。また、載置台9
6の中心部には、貫通穴96aが形成されており、貫通
穴96aには、回転支持軸98が回転自在に挿通されて
いる。載置台96の上方における回転支持軸98の上部
には、柱状予熱用コイル99が固設されている。柱状予
熱用コイル99は、生タイヤ4のタイヤ穴に挿通される
ように、生タイヤ4のタイヤ穴よりも小さなコイル径に
設定されている。さらに、柱状予熱用コイル99は、各
ビード部4c・4c’のビードワイヤ52(金属製部
材)およびトレッド部4aのベルト部材56(金属製部
材)に強度の高周波磁界を印加するため、両ビード部4
c’・4cに両端部が位置するように形成および配置さ
れている。一方、回転支持軸98の下端部には、図示し
ない回転駆動装置が連結されており、回転駆動装置は、
生タイヤ4の保管時に回転支持軸98を回転させること
によって、柱状予熱用コイル99を生タイヤ4の内部側
において旋回させる。
【0062】生タイヤ4を保管する場合には、図示しな
い搬送装置により水平方向に移動して載置台90の上方
に位置決めした後、垂直方向に下降させ、タイヤ穴に柱
状予熱用コイル99を挿通させながら載置台90に載置
する。この後、図示しない回転駆動装置により回転支持
軸98を介して柱状予熱用コイル99を生タイヤ4の内
部側において旋回させるとともに、図示しない高周波電
源から高周波電力を柱状予熱用コイル99に供給する。
【0063】高周波電力が供給された柱状予熱用コイル
99は、トレッド部4aおよびビード部4c・4c’に
高周波磁界を高い磁束密度で印加することによって、各
ビード部4c・4c’のビードワイヤ52を効率良く誘
導加熱するとともに、トレッド部4aのベルト部材56
を効率良く誘導加熱する。これにより、加硫成形時に特
に昇温の遅れる大きな肉厚のトレッド部4aおよびビー
ド部4c・4c’のタイヤ内部の予熱を十分に行うこと
ができる。
【0064】また、柱状予熱用コイル99が回転支持軸
98を中心に旋回されているため、生タイヤ4に沿って
柱状予熱用コイル99が相対移動した状態となる。した
がって、柱状予熱用コイル99が低い組付け精度や加工
精度等により生タイヤ4におけるトレッド部4aおよび
ビード部4c・4c’に不均一に高周波磁界を印加する
ことになっていても、生タイヤ4の全体にわたって高周
波磁界を均等に印加して誘導加熱することができる。こ
れにより、柱状予熱用コイル99を高精度に組付けた
り、加工したりする必要がないため、組付け作業および
加工作業を容易化することができる。
【0065】また、図10(a)・(b)の構成を詳細
に説明すると、生タイヤ予熱装置は、生タイヤ4を載置
する載置台90を有している。載置台90の下面中心部
には、回転軸95を介して図示しない回転駆動装置およ
び昇降装置が連結されており、回転駆動装置は、生タイ
ヤ4の保管時に載置台90と共に生タイヤ4を水平方向
に回転させる。また、昇降装置は、保管時に図示実線の
保管位置に載置台90を上昇させる一方、生タイヤ4の
搬入出時に生タイヤ4を図示二点鎖線で示す搬入出位置
に下降させる。
【0066】載置台90の内部には、下ビード部予熱用
コイル92が設けられている。下ビード部予熱用コイル
92は、下ビード部4cのビードワイヤ52(金属製部
材)に強度の高周波磁界を印加するため、下ビード部4
cに沿うように配置されている。一方、載置台90の上
方には、上ビード部予熱用コイル100が配設されてい
る。上ビード部予熱用コイル100には、生タイヤ4の
タイヤ径に略一致したコイル径に設定されている。そし
て、上ビード部予熱用コイル100は、上ビード部4
c’のビードワイヤ52(金属製部材)に強度の高周波
磁界を印加するため、上ビード部4c’の僅かに上方位
置で上ビード部4c’に沿うように配置されている。
【0067】さらに、生タイヤ予熱装置は、逆U字形状
に形成された部分予熱用コイル101を有している。部
分予熱用コイル101は、載置台90に生タイヤ4が載
置されて保管位置(図示実線)に上昇されたときに、こ
の生タイヤ4のトレッド部4aの一部に沿うように配置
されている。そして、部分予熱用コイル101は、高周
波電源102に接続されており、高周波電源102から
の電力供給により高周波磁界をトレッド部4aに印加す
る。
【0068】生タイヤ4を保管する場合には、載置台9
0を搬入出位置まで下降させた後、生タイヤ4を図示し
ない搬送装置により移動して載置台90と上ビード部予
熱用コイル100との間に位置決めする。そして、生タ
イヤ4を垂直方向に下降させて載置台90に載置する。
この後、載置台90を図示実線の保管位置まで上昇させ
ることによって、載置台90上の生タイヤ4を部分予熱
用コイル101および上ビード部予熱用コイル100に
近接させる。
【0069】上記のようにして生タイヤ4を保管位置に
セットすると、図示しない回転駆動装置により載置台9
0を介して生タイヤ4を水平方向に回転させると共に、
高周波電源102等から高周波電力を各予熱用コイル9
2・100・101に供給する。高周波電力が供給され
た下ビード部予熱用コイル92および上ビード部予熱用
コイル100は、ビード部4c・4c’の全体に高周波
磁界を高い磁束密度で印加することによって、ビード部
4c・4c’のビードワイヤ52全体を効率良く誘導加
熱する。
【0070】また、部分予熱用コイル101は、トレッ
ド部4aのベルト部材56の一部分、即ち、コイル10
1に最も近接した部分を効率良く誘導加熱する。この
際、生タイヤ4が回転されているため、部分予熱用コイ
ル101は、生タイヤ4のトレッド部4aに沿って相対
移動した状態になっている。したがって、部分予熱用コ
イル101がトレッド部4aの一部分を加熱した場合で
あっても、生タイヤ4の回転によりトレッド部4aの全
体にわたって高周波磁界を均等に印加して誘導加熱した
場合と同等の状態になる。この結果、トレッド部4aの
全体を囲むように予熱用コイルを形成した場合よりも、
部分予熱用コイル101を小さなサイズで形成すること
ができるため、生タイヤ予熱装置を小型化および小電力
化することができる。
【0071】さらに、生タイヤ4が回転されているた
め、生タイヤ4に沿って上ビード部予熱用コイル100
も相対移動した状態となる。従って、上ビード部予熱用
コイル100が低い組付け精度や加工精度等により生タ
イヤ4の上ビード部4c’に不均一に高周波磁界を印加
することになっていても、生タイヤ4の全体にわたって
高周波磁界を均等に印加して誘導加熱することができ
る。これにより、上ビード部予熱用コイル100を高精
度に組付けたり、加工したりする必要がないため、組付
け作業および加工作業を容易化することができる。
【0072】なお、図8または図10の生タイヤ予熱装
置においては、図示しない回転駆動装置や回転軸95等
により生タイヤ4と予熱用コイル(上ビード部予熱用コ
イル94等)との何れか一方を回転させる移動機構を構
成しているが、これに限定されるものではない。すなわ
ち、移動機構は、載置台90(タイヤ支持手段)上の生
タイヤ4に沿って生タイヤ4の周方向に予熱用コイルを
相対移動させるように、載置台90の回転移動および予
熱用コイルの旋回移動のうちの少なくとも一方を行う移
動手段を備えた構成になっていれば良い。
【0073】また、図11のように、部分予熱用コイル
111を生タイヤ4の内側に配設することができる。図
10と異なる点は、生タイヤ4のトレッド部予熱用コイ
ル111が生タイヤの内側であって、トレッド4aの一
部に沿うように生タイヤ4の内側に配置されている点で
ある。その他の点は、図11と同様であるため、同じ符
号を付して詳細説明を省略している。部分予熱用コイル
111は、載置台90に生タイヤ4が載置されて保管位
置(図示実線)に上昇されたときに、外側に向けて移動
し、生タイヤ4のトレッド部4aの一部に沿うように生
タイヤ4の内側に配置される。
【0074】図10のように、生タイヤ4の外側に部分
予熱用コイル101を配置した場合には、タイヤの種類
によって、コイル101と金属製のベルト部材56との
距離が遠くなることがあった。しかし、生タイヤ4の内
面側にあるインナ−ライナ部は、生タイヤ4の外側にあ
る厚肉のトレッド層とは異なり、十分に薄い構造である
うえに、厚みの変動が少ない。したがって、図11のよ
うに、部分予熱用コイル111を生タイヤのトレッド部
4aの一部に沿うように生タイヤ4の内側に配置するこ
とにより、コイル111と金属製のベルト部材56の距
離が近くなり、ベルト部材(金属製部材)56に対して
十分な交番磁界を印加することが可能となる。
【0075】また、部分予熱用コイル111で形成され
る高周波磁界を金属製のベルト部材56に導くために、
生タイヤのトレッド部4aの一部に沿うように、磁性材
料112,112を配置することができる。部分予熱用
コイル111周囲に発生した交番磁界は、磁性材料11
2,112を経て生タイヤ4内部の金属製のベルト部材
56を通過するため、金属製のベルト部材56を通過す
る磁束密度が大きくなり、トレッド部4aのベルト部材
56の周方向の一部分を効率良く誘導加熱する。この
際、生タイヤ4が回転されているため、部分予熱用コイ
ル111および磁性材料112は、生タイヤ4のトレッ
ド部4aに沿って相対移動した状態になっている。した
がって、部分予熱用コイル111がトレッド部4aの一
部分を加熱した場合であっても、生タイヤ4の回転によ
りトレッド部4aの全体にわたって高周波磁界を均等に
印加して誘導加熱した場合と同等の状態になる。
【0076】また、図12のように、部分予熱用コイル
などと生タイヤの相対位置関係を変更することができ
る。図10のものと異なる点は、部分予熱用コイル12
1、下ビード部予熱用コイル122および上ビード部予
熱用コイル123が、それぞれ相対距離調節手段である
油圧サ−ボアクチュエ−タ125,126,127に接
続されている点である。その他の点は図10と同様であ
り、同じ符号を付してその詳細説明を省略する。この油
圧サ−ボアクチュエ−タ125,126,127を作動
させることにより、部分予熱用コイル121を生タイヤ
4の径方向に移動させることができ、下ビード部予熱用
コイル122および上ビード部予熱用コイル123をそ
れぞれ上下方向に移動させることができるようになって
いる。
【0077】ここで、誘導用加熱コイル周辺に発生する
交番磁界の磁束密度は、誘導用加熱コイルからの距離に
応じて異っている。したがって、各予熱用コイルを移動
させて、生タイヤとの距離を調節することで、各金属部
材を通過する磁束密度を各金属製部材の材料構成および
形状に応じて適切に調節することができるため、効率よ
く生タイヤを加熱することができる。
【0078】また、図12では相対距離調節手段とし
て、油圧サ−ボアクチュエ−タ125,126,127
を使用しているが、モ−タとラック&ピニオンとを組み
合わせた機構とするなど適宜設計変更してもよい。さら
に、ここではコイル121,122,123を生タイヤ
4に対して移動させているが、反対に生タイヤ4に相対
距離調節手段を設けて、コイル121,122,123
に対して生タイヤ4を移動させてもよい。
【0079】また、図13のように、部分予熱用コイル
などにおける周波数を変更することができる。図10の
ものと異なる点は、部分予熱用コイル101に対する周
波数変更手段を備えた高周波電源回路が示されている点
である。その他の点は図10と同様であるため、同じ符
号を付して詳細説明を省略する。高周波電源回路131
は、交流電源132と、整流回路133と、インバータ
134と、ドライバ135と、電圧検出器136と、共
振用コンデンサ137を備えて構成される。
【0080】交流電源132は整流回路133で直流に
変換され、インバータ134のスイッチング素子の開閉
により所定周波数の交流電源に変換される。インバータ
134のスイッチング素子の開閉はドライバ135によ
って制御される。すなわち、ドライバ135によって、
周波数を広いレンジにわたって変更可能である。周波数
変更手段であるドライバ135によって、交流電源周波
数を好ましくは50Hz〜100KHz、更に好ましく
は10〜30KHzで変更可能とすることが好ましい。
生タイヤ4のサイズや種類によって、金属製のベルト部
材56の構成が異なるため、その線径、電流浸透深さに
応じて、適切な周波数に変更して設定することにより、
発熱効率を向上させ、ベルト部材56の発熱のバラツキ
を抑えることができる。
【0081】ベルト部材56は絶縁物の内部にあり、細
い金属ワイヤ又は金属板で形成されているため、部分予
熱用コイル101から発する磁場が直行する断面積が小
さく、誘導渦電流が流れにくい。すなわち、高周波電源
回路131の力率が低くなる。そこで、部分予熱用コイ
ル101に並列または直列に共振電流を生じさせるコン
デンサ137を接続することが望ましい。例えば、イン
バータ134のスイッチング周波数をf0とすると、コ
ンデンサ137の共振周波数がf1=f0×n(2以上
の整数)となるように、コンデンサ137の静電容量を
決める。すると、コイル101に流れる電流i1は、イ
ンバータ134における電流i0に対して2倍以上とな
り、インバータ134及びコンデンサ137までの配線
の電流量が少なくなって発熱か抑えられ、高周波電源回
路131の全体の力率が改善される。
【0082】インバータ134の周波数f0からコンデ
ンサ137の共振周波数f1を一義的に決める方法を説
明したが、図示のように、コンデンサ137の電圧を検
出する電圧検出部136を設け、インバータ134の任
意の周波数に対応する方法とすることができる。コンデ
ンサ137の両端の電圧を電圧検出部136でリアルタ
イムに測定し、インバータ134のスイッチング素子の
オンオフタイミングを前記電圧値のフィードバック値で
行う。具体的には、コンデンサ137とコイル101の
共振が一周期完了した付近でインバータのスイッチング
をオンにする制御を行う。
【0083】いま、トレッド予熱用コイル101に対し
て周波数変更手段を備えた高周波電源回路を示したが、
ビード部予熱用コイルに対して周波数変更手段を備えた
高周波電源回路が形成されるものであっても同様の効果
がある。
【0084】また、図14により、好ましい誘導加熱の
形態を説明する。図14(a)・(b)の構成を詳細に
説明すると、生タイヤ予熱装置は、生タイヤ4を載置す
る載置台140と、載置台140上の生タイヤ4のトレ
ッド部4aに沿うように配置され、高周波磁界を生成す
るトレッド部予熱用コイル144と生タイヤ4のビード
部4cおよび4c’に沿うように配置され、高周波磁界
を生成するビード部予熱用コイル146、147を有し
ている。載置台140の下面中心部には、回転軸141
を介して図示しない回転駆動装置が連結されており、回
転駆動装置は、生タイヤ4の保管時に載置台140とと
もに生タイヤ4を水平方向に回転させる。また、載置台
140の上方には、支持部材142が配置され、支持部
材142の上面中心部には、支持軸143を介して図示
しない昇降装置が連結されている。
【0085】トレッド部予熱用コイル144は、生タイ
ヤ4のトレッド部4aの一部に沿うように、生タイヤ4
の外側に配置されている。トレッド部予熱用コイル14
4は、コイルをらせん状に巻いたもので、その中心部に
はコア(磁性材料)が配置されている。また、トレッド
部予熱用コイル144は、トレッド部4aの形状に沿う
ような形状になっている。ここで、トレッド部予熱用コ
イル144周囲に形成される高周波磁界の磁場の方向が
トレッド部4aの金属製のベルト部材56の周方向の一
部分に沿う方向に一致するように配置されている。
【0086】また、下ビード部予熱用コイル146は、
下ビード部4cのビードワイヤ52(金属製部材)に強
度の高周波磁界を印加するため、下ビード部4cの僅か
に下方位置で下ビード部4cに沿うように配置されてい
る。下ビード部予熱用コイル146は、コイルを面状に
渦巻き状に巻いたもので、この渦巻き状コイルは、中央
貫通部の周りを囲むようにコイルの束なった電線巻部で
構成されている。ここでは、その電線巻部が60mm以
上で、かつ中央貫通部の幅が電線巻部と同程度であるも
のを使用している。
【0087】一方、上ビード部予熱用コイル147は、
上ビード部4c’のビードワイヤ52(金属製部材)に
強度の高周波磁界を印加するため、上ビード部4c’の
僅かに上方位置で上ビード部4c’に沿うように配置さ
れている。上ビード部予熱用コイル147は、下ビード
部予熱用コイル146と同形状のものを使用している。
【0088】また、生タイヤ4のトレッド部の外面およ
び内面にそれぞれ1個ずつ温度センサ148が配置され
ている。この温度センサ148により、生タイヤ4の外
面および内面の温度を検知することで、トレッド部4a
の金属製のベルト部材56の温度を推定して所望の温度
に維持するような制御を実施することが可能である。こ
こで、生タイヤ4の表面温度を検知するために配置する
温度センサの数量および配置する位置は適宜変更しても
よい。さらに、温度センサとしては、接触式のものまた
は非接触式のもののいずれを使用してもよい。また、温
度センサは制御用に用いられるだけでなく、エラー検出
としても使用できる。例えば、予熱開始後の2〜3分後
の昇温(ΔT℃)を判定し、予熱状態が良好であるか否
かを判定する。
【0089】また、生タイヤ4の外面に接するようにガ
イドロ−ラ149が設置されている。生タイヤ4は、保
管時に載置台140および回転支持部材142とともに
水平方向に回転する際、生タイヤ4の外表面がガイドロ
−ラ149に案内されながら回転する。また、ガイドロ
ーラ149は生タイヤの内表面に接するように配置する
こともできる。
【0090】また、トレッド部予熱用コイル144は、
生タイヤ4と生タイヤ4と反対側に設置された生タイヤ
4’に挟まれるように配置され、生タイヤ4および生タ
イヤ4’のそれぞれのトレッド部4aおよび4a’の一
部に沿うように配置されている。
【0091】上記の構成において、生タイヤ4を保管す
る場合には、図示しない搬送装置により水平方向に移動
して載置台90の上方に位置決めした後、垂直方向に支
持部材142を下降させ載置台140上方に載置する。
この後、図示しない回転駆動装置により回転軸141を
介して載置台140および生タイヤ4を水平方向に回転
させるとともに、図示しない高周波電源から高周波電力
を各予熱用コイル144・146・147に供給する。
【0092】高周波電力が供給されたトレッド部予熱用
コイル144は、トレッド部4aに高周波磁界を高い磁
束密度で印加することによりトレッド部4aのベルト部
材56を効率良く誘導加熱する。特に、トレッド部4a
の金属製のベルト部材56に対して、その周方向に高周
波磁界が形成されている場合には、高周波磁界は金属製
のベルト部材56に沿って形成されるため、金属製のベ
ルト部材56を通過する磁束密度が大きくなり、トレッ
ド部4aのベルト部材56の周方向の一部分を効率良く
誘導加熱することができる。
【0093】一方、各ビード部予熱用コイル146・1
47は、各ビード部4c・4c’に対して高周波磁界を
高い磁束密度でそれぞれ印加することにより各ビード部
4c・4c’のビードワイヤ52を効率良く誘導加熱す
る。特に、渦巻き状のビード部予熱用コイル146・1
47を使用した場合には、下ビード部4cおよび上ビー
ド部4c’のビードワイヤ52(金属製部材)の周方向
に沿った高周波磁界が形成される。したがって、生タイ
ヤの外表面とコイルが離れている場合においても、加硫
成形時に特に昇温の遅れる大きな肉厚のビード部4c・
4c’のビードワイヤ52に対して十分な交番磁界を印
加することが可能となる。
【0094】また、生タイヤ4は水平方向に回転されて
いるため、生タイヤ4に沿ってトレッド部予熱用コイル
144、下ビード部予熱用コイル146および上ビード
部予熱用コイル147が相対移動した状態となる。した
がって、予熱用コイル144・146・147が低い組
付け精度や加工精度等により生タイヤ4におけるトレッ
ド部4a、下ビード部4cおよび上ビード部4c’に不
均一に高周波磁界を印加することになっていても、生タ
イヤ4の全体にわたって高周波磁界を均等に印加して誘
導加熱することができる。これにより、予熱用コイル1
44・146・147を高精度に組付けたり、加工した
りする必要がないため、組付け作業および加工作業を容
易化することができる。
【0095】さらに、生タイヤ4の外表面を案内できる
ガイドローラが設置されていることにより、トレッド部
4aの金属製のベルト部材56とトレッド部予熱用コイ
ル144との相対距離が一定に保たれ、ベルト部材56
を通過する磁場の磁束密度を一定に維持できるため、加
熱部の温度ムラを低減することができる。
【0096】また、トレッド部予熱用コイル144が、
生タイヤ4および生タイヤ4a’に挟まれるように配置
され、それぞれ回転されることで、生タイヤ4および生
タイヤ4a’のトレッド部4aおよび4a’の金属製の
ベルト部材56を同時に誘導加熱することができる。ま
た、1個の高周波電源に複数のコイルを接続して、複数
の生タイヤ予熱装置をまとめて制御することもできる。
以上のような構成にすると、個々の生タイヤ予熱装置に
対して、個別に高周波電源およびコイルを設置する必要
がないので、生タイヤ予熱装置のコストを削減すること
が可能となる。
【0097】
【発明の効果】請求項1の発明は、生タイヤ予熱方法で
あって、タイヤ内部に金属製部材が埋め込まれた生タイ
ヤの加硫成形前に、前記金属製部材を誘導加熱する構成
である。上記の構成によれば、加硫成形前に金属製部材
を誘導加熱することによって、加硫成形時に最も昇温の
遅れるタイヤ内部側を優先的に加熱しながら予熱するこ
とができるため、加硫成形を短時間で完了することがで
きるという効果を奏する。
【0098】請求項2の発明は、請求項1記載の生タイ
ヤ予熱方法であって、トレッド部、ビード部およびサイ
ドウオール部のタイヤ内部に埋め込まれた金属製部材の
うちの少なくとも一方を誘導加熱する構成である。上記
の構成によれば、特に大きな肉厚を有したトレッド部お
よび/またはビード部のタイヤ内部を予熱することがで
きるため、加硫成形をより確実に短時間で完了すること
ができるという効果を奏する。
【0099】請求項3の発明は、請求項2記載の生タイ
ヤ予熱方法であって、前記トレッド部の内部に埋め込ま
れた前記金属製部材を前記生タイヤの内側から誘導加熱
する構成である。上記の構成によれば、生タイヤの内側
はタイヤの種類による厚み変動が少なく十分に薄いた
め、誘導加熱するためのコイル手段と金属製部材の距離
が近くなり、十分な交番磁界を前記金属製部材に印加す
ることが可能となり、金属製部材を効率良く誘導加熱す
ることが可能という効果を奏する。
【0100】請求項4の発明は、請求項1または2記載
の生タイヤ予熱方法であって、誘導加熱が高周波磁界を
生成するコイルによって行われ、高周波磁界の周波数
が、生タイヤ内部の金属製部材の構成に応じて変更され
る構成である。上記の構成によれば、タイヤ内部に埋め
込まれた金属製部材の構成は、タイヤの種類またはサイ
ズによって異なり、その線径または電流浸透深さに応じ
て適切な周波数を変更することができるため、金属製部
材を効率良く誘導加熱することが可能である。これによ
り、加硫成形時に特に昇温の遅れる大きな肉厚のトレッ
ド部および/またはビード部のタイヤ内部の予熱を十分
に行うことができるという効果を奏する。
【0101】請求項5の発明は、請求項1または2記載
の生タイヤ予熱方法であって、誘導加熱が高周波磁界を
生成するコイルによって行われ、コイルと生タイヤの相
対距離が、生タイヤ内部の金属製部材の構成に応じて調
節される構成である。上記の構成によれば、金属製部材
の材料構成または形状に応じて、金属製部材を通過する
磁束密度を調節することができるため、金属製部材を効
率良く誘導加熱することが可能である。これにより、加
硫成形時に特に昇温の遅れる大きな肉厚のトレッド部お
よび/またはビード部のタイヤ内部の予熱を十分に行う
ことができるという効果を奏する。
【0102】請求項6の発明は、請求項1または2記載
の生タイヤ予熱方法であって、加硫成形するまでの間
に、誘導加熱中および加熱の終了した生タイヤを保温す
る構成である。上記の構成によれば、生タイヤ内部の金
属製部材を誘導加熱することにより予熱された生タイヤ
からの放熱による温度の低下を防止するとともに、生タ
イヤの均熱性を向上させるという効果を奏する。
【0103】請求項7の発明は、生タイヤ予熱装置であ
って、タイヤ内部に金属製部材が埋め込まれた生タイヤ
に対して予熱を行う生タイヤ予熱装置であって、生タイ
ヤを所定姿勢で着脱可能に支持するタイヤ支持手段と、
タイヤ支持手段に支持された生タイヤに対して高周波磁
界を印加することによって、生タイヤの金属製部材を高
周波磁界により誘導加熱するコイル手段とを有する構成
である。上記の構成によれば、生タイヤをタイヤ支持手
段に装着して加硫成形前に一時保管しながら、コイル手
段の高周波磁界により金属製部材を誘導加熱させること
ができる。したがって、加硫成形時に最も昇温の遅れる
タイヤ内部側を優先的に加熱しながら予熱することがで
きるため、加硫成形を短時間で完了することができると
いう効果を奏する。
【0104】請求項8の発明は、請求項7記載の生タイ
ヤ予熱装置であって、生タイヤは、金属製部材が少なく
ともトレッド部およびビード部のタイヤ内部にそれぞれ
埋め込まれており、コイル手段は、生タイヤのトレッド
部に沿うように配置され、高周波磁界を生成するトレッ
ド部予熱用コイル手段と、生タイヤのビード部に沿うよ
うに配置され、高周波磁界を生成するビード部予熱用コ
イル手段とを有する構成である。上記の構成によれば、
生タイヤのトレッド部に沿うように配置されたトレッド
部予熱用コイル手段がトレッド部に対して高周波磁界を
高い磁束密度で印加することによって、トレッド部の金
属製部材を効率良く誘導加熱する。一方、生タイヤのビ
ード部に沿うように配置されたビード部予熱用コイル手
段がビード部に対して高周波磁界を高い磁束密度で印加
することによって、ビード部の金属製部材を効率良く誘
導加熱する。これにより、加硫成形時に特に昇温の遅れ
る大きな肉厚のトレッド部およびビード部のタイヤ内部
の予熱を十分に行うことができるという効果を奏する。
【0105】請求項9の発明は、請求項7記載の生タイ
ヤ予熱装置であって、生タイヤは、金属製部材が少なく
ともトレッド部およびビード部のタイヤ内部にそれぞれ
埋め込まれており、コイル手段は、生タイヤのタイヤ穴
に挿通可能であると共に、生タイヤの両ビード部に両端
部が位置するように形成および配置された柱状予熱用コ
イルを備える構成である。上記の構成によれば、タイヤ
穴に挿通された柱状予熱用コイルから生成された高周波
磁界がトレッド部の金属製部材およびビード部の金属製
部材を誘導加熱することによって、加硫成形時に特に昇
温の遅れる大きな肉厚のトレッド部およびビード部のタ
イヤ内部の予熱を十分に行うことができる。さらに、一
つの柱状予熱用コイルのみでトレッド部およびビード部
の金属製部材を誘導加熱することができるため、部品コ
ストおよび組立コストを低減することができるという効
果を奏する。
【0106】請求項10の発明は、請求項7〜9のいず
れかに記載の生タイヤ予熱装置であって、前記コイル手
段による高周波磁界を前記金属製部材に導くための磁性
材料を配置した構成である。上記の構成によれば、コイ
ル手段により生成される高周波磁界が金属製部材を通過
して、磁性材料へ収束するように形成されるため、金属
製部材を通過する磁束密度が大きくなり、加硫成形時に
特に昇温の遅れる大きな肉厚のトレッド部およびビード
部のタイヤ内部の予熱を十分に行うことができるという
効果を奏する。
【0107】請求項11の発明は、請求項7記載の生タ
イヤ予熱装置であって、タイヤ支持手段に支持された生
タイヤに沿って生タイヤの周方向にコイル手段を相対移
動させるように、タイヤ支持手段の回転移動およびコイ
ル手段の旋回移動のうちの少なくとも一方を行う移動手
段を有する構成である。上記の構成によれば、生タイヤ
に沿いながらコイル手段が相対移動するため、低い組付
け精度や加工精度等によりコイル手段が生タイヤの一部
に強い高周波磁界を印加することになっていても、生タ
イヤの全体にわたって強い高周波磁界を均等に印加して
誘導加熱することができる。したがって、コイル手段を
小型化することができるとともに、コイル手段の組付け
作業を容易化することができるという効果を奏する。
【0108】請求項12の発明は、請求項7〜9,11
記載の生タイヤ予熱装置であって、コイル手段に対する
高周波磁界を生成するための高周波電源がその周波数を
可変とする周波数変更手段を備えている構成である。上
記の構成によれば、タイヤ内部に埋め込まれた金属製部
材の構成は、タイヤの種類またはサイズによって異な
り、その線径または電流浸透深さに応じて適切な周波数
を変更することができるため、金属製部材を効率良く誘
導加熱することが可能である。これにより、加硫成形時
に特に昇温の遅れる大きな肉厚のトレッド部およびビー
ド部のタイヤ内部の予熱を十分に行うことができるとい
う効果を奏する。
【0109】請求項13の発明は、請求項12に記載の
生タイヤ予熱装置であって、前記コイル手段に、共振電
流を生じさせるコンデンサを接続した構成である。上記
の構成によれば、コンデンサにより共振回路が形成され
るため、装置全体の発熱効率が良くなるとともに、力率
を改善することができ、金属製部材を効率良く誘導加熱
することが可能である。これにより、加硫成形時に特に
昇温の遅れる大きな肉厚のトレッド部およびビード部の
タイヤ内部の予熱を十分に行うことができるという効果
を奏する。
【0110】請求項14の発明は、請求項7〜9,11
記載の生タイヤ予熱装置であって、タイヤ内部に埋め込
まれた金属製部材に対して、コイル手段を近接離反自在
に調節可能とするように相対距離調節手段を有する構成
である。上記の構成によれば、金属製部材の材料構成ま
たは形状に応じて、金属製部材を通過する磁束密度を調
節することが可能であるあるため、金属製部材を効率良
く誘導加熱することが可能である。これにより、加硫成
形時に特に昇温の遅れる大きな肉厚のトレッド部および
ビード部のタイヤ内部の予熱を十分に行うことができる
という効果を奏する。
【0111】請求項15の発明は、請求項11記載の生
タイヤ予熱装置であって、移動はタイヤ支持手段に支持
された生タイヤのタイヤ中心軸が回転中心となるよう
に、タイヤ支持手段を回転移動させる回転移動機構を有
し、コイル手段は、生タイヤのトレッド部および/また
はビード部の一部に沿うように配置され、高周波磁界を
生成する部分予熱用コイルを有する構成である。上記の
構成によれば、部分予熱用コイルを小さなサイズで形成
することができるため、予熱装置を小型化することがで
きるという効果を奏する。
【0112】請求項16の発明は、請求項15記載の生
タイヤ予熱装置であって、前記トレッド部に対する部分
予熱用コイル手段を、前記生タイヤの内側に配置した構
成である。上記の構成によれば、生タイヤの内側はタイ
ヤの種類による厚み変動が少なく十分に薄いため、トレ
ッド部予熱用コイル手段と金属製部材の距離が近くな
る。十分な交番磁界を金属製部材に印加することが可能
となり、金属製部材を効率良く誘導加熱することが可能
になるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態に係る保管工程における
加硫機の側面の模式的な断面図である。
【図2】本発明の一実施の形態に係るタイヤを製造工程
を示す概略図である。
【図3】本発明の一実施の形態に係る加硫工程における
加硫機(生タイヤ搬入時)の側面の模式的な断面図であ
る。
【図4】本発明の一実施の形態に係る加硫工程における
加硫機(生タイヤ型締時)の側面の模式的な断面図であ
る。
【図5】本発明の一実施の形態に係る加硫工程における
加硫機(生タイヤ型締完了時)の側面の模式的な断面図
である。
【図6】加硫中のタイヤ金型および生タイヤの模式的な
断面図である。
【図7】生タイヤの要部を示す分解斜視図である。
【図8】保管工程で生タイヤを予熱しながら保管する状
態を示す説明図であり、(a)は平面視した状態、
(b)は(a)のX−X線矢視断面の状態である。
【図9】保管工程で生タイヤを予熱しながら保管する状
態を示す説明図であり、(a)は平面視した状態、
(b)は(a)のX−X線矢視断面の状態である。
【図10】保管工程で生タイヤを予熱しながら保管する
状態を示す説明図であり、(a)は平面視した状態、
(b)は(a)のX−X線矢視断面の状態である。
【図11】保管工程で生タイヤを予熱しながら保管する
状態を示す説明図であり、(a)は平面視した状態、
(b)は(a)のX−X線矢視断面の状態である。
【図12】保管工程で生タイヤを予熱しながら保管する
状態を示す説明図であり、(a)は平面視した状態、
(b)は(a)のX−X線矢視断面の状態である。
【図13】保管工程で生タイヤを予熱しながら保管する
状態を示す説明図であり、(a)は平面視した状態、
(b)は(a)のX−X線矢視断面の状態である。
【図14】保管工程で生タイヤを予熱しながら保管する
状態を示す説明図であり、(a)は平面視した状態、
(b)は(a)のX−X線矢視断面の状態である。
【符号の説明】
1 加硫機 2 モールド固定部 3 モールド昇降部 4 生タイヤ 5 下サイドモールド 6 下プラテン 10 中心機構 12 下部リング 18 第1誘導加熱コイル 19 上部リング 20 ブラダ 22 センターポスト 23 第2誘導加熱コイル 24 高周波電源 25 上サイドモールド 26 割りモールド 27 第1モールド昇降機構 28 上加熱機構 29 第2モールド昇降機構 39 第4誘導加熱コイル 41 第3誘導加熱コイル 61 タイヤ成形機 62 第1駆動装置 63 第2駆動装置 64 第1チャック機構 65 第2チャック機構 71 保持機構 80 保管倉庫 81 保管部 83 予熱用誘導加熱コイル 90 載置台 91 トレッド部予熱用コイル 92 下ビード部予熱用コイル 94 上ビード部予熱用コイル 95 回転軸 98 回転支持軸 99 柱状予熱用コイル 100 上ビード部予熱用コイル 101 部分予熱用コイル 102 高周波電源
フロントページの続き (72)発明者 岡田 和人 兵庫県神戸市西区高塚台1丁目5番5号 株式会社神戸製鋼所神戸総合技術研究所内 (72)発明者 福元 裕彦 兵庫県神戸市西区高塚台1丁目5番5号 株式会社神戸製鋼所神戸総合技術研究所内 Fターム(参考) 4F202 AH20 CA21 CB01 CY10 CY18 4F203 AH20 DA11 DB01 DC04 DC15 DL12

Claims (16)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 タイヤ内部に金属製部材が埋め込まれた
    生タイヤの加硫成形前に、前記金属製部材を誘導加熱す
    ることを特徴とする生タイヤ予熱方法。
  2. 【請求項2】 トレッド部、ビード部およびサイドウオ
    ール部のタイヤ内部に埋め込まれた金属製部材のうちの
    少なくとも一方を誘導加熱することを特徴とする請求項
    1記載の生タイヤ予熱方法。
  3. 【請求項3】 前記トレッド部の内部に埋め込まれた前
    記金属製部材を前記生タイヤの内側から誘導加熱するこ
    とを特徴とする請求項2記載の生タイヤ予熱方法。
  4. 【請求項4】 前記誘導加熱が高周波磁界を生成するコ
    イル手段によって行われ、前記高周波磁界の周波数が、
    前記生タイヤ内部の金属製部材の構成に応じて変更され
    ることを特徴とする請求項1または2記載の生タイヤ予
    熱方法。
  5. 【請求項5】 前記誘導加熱が高周波磁界を生成するコ
    イル手段によって行われ、前記コイル手段と前記生タイ
    ヤの相対距離が、前記生タイヤ内部の金属製部材の構成
    に応じて調節されることを特徴とする請求項1または2
    記載の生タイヤ予熱方法。
  6. 【請求項6】 加硫成形するまでの間に、前記誘導加熱
    された生タイヤを保温することを特徴とする請求項1ま
    たは2記載の生タイヤ予熱方法。
  7. 【請求項7】 タイヤ内部に金属製部材が埋め込まれた
    生タイヤに対して予熱を行う生タイヤ予熱装置であっ
    て、 前記生タイヤを所定姿勢で着脱可能に支持するタイヤ支
    持手段と、 前記タイヤ支持手段に支持された生タイヤに対して高周
    波磁界を印加することによって、前記生タイヤの金属製
    部材を前記高周波磁界により誘導加熱するコイル手段と
    を有することを特徴とする生タイヤ予熱装置。
  8. 【請求項8】 前記生タイヤは、前記金属製部材が少な
    くともトレッド部およびビード部のタイヤ内部にそれぞ
    れ埋め込まれており、 前記コイル手段は、前記生タイヤのトレッド部に沿うよ
    うに配置され、前記高周波磁界を生成するトレッド部予
    熱用コイル手段と、前記生タイヤのビード部に沿うよう
    に配置され、前記高周波磁界を生成するビード部予熱用
    コイル手段とを有することを特徴とする請求項7記載の
    生タイヤ予熱装置。
  9. 【請求項9】 前記生タイヤは、前記金属製部材が少な
    くともトレッド部よびビード部のタイヤ内部にそれぞれ
    埋め込まれており、 前記コイル手段は、前記生タイヤのタイヤ穴に挿通可能
    であるとともに、前記生タイヤの両ビード部に両端部が
    位置するように形成および配置された柱状予熱用コイル
    手段を備えることを特徴とする請求項7記載の生タイヤ
    予熱装置。
  10. 【請求項10】 前記コイル手段による高周波磁界を前
    記金属製部材に導くための磁性材料を配置したことを特
    徴とする請求項7〜9のいずれかに記載の生タイヤ予熱
    装置。
  11. 【請求項11】 前記タイヤ支持手段に支持された生タ
    イヤに沿って前記生タイヤの周方向に前記コイル手段を
    相対移動させるように、前記タイヤ支持手段の回転移動
    および前記コイル手段の旋回移動のうちの少なくとも一
    方を行う移動手段を有することを特徴とする請求項7記
    載の生タイヤ予熱装置。
  12. 【請求項12】 前記コイル手段に対する高周波磁界を
    生成するための高周波電源がその周波数を可変とする周
    波数変更手段を備えていることを特徴とする請求項7〜
    9,11のいずれかに記載の生タイヤ予熱装置。
  13. 【請求項13】 前記コイル手段に、共振電流を生じさ
    せるコンデンサを接続したことを特徴とする請求項12
    記載の生タイヤ予熱装置。
  14. 【請求項14】 タイヤ内部に埋め込まれた前記金属製
    部材に対して、前記コイル手段を近接離反自在に調節可
    能とするように相対距離調節手段を有することを特徴と
    する請求項7〜9,11のいずれかに記載の生タイヤ予
    熱装置。
  15. 【請求項15】 前記移動手段は、前記タイヤ支持手段
    に支持された生タイのタイヤ中心軸が回転中心となるよ
    うに、前記タイヤ支持手段を回転移動させる回転移動機
    構を有し、 前記コイル手段は、前記生タイヤのトレッド部および/
    またはビード部の一部に沿うように配置され、前記高周
    波磁界を生成する部分予熱用コイル手段を有することを
    特徴とする請求項11記載の生タイヤ予熱装置。
  16. 【請求項16】 前記トレッド部に対する部分予熱用コ
    イル手段を、前記生タの内側に配置したことを特徴とす
    る請求項15記載の生タイヤ予熱装置。
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