JP2000317942A - ブラダ - Google Patents

ブラダ

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JP2000317942A
JP2000317942A JP11130776A JP13077699A JP2000317942A JP 2000317942 A JP2000317942 A JP 2000317942A JP 11130776 A JP11130776 A JP 11130776A JP 13077699 A JP13077699 A JP 13077699A JP 2000317942 A JP2000317942 A JP 2000317942A
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bladder
tire
mold
low
vulcanized
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JP11130776A
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Inventor
Hisashi Mitamura
久 三田村
Yasuhiko Fujieda
靖彦 藤枝
Kazuhisa Fujisawa
和久 藤沢
Akira Sakurai
明 桜井
Hirohiko Fukumoto
裕彦 福元
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Kobe Steel Ltd
Original Assignee
Kobe Steel Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 加硫成形の繰り返し回数が多くなった段階で
も、タイヤ内壁面における形状のバラツキを殆ど生じな
いようにすると共に交換頻度を低減するブラダを得る。 【解決手段】 生タイヤ4の加硫成形時に、加圧媒体が
供給されることによりタイヤ内壁面をモールド方向に押
圧するものである。高温環境下で変質し難い低延伸性材
料を構成部材として有し、生タイヤ4を加硫成形して加
硫済タイヤとしたときのタイヤ内壁面形状と略同形状に
形成されている。低延伸性材料は、編物あるいは織物で
形成され、ナイロン、ポリエステル、アラミド、パラフ
ェニレンベンゾビスオキサゾール(POB)等の繊維、
金属コード材、カーボン入り繊維、金属被覆繊維、およ
び樹脂被覆繊維のうちの一種以上からなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、生タイヤの加硫成
形時に熱媒体によりタイヤ内壁面をモールド方向に押圧
するブラダに関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般に、生タイヤを加硫成形する場合に
は、生タイヤ内面にブラダが沿うように生タイヤを保持
した後、モールドを型締めし、ブラダ内に高温、高圧の
熱媒体を供給することによって、ブラダを伸展させてタ
イヤ内壁面に密接させる。そして、ブラダを介してタイ
ヤ内壁面を加熱しながらモールド方向に押圧することに
よって、生タイヤのトレッド部にモールドのタイヤ溝を
形成すると共に、加熱されたモールドと高温の熱媒体に
接するブラダとで生タイヤを外側および内側から加熱す
ることにより加硫する。
【0003】この際、上記のブラダは、加硫成形時にお
いてはタイヤ内壁面を押圧するように十分に伸展する必
要があるが、生タイヤのセット時や加硫成形後の加硫済
タイヤの搬出時においてはタイヤビード径よりも小さな
径となるように縮小する必要がある。従って、従来のブ
ラダは、柔軟性に優れたブチルゴム等のゴムを加硫成形
時のタイヤ内壁面に対応する形状に一定厚みで形成する
ことによって、均等な押圧力(伸び率)でタイヤ内壁面
を押圧可能であると共に縮小可能にされている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来のゴム製のブラダでは、ゴムが高温の環境下で硬化し
易いという性質を有しているため、生タイヤの加硫成形
を繰り返すに従って熱硬化による押圧力(伸び率)の低
下が進み、タイヤ内壁面における形状のバラツキが繰り
返し回数の少ない段階で顕著になるという問題がある。
そして、この形状のバラツキは、加硫済タイヤの品質の
低下を招来し、従来は、許容範囲内に品質を維持するた
め、大量生産されるタイヤの製造にとっては極めて少な
い300〜400回程度の繰り返し回数ごとにブラダの
交換を要し、結果として生産性を低下させる大きな要因
になっているという問題がある。
【0005】そこで、本発明は、加硫成形の繰り返し回
数が多くなった段階でも、タイヤ内壁面における形状の
バラツキを殆ど生じないようにすることができると共
に、交換頻度を低減することができるブラダを提供する
ものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、請求項1の発明は、生タイヤの加硫成形時に、加圧
媒体が供給されることによりタイヤ内壁面をモールド方
向に押圧するブラダにおいて、高温環境下で変質し難い
低延伸性材料を構成部材として有し、前記生タイヤを加
硫成形して加硫済タイヤとしたときのタイヤ内壁面形状
と略同形状に形成されていることを特徴としている。
【0007】上記の構成によれば、ブラダが加硫済タイ
ヤのタイヤ内壁面形状に形成された低延伸性材料からな
っているため、ブラダを圧力ガスで伸展させるだけで、
加硫済タイヤのタイヤ内壁面の形状をブラダにより出現
させることができる。従って、このブラダにより生タイ
ヤを押圧して加硫成形させることによって、生タイヤを
高精度に加硫成形することができる。そして、低延伸性
材料が高温環境下で変質し難いため、加硫形成が繰り返
された場合でも、低延伸性材料が初期の性質を維持する
ことから、加硫成形の繰り返し回数が多くなった段階で
も、タイヤ内壁面における形状のバラツキを殆ど生じさ
せることなく生タイヤを加硫成形することができると共
に、ブラダの交換頻度を低減することができる。
【0008】請求項2の発明は、請求項1記載のブラダ
であって、前記低延伸性材料は、200℃の高温環境下
で伸び率が5%〜15%の範囲にあることを特徴として
いる。上記の構成によれば、生タイヤに対する高精度の
加硫成形を繰り返して確実に実現することができる。
【0009】請求項3の発明は、請求項1または2記載
のブラダであって、前記低延伸性材料は、編物あるいは
織物で形成され、ナイロン、ポリエステル、アラミド、
パラフェニレンベンゾビスオキサゾール(POB)等の
繊維、金属コード材、カーボン入り繊維、金属被覆繊
維、および樹脂被覆繊維のうちの一種以上からなること
を特徴としている。上記の構成によれば、各種の低延伸
性材料を組み合わせることによって、加硫成形の条件に
最も適したブラダとすることができる。
【0010】請求項4の発明は、請求項1ないし3の何
れか1項に記載のブラダであって、前記低延伸性材料に
フッ素、シリコン等の樹脂およびエストラマーの少なく
とも一種を含浸あるいはコーティングすることを特徴と
している。上記の構成によれば、ブラダの気密性をブチ
ルゴムのブラダと同程度にすることができ、圧力媒体が
ブラダの外部に漏洩することを防止することができる。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態を図1ないし
図5に基づいて以下に説明する。本実施の形態に係るブ
ラダは、図2に示すように、生タイヤ4を加硫成形する
加硫機1に設けられている。加硫機1は、所定の高さ位
置に設定されたモールド固定部2と、モールド固定部2
に対して昇降するモールド昇降部3とを有している。モ
ールド固定部2は、生タイヤ4の下サイドウオール4b
に当接する下サイドモールド5と、下サイドモールド5
を所定温度に加熱する下加熱機構9と、下加熱機構9お
よび下サイドモールド5の中心部に貫設された中心機構
10と、中心機構10および下加熱機構9を支持するベ
ースプレート11とを有している。
【0012】尚、生タイヤ4は、図5に示すように、両
端部が曲折されたカーカス組立体51と、カーカス組立
体51の曲折部に設けられた金属製のビードワイヤ52
と、カーカス組立体51の内周面に貼設されたゴム製の
インナーライナ53と、カーカス組立体51の外周面お
よび側周面にそれぞれ貼設されたゴム製のトレッド部材
54およびサイドウオール部材55と、トレッド部材5
4およびカーカス組立体51間に設けられた金属製のベ
ルト部材56とを有することによって、大きな肉厚のト
レッド部4aおよびビード部4c・4c’のタイヤ内部
に金属製部材(ビードワイヤ52、ベルト部材56)を
有した構成にされている。
【0013】また、図2に示すように、モールド固定部
2の下加熱機構9は、下サイドモールド5を面状に支持
する円盤形状の下プラテン6を有している。下プラテン
6は、高温の蒸気が供給される内部空間を有しており、
この内部空間に供給される蒸気により発熱し、下サイド
モールド5を面状に加熱する。さらに、下加熱機構9
は、下プラテン6を支持するプラテンサポート7と、下
プラテン6の熱をプラテンサポート7に伝達させないよ
うに下プラテン6およびプラテンサポート7間に介装さ
れた断熱板8とを有している。
【0014】また、下加熱機構9の中心部に貫設された
中心機構10は、図3に示すように、下サイドモールド
5に当接された下部リング12を有している。下部リン
グ12は、生タイヤ4の下ビード部4cに当接するよう
に形成された下ビードリング13と、下ビードリング1
3の上面に設けられ、下ビードリング13とでブラダ2
0の下縁部を挟持する下ブラダリング14と、下ブラダ
リング14の内周側に設けられたクランプリングハブ1
5を有している。上記のクランプリングハブ15の内部
には、蒸気や窒素ガス等の加圧媒体を流通させるガス給
排路15a・15aが形成されている。そして、これら
のガス給排路15a・15aは、ガス給排路15a・1
5aの上端面から下端面にかけて連通されており、下端
のガス給排路15a・15aは、ガス配管17a・17
aを介して図示しないガス供給装置に連絡されている。
【0015】また、下ビードリング13の内部には、環
状の第1誘導加熱コイル18が設けられている。第1誘
導加熱コイル18には、高周波電力を供給する図1の高
周波電源24が接続されている。そして、第1誘導加熱
コイル18は、高周波電力の供給により生タイヤ4の下
ビード部4cに強度の高周波磁界を印加することによっ
て、下ビード部4cのビードワイヤ52を優先的に誘導
加熱する。
【0016】上記のように構成された下部リング12の
中心部には、センターポスト22が上下方向に摺動自在
および気密状態に立設されている。センターポスト22
の上端部には、上部リング19が設けられている。上部
リング19は、上ブラダリング21を有しており、上ブ
ラダリング21は、ブラダ20の上縁部を挟持してい
る。一方、センターポスト22の下端部には、センター
ポスト22を任意の高さ位置に昇降可能な図示しないポ
スト昇降機構が連結されている。そして、ポスト昇降機
構は、ブラダ20の搬入および搬出時において、ブラダ
20の上縁部を持ち上げてブラダ20を生タイヤ4のタ
イヤ穴よりも小さな径に設定するようにセンターポスト
22を上限位置に上昇させる一方、生タイヤ4の加硫成
形時において、ブラダ20を生タイヤ4のタイヤ内壁面
に当接可能な径に拡大させるようにセンターポスト22
を下降させる。
【0017】上記のセンターポスト22により拡縮され
るブラダ20は、生タイヤ4の加硫成形時に、加圧媒体
が供給されることによりタイヤ内壁面をモールド方向に
押圧するものであり、高温環境下で変質し難い低延伸性
材料を構成部材として有している。そして、この低延伸
性材料は、生タイヤ4を加硫成形して加硫済タイヤとし
たときのタイヤ内壁面形状と略同形状に形成されてい
る。即ち、ブラダ20は、図1に示すように、ポリエス
テルを高温環境下で変質し難い低延伸性材料として採用
し、このポリエステルを加硫済タイヤのタイヤ内壁面形
状と略同形状に形成したブラダ本体20aと、ブラダ本
体20aの表面に等間隔で設けられた複数の磁性部材2
0bとを有している。磁性部材20bは、例えばメッシ
ュメタルや金属蒸着膜等の磁性を有した金属製の薄膜か
らなっており、生タイヤ4のトレッド部4aに対応する
部位が他の部位よりも大きな面積となるように形成され
ている。
【0018】尚、上記の低延伸性材料とは、加硫温度の
高温環境下で従来のブラダ用ゴム(例えばブチルゴム)
よりも小さな伸び率の物性値を有した材料のことであ
り、特に200℃の高温環境下で伸び率が5%〜15%
の範囲であることが好ましい。伸び率が上記の範囲であ
ることが好ましい理由は、5%未満であると、加硫成型
時に生タイヤ4の全体を均等に押圧する力が低下して成
形性が不十分になるからであり、15%を越えると、従
来のブラダ用ゴム(例えばブチルゴム)と同様に生タイ
ヤ4を高精度に加硫成形することが困難になるからであ
る。
【0019】また、高温環境下で変質し難い低延伸性材
料としては、上述のポリエステルの他、ナイロン、アラ
ミド、パラフェニレンベンゾビスオキサゾール(PO
B)といった繊維を用いた編物や織物、またはメッシュ
メタルや高密度繊維、カーボン入り繊維、金属被覆繊
維、樹脂被覆繊維を等を採用することができると共に、
これら材料のうちの一種以上を混在させたものを採用す
ることができる。混在の形態としては、例えばポリエス
テルフィルムにメッシュメタルを積層したり、ポリエス
テルフィルムに金属膜を蒸着した積層構造の形態や、金
属被覆繊維と高密度繊維とを均等または偏在させながら
織り込んだ形態がある。また、気密性を持たせるため、
フッ素、シリコンといった樹脂およびエストラマーの少
なくとも一種を上述の編物や織物等の基材に含浸あるい
はコーティングさせるという形態もある。そして、これ
らの形態は、ブラダの設計仕様(誘導加熱による発熱の
有無や強度等)に応じて適宜選択される。
【0020】上記のブラダ20の内部には、第2誘導加
熱コイル23が配置されている。第2誘導加熱コイル2
3は、センターポスト22の周囲に設けられており、上
ブラダリング21と下ブラダリング14とが最も接近し
た場合の距離よりも小さなコイル高に設定されていると
共に、縮小されたブラダ20に接触しないように両リン
グ21・14の径よりも小さなコイル径に設定されてい
る。また、第2誘導加熱コイル23は、上ブラダリング
21が下限位置に下降した場合でも両リング21・14
に当接しないように配置されている。そして、このよう
に構成された第2誘導加熱コイル23には、高周波電源
24が接続されており、第2誘導加熱コイル23は、高
周波電力の供給によりブラダ20に強度の高周波磁界を
印加することによって、ブラダ20の磁性部材20bを
優先的に誘導加熱する。
【0021】上記のブラダ20を拡縮させるセンターポ
スト22の上方には、図2に示すように、モールド昇降
部3が設けられている。モールド昇降部3は、生タイヤ
4の上サイドウオール4b’に当接する上サイドモール
ド25と、生タイヤ4のトレッド部4aの外周方向に位
置する割りモールド26と、上サイドモールド25およ
び割りモールド26のスライドセグメント26aを昇降
させる第1モールド昇降機構27と、上サイドモールド
25を所定温度に加熱する上加熱機構28と、上加熱機
構28および割りモールド26の固定セグメント26b
を昇降させる第2モールド昇降機構29と、これら機構
27〜29等を支持する支持部材30とを有している。
【0022】上記の上加熱機構28は、円盤形状の上プ
ラテン32を有している。上プラテン32は、高温の蒸
気が供給される内部空間を有しており、この内部空間に
供給される蒸気により発熱し、上サイドモールド25を
面状に加熱する。さらに、上加熱機構28は、上プラテ
ン32を支持するプラテンサポート33と、上プラテン
32の熱をプラテンサポート33に伝達させないように
上プラテン32およびプラテンサポート33間に介装さ
れた断熱板34とを有している。
【0023】上記の上加熱機構28の中心部には、第1
モールド昇降機構27の棒状部材35が昇降自在に貫挿
されている。棒状部材35の下端には、円盤形状のスラ
イドプレート36が設けられている。スライドプレート
36の下面中心部には、上述の上サイドモールド25が
中心側に固設されている。上サイドモールド25の内周
部には、生タイヤ4の上ビード部4c’に当接するよう
に形成された上ビードリング40が設けられている。上
ビードリング40の内部には、環状の第3誘導加熱コイ
ル41が設けられている。そして、第3誘導加熱コイル
41には、図1の高周波電源24が接続されており、第
3誘導加熱コイル41は、高周波電力の供給により生タ
イヤ4の上ビード部4c’に強度の高周波磁界を印加す
ることによって、上ビード部4c’のビードワイヤ52
を優先的に誘導加熱する。
【0024】また、スライドプレート36の下面外周部
には、アルミニウム等の非磁性材料により形成された複
数のセグメントモールド26a’を有するスライドセグ
メント26aが設けられている。各スライドセグメント
26aは、上サイドモールド25を中心とした同芯円上
に等間隔に配置され、中心方向に移動自在に係合されて
いる。これらのスライドセグメント26aの外側方向に
は、非磁性材料により形成された複数の固定セグメント
26bが配置されている。固定セグメント26bは、上
プラテン32の下面周縁部に固設されており、スライド
セグメント26aの外側面に係合しながらスライドセグ
メント26aを半径方向に進退移動させるようになって
いる。そして、スライドセグメント26aは、固定セグ
メント26bにより中心方向に移動したときに、生タイ
ヤ4のトレッド部4aに対応した筒形状のモールドを形
成する。
【0025】一方、棒状部材35の上端部は、第1シリ
ンダ部材37に連結されている。第1シリンダ部材37
は、プラテンサポート33の上面中心部から立ち上げら
れた挿通部33aにより支持されている。これにより、
第1シリンダ部材37等を有した第1モールド昇降機構
27は、棒状部材35を介してスライドプレート36
(上サイドモールド25、スライドセグメント26a)
を支持部材30および上加熱機構28とは独立して昇降
可能になっている。
【0026】上記の第1シリンダ部材37を支持した挿
通部33aは、上述の棒状部材35が移動自在に貫挿さ
れていると共に、支持部材30に移動自在に貫挿されて
いる。また、挿通部33aの両側には、第2モールド昇
降機構29が左右一対に配置されている。各第2モール
ド昇降機構29は、支持部材30の上面に固設された第
2シリンダ部材38を有しており、第2シリンダ部材3
8は、上加熱機構28を昇降させるように、シリンダロ
ッド38aの先端部がプラテンサポート33に連結され
ている。
【0027】上記のように構成された上加熱機構28お
よび割りモールド26の外周方向には、支持部材30の
周縁部から立ち下げられた筒形状のシールド部材31が
配置されている。また、シールド部材31と割りモール
ド26との間には、第4誘導加熱コイル39が設けられ
ている。そして、第4誘導加熱コイル39には、図1の
高周波電源24が接続されており、第4誘導加熱コイル
39は、高周波電力の供給により生タイヤ4のトレッド
部4aに強度の高周波磁界を印加することによって、ト
レッド部4aのベルト部材56を優先的に誘導加熱す
る。
【0028】上記の構成において、加硫機1により生タ
イヤ4を加硫成形する際のブラダ20の動作を説明す
る。
【0029】先ず、図2に示すように、モールド昇降部
3を上昇させることによって、モールド固定部2の上方
にモールド昇降部3を位置させる。図3に示すように、
中心機構10のセンターポスト22を上昇させることに
よって、上部リング19を介してブラダ20の上縁部を
持ち上げ、ブラダ20を生タイヤ4のタイヤ穴よりも小
さな径に縮小させる。この後、生タイヤ4のタイヤ穴が
センターポスト22の上方に位置するように、搬送装置
43により生タイヤ4をモールド固定部2とモールド昇
降部3との間に搬送する。そして、生タイヤ4を下降さ
せ、生タイヤ4のタイヤ穴にセンターポスト22および
ブラダ20を挿通させながら、生タイヤ4を下サイドモ
ールド5上に保持した後、ブラダ20を膨らませて生タ
イヤ4をシェーピングして保持する。
【0030】次に、第1シリンダ部材37から棒状部材
35を進出させることによって、スライドプレート36
を下降させて分離し、スライドセグメント26aを外周
方向に移動させる。この後、図示二点鎖線に示すよう
に、上加熱機構28およびスライドプレート36の分離
状態を維持しながらモールド昇降部3を下降させ、スラ
イドセグメント26aの内周側に生タイヤ4を位置させ
た後、スライドセグメント26aを固定セグメント26
bにより中心方向に移動させる。そして、図4に示すよ
うに、各スライドセグメント26a同士を当接させて生
タイヤ4のトレッド部4aに対応した筒形状のモールド
を形成すると共に、このモールドの上部および下部に上
サイドモールド25および下サイドモールド5をそれぞ
れ当接させることによって、モールドを全閉状態にし、
モールド昇降部3とモールド固定部2を図示しないロッ
ク保持機構でロックした後、第2シリンダ部材38から
シリンダロッド38aを進出させ、モールドの型締を完
了する。
【0031】上プラテン32、下プラテン6、および割
りモールドの固定セグメント26bには、高温の蒸気が
供給されており、両プラテン6・32により上および下
サイドモールド25・5を加熱すると共に、割りモール
ドのスライドセグメント26aを発熱させることによっ
て、これらモールド25・5・26a’で囲まれた生タ
イヤ4を外表面側から加熱する。また、ガス配管17a
を介して高温高圧の蒸気や窒素ガス等の圧力媒体をブラ
ダ20内に供給することによって、ブラダ20を進展さ
せて生タイヤ4の内壁面に密接させ、生タイヤ4をモー
ルド方向に押圧させる。そして、高温高圧の圧力媒体の
熱量をブラダ20を介して生タイヤ4に伝達させること
によって、生タイヤ4を内表面側から加熱する。
【0032】さらに、図1に示すように、高周波電源2
4から高周波電力を各誘導加熱コイル18・23・41
・39に供給する。高周波電力が供給された第1誘導加
熱コイル18および第3誘導加熱コイル41は、生タイ
ヤ4の下ビード部4cおよび上ビード部4c’に強度の
高周波磁界をそれぞれ印加することによって、両ビード
部4c・4c’の内部に設けられたビードワイヤ52・
52を優先的に誘導加熱する。また、第4誘導加熱コイ
ル39は、割りモールド26が非磁性材料で形成されて
いると共に円周方向に分割されているため、生タイヤ4
のトレッド部4aに強度の高周波磁界を印加することに
よって、トレッド部4aの内部に設けられたベルト部材
56を優先的に誘導加熱する。これにより、生タイヤ4
は、上述の外面側および内面側からの加熱に加えて、大
きな肉厚を有したビード部4c・4c’およびトレッド
部4aにおいてはタイヤ内部側からの加熱も行われるた
め、タイヤ全体が短時間で加硫温度にまで昇温する。
【0033】また、高周波電力が供給された第2誘導加
熱コイル23は、ブラダ20の磁性部材20aに強度の
高周波磁界を印加し、ブラダ20自体を発熱させる。従
って、圧力媒体の熱量をブラダ20を介して生タイヤ4
に伝達する際に、ブラダ20による熱量の伝達時間の遅
延が最小限に抑制されるため、生タイヤ4がより一層短
時間で加硫温度にまで昇温する。そして、生タイヤ4が
所定の加硫温度に維持されながら、生タイヤ4の加硫成
形が行われる。
【0034】また、生タイヤ4が加硫成形されている
間、ブラダ20は、生タイヤ4をモールド方向に押圧す
ることにより生タイヤ4の成形を行っている。この際、
ブラダ20は、加硫済タイヤのタイヤ内壁面形状と略同
形状の低延伸性材料により形成されているため、圧力媒
体の圧力に多少の変動があった場合でも、加硫済タイヤ
のタイヤ内壁面の形状を確実に出現する。従って、この
ブラダ20により生タイヤ4を押圧してシェーピングが
行われると、高精度にシェーピングされた加硫済タイヤ
が得られることになる。
【0035】そして、このようにして加硫済タイヤが得
られると、図2に示すように、上述の動作とは逆の動作
によりモールドを型開きした後、ブラダ20を縮小さ
せ、加硫済タイヤを搬出装置により保持して外部に搬出
する。この後、新たな生タイヤ4を搬入して加硫成形を
繰り返すことになるが、このような加硫形成が繰り返さ
れた場合でも、ブラダ20の低延伸性材料が高温環境下
で変質し難いため、低延伸性材料が初期の性質を維持す
る。従って、加硫成形の繰り返し回数が多くなった段階
でも、ブラダ20が加硫済タイヤのタイヤ内壁面の形状
を確実に出現させるため、ブラダ20を長期間に亘って
使用することができる。
【0036】
【発明の効果】請求項1の発明は、生タイヤの加硫成形
時に、加圧媒体が供給されることによりタイヤ内壁面を
モールド方向に押圧するブラダにおいて、高温環境下で
変質し難い低延伸性材料を構成部材として有し、前記生
タイヤを加硫成形して加硫済タイヤとしたときのタイヤ
内壁面形状と略同形状に形成されている構成である。
【0037】上記の構成によれば、ブラダが加硫済タイ
ヤのタイヤ内壁面形状に形成された低延伸性材料からな
っているため、ブラダを圧力ガスで伸展させるだけで、
加硫済タイヤのタイヤ内壁面の形状をブラダにより出現
させることができる。従って、このブラダにより生タイ
ヤを押圧して加硫成形させることによって、生タイヤを
高精度に加硫成形することができる。そして、低延伸性
材料が高温環境下で変質し難いため、加硫形成が繰り返
された場合でも、低延伸性材料が初期の性質を維持する
ことから、加硫成形の繰り返し回数が多くなった段階で
も、タイヤ内壁面における形状のバラツキを殆ど生じさ
せることなく生タイヤを加硫成形することができると共
に、ブラダの交換頻度を低減することができるという効
果を奏する。
【0038】請求項2の発明は、請求項1記載のブラダ
であって、前記低延伸性材料は、200℃の高温環境下
で伸び率が5%〜15%の範囲にある構成である。上記
の構成によれば、生タイヤに対する高精度の加硫成形を
繰り返して確実に実現することができるという効果を奏
する。
【0039】請求項3の発明は、請求項1または2記載
のブラダであって、前記低延伸性材料は、編物あるいは
織物で形成され、ナイロン、ポリエステル、アラミド、
パラフェニレンベンゾビスオキサゾール(POB)等の
繊維、金属コード材、カーボン入り繊維、金属被覆繊
維、および樹脂被覆繊維のうちの一種以上からなる構成
である。上記の構成によれば、各種の低延伸性材料を組
み合わせることによって、加硫成形の条件に最も適した
ブラダとすることができるという効果を奏する。
【0040】請求項4の発明は、請求項1ないし3の何
れか1項に記載のブラダであって、前記低延伸性材料に
フッ素、シリコン等の樹脂およびエストラマーの少なく
とも一種を含浸あるいはコーティングする構成である。
上記の構成によれば、ブラダの気密性をブチルゴムのブ
ラダと同程度にすることができ、圧力媒体がブラダの外
部に漏洩することを防止することができるという効果を
奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】加硫成形する状態を示す説明図である。
【図2】生タイヤを搬入する状態を示す説明図である。
【図3】型締する状態を示す説明図である。
【図4】型締された状態を示す説明図である。
【図5】生タイヤの要部を示す分解斜視図である。
【符号の説明】
1 加硫機 2 モールド固定部 3 モールド昇降部 4 生タイヤ 5 下サイドモールド 6 下プラテン 10 中心機構 12 下部リング 18 第1誘導加熱コイル 19 上部リング 20 ブラダ 22 センターポスト 23 第2誘導加熱コイル 24 高周波電源 25 上サイドモールド 26 割りモールド 27 第1モールド昇降機構 28 上加熱機構 29 第2モールド昇降機構 39 第4誘導加熱コイル 41 第3誘導加熱コイル
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) B29L 30:00 (72)発明者 藤沢 和久 兵庫県神戸市西区高塚台1丁目5番5号 株式会社神戸製鋼所神戸総合技術研究所内 (72)発明者 桜井 明 兵庫県神戸市西区高塚台1丁目5番5号 株式会社神戸製鋼所神戸総合技術研究所内 (72)発明者 福元 裕彦 兵庫県神戸市西区高塚台1丁目5番5号 株式会社神戸製鋼所神戸総合技術研究所内 Fターム(参考) 4F202 AA16 AA24 AA29 AA30 AA33 AA45 AD16 AG03 AG06 AH20 AK11 CA21 CU12 CY02 CY10 4F203 AA16 AA24 AA29 AA30 AA33 AA45 AD16 AG03 AG06 AH20 AK11 DA11 DB01 DC04 DC15 DN10 DN23

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 生タイヤの加硫成形時に、加圧媒体が供
    給されることによりタイヤ内壁面をモールド方向に押圧
    するブラダにおいて、 高温環境下で変質し難い低延伸性材料を構成部材として
    有し、前記生タイヤを加硫成形して加硫済タイヤとした
    ときのタイヤ内壁面形状と略同形状に形成されているこ
    とを特徴とするブラダ。
  2. 【請求項2】 前記低延伸性材料は、200℃の高温環
    境下で伸び率が5%〜15%の範囲にあることを特徴と
    する請求項1記載のブラダ。
  3. 【請求項3】 前記低延伸性材料は、編物あるいは織物
    で形成され、ナイロン、ポリエステル、アラミド、パラ
    フェニレンベンゾビスオキサゾール(POB)等の繊
    維、金属コード材、カーボン入り繊維、金属被覆繊維、
    および樹脂被覆繊維のうちの一種以上からなることを特
    徴とする請求項1または2記載のブラダ。
  4. 【請求項4】 前記低延伸性材料にフッ素、シリコン等
    の樹脂およびエストラマーの少なくとも一種を含浸ある
    いはコーティングすることを特徴とする請求項1ないし
    3の何れか1項に記載のブラダ。
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EP00109998A EP1053861A3 (en) 1999-05-12 2000-05-11 Bladder for a tyre vulcanizer, vulcanizer using the same and tyre vulcanizing method
US09/570,345 US6551085B1 (en) 1999-05-12 2000-05-12 Bladder for vulcanizer, vulcanizer using the same and vulcanizing-molding method

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Cited By (3)

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