JP3914379B2 - 生タイヤ予熱方法およびその装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、加硫成形前の生タイヤに対して予熱を行う生タイヤ予熱方法およびその装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、成形機で成形された生タイヤは、加硫設備の建屋内等に設定された保管場所のラックに室温の環境下で保管され、生産計画に基づいてラックから取り出されて加硫機へ運搬される。加硫機に生タイヤが搬入されると、例えばブラダ方式の加硫機においては、生タイヤをモールドの型締めによりモールド内に装填した後、タイヤ穴に挿入されたブラダ内に高温高圧の熱媒体を供給することによって、ブラダを伸展させてタイヤ内壁面に密接させる。そして、ブラダを介してタイヤ内壁面を加熱しながらモールド方向に押圧することによって、生タイヤのトレッド部にモールドのタイヤ溝を形成する。また、加熱されたモールドと高温の熱媒体に接するブラダとで生タイヤを外側および内側から加熱し、生タイヤを早期に加硫開始温度(100℃〜120℃以上)にまで昇温させることによって、短時間で加硫成形を完了するようにしている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来のように、生タイヤを室温の環境下で長時間保管すると、生タイヤが例えば25℃等の室温に近い温度になるため、加硫機で生タイヤを加硫成形する際に、生タイヤを室温から加硫開始温度にまで昇温させる必要がある。従来においては、上述のように、モールドおよびブラダにより生タイヤの外側および内側から加熱することにより短時間で加硫成形を完了するようにしているが、生タイヤが熱伝導率の低いゴムを主要な構成材料としているため、生タイヤの表面側が短時間で昇温しても、内部側の昇温が遅れ、特に大きな厚みを有したトレッド肉厚部やビード部における内部中心の昇温の遅れが顕著になる。従って、生タイヤの表面側の加硫を終えた場合でも、生タイヤの内部側が加硫温度に昇温して加硫を終えるまでは加硫成形を継続する必要があるため、加硫成形を十分に短時間で完了することができないという問題がある。
【0004】
また、生タイヤの保管時に生タイヤに対してマイクロ波を照射することによって、加硫成形前に生タイヤを予熱する方法が採用されることもあるが、この方法では、マイクロ波が生タイヤの表面側を主に予熱(加熱)し、加硫成形時に最も昇温の遅れる内部側を十分に予熱することができないため、加硫成形を短時間で完了するための根本的な解決策とはならない。
【0005】
そして、このような問題は、ブラダ方式やブラダレス方式等の各種の加硫機において生じており、特にブラダ方式の加硫機にあっては、ブラダ自体も熱伝導率の低いゴムにより形成されているため、一層大きな問題になっている。
【0006】
そこで、本発明は、加硫成形を十分に短時間で完了することができる生タイヤ予熱方法およびその装置を提供するものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、1の発明は、生タイヤ予熱方法であって、タイヤ内部に金属製部材が埋め込まれた生タイヤの加硫成形前に、前記金属製部材を誘導加熱することを特徴としている。上記の構成によれば、加硫成形前に金属製部材を誘導加熱することによって、加硫成形時に最も昇温の遅れるタイヤ内部側を優先的に加熱しながら予熱することができるため、加硫成形を短時間で完了することができる。
【0008】
2の発明は、第1の発明の生タイヤ予熱方法であって、トレッド部、ビード部およびサイドウオール部のタイヤ内部に埋め込まれた金属製部材のうちの少なくとも一方を誘導加熱することを特徴としている。上記の構成によれば、特に大きな肉厚を有したトレッド部および/またはビード部のタイヤ内部を予熱することができるため、加硫成形をより確実に短時間で完了することができる。
【0009】
3の発明は、第2の発明の生タイヤ予熱方法であって、前記トレッド部の内部に埋め込まれた前記金属製部材を前記生タイヤの内側から誘導加熱することを特徴としている。上記の構成によれば、生タイヤの内側はタイヤの種類による厚み変動が少なく十分に薄いため、誘導加熱するためのコイル手段と金属製部材の距離が近くなり、十分な交番磁界を前記金属製部材に印加することが可能となり、金属製部材を効率良く誘導加熱することが可能である。
【0010】
4の発明は、第1または第2の発明の生タイヤ予熱方法であって、前記誘導加熱が高周波磁界を生成するコイルによって行われ、前記高周波磁界の周波数が、前記生タイヤ内部の金属製部材の構成に応じて変更されることを特徴としている。上記の構成によれば、タイヤ内部に埋め込まれた金属製部材の構成は、タイヤの種類またはサイズによって異なり、その線径または電流浸透深さに応じて適切な周波数に変更することができるため、金属製部材を効率良く誘導加熱することが可能である。
【0011】
5の発明は、第1または第2の発明の生タイヤ予熱方法であって、前記誘導加熱が高周波磁界を生成するコイルによって行われ、前記コイルと前記生タイヤの相対距離が、前記生タイヤ内部の金属製部材の構成に応じて調節されることを特徴としている。上記の構成によれば、金属製部材の材料構成または形状に応じて、金属製部材を通過する磁束密度を調節することができるため、金属製部材を効率良く誘導加熱することが可能である。
【0012】
6の発明は、第1または第2の発明の生タイヤ予熱方法であって、加硫成形するまでの間に、前記誘導加熱中および加熱の終了した生タイヤを保温することを特徴としている。上記の構成によれば、生タイヤ内部の金属製部材を誘導加熱することにより予熱された生タイヤからの放熱による温度の低下を防止するとともに、生タイヤの均熱性を向上させることが可能である。
【0013】
7の発明は、生タイヤ内部に金属製部材が埋め込まれた生タイヤに対して予熱を行う生タイヤ予熱装置であって、前記生タイヤを所定姿勢で着脱可能に支持するタイヤ支持手段と、前記タイヤ支持手段に支持された生タイヤに対して高周波磁界を印加することによって、前記生タイヤの金属製部材を前記高周波磁界により誘導加熱するコイル手段とを有することを特徴としている。上記の構成によれば、生タイヤをタイヤ支持手段に装着して加硫成形前に一時保管しながら、コイル手段の高周波磁界により金属製部材を誘導加熱させることができる。したがって、加硫成形時に最も昇温の遅れるタイヤ内部側を優先的に加熱しながら予熱することができるため、加硫成形を短時間で完了することができる。
【0014】
8の発明は、第7の発明の生タイヤ予熱装置であって、前記生タイヤは、前記金属製部材が少なくともトレッド部およびビード部のタイヤ内部にそれぞれ埋め込まれており、前記コイル手段は、前記生タイヤのトレッド部に沿うように配置され、前記高周波磁界を生成するトレッド部予熱用コイル手段と、前記生タイヤのビード部に沿うように配置され、前記高周波磁界を生成するビード部予熱用コイル手段とを有することを特徴としている。上記の構成によれば、生タイヤのトレッド部に沿うように配置されたトレッド部予熱用コイル手段がトレッド部に対して高周波磁界を高い磁束密度で印加することによって、トレッド部の金属製部材を効率良く誘導加熱する。一方、生タイヤのビード部に沿うように配置されたビード部予熱用コイル手段がビード部に対して高周波磁界を高い磁束密度で印加することによって、ビード部の金属製部材を効率良く誘導加熱する。
【0015】
9の発明は、第7の発明の生タイヤ予熱装置であって、前記生タイヤは、前記金属製部材が少なくともトレッド部およびビード部のタイヤ内部にそれぞれ埋め込まれており、前記コイル手段は、前記生タイヤのタイヤ穴に挿通可能であると共に、前記生タイヤの両ビード部に両端部が位置するように形成および配置された柱状予熱用コイルを備えることを特徴としている。上記の構成によれば、タイヤ穴に挿通された柱状予熱用コイルから生成された高周波磁界がトレッド部の金属製部材およびビード部の金属製部材を誘導加熱することによって、加硫成形時に特に昇温の遅れる大きな肉厚のトレッド部およびビード部のタイヤ内部の予熱を十分に行うことができる。さらに、一つの柱状予熱用コイルのみでトレッド部およびビード部の金属製部材を誘導加熱することができるため、部品コストおよび組立コストを低減することができる。
【0016】
10の発明は、第7乃至第9の発明のいずれかの生タイヤ予熱装置であって、前記コイル手段による高周波磁界を前記金属製部材に導くための磁性材料を配置したことを特徴としている。上記の構成によれば、コイル手段により生成される高周波磁界が金属製部材を通過して、磁性材料へ収束するように形成されるため、金属製部材を通過する磁束密度が大きくなり、金属製部材を効率良く誘導加熱することが可能である。
【0017】
11の発明は、第7の発明の生タイヤ予熱装置であって、前記タイヤ支持手段に支持された生タイヤに沿って前記生タイヤの周方向に前記コイル手段を相対移動させるように、前記タイヤ支持手段の回転移動および前記コイル手段の旋回移動のうちの少なくとも一方を行う移動手段を有することを特徴としている。上記の構成によれば、生タイヤに沿いながらコイル手段が相対移動するため、低い組付け精度や加工精度等によりコイル手段が生タイヤの一部に強い高周波磁界を印加することになっていても、生タイヤの全体にわたって強い高周波磁界を均等に印加して誘導加熱することができる。したがって、コイル手段を小型化することができるとともに、コイル手段の組付け作業を容易化することができる。
【0018】
12の発明は、第7乃至第9の発明、第11の発明のいずれかの生タイヤ予熱装置であって、前記コイル手段に対する高周波磁界を生成するための高周波電源がその周波数を可変とする周波数変更手段を備えていることを特徴としている。上記の構成によれば、タイヤ内部に埋め込まれた金属製部材の構成は、タイヤの種類またはサイズによって異なり、その線径または電流浸透深さに応じて適切な周波数を変更することができるため、金属製部材を効率良く誘導加熱することが可能である。
【0019】
13の発明は、第12の発明の生タイヤ予熱装置であって、前記コイル手段に、共振電流を生じさせるコンデンサを接続したことを特徴としている。上記の構成によれば、コンデンサにより共振回路が形成されるため、装置全体の発熱効率が良くなるとともに、力率を改善することができ、金属製部材を効率良く誘導加熱することが可能である。
【0020】
14の発明は、第7乃至第9の発明、第12の発明のいずれかの生タイヤ予熱装置であって、タイヤ内部に埋め込まれた前記金属製部材に対して、前記コイル手段を近接離反自在に調節可能とするように相対距離調節手段を有することを特徴としている。上記の構成によれば、金属製部材の材料構成または形状に応じて、金属製部材を通過する磁束密度を調節することが可能であるため、金属製部材を効率良く誘導加熱することが可能である。
【0021】
15の発明は、第11の発明の生タイヤ予熱装置であって、前記移動段は、前記タイヤ支持手段に支持された生タイヤのタイヤ中心軸が回転中心となるように、前記タイヤ支持手段を回転移動させる回転移動機構を有し、前記コイル手段は、前記生タイヤのトレッド部およびビード部の一部に沿うように配置され、前記高周波磁界を生成する部分予熱用コイルを有することを特徴としている。上記の構成によれば、部分予熱用コイルを小さなサイズで形成することができるため、予熱装置を小型化することができる。
【0022】
16の発明は、第15の発明の生タイヤ予熱装置であって、前記トレッド部に対する部分予熱用コイル手段を、前記生タイヤの内側に配置したことを特徴としている。上記の構成によれば、生タイヤの内側はタイヤの種類による厚み変動が少なく十分に薄いため、トレッド部予熱用コイル手段と金属製部材の距離が近くなり、十分な交番磁界を金属製部材に印加することが可能となり、金属製部材を効率良く誘導加熱することが可能である。
【0023】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態を図1ないし図10に基づいて以下に説明する。
本実施形態に係る生タイヤ予熱装置は、図2に示すように、保管工程に設けられている。保管工程は、生タイヤ4を成形する成形工程と、生タイヤ4を加硫成形する加硫工程との間に配置されており、加硫成形前に生産計画に応じて一時的に生タイヤ4を保管する。なお、保管工程における生タイヤ予熱装置の動作およびこの装置による生タイヤ予熱方法については後述する。
【0024】
保管工程から生タイヤ4が供給される加硫工程は、生タイヤ4を加硫成形する加硫機1を備えている。加硫機1は、図3に示すように、所定の高さ位置に設定されたモールド固定部2と、モールド固定部2に対して昇降するモールド昇降部3とを有している。なお、生タイヤ4は、図7に示すように、両端部が曲折されたカーカス組立体51と、カーカス組立体51の曲折部に設けられた金属製のビードワイヤ52と、カーカス組立体51の内周面に貼設されたゴム製のインナーライナ53と、カーカス組立体51の外周面および側周面にそれぞれ貼設されたゴム製のトレッド部材54およびサイドウオール部材55と、トレッド部材54およびカーカス組立体51間に設けられた金属製のベルト部材56とを有することによって、大きな肉厚のトレッド部4aおよびビード部4c・4c’のタイヤ内部に金属製部材(ビードワイヤ52、ベルト部材56)を有した構成にされている。
【0025】
図3に示すように、モールド昇降部3は生タイヤ4の上サイドウオール4b’に当接する上サイドモールド25と、生タイヤ4のトレッド部4aの外周方向に位置する割りモールド26と、上サイドモールド25および割りモールド26のスライドセグメント26aを昇降させる第1モールド昇降機構27と、上サイドモールド25を所定温度に加熱する上加熱機構28と、上加熱機構28および割りモールド26の固定リング26bを昇降させる第2モールド昇降機構29と、これら機構27〜29等を支持する支持部材30とを有している。
【0026】
上加熱機構28は、円盤形状の上プラテン32を有している。上プラテン32は、高温の蒸気が供給される内部空間を有しており、この内部空間に供給される蒸気により発熱し、上サイドモールド25を面状に加熱する。さらに、上加熱機構28は、上プラテン32を支持するプラテンサポート33と、上プラテン32の熱をプラテンサポート33に伝達させないように上プラテン32およびプラテンサポート33間に介装された断熱板34とを有している。
【0027】
また、上加熱機構28の中心部には、第1モールド昇降機構27の棒状部材35が昇降自在に貫挿されている。図4に示すように、棒状部材35の下端には円盤形状のスライドプレート36が設けられている。スライドプレート36の下面中心部には、上サイドモールド25が中心側に固設されている。上サイドモールド25の内周部には、生タイヤ4の上ビード部4c’に当接するように形成された上ビードリング40が設けられている。上ビードリング40の内部には、環状の第3誘導加熱コイル41が設けられている。そして、第3誘導加熱コイル41には、図6の高周波電源24が接続されており、第3誘導加熱コイル41は、高周波電力の供給により生タイヤ4の上ビード部4c’に強度の高周波磁界を印加することによって、上ビード部4c’のビードワイヤ52を優先的に誘導加熱する。
【0028】
また、スライドプレート36の下面外周部には、アルミニウム等の非磁性材料により形成された複数のセグメントモールド26a’を有するスライドセグメント26aが設けられている。各スライドセグメント26aは、上サイドモールド25を中心とした同一円周上に等間隔に配置され、中心方向に移動自在に係合されている。これらのスライドセグメント26aの外側方向には、非磁性材料により形成された固定リング26bが配置されている。固定リング26bは、上プラテン32の下面周縁部に固設されており、スライドセグメント26aの外側面に係合しながらスライドセグメント26aを半径方向に進退移動させるようになっている。そして、スライドセグメント26aは、固定リング26bにより中心方向に移動したときに、生タイヤ4のトレッド部4aに対応した筒形状のモールドを形成する。
【0029】
モールド昇降部3の下方には、モールド固定部2が配置されている。モールド固定部2は、生タイヤ4の下サイドウオール4bに当接する下サイドモールド5と、下サイドモールド5を所定温度に加熱する下加熱機構9と、下加熱機構9および下サイドモールド5の中心部に設けられた中心機構10と、中心機構10および下加熱機構9を支持するベースフレーム11とを有している。
【0030】
下加熱機構9は、下サイドモールド5を面状に支持する円盤形状の下プラテン6を有している。下プラテン6は、高温の蒸気が供給される内部空間を有しており、この内部空間に供給される蒸気により発熱し、下サイドモールド5を面状に加熱する。さらに、下加熱機構9は、下プラテン6を支持するプラテンサポート7と、下プラテン6の熱をプラテンサポート7に伝達させないように下プラテン6およびプラテンサポート7間に介装された断熱板8とを有している。そして、このように構成された下加熱機構9の中心部には、中心機構10が設けられており、中心機構10は、保持機構71を主要部として備えている。
【0031】
保持機構71は、モールド固定部2(下加熱機構9および下サイドモールド5)に対して着脱可能にされており、図1および図3に示すように、ブラダ20と、ブラダ20の下縁部を保持した下部リング機構12と、ブラダ20の上縁部を保持した上部リング19と、下部リング機構12および上部リング19の中心部に摺動自在に貫設され、両リング12・19を連結固定可能なセンターポスト22とを以下の接続関係および位置関係で有している。
【0032】
すなわち、図4に示すように、下部リング機構12は生タイヤ4の下ビード部4cに当接するように形成された下ビードリング13と、下ビードリング13の上面に設けられ、下ビードリング13とでブラダ20の下縁部を挟持する下ブラダリング14と、下ブラダリング14の内周側に設けられたクランプリングハブ15とを有している。クランプリングハブ15の内部には、蒸気や窒素ガス等の加圧加熱媒体を流通させる給排路15a・15aが形成されている。そして、これらの給排路15a・15aは、クランプリングハブ15の上端面から下端面にかけて連通されており、下端の給排路15a・15aは、配管17a・17aおよび開閉バルブ17b・17bを介して図示しない加圧・加熱媒体供給装置に接離可能に連絡されている。
【0033】
また、下ビードリング13の内部には、環状の第1誘導加熱コイル18が設けられている。第1誘導加熱コイル18には、高周波電力を供給する図6の高周波電源24が接離可能に接続されている。そして、第1誘導加熱コイル18は、高周波電力の供給により生タイヤ4の下ビード部4cに強度の高周波磁界を印加することによって、下ビード部4cのビードワイヤ52を優先的に誘導加熱する。
【0034】
下部リング機構12の中心部には、センターポスト22が上下方向に摺動自在に立設されている。センターポスト22の上端部には、上部リング19が設けられている。上部リング19は、上ブラダリング21を有しており、上ブラダリング21は、ブラダ20の上縁部を挟持している。一方、センターポスト22の下端部には、センターポスト22を任意の高さ位置に昇降させる図示しないポスト昇降機構が接離可能に連結されており、ポスト昇降機構は、保持機構71とで中心機構10を構成している。そして、ポスト昇降機構は、加硫済タイヤの搬出時において、ブラダ20の上縁部を持ち上げてブラダ20をタイヤ4のタイヤ穴よりも小さな径に設定するようにセンターポスト22を上限位置に上昇させる一方、生タイヤ4の加硫成形時において、ブラダ20を生タイヤ4のタイヤ内壁面に当接可能な径に拡大させるようにセンターポスト22を下降させる。
【0035】
センターポスト22により拡縮されるブラダ20は、生タイヤ4の加硫成形時に、加圧媒体が供給されることによりタイヤ内壁面をモールド方向に押圧するものであり、高温環境下で変質し難い低延伸性材料を構成部材として有している。この低延伸性材料は、生タイヤ4を加硫成形して加硫済タイヤとしたときのタイヤ内壁面形状と略同形状に形成されている。すなわち、図6に示すように、ブラダ20は高温環境下で変質し難い低延伸性材料を採用し、この材料を加硫済タイヤのタイヤ内壁面形状と略同形状に形成したブラダ本体20aと、ブラダ本体20aの表面に等間隔で設けられた複数の磁性部材20bとを有している。磁性部材20bは、例えばメッシュメタルや金属蒸着膜等の磁性を有した金属製の薄膜からなっており、生タイヤ4のトレッド部4aに対応する部位が他の部位よりも大きな面積となるように形成されている。
【0036】
なお、低延伸性材料とは、加硫温度の高温環境下で従来のブラダ用ゴム(例えばブチルゴム)よりも小さな伸び率の物性値を有した材料のことであり、特に200℃の高温環境下で伸び率が5%〜15%の範囲であることが好ましい。伸び率が上記の範囲であることが好ましい理由は、5%未満であると、加硫成型時に生タイヤ4の全体を均等に押圧する力が低下して成形性が不十分になるからであり、15%を越えると、従来のブラダ用ゴム(例えばブチルゴム)と同様に生タイヤ4を高精度に加硫成形することが困難になるからである。
【0037】
また、高温環境下で変質し難い低延伸性材料としては、ポリエステル、ナイロン、アラミド、ポリパラフェニレンベンゾビスオキサゾール(PBO)といった繊維を用いた編物や織物、またはメッシュメタルや高密度繊維、カーボン入り繊維、金属被覆繊維、樹脂被覆繊維等を採用することができると共に、これら材料のうちの一種以上を混在させたものを採用することができる。混在の形態としては、例えばポリエステルフィルムにメッシュメタルを積層したり、ポリエステルフィルムに金属膜を蒸着した積層構造の形態や、金属被覆繊維と高密度繊維とを均等または偏在させながら織り込んだ形態がある。また、気密性を持たせるため、フッ素、シリコンといった樹脂およびエストラマーの少なくとも一種を上述の編物や織物等の基材に含浸あるいはコーティングさせるという形態もある。そして、これらの形態は、ブラダの設計仕様(誘導加熱による発熱の有無や強度等)に応じて適宜選択される。
【0038】
ブラダ20の内部には、第2誘導加熱コイル23が配置されている。第2誘導加熱コイル23は、センターポスト22の周囲に設けられており、上ブラダリング21と下ブラダリング14とが最も接近した場合の距離よりも小さなコイル高に設定されていると共に、縮小されたブラダ20に接触しないように両リング21・14の外径よりも小さなコイル径に設定されている。また、第2誘導加熱コイル23は、上ブラダリング21が下限位置に下降した場合でも両リング21・14に当接しないように配置されている。そして、第2誘導加熱コイル23には、高周波電源24が接離可能に接続されており、第2誘導加熱コイル23は、高周波電力の供給によりブラダ20に強度の高周波磁界を印加することによって、ブラダ20の磁性部材20bを優先的に誘導加熱する。
【0039】
図2に示すように、保持機構71は図1の搬送装置43により加硫工程、保管工程および成形工程間を搬送されるようになっている。そして、成形工程においては、成形用ドラムとして機能し、保管工程や工程間の搬送時においては、生タイヤ4の変形を防止すると共に支持中心のずれを防止するように機能し、加硫工程においては、上述の中心機構10の主要部として機能する。
【0040】
成形工程は、シングルステージ方式のタイヤ成形機61を備えている。なお、タイヤ成形機61は、ツーステージ方式であっても良い。図2に示すように、タイヤ成形機61は第1駆動装置62と第2駆動装置63とを有している。第1駆動装置62および第2駆動装置63には、第1チャック機構64および第2チャック機構65がそれぞれ設けられている。これらのチャック機構64・65は、保持機構71の上部リング19および下部リング機構12の中心部をそれぞれ保持可能なチャック部材64a・65aを有している。そして、両チャック機構64・65は、回転軸が同一直線上に存在するように対向配置されており、同一の回転速度で回転し、同一の回転角度で停止するように連動されている。さらに、一方の第1チャック機構64は、回転軸方向に進退移動可能にされており、生タイヤ4の成形および取り出し時に保持機構71の上部リング19と下部リング機構12とのリング間隔を拡大および縮小させる。また、タイヤ成形機61は、生タイヤ4の取り出し時等にブラダ20内に圧力ガスを供給する図示しない圧力ガス供給装置を有している。
【0041】
図2に示すように、成形工程で作成された生タイヤ4は保持機構71に保持された状態で運搬され、後工程である保管工程や加硫工程に搬送される。保管工程は、保管倉庫80を有している。保管倉庫80は、生タイヤ4を保持機構71で保持しながら保管する複数の保管部81を有している。各保管部81は、図1に示すように、生タイヤ予熱装置を備えている。生タイヤ予熱装置は、下部リング機構12の下面に当接するように形成された円筒形状の載置台82と、載置台82上の生タイヤ4を囲むように設けられた予熱用誘導加熱コイル83と、予熱用誘導加熱コイル83に対して高周波電力を供給する高周波電源84とを有している。そして、予熱用コイル83は、高周波電源84からの高周波電力の供給により生タイヤ4のトレッド部4aに強度の高周波磁界を印加することによって、トレッド部4aのベルト部材56を優先的に誘導加熱する。
【0042】
上記の構成において、生タイヤ予熱装置の動作を通じて生タイヤ予熱方法について説明する。
【0043】
まず、図2に示すように、成形工程において、タイヤ成形機61によりベルト部材56やビードワイヤ52を内部に有した複数の層からなる生タイヤ4を作成すると、保持機構71の上部リング19と下部リング機構12とをセンターポスト22により連結固定し、第1チャック機構64を上部リング19から切り離す。そして、図1の搬送装置43により上部リング19の中心部を把持した後、チャック機構65を下部リング12から切り離し、保持機構71を上方に引き抜くことによって、保持機構71と共に生タイヤ4をタイヤ成形機61から抜脱する。そして、生タイヤ4を加硫成形するまでに待ち時間が存在する場合には、保持機構71で生タイヤ4を膨張させて保持しながら保管工程の生タイヤ予熱装置に搬送し、下記の動作により生タイヤ4を予熱しながら保管する。
【0044】
すなわち、図1に示すように、生タイヤ4を保持した保持機構71を生タイヤ予熱装置における載置台82の上方に位置決めする。そして、保持機構71を下降させて載置台82に載置することによって、この保持機構71と共に生タイヤ4を保管する。この後、高周波電源84から予熱用コイル83に高周波電力を供給することによって、生タイヤ4のトレッド部4aに強度の高周波磁界を印加し、トレッド部4aのベルト部材56を誘導加熱する。尚、予熱用コイル83により生成された高周波磁界は、ビード部4c・4c’のビードワイヤ52も誘導加熱する。これにより、生タイヤ4が室温の環境下で保管されていても、生タイヤ4の大きな肉厚のトレッド部4aおよびビード部4c・4c’が生タイヤ予熱装置によりタイヤ内部から加熱されるため、生タイヤ4の温度低下を生じることがなく、さらに、高周波磁界の印加の程度によっては加硫温度に近い温度にまで生タイヤ4が昇温される。
【0045】
次に、生タイヤ4を加硫成形する場合には、保持機構71で生タイヤ4を保持しながら加硫工程に搬送し、下記の動作により生タイヤ4を加硫成形する。すなわち、まず図3に示すように、モールド昇降部3を上昇させることによって、モールド固定部2の上方にモールド昇降部3を位置させる。この後、搬送装置43により保持機構71と共に生タイヤ4をモールド固定部2とモールド昇降部3との間に搬送する。図4に示すように、保持機構71がモールド固定部2の中心部の上方に位置すると、保持機構71を下降させることによって、保持機構71をモールド固定部2に係合させる。そして、センターポスト22による上部リング19と下部リング機構12との連結固定を解除した後、保持機構71のセンターポスト22を図示しないポスト昇降機構に連結すると共に、開閉バルブ17a・17bおよび誘導加熱コイル18・23・41を図示しないガス供給装置および図6の高周波電源24にそれぞれ接続することによって、中心機構10として機能させる。
【0046】
次に、図3の第2シリンダ部材38からシリンダロッド38aを進出させると共に、第1シリンダ部材37から棒状部材35を進出させることによって、上加熱機構28およびスライドプレート36をそれぞれ下降させて分離し、スライドセグメント26aを外周方向に移動させる。この後、図4の二点鎖線に示すように、上加熱機構28およびスライドプレート36の分離状態を維持しながらモールド昇降部3を下降させ、スライドセグメント26aの内周側に生タイヤ4を位置させた後、スライドセグメント26aを固定リング26bにより中心方向に移動させる。そして、図5に示すように、各スライドセグメント26a同士を当接させて生タイヤ4のトレッド部4aに対応した筒形状のモールドを形成すると共に、このモールドの上部および下部に上サイドモールド25および下サイドモールド5をそれぞれ当接させることによって、モールドの型締を完了する。
【0047】
上プラテン32、下プラテン6、および割りモールド26の固定リング26aには、高温の蒸気が供給されており、両プラテン6・32により上および下サイドモールド25・5を加熱すると共に、割りモールド26のスライドセグメント26aを発熱させることによって、これらモールド25・5・26a’で囲まれた生タイヤ4を外表面側から加熱する。また、ガス配管17aを介して高温高圧の蒸気や窒素ガス等の圧力媒体をブラダ20内に供給することによって、ブラダ20により生タイヤ4をモールドの内壁面に押圧させる。そして、高温高圧の圧力媒体の熱量をブラダ20を介して生タイヤ4に伝達させることによって、生タイヤ4を内表面側から加熱する。
【0048】
さらに、図6に示すように、高周波電源24から高周波電力を各誘導加熱コイル18・23・41・39に供給する。高周波電力が供給された第1誘導加熱コイル18および第3誘導加熱コイル41は、生タイヤ4の下ビード部4cおよび上ビード部4c’に強度の高周波磁界をそれぞれ印加することによって、両ビード部4c・4c’の内部に設けられたビードワイヤ52・52を優先的に誘導加熱する。また、第4誘導加熱コイル39は、割りモールド26が非磁性材料で形成されているため、生タイヤ4のトレッド部4aに強度の高周波磁界を印加することによって、トレッド部4aの内部に設けられたベルト部材56を優先的に誘導加熱する。これにより、生タイヤ4には、外面側および内面側からの加熱に加えて、大きな肉厚を有したビード部4c・4c’およびトレッド部4aにおいてはタイヤ内部側からの加熱も行われるため、タイヤ全体の温度は短時間で加硫温度にまで昇温する。
【0049】
さらに、保管工程から搬送された生タイヤ4にあっては、長時間に亘って室温環境下で保管されていた場合でも、大きな肉厚を有したビード部4c・4c’およびトレッド部4aが加硫温度に近い温度に予熱されているため、加硫のための加熱を開始してから極めて短時間で生タイヤ4全体が加硫温度にまで昇温する。また、加硫成形するまでの間に、誘導加熱された生タイヤ4を保温する工程を設けてもよい。具体的には、予熱された生タイヤ4を保温箱に入れ、次に加硫工程に至る直前まで生タイヤ4を予熱温度付近に保つように加熱し続ける。これにより、所定温度まで予熱の完了した生タイヤ4からの放熱による温度低下を防止するとともに、生タイヤ4の均熱性を向上させることができる。
【0050】
また、高周波電力が供給された第2誘導加熱コイル23は、ブラダ20の磁性部材20bに強度の高周波磁界を印加し、ブラダ20自体を発熱させる。したがって、圧力媒体の熱量をブラダ20を介して生タイヤ4に伝達する際に、ブラダ20による熱量の伝達時間の遅延が最小限に抑制されるため、生タイヤ4がより一層短時間で加硫温度にまで昇温する。そして、生タイヤ4が加硫温度に維持されながら、生タイヤ4の加硫成形が行われる。
【0051】
また、生タイヤ4が加硫成形されている間、ブラダ20は、生タイヤ4をモールド方向に押圧することにより生タイヤ4の成形を行っている。この際、ブラダ20は、加硫済タイヤのタイヤ内壁面形状と略同形状の低延伸性材料により形成されているため、圧力媒体の圧力に多少の変動があった場合でも、加硫済タイヤのタイヤ内壁面の形状を確実に出現する。したがって、ブラダ20により生タイヤ4を押圧して成形が行われると、高精度に成形された加硫済タイヤが得られることになる。
【0052】
このようにして加硫済タイヤが得られると、図4に示すように、上述の動作とは逆の動作によりモールドを型開きした後、センターポスト22を上昇させてブラダ20を縮小させる。そして、加硫済タイヤ4’を保持機構71から抜脱して外部に取り出した後、保持機構71を外部に取り出し、加硫済タイヤ4’を後工程に搬送する一方、保持機構71を成形工程に搬送する。この後、以上の動作によって、新たな生タイヤ4を搬入して加硫成形を繰り返すことになるが、このような加硫形成が繰り返された場合でも、ブラダ20の低延伸性材料が高温環境下で変質し難いため、低延伸性材料が初期の性質を維持する。したがって、加硫成形の繰り返し回数が多くなった段階でも、ブラダ20が加硫済タイヤのタイヤ内壁面の形状を確実に出現させるため、ブラダ20を長期間に亘って使用することができる。
【0053】
以上のように、図1に示すように、本実施形態においては、タイヤ内部に金属製部材が埋め込まれた生タイヤ4の加硫成形前に、金属製部材を誘導加熱するという生タイヤ予熱方法を実施することによって、加硫成形時に最も昇温の遅れる生タイヤ内部側を優先的に加熱しながら予熱して加硫成形を短時間で完了することを可能にしている。具体的には、トレッド部4aおよびビード部4c・4c’のタイヤ内部にそれぞれ埋め込まれたベルト部材56(金属製部材)およびビードワイヤ52(金属製部材)のうちの少なくとも一方を誘導加熱することによって、特に大きな肉厚を有したトレッド部4aおよび/またはビード部4c・4c’のタイヤ内部を予熱して加硫成形をより確実に短時間で完了することを可能にしている。なお、本実施形態においては、トレッド部4aとビード部4c・4c’とに金属製部材が埋め込まれた場合について説明しているが、これに限定されるものではなく、大きな肉厚を有した任意の部分に金属製部材が埋め込まれた場合のおいても適用できる。例えばサイドウオール部となるサイドウオール4b・4b’に金属製部材が埋め込まれた場合には、トレッド部4a、ビード部4c・4c’およびサイドウオール4b・4b’に埋め込まれた金属製部材のうちの少なくとも一方を誘導加熱すれば良い。
【0054】
そして、本実施形態において、生タイヤ予熱方法は、生タイヤ4を所定姿勢で着脱可能に支持する載置台82(タイヤ支持手段)と、載置台82(タイヤ支持手段)に支持された生タイヤ4に対して高周波磁界を印加することによって、生タイヤ4の金属製部材を高周波磁界により誘導加熱する予熱用コイル83とを有した生タイヤ予熱装置により実施されている。
【0055】
なお、本実施形態における生タイヤ予熱装置は、生タイヤ4を保持機構71で内部側から保持しながら、生タイヤ4の周囲に配置された予熱用コイル83によりトレッド部4aおよびビード部4c・4c’の金属製部材を誘導加熱して予熱するように構成されているが、これに限定されるものではなく、一般的なブラダ方式やブラダレス方式の加硫機においても適用可能なように、生タイヤ4のみを保管しながら予熱する構成にされていても良い。
【0056】
したがって、生タイヤ予熱装置は、図8〜図16に示した構成にされていても良い。図8(a)・(b)の構成を詳細に説明すると、生タイヤ予熱装置は、生タイヤ4を載置する載置台90と、載置台90上の生タイヤ4のトレッド部4aに沿うように配置され、高周波磁界を生成するトレッド部予熱用コイル91とを有している。載置台90の下面中心部には、回転軸95を介して図示しない回転駆動装置が連結されており、回転駆動装置は、生タイヤ4の保管時に載置台90と共に生タイヤ4を水平方向に回転させる。載置台90の内部には、下ビード部予熱用コイル92が設けられており、下ビード部予熱用コイル92は、下ビード部4cのビードワイヤ52(金属製部材)に強度の高周波磁界を印加するため、下ビード部4cに沿うように配置されている。
【0057】
また、載置台90の上面中心部には、支持部材93が立設されている。支持部材93は、上ビード部予熱用コイル94を支持しており、上ビード部予熱用コイル94は、生タイヤ4のタイヤ穴よりも小さなコイル径に設定されている。そして、上ビード部予熱用コイル94は、上ビード部4c’のビードワイヤ52(金属製部材)に強度の高周波磁界を印加するため、上ビード部4c’と略同一高さ位置で上ビード部4c’に沿うように配置されている。
【0058】
上記の構成において、生タイヤ4を保管する場合には、図示しない搬送装置により水平方向に移動して載置台90の上方に位置決めした後、垂直方向に下降させ、タイヤ穴に上ビード部予熱用コイル94を挿通させながら載置台90に載置する。この後、図示しない回転駆動装置により回転軸95を介して載置台90および生タイヤ4を水平方向に回転させるとともに、図示しない高周波電源から高周波電力を各予熱用コイル91・92・94に供給する。
【0059】
高周波電力が供給されたトレッド部予熱用コイル91は、トレッド部4aに高周波磁界を高い磁束密度で印加することによりトレッド部4aのベルト部材56を効率良く誘導加熱する。一方、各ビード部予熱用コイル92・94は、各ビード部4c・4c’に対して高周波磁界を高い磁束密度でそれぞれ印加することにより各ビード部4c・4c’のビードワイヤ52を効率良く誘導加熱する。これにより、加硫成形時に特に昇温の遅れる大きな肉厚のトレッド部4aおよびビード部4c・4c’のタイヤ内部の予熱を十分に行うことができる。
【0060】
また、生タイヤ4が水平方向に回転されているため、生タイヤ4に沿ってトレッド部予熱用コイル91および上ビード部予熱用コイル94が相対移動した状態となる。したがって、予熱用コイル91・94が低い組付け精度や加工精度等により生タイヤ4におけるトレッド部4aおよび上ビード部4c’に不均一に高周波磁界を印加することになっていても、生タイヤ4の全体にわたって高周波磁界を均等に印加して誘導加熱することができる。これにより、予熱用コイル91・94を高精度に組付けたり、加工したりする必要がないため、組付け作業および加工作業を容易化することができる。
【0061】
また、図9(a)・(b)の構成を詳細に説明すると、生タイヤ予熱装置は、生タイヤ4を載置する載置台96を有している。載置台96は、支持台97により支持されながら固定されている。また、載置台96の中心部には、貫通穴96aが形成されており、貫通穴96aには、回転支持軸98が回転自在に挿通されている。載置台96の上方における回転支持軸98の上部には、柱状予熱用コイル99が固設されている。柱状予熱用コイル99は、生タイヤ4のタイヤ穴に挿通されるように、生タイヤ4のタイヤ穴よりも小さなコイル径に設定されている。さらに、柱状予熱用コイル99は、各ビード部4c・4c’のビードワイヤ52(金属製部材)およびトレッド部4aのベルト部材56(金属製部材)に強度の高周波磁界を印加するため、両ビード部4c’・4cに両端部が位置するように形成および配置されている。一方、回転支持軸98の下端部には、図示しない回転駆動装置が連結されており、回転駆動装置は、生タイヤ4の保管時に回転支持軸98を回転させることによって、柱状予熱用コイル99を生タイヤ4の内部側において旋回させる。
【0062】
生タイヤ4を保管する場合には、図示しない搬送装置により水平方向に移動して載置台90の上方に位置決めした後、垂直方向に下降させ、タイヤ穴に柱状予熱用コイル99を挿通させながら載置台90に載置する。この後、図示しない回転駆動装置により回転支持軸98を介して柱状予熱用コイル99を生タイヤ4の内部側において旋回させるとともに、図示しない高周波電源から高周波電力を柱状予熱用コイル99に供給する。
【0063】
高周波電力が供給された柱状予熱用コイル99は、トレッド部4aおよびビード部4c・4c’に高周波磁界を高い磁束密度で印加することによって、各ビード部4c・4c’のビードワイヤ52を効率良く誘導加熱するとともに、トレッド部4aのベルト部材56を効率良く誘導加熱する。これにより、加硫成形時に特に昇温の遅れる大きな肉厚のトレッド部4aおよびビード部4c・4c’のタイヤ内部の予熱を十分に行うことができる。
【0064】
また、柱状予熱用コイル99が回転支持軸98を中心に旋回されているため、生タイヤ4に沿って柱状予熱用コイル99が相対移動した状態となる。したがって、柱状予熱用コイル99が低い組付け精度や加工精度等により生タイヤ4におけるトレッド部4aおよびビード部4c・4c’に不均一に高周波磁界を印加することになっていても、生タイヤ4の全体にわたって高周波磁界を均等に印加して誘導加熱することができる。これにより、柱状予熱用コイル99を高精度に組付けたり、加工したりする必要がないため、組付け作業および加工作業を容易化することができる。
【0065】
また、図10(a)・(b)の構成を詳細に説明すると、生タイヤ予熱装置は、生タイヤ4を載置する載置台90を有している。載置台90の下面中心部には、回転軸95を介して図示しない回転駆動装置および昇降装置が連結されており、回転駆動装置は、生タイヤ4の保管時に載置台90と共に生タイヤ4を水平方向に回転させる。また、昇降装置は、保管時に図示実線の保管位置に載置台90を上昇させる一方、生タイヤ4の搬入出時に生タイヤ4を図示二点鎖線で示す搬入出位置に下降させる。
【0066】
載置台90の内部には、下ビード部予熱用コイル92が設けられている。下ビード部予熱用コイル92は、下ビード部4cのビードワイヤ52(金属製部材)に強度の高周波磁界を印加するため、下ビード部4cに沿うように配置されている。一方、載置台90の上方には、上ビード部予熱用コイル100が配設されている。上ビード部予熱用コイル100には、生タイヤ4のタイヤ径に略一致したコイル径に設定されている。そして、上ビード部予熱用コイル100は、上ビード部4c’のビードワイヤ52(金属製部材)に強度の高周波磁界を印加するため、上ビード部4c’の僅かに上方位置で上ビード部4c’に沿うように配置されている。
【0067】
さらに、生タイヤ予熱装置は、逆U字形状に形成された部分予熱用コイル101を有している。部分予熱用コイル101は、載置台90に生タイヤ4が載置されて保管位置(図示実線)に上昇されたときに、この生タイヤ4のトレッド部4aの一部に沿うように配置されている。そして、部分予熱用コイル101は、高周波電源102に接続されており、高周波電源102からの電力供給により高周波磁界をトレッド部4aに印加する。
【0068】
生タイヤ4を保管する場合には、載置台90を搬入出位置まで下降させた後、生タイヤ4を図示しない搬送装置により移動して載置台90と上ビード部予熱用コイル100との間に位置決めする。そして、生タイヤ4を垂直方向に下降させて載置台90に載置する。この後、載置台90を図示実線の保管位置まで上昇させることによって、載置台90上の生タイヤ4を部分予熱用コイル101および上ビード部予熱用コイル100に近接させる。
【0069】
上記のようにして生タイヤ4を保管位置にセットすると、図示しない回転駆動装置により載置台90を介して生タイヤ4を水平方向に回転させると共に、高周波電源102等から高周波電力を各予熱用コイル92・100・101に供給する。高周波電力が供給された下ビード部予熱用コイル92および上ビード部予熱用コイル100は、ビード部4c・4c’の全体に高周波磁界を高い磁束密度で印加することによって、ビード部4c・4c’のビードワイヤ52全体を効率良く誘導加熱する。
【0070】
また、部分予熱用コイル101は、トレッド部4aのベルト部材56の一部分、即ち、コイル101に最も近接した部分を効率良く誘導加熱する。この際、生タイヤ4が回転されているため、部分予熱用コイル101は、生タイヤ4のトレッド部4aに沿って相対移動した状態になっている。したがって、部分予熱用コイル101がトレッド部4aの一部分を加熱した場合であっても、生タイヤ4の回転によりトレッド部4aの全体にわたって高周波磁界を均等に印加して誘導加熱した場合と同等の状態になる。この結果、トレッド部4aの全体を囲むように予熱用コイルを形成した場合よりも、部分予熱用コイル101を小さなサイズで形成することができるため、生タイヤ予熱装置を小型化および小電力化することができる。
【0071】
さらに、生タイヤ4が回転されているため、生タイヤ4に沿って上ビード部予熱用コイル100も相対移動した状態となる。従って、上ビード部予熱用コイル100が低い組付け精度や加工精度等により生タイヤ4の上ビード部4c’に不均一に高周波磁界を印加することになっていても、生タイヤ4の全体にわたって高周波磁界を均等に印加して誘導加熱することができる。これにより、上ビード部予熱用コイル100を高精度に組付けたり、加工したりする必要がないため、組付け作業および加工作業を容易化することができる。
【0072】
なお、図8または図10の生タイヤ予熱装置においては、図示しない回転駆動装置や回転軸95等により生タイヤ4と予熱用コイル(上ビード部予熱用コイル94等)との何れか一方を回転させる移動機構を構成しているが、これに限定されるものではない。すなわち、移動機構は、載置台90(タイヤ支持手段)上の生タイヤ4に沿って生タイヤ4の周方向に予熱用コイルを相対移動させるように、載置台90の回転移動および予熱用コイルの旋回移動のうちの少なくとも一方を行う移動手段を備えた構成になっていれば良い。
【0073】
また、図11のように、部分予熱用コイル111を生タイヤ4の内側に配設することができる。図10と異なる点は、生タイヤ4のトレッド部予熱用コイル111が生タイヤの内側であって、トレッド4aの一部に沿うように生タイヤ4の内側に配置されている点である。その他の点は、図11と同様であるため、同じ符号を付して詳細説明を省略している。部分予熱用コイル111は、載置台90に生タイヤ4が載置されて保管位置(図示実線)に上昇されたときに、外側に向けて移動し、生タイヤ4のトレッド部4aの一部に沿うように生タイヤ4の内側に配置される。
【0074】
図10のように、生タイヤ4の外側に部分予熱用コイル101を配置した場合には、タイヤの種類によって、コイル101と金属製のベルト部材56との距離が遠くなることがあった。しかし、生タイヤ4の内面側にあるインナ−ライナ部は、生タイヤ4の外側にある厚肉のトレッド層とは異なり、十分に薄い構造であるうえに、厚みの変動が少ない。したがって、図11のように、部分予熱用コイル111を生タイヤのトレッド部4aの一部に沿うように生タイヤ4の内側に配置することにより、コイル111と金属製のベルト部材56の距離が近くなり、ベルト部材(金属製部材)56に対して十分な交番磁界を印加することが可能となる。
【0075】
また、部分予熱用コイル111で形成される高周波磁界を金属製のベルト部材56に導くために、生タイヤのトレッド部4aの一部に沿うように、磁性材料112,112を配置することができる。部分予熱用コイル111周囲に発生した交番磁界は、磁性材料112,112を経て生タイヤ4内部の金属製のベルト部材56を通過するため、金属製のベルト部材56を通過する磁束密度が大きくなり、トレッド部4aのベルト部材56の周方向の一部分を効率良く誘導加熱する。この際、生タイヤ4が回転されているため、部分予熱用コイル111および磁性材料112は、生タイヤ4のトレッド部4aに沿って相対移動した状態になっている。したがって、部分予熱用コイル111がトレッド部4aの一部分を加熱した場合であっても、生タイヤ4の回転によりトレッド部4aの全体にわたって高周波磁界を均等に印加して誘導加熱した場合と同等の状態になる。
【0076】
また、図12のように、部分予熱用コイルなどと生タイヤの相対位置関係を変更することができる。図10のものと異なる点は、部分予熱用コイル121、下ビード部予熱用コイル122および上ビード部予熱用コイル123が、それぞれ相対距離調節手段である油圧サ−ボアクチュエ−タ125,126,127に接続されている点である。その他の点は図10と同様であり、同じ符号を付してその詳細説明を省略する。この油圧サ−ボアクチュエ−タ125,126,127を作動させることにより、部分予熱用コイル121を生タイヤ4の径方向に移動させることができ、下ビード部予熱用コイル122および上ビード部予熱用コイル123をそれぞれ上下方向に移動させることができるようになっている。
【0077】
ここで、誘導用加熱コイル周辺に発生する交番磁界の磁束密度は、誘導用加熱コイルからの距離に応じて異っている。したがって、各予熱用コイルを移動させて、生タイヤとの距離を調節することで、各金属部材を通過する磁束密度を各金属製部材の材料構成および形状に応じて適切に調節することができるため、効率よく生タイヤを加熱することができる。
【0078】
また、図12では相対距離調節手段として、油圧サ−ボアクチュエ−タ125,126,127を使用しているが、モ−タとラック&ピニオンとを組み合わせた機構とするなど適宜設計変更してもよい。さらに、ここではコイル121,122,123を生タイヤ4に対して移動させているが、反対に生タイヤ4に相対距離調節手段を設けて、コイル121,122,123に対して生タイヤ4を移動させてもよい。
【0079】
また、図13のように、部分予熱用コイルなどにおける周波数を変更することができる。図10のものと異なる点は、部分予熱用コイル101に対する周波数変更手段を備えた高周波電源回路が示されている点である。その他の点は図10と同様であるため、同じ符号を付して詳細説明を省略する。高周波電源回路131は、交流電源132と、整流回路133と、インバータ134と、ドライバ135と、電圧検出器136と、共振用コンデンサ137を備えて構成される。
【0080】
交流電源132は整流回路133で直流に変換され、インバータ134のスイッチング素子の開閉により所定周波数の交流電源に変換される。インバータ134のスイッチング素子の開閉はドライバ135によって制御される。すなわち、ドライバ135によって、周波数を広いレンジにわたって変更可能である。周波数変更手段であるドライバ135によって、交流電源周波数を好ましくは50Hz〜100KHz、更に好ましくは10〜30KHzで変更可能とすることが好ましい。生タイヤ4のサイズや種類によって、金属製のベルト部材56の構成が異なるため、その線径、電流浸透深さに応じて、適切な周波数に変更して設定することにより、発熱効率を向上させ、ベルト部材56の発熱のバラツキを抑えることができる。
【0081】
ベルト部材56は絶縁物の内部にあり、細い金属ワイヤ又は金属板で形成されているため、部分予熱用コイル101から発する磁場が直行する断面積が小さく、誘導渦電流が流れにくい。すなわち、高周波電源回路131の力率が低くなる。そこで、部分予熱用コイル101に並列または直列に共振電流を生じさせるコンデンサ137を接続することが望ましい。例えば、インバータ134のスイッチング周波数をf0とすると、コンデンサ137の共振周波数がf1=f0×n(2以上の整数)となるように、コンデンサ137の静電容量を決める。すると、コイル101に流れる電流i1は、インバータ134における電流i0に対して2倍以上となり、インバータ134及びコンデンサ137までの配線の電流量が少なくなって発熱か抑えられ、高周波電源回路131の全体の力率が改善される。
【0082】
インバータ134の周波数f0からコンデンサ137の共振周波数f1を一義的に決める方法を説明したが、図示のように、コンデンサ137の電圧を検出する電圧検出部136を設け、インバータ134の任意の周波数に対応する方法とすることができる。コンデンサ137の両端の電圧を電圧検出部136でリアルタイムに測定し、インバータ134のスイッチング素子のオンオフタイミングを前記電圧値のフィードバック値で行う。具体的には、コンデンサ137とコイル101の共振が一周期完了した付近でインバータのスイッチングをオンにする制御を行う。
【0083】
いま、トレッド予熱用コイル101に対して周波数変更手段を備えた高周波電源回路を示したが、ビード部予熱用コイルに対して周波数変更手段を備えた高周波電源回路が形成されるものであっても同様の効果がある。
【0084】
また、図14により、好ましい誘導加熱の形態を説明する。図14(a)・(b)の構成を詳細に説明すると、生タイヤ予熱装置は、生タイヤ4を載置する載置台140と、載置台140上の生タイヤ4のトレッド部4aに沿うように配置され、高周波磁界を生成するトレッド部予熱用コイル144と生タイヤ4のビード部4cおよび4c’に沿うように配置され、高周波磁界を生成するビード部予熱用コイル146、147を有している。載置台140の下面中心部には、回転軸141を介して図示しない回転駆動装置が連結されており、回転駆動装置は、生タイヤ4の保管時に載置台140とともに生タイヤ4を水平方向に回転させる。また、載置台140の上方には、支持部材142が配置され、支持部材142の上面中心部には、支持軸143を介して図示しない昇降装置が連結されている。
【0085】
トレッド部予熱用コイル144は、生タイヤ4のトレッド部4aの一部に沿うように、生タイヤ4の外側に配置されている。トレッド部予熱用コイル144は、コイルをらせん状に巻いたもので、その中心部にはコア(磁性材料)が配置されている。また、トレッド部予熱用コイル144は、トレッド部4aの形状に沿うような形状になっている。ここで、トレッド部予熱用コイル144周囲に形成される高周波磁界の磁場の方向がトレッド部4aの金属製のベルト部材56の周方向の一部分に沿う方向に一致するように配置されている。
【0086】
また、下ビード部予熱用コイル146は、下ビード部4cのビードワイヤ52(金属製部材)に強度の高周波磁界を印加するため、下ビード部4cの僅かに下方位置で下ビード部4cに沿うように配置されている。下ビード部予熱用コイル146は、コイルを面状に渦巻き状に巻いたもので、この渦巻き状コイルは、中央貫通部の周りを囲むようにコイルの束なった電線巻部で構成されている。ここでは、その電線巻部が60mm以上で、かつ中央貫通部の幅が電線巻部と同程度であるものを使用している。
【0087】
一方、上ビード部予熱用コイル147は、上ビード部4c’のビードワイヤ52(金属製部材)に強度の高周波磁界を印加するため、上ビード部4c’の僅かに上方位置で上ビード部4c’に沿うように配置されている。上ビード部予熱用コイル147は、下ビード部予熱用コイル146と同形状のものを使用している。
【0088】
また、生タイヤ4のトレッド部の外面および内面にそれぞれ1個ずつ温度センサ148が配置されている。この温度センサ148により、生タイヤ4の外面および内面の温度を検知することで、トレッド部4aの金属製のベルト部材56の温度を推定して所望の温度に維持するような制御を実施することが可能である。ここで、生タイヤ4の表面温度を検知するために配置する温度センサの数量および配置する位置は適宜変更してもよい。さらに、温度センサとしては、接触式のものまたは非接触式のもののいずれを使用してもよい。また、温度センサは制御用に用いられるだけでなく、エラー検出としても使用できる。例えば、予熱開始後の2〜3分後の昇温(ΔT℃)を判定し、予熱状態が良好であるか否かを判定する。
【0089】
また、生タイヤ4の外面に接するようにガイドロ−ラ149が設置されている。生タイヤ4は、保管時に載置台140および回転支持部材142とともに水平方向に回転する際、生タイヤ4の外表面がガイドロ−ラ149に案内されながら回転する。また、ガイドローラ149は生タイヤの内表面に接するように配置することもできる。
【0090】
また、トレッド部予熱用コイル144は、生タイヤ4と生タイヤ4と反対側に設置された生タイヤ4’に挟まれるように配置され、生タイヤ4および生タイヤ4’のそれぞれのトレッド部4aおよび4a’の一部に沿うように配置されている。
【0091】
上記の構成において、生タイヤ4を保管する場合には、図示しない搬送装置により水平方向に移動して載置台90の上方に位置決めした後、垂直方向に支持部材142を下降させ載置台140上方に載置する。この後、図示しない回転駆動装置により回転軸141を介して載置台140および生タイヤ4を水平方向に回転させるとともに、図示しない高周波電源から高周波電力を各予熱用コイル144・146・147に供給する。
【0092】
高周波電力が供給されたトレッド部予熱用コイル144は、トレッド部4aに高周波磁界を高い磁束密度で印加することによりトレッド部4aのベルト部材56を効率良く誘導加熱する。特に、トレッド部4aの金属製のベルト部材56に対して、その周方向に高周波磁界が形成されている場合には、高周波磁界は金属製のベルト部材56に沿って形成されるため、金属製のベルト部材56を通過する磁束密度が大きくなり、トレッド部4aのベルト部材56の周方向の一部分を効率良く誘導加熱することができる。
【0093】
一方、各ビード部予熱用コイル146・147は、各ビード部4c・4c’に対して高周波磁界を高い磁束密度でそれぞれ印加することにより各ビード部4c・4c’のビードワイヤ52を効率良く誘導加熱する。特に、渦巻き状のビード部予熱用コイル146・147を使用した場合には、下ビード部4cおよび上ビード部4c’のビードワイヤ52(金属製部材)の周方向に沿った高周波磁界が形成される。したがって、生タイヤの外表面とコイルが離れている場合においても、加硫成形時に特に昇温の遅れる大きな肉厚のビード部4c・4c’のビードワイヤ52に対して十分な交番磁界を印加することが可能となる。
【0094】
また、生タイヤ4は水平方向に回転されているため、生タイヤ4に沿ってトレッド部予熱用コイル144、下ビード部予熱用コイル146および上ビード部予熱用コイル147が相対移動した状態となる。したがって、予熱用コイル144・146・147が低い組付け精度や加工精度等により生タイヤ4におけるトレッド部4a、下ビード部4cおよび上ビード部4c’に不均一に高周波磁界を印加することになっていても、生タイヤ4の全体にわたって高周波磁界を均等に印加して誘導加熱することができる。これにより、予熱用コイル144・146・147を高精度に組付けたり、加工したりする必要がないため、組付け作業および加工作業を容易化することができる。
【0095】
さらに、生タイヤ4の外表面を案内できるガイドローラが設置されていることにより、トレッド部4aの金属製のベルト部材56とトレッド部予熱用コイル144との相対距離が一定に保たれ、ベルト部材56を通過する磁場の磁束密度を一定に維持できるため、加熱部の温度ムラを低減することができる。
【0096】
また、トレッド部予熱用コイル144が、生タイヤ4および生タイヤ4a’に挟まれるように配置され、それぞれ回転されることで、生タイヤ4および生タイヤ4a’のトレッド部4aおよび4a’の金属製のベルト部材56を同時に誘導加熱することができる。また、1個の高周波電源に複数のコイルを接続して、複数の生タイヤ予熱装置をまとめて制御することもできる。以上のような構成にすると、個々の生タイヤ予熱装置に対して、個別に高周波電源およびコイルを設置する必要がないので、生タイヤ予熱装置のコストを削減することが可能となる。
【0097】
【発明の効果】
1の発明は、生タイヤ予熱方法であって、タイヤ内部に金属製部材が埋め込まれた生タイヤの加硫成形前に、前記金属製部材を誘導加熱する構成である。上記の構成によれば、加硫成形前に金属製部材を誘導加熱することによって、加硫成形時に最も昇温の遅れるタイヤ内部側を優先的に加熱しながら予熱することができるため、加硫成形を短時間で完了することができるという効果を奏する。
【0098】
2の発明は、第1の発明の生タイヤ予熱方法であって、トレッド部、ビード部およびサイドウオール部のタイヤ内部に埋め込まれた金属製部材のうちの少なくとも一方を誘導加熱する構成である。上記の構成によれば、特に大きな肉厚を有したトレッド部および/またはビード部のタイヤ内部を予熱することができるため、加硫成形をより確実に短時間で完了することができるという効果を奏する。
【0099】
3の発明は、第2の発明の生タイヤ予熱方法であって、前記トレッド部の内部に埋め込まれた前記金属製部材を前記生タイヤの内側から誘導加熱する構成である。上記の構成によれば、生タイヤの内側はタイヤの種類による厚み変動が少なく十分に薄いため、誘導加熱するためのコイル手段と金属製部材の距離が近くなり、十分な交番磁界を前記金属製部材に印加することが可能となり、金属製部材を効率良く誘導加熱することが可能という効果を奏する。
【0100】
4の発明は、第1または第2の発明の生タイヤ予熱方法であって、誘導加熱が高周波磁界を生成するコイルによって行われ、高周波磁界の周波数が、生タイヤ内部の金属製部材の構成に応じて変更される構成である。上記の構成によれば、タイヤ内部に埋め込まれた金属製部材の構成は、タイヤの種類またはサイズによって異なり、その線径または電流浸透深さに応じて適切な周波数を変更することができるため、金属製部材を効率良く誘導加熱することが可能である。これにより、加硫成形時に特に昇温の遅れる大きな肉厚のトレッド部および/またはビード部のタイヤ内部の予熱を十分に行うことができるという効果を奏する。
【0101】
5の発明は、第1または第2の発明の生タイヤ予熱方法であって、誘導加熱が高周波磁界を生成するコイルによって行われ、コイルと生タイヤの相対距離が、生タイヤ内部の金属製部材の構成に応じて調節される構成である。上記の構成によれば、金属製部材の材料構成または形状に応じて、金属製部材を通過する磁束密度を調節することができるため、金属製部材を効率良く誘導加熱することが可能である。これにより、加硫成形時に特に昇温の遅れる大きな肉厚のトレッド部および/またはビード部のタイヤ内部の予熱を十分に行うことができるという効果を奏する。
【0102】
6の発明は、第1または第2の発明の生タイヤ予熱方法であって、加硫成形するまでの間に、誘導加熱中および加熱の終了した生タイヤを保温する構成である。上記の構成によれば、生タイヤ内部の金属製部材を誘導加熱することにより予熱された生タイヤからの放熱による温度の低下を防止するとともに、生タイヤの均熱性を向上させるという効果を奏する。
【0103】
7の発明は、生タイヤ予熱装置であって、タイヤ内部に金属製部材が埋め込まれた生タイヤに対して予熱を行う生タイヤ予熱装置であって、生タイヤを所定姿勢で着脱可能に支持するタイヤ支持手段と、タイヤ支持手段に支持された生タイヤに対して高周波磁界を印加することによって、生タイヤの金属製部材を高周波磁界により誘導加熱するコイル手段とを有する構成である。上記の構成によれば、生タイヤをタイヤ支持手段に装着して加硫成形前に一時保管しながら、コイル手段の高周波磁界により金属製部材を誘導加熱させることができる。したがって、加硫成形時に最も昇温の遅れるタイヤ内部側を優先的に加熱しながら予熱することができるため、加硫成形を短時間で完了することができるという効果を奏する。
【0104】
8の発明は、第7の発明の生タイヤ予熱装置であって、生タイヤは、金属製部材が少なくともトレッド部およびビード部のタイヤ内部にそれぞれ埋め込まれており、コイル手段は、生タイヤのトレッド部に沿うように配置され、高周波磁界を生成するトレッド部予熱用コイル手段と、生タイヤのビード部に沿うように配置され、高周波磁界を生成するビード部予熱用コイル手段とを有する構成である。上記の構成によれば、生タイヤのトレッド部に沿うように配置されたトレッド部予熱用コイル手段がトレッド部に対して高周波磁界を高い磁束密度で印加することによって、トレッド部の金属製部材を効率良く誘導加熱する。一方、生タイヤのビード部に沿うように配置されたビード部予熱用コイル手段がビード部に対して高周波磁界を高い磁束密度で印加することによって、ビード部の金属製部材を効率良く誘導加熱する。これにより、加硫成形時に特に昇温の遅れる大きな肉厚のトレッド部およびビード部のタイヤ内部の予熱を十分に行うことができるという効果を奏する。
【0105】
9の発明は、第7の発明の生タイヤ予熱装置であって、生タイヤは、金属製部材が少なくともトレッド部およびビード部のタイヤ内部にそれぞれ埋め込まれており、コイル手段は、生タイヤのタイヤ穴に挿通可能であると共に、生タイヤの両ビード部に両端部が位置するように形成および配置された柱状予熱用コイルを備える構成である。上記の構成によれば、タイヤ穴に挿通された柱状予熱用コイルから生成された高周波磁界がトレッド部の金属製部材およびビード部の金属製部材を誘導加熱することによって、加硫成形時に特に昇温の遅れる大きな肉厚のトレッド部およびビード部のタイヤ内部の予熱を十分に行うことができる。さらに、一つの柱状予熱用コイルのみでトレッド部およびビード部の金属製部材を誘導加熱することができるため、部品コストおよび組立コストを低減することができるという効果を奏する。
【0106】
10の発明は、第7乃至第9の発明のいずれかの生タイヤ予熱装置であって、前記コイル手段による高周波磁界を前記金属製部材に導くための磁性材料を配置した構成である。上記の構成によれば、コイル手段により生成される高周波磁界が金属製部材を通過して、磁性材料へ収束するように形成されるため、金属製部材を通過する磁束密度が大きくなり、加硫成形時に特に昇温の遅れる大きな肉厚のトレッド部およびビード部のタイヤ内部の予熱を十分に行うことができるという効果を奏する。
【0107】
11の発明は、第7の発明の生タイヤ予熱装置であって、タイヤ支持手段に支持された生タイヤに沿って生タイヤの周方向にコイル手段を相対移動させるように、タイヤ支持手段の回転移動およびコイル手段の旋回移動のうちの少なくとも一方を行う移動手段を有する構成である。上記の構成によれば、生タイヤに沿いながらコイル手段が相対移動するため、低い組付け精度や加工精度等によりコイル手段が生タイヤの一部に強い高周波磁界を印加することになっていても、生タイヤの全体にわたって強い高周波磁界を均等に印加して誘導加熱することができる。したがって、コイル手段を小型化することができるとともに、コイル手段の組付け作業を容易化することができるという効果を奏する。
【0108】
12の発明は、第7乃至第9の発明、第11の発明のいずれかの生タイヤ予熱装置であって、コイル手段に対する高周波磁界を生成するための高周波電源がその周波数を可変とする周波数変更手段を備えている構成である。上記の構成によれば、タイヤ内部に埋め込まれた金属製部材の構成は、タイヤの種類またはサイズによって異なり、その線径または電流浸透深さに応じて適切な周波数を変更することができるため、金属製部材を効率良く誘導加熱することが可能である。これにより、加硫成形時に特に昇温の遅れる大きな肉厚のトレッド部およびビード部のタイヤ内部の予熱を十分に行うことができるという効果を奏する。
【0109】
13の発明は、第12の発明の生タイヤ予熱装置であって、前記コイル手段に、共振電流を生じさせるコンデンサを接続した構成である。上記の構成によれば、コンデンサにより共振回路が形成されるため、装置全体の発熱効率が良くなるとともに、力率を改善することができ、金属製部材を効率良く誘導加熱することが可能である。これにより、加硫成形時に特に昇温の遅れる大きな肉厚のトレッド部およびビード部のタイヤ内部の予熱を十分に行うことができるという効果を奏する。
【0110】
14の発明は、第7乃至第9の発明、第11の発明のいずれかの生タイヤ予熱装置であって、タイヤ内部に埋め込まれた金属製部材に対して、コイル手段を近接離反自在に調節可能とするように相対距離調節手段を有する構成である。上記の構成によれば、金属製部材の材料構成または形状に応じて、金属製部材を通過する磁束密度を調節することが可能であるため、金属製部材を効率良く誘導加熱することが可能である。これにより、加硫成形時に特に昇温の遅れる大きな肉厚のトレッド部およびビード部のタイヤ内部の予熱を十分に行うことができるという効果を奏する。
【0111】
15の発明は、第11の発明の生タイヤ予熱装置であって、移動はタイヤ支持手段に支持された生タイヤのタイヤ中心軸が回転中心となるように、タイヤ支持手段を回転移動させる回転移動機構を有し、コイル手段は、生タイヤのトレッド部および/またはビード部の一部に沿うように配置され、高周波磁界を生成する部分予熱用コイルを有する構成である。上記の構成によれば、部分予熱用コイルを小さなサイズで形成することができるため、予熱装置を小型化することができるという効果を奏する。
【0112】
16の発明は、第15の発明の生タイヤ予熱装置であって、前記トレッド部に対する部分予熱用コイル手段を、前記生タイヤの内側に配置した構成である。上記の構成によれば、生タイヤの内側はタイヤの種類による厚み変動が少なく十分に薄いため、トレッド部予熱用コイル手段と金属製部材の距離が近くなる。十分な交番磁界を金属製部材に印加することが可能となり、金属製部材を効率良く誘導加熱することが可能になるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態に係る保管工程における加硫機の側面の模式的な断面図である。
【図2】本発明の一実施の形態に係るタイヤを製造工程を示す概略図である。
【図3】本発明の一実施の形態に係る加硫工程における加硫機(生タイヤ搬入時)の側面の模式的な断面図である。
【図4】本発明の一実施の形態に係る加硫工程における加硫機(生タイヤ型締時)の側面の模式的な断面図である。
【図5】本発明の一実施の形態に係る加硫工程における加硫機(生タイヤ型締完了時)の側面の模式的な断面図である。
【図6】加硫中のタイヤ金型および生タイヤの模式的な断面図である。
【図7】生タイヤの要部を示す分解斜視図である。
【図8】保管工程で生タイヤを予熱しながら保管する状態を示す説明図であり、(a)は平面視した状態、(b)は(a)のX−X線矢視断面の状態である。
【図9】保管工程で生タイヤを予熱しながら保管する状態を示す説明図であり、(a)は平面視した状態、(b)は(a)のX−X線矢視断面の状態である。
【図10】保管工程で生タイヤを予熱しながら保管する状態を示す説明図であり、(a)は平面視した状態、(b)は(a)のX−X線矢視断面の状態である。
【図11】保管工程で生タイヤを予熱しながら保管する状態を示す説明図であり、(a)は平面視した状態、(b)は(a)のX−X線矢視断面の状態である。
【図12】保管工程で生タイヤを予熱しながら保管する状態を示す説明図であり、(a)は平面視した状態、(b)は(a)のX−X線矢視断面の状態である。
【図13】保管工程で生タイヤを予熱しながら保管する状態を示す説明図であり、(a)は平面視した状態、(b)は(a)のX−X線矢視断面の状態である。
【図14】保管工程で生タイヤを予熱しながら保管する状態を示す説明図であり、(a)は平面視した状態、(b)は(a)のX−X線矢視断面の状態である。
【符号の説明】
1 加硫機
2 モールド固定部
3 モールド昇降部
4 生タイヤ
5 下サイドモールド
6 下プラテン
10 中心機構
12 下部リング
18 第1誘導加熱コイル
19 上部リング
20 ブラダ
22 センターポスト
23 第2誘導加熱コイル
24 高周波電源
25 上サイドモールド
26 割りモールド
27 第1モールド昇降機構
28 上加熱機構
29 第2モールド昇降機構
39 第4誘導加熱コイル
41 第3誘導加熱コイル
61 タイヤ成形機
62 第1駆動装置
63 第2駆動装置
64 第1チャック機構
65 第2チャック機構
71 保持機構
80 保管倉庫
81 保管部
83 予熱用誘導加熱コイル
90 載置台
91 トレッド部予熱用コイル
92 下ビード部予熱用コイル
94 上ビード部予熱用コイル
95 回転軸
98 回転支持軸
99 柱状予熱用コイル
100 上ビード部予熱用コイル
101 部分予熱用コイル
102 高周波電源

Claims (7)

  1. 少なくともトレッド部およびビード部のそれぞれに金属製部材が埋め込まれた生タイヤの加硫成形前に、前記トレッド部に沿うように配置されたトレッド部予熱用コイル手段と前記ビード部に沿うように配置されたビード部予熱用コイル手段とにより、前記トレッド部および前記ビード部に埋め込まれた前記金属製部材を誘導加熱することを特徴とする生タイヤ予熱方法。
  2. タイヤ内部に金属製部材が埋め込まれた生タイヤに対して予熱を行う生タイヤ予熱装置であって、
    前記生タイヤを所定姿勢で着脱可能に支持するタイヤ支持手段と、前記タイヤ支持手段に支持された生タイヤに対して高周波磁界を印加することによって、前記生タイヤの金属製部材を前記高周波磁界により誘導加熱するコイル手段とを有し、
    前記生タイヤは、前記金属製部材が少なくともトレッド部およびビード部のタイヤ内部にそれぞれ埋め込まれており、前記コイル手段は、前記生タイヤのトレッド部に沿うように配置され、前記高周波磁界を生成するトレッド部予熱用コイル手段と、前記生タイヤのビード部に沿うように配置され、前記高周波磁界を生成するビード部予熱用コイル手段とを有することを特徴とする生タイヤ予熱装置。
  3. タイヤ内部に金属製部材が埋め込まれた生タイヤに対して予熱を行う生タイヤ予熱装置であって、
    前記生タイヤを所定姿勢で着脱可能に支持するタイヤ支持手段と、前記タイヤ支持手段に支持された生タイヤに対して高周波磁界を印加することによって、前記生タイヤの金属製部材を前記高周波磁界により誘導加熱するコイル手段とを有し、
    前記生タイヤは、前記金属製部材が少なくともトレッド部およびビード部のタイヤ内部にそれぞれ埋め込まれており、前記コイル手段は、前記生タイヤのタイヤ穴に挿通可能であるとともに、前記生タイヤの両ビード部に両端部が位置するように形成および配置された柱状予熱用コイル手段を備えることを特徴とする生タイヤ予熱装置。
  4. 前記コイル手段による高周波磁界を前記金属製部材に導くための磁性材料を配置したことを特徴とする請求項または請求項に記載の生タイヤ予熱装置。
  5. 前記コイル手段に対する高周波磁界を生成するための高周波電源がその周波数を可変とする周波数変更手段を備えていることを特徴とする請求項または請求項に記載の生タイヤ予熱装置。
  6. 前記タイヤ支持手段に支持された生タイヤに沿って前記生タイヤの周方向に前記コイル手段を相対移動させるように、前記タイヤ支持手段の回転移動および前記コイル手段の旋回移動のうちの少なくとも一方を行う移動手段を有することを特徴とする請求項に記載の生タイヤ予熱装置。
  7. 前記移動手段は、前記タイヤ支持手段に支持された生タイヤのタイヤ中心軸が回転中心となるように、前記タイヤ支持手段を回転移動させる回転移動機構を有することを特徴とする請求項に記載の生タイヤ予熱装置。
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