JP3916726B2 - 化合物半導体発光素子 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、化合物半導体発光素子、特に発光ダイオード、半導体レーザに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の一般的なチップ状の化合物半導体発光素子(以下、「素子」と略す)の概略製造方法および検査方法は以下の通りである。
先ず、略円板状の半導体基板上に所定の半導体薄膜層が積層された化合物半導体薄膜層付基板に対して、その裏面全体に例えば負電極を設ける。
次に、化合物半導体薄膜層付基板の表面に複数の正電極を規則的に所定の隙間を開けた状態に設ける。
次に、エッチング加工法等を用いて化合物半導体薄膜層付基板の表面側から前記正電極間の隙間に対して、前記半導体薄膜層よりも深く、縦横に溝を形成する。この段階で化合物半導体薄膜層付基板の表面の正電極側が複数の発光部として機能するように形成されている(また、1個の発光部に対して通常1個の正電極が設けられている状態となる)。そして、この段階で、前記発光部を検査していく。
【0003】
検査装置の概略構成は、所定の検査用電圧を発生する電源部と、その電源部から延びる2つの電極部(1つは針状の電極部)と、針状の電極部を自動的に所定の間隔ごとに移動させ(所定の電極に位置させ)る針状の電極部の移動装置部と、被検査化合物半導体薄膜層付基板上の発光部からの発光量を測定する受光部とからなる。
その検査装置を使用して、化合物半導体薄膜層付基板の裏面全体に形成された負電極に対して、検査用の所定電圧の一端側(零ボルトつまりアース)の電極部を接続する。
また、もう一方の電極部(針状の電極部)の先端を前記発光部上の正電極に接触させる。よって、正電極と負電極間に所定の検査用電圧が印加されるので、この電圧が印加されている1個の発光部のみが発光する。
この発光している発光部の上に検査装置の受光部を位置させ、発光量を測定する。
この操作を複数個設けられた発光部毎に行う。
【0004】
この検査の後に、既に形成済の溝に沿ってダイサー(切断加工または切溝加工する装置)を使用して、溝を掘り進め、完全に前記発光部間を切断して、複数個の素子に分離する。この後に各素子は、通常それぞれワイヤーボンディングされ、樹脂モールドまたはキャンパッケージ等にて封止され完成品となる。
【0005】
ところが、青色LED等の化合物半導体発光素子(以下、「素子」と略す)においては、例えば絶縁性の基板(サファイア基板等)を用い、その基板の上に化合物半導体薄膜層を積層して、上記で言う化合物半導体薄膜層付基板の段階としてある。
したがって、上述してきたような化合物半導体薄膜層付基板の裏側が導電性のある半導体基板ではなく、絶縁性の基板であるため、化合物半導体薄膜層付基板の裏側全面に電極を設けただけでは所定の配線を行ったことにはならない。
【0006】
そのため、青色LED等の素子においては、以下のような電極形成構造・製造方法がとられてきた。
【0007】
電極形成構造としては、以下の▲1▼▲2▼の構造がある。
▲1▼素子の片面(表面)に正電極および負電極を形成した構造〔特開平7−94782号公報参照〕。
▲2▼素子の表面に正電極、裏面に負電極を形成した構造。
【0008】
そしてこの▲2▼の構造に対しては、製造方法として知られているものまたは容易に考えられるものとして、以下の(A)、(B)、(C)のものがある。尚、説明を簡略化するために、化合物半導体薄膜層付基板の表側の最上面に形成されている層はP型半導体層であり、そのP型半導体層の下にN型半導体層があり、そのN型半導体層の下は絶縁性基板であるとする(したがって、化合物半導体薄膜層付基板の表側に設けられる電極が正電極であり、化合物半導体薄膜層付基板の裏側に設けられる電極が負電極となる)。
【0009】
(A)の方法:化合物半導体薄膜層付基板の表側と裏側とにそれぞれ正電極と負電極とを設けた後に、ダイサーで素子の段階まで、一気に化合物半導体薄膜層付基板を賽の目状に切断する。その後に1個の素子毎にN型半導体層から負電極にかけて配線を施す(つまり、この段階でN型半導体層と、前記配線と、化合物半導体薄膜層付基板の裏側の負電極とが相互に電気的に接続されている)。
【0010】
(B)の方法:化合物半導体薄膜層付基板の表側と裏側とにそれぞれ正電極と負電極を設けた後に、ダイサーで化合物半導体薄膜層付基板にその上面から縦横の溝をハーフダイシング(つまり、化合物半導体薄膜層付基板の厚みの半分程度まで、化合物半導体薄膜層付基板の上面から切溝加工)する。よって、化合物半導体薄膜層付基板の上面には、複数の発光部が形成されている。各発光部の周囲の溝であって各発光部側に、それぞれエッチングでスルホールを設ける。このスルホールにN型半導体層から負電極にかけて配線を施す。この後にこの配線を避けるように、前記溝の中心線沿にダイサーで前記溝よりも細い溝を掘り進め、完全に前記発光部間を切断して、複数個の素子に分離する。この段階でも、前記配線が残っているため、N型半導体層と、前記配線と、化合物半導体薄膜層付基板の裏側の負電極とが相互に電気的に接続される。
【0011】
(C)の方法:特開平7−221347号公報にて開示されているように、化合物半導体薄膜層付基板の裏側から、絶縁性基板のみをエッチング等で取り除き、露出したN型半導体層に負電極を形成する。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
従来の方法▲1▼においては、素子の両面に電極が設けられた素子と比較して、下記のように、多々の問題がある。
【0013】
素子の片面側に正電極と負電極との両極が設けられているため、両極にそれぞれ接続されるワイヤーが接触しないように、両極の間隔を開ける必要から、素子のサイズが大きめになってしまう。
また、PN接合部分の面積が減り、発光面となる側に電極の面積が広く占められ、発光面となる側にワイヤーが1本増えるため、素子の発光効率が悪い。この点からも所定の発光量を確保するために、素子の面積を大きめにする必要がある。
そのため、化合物半導体薄膜層付基板の利用効率が悪い。つまり、1枚の化合物半導体薄膜層付基板から取れる素子の数が少なくなってしまい、コスト低減上のネックとなっている。
【0014】
また、検査の段階で、従来の検査装置が使えない。
そのため、検査用電極部を2個とも針状のものに変更し、更に2つとなった検査用電極部の位置合わせの精度が従来以上に要求される特殊で非常に高額の検査装置を別途開発する必要がある。また、位置合わせの精度が従来以上に要求されるため、検査にかかる時間が増加してしまう。この点からもコスト低減上のネックとなっている。
【0015】
従来の▲2▼(A)の方法においては、素子の状態になった段階で、その素子1個毎にその側面に配線を施す必要があるので、量産工程にはなじまない。
【0016】
従来の▲2▼(B)の方法においては、絶縁性基板、高抵抗性基板にはサファイア(Al2 O3 )、シリコンカーバイド(SiC)のように、容易にエッチングできない材質のものがある。
また、仮にエッチングできるとしても通常の半導体工程では、せいぜい数ミクロンのエッチングが処理時間から考えても現実的である。発光素子の基板は、通常100ミクロンから450ミクロン程度であり、これでは時間的にかかりすぎて量産に向かない。
【0017】
従来の▲2▼(C)の方法においては、基板の厚さは通常100ミクロン程度以上は有るが、それに積層された半導体薄膜層は数ミクロンである。上記の▲2▼(B)の問題と同じく、エッチング等が困難であり、仮に出来たとしても数ミクロンである半導体薄膜層のみからなる部分は、次工程以降で非常に壊れ易く実用的な素子になりにくい。
【0018】
本発明の主たる目的は、以上のような欠点を克服し、絶縁性基板または高抵抗性基板に化合物半導体薄膜層を有する発光層が形成されてなる化合物半導体薄膜層付基板に対してダイサーにより溝部が設けられることによりこの溝部を境に複数の発光部が形成され、この発光部を前記溝部沿に所定の分離手段により分離することにより形成される(化合物半導体発光)素子を作るに際し、量産性および再現性が高くて性能を損なうことなく素子サイズを小さくして製造コストを下げることができ、また、素子の実装工程においても取り扱いが容易となるような素子の表裏に電極を持つ素子構造を提供することにある。
【0019】
【課題を解決するための手段】
上記問題を解決するために、本発明の化合物半導体発光素子は、絶縁性または高抵抗性の基板の上面側に、下側の化合物半導体薄膜層と上側の化合物半導体薄膜層とを有する発光層が形成されてなる化合物半導体薄膜層付基板に対して、この化合物半導体薄膜層付基板の上側から、下側の化合物半導体薄膜層に達する上側浅溝部が設けられることによりこの上側浅溝部を境に複数の発光部が形成され、この発光部を前記上側浅溝部に沿ってダイサー等の所定の切断手段を用いて分離することにより形成される化合物半導体発光素子であって、前記上側の化合物半導体薄膜層の上面側に形成された第1の電極と、前記基板の下面側に形成された第2の電極と、前記上側浅溝部に沿って前記化合物半導体薄膜層付基板の上側から更に深く前記基板内に達するまで形成された上側深溝部と、前記1個の発光部当たりにその下側に少なくとも1本は形成された溝であって、前記基板の下面側から前記基板内に前記上側深溝部と零度以外の所定の角度をもって形成され、且つ化合物半導体薄膜層付基板の厚みから前記上側深溝部の深さを減じた寸法よりも大きな深さを有した下側溝部と、前記上側深溝部の沿面、前記下側溝部と前記上側深溝部との交点に位置する透孔部の沿面、および前記下側溝部の沿面を経由して、前記下側の化合物半導体薄膜層から前記第2の電極に至る薄膜電極配線からなる薄膜電極配線部とを周囲に具備している。
【0020】
この手段により、化合物半導体発光素子の上下面にそれぞれ電極が設けられ、また、その電極は所定の化合物半導体薄膜層と接続されている。
また、ダイサーを用いていることができるので、エッチングによる場合よりも短時間に加工が可能である。
また、前記発光部が形成され分離されて化合物半導体発光素子となる前に従来のように、化合物半導体発光素子の下面側に電極が設けられているので、従来の発光量の検査方法がそのまま行える。
尚、この場合の化合物半導体発光素子の言葉の意味は、パッケージ等に搭載された完成品をも含むとする。
【0021】
しかも前記上側の化合物半導体薄膜層の上面側に形成された前記第1の電極は、前記上側の化合物半導体薄膜層の上面に対して一度オーミック金属を付着しアニール処理した後、前記オーミック金属のみを全部または一部除去し、その代わりに形成した透明性導電薄膜を有している。前記上側の化合物半導体薄膜層の上面に対して一度オーミック金属を付着しアニール処理することにより、前記上側の化合物半導体薄膜層の最上面には、化合物半導体とオーミック金属とによる薄い合金層ができる。この合金層により、金属と化合物半導体との間にオーミック接触ができ、電流をスムーズに流せるわけである。しかし、このオーミック金属は、光を透過しないので発光効率の点で問題がある。オーミック金属を100オングストローム程度の超薄膜にすれば、光はある程度透過するが、依然として吸収されるので発光効率の点で問題が残る。また、オーミック金属を100オングストローム程度の超薄膜に制御することは再現性に問題が残り、量産性に劣る。解決策の一例としては、発光面の一部のみにオーミック金属を形成し、前記上側の化合物半導体薄膜層でできるだけ電流を拡散させる方法がある。しかし、これは通常、上側の化合物半導体薄膜層の厚さを厚くできる場合とか、上側の化合物半導体薄膜層の抵抗率が小さい場合には利用できるが、窒化ガリウム等の青色LED等の場合には向かない。もう一つの解決策が上述のものであり、上側の化合物半導体薄膜層の上面に対して一度オーミック金属を付着しアニール処理した後、前記オーミック金属のみを一部除去し、その代わりに透明性導電薄膜を形成するものである。これによれば、前記上側の化合物半導体薄膜層の最上面には、化合物半導体とオーミック金属とによる薄い合金層ができており、オーミック金属を除去する際にその薄い合金層を残す。その上に透明性導電薄膜を形成すれば、電流は化合物半導体発光素子全体に拡散して流すことができ、なおかつ発光効率の点からも問題がない。
【0022】
また、より好ましくは、前記薄膜電極配線部の材料をAu、Al、Ti/Auのいずれかとする。これらの材料は、蒸着装置、スパッタ装置で容易に形成でき、基板との密着性において優れている。
【0023】
また、前記薄膜電極配線部の材料をITO、SnO 2 、ZnOのいずれかとすることもできる。この材料を使用することによって、化合物半導体発光素子の側面に設けられた前記薄膜電極配線部を透明導電性薄膜としたので、その部分の透光性が向上するので化合物半導体薄膜層の側面からの発光効率がよくなる。
【0024】
また、上述のように、基板が絶縁性または高抵抗性の基板の場合に限らず、通常の半導体の基板の場合、つまり上下から電極を従来の方法によって取る場合等においても有効である。すなわち、半導体の基板の上面側に、下側の化合物半導体薄膜層と、上側の化合物半導体薄膜層と、この上側の化合物半導体薄膜層の更に上面側に形成された電極とを有する化合物半導体発光素子において、前記電極は、前記上側の化合物半導体薄膜層の上面に対して一度オーミック金属を付着しアニール処理した後、前記オーミック金属のみを全部または一部除去し、その代わりに形成した透明性導電薄膜を有すると好ましい。
これにより、上述のように上側の化合物半導体薄膜層が薄いかまたは抵抗率が大きくて、化合物半導体発光素子の表面の一部に電極を設けただけでは発光層全体に電流を拡散させることができない場合の解決策として一般的に通用するものである。
特に、近年MBE(分子線結晶成長法)、MOVPE(有機金属気相成長法)で作られる化合物半導体発光素子は、膜厚を厚くすると単位時間当たりの生産性が下がり、材料コストも上がるので、できるだけ薄い膜で高性能な化合物半導体発光素子を作りたい場合が多い。したがって、これらの成長方法によるInGaAlP系高輝度LED、InGaAlN系短波長LED等には特に有効である。
【0027】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る化合物半導体発光素子の第1の実施の形態について図1〜図10を参照しつつ説明する。
図1は本発明に係る化合物半導体発光素子の第1の実施の形態における完成状態を示す斜視図、図2(A)、図2(B)は本発明に係る化合物半導体発光素子の第1の実施の形態における、その製造工程の前半部(発光部形成工程と、第1の電極形成工程と、N−クラッド層への薄膜配線の基点となる電極形成工程と)の段階を示す部分断面図、図3(A)、図3(B)はそれに引き続く製造工程の中半部(上側深溝部形成工程と、下側溝部および透孔部形成工程と)の段階を示す部分断面図、図4はそれに引き続く製造工程の後半部(薄膜電極配線部形成工程と、第2の電極形成工程と、分離工程と)の段階を示す部分断面図である。また、図5は製造工程の後半部(薄膜電極配線部形成工程と、第2の電極形成工程と、分離工程と)の段階を示す部分平面図、図6は製造工程の後半部(薄膜電極配線部形成工程と、第2の電極形成工程と、分離工程と)の段階を示す部分斜視図である。また、図7は製造工程の後半部(薄膜電極配線部形成工程と、第2の電極形成工程と、分離工程と)の段階において、形成されている溝の状況を別の角度から示した概略的斜視図、図8(A)は製造工程の後半部(薄膜電極配線部形成工程と、第2の電極形成工程と、分離工程と)の段階を示す概略的平面図、図8(B)は製造工程の後半部(薄膜電極配線部形成工程と、第2の電極形成工程と、分離工程と)の段階を示す概略的正面図、図9(A)は製造工程の後半部(薄膜電極配線部形成工程と、第2の電極形成工程と、分離工程と)の段階を示す概略的右側面図、図9(B)は製造工程の後半部(薄膜電極配線部形成工程と、第2の電極形成工程と、分離工程と)の段階を示す概略的底面図、図10は製造工程の後半部(薄膜電極配線部形成工程と、第2の電極形成工程と、分離工程と)の段階を示す底面側からの概略的斜視図である。
尚、図2(B)および図3、図4は、後述の第1の電極である正電極部150の中心を通る縦断面図である。
【0028】
本発明に係る第1の実施の形態に係る化合物半導体発光素子15は、図1の通りである。つまり、請求項1に従って概略的に説明すると、化合物半導体発光素子15は、上側の化合物半導体薄膜層であるP−クラッド層103とコンタクト層104との上面側に形成された第1の電極である正電極150と、基板であるサファイア基板100の下面側に形成された第2の電極である負電極160と、上側浅溝部(107の上部周辺に形成されている)に沿って化合物半導体薄膜層付基板(100、101、102および103に相当)の上側から更に深くサファイア基板100内に達するまで形成された上側深溝部(図1において化合物半導体発光素子15の左右の側面に位置する170の部分を取り除いた部分)と、1個の発光部(101、102および103に相当)当たりにその下側に少なくとも1本〔この実施の形態においては2本〕は形成された溝であって、サファイア基板100の下面側からサファイア基板100内に上側深溝部(図1において化合物半導体発光素子15の左右の側面に位置する170の部分を取り除いた部分)と零度以外の所定の角度〔この実施の形態においては90°〕をもって形成され、且つ化合物半導体薄膜層付基板(100、101、102および103に相当)の厚みから上側深溝部(図1において化合物半導体発光素子15の左右の側面に位置する170の部分を取り除いた部分)の深さを減じた寸法よりも大きな深さを有した下側溝部220、220と、上側深溝部(図1において化合物半導体発光素子15の左右の側面に位置する170の部分を取り除いた部分)の沿面、下側溝部220、220と上側深溝部(図1において化合物半導体発光素子15の左右の側面に位置する170の部分を取り除いた部分)との交点に位置する透孔部〔図1において化合物半導体発光素子15の左右の側面に位置する170の部分を取り除いた部分と、2つの220との交点部〕の沿面、および下側溝部220、220の沿面を経由して、下側の化合物半導体薄膜層であるN−クラッド層101から第2の電極である負電極160に至る薄膜電極配線からなる薄膜電極配線部170とを周囲に具備している。
【0029】
上記の構成を形成するための製造工程について説明する。
先ずその製造工程の前半部である発光部形成工程と、第1の電極形成工程と、N−クラッド層101への薄膜配線の基点となる電極(中段位置電極部)形成工程とを図2を参照しつつ説明する。
【0030】
発光部形成工程は、下記の通りである〔図2(A)参照〕。
絶縁性の基板としてサファイア基板100を用い、そのサファイア基板100の上面に対して下側の化合物半導体薄膜層としてN−クラッド層101を成長さる。そのN−クラッド層101の上面に対して、活性層102を成長させる。その活性層102の上面に対して、上側の化合物半導体薄膜層としてP−クラッド層103とコンタクト層104とを成長させる。
この工程は、一般的な気相エピタキシャル法や液相エピタキシャル法等の形成手段を用いて行うことができる。
ここで、コンタクト層104とは、後の工程でオーミック接触し易いようにした高ドーピング層・バンドギャップの比較的小さい層等のことをいう。コンタクト層104は、省略することができる。
【0031】
その後、コンタクト層104の上面に対してそのほぼ全面に薄膜の半透明金属からなるオーミック電極部105を真空蒸着法等の手段を用いて形成する。
このオーミック電極部105のほぼ中央に円形状に金属によるボンディング電極部106を真空蒸着法等の手段を用いて形成する。
尚、このボンディング電極部106は、ワイヤーボンディングの際にワイヤーの一端がボンディングされる電極である。
また、オーミック電極部105とボンディング電極部106とで、第1の電極としての正電極部150が構成される。
【0032】
その後、発光部形成工程の続きとして、図2(B)に示されるように、化合物半導体薄膜層付基板10の上面側から、縦横にそれぞれ平行に所定の間隔(例えば200ミクロン程度の間隔)でエッチング等の掘り込み手段を用いて上側浅溝部200を設ける。その深さは、N−クラッド層101に達し、そのN−クラッド層101の上面よりもやや下であって、深くてもN−クラッド層101の下面までとするのが好ましい。
この段階で複数の発光部11が形成されている(発光部形成工程の終了)。
【0033】
次に、N−クラッド層101への薄膜配線の基点となる電極(中段位置電極部107)形成工程を行う。
前記上側浅溝部200の底面全体に薄膜の金属による中段位置電極部107を真空蒸着法等の手段を用いて形成する。
この中段位置電極部107の上面は、N−クラッド層101の上面とほぼ同じ高さであって、それよりも高くは形成しない(少なくともP−クラッド層103には接触しないようにする)。
【0034】
次に、製造工程の中半部である上側深溝部形成工程と、下側溝部および透孔部形成工程とを図3を参照しつつ説明する。
上側深溝部形成工程は、以下の通りである。
図3(A)に示されるように、図外のダイサーを用いて化合物半導体薄膜層付基板10の上面側から溝を形成するが、その事前準備として、ダイサーによる切り屑等の影響を活性層102より上面に形成された部分に与えないために、その部分を包むようにレジスト層220を設けておく。
その後に、ダイサーを用いて前記上側浅溝部200の底面の中心線に沿って上側浅溝部200の幅よりも狭く且つ前記基板100に少なくとも達する所定の深さ(例えば、化合物半導体薄膜層付基板10の厚みの2/3程度が好ましい)の溝を更に形成する。その溝を形成する部分はダイサー除去部分210として図3(A)に示した。この図3(A)中で、210aの位置は、ダイサー除去部分210の底部を示す。
このダイサー除去部分210を取り除いた状態は、図3(B)に上側深溝部211として示した。また、上側深溝部211の底部の位置は、211aとして示した。
【0035】
次に、下側溝部および透孔部形成工程は以下の通りである。
サファイア基板100の下面側から、別の溝である下側溝部220を形成する。この下側溝部220は、上側深溝部211に対して直交する方向に1個の発光部11当たりに2本設ける(図6参照)。
その下側溝部220の天井部は220aの位置である。この天井部220aとサファイア基板100の下面までの寸法、つまり下側溝部220の深さは、前記所定の深さを化合物半導体薄膜層付基板10の厚みから減じた寸法より少なくともやや大きくする(化合物半導体薄膜層付基板10の厚みの1/3よりやや大きい程度が好ましい)。
【0036】
この下側溝部220を形成した段階で、下側溝部220(例えば、化合物半導体薄膜層付基板10の厚みの1/3よりやや大きい程度が好ましい)と上側深溝部211(化合物半導体薄膜層付基板10の厚みの2/3程度が好ましい)との交点において両溝部220、211が重なっているので、その重なっている部分が透孔部230(図5、図7〜図10参照)として形成されていることとなる。
【0037】
次に、製造工程の後半部である薄膜電極配線部形成工程と、第2の電極形成工程と、分離工程とを図4および図1を参照しつつ説明する。
薄膜電極配線部形成工程と第2の電極形成工程とは、化合物半導体薄膜層付基板10の表面側および裏面側からそれぞれ真空蒸着法等の手段を用いて行うことができる。
この際、前記透孔部230があるので、前記中段位置電極部107、N−クラッド層101の側面およびサファイア基板100の側面とサファイア基板100の下面と天井部220aとが電気的に繋がることになる。
薄膜の電極としては、サファイア基板100との密着性を確保するため、その材料として、Au、Al、Ti/Auのいずれかが好ましい。
この後にレジスト層220を取り除く。
【0038】
形成後の状態が、図4であるが、サファイア基板100の下面部分の電極が第2の電極としての負電極部160となり、それ以外の部分が薄膜電極配線部170となっている。
【0039】
次に、分離工程は、下記の通り行われる。
破線300の位置で、各発光部11を下記の分離手段で分離すると、複数の化合物半導体発光素子15が形成されることとなる。
この際の分離手段としては、ダイサーを使用したり、伸縮性があり且つその上面に粘着性のあるシート上にサファイア基板100の下面側を搭載しエキスパンドして破線300の位置で割る等の手段がある。
【0040】
この分離工程後の状態が説明済の図1の状態である。
したがって、この工程が終了した時点では、化合物半導体発光素子15において、上側の化合物半導体薄膜層であるP−クラッド層103およびコンタクト層104と、化合物半導体発光素子15の上面側に形成された正電極部150とが電気的に接続されている。
また、化合物半導体発光素子15の下面に形成されている負電極部160は、薄膜電極配線部170と中段位置電極部107とを介して下側の化合物半導体薄膜層であるN−クラッド層101と電気的に接続されている。
【0041】
よって、化合物半導体発光素子15の上面に正電極が、化合物半導体発光素子15の下面に負電極がそれぞれ設けられた従来からある電極設置構成を、絶縁性基板を持った化合物半導体発光素子15においても実現している。
【0042】
したがって、この化合物半導体発光素子15の発光量を検査するには、従来からある検査装置をそのまま使用でき、従来のように前記分離工程直前(つまり、複数の発光部11が繋がっている状態)において効率的に行うことができる。
【0043】
尚、上記実施の形態においては、上面が正方形の化合物半導体発光素子15を代表例として説明したが、例えば、上面を短冊状としてもよいことはいうまでもない。また、下部溝部220は、1個の発光部11当たり1本にしてもよいし、3本以上にしてもよい。
また、上側深溝部211と下側溝部220とは直交していなくてもよい。
また、正電極部150は化合物半導体薄膜層付基板10に対して加工を開始する初期の段階以降であれば特にどの段階であっても形成可能である。
また、負電極部160は、薄膜電極配線部170と同時に形成するのではなく、別々に形成してもよい。
また、中段位置電極部107を設けずに、その代わりに薄膜電極配線部170を形成してもよい。その際は、化合物半導体発光素子15の下面に形成されている負電極部160が、薄膜電極配線部170を介して下側の化合物半導体薄膜層であるN−クラッド層101と電気的に接続される。
また、サファイア基板100のように絶縁性をもった基板の場合について説明したが、高抵抗性をもった場合についても同様であるので、その説明は省略する。
【0044】
次に、本発明に係る第2の実施の形態として、前記実施の形態の正電極部150の光の透過量を向上させる手段と、化合物半導体発光素子15の側面からの光の透過量を向上させる手段とを合わせて図11を参照しつつ説明する。
図11は本発明に係る第2の実施の形態の分離工程前の状態を示す断面図である。
【0045】
先ず正電極部150の光の透過量を向上させる手段としては、第1の実施の形態の正電極部150を形成する段階、つまりオーミック電極部105とボンディング電極部106とを形成する段階を次のように変更する。
【0046】
まず、オーミック電極部105を形成した段階で、アニール処理を行う。その後、ボンディング電極部106の形成予定部分を除き、オーミック金属のみを除去する。その代わりに、透明導電性薄膜(ITO)からなる透明膜部108を形成する。その後、ボンディング電極部106をオーミック電極部105の上に形成する。この際、ボンディング電極部106と、オーミック電極部105と、透明膜部108とは、一部重なるかまたは接触させる。
【0047】
よって、上側の化合物半導体薄膜層であるP−クラッド層103およびコンタクト層104の最上面には、化合物半導体とオーミック金属とによる薄い合金層ができている。そして、オーミック金属を除去する際に、薄い合金層を残しているので、電流は、化合物半導体発光素子15全体にスムーズに拡散して流すことができる。なおかつ、発光効率の点からも問題がない。
【0048】
一方、化合物半導体発光素子15の側面に設けられている薄膜電極配線部170についても、その材料を透明導電性膜(ITO、SnO2 、ZnO等)とすることにより、化合物半導体発光素子15の側面からの光の透過量は向上する。
尚、この際には、化合物半導体発光素子15の下面の電極である、負電極部160については、金属からなる電極のままであってもよい。
【0049】
次に、本発明に係る第3の実施の形態である、化合物半導体発光素子15の上面側をダイボンドできるようにした手段について、図12および図13を参照しつつ説明する。
図12(A)は本発明に係る第3の実施の形態を示す断面図、図12(B)は(A)の半分の底面図、図12(C)は(A)の左側断面図、図13は本発明に係る第3の実施の形態を示す斜視図である。
【0050】
第1の実施の形態との相違点は、以下の4点である。
▲1▼正電極部150にはボンディング電極部106が設けられていない。つまり、正電極部150は、オーミック電極部105からなる。
▲2▼負電極部160は透明性導電膜(ITO、SnO2 、ZnO等)とする。
▲3▼ボンディング電極部106は、負電極部160が形成された段階で、その負電極部160の下面に設けられる。
▲4▼絶縁性の保護膜(材料はSiO2 等)からなる保護膜部190が、薄膜電極配線部170の形成後に設けられる。その形成は、コンタクト層104から薄膜電極配線部170の上部にかけて少なくともカバーするような位置にされる。
【0051】
以上のように形成することによって、化合物半導体発光素子15の上面側がダイボンド可能となる。また、発光観測面となる化合物半導体発光素子15の下面側にある負電極部160を透明性導電膜としてあるのでその部分の透光性が向上し発光効率が向上する。
また、化合物半導体発光素子15の上面側付近にあるいわゆるPN接合部分(P−クラッド層103、活性層102、N−クラッド層101の接合部分)がダイボンド側となるので、放熱特性を格段に向上させることができる。
したがって、この化合物半導体発光素子15は、電流を従来以上に流すことができ、化合物半導体発光素子15の輝度を向上させることができる。
【0052】
次に、本発明に係る第4の実施の形態である、化合物半導体発光素子を青色半導体レーザとした場合について図14を参照しつつ説明する。
図14は本発明に係る第4の実施の形態を示す斜視図である。
【0053】
第4の実施の形態は、第3の実施の形態とほぼ同様である。その大きな相違点は、以下の2点である。
▲1▼化合物半導体の薄膜層の部分が半導体レーザのものとなったこと。
▲2▼化合物半導体発光素子15の下面側にある負電極部160は、金属電極であること。
尚、負電極部160の材料はTi/Auであり、正電極部150の材料はNi/Ti/Auである。また、109は電流素子層(例えばn−GaN)である。
【0054】
したがって、化合物半導体発光素子15のPN接合部分を放熱板側に固定することができるので、放熱特性を格段に向上させることができる。
よって、この化合物半導体発光素子15は、電流を従来以上に流すことができ、化合物半導体発光素子15の輝度を向上させることができる。
【0055】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明に係る化合物半導体発光素子は、絶縁性または高抵抗性の基板の上面側に、下側の化合物半導体薄膜層と上側の化合物半導体薄膜層とを有する発光層が形成されてなる化合物半導体の化合物半導体薄膜層付基板に対して、この化合物半導体薄膜層付基板の上側から、下側の化合物半導体薄膜層に達する上側浅溝部が設けられることによりこの上側浅溝部を境に複数の発光部が形成され、この発光部を前記上側浅溝部に沿ってダイサー等の所定の切断手段を用いて分離することにより形成される化合物半導体発光素子であって、前記上側の化合物半導体薄膜層の上面側に形成された第1の電極と、前記基板の下面側に形成された第2の電極と、前記上側浅溝部に沿って前記化合物半導体薄膜層付基板の上側から更に深く前記基板内に達するまで形成された上側深溝部と、前記1個の発光部当たりにその下側に少なくとも1本は形成された溝であって、前記基板の下面側から前記基板内に前記上側深溝部と零度以外の所定の角度をもって形成され、且つ化合物半導体薄膜層付基板の厚みから前記上側深溝部の深さを減じた寸法よりも大きな深さを有した下側溝部と、前記上側深溝部の沿面、前記下側溝部と前記上側深溝部との交点に位置する透孔部の沿面、および前記下側溝部の沿面を経由して、前記下側の化合物半導体薄膜層から前記第2の電極に至る薄膜電極配線からなる薄膜電極配線部とを周囲に有している。
【0056】
この手段により、化合物半導体発光素子の上下面にそれぞれ電極が設けられ、また、その電極は所定の化合物半導体薄膜層と接続されている。
そのため化合物半導体発光素子をパッケージ等に実装する工程が容易になる。また、性能を損なうことなく化合物半導体発光素子のサイズを小さくできる。
また、ダイサーを用いているので、エッチングによる場合よりも短時間に加工が可能である。
また、前記発光部が形成され分離されて化合物半導体発光素子となる前に従来のように、化合物半導体発光素子の下面側に電極が設けられているので、従来の発光量の検査方法がそのまま行える。
したがって、量産性も高く製造コストも下げることができる。
【0057】
しかも前記上側の化合物半導体薄膜層の上面側に形成された前記第1の電極は、前記上側の化合物半導体薄膜層の上面に対して一度オーミック金属を付着しアニール処理した後、前記オーミック金属のみを全部または一部除去し、その代わりに透明性導電薄膜を形成している。
【0058】
この手段を用いることによって、上側の化合物半導体薄膜層の上面側を発光観測面とするタイプの化合物半導体発光素子(通常の発光ダイオード等)においては、発光観測面側に位置するオーミック電極部を透明導電性膜に置き換えたので、透光性が向上し、化合物半導体発光素子の発光観測面側の発光効率がよくなる。したがって、同一の発光効率の製品化のために必要な化合物半導体発光素子のサイズを小さくできるので、製造コストを更に下げることができる。
【0059】
また、本発明に係る化合物半導体発光素子は、より好ましくは、前記薄膜電極配線部の材料をAu、Al、Ti/Auのいずれかとするとした。この材料は、基板との密着性がよく、化合物半導体発光素子の信頼性向上の上から好ましい。
【0060】
また、本発明に係る化合物半導体発光素子は、前記薄膜電極配線部の材料をITO、SnO 2 、ZnOのいずれかとすることもできるとした。この材料を使用することによって、化合物半導体発光素子の側面に設けられた前記薄膜電極配線部を透明導電性薄膜としたので、その部分の透光性が向上するので化合物半導体薄膜層の側面からの発光効率がよくなる。したがって、同一の発光効率の製品化のために必要な化合物半導体発光素子のサイズを小さくできるので、製造コストを更に下げることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る化合物半導体発光素子の第1の実施の形態における完成状態を示す斜視図である。
【図2】(A)、(B)は本発明に係る化合物半導体発光素子の第1の実施の形態における、その製造工程の前半部(発光部形成工程と、第1の電極形成工程と、N−クラッド層への薄膜配線の基点となる電極形成工程と)の段階を示す部分断面図である。
【図3】(A)、(B)は図2に引き続く製造工程の中半部(上側深溝部形成工程と、下側溝部および透孔部形成工程と)の段階を示す部分断面図である。
【図4】図3に引き続く製造工程後半部(薄膜電極配線部形成工程と、第2の電極形成工程と、分離工程と)の段階を示す部分断面図である。
【図5】製造工程後半部(薄膜電極配線部形成工程と、第2の電極形成工程と、分離工程と)の段階を示す部分平面図である。
【図6】製造工程後半部(薄膜電極配線部形成工程と、第2の電極形成工程と、分離工程と)の段階を示す部分斜視図である。
【図7】製造工程後半部(薄膜電極配線部形成工程と、第2の電極形成工程と、分離工程と)の段階において、形成されている溝の状況を別の角度から示した概略的斜視図である。
【図8】(A)は製造工程後半部(薄膜電極配線部形成工程と、第2の電極形成工程と、分離工程と)の段階を示す概略的平面図、(B)はその概略的正面図である。
【図9】(A)は製造工程後半部(薄膜電極配線部形成工程と、第2の電極形成工程と、分離工程と)の段階を示す概略的右側面図、(B)はその概略的底面図である。
【図10】製造工程後半部(薄膜電極配線部形成工程と、第2の電極形成工程と、分離工程と)の段階を示す底面側からの概略的斜視図である。
【図11】本発明に係る第2の実施の形態の分離工程前の状態を示す断面図である。
【図12】(A)は本発明に係る第3の実施の形態を示す断面図、(B)は(A)の半分の底面図、(C)は(A)の左側断面図である。
【図13】本発明に係る第3の実施の形態を示す斜視図である。
【図14】本発明に係る第4の実施の形態を示す斜視図である。
【符号の説明】
15 化合物半導体発光素子
100 サファイア基板(基板)
101 N−クラッド層(下側の化合物半導体薄膜層)
150 正電極(第1の電極)
160 負電極(第2の電極)
170 薄膜電極配線部
220 下側溝部
Claims (4)
- 絶縁性または高抵抗性の基板の上面側に、下側の化合物半導体薄膜層と上側の化合物半導体薄膜層とを有する発光層が形成されてなる化合物半導体薄膜層付基板に対して、この化合物半導体薄膜層付基板の上側から、下側の化合物半導体薄膜層に達する上側浅溝部が設けられることによりこの上側浅溝部を境に複数の発光部が形成され、この発光部を前記上側浅溝部に沿ってダイサー等の所定の切断手段を用いて分離することにより形成される化合物半導体発光素子において、前記上側の化合物半導体薄膜層の上面側に形成された第1の電極と、前記基板の下面側に形成された第2の電極と、前記上側浅溝部に沿って前記化合物半導体薄膜層付基板の上側から更に深く前記基板内に達するまで形成された上側深溝部と、前記1個の発光部当たりにその下側に少なくとも1本は形成された溝であって、前記基板の下面側から前記基板内に前記上側深溝部と零度以外の所定の角度をもって形成され、且つ化合物半導体薄膜層付基板の厚みから前記上側深溝部の深さを減じた寸法よりも大きな深さを有した下側溝部と、前記上側深溝部の沿面、前記下側溝部と前記上側深溝部との交点に位置する透孔部の沿面、および前記下側溝部の沿面を経由して、前記下側の化合物半導体薄膜層から前記第2の電極に至る薄膜電極配線からなる薄膜電極配線部とを周囲に備え、前記上側の化合物半導体薄膜層の上面側に形成された前記第1の電極は、前記上側の化合物半導体薄膜層の上面に対して一度オーミック金属を付着しアニール処理した後、前記オーミック金属のみを全部または一部除去し、その代わりに形成した透明性導電薄膜を有したことを特徴とする化合物半導体発光素子。
- 前記薄膜電極配線部の材料をAu、Al、Ti/Auのいずれかとしたことを特徴とする請求項1記載の化合物半導体発光素子。
- 前記薄膜電極配線部の材料をITO、SnO2 、ZnOのいずれかとしたことを特徴とする請求項1記載の化合物半導体発光素子。
- 半導体の基板の上面側に、下側の化合物半導体薄膜層と、上側の化合物半導体薄膜層と、この上側の化合物半導体薄膜層の更に上面側に形成された電極とを有する化合物半導体発光素子において、前記電極は、前記上側の化合物半導体薄膜層の上面に対して一度オーミック金属を付着しアニール処理した後、前記オーミック金属のみを全部または一部除去し、その代わりに形成した透明性導電薄膜を有したことを特徴とする化合物半導体発光素子。
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