JP3916160B2 - 積層セラミックコンデンサおよび当該コンデンサの製造の供せられるセラミックグリーンシートの製造方法 - Google Patents

積層セラミックコンデンサおよび当該コンデンサの製造の供せられるセラミックグリーンシートの製造方法 Download PDF

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Description

本発明は 本発明は、電子部品、特にセラミックシートを積層して形成されるいわゆる積層型のセラミックからなるものを例とする電子部品の製造方法に関するものである。より詳細には、積層型の電子部品製造する際の素材となる、その内部に電極層を包含する、いわゆるセラミックグリーンシートの形成方法に関する。なお、ここで述べる積層型セラミック電子部品としては、積層セラミックコンデンサ、積層セラミックインダクタ、これらを内蔵するLC複合部品あるいはEMC関連部品等が具体例として掲げられるが、本発明は特に積層セラミックコンデンサに関連するものである。
近年、携帯電話を例とする電子機器の小型化及び急速な普及に伴って、これに用いられる電子部品に対してもより高密度な実装の実現とその高性能化が求められている。特に、受動素子として用いられる積層型セラミック電子部品は、このような要求に応えるために、薄層化、多層化等による小型、高機能化が求められ、また、当該要求に応え得る製造方法の検討が求められている。
前述の積層型のセラミック電子部品、例えば内部に電極が形成された積層セラミックコンデンサの製造方法について簡単に述べる。当該技術においては、まず、セラミック単体からなるセラミックグリーンシートの表面に、金属粉末と有機結合材からなる導電性のペーストを用いて、スクリーン印刷法等により複数個の電極を同時形成する。続いて、単なるセラミックグリーンシート、電極形成後のセラミックグリーンシート等を複数枚積層し、セラミック積層体を得る。これら電極は、完成品であるセラミック積層型電子部品の内部電極となる。さらに、当該セラミック積層体をその厚み方向に加圧して、グリーンシート間の密着性の向上を図る。密着化された積層体は所定の大きさに切断、分離等されて個々のチップとされる。得られたチップあるいは得られたチップを焼結した後のチップの外表面に適宜外部電極を形成することで、積層型のセラミック電子部品が得られる。
上述した電子部品の小型化、高機能化の要求に伴って、内部電極の微細化及び形成位置の精度を向上することが必要となる。しかし、スクリーン印刷における形成可能な電極幅は50μm程度であり、形成時の幅あるいは位置に関しての所望値との誤差は±20%がその下限とされている。また、当該方法により得られる内部電極は、均一且つ欠陥等の無い層を得る上である程度、例えば3.0μm以上の厚さを確保することが必要となる。即ち、内部電極等の形成精度は、従来のスクリーン印刷に代表される塗布方式によってこれらをより向上すること、或いは上述の要求に対応することは今後困難となると考えられる。
このため、内部電極の形成方法として電着方法を用いたもの、或いは露光、現像処理を用いて内部電極の形成パターンを得る方法が検討されている。電着方法は、形成予定の層と同じ材料からなる荷電粒子が存在する液体中に、当該層がその上に形成される導電体と対向電極とを浸漬し、これらの間に直流電界を印加することで当該層を得るものである。またこの場合の荷電粒子は、絶縁体材料からなるコロイドでもよいことから、当該方法によって誘電体層を形成することも可能である。この電着方法によれば、電界強度の高い部分に荷電粒子が集中して電積する傾向があることから、比較的平坦でピンホール等の欠陥が無い薄層が自己整合的に容易に得られる(特許文献1乃至3参照)。
これら技術を更に進め、露光および現像処理を用いて内部電極形成用のパターンを得た後に、電着方法を用いて当該パターンに電極材料を充填する方法がある(特許文献4参照)。当該方法によれば、内部電極の形成精度の向上が図れると共に、内部電極を含んだセラミックグリーンシートの平坦化も図れる。セラミック積層型の電子部品は、これまで、先にも述べたように、セラミックシート上に電極層を形成した凹凸の存在するシートを積層し、これらを圧着して各シート間の空隙を無くし、これに焼結等の処理を施すことで形成されている。
これら凹凸は、セラミックシートの厚さが薄くなり、電極間の間隔が狭くなるにつれて、良好な積層状態を得るために無視し得なくなる。具体的には、1)積層時に個々のシートがシート延在方向にすべる等して積層ずれが生じ極端な場合には素子中に断線を生じる、2)セラミックシートに内部電極がめり込む場合には他の内部電極と短絡する、3)積層後の加圧によって凹凸に起因する空間は消滅するがこの加圧処理によって焼結時の内部応力の発生、増大が起こる、等の事態が考えられる。よってこの観点から、特許文献4に開示される技術に基づいた、セラミックシートに電極パターンを形成し、且つ当該パターンに電極材料を電積させて得られるセラミックグリーンシートは、これからの電子部品形成方法に向けて好適と思われる。
特開平8−78275号公報 特開2002−231574号公報 特許第3280780号公報 特開2001−85264号公報
上述した特許文献1および2に開示する電子部品の形成方法においては、誘電体層と内部電極層とを電着方法によって交互に積層して、目的の積層体を得ている。なお、特許文献2におけるメッキ方法も広義の電着方法と考えられる。従って個別のシートを積層する工程が存在せず、積層および積層体の加圧一体化に起因する積層ずれ等の問題は生じない。しかし、積層数が多くなった場合、各層の厚さ制御が徐々に困難となると共に、焼結時に大きな内部応力を発生させて層間剥離を起こす可能性が増加することが考えられる。従って、多くの積層数を有する電子部品を形成する工程としては好ましくない。また、誘電体層形成後も金属粉等の荷電粒子が存在する液体中に積層体が何度も浸漬されるため、金属粉等に起因する絶縁特性等の劣化も懸念される。
特許文献3には、マスクパターンを利用して所望の形成精度を有する個別のシートを得る方法が開示されている。しかしながら、当該方法によって得られるものは、あくまでパターン化された内部電極層および誘電体(絶縁体)層である。電着方法を用いることにより、これら層についてはある程度の厚さ精度を有した薄層が得られる。しかし、このような良好な厚さ精度をどのように用いれば、上述したシート積層時の問題が解消し得るかについては何ら述べられておらず、当該技術を用いた場合であっても、内部電極等の凹凸に起因する諸問題に対して、当該方法のみでは対処し得ないと思われる。
また、特許文献4には、誘電体層に内部電極用のパターンを形成して、当該パターンを電着方法によって金属層で充填することで平坦なシートを形成する方法が開示されている。当該技術において得られる誘電体層および内部電極層各々の厚さは、これまでのスクリーン印刷等の方法による場合と比較して優れた精度で制御される。
しかし、例えばセラミックコンデンサにおいて容量を上げる必要性から内部電極の厚さおよび内部電極間の間隔が狭くなった場合、個々のシート厚さも非常に薄いものとなる。このようなシートは通常機械的強度に劣り、例えば基体からのセラミックシートの剥離時あるいは積層に向けたシートの取り扱い時等における機械的負荷によって破損する恐れがある。また、この場合、内部電極間に形成される誘電体部分はスラリー塗布方法によることから、約2.0μmより薄くなると凹部や欠陥が生じ易く、リーク、ショート等の不良発生の原因となる可能性が考えられる。従って、より薄い誘電体層を平坦且つ欠陥を無くして得る必要がある。電子部品の小型化、高機能化に伴った、このような内部電極或いは層間層等、個々の層の薄層化は避けられない。従って、各層の薄層化に対応し得る電子部品の製造方法の構築が求められている。
本発明は、上述した背景に鑑みて為されたものであり、例えば積層型セラミックコンデンサ等において、内部電極間に形成される誘電体層の厚さを、例えば内部電極層の厚さより薄くした場合であっても、積層ずれ等を生じることなく積層可能な電子部品形成用シートの製造方法、即ち積層セラミック電子部品の製造方法を提供することを目的とするものである。また、本発明は、同時に、内部電極を高精度に形成可能であり、小型且つ高品質の積層セラミック電子部品に好適な電子部品の製造方法を提供することを目的とするものである。また、本発明は、同時に、個々の層が薄層化した場合であって、適宜積層型の電子部品を製造し得る方法の提供を目的とするものである。
上記課題を解決するために、本発明に係るセラミックグリーンシートの製造方法は、積層セラミックコンデンサの製造に供せられるセラミックグリーンシートの製造方法であって、導電性を有する基体の表面に内部電極形成領域を露出させた第一の所定厚さを有するセラミック部分を形成し、セラミック部分を形成した後の導電性基体を内部電極形成用の電着液に浸漬し、導電性基体に対して電界を印加して内部電極形成領域に対して第一の厚さより薄い第二の所定厚さを有する内部電極を形成し、内部電極を形成した後の導電性基体を誘電体層形成用の電着液に浸漬し、導電性基体に対して電界を印加して内部電極表面に所望の電気特性を有する誘電体層を形成することを特徴としている。
なお、上述のセラミックグリーンシートの製造方法において、セラミック部分の形成工程は、導電性基体上に所定のセラミック粉体を有する感光性のセラミックスラリーを塗布する工程と、露光現像処理によって感光性セラミックスラリーの固化と内部電極形成領域を形成する工程と、セラミックス部分の厚さを第一の所定厚さとする工程とを含むことが好ましい。また、上述のセラミックグリーンシートの製造方法において、セラミック部分の形成工程は、導電性基体上にポジタイプの感光性樹脂を塗布し、露光現像処理によって感光性樹脂を内部電極形成領域のみを残して除去し、導電性基体をセラミック部分形成用の電着液に浸漬して導電性基体に電界を印加することにより内部電極形成領域以外領域に第一の所定厚さを有するセラミック部分を形成し、セラミック部分形成後に残った感光性樹脂の除去を行う工程からなることが好ましい。また、上述のセラミックグリーンシートの製造方法において、感光性セラミックスラリーは、所望の電気的特性を有するセラミック粉体と感光性を有する樹脂材料とが好ましく、セラミック部分と誘電体層とは、各々異なるセラミックから構成されることが好ましい。また、上述のセラミックグリーンシートの製造方法においては、内部電極の第二の所定厚さおよび誘電体層の第三の所定の厚さを加えた厚さと、セラミック部分の第一の所定厚さとが一致した時に誘電体層の形成を終了することが好ましい。
また、上記課題を解決するために、本発明に係る積層セラミック電子部品の製造方法は、上述したセラミックグリーンシートの製造方法により得られたセラミックグリーンシートを含む、複数の異なるセラミックグリーンシートを積層して積層体を形成し、積層体をその厚さ方向に圧着する工程を有することを特徴としている。
本発明によれば、露光現像処理を用いて内部電極の形成パターンを作製することから、精度の良い内部電極用のパターン形状を得ることが可能となる。具体的には、スクリーン印刷により形成された電極の形成位置が±20%以上のばらつきを有していたものが、電着法によればこれを±3%以下とすることが可能である。また、電着方法によって内部電極およびその上面の誘電体層を形成することから、電極および誘電体の厚さを精度良く制御することも可能となる。具体的には、スクリーン印刷により形成された電極の厚さが±20%以上のばらつきを有していたものが、電着法によって形成することで電極および誘電体の厚さのばらつきを±3%以下とすることが可能である。従って、内部電極形状等のばらつきの低減が可能となり、コンデンサにおける容量等の個々の素子間における電気特性のばらつきを低減することが可能となる。結果として、電子部品の製造工程における製品歩留まりの向上が図れる。
また、本発明によれば、誘電体層を電着方法によって形成することから、より薄く且つ緻密な層を得ることが可能となり、電子部品としての高容量化を図る際に好適と考えられる。また、本発明によれば、誘電体層を内部電極上対して電着方法によって直接形成している。このため、内部電極と誘電体層との密着性が向上することで層間剥離の可能性を低減し、その結果として電子部品の製造工程における製品歩留まりの向上が図れる。また、本発明によれば、セラミック部分を誘電体層とを異なる材料にて形成することが可能となり、セラミック部分には機械的強度や耐剥離性を重視した材料を用い、誘電体層には電気的特性を重視した材料を用いる等、材料を選択する上での自由度を上げることが可能となる。
また、本発明によれば、予め層厚さが制御されたセラミック部分をマスクとして、内部電極と誘電体層とを形成することが可能となる。これら内部電極および誘電体層は、電着法によりその厚さを高精度に制御して形成することが可能である。従って、内部電極および誘電体からなる部分とセラミック部分との厚さを略一致させ、当該シートにおける内部電極等に起因する凹凸、段差を大幅に低減することが可能となる。このため、積層時における処理温度は従来と比較して低く、積層圧力もこれまでの積層圧力と比較して低減が為される。従って、シート積層時の圧力に起因するシートの破損等の発生可能性が大きく低減されると共に、積層用の加圧装置についても従来のものと比較してより小型且つ簡易なものによる代替が可能となる。
また、例えばNi、Ag、Cu等からなる内部電極を電着方法によって形成することにより、これら電極の形成密度を高いレベルで安定化させることが可能となる。また、内部電極形成の際に基体として導電性の材料を用いていることから、内部電極生成初期にピンホール等が発生したとしても、これらピンホール等が自己整合的に修復され、均一な厚さを有し且つピンホール等の欠陥が少ない内部電極が得られる。従って、内部電極の形成状態に起因する不良品の発生率を大幅に低減することが可能となる。
また、本発明によれば、個別の平坦性の高いセラミックグリーンシートを形成し、これらを積層することで積層セラミック電子部品を得ることとしている。従って、上述した特許文献1或いは2と異なり、各層の厚さを正確に制御することが可能であり、所望の電気特性を有する電子部品を容易に得ることが可能となる。また、本発明によれば、誘電体層形成後に当該シートを電着用溶液に浸漬することが無いことから、電着液中の荷電金属粒子に起因する誘電(絶縁)特性の劣化等は生じない。
また、本発明によれば、薄層化した内部電極と内部電極間に配置される誘電体層とを積層し、これらを包含したセラミックグリーンシートを用いて積層セラミックコンデンサを製造することとしている。従って、個々のシートをある程度以上の厚さとすることが可能となり、基体からの剥離時等においても破損する恐れの無い機械的強度を有したシートを提供することが可能となる。また、本発明によれば、内部電極間の誘電体層を、電極周囲のセラミック部分とは異なる材料によってより緻密な層として形成することが可能である。従って、誘電体層として提供し得る電気的特性の選択範囲がより広範となり、より高品質な電子部品の提供が可能となる。
また、本発明によれば、シート形成工程と積層工程とが独立する、いわゆるスタック工法によって電子部品が形成される。従って、種々のシートを予め作製しておくことより、種々のシート組み合わせからなる電子部品を得ることが可能となり、効率的な生産性を提供することが可能となる。
本発明の実施の形態について以下に詳述する。本発明に係る積層セラミック電子部品の製造方法は、これを製造する際の素材となるセラミックグリーンシートを製造する方法として以下に述べられる。当該方法において、その表面上に導電可能な導電性基体上に、誘電体粉体を含有する感光性のスラリーを塗布し、3.0μm程度の厚さ以下の薄層を形成する。なお、当該層の厚さは、層形成後に、例えばスタンパー処理、研磨処理等が施されることによって、第一の所定の厚さとしても良い。この薄層に対して露光現像処理を施し、必要部分をセラミック部分として固化すると共に、内部電極を形成すべき部分を除去して内部電極パターンを得る。内部電極パターンが形成された導電性基体は内部電極用の金属形成に用いられる電着液中に浸漬され、所定の電界がこの導電性基体に印加される。この操作によって、導電性基体の露出部分、即ち内部電極パターン上に導体層が形成される。電界の印加時間或いは導電性基体の浸漬時間を調整することにより、第二の所定の厚さを有する内部電極が当該パターンに応じて形成される。なお、内部電極形成厚さは、セラミック部分の厚さよりも薄く設定されている。
続いて、当該基体を誘電体形成用の電着液中に浸漬し、所定の電界を当該基体に対して印加する。この電着液中には所望の誘電体微粒子が存在しており、電界の印加によって誘電体が内部電極上に電析する。電界の印加時間或いは導電性基体の浸漬時間を調整することにより、第三の所定の厚さを有する誘電体層が、内部電極のパターンに応じて形成される。なお、誘電体の電析は、導体表面においてのみ生じることから、当該誘電体層は、内部電極表面上のみに正確且つ緻密に形成される。
なお、平坦性を重視する場合には、セラミック部分の第一の所定厚さと、内部電極層と誘電体層とを積層した第二および第三の所定厚さを加えた厚さとが略一致した段階で、誘電体層の形成が終了することとしても良い。誘電体層の形成が終了した後、導電性の基体がこの内部電極とセラミック部分とからなるシートから剥離除去される。以上の操作によって、内部電極を含有し、且つ内部電極の表面上に直接形成された誘電体層を含有するセラミックグリーンシートが得られる。内部電極の形成パターンを所望のシートに応じて随時変更することで複数種類のセラミックグリーシートが得られ、これらを得ようとする電子部品の特性に応じて任意に選択して積層する。積層後、当該積層体に対して加圧、焼成、外部電極形成等の処理が施され、所望の積層セラミック電子部品が得られる。
なお、上述の工程において、内部電極形成パターを有する固化セラミック部分の形成を、基体上にポジレジストを塗布し、このポジレジストに露光現像処理を施すことで行うこととしても良い。この場合、ポジレジストを露光現像することで、固化セラミック部分の形成パターンを得、その上で電着処理を行って固化セラミック部分を得る。その後、残りのポジレジストを除去することによって内部電極の形成パターンが得られる。この場合、固化セラミック部分を電着形成することによって、当該部分形成後に更なる処理を施さなくとも、その層厚さを高精度に制御しておくことが可能となる。
上述の実施の形態において、製造するセラミックグリーンシートの平坦化を図るために、セラミック部分の第一の厚さと内部電極層と誘電体層とを積層した第二および第三の厚さを加えた厚さとが略一致した段階で誘電体層の形成を終了させる旨を述べた。しかしながら、本発明は当該実施形態に限定されず、誘電体層の厚さを、セラミック部分および内部電極層の厚さに拘わらず任意の厚さとしてその形成工程を終了することとしても良い。この場合、当該工程終了後に、シート表面の研磨、スタンパー処理等、セラミックグリーンシートの平坦化を図る任意の平坦化処理を当該シートに施すことが好ましい。
内部電極として用いる材料にはNi、Ag、Cu等が例示され、これらの粉末を用いた電気泳動電着、或いはこれらを用いた電気メッキにより形成することが好ましい。この場合、電着液の分散媒としては水系、アルコール系等のものが考えられ、用いる金属粉末に応じて最適な電着液を選択することが望ましい。また、必要に応じて、分散性、可塑性を高めるために樹脂等を添加することとしても良い。誘電体層として用いる材料には所望の誘電率を有するセラミック粉体等が用いられ、これらの粉末を用いた電気泳動電着より当該層を形成することが好ましい。この場合、電着液の分散媒としては水系、アルコール系等のものが考えられ、用いる金属粉末に応じて最適な電着液を選択することが望ましい。また、必要に応じて、分散性、可塑性を高めるために樹脂等を添加することとしても良い。また、ここでは内部電極間に誘電体を挟み込む場合を想定しているが、電子部品に求められる電気特性に応じて、セラミック粉体として誘電率、透磁率、抵抗値等の種々の電気特性に優れたものあるいはこれらが適当な条件を満たすものを任意に用いることが可能である。
また、Ni粉を用いた電気泳動電着によって内部電極を形成する場合、導電性基体は、PET(ポリエチレンテレフタレート)フィルム或いはステンレス基板上に対して、Ni-PTFE処理を施したものを用いても良い。或いは、PETフィルムに対してステンレス系合金、クロム系合金或いはチタン系合金の皮膜処理を施したもの或いはステンレス基板そのものに対して、シリコン樹脂を0.5μm以下と薄く塗布したものを用いても良い。また、内部電極をNiメッキによって形成する場合には、導電性基体は、PETフィルムに対してステンレス系合金、クロム系合金或いはチタン系合金の皮膜処理を施したもの、或いはステンレス基板に研磨処理を施したものを用いても良い。更には、これら基体上にシリコン樹脂を0.5μm以下と薄く塗布したものを用いても良い。この操作によって、基体上には導電性を離形性を併せ持った性質を付与することが可能となる。
以下に、本発明の実施例について、図面を参照して具体的に説明する。図1は、本発明に係る電子部品の製造方法における主要部の工程を示すフローチャートである。なお図1或いは後述する図2および3は、全て基体、シート、電子部品等の要部についての断面を示している。図1において、まず導電性基体3上にセラミック粉体を含有する感光性セラミックスラリー11が所定厚さ塗布される(ステップ1)。この感光性セラミックスラリー11に露光現像処理を施し、必要部分を固化してセラミック部分12とすると共に、内部電極の形成パターンであるパターン空間11aを得る(ステップ2)。なお、感光性セラミックスラリー11の段階、或いはセラミック部分12となった段階のいずれかにおいて、その層厚さを第一の所定厚さとする、例えば研磨等の処理が当該層の表面に対して施される。
続くステップ3において、パターン空間11aが形成された導電性基体3を電極形成用の電着液に浸漬し、これに電界を印加する電着処理を施して内部電極層7を形成する。内部電極層7を第二の所定厚さ形成した後、電着液を誘電体層形成用のものと交換し、再度電着処理を行うことによって内部電極層7の上面に誘電体層13を第三の所定厚さ形成する。以上の工程により、電子部品形成に供せられるセラミックグリーンシートが得られる。
以上の工程により得られたセラミックグリーンシートを用いて積層セラミックコンデンサを形成する場合、セラミック部分12はいわゆる誘電体からなることが好ましい。しかし、本発明においてはコンデンサの容量を決める内部電極層間の誘電体層は当該部分とは独立して形成されていることから、このセラミック部分12は電子部品としての強度、或いは耐環境性等を向上させる絶縁性の材質としても良い。また、当該セラミックグリーンシート1を上面から見た場合、Niからなる内部電極7および誘電体層13は平板状の形状となる。内部電極を有するセラミックグリーンシート1を図2に示すように積層し、この積層体に対して前述した加圧、一体化以降の処理を施すことにより積層セラミックコンデンサが得られる。
なお、本発明の変形例として、セラミック部分12を電着法により形成することとしても良い。当該方法の要部をフローチャートとして図3に示す。当該方法において、まずステップ11において導電性基体3表面上にポジタイプの感光性樹脂層19が形成される。この樹脂層19を、内部電極の形成位置を残すように露光現像処理を施す(ステップ12)。以上のパターン形成が終了した導電性基体3をセラミック部分形成用の電着液に浸漬し、これに電界を印加する。導電性基体3の表面は、内部電極を形成する予定の部分以外が露出しているため、この部分にセラミックが電析してセラミック部分12が形成される(ステップ13)。このセラミック部分12の厚さは、電着処理の時間等によって高精度に制御され、第一の所定厚さとなった段階で当該処理は終了される。その後、残る感光性樹脂層19の除去を行い(ステップ14)、先の実施例1におけるステップ2の段階のシートを得る。以降の工程は、先の述べたとおりなのでここでの説明は省略する。
以上に述べたように、本発明の実施により、内部電極を含みながら平坦性の高いセラミックグリーンシートが容易に得られる。また、本発明においては、内部電極層および内部電極層の間に配置される誘電体層を一体のシートとして取り扱うことから、内部電極層等が薄層化した場合であってもシートの機械的強度を減ずることなく以下の積層等の工程を行うことが可能となる。予め本発明にかかる製造方法により種々の内部電極を有するセラミックグリーンシートを作製しておき、これらシートを任意に積層することによって、小型且つ高性能を有する積層セラミック電子部品を容易に提供することが可能となる。
本発明に係るセラミックグリーンシートの製造方法を示すフローチャートである。 本発明により得られたセラミックグリーンシートを用いて積層セラミックコンデンサを製造する工程の一部を示す図である。 本発明に係るセラミックグリーンシートの製造方法の変形例を示すフローチャートである。
符号の説明
1、:セラミックグリーンシート
3:導電性基体
5:マスク
7:内部電極
8:貫通電極
9:光透過性基体
11:感光性セラミックスラリー
12:セラミック部分
13:誘電体層
19:ポジタイプ感光性樹脂

Claims (7)

  1. 積層セラミックコンデンサの製造に供せられるセラミックグリーンシートの製造方法であって、
    導電性を有する基体の表面に内部電極形成領域を露出させた第一の所定厚さを有するセラミック部分を形成し、
    前記セラミック部分を形成した後の前記導電性基体を内部電極形成用の電着液に浸漬し、
    前記導電性基体に対して電界を印加して前記内部電極形成領域に対して前記第一の厚さより薄い第二の所定厚さを有する内部電極を形成し、
    前記内部電極を形成した後の前記導電性基体を誘電体層形成用の電着液に浸漬し、
    前記導電性基体に対して電界を印加して前記内部電極表面に所望の電気特性を有する誘電体層を形成することを特徴とするセラミックグリーンシートの製造方法。
  2. 前記セラミック部分の形成工程は、前記導電性基体上に所定のセラミック粉体を有する感光性のセラミックスラリーを塗布する工程と、露光現像処理によって前記感光性セラミックスラリーの固化と前記内部電極形成領域を形成する工程と、前記セラミックス部分の厚さを第一の所定厚さとする工程とを含むことを特徴とする請求項1記載のセラミックグリーンシートの製造方法。
  3. 前記セラミック部分の形成工程は、前記導電性基体上にポジタイプの感光性樹脂を塗布し、露光現像処理によって前記感光性樹脂を前記内部電極形成領域のみを残して除去し、前記導電性基体をセラミック部分形成用の電着液に浸漬して前記導電性基体に電界を印加することにより前記内部電極形成領域以外領域に第一の所定厚さを有するセラミック部分を形成し、セラミック部分形成後に残った前記感光性樹脂の除去を行う工程からなることを特徴とする請求項1記載のセラミックグリーンシートの製造方法。
  4. 前記感光性セラミックスラリーは、所望の電気的特性を有するセラミック粉体と感光性を有する樹脂材料とを含むことを特徴とする請求項2記載のセラミックグリーンシートの製造方法。
  5. 前記セラミック部分と前記誘電体層とは、各々異なるセラミックから構成されることを特徴とする請求項1乃至4何れかに記載のセラミックグリーンシートの製造方法。
  6. 前記内部電極の第二の所定厚さおよび前記誘電体層の第三の所定の厚さを加えた厚さと、前記セラミック部分の第一の所定厚さとが一致した時に前記誘電体層の形成を終了することを特徴とする請求項1乃至5何れかに記載のセラミックグリーンシートの製造方法。
  7. 請求項1乃至6何れかに記載のセラミックグリーンシートの製造方法により得られたセラミックグリーンシートを含む、複数の異なるセラミックグリーンシートを積層して積層体を形成し、
    前記積層体をその厚さ方向に圧着する工程を有することを特徴とする積層セラミックコンデンサの製造方法。
JP2003424811A 2003-12-22 2003-12-22 積層セラミックコンデンサおよび当該コンデンサの製造の供せられるセラミックグリーンシートの製造方法 Expired - Fee Related JP3916160B2 (ja)

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