JP3915343B2 - 穀類乾燥機 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、穀類乾燥機の外気温度センサの配置位置の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の穀類乾燥機は、乾燥室の熱風室の一側端部に対向してダクトフロントを配置して、このダクトフロント内にバーナを配置し、バーナの前方には機体の加熱を防止するプロテクタを設けて、バーナの燃焼部上方に、外気温度センサを設ける構成であった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
前記のように外気温度センサが配置されていたので、バーナの燃焼量や乾燥風量の大小によって、外気温度センサの検出温度に差が出ることがあり、検出精度が安定しないという問題点があった。
【0004】
【課題を解決するための手段】
このような問題点を解決するための請求項1の発明は、貯溜タンク1,乾燥室2,集穀室3,エレベータ4を具備し穀粒を循環乾燥する穀類乾燥機において、乾燥室2の熱風室5の一側端部に対向配置しているダクトフロント14の上方には、外気流入ボックス18を配置し、前記ダクトフロント14内にはバーナ15を配置して、少なくともダクトフロント14の上面部14aには多数のスリット19,19,…を設けて外気が流入する構成とし、前記ダクトフロント14の上面部14a上方で、且つ、上面部14aのスリット19,19,…を通って外気が流入する部位に外気温度センサ16を配置したことを特徴とする。
【0005】
【作用及び効果】
穀類乾燥機のダクトフロント14の上面部14aには多数のスリット19,19,…を設けて外気が流入する構成とし、ダクトフロント14の上面部14a上方で、且つ、上面部14aのスリット19,19,…を通って外気が流入する部位に外気温度センサ16を配置したので、バーナ15の燃焼熱の影響を少なくして、検出温度を安定させることができ、また、外気温度センサ16の極度の高温検出により、乾燥風を循環させる吸引ファンの故障をも検出できることとなった。また、ダクトフロント14の上面部14aのスリット19,19,…上方を、外気流入ボックス18で覆っているので、埃が溜りにくく、バーナ15による火災を防止できる
【0006】
【発明の実施の形態】
以下、図面に示すこの発明の実施例の形態について説明する。まず、図1乃至図4に基づき、穀類乾燥機の全体構成について説明する。図1は穀類乾燥機の全体正面図、図2は全体側面図、図3は全体切断正面図、図4は全体切断平面図である。
【0007】
穀類乾燥機は、貯溜タンク1、乾燥室2、集穀室3を積み重ねて機体本体を構成し、機体側方にはエレベータ4を立設した構成で、穀類を循環しながら乾燥するものである。
【0008】
乾燥室2内には、中央部には断面菱形の網体により構成した熱風室5を配置し、熱風室5の左右両側には穀粒流下通路6,6を設け、穀粒流下通路6,6の左右両側には排風室7,7を配置している。
【0009】
前記熱風室5は、三角形状の上部熱風室部5a、及び、逆三角形状の下部熱風室部5bにより構成して、上部熱風室部5aの左右両側には、漏斗状の上部穀粒流下通路6a,6aを配置し、下部熱風室部5bの左右両側部には、下部穀粒流下通路6b,6bを配置している。
【0010】
集穀室3には、断面V字形の集穀樋9を設けて、前記下部穀粒流下通路6b,6bの下端部には、繰出バルブ10を設けて、繰出バルブ10で繰り出された穀粒は、集穀樋9に落下して底部に集められ、下部ラセン11により一側に搬送される。一側に搬送された穀類は、機体側部に立設しているエレベータ4の下部に供給され、エレベータ4により揚穀されて、更に、上部ラセン12により貯溜タンク1の上部中央まで搬送され、拡散装置8により拡散されながら貯溜タンク1に均等に張り込まれる構成である。
【0011】
熱風室5の一側端部には、ダクトフロント14を対向して配置し、ダクトフロント14内にはバーナ15を設けて、熱風室5の一側端部に対向させている。また、熱風室5の他側端部には、吸引ファン13を配置し、前記排風室7の一側端部を連通している。
【0012】
しかして、吸引ファン13の吸引力によりバーナ15の前方より取り入れられた外気は、バーナ15の燃焼熱により熱風となり、ダクトフロント14のバーナ15の燃焼部周辺のスリットからも外気が取り入れられて混合され、熱風室5に導入される。更に熱風は穀粒流下通路6,6、排風室7,7に導かれて穀類を乾燥し、排風室7,7から吸引ファン13を経て機外に排出される構成である。
【0013】
穀類乾燥機には、CPU内臓の制御部(図示省略)には、操作ボックス17に設けられている張込・排出スイッチ22,乾燥スイッチ24、停止スイッチ25,乾燥風の温度を調節する温度設定スイッチ26,穀粒の乾燥仕上り水分を調節する水分設定スイッチ27等の各種スイッチ群、及び、熱風温度センサ、外気温度センサ、排風温度センサ、水分計等の各種センサ群が入力インターフェイスを経由して入力される構成であり、また、制御部から出力インターフェイス、駆動回路を経て、吸引ファンモータ、バーナ風量調節モータ、繰出バルブモータ、エレベータモータ等の各種アクチュエータが接続されている。
【0014】
しかして、これらの各種スイッチ群、センサ群の入力情報に基づき、各種アクチュエータ群に制御指令が出され、乾燥温度制御、乾燥速度制御、穀物温度制御、燃焼量自動制御、水分自動検出停止制御等の制御がなされ、また、停電時の燃料停止制御、過負荷運転停止制御、異常表示等の安全制御がなされる構成である。
【0015】
次に、図5乃至図7に基づき、外気温度センサ16の取付構成についていて説明する。乾燥室2の熱風室5の一側端部には、ボックス状のダクトフロント14を対向配置して、このダクトフロント14の上方前部には、コントローラ(図示省略)を内装した操作ボックス17を配置し、操作ボックス17の後方で且つダクトフロント14の上方部位に外気流入ボックス18を配置し、外気流入ボックス18の下面及び後面を開放している。
【0016】
ダクトフロント14内には、熱風室5の一側端部に対向してバーナ15を配置し、ダクトフロント14の上面部14a及び左・右側面部14b,14bには多数のスリット19,19,…を設け、また、この上面部14aのスリット19,19,…の上方に配置されている外気流入ボックス18内には、外気をスリット19,19,…に案内する案内板20を設けている。
【0017】
しかして、案内板20により外気が下方に案内され、上面部14aのスリット19,19,…を通ってバーナ15の燃焼部に空気が流入し、上面部14aのスリット19,19,…上方部位の風の流入部分に、外気温度センサ16を配置している。16aは外気温度センサ16を支持する支持板である。
【0018】
なお、外気流入ボックス18は、操作ボックス17に接続するハーネス17aのカバーも兼用するもので、前記案内板20の上面にはハーネス17aが載置される。
【0019】
従来装置にあっては、ダクトフロント14内にバーナ15を配置して、バーナ15の燃焼部前方にはプロテクタ21を設けて、バーナ15の燃焼部上方に、外気温度センサ16を設ける構成であった。従って、バーナ15の燃焼量や風量の大小によって、外気温度センサ16の検出温度に差が出るという不具合があった。
【0020】
しかし、前記のように、ダクトフロント14のバーナ15の上方位置で、しかも、上面部14aのスリット19,19,…を通って外気の流れる部位に、外気温度センサ16を配置したので、バーナ15の燃焼熱の影響を少なくして、流入外気により検出温度を安定させることができる。また、ダクトフロント14の上面部14aのスリット19,19,…上方を、外気流入ボックス18で覆っているので、埃が溜りにくく、バーナ15による火災を防止できる。また、外気流入ボックス18の内部を、案内板20により下部の風導入部分、及び、上部の風の通らない部分に二分したので、操作ボックス17内のコントローラ(図示省略)への流入外気の影響を遮断すると共に、ダクトフロント14の上面部14aのスリット19,19,…部を風により清掃できて、埃の停滞を防止し、火災の防止を図ることができる。
【0021】
次に、水分計による運転制御の他の実施例について説明する。この実施例は、穀類乾燥機において、張込・排出スイッチ22をONし、穀粒の循環乾燥運転が開始され、運転中には水分計(図示省略。例えば、エレベータ4内に配置されていて、水分計には揚穀穀粒から落下したものが供給されて、含水率を測定する周知のものである。)で水分測定をし、乾燥仕上りの設定水分値より3%以上の高い水分値を検出した場合には、張込作業中と判断し、繰出バルブ10を停止し、下部ラセン11,エレベータ4,上部ラセン12を駆動する張込運転に移行するものである。また、この張込運転中にも水分計(図示省略)による水分測定を所定時間毎に繰り返し、水分計(図示省略)にサンプル粒が入らなくなった時には、張込作業終了と判断し、次いで、バーナ15を停止状態で吸引ファン13を回転する通風運転に移行するものである。なお、所定時間の通風乾燥が終了すると、制御部(図示省略)からの指令により、自動的に熱風乾燥作業に移行するようにしてもよい。
【0022】
従来の穀類乾燥機にあっては、操作ボックスの張込量設定スイッチを操作し張込量を設定すると、自動的に通風乾燥が選択され、次いで、乾燥スイッチをONすると、熱風乾燥が開始される構成であった。
【0023】
しかし、この実施例では、前記のように、張込・排出スイッチ22をONすることで、張込作業が開始され、張込作業の終了を自動判定し、次いで、自動的に通風運転に移行するので、張込作業・通風乾燥作業を効率的に行なうことができる。
【0024】
なお、張込作業・通風乾燥作業終了時には、オペレータが張込量を設定すると共に、乾燥スイッチをONしたり、あるいは、張込量センサ(図示省略)により穀粒張込量を測定して、自動的に乾燥運転に移行するものである。
【0025】
次に、水分計(図示省略)による運転制御の他の実施例について説明する。この実施例は、穀類乾燥機の穀粒循環乾燥運転中に、所定時間毎に水分計(図示省略)により水分値の測定をし、測定水分値が設定水分値以下になったときには、排出作業になったと判定して、穀粒を機外に取り出す穀粒排出モードに移行し、排出モード運転中にも水分計(図示省略)により所定時間毎に水分測定をし、水分計(図示省略)に穀粒が入らなくなり、水分計異常と判定したときには、排出作業終了と判定して、排出作業を自動停止するものである。
【0026】
従来装置にあっては、穀粒の循環中であることを検出する特別の籾流れセンサを設けて、この籾流れセンサのON・OFFにより、穀粒の循環の有無を検出していた。
【0027】
しかし、前記実施例にあっては、特別なセンサを用いることなく、水分計(図示省略)の水分測定作業により穀粒の循環状態を検出し、穀粒排出作業の終了を判断できて、自動的に排出作業を停止することができる。
【0028】
この実施例は、循環式穀類乾燥機の上部ラセン12に排塵機23を設けて、循環穀粒から塵埃類を分離排出するものにおいて、穀粒乾燥運転の初期には、排塵機23を駆動して排塵し、穀粒の乾燥仕上がり付近になると、排塵機23を停止する制御を行なうものである。
【0029】
従来装置にあっては、乾燥作業中には、常に排塵機23が回転しているため、乾燥仕上がり付近になり、乾燥室2の穀粒密度が高くなり、穀粒流下通路6,6を通過する乾燥風が減少し、乾燥効率が低下するという不具合があった。
【0030】
しかし、前記のように、乾燥作業の後半には、排塵機23を停止させるので、集穀室3,エレベータ4を経由して排塵機23への乾燥風の流れを停止し、効率的に穀粒の乾燥作業をすることができる。
【0031】
次に、バーナ15の燃焼制御の他の実施例について説明する。バーナ15の燃焼部近傍にフレームアイ(図示省略)を設置し、検出情報を制御部(図示省略)に送り、フレームアイの光の感度の度合いにより、着火したか否かの着火判定、及び、赤火燃焼か青火燃焼かの燃焼状態の判定をするものである。しかして、赤火燃焼を判定すると、制御部からの指令により、バーナ15の風力調節ファン(図示省略)の回転数を標準よりも高めに調節して、数分間(例えば、5分乃至10分)回転させ、燃焼初期のエア混入による赤火燃焼を防止するものである。
【0032】
従来技術は、バーナの着火判定をフレームロッドにより行なっていたため、着火判定はできても、燃焼状態の判定はできなかった。また、例えば、特開平5−71730号公報の発明にあっては、バーナの燃焼初期には、燃焼室内の静圧上昇に伴う燃焼空気量の低下を見込んで、増量した燃焼空気量を供給し、赤火燃焼を防止するものであった。従って、赤火燃焼・青火燃焼に関係なく燃焼空気の増量を行なうため、初期燃焼が安定しないという不具合があった。
【0033】
しかし、この実施例では、前記のように、フレームアイの赤火燃焼か青火燃焼かの検出に基づき、赤火燃焼の場合には、燃焼空気量を増量するので、赤火燃焼を防止しながら、初期燃焼の安定化を図ることができる。なお、図9はフレームアイの赤火燃焼及び青火燃焼の判定基準を示すグラフである。
【0034】
また、バーナの燃焼初期の赤火燃焼を防止するにあたり、オペレータが赤火燃焼を発見したときに、操作ボックス17の乾燥スイッチ24を再度ONすると、制御部(図示省略)からの指令で風力調節ファン(図示省略)を通常よりも高速で数分間(例えば、5分程度)回転させて、赤火燃焼を調整してもよい。なお、図10は制御フローを示すものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】 穀類乾燥機の全体正面図
【図2】 全体側面図
【図3】 全体切断正面図
【図4】 全体切断平面図
【図5】 要部の斜視図
【図6】 要部の側面図
【図7】 要部の平面図
【図8】 操作盤図
【図9】 グラフ
【図10】 フローチャート
【符号の説明】
1 貯溜タンク
2 乾燥室
3 集穀室
4 エレベータ
5 熱風室
6 穀粒流下通路
7 排風室
8 拡散装置
9 集穀樋
10 繰出バルブ
11 下部ラセン
12 上部ラセン
13 吸引ファン
14 フロントダクト
15 バーナ
16 外気温度センサ
17 操作ボックス
18 外気流入ボックス
19 スリット
20 案内板
21 プロテクタ
22 張込・排出スイッチ
23 排塵機
24 乾燥スイッチ
26 温度設定スイッチ
27 水分設定スイッチ

Claims (1)

  1. 貯溜タンク1,乾燥室2,集穀室3,エレベータ4を具備し穀粒を循環乾燥する穀類乾燥機において、乾燥室2の熱風室5の一側端部に対向配置しているダクトフロント14の上方には、外気流入ボックス18を配置し、前記ダクトフロント14内にはバーナ15を配置して、少なくともダクトフロント14の上面部14aには多数のスリット19,19,…を設けて外気が流入する構成とし、前記ダクトフロント14の上面部14a上方で、且つ、上面部14aのスリット19,19,…を通って外気が流入する部位に外気温度センサ16を配置したことを特徴とする穀類乾燥機
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