JP3914408B2 - 押釦スイッチ及びその製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、押圧されることによりドーム状の可動接点が反転して接点の接離を行う押釦スイッチに係り、特に携帯用電子機器などに使用される小型の押釦スイッチに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の押釦スイッチの構造を図7乃至図9に示す。図7は押釦スイッチの縦断面図、図8はフープ材の平面図、図9はフープ材をハウジングに埋設した状態の平面図である。
【0003】
従来の押釦スイッチは、収納部を有する方形状のハウジング11と、このハウジング11の収納部に配設された中央固定接点12a及び周辺固定接点12bと、この中央固定接点12a及び周辺固定接点12bに連接されハウジング11側面から導出する外部端子13a、13bと、中央固定接点12a及び周辺固定接点12b上に対向して配設された可動接点14と、この可動接点14上に配設され、収納部を覆うと共に、ハウジング11の上面に取り付けられたカバーシート15とから構成されている。
【0004】
ハウジング11は、合成樹脂などの絶縁材で方形状の箱形に形成されており、内部に略円形状の収納部11aを有している。この収納部11aの中央には、導電性の金属製端子材からなる中央固定接点12aが、内底面に表出して配設されており、この中央固定接点12aを挟んで対向する位置には、同じく導電性の金属製端子材からなる周辺固定接点12b、12bが配設されている。
【0005】
ハウジング11の側面には、外方へ突出する外部端子13a、13bが形成されており、この外部端子13a、13bは、ハウジング11内で連接部13gにより中央固定接点12a及び周辺固定接点12bと連接されている。また、外部端子13a、13bは、面実装タイプの端子構造となっており、外部端子13a、13bの基板への実装面が半田付け可能な高さとなるように、中央及び周辺固定接点12a、12bに接続された連接部13gの両端を、ハウジング11内で屈曲部13cを設けて下方に屈曲させている。連接部13g両端に屈曲部13cを設けることにより、ハウジング11側面から導出される外部端子13a、13bの高さを調整して低く形成するようにしている。
【0006】
可動接点14は、導電性の金属板で円盤状に形成されており、周縁部から所定の角度で立ち上がるスカート部と、このスカート部に連続するドーム状の膨出部14aとが形成されている。
【0007】
可動接点14を収納部11aに収納する際に、収納部11aに配設された周辺固定接点12bに可動接点14の周縁部を当接して載置する。この時、ドーム状の膨出部14aと中央固定接点12aとが離間しておりスイッチはオフ状態となっている。
【0008】
カバーシート15は、略方形状の樹脂シートで形成されており、可動接点14を押圧する操作部として使用されると共に、ハウジング11の収納部11aを覆い、上面に取り付けられることで、可動接点14の飛び出しや、接点部内への塵埃など異物の侵入を防止している。
【0009】
図8は金属製端子材により形成されたフープ材を示しており、中央及び周辺固定接点12a、12bに連接されてハウジング11の外方へ導出される外部端子13a、13bの延出側には、外部端子13a、13bと連接されて直交する方向に延びる縦桟部13dが形成されている。また、縦桟部13dに連接されて直交する方向で端子材の幅方向の外側位置にはつなぎ桟部13eが形成されており、このつなぎ桟部13eには一定のピッチで送り用のガイド孔13fが形成されている。このガイド孔13fに図示しない金型のガイドピンが挿入されてフープ状の端子材が順送されて加工されるものとなっている。
【0010】
図9は金属製端子材により形成されたフープ材を前記ハウジング11に埋設した状態を示しており、ハウジング11の収納部11a内底面に、中央及び周辺固定接点12a、12bが表出した状態で配設されている。この状態から、ハウジング11側面から導出された外部端子13a、13bの延出側を切断することにより、単品のハウジング11が得られるものとなっている。
【0011】
次に、従来の押釦スイッチの製造方法を説明する。最初に、金属製端子材により形成されたフープ材の幅方向両端に二列に等間隔の送り用ガイド孔13fをプレス加工により設ける。次に、二列のガイド孔の間に2本の連接部13g及び端子部13a、13bとこれにつながる固定接点12a、12bとつなぎ桟部13eと縦桟部13dとを形成するようにプレス加工する。次に、連接部13gの両端に屈曲部13cを形成させ、同時に固定接点12a、12bが突出するようにプレス加工する。次に、プレス加工した金属製端子材を樹脂成形用金型に載置する。次に、金型内に樹脂を注入して、連接部13gの両端を屈曲した状態でハウジング1に埋設し、ハウジング1の内底面に固定接点12a、12bを露出させ、ハウジング11の側面に外部端子13a、13bを切断して露出させる。次に、ハウジング11内に可動接点14を組み込み、最後にカバーシート15をハウジング11の上面側に固着する。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述した従来の押釦スイッチの構造及び製造方法においては、ハウジング11内で端子材を屈曲するため、フープ状の端子材をプレス加工して外部端子13a、13bと中央及び周辺固定接点12a、12bとを形成するにあたり、外部端子13a、13bとなる部分のプレス加工による曲げ加工分、フープ材が引っ張られるのを防止するため、外部端子13a、13bとなる部分よりもフープの幅方向の外側位置につなぎ桟13eを設ける必要があり、この分幅広のフープ材が必要となり、材料の無駄が生じ、安価対応ができないという問題があった。
【0013】
このため、ハウジング11側面から導出される外部端子13a、13bの導出位置を半田付け可能な高さになるように低く設定して、ハウジング11内の端子材を平坦にすることが考えられるが、端子材下面のハウジング11の肉厚が薄くなり、成形時に樹脂の流れが悪く成形不良が発生するという問題があった。
【0014】
従って本発明では上述した問題点を解決し、成形不良をなくすと共に端子材によって形成されたフープ材のつなぎ桟を内桟にすることにより材幅を狭くして材料の削減が計れる押釦スイッチの構造及び製造方法を提供することを目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】
本発明の押釦スイッチは、収納部を有する樹脂製ハウジングと、平板状の金属製端子材を前記ハウジング底部に埋設して前記収納部の内底面に突出させて形成された固定接点と、この固定接点と接離可能な可動接点と、前記固定接点と連接され前記ハウジング側面から外方に導出された外部端子とを備え、前記外部端子間の埋設された前記端子材を前記外部端子の導出部に比べて中央部が持ち上がるよう湾曲させると共にハウジング底部に前記端子材の裏面を露出する開口を形成した。
この構成により、端子材を外部端子の導出部に比べて中央部が持ち上がるよう湾曲させたので、樹脂不足による成形不良をなくすことができる。また、端子材によって形成されたフープ材のつなぎ桟を内桟にすることにより材幅を狭くして材料の削減が計れる。
【0016】
また、本発明の押釦スイッチは、前記開口を前記外部端子の導出部から前記固定接点に至る間に複数点在させて形成した。
この構成により、外部端子の導出部間の広い範囲を湾曲させることができ、確実に溶融した樹脂を注入することができる。
【0017】
また、本発明の押釦スイッチの製造方法は、固定接点を打ち抜き形成した金属製端子材を樹脂成形用金型に載置する工程と、前記金型の下方からピンを突出させ、このピンの先端を前記端子材の裏面に付き当て、前記端子材を湾曲させる工程と、前記金型内に樹脂を注入して、前記端子材を湾曲した状態でハウジングに埋設し、ハウジングの内底面に固定接点を、前記ハウジングの側面に外部端子を露出する工程と、前記ハウジング内に可動接点及びステムを組み込む工程とを有する。
この構成により、樹脂不足による成形不良をなくすと共に、端子材を湾曲した状態でピンで押し樹脂成形により湾曲部を形成し、また、プレス加工により湾曲部を形成するわけではないので、プレス加工の際に必要な外側のつなぎ桟が不要で、フープ状の端子材のつなぎ桟を内桟にすることにより材幅を狭くして材料の削減が計れる。
【0018】
また、本発明の押釦スイッチの製造方法は、前記金属製端子材は、フープ材からなり、前記フープ材の中央に一列に等間隔の送り用のガイド孔を設け、一対の前記ガイド孔の間に2本の連接部とこれにつながる前記固定接点とをプレス加工する工程と、前記ピンの先端を前記連接部の裏面に突き当て前記端子材を湾曲させる工程と、前記ハウジングの側面に前記連接部の端部を露出して切断し外部端子とする工程とを有する。
この構成により、送り用のガイド孔が一列であり、外側のつなぎ桟がないので、材幅を狭くして材料の削減が計れる。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の押釦スイッチの実施形態を図1乃至図6に示す。図1は本発明の押釦スイッチの実施形態の縦断面図、図2は本発明の押釦スイッチの実施形態の外部端子の縦断面図、図3は本発明の押釦スイッチの実施形態の外部端子の成形方法を説明するための説明図、図4は本発明の押釦スイッチの実施形態のフープ状の端子材の平面図、図5は本発明の押釦スイッチの実施形態のフープ材にハウジングを埋設した状態を示す平面図、図6は本発明の押釦スイッチの実施形態のフープ材にハウジングを埋設したものの背面図をそれぞれ示す。
【0020】
ハウジング1は、内部に収納部1aを有する方形状で上面が開口された箱型に形成されている。このハウジング1の収納部1aの内底面中央には導電性の金属製端子材からなる中央固定接点2aが平板状の端子材から屈曲部2cによって突出されて上面側が表出された状態で配設されており、この中央固定接点2aを挟んで対向する位置には、同じく導電性の金属製端子材からなる周辺固定接点2b、2bが平板状の端子材から屈曲部2dによって突出されて上面側が表出された状態で配設されている。すなわち中央固定接点2aおよび周辺固定接点2bの下面を除く端子材の下面部分がハウジング1において樹脂厚が最も薄肉に形成されている。また、ハウジング1の対向する外側面には、外方に突出された外部端子3a、3bが形成されている。
【0021】
外部端子3a、3bはハウジング1内で端子材により固定端子である中央固定接点2a及び周辺固定接点2b、2bと連接されたものになっており、この連接部3cは全体として湾曲して、連接部3c両端から上方に持ち上がった形状をなしている。
【0022】
また、連接部3cの裏面の一部が露出するように複数個の開口1bがハウジング1の底部に形成されている。
この開口1bは、図3に示すように樹脂のインサート成形時に成形金型7の中に連接部3cを装着し、成形金型7の下方から断面が円形状のピン8を複数点在するように突出させて連接部3cの裏面に突き当てこれを持ち上げて湾曲させ連接部3cの下部に空間を作り、そこへ確実に溶融した樹脂を注入することができるようにするため、樹脂不足による成形不良を生む懼れがなく、精度よく成形できることとなる。また、プレス加工をして連接部3cを変形させるわけではないので、プレス加工の引っ張り防止のために、フープ材の幅方向の外側位置につなぎ桟を設ける必要がなく、フープ材の幅を狭く加工できるので、材料の無駄が生じない。
【0023】
従って、面実装においては外部端子3a、3bの高さをはんだの厚み(約0.1mm)よりも低く設定する必要があるが、ハウジング1の端部では外部端子3a、3bの高さはこれを満足すると同時に外部端子3a、3bの間の連接部3cの部分は外部端子3a、3bの導出部より上方に持ち上がって湾曲しているので絶縁樹脂不足による成形不良を生じないこととなる。
【0024】
また、図2に示すように、開口1bは外部端子3a、3bの導出部から中央及び周辺固定接点2a、2bの突出部に至る間に複数点在して設けられているので広い範囲において連接部3cをを持ち上げて湾曲させることができると共に、樹脂の流入をピンが阻害することがない。
【0025】
可動接点4は、導電性の金属板で略円盤状に形成されており周縁部から所定の角度で立ち上がるスカート部4bとこのスカート部4bに連続するドーム状の膨出部4aが形成されており、この膨出部4aの頂部下面が中央固定接点2aとなっている。スカート部4bは周辺固定接点2b、2bの上に配置されこれと接触している。
【0026】
ステム5は、絶縁樹脂製で略円柱状に形成されている。このステム5にはハウジング1の開口部から突出して押圧操作される操作部5aが設けられており、この操作部5aの下面側には下方に突出され、可動接点4の膨出部4a上面に当接して可動接点4を下方に押圧する押圧突部5bが形成されている。また、操作部5aの外周縁部には、ステム5の押圧操作時に、ハウジング1の収納部1aの内壁面に案内される鍔部5cが形成されている。
【0027】
ステム5の押圧操作時には、鍔部5cの下端部が収納部1aの底面周縁部に形成された段部1dと当接することにより、ステム5のそれ以上の押し込みが規制されるものとなっている。また、ステム5の復帰時には、鍔部5cがハウジング1の収納部1aの開口部上面側に固着される後述するカバー6の内面に係止されることによりステム5の外方への飛び出しを防止している。
【0028】
カバー6は、樹脂製で略方形状に形成されている。このカバー6には、中央にステム5の操作部5aが突出される挿通孔6aが設けられており、また、方形状の四隅部には、図示しないがハウジング1の上面側に形成された図示しない固着用の突起が嵌合される嵌合孔が形成されたものとなっている。この嵌合孔にハウジング1の突起が嵌合されてかしめによりカバー6がハウジング1の上面側に固着されるものとなっている。
【0029】
図4に示すように、金属製端子材により形成されたフープ材は帯状の金属板から形成されている。この端子材の幅方向の中央には複数の中央固定接点2aと周辺固定接点2bが形成されており、この中央及び周辺固定接点2a、2bを挟んで幅方向の上下には、2本の連接部3c、3cが対向されて同一平面上に平行に延設されている。また、中央固定接点2aと周辺固定接点2bは連接部3cから屈曲部2c、2dによって上面側に若干突出されて形成されている。
【0030】
連接部3cにより連接された両端側には、同一平面状に外部端子3a、3bが形成されておりこの外部端子の延出側には外部端子3a、3bと連接されて直交する方向に延びる内桟からなるつなぎ桟部3eが形成されている。このつなぎ桟部3eにより上下2本の連接部3cが連接されて中央及び周辺固定接点2a、2bが一定の間隔で対向されて配設されたものとなっている。
【0031】
また、つなぎ桟部3eの中央には一定のピッチで送り用のガイド孔3fが形成されている。このガイド孔3fに図示しない金型のガイドピンが挿入されて端子材によって形成されるフープ材が順送されて加工されるものとなっている。
【0032】
図5は金属製端子材により形成されたフープ材をハウジング1に埋設した状態を示しており、ハウジング1の収納部1aの内底面に、連接部3cから突出して形成された中央及び周辺固定接点2a、2bが表出した状態で配設されている。この状態から、ハウジング1側面から導出された外部端子3a、3bの延出側を切断することにより、単品のハウジング1が得られるものとなっている。
【0033】
図6は金属製端子材により形成されたフープ材をハウジング1に埋設したものを背面側から見たもので、樹脂成形時に連接部3cをピン8により持ち上げ湾曲させ、ピン8を引き抜いた後の複数の開口1bが連接部3cである端子材の裏面を露出して形成されている。
【0034】
次に上記構成の押釦スイッチの動作を説明する。
図1に示すように、ステム5が非押圧状態では、可動接点4はスカート部4bの周縁が周辺固定接点2b、2bの上面と接触しているが、ドーム状の膨出部4aが中央固定接点2aとは離間した状態となっており、スイッチはオフ状態となっている。
【0035】
この状態から、ステム5が指などで押圧操作されると、ステム5の操作部5a下方に設けられた押圧突起部5bが、可動接点4の膨出部4a頂部上面を押圧してこの膨出部4aを下方に押し下げるものとなる。
【0036】
この時、可動接点4の膨出部4aが下方へ押圧されることで、可動接点4は膨出部4aが下方へ反転することとなる。このため、膨出部4aの頂部下面が中央固定接点2aと接触し、周辺固定接点2b、2bと中央固定接点2aとが導通されてスイッチはオン状態となる。
【0037】
これと共に、ステム5の外周縁部に形成された鍔部5cの下端部が収納部1aに形成された段部1dの上面部と当接することによりストッパーとなり、ステム5のそれ以上の押し込みが規制されるものとなっている。
【0038】
この状態から、ステム5の押圧力を解除すると、可動接点4の膨出部4aが自身の弾性で反転して初期の状態に復帰すると共に、この際の付勢力によってステム5が上方へ押圧されて初期位置へと復帰するものとなる。この時、膨出部4aが反転するのに伴って、膨出部4aの頂部下面が中央固定接点2aから離間するものとなりスイッチはオフ状態となる。
【0039】
次に上記構成の押釦スイッチの製造方法を説明する。最初に、金属製端子材により形成されたフープ材の中央に一列に等間隔の送り用ガイド孔3fをプレス加工により設ける。次に、一対のガイド孔の間に2本の連接部3cとこれにつながる固定接点2a、2bとをプレス加工する。次に、固定接点2a、2bを打ち抜き形成した金属製端子材を樹脂成形用金型7に載置する。次に、金型7の下方からピン8を突出させ、このピン8の先端を連接部3cの裏面に付き当てて連接部3cを湾曲させる。次に、金型7内に樹脂を注入して、連接部3cを湾曲した状態でハウジング1に埋設し、ハウジング1の内底面に固定接点2a、2bを露出させ、ハウジング1の側面に外部端子3a、3bを切断して露出させる。次に、ハウジング1内に可動接点4及びステム5を組み込み、最後にカバー6をハウジング1の上面側に固着する。
尚、稼動接点4はハウジング1の外部から押圧操作可能に組み込んであればよく、ステム5は必ずしも必要ではない。
【0040】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の押釦スイッチは、収納部を有する樹脂製ハウジングと、平板状の金属製端子材をハウジング底部に埋設して収納部の内底面に突出させて形成された固定接点と、この固定接点と接離可能な可動接点と、固定接点と連接され前記ハウジング側面から外方に導出された外部端子とを備え、外部端子間の埋設された端子材を外部端子の導出部に比べて中央部が持ち上がるよう湾曲させると共にハウジング底部に端子材の裏面を露出する開口を形成した。
この構成により、端子材を外部端子の導出部に比べて中央部が持ち上がるよう湾曲させたので、樹脂不足による成形不良をなくすことができる。また、端子材によって形成されたフープ材のつなぎ桟を内桟にすることにより材幅を狭くして材料の削減が計れる。
【0041】
また、本発明の押釦スイッチの製造方法は、固定接点を打ち抜き形成した金属製端子材を樹脂成形用金型に載置する工程と、金型の下方からピンを突出させ、このピンの先端を端子材の裏面に付き当て、端子材を湾曲させる工程と、金型内に樹脂を注入して、端子材を湾曲した状態でハウジングに埋設し、ハウジングの内底面に固定接点を、ハウジングの側面に外部端子を露出する工程と、ハウジング内に可動接点を組み込む工程とを有する。
この構成により、樹脂不足による成形不良をなくすと共に端子材を湾曲した状態でピンで押し樹脂成形により湾曲部を形成し、また、プレス加工により湾曲部を形成するわけではないので、プレス加工の際に必要な外側のつなぎ桟が不要で、フープ状の端子材のつなぎ桟を内桟にすることにより材幅を狭くして材料の削減が計れる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の押釦スイッチの実施形態の縦断面図である。
【図2】本発明の押釦スイッチの実施形態の外部端子の縦断面図である。
【図3】本発明の押釦スイッチの実施形態の外部端子の成形方法を説明するための説明図である。
【図4】本発明の押釦スイッチの実施形態のフープ材の平面図である。
【図5】本発明の押釦スイッチの実施形態のフープ材にハウジングを埋設した状態を示す平面図である。
【図6】本発明の押釦スイッチの実施形態のフープ材にハウジングを埋設したものの背面図である。
【図7】従来の押釦スイッチの縦断面図である。
【図8】従来のフープ状の端子材の平面図である。
【図9】従来のフープ状の端子材をハウジングに埋設した状態の平面図である。
【符号の説明】
1 ハウジング
1a 収納部
1b 開口
2a 中央固定接点
2b 周辺固定接点
3a、3b 外部端子
3c 連接部
4 可動接点
5 ステム
6 カバー
7 金型
8 ピン
Claims (4)
- 収納部を有する樹脂製ハウジングと、平板状の金属製端子材を前記ハウジング底部に埋設して前記収納部の内底面に突出させて形成された固定接点と、この固定接点と接離可能な可動接点と、前記固定接点と連接され前記ハウジング側面から外方に導出された外部端子とを備え、前記外部端子間の埋設された前記端子材を前記外部端子の導出部に比べて中央部が持ち上がるよう湾曲させると共にハウジング底部に前記端子材の裏面を露出する開口を形成したことを特徴とする押釦スイッチ。
- 前記開口を前記外部端子の導出部から前記固定接点に至る間に複数点在させて形成したことを特徴とする請求項1記載の押釦スイッチ。
- 固定接点を打ち抜き形成した金属製端子材を樹脂成形用金型に載置する工程と、前記金型の下方からピンを突出させ、このピンの先端を前記端子材の裏面に付き当て、前記端子材を湾曲させる工程と、前記金型内に樹脂を注入して、前記端子材を湾曲した状態でハウジングに埋設し、ハウジングの内底面に固定接点を、前記ハウジングの側面に外部端子を露出する工程と、前記ハウジング内に可動接点を組み込む工程とを有することを特徴とする押釦スイッチの製造方法。
- 前記金属製端子材は、フープ材からなり、前記フープ材の中央に一列に等間隔の送り用のガイド孔を設け、一対の前記ガイド孔の間に2本の連接部とこれにつながる前記固定接点とをプレス加工する工程と、前記ピンの先端を前記連接部の裏面に突き当て前記端子材を湾曲させる工程と、前記ハウジングの側面に前記連接部の端部を露出して切断し外部端子とする工程とを有することを特徴とする請求項3に記載の押釦スイッチの製造方法。
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