JP3913522B2 - 燃料ガス処理剤および燃料ガス中の不純物除去方法 - Google Patents
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Description
【発明の技術分野】
本発明は、燃料ガス中の不純物の除去方法および燃料ガス処理剤に関する。特に、小規模の容量の燃料ガスを処理して燃料ガス中の硫黄分を低減することができる燃料ガス中の不純物除去方法および燃料ガス処理剤に関する。
【0002】
【発明の技術的背景】
近年、クリーンな水素をエネルギー源とする高効率、無公害でCO2等温暖化ガスを発生しない発電システムとして燃料電池が注目されている。このような燃料電池は、家庭や事業所など固定設備、自動車などの移動設備などでの使用を目的に本格的な開発研究が行われている。
【0003】
この燃料電池に用いる燃料としては、天然ガス、LPガス、都市ガス、アルコール、ガソリン、灯油、軽油等の他バイオマスなどの炭化水素系燃料が挙げられる。
このような炭化水素系燃料を、まず水蒸気改質、部分酸化などの反応により水素ガス、COガスに変換し、後述するアノードを被毒して発電性能を低下させるCOガスを除去して水素ガスを得る。この水素は、アノードに供給され、アノードの金属触媒によって水素イオンと電子に解離し、電子は外部回路を通じて仕事をしながらカソードに流れ、水素イオンは電解質膜を拡散してカソードに移動し、カソードにて、遊離した電子、供給される酸素と、反応して水となる。すなわち、燃料電池では、酸素と燃料ガスに由来する水素とを供給して水を生成する過程で電流を取り出すメカニズムになっている。
【0004】
しかしながら、前記COガス除去工程では、通常Ru、Pt、Ni、Fe等の貴金属あるいは金属触媒が用いられるが、燃料中に硫黄成分がppmオーダーでも存在するとCO除去触媒が被毒されて活性が低下し、COガスが残存し、その結果、燃料電池の性能が低下するという問題があった。
このため、燃料電池に用いられる燃料に硫黄成分が含まれている場合は、水素化脱硫法(通常、高温・水素加圧下)によって硫黄を除去して用いることが検討されている。しかしながら、この方法では副製する硫化水素を別途除去する工程が必要であり、さらに燃料油中の硫黄成分の少ない場合は硫黄除去量に対する水素化脱硫費用(設備、ランニングコスト等)が高く経済性に問題があった。
【0005】
本願出願人は、民生用の燃料油中の硫黄成分が低濃度である場合に効率的な吸着法による除去方法および吸着剤を提案している(特願平2001−50598号)。
ところで、一般に、LPガス、都市ガス等の燃料には、安全性の観点から所定量(1〜50ppm)のベンゾチオフェン、ジベンゾチオフェンなどの硫黄化合物を添加し、着臭して用いることが法律で義務づけられている。
【0006】
従って、LPガス、都市ガス等を燃料電池用の燃料として用いる場合も、使用時にこの硫黄化合物を除去して用いる必要がある。
本発明者等は、ガス中の硫黄化合物を効率的に除去できる除去方法について鋭意検討した結果、新規な硫黄化合物吸着剤を使用すれば極めてた効率的な除去できることを見出して本発明を完成するに至った。
【0007】
【発明の目的】
本発明は、燃料ガス中の硫黄化合物を効率的に除去可能な燃料ガス処理剤および該処理剤を用いた燃料ガス油処理方法を提供することを目的としている。
【0008】
【発明の概要】
本発明に係る燃料ガス処理剤は、
金属成分と、平均粒子径が 3 〜 800nm の範囲にある TiO 2 ・ SiO 2 、 SiO 2 ・ Al 2 O 3 、 SiO 2 からなる群から選ばれる 1 種以上の無機酸化物粒子とからなる複合化合物を含み、該複合化合物が活性炭に担持されてなることを特徴としている。
前記金属成分が、Ag、Cu、Zn、Sn、Pb、Cd、Bi、Hg、Pt、Pd、Ni、Fe、Co、Ru、Rh、Au、Mn からなる群から選ばれる1種以上であることが好ましい。
【0010】
本発明に係る燃料ガス中の不純物除去方法は、前記燃料ガス処理剤を燃料ガスに接触させること特徴としている。前記燃料ガス処理剤を燃料ガスに接触させる際の温度は、−30℃〜50℃の範囲にあることが好ましい。
【0011】
【発明の具体的説明】
まず、本発明に係る燃料ガス処理剤について説明する。
[燃料ガス処理剤]
本発明に係る燃料ガス処理剤は、金属成分と無機酸化物および/または活性炭とからなる複合化合物を含んでいる。
【0012】
金属成分
金属成分としては、Ag、Cu、Zn、Sn、Pb、Cd、Bi、Hg、Pt、Pd、Ni、Fe、Co、Ru、Rh、Au、Mn から選ばれる1種または2種以上であることが好ましい。
処理剤がこのような金属成分を含んでいると、燃料ガス中に不純物として含まれている硫黄化合物(硫黄含有炭化水素)を吸着・除去できる。
【0013】
特に、金属成分がAg、Cu、Zn、Sn、Ni、Pb から選ばれる1種以上であると、硫黄化合物の吸着量が高く、硫黄化合物の濃度をより低減することができ、0.1volppm以下の燃料ガスを得ることができるので、使用される処理剤自体の使用量を少なくすることができたり、さらには繰り返し使用することができる。
【0014】
無機酸化物および/または活性炭
無機酸化物としては、上記金属成分と反応したり、金属成分を変性させてその機能を損なわないものであれば特に制限はなく、Ti、Zr、Ce、Si、Al、Mg、Nb、Mo、W、Ca、Ba、Pからなる群から選ばれる1種以上の元素の酸化物であることが好ましい。なお、2種以上の元素の酸化物は、各酸化物の混合物であっても、2種以上の元素の複合酸化物であってもよい。
【0015】
具体的には、MgO、ZnO、Al2O3、B2O3、CeO2、SiO2、SnO2、TiO2、ZrO2、P2O5、Sb2O5、Nb2O5、MoO3、WO3、MnO2などの結晶質あるいは非晶質の酸化物、SiO2-Al2O3、Al2O3-B2O3、Al2O3-MgO、SiO2-TiO2、SiO2-ZrO2などの結晶質あるいは非晶質の複合酸化物などが挙げられる。結晶質の複合酸化物としては多孔質結晶性アルミノシリケートゼオライトや粘土鉱物を挙げることができる。
【0016】
無機酸化物は上記成分を主成分として含んでいればよく、主成分以外の成分を含んでいてもよい。前記した複合酸化物の場合、アルカリ金属、アルカリ土類金属などを含んでいると、金属成分の担持が均一にできることがある。
本発明で使用される無機酸化物は、上記の中でもTi、Zr、Ce、Si、Alから選ばれる1種以上の元素の酸化物であることが好ましい。
【0017】
本発明では、前記無機酸化物とともに、あるいは無機酸化物の代わりに、活性炭、カーボンナノチューブなどを好適に用いることができる。活性炭としては、椰子殻活性炭などの比表面積の高いものが、金属成分をより多く担持できるので好適である。
本発明で使用される無機酸化物および活性炭は、燃料ガスの処理方法によっても異なるが、硫黄分等の吸着量を増やしたり、吸着速度を速めたりするために、比表面積が高いことが好ましい。このため、多孔質な粒子であることが好ましい。
【0018】
比表面積としては100〜2000m2/g、好ましくは200〜1500m2/gの範囲にあることが望ましい。
さらに、この場合、粒子の平均粒子径は3〜800nm、さらには3〜500nmの範囲にあることが好ましい。使用される無機酸化物および活性炭の平均粒子径が3nm未満の場合は、処理剤の調製時の高温加熱処理等によって焼結し易く最終的に得られる処理剤の比表面積が低下して硫黄分の吸着量が低下することがあり、平均粒子径が800nmを越えると処理剤を構成する粒子が大きすぎて比表面積の高い処理剤が得られないことがある。
【0019】
また、無機酸化物および/または活性炭の平均粒子径がコロイド粒子領域である上記範囲にあると、後述する担体への担持が容易に、均一にできたり、さらに成形が容易にできたり、強度に優れた成形体を得ることができる。
複合化合物
本発明に用いる複合化合物は、前記金属成分と前記無機酸化物および/または活性炭とからなり、所定量の金属成分が無機酸化物および/または活性炭に担持されている。複合化合物中の金属成分の含有量は、0.1〜50重量%、さらには1〜30重量%の範囲にあることが好ましい。複合化合物中の金属成分の量が0.1重量%未満の場合は、硫黄分を吸着する能力が不充分であり、50重量%を越えても硫黄分を吸着する能力がさらに向上することはなく、むしろ低下する傾向がある。
【0020】
金属成分は、好ましくは平均粒子径が3nm〜3mmの範囲の無機酸化物粒子および/または活性炭粒子に担持されることにより、複合化合物粒子として得られる。
無機酸化物を用いた複合化合物粒子は、従来公知の方法によって無機酸化物粒子を製造したのち、金属成分を担持することによって調製することができる。 無機酸化物粒子の製造方法としては、たとえば本願出願人の出願による特開平5−132309号公報、特開平7−133105号公報記載のシリカ系複合酸化物ゾル、特開昭63−45114号公報記載のシリカゾル、特開昭63−229139号公報記載のチタニアゾル、特開平1−301517号公報記載のチタニア・セリアゾル、特開平5−132309号公報記載のシリカ・アルミナゾルの製造方法などが採用される。
【0021】
また、平均粒子径が約1μm以上の無機酸化物粒子は、本願出願人による特公平3-43201号公報、特公平2-61406号公報に記載の方法などによって得ることができる。具体的には、前記方法で得られたゾルまたはゲルを噴霧乾燥したり、凍結乾燥したりすればよい。
さらに、平均粒子径が約1mm以上の無機酸化物粒子は、たとえば前記いずれかの方法で得られたゾル、ゲルを乾燥したのち、これらの乾燥粉体を公知の方法で所望の大きさに成型することによって得られる。
【0022】
このような方法で得られた無機酸化物粒子、または活性炭粒子に前記金属成分の塩の水溶液を吸収させ、乾燥し、必要に応じて焼成することによって、所望の粒子径の複合化合物粒子得ることができる。
また、前記特開平5−132309号公報に開示された方法に準ずれば、平均粒子径が3〜500nmの範囲にある複合化合物粒子を製造することができる。すなわち、アルカリ金属、アンモニウムまたは有機塩基の珪酸塩と、アルカリ可溶の無機化合物と、前記金属成分の塩の水溶液とを、pH10以上のアルカリ水溶液中に添加し、必要に応じて加熱すれば、金属成分が担持された複合化合物粒子を得ることができる。さらに、平均粒子径が3〜500nmの範囲にある複合化合物粒子は、特開昭63−270620号公報に記載された製造方法に準じて調製することもできる。すなわち、含水チタン酸のゲルまたはゾルに過酸化水素を加えて得られるチタン酸水溶液と前記金属成分の塩の水溶液を加熱処理することにより、金属成分が担持された複合化合物粒子を得ることができる。
【0023】
また、以上のようにして得られた平均粒子径が3nm〜3mmの範囲にある複合化合物粒子に水分を加え、必要に応じて成形助剤などを添加して複合化合物粒子の懸濁液またはペーストを調製し、これを押出成形機などを用いて所望の形状・大きさに成形し、乾燥し、必要に応じて焼成することによって、球状、立方体または直方体、ペレット状、板状、針状、ハニカム状などの複合化合物成型体を得ることができる。
【0024】
また、金属成分を担持させる活性炭とは別に、複合化合物を担持させる担体としては、活性炭を用いてもよい。この場合に使用される活性炭の粒子径は特に制限されない。
燃料ガス処理剤
本発明に係る燃料ガス処理剤は、前記の複合化合物のみからなるか、複合化合物が、繊維、または球状、立方体または直方体、ペレット状、板状、針状、ハニカム状などの適宜の成型体に含有および/または担持されている。
【0025】
複合化合物は、平均粒子径が3nm〜3mmの粒子状、または球状、立方体または直方体、ペレット状、板状、針状、ハニカム状などの適宜の成型体に成型されていてもよい。この場合の成型体の最大径または最大長さは0.5mm〜10cmの範囲の成型体が好ましい。
このような特定の形状を有していると、後述する処理容器への処理剤の充填あるいは取り出しが容易であったり、また充填するに際して一定量を充填ムラ等なく再現性よく充填することができ、とくに処理容器に通ガスする際の容器の入り口と出口の差圧を小さくかつ一定にすることができ、また移動体設備で使用する場合は振動等による処理剤の充填状態の変動等が小さく、このため安定的に硫黄分の低減された燃料ガスを得ることができる。
【0026】
なお、処理剤の形状は、使用する処理量、処理速度などの処理条件、処理容器の形状等を考慮して適宜選択することができる。
複合化合物を担持させる前記の球状その他の成型体としては、セラミックス、無機酸化物、繊維、各種の樹脂、金属などからなる成型体が挙げられる。各種樹脂としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリアクリレート、塩化ビニル、ポリアクリロニトリル、ポリエステル、ポリアミド、シリコーン樹脂、天然ゴム、セルロースなどが使用される。通常は、これらの成型体の表面に複合化合物のスラリ−を塗布などの方法でコ−トし、乾燥、焼成することによって燃料ガス処理剤が得られる。
【0027】
繊維としては特に制限はなく、天然または合成の有機繊維、無機繊維を挙げることができる。有機繊維としては、綿、亜麻、パルプなどの植物繊維、羊毛、絹などの動物繊維、ナイロン、ビニロン、ビニリデン、ポリエステル、アクリル、ポリウレタン、アセテートなどの合成繊維、また、無機繊維としては、アルミナ、アルミナ・シリカ、ジルコニア、アスベストなどの繊維が例示される。また、繊維の形態にも特に制限はなく、たとえば撚糸による繊維状、紡糸された糸状や長繊維、短繊維およびモノフイラメントなどが例示され、それらの加工製品として織布、不織布が例示される。
【0028】
上記繊維に複合化合物粒子を担持させる方法としては、複合化合物粒子が脱落しないように担持できれば特に限定されるものではない。たとえば、本願出願人による特開平7−109674号公報に開示された抗菌性繊維の製造方法を好適に適用できる。具体的には、複合化合物粒子の水および/または有機溶媒分散液に上記繊維を浸漬したり、繊維に分散液を噴霧するなどの方法で付着させた後、乾燥し、必要に応じて加熱して融着させるなどして製造することができる。このときの複合化合物粒子の平均粒子径は3〜500nmの範囲にあるものが好ましい。平均粒子径が500nmを越えると、繊維の材質や太さ等によって異なるが、繊維への付着性が低下し、所望量の複合化合物粒子を付着させることができない場合があり、できたとしても燃料ガスと接触させて処理する際に脱落することがある。複合化合物の付着量としては、容易に脱落しない範囲で多いことが好ましく、1〜60重量%、好ましくは5〜40重量%の範囲から選ばれる。上記範囲の平均粒子径を有する複合化合物粒子が上記した範囲の付着量で付着した燃料ガス処理剤は、複合化合物粒子が微粒子で比表面積が高いために硫黄化合物等の吸着容量が高く、繊維に高分散した状態で担持されているので吸着能力を充分に発現することができ、処理能力に優れている。
【0029】
[不純物除去方法]
本発明に係る燃料ガス中の不純物除去方法では、前記した燃料ガス処理剤を燃料ガスと接触させる。接触方法としては燃料ガス中の硫黄分を所定濃度(0.1volppm)以下に低減できれば特に制限はなく、たとえば、燃料ガスの入った固定された貯蔵・供給用の容器あるいは移動体使用機器に装着された容器から燃料ガスを取り出す際に燃料ガス処理剤を充填した処理容器に燃料ガスを通じて燃料ガス処理剤と接触させるなどの方法が挙げられる。
【0030】
燃料ガス
本発明に用いる燃料ガスとしては、天然ガス、都市ガス、LNG、LPGが挙げられる。本発明で処理される未処理燃料ガスは、硫黄化合物濃度は、50volppm未満、好ましくは30volppm未満の範囲にあるものが望ましい。
燃料ガス中の硫黄分が前記範囲の上限より多いと、硫黄分が多すぎるために生成する燃料ガス中の硫黄化合物濃度を所望の低濃度(0.1volppm未満)にすることができない場合があり、できたとしても本発明の処理剤の使用量が多くなり、経済性が低下する。
【0031】
本発明は、特に、一般暖房用などに供給されているガス事業法における都市ガスに規定されている硫黄分が4volppm以下のガスに好適に適用される。
燃料ガス処理剤が平均粒子径が3nm〜3mm、特に500nm〜3mmの範囲の複合化合物粒子の場合は、そのまま燃料油と接触させて用いることもできるが、織布、不織布などのパック(袋)に充填したり、金属、樹脂製の網や籠に充填したものを前記した処理容器に充填して燃料ガスと接触させてもよい。
【0032】
燃料ガス処理剤と燃料ガスとを接触させる際の圧力は、特に制限されるものではないが、加圧下あるいは減圧下である必要はなく、常圧(大気圧)で十分である。加圧下、減圧下で行っても、不純物の低減能力にはほとんどは差異はない。また、燃料ガス処理剤と燃料ガスとを接触させる際の温度は−30℃〜50℃の範囲にあることが好ましい。この温度範囲は、寒冷地、温暖地における常温の温度範囲であることから、特別に冷却したり加温したりする必要はない。また上記温度範囲内であれば冷却したり加温したりしても硫黄分の除去能力にはほとんど差異はない。ただし、安全上、必要に応じて温度を調節することは可能である。
【0033】
前記した量の単位処理剤当たりの燃料ガスを処理した後の燃料ガス処理剤は、処理容器に充填したまま、あるいは取り出して、吸着した硫黄分を脱着、抽出等して除去した後再び用いることができる。
【0034】
【発明の効果】
本発明に係る燃料ガス処理剤は金属成分と無機酸化物および/または活性炭とからなる複合酸化物を含んでおり、「粒子の平均粒子径は3〜800nm」というコロイド領域の粒子を含んでいるので燃料ガス中の硫黄分を多量に吸着することができ、このため硫黄分が実質的に除去され、燃料電池等に好適に用いることのできる燃料ガスを製造することができる。
【0035】
本発明に係る燃料ガスの処理方法によれば、燃料ガス処理剤が金属成分と無機酸化物および/または活性炭とからなる複合酸化物を含むとともに、処理容器等の必要によって適宜形状や大きさを選択することができ、充填が均一かつ再現性よく容易に行うことができ、このため差圧が生じたり大きく変動することがなく、安定的に硫黄分が実質的に除去された燃料ガスを製造することができる。
【0036】
【実施例】
以下、本発明を実施例により説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
【0037】
【参考例1】
燃料ガス処理剤の調製
固形分濃度3.0重量%の複合化合物コロイド粒子分散液(触媒化成工業(株)製:ATOMYBALL-S、無機酸化物=TiO2・SiO2、Ag含有量=4.2重量%、平均粒子径=10nm)400gを130℃で24時間乾燥し、ついで350℃で2時間焼成した。焼成して得た粉体を加圧成型(成型圧力50Kg/cm2)し、これを粉砕し、平均粒子径2mmの燃料ガス処理剤(A)を調製した。
【0038】
燃料ガスの処理(1)
燃料ガス処理剤(A)2.5gを、内径0.8mmの反応管に充填し、温度25℃で、ブタンガス(ジメチルサルファイドを8ppm含有)を1250cc/hrの速度で連続的に供給し、反応管の出口におけるジメチルサルファイドの含有量が0.5ppmを越えるまでの時間(破過時間)を測定し、結果を表1に示した。
【0039】
なお、このとき燃料ガス中の硫黄分の測定は、ガスクロマトグラフィー(化学発光検出器)法で行った。
燃料ガスの処理(2)
燃料ガス処理剤(A)2.5gを、内径0.8mmの反応管に充填し、バイブレーターにて振動を与えて密充填化した後、温度25℃で、ブタンガス(ジメチルサルファイドを8ppm含有)を1250cc/hrの速度で連続的に供給し、反応管の出口におけるジメチルサルファイドの含有量が0.5ppmを越えるまでの時間(破過時間)を測定し、結果を表1に示した。
【0040】
【参考例2】
固形分濃度3.0重量%の複合化合物コロイド粒子分散液(触媒化成工業(株)製:ATOMYBALL-UA、無機酸化物=SiO2・Al2O3、Ag含有量=4.2重量%、平均粒子径=20nm)400gを130℃で24時間乾燥し、ついで350℃で2時間焼成した。焼成して得た粉体を加圧成型(成型圧力50Kg/cm2)し、これを粉砕し、平均粒子径2mmの燃料ガス処理剤(B)を調製した。
【0041】
燃料ガスの処理(1)および(2)
参考例1と同様にして燃料油の処理を行った。結果を表1に示す。
【0042】
【参考例3】
固形分濃度3.0重量%の複合化合物コロイド粒子分散液(触媒化成工業(株)製:ATOMYBALL-UAC、無機酸化物=SiO2・Al2O3、Cu含有量=4.2重量%、平均粒子径=20nm)400gを130℃で24時間乾燥し、ついで350℃で2時間焼成した。焼成して得た粉体を加圧成型(成型圧力50Kg/cm2)し、これを粉砕し、平均粒子径2mmの燃料ガス処理剤(C)を調製した。
【0043】
燃料ガスの処理(1)および(2)
参考例1と同様にして燃料油の処理を行った。結果を表1に示す。
【0044】
【参考例4】
固形分濃度3.0重量%の複合化合物コロイド粒子分散液(触媒化成工業(株)製:ATOMYBALL-UA、無機酸化物=SiO2・Al2O3、Ag含有量=4.2重量%、平均粒子径=20nm)400gをパルプ不織布(テクセル王子製紙(株)製)10gに繰り返し吸収させ、室温で30分間放置した後、130℃で24時間乾燥して燃料ガス処理剤(D)を調製した。
【0045】
燃料ガスの処理(1)および(2)
処理剤を4.7g充填した以外は参考例1と同様にして燃料油の処理を行った。結果を表1に示す。
【0046】
【実施例5】
濃度5重量%の硝酸銀水溶液17.64gを、温度80℃に加温した固形分濃度3.0重量%の複合化合物コロイド粒子分散液(触媒化成工業(株)製:ATOMYBALL-S、無機酸化物=TiO2・SiO2、Ag含有量=4.2重量%、平均粒子径=10nm)667gに撹拌しながら添加した。この溶液を10gの活性炭(武田薬品工業(株)製:白鷺、平均粒子径4μm)に、蒸発乾固を繰り返しながら含浸した後、250℃で5時間、窒素中で焼成し、燃料ガス処理剤(E)を調製した。
【0047】
燃料ガスの処理(1)および(2)
処理剤を3.9g充填した以外は実施例1と同様にして燃料油の処理を行った。
結果を表1に示す。
【0048】
【実施例6】
濃度5重量%の硝酸銀水溶液17.64gを、温度80℃に加温した固形分濃度10.0重量%のシリカコロイド粒子分散液(触媒化成工業(株)製:Cataloido、無機酸化物=SiO2、平均粒子径=8nm)200gに撹拌しながら添加した。この溶液を10gの活性炭(武田薬品工業(株)製:白鷺、平均粒子径4μm)に、蒸発乾固を繰り返しながら含浸した後、250℃で5時間、窒素中で焼成し、燃料ガス処理剤(F)を調製した。
【0049】
燃料ガスの処理(1)および(2)
処理剤を3.9g充填した以外は実施例1と同様にして燃料油の処理を行った。
結果を表1に示す。
【0050】
【比較例1】
濃度4.7重量%の硝酸銀水溶液68.2gを、シリカ・アルミナ(触媒化成工業(株)製:HA、Al2O328重量%、平均径65μm)50gに吸収させ、ついで130℃で24時間乾燥した後、350℃で2時間焼成し、燃料ガス処理剤(G)を調製した。
【0051】
燃料ガスの処理(1)および(2)
実施例1と同様にして燃料油の処理を行った。
結果を表1に示す。
【0052】
【表1】
Claims (5)
- 金属成分と、平均粒子径が 3 〜 800nm の範囲にある TiO 2 ・ SiO 2 、 SiO 2 ・ Al 2 O 3 、 SiO 2 からなる群から選ばれる 1 種以上の無機酸化物粒子とからなる複合化合物を含み、該複合化合物が活性炭に担持されてなることを特徴とする燃料ガス処理剤。
- 前記金属成分が、Ag、Cu、Zn、Sn、Pb、Cd、Bi、Hg、Pt、Pd、Ni、Fe、Co、Ru、Rh、Au、Mn からなる群から選ばれる1以上であることを特徴とする請求項1に記載の燃料ガス処理剤。
- 球状、立方体または直方体、ペレット状、板状、針状、ハニカム状からなる群から選ばれる1種以上の成型体であることを特徴とする請求項1または2に記載の燃料ガス処理剤。
- 請求項1〜3のいずれかに記載の燃料ガス処理剤を燃料ガスに接触させること特徴とする燃料ガス中の不純物除去方法。
- 前記燃料ガス処理剤を燃料ガスに接触させる際の温度が−30℃〜50℃の範囲にあることを特徴とする請求項4に記載の燃料ガス中の不純物除去方法。
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