JP3913230B2 - プッシュターミナル - Google Patents

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本発明は、種々の電気信号の伝達用のケーブル類を電気的及び機械的に接続し、その電気信号の授受のために使用するプッシュターミナルに関する。
この種のプッシュターミナルには、例えば、正面に芯線挿入孔及びツマミ操作部突出孔が開設されたケースと、該ケースの正面部に裏側から当接する部分に前記芯線挿入孔に対応して芯線挿入孔が形成された固定端子と、該ケース内に前後進可能に配設された直進操作型のツマミと、該ツマミを正面側へ付勢するスプリングと、ツマミの正面に突出形成されてケース内部から芯線挿入孔を閉止すると共に、該ケース及び固定端子の各芯線挿入孔を通して該ケース内に挿入された芯線を押圧する先尖状の芯線押圧部と、該ツマミの正面に突出形成されてその正面のツマミ突出孔より正面側へ突出するツマミ操作部とを具備するもの(特許文献1)が提案されている。
このプッシュターミナルは、正面のツマミ操作部を押して芯線押圧部を後退させ、同様に正面に位置する芯線挿入孔を開口させた上で、該芯線挿入孔に芯線を挿入し、次いでツマミ操作部を押し込む操作を停止して後退していた芯線押圧部を復帰させると、これにより芯線が固定端子の芯線挿入孔のエッジに強く押し付けられ、機械的及び電気的に該固定端子に接続されることとなる。
いずれも正面からの操作である利点を有するものであるが、芯線挿入孔の軸心上に芯線押圧部が位置しており、これが先尖状に形成されているとはいうものの挿入される芯線の進路を妨害する位置関係にあり、そのスムーズな挿入を妨げる問題がある。更には、挿入される芯線はその先端側を前記固定端子に接する側に案内するべきであるが、前記芯線押圧部にはそのような形状上の配慮もなされていないので、殆ど偶然によって決まる芯線挿入時の先端部の向き等により、芯線押圧部の周囲のいずれかの方向に案内されることになりかねない。そのため適正な電気的接続に要する固定端子との接触面積が十分に確保できなくなる可能性がある。またツマミの構造の関係から正面から見た高さ方向の寸法が大きくなりやすい問題もある。
またレバーターミナルに関する例であるが、類似の技術には、被接続導体が挿抜自在の導体挿入孔を有する絶縁性のハウジングと、このハウジング内に固定され、一端側が前記導体挿入孔に臨み、前記被接続導体の挿抜方向に延出形成されると共に、被接続導体の挿抜方向に直交する方向に所定の弾性力をもって弾性変形自在なU字形をなし、他端側先端部が前記ハウジング外方に突出する導電性の端子部材と、中間部が軸支されて回動自在で、当該軸支部分を挟み、前記ハウジング内に位置する内側部と前記ハウジングの外方に延出して開閉回動操作するための摘み部を有する外側部とからなる絶縁性の操作レバーと、を備え、
該操作レバーの内側部は、開放状態にて、前記導体挿入孔に連通する切欠部と、先端に切欠部に連続する貫通孔が形成されたガイド部を有すると共に、閉成状態にて、前記被接続導体の挿抜方向に交差する方向に突出して前記端子部材の一端側に近接又は弾性接触する突部を有し、前記被接続導体がリード線である場合には、操作レバーの開放状態にて、前記導体挿入孔へ挿入したリード線芯線を、操作レバーの閉成により当該操作レバーの前記突部と前記端子部材の一端側部分とで挟圧し、前記被接続導体がプラグである場合には、操作レバーの開放状態にて、前記導体挿入孔へ挿入し、先端部がガイド部に形成された貫通孔を挿通して位置決めされたプラグを、操作レバーの前記切欠部内側壁と前記端子部材の一端側部分とで挟圧することで、それぞれ前記リード線芯線又はプラグと前記端子部材との電気的接続及び当該接続状態の保持を行うもの(特許文献2)が提案されている。
このレバーターミナルは、バナナプラグとリード線芯線との双方を簡単かつ確実に接続できるものであり、その意味で優れたものであるが、レバーが各導体挿入孔毎に独立し、個別に操作するものであるため、これを最小限度まで小型化しようとするとその操作性に難が生じやすい。また端子部材の先端部分をU字形に折曲して挿入されたリード芯線又はバナナプラグへの圧接のための弾性変形量を確保しているものであるため、その設置空間が広くなり、その面で小型化が難しくなっていることもある。
更に同様にレバーターミナルに関する例であるが、これには、リード線が挿入される一対の挿入孔を備えたハウジングと、前記一対の挿入孔に挿入されるリード線の挿入方向に臨んだ位置にそれぞれ設けたU字形状に屈曲形成したターミナルと、回動支持部を支点として回動し、その一方側を各ターミナルと対峙した位置関係に備えて湾曲形状に形成した一対のガイド押圧部と、他方側を前記ハウジングの外部に備えた操作部とを一体に形成してなる操作レバー部とを有するもの(特許文献3)が提案されている。
このレバーターミナルは、それまで一対のターミナルの各々に個別に設置されていたレバーを一体化し、個別で小型化した場合の操作性の低下を避けつつ小型化を図ったものであり、対応する効果を得ている優れたものであるが、前記のように、ターミナルがU字形状に屈曲形成され、これによって必要な弾性変形量を確保しているものであるため、その設置空間が若干広くなり、その分だけ小型化が難しくなる面があることは避けられない。
特開平9−161859号公報 特許第3355161号公報 特開2003−178819号公報
本発明は、一対以上のケーブル挿入孔を備えたプッシュターミナルについてその小型化を図ること、特に使い勝手を向上させつつ小型化を図るため対となっているケーブル挿入孔毎にレバーを一体化すると共に、他方で、該レバーの一体化により、その動作が双方のケーブル挿入孔内で同様のものとなる結果、双方のケーブル挿入孔に挿入されるケーブル径の相違等から生じることのある小径側のケーブルの電気的な接続及び機械的な保持の低下の問題を解消することを解決の課題とする。
本発明の1は、一対以上のケーブル挿入孔を備えた絶縁性のハウジングと、
該各ケーブル挿入孔の内壁に沿って配される導電性バネ材製のターミナルであって、該ターミナルの基部が該各ケーブル挿入孔の奥側で固定され、該基部から該ケーブル挿入孔の外端開口部側に延長する接触部がケーブルの挿脱方向と直交する方向に弾力的に動作するように、該各ケーブル挿入孔の軸心側に進出状態に屈曲形成されたターミナルと、
該ターミナルの接触部に対向する部位に押圧部を備えたレバー基部であって、ケーブル挿入孔の奥側の支持部を回動支点として起伏回動し、後記バネ部材により該ターミナルの接触部側にその押圧部を圧接させるべく付勢され、かつ各一対のケーブル挿入孔に配されたレバー基部毎に一つの操作レバー部と一体に構成された絶縁性のレバー基部と、
該レバー基部の押圧部を前記ターミナルの接触部側に圧接させるべく付勢するバネ部材と、
で構成したプッシュターミナルである。
本発明の2は、本発明の1のプッシュターミナルに於いて、前記ターミナルの接触部を、該ターミナルの基部から前記ケーブル挿入孔の外端開口部方向にかつ該ケーブル挿入孔の軸心方向に向かって斜め方向に延長した主接触部と、該主接触部の外端近傍の内側部分を基部方向に向かって舌片状に切り出し、かつこの舌片状の部分を該ケーブル挿入孔の軸心側に向かって起立させた舌片状接触部と、該主接触部の外端部を該ケーブル挿入孔の内壁側に折曲した後退規制部とで構成したものである。
本発明の3は、本発明の1のプッシュターミナルに於いて、前記ターミナルの接触部を、該ターミナルの基部から前記ケーブル挿入孔の外端開口部方向にかつ該ケーブル挿入孔の軸心側方向に向かって斜め方向に延長した主接触部と、該主接触部の外端近傍の内側部分を該基部側に向かって延びる短冊状に切り出し、短冊状の部分の途中を該ケーブル挿入孔の軸心側に向かって突出すべく屈曲した屈曲接触部とで構成したものである。
本発明の4は、本発明の1のプッシュターミナルに於いて、前記ターミナルの接触部を、該ターミナルの基部から前記ケーブル挿入孔の外端開口部方向にかつ該ケーブル挿入孔の軸心方向に向かって斜め方向に延長した主接触部と、該主接触部の外端近傍の内側部分を該基部側かつ該ケーブル挿入孔の軸心側に向かって斜めに切り起こした短冊状接触部とで構成したものである。
本発明の5は、本発明の1のプッシュターミナルに於いて、前記ターミナルの接触部を、該ターミナルの基部から前記ケーブル挿入孔の外端開口部方向にかつ該ケーブル挿入孔の軸心方向に向かって斜め方向に延長した主接触部と、該主接触部の外端近傍の内側部分を基部方向に向かって舌片状に切り出し、かつこの舌片状の部分を該ケーブル挿入孔の軸心側に向かって起立させた第一舌片状接触部と、該主接触部の外端部の内側部分を外端方向に向かって舌片状に切り出し、かつ該舌片状の部分を該ケーブル挿入孔の軸心側に向かって起立させた第二舌片状接触部とで構成したものである。
本発明の1のプッシュターミナルによれば、一対のケーブル挿入孔に配された二つのレバー基部を一つの操作レバー部に一体に構成したものであるため、装置を、個々のレバーを小型化した場合に比べて飛躍的に小型化することができることとなったものである。またこのように一対のレバー基部を操作レバー部に一体に構成して装置の小型化を図ったものであるため、少なくとも個々のレバーの小型化を図った場合に比して操作レバー部のサイズを大型に構成し得るため十分高い操作性を確保することができる。
更にターミナルをバネ材で構成し、その接触部をケーブル挿入孔の軸心側に進出した状態に構成したため、一対のケーブル挿入孔に挿入されるケーブルの径が異なっている場合やケーブルの撚りの状態から径が異なったと同様の状態が生じているような場合等にもこれに良好に対応することができる。
前記ケーブル挿入孔に挿入されるケーブルは、前記ターミナルの接触部に接触して電気的な接続を得るものであるが、その接続は、該接触部に対向するレバー基部の押圧部で該ケーブルの該当部位が押圧されて該接触部に圧接状態となることにより保持されるものであり、前記のように、本発明の1では、二つのレバー基部を一つの操作レバー部に一体に構成したため、二つのレバー基部の動作は同様に行われ、一対のケーブル挿入孔に挿入されたケーブルの径が異なる場合に、大径のケーブルに対応する一方のレバー基部の押圧部がこれに当接することで双方のレバー基部の動作が同様に規制され、小径のケーブルに対する押圧力が不足する結果となる可能性が生じる。しかし、前記したように、前記ターミナルは、バネ材で前記のように構成したものであるため、該当する側のターミナルの接触部はその弾力によりレバー基部の押圧部側に進出して該押圧部側の押圧力不足を補い、いずれのケーブルに対するターミナルの電気的及び機械的な接続をも確実なものとすることができる。
本発明の2、3、4及び5のプッシュターミナルによれば、接触部として構成した主接触部と舌片状接触部、屈曲接触部、短冊状接触部又は第一舌片状接触部及び第二舌片状接触部との作用により、ケーブル挿入孔に挿入され、前記レバー基部の押圧部との間で挟持されることとなるケーブルに確実に接触し、電気的及び機械的な接続を確実なものとすることができる。また、以上のように、従来のターミナルと異なり、この部位をU字形に構成したものでないため、接触部の厚みを必要以上に厚くせず装置の小型化に資することもできるものである。
本発明のプッシュターミナルは、基本的に、一対以上のケーブル挿入孔を備えた絶縁性のハウジングと、各ケーブル挿入孔中に配されるターミナルと、各一対のケーブル挿入孔の各々に配され、一つの操作レバーと一体に構成された絶縁性のレバー基部と、該レバー基部を該ターミナル側に付勢するバネ部材とで構成するものである。
前記ハウジングは絶縁性のプラスチック等によって成形された概ね直方体状の箱型を基本とする形状の部材であり、正面に開口する一対又は二対以上のケーブル挿入孔を備えるものである。また必要に応じて基板等の取付対象との結合手段をも備えるものである。
前記ターミナルは、前記のように、各ケーブル挿入孔毎に配される部材であり、導電性バネ材製でもある部材である。該ターミナルは概ね帯状であり、その基部がケーブル挿入孔の最奥部付近に固定され、該基部から接触部が該ケーブル挿入孔中をその外端開口部側に向かって延長する構成となっている。より具体的には、例えば、該ターミナルの基部は、該ケーブル挿入孔の最奥内壁に接して固定し、該基部より外方側の接触部を該基部の端部から斜め方向に起こしてケーブル挿入孔の外端開口部側に向かって延長する構成とすることができる。即ち、該基部からケーブル挿入孔の外端開口部側に延長する接触部がケーブルの挿脱方向と直交する方向に弾力的に動作するようにする趣旨である。また該基部より内方側は、通常、外部の回路と接続する端子突片が延長した構成となっている。
前記ターミナルの接触部は、ケーブル挿入孔に挿入されたケーブルを、該接触部とこれに対向するレバー基部の押圧部との間で良好に挟持状態として、該ケーブルと電気的及び機械的な接続を確保することが可能な種々の形状を自由に採用することができる。
例えば、前記ターミナルの接触部は、前記基部からケーブル挿入孔の外端開口部方向にかつその軸心方向に向かって斜め方向に延長した主接触部と、その外端近傍の内側部分を基部方向に向かって舌片状に切り出し、かつ該舌片状の部分を該ケーブル挿入孔の軸心側に向かって起立させた舌片状接触部と、外端部を該ケーブル挿入孔の内壁側に折曲した後退規制部とで構成することができる。
前記ターミナルの接触部は、前記基部からケーブル挿入孔の外端開口部方向にかつその軸心方向に向かって斜め方向に延長した主接触部と、その外端近傍の内側部分を該基部側に向かって延びる短冊状に切り出し、その途中を該ケーブル挿入孔の軸心側に向かって突出すべく屈曲した屈曲接触部とで構成することもできる。
また前記ターミナルの接触部は、前記基部からケーブル挿入孔の外端開口部方向にかつその軸心方向に向かって斜め方向に延長した主接触部と、その外端近傍の内側部分を該基部側かつ該ケーブル挿入孔の軸心側に向かって斜めに切り起こした短冊状接触部とで構成することもできる。
更に前記ターミナルの接触部は、前記基部からケーブル挿入孔の外端開口部方向にかつその軸心方向に向かって斜め方向に延長した主接触部と、その外端近傍の内側部分を基部方向に向かって舌片状に切り出し、かつこの舌片状の部分を該ケーブル挿入孔の軸心側に向かって起立させた第一舌片状接触部と、外端部の内側部分を外端方向に向かって舌片状に切り出し、かつ該舌片状の部分を該ケーブル挿入孔の軸心側に向かって起立させた第二舌片状接触部とで構成することもできる。
前記レバー基部は、ケーブル挿入孔中で前記ターミナルと対向する位置関係に配する。特に該ターミナルの接触部と該レバー基部の押圧部とが相互に該ケーブル挿入孔の内部で対向する位置関係とする。また該レバー基部は、その内端を該ケーブル挿入孔の奥側に構成した支持部を回動支点として起伏回動し得るように構成する。この起伏回動方向は、云うまでもなく、該レバー基部の押圧部が前記ターミナルの接触部側に近接・離間する方向とする。
なお前記レバー基部の回動支点となる支持部は、ケーブル挿入孔の奥側に構成すべきものであるが、特に該ケーブル挿入孔の中である必要はない。例えば、該支持部は、該起伏回動方向に直交する両側又は片側に位置するブラケット又は壁部に開口した軸孔に構成し、該レバー基部の起伏回動は、その下端両側又は片側に突出させた回転軸を該軸孔に回動自在に挿入することで実現する構成とすることができる。
前記押圧部は、前記ケーブル挿入孔に挿入されたケーブルを前記ターミナルの接触部側に適切に押圧して該ケーブルと該接触部との良好な電気的接続及び機械的接続を確保することがその役割であり、これが適切に実現できるものであれば、特定の構成に限定されない。
該押圧部は、ケーブルを押圧接触させる相手方である接触部の形状に応じて適切に決定すべきものでもある。例えば、該接触部が、前記主接触部と、その外端近傍の内側部分をケーブル挿入孔の軸心側に向かって切り起こした舌片状接触部とで構成されたものである場合には、ケーブルを該舌片状接触部の先端部と主接触部のその奥側及び手前側の部位とに圧接すべく、該押圧部を、前記レバー基部の対応する面から該舌片状接触部の奥側と手前側を押圧すべく突出する二つの押圧突部で構成することができる。
以上のレバー基部は、隣接する一対のケーブル挿入孔に配した一対のそれ毎に一つの操作レバー部と一体に構成する。該レバー基部は、それぞれ該ケーブル挿入孔の周壁の一部、即ち、該レバー基部が起伏回動する方向の一部を切り欠き、その起伏回動にともなって該切欠部から該レバー基部の外端側が進退可能となるように構成し、かつ隣接する一対のレバー基部相互をその外端側の部位で操作レバー部と一体に結合した態様に構成するものである。
該操作レバー部は、従来、一つのレバー基部毎に構成されていたそれを一対のレバー基部毎に一つずつ構成することとして、全体として小型化を図ろうとするものであるが、その他の点は従来のそれとほぼ同様であり、該レバー基部の起伏回動操作を行うのに適当な形状であれば特定のそれに限定されない。該操作レバー部は、例えば、対応する一対のレバー基部の外端をその回動方向外側で接続すると共に、該接続部分から回動方向外側の部分をケーブル挿入孔の外端開口部より僅かに突出する程度までその方向に延長し、その外端面に滑り止めを形成した構成とする。また該操作レバー部には、例えば、その内端部分、即ち、一対のレバー基部を回動方向外側で接続する部分の内端面に前記バネ部材の一端との連結部を構成しておくものとする。
前記バネ部材は、前記レバー基部の押圧部を前記ターミナルの接触部側に圧接させる役割を担当するものであり、このような機能を発揮できるものであれば、どのような構成のものでも差し支えなく、かつ取付態様も特定のそれに限定されない。例えば、このバネ部材として、圧縮タイプのコイルバネを採用し、前記のように、操作レバー部の内端部分に構成した連結部にその一端を結合し、他端を該連結部とほぼ対面する位置関係に構成した前記ハウジングの連結部に結合することにより、両者間に介在させ、該操作レバー部に一体に結合している一対のレバー基部をそれらの押圧部が各々対向するターミナルの接触部側に付勢されるように使用することができる。
従って本発明のプッシュターミナルによれば、一対のケーブル挿入孔に配された二つのレバー基部を一つの操作レバー部に一体に結合する構成としたため、このレバーを高い操作性を保持し得る最少限度の寸法形状まで小型化した場合、個々のレバーを同様なレベルまで小型化した場合よりも全体として一層小型化の実を上げることが可能となったものである。
ケーブルの接続は、前記操作レバー部を操作してこれに結合している一対のレバー基部をターミナル側から離間する方向に回動動作させ、その状態を保持しながらケーブル挿入孔にそれぞれ対応するケーブルを挿入することによって行う。上記一対のレバー基部がターミナル側から離間する方向に回動すると、各々のターミナルの接触部とレバー基部の押圧部の間に隙間が生じ、ケーブル挿入孔に挿入されたケーブルはこの隙間を通じて必要な深さまで該ケーブル挿入孔内を進入することが可能となる。
各ケーブル挿入孔にケーブルを必要な深さまで挿入した後、操作レバー部の前記開放動作を停止すると、該操作レバー部は前記バネ部材の作用により復帰動作し、対応する一対のレバー基部を対応するターミナルの接触部と接近する方向に回動動作させ、以上のようにしてその間に挿入されたケーブルを該レバー基部の押圧部で該ターミナルの接触部に圧接させる状態となる。こうしてケーブル挿入孔に挿入されたケーブルとターミナルとの電気的及び機械的な接続が確保されることとなる。
一つの操作レバー部に一体に結合する一対のレバー基部は、当然、以上のように連動して同様に動作することになり、そのため、対応する一対のケーブル挿入孔に挿入されたケーブルの径が異なる場合、或いは撚りの状態が異なる結果、径が異なるのと同様の状態となっていた場合には、双方のレバー基部の押圧部の各々対応するケーブルに対する押圧力が異なったものとならざるを得ない。即ち、一方のレバー基部の押圧部が大径又はこれと同様の状態のケーブルに圧接してそれ以上にターミナルの接触部側に接近できなくなると、他方のレバー基部の押圧部も同様の状態となり、対応する小径又はこれと同様の状態のケーブルに十分な押圧力をかけることができなくなる可能性が生じる。
しかし、他方で、本発明に於いては、前記したように、前記ターミナルをバネ材で構成し、かつその接触部をケーブル挿入孔の軸心側に十分進出するように構成したため、小径又はこれと同様の状態のケーブル側のターミナルの接触部は、その弾力によりレバー基部の押圧部側に進出して該押圧部側の押圧力不足を補い、いずれのケーブルに対するターミナルの電気的及び機械的な接続をも確実なものとすることができる。
また、前記のように、ターミナルの接触部を、主接触部と舌片状接触部、屈曲接触部、短冊状接触部又は第一舌片状接触部及び第二舌片状接触部とを備えた構成とした場合は、該接触部は、該要素のそれぞれの作用により、ケーブル挿入孔に挿入され、前記レバー基部の押圧部との間で挟持状態となるケーブルに確実に接触し、電気的及び機械的な接続を確実なものとすることができる。またターミナルの接触部の形状が、このように直線を基本とした構成であり、従来技術のそれのようにU字形を基本とした構成でないため、その幅を狭く構成し得、装置の小型化にも資することができるものである。
この実施例のプッシュターミナルは、基本的に、図1(a)〜(c)及び図2(a)〜(c)に示すように、一対のケーブル挿入孔1、1を備えた絶縁性のハウジング2と、各ケーブル挿入孔1、1中に配されるターミナル3と、一対のケーブル挿入孔1、1の各々に配され、一つの操作レバー部4と一体に構成された絶縁性のレバー基部5、5と、該レバー基部5、5を該ターミナル3に接近する側に付勢する圧縮タイプのコイルバネ6とで構成したものである。
前記ハウジング2は、図1(a)〜(c)、図2(a)〜(c)及び図3(a)〜(h)に示すように、絶縁性のプラスチック材により直方体状箱型を基本とする形状に成形された部材であり、これに構成される前記一対のケーブル挿入孔1、1は該ハウジング2の正面上部に横一列に並んで開口され、図2(a)〜(c)及び図3(e)、(f)、(h)に示すように、該ハウジング2の正面から背面まで貫通状態になっている。
該ハウジング2には、その正面下部に、図1(a)、(b)、図2(a)〜(c)及び図3(a)、(f)、(g)、(h)に示すように、前記操作レバー部4の納められるレバー空間2aが形成され、前記ケーブル挿入孔1、1の周壁の内、各下部側に位置する部位が削除され、該ケーブル挿入孔1、1内と該レバー空間2a内とが連通する状態になっている。該レバー空間2aは、上部がケーブル挿入孔1、1を区画する前上部壁2a1で、両側が下方に向かって角を斜めにカットされた状態の側壁2a2で、最下部が僅かに立ち上がった低い下部壁2a3で、それぞれ囲まれ、正面側には全面的に開放され、下方側には最奥の一部を除いて開放されている。
また該レバー空間2aの中央の最奥部には、図1(a)、(g)、(h)に示すように、バネ支持突起2bが形成されている。該バネ支持突起2bの周囲はリング状の溝になっており、前記コイルバネ6の一端がその中に装入されて支持されるようになっている。
前記一対のケーブル挿入孔1、1の最奥部の外側には、図3(f)に示すように、各々後方に向かって開いた半円弧状の軸受部2cが形成され、前記一対のレバー基部5、5の各々の外側部から側方に突出している回転軸5bがこれによって回転自在に支持されるようになっている。
前記ターミナル3は、前記のように、各ケーブル挿入孔1、1中に配される導電性のバネ性金属製部材である。図2(a)〜(c)及び図4(a)〜3(c)に示すように、該ターミナル3は概ね帯状であり、該ケーブル挿入孔1の最奥部の上部内壁に当接状態で固定する基部3aと、該基部3aの外端から該ケーブル挿入孔1中をその外端開口部側に向かって延長する接触部3bと、該基部3aの内端から90度に折曲して下方に向かって延びる下部延長片3cと、該下部延長片3cの先端から更に延長する細幅の端子突片3dとで構成されている。
前記接触部3bは、特に図2(a)〜(c)に示すように、原則的には、前記基部3aの外端からケーブル挿入孔1の軸心方向及び外端開口部方向に向かって斜め方向に立ち上げつつ延長する構成とする。該接触部3bは、より詳細には、図2(a)〜(c)及び図4(b)に示すように、該基部3aからケーブル挿入孔1の外端開口部方向にかつその軸心方向に向かって斜め方向に延長し、途中から該軸心にほぼ平行に延長する主接触部3b1と、その外端近傍の内側部分を前記基部3a方向に向かって舌片状に切り出し、かつ該舌片状の部分を該ケーブル挿入孔1の軸心側に向かって起立させた舌片状接触部3b2と、外端部を該ケーブル挿入孔1の内壁側に折曲して構成した後退規制部3b3とで構成するものである。
前記レバー基部5は、図5(a)〜(e)に示すように、その上部正面に押圧部5aを対向するターミナル3の接触部3b側に向かって突出させ、下部外側に円柱状の回転軸5bを突出させた棒状部材であり、前記したように、その一対が絶縁性のプラスチック材により前記操作レバー部4と一体に成形されている。一対のレバー基部5、5は、同図に示すように、前記一対のケーブル挿入孔1、1と同間隔で結合され、各々に配した回転軸5bは、相互に左右対称の関係になるように、各レバー基部5、5の下部外側に突出させた構成とする。
また前記押圧部5aは、図2(a)〜(c)及び図5(a)〜(c)に示すように、二つの突起部によって構成し、これが前記ターミナル3の接触部3aと対向する位置関係となるようにする。より詳細には、特に図2(a)に示すように、二つの突起は、ケーブルcが挿入されていない状態で、該接触部3aの舌片状接触部3b2を適当な間隔で跨ぎつつ主接触部3b1に接触し得る間隔及び高さに構成する。
前記操作レバー部4は、図2(a)〜(c)及び図5(a)〜(e)に示すように、一対のレバー基部5、5の上部外側に結合した形状となっている。その正面は滑り止めが形成された操作部4aとなっており、背面(下端面)は、前記コイルバネ6の一端が外装状態に結合する結合突起4bが突設されている。
一体に成形された操作レバー部4及び一対のレバー基部5、5は、従って図2(a)〜(c)に示すように、その操作レバー部4を前記レバー空間2a中に配置しながら両レバー基部5、5をこのレバー空間2a側からこれとの間を仕切る前上部壁2a1より奥側の連通部位を通じて一対のケーブル挿入孔1、1の内の各々対応する側に進入させ、それらの最奥部外側の軸受部2c、2cに、該両レバー基部5、5の下端外側に突出させた回転軸5b、5bを回転自在に支持させる。該回転軸5b、5bは、云うまでもなく、奥側から該軸受部2c、2cに装入する。
このとき、同時に、該操作レバー部4の背面(下端面)の結合突起4bと前記レバー空間2aの中央最奥部のバネ支持突起2bとの間に前記コイルバネ6を介在させるべく設置する。該コイルバネ6と上記各々との結合は後者の両端部をそれぞれに外装することで行うものである。前記各回転軸5b、5bと前記軸受部2c、2cとの結合は、後者の軸受部2c、2cが背後方向に開放されたものであっても、こうして、該操作レバー部4及び一対のレバー基部5、5が該コイルバネ6によって前記ターミナル3の接触部3b側への回動作用力を受けると同時に正面側への作用力も受けるため、回動可能な状態で確実に保持されることとなるものである。
なお、云うまでもなく、前記操作レバー部4及びこれと一体のレバー基部5、5が以上のようにセットされると、該レバー基部5、5の押圧部5aとターミナル3の接触部3bとの前記した対向位置関係も設定されたこととなる。
前記コイルバネ6は、前記レバー基部5、5の押圧部5a、5aを前記ターミナル3の接触部3bに圧接させる役割を担当するものであり、この実施例では、既に述べたように、圧縮タイプのそれを採用している。文字通りのコイルバネであるから、前記し、かつ図2(a)〜(c)に示すように、その一端を前記操作レバー部4の結合突起4bに外装させ、他端を前記レバー空間2aの最奥部のバネ支持突起2bに外装させることで容易に結合することができる。該バネ支持突起2b側に外装した端部はその周囲のリング状の溝にも装入状態となって結合がより確実なものとなる。
従ってこの実施例のプッシュターミナルによれば、一対のケーブル挿入孔1、1に配された二つのレバー基部5、5を一つの操作レバー部4に一体に結合して構成したため、個々のレバー基部をそれ毎の操作レバー部と共に小型化した場合に比して、操作性を良好に保持しながら装置の飛躍的な小型化を図り得るものとなし得たものであり、更に一つの操作レバー部4で二つのレバー基部5、5を操作することとした場合に生じる虞のある各ケーブル挿入孔1、1毎の挿入ケーブルcの径の違いの対応問題もターミナル3をバネ性の部材で前記のような形状に構成したことにより、小型化を実現しながら解決し得たものである。
レバーの小型化は、限度を越えて行うと操作性が低下することとなる。従って一対のレバー基部5、5に各々個別の操作レバー部を一体に結合して構成した場合は、これを操作性を損なわない最小限度まで小型化したとしても、全体としては、これが二つあるわけであるから、少なくともその2倍のサイズにならざるを得ない。これに対して一対のレバー基部5、5を一つの操作レバー部4に一体に結合して構成した場合は、該操作レバー部4を操作性を失わない最小限度まで小型化するとすれば、個別に構成した場合に比して1/2程度まで小型化可能となるものである。
またこの実施例のプッシュターミナルによれば、以上のように、一対のレバー基部5、5を一つの操作レバー部4で操作するように構成したものでありながら、一対のケーブル挿入孔1、1に異なる径のケーブルc又は同一径であっても撚りの状態から同様の状態となっているケーブルcが挿入された場合の不都合も解消されている。これは、以下の用法の説明を通じて説明する。
図2(a)に示すように、ケーブル挿入孔1、1中では、ケーブルcが挿入されておらず、操作レバー部4の操作部4aに外力が加わっていない状態では、コイルバネ6の作用により、前記レバー基部5、5がその押圧部5aを前記ターミナル3の接触部3bに圧接させた状態となっている。勿論、その圧接状態は、操作レバー部4の操作部4aの上部側が前記レバー空間2aとケーブル挿入孔1、1を区画する前上部壁2a1に当接することにより過剰にならないようになっている。
ケーブル挿入孔1、1にケーブルc、cを挿入する場合は、前記操作レバー部4の操作部4aを、図1(b)に鎖線で示すように、下方回動させてこれと一体のレバー基部5、5を同様に下方回動させ、その押圧部5a、5aを対向圧接していたターミナル3の接触部3bから離間させる。該ケーブルc、cは、このように該操作部4aを操作した上で、ケーブル挿入孔1、1に挿入し、それぞれのターミナル3の接触部3bとレバー基部5の押圧部5aとの間を通過させ、所要の深さまで進入させる。
この後、該操作部4aの操作による操作レバー部4の下方回動操作を停止し、その自由な動作を許容すると、前記コイルバネ6の作用により、該操作レバー部4及びこれと一体のレバー基部5、5は上方回動し、図2(b)、(c)に示すように、該レバー基部5、5の押圧部5a、5aが間に挿入されたケーブルc、cを対向するターミナル3の接触部3b側に押し付け、該ケーブルc、cを該接触部3bに良好に接触させることとなる。こうしてケーブル挿入孔1、1に挿入されたケーブルc、cとターミナル3の接触部3bとの電気的及び機械的な接続が確保されることとなる。
前記操作レバー部4と一体の一対のレバー基部5、5は、当然、連動して全く同様に動作することになり、そのため、一対のケーブル挿入孔1、1に挿入されたケーブルc、cの径が異なる場合でもそれは同様であり、小径のケーブルc側に対するレバー基部5の押圧部5aによる進出量が不足する可能性が生じるが、対向するターミナル3の作用によりこの進出量の不足は確実に補われる。図2(b)、(c)は一対のケーブル挿入孔1、1の各々に同時に異なる径のケーブルc、cが挿入された場合を示しており、前者が小径のケーブルcが挿入された状態、後者が大径のケーブルcが挿入された状態を示している。
即ち、同図(c)に示すように、大径のケーブルcは対応するレバー基部5の上方回動によりその押圧部5aでターミナル3の接触部3b側に押し付けられ、これによってケーブル挿入孔1の軸心側に進出していたターミナル3の接触部3bもまた該ケーブルcを介して上方側内壁まで後退させられ、その後退規制部3b3が該内壁に当接してその回動が停止される。両レバー基部5、5の上方回動はこうしてこの位置に規制され、レバー基部5の押圧部5aによってターミナル3の接触部3b側に圧接させられたケーブルcは、該接触部3bとの電気的及び機械的な接続が確実なものとなる。
該接触部3bの主たる接触部位が主接触部3b1と舌片状接触部3b2とで構成され、レバー基部5の押圧部5aが、ケーブルcを介してその二つの突起で該舌片状接触部3b2を跨ぎつつ押圧するものであるため、該ケーブルcは一層確実にターミナル3の接触部3bに接続することとなる。
前記のように、レバー基部5、5の上方回動は、大径のケーブルcによって規制されることになるが、前記ターミナル3の接触部3bはケーブル挿入孔1の軸心側に十分進出した状態に構成してあり、必要な弾力性が付与されているものであるため、同図(b)に示すように、レバー基部5の上方回動量が不足気味であっても、ターミナル3の接触部3bの前記進出により充分にこれが補われ、該接触部3bと該小径のケーブルcとの確実な接続が確保される。接触部3bの構成と押圧部5aの構成との関係による良好な接続の確保については先に大径のケーブルcについて述べた通りである。
なおターミナル3の接触部3bを、従来のように、U字形にせず、基部3aから斜め方向に延長することを基本とする構成としたため、この部位の厚みを小さくして一層全体としての装置の小型化に資することとなったものでもある。
この実施例は、図6(a)〜(c)に示すように、実施例1とターミナル13の構成のみが異なる例であり、それ故、ターミナル13についてのみ説明する。
該ターミナル13は、実施例1のターミナル3と同様に各ケーブル挿入孔1、1中に配される導電性のバネ性金属製の部材である。同図に示すように、該ターミナル13は概ね帯状であり、該ケーブル挿入孔1の最奥部の上部内壁に当接状態で固定する基部13aと、該基部13aの外端から該ケーブル挿入孔1中をその外端開口部側に向かって延長する接触部13bと、該基部13aの内端から90度に折曲して下方に向かって延びる下部延長片13cと、該下部延長片13cの先端から更に延長する細幅の端子突片13dとで構成するものである。
前記接触部13bは、前記基部13aからケーブル挿入孔1の外端開口部方向にかつその軸心側に向かって斜め方向に延長した主接触部13b1と、その外端近傍の内側部分を該基部13a側に向かって延びる短冊状に切り出し、その途中を該ケーブル挿入孔1の軸心側に向かって突出すべく屈曲した屈曲接触部13b2とで構成するものである。
従ってこの実施例のプッシュターミナルによれば、実施例1と全く同様に使用して同様な効果が得られる。
ターミナル13に関連する部分についてのみ略述する。ケーブルcは、ターミナル13の接触部13bとレバー基部5の押圧部5aとの間に挿入されると、次のようにして、ターミナル13の接触部13bとの良好な接続関係が得られる。
即ち、レバー基部5の押圧部5aが該ケーブルcを介してその二つの突起で該屈曲接触部13b2の突出部分を跨ぎつつ押圧するものであるため、該ケーブルcは該屈曲接触部13b2に当接する部分はこれに強く押し付けられ、かつその両側の部分も主接触部13b1に強く押し付けられることとなり、ターミナル13との電気的及び機械的な強い接続を確保することができることとなる。
この実施例は、図7(a)〜(c)に示すように、実施例1とターミナル23の構成のみが異なる例であり、それ故、ターミナル23についてのみ説明する。
該ターミナル23は、実施例1のターミナル3と同様に各ケーブル挿入孔1、1中に配される導電性のバネ性金属製の部材である。同図に示すように、該ターミナル23は概ね帯状であり、該ケーブル挿入孔1の最奥部の上部内壁に当接状態で固定する基部23aと、該基部23aの外端から該ケーブル挿入孔1中をその外端開口部側に向かって延長する接触部23bと、該基部23aの内端から90度に折曲して下方に向かって延びる下部延長片23cと、該下部延長片23cの先端から更に延長する細幅の端子突片23dとで構成するものである。
また該ターミナル23の接触部23bは、同図に示すように、前記基部23aからケーブル挿入孔1の外端開口部方向にかつその軸心側に向かって斜め方向に延長した主接触部23b1と、その外端近傍の内側部分を該基部23a側かつ該ケーブル挿入孔1の軸心側に向かって斜めに切り起こした短冊状接触部23b2とで構成するものである。
従ってこの実施例のプッシュターミナルによれば、実施例1と全く同様に使用して同様な効果が得られる。
ターミナル23に関連する部分についてのみ略述する。ケーブルcは、ターミナル23の接触部23bとレバー基部5の押圧部5aとの間に挿入されると、次のようにして、ターミナル23の接触部23bとの良好な接続関係が得られる。
即ち、レバー基部5の押圧部5aが該ケーブルcを介してその二つの突起で該短冊状接触部23b2の先端部を跨ぎつつ押圧するものであるため、該ケーブルcは該短冊状接触部23b2に当接する部分はこれに強く押し付けられ、かつその両側の部分も主接触部23b1に強く押し付けられることとなり、ターミナル23との電気的及び機械的な強い接続を確保することができることとなる。
この実施例は、図8(a)〜(c)に示すように、実施例1とターミナル33の構成のみが異なる例であり、それ故、ターミナル33についてのみ説明する。
該ターミナル33は、実施例1のターミナル3と同様に各ケーブル挿入孔1、1中に配される導電性のバネ性金属製の部材である。同図に示すように、該ターミナル33は概ね帯状であり、該ケーブル挿入孔1の最奥部の上部内壁に当接状態で固定する基部33aと、該基部33aの外端から該ケーブル挿入孔1中をその外端開口部側に向かって延長する接触部33bと、該基部33aの内端から90度に折曲して下方に向かって延びる下部延長片33cと、該下部延長片33cの先端から更に延長する細幅の端子突片33dとで構成するものである。
更に前記接触部33bは、同図に示すように、前記基部33aからケーブル挿入孔1の外端開口部方向にかつその軸心側に向かって斜め方向に延長した主接触部33b1と、その外端近傍の内側部分を基部33a方向に向かって舌片状に切り出し、かつこの舌片状の部分を該ケーブル挿入孔1の軸心側に向かって起立させた第一舌片状接触部33b2と、外端部の内側部分を外端方向に向かって舌片状に切り出し、かつ該舌片状の部分を該ケーブル挿入孔1の軸心側に向かって起立させた第二舌片状接触部33b3とで構成するものである。
従ってこの実施例のプッシュターミナルによれば、実施例1と全く同様に使用して同様な効果が得られる。
ターミナル33に関連する部分についてのみ略述する。ケーブルcは、ターミナル33の接触部33bとレバー基部5の押圧部5aとの間に挿入されると、次のようにして、ターミナル33の接触部33bとの良好な接続関係が得られる。
即ち、レバー基部5の押圧部5aが該ケーブルcを介してその二つの突起で該第一舌片状接触部33b2の先端部を跨ぎつつ押圧するものであるため、該ケーブルcは該第一舌片状接触部33b2に当接する部分はこれに強く押し付けられ、かつその両側の部分もそれぞれ主接触部33b1又は第二舌片状接触部33b3に強く押し付けられることとなり、ターミナル33との電気的及び機械的な強い接続を確保することができることとなる。
(a)は実施例1のプッシュターミナルの正面図、(b)は右側面図、(c)は底面図。 (a)は実施例1のプッシュターミナルのケーブルを挿入していない状態の縦断面説明図、(b)は一対のケーブル挿入孔の内の小径のケーブルcを挿入した側の縦断面説明図、(c)は大径のケーブルcを挿入した側の縦断面説明図。 (a)は実施例1のプッシュターミナルのハウジングの正面図、(b)は背面図、(c)は右側面図、(d)は底面図、(e)は(a)のA−A線断面図、(f)は(a)のB−B線断面図、(g)は(a)のC−C線断面図、(h)は(a)のD−D線断面図。 (a)は実施例1のターミナルの平面図、(b)は右側面図、(c)は背面図。 (a)は実施例1の操作レバー部とこれに結合する一対のレバー基部の正面図、(b)は左側面図、(c)は右側面図、(d)は平面図、(e)は底面図。 (a)は実施例2のターミナルの平面図、(b)は右側面図、(c)は背面図。 (a)は実施例3のターミナルの平面図、(b)は右側面図、(c)は背面図。 (a)は実施例4のターミナルの平面図、(b)は右側面図、(c)は背面図。
符号の説明
1 ケーブル挿入孔
2 ハウジング
2a レバー空間
2a1 前上部壁
2a2 側壁
2a3 下部壁
2b バネ支持突起
2c 軸受部
3 ターミナル
3a 基部
3b 接触部
3b1 主接触部
3b2 舌片状接触部
3b3 後退規制部
3c 下部延長片
3d 端子突片
4 操作レバー部
4a 操作部
4b 結合突起
5 レバー基部
5a 押圧部
5b 回転軸
6 コイルバネ
13、23、33 ターミナル
13a、23a、33a 基部
13b、23b、33b 接触部
13c、23c、33c 下部延長片
13d、23d、33d 端子突片
13b1、23b1、33b1 主接触部
13b2 屈曲接触部
23b2 短冊状接触部
33b2 第一舌片状接触部
33b3 第二舌片状接触部
c ケーブル

Claims (5)

  1. 一対以上のケーブル挿入孔を備えた絶縁性のハウジングと、
    該各ケーブル挿入孔の内壁に沿って配される導電性バネ材製のターミナルであって、該ターミナルの基部が該各ケーブル挿入孔の奥側で固定され、該基部から該ケーブル挿入孔の外端開口部側に延長する接触部がケーブルの挿脱方向と直交する方向に弾力的に動作するように、該各ケーブル挿入孔の軸心側に進出状態に屈曲形成されたターミナルと、
    該ターミナルの接触部に対向する部位に押圧部を備えたレバー基部であって、ケーブル挿入孔の奥側の支持部を回動支点として起伏回動し、後記バネ部材により該ターミナルの接触部側にその押圧部を圧接させるべく付勢され、かつ各一対のケーブル挿入孔に配されたレバー基部毎に一つの操作レバー部と一体に構成された絶縁性のレバー基部と、
    該レバー基部の押圧部を前記ターミナルの接触部側に圧接させるべく付勢するバネ部材と、
    で構成したプッシュターミナル。
  2. 前記ターミナルの接触部を、該ターミナルの基部から前記ケーブル挿入孔の外端開口部方向にかつ該ケーブル挿入孔の軸心方向に向かって斜め方向に延長した主接触部と、該主接触部の外端近傍の内側部分を基部方向に向かって舌片状に切り出し、かつこの舌片状の部分を該ケーブル挿入孔の軸心側に向かって起立させた舌片状接触部と、該主接触部の外端部を該ケーブル挿入孔の内壁側に折曲した後退規制部とで構成した請求項1のプッシュターミナル。
  3. 前記ターミナルの接触部を、該ターミナルの基部から前記ケーブル挿入孔の外端開口部方向にかつ該ケーブル挿入孔の軸心側方向に向かって斜め方向に延長した主接触部と、該主接触部の外端近傍の内側部分を該基部側に向かって延びる短冊状に切り出し、短冊状の部分の途中を該ケーブル挿入孔の軸心側に向かって突出すべく屈曲した屈曲接触部とで構成した請求項1のプッシュターミナル。
  4. 前記ターミナルの接触部を、該ターミナルの基部から前記ケーブル挿入孔の外端開口部方向にかつ該ケーブル挿入孔の軸心方向に向かって斜め方向に延長した主接触部と、該主接触部の外端近傍の内側部分を該基部側かつ該ケーブル挿入孔の軸心側に向かって斜めに切り起こした短冊状接触部とで構成した請求項1のプッシュターミナル。
  5. 前記ターミナルの接触部を、該ターミナルの基部から前記ケーブル挿入孔の外端開口部方向にかつ該ケーブル挿入孔の軸心方向に向かって斜め方向に延長した主接触部と、該主接触部の外端近傍の内側部分を基部方向に向かって舌片状に切り出し、かつこの舌片状の部分を該ケーブル挿入孔の軸心側に向かって起立させた第一舌片状接触部と、該主接触部の外端部の内側部分を外端方向に向かって舌片状に切り出し、かつ該舌片状の部分を該ケーブル挿入孔の軸心側に向かって起立させた第二舌片状接触部とで構成した請求項1のプッシュターミナル。
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