JP6452751B2 - コネクタ - Google Patents
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Description
この発明は可撓性を有するシート状の配線材を接続相手に接続するために用いるコネクタに関する。
図17及び18はこの種のコネクタの従来例として特許文献1に記載されているプラグの構成を示したものであり、図17では接続相手となるレセプタクルをプラグと共に示している。FFC(Flexible Flat Cable)やFPC(Flexible Printed Circuit)よりなる可撓性を有するシート状の配線材は特許文献1では接続部材と称されており、図17,18中、10はFPC又はFFCよりなる接続部材を示す。
図17中に示したように、直交3方向を第1の方向A1、第2の方向A2、第3の方向A3とする時、接続部材10は予め曲げ形成されて、第1の方向(嵌合方向)A1にのびて接続相手に接続される第1の部分11と、第2の方向(長手方向)A2にのびる第2の部分12と、第1の部分11と第2の部分12の間に湾曲形成された折曲部13とを有している。
第1の部分11の外面には多数の信号用導体14が第3の方向(幅方向)A3に配列されて露出されており、これら信号用導体14は第1の部分11から折曲部13を通って第2の部分12にまでのびている。第1の部分11の内面には補強板15が貼り付けられている。第2の部分12は、その内側面にグランド用導体16を備えている。
レセプタクル20は基板21に搭載されており、レセプタクルハウジング22には図17では隠れて詳細に見えないが、多数の信号コンタクトと少なくとも一つのグランドコンタクトとが組み付けられている。信号コンタクトの信号接点はレセプタクルハウジング22の嵌合穴23の上部に配列され、グランドコンタクトのグランド接点は嵌合穴23の下部に配置されている。
プラグ30は接続部材10と、互いに協働して接続部材10を両面側から挟み込むベース31及びカバー32を含んでいる。
ベース31は第1の方向A1及び第3の方向A3に広がった板状の第1の受け部33と、第2の方向A2及び第3の方向A3に広がった板状の第2の受け部34とを有している。第1の受け部33は接続部材10の第1の部分11に対向し、第2の受け部34は接続部材10の第2の部分12に対向している。接続部材10はベース31の一面側に沿って配置され、ベース31の反対面側には導電性のベースグランド35が備えられている。第1の受け部33には、接続部材10の第1の部分11の縁を覆って保護する第1の保護部36と、ベースグランド35の端を覆って保護する第2の保護部37とが設けられている。
カバー32は接続部材10の第1の部分11を押さえる第1の押さえ部38と、接続部材10の第2の部分12を押さえる第2の押さえ部39とを有している。接続部材10の多数の信号用導体14は第1の押さえ部38と第1の保護部36の間において外部に露出した状態となっている。
プラグ30には接続部材10の一部、ベース31の一部及びベースグランド35の一部により構成される嵌合部41が形成されている。
レセプタクル20にプラグ30を接続するとき、嵌合部41は嵌合穴23に嵌合される。信号用導体14により構成された接点部はレセプタクル20の信号接点に接触し、ベースグランド35はレセプタクル20のグランド接点に接触する。
ベース31は第1の受け部33の第3の方向A3における両端部に対のロック機構42を備えており、ロック機構42はレセプタクル20にプラグ30を接続する際に、嵌合部41と共にレセプタクル20の嵌合穴23に挿入され、レセプタクルハウジング22に第1の方向A1で係合する。この結果、レセプタクル20とプラグ30との接続状態はロックされる。なお、ベース31の操作穴43から操作することによりロック機構42のロックは解除される。
図19及び20はプラグ30の組み立てを示したものであり、接続部材10はベース31の第3の方向A3における両端に設けられている対の壁部44の間に装着される。接続部材10を装着する際、接続部材10の第1の部分11に設けられている対の耳部17は、対の壁部44の、第1の受け部33の外面に沿った位置に形成されている溝よりなる対の耳部ガイド45に挿入される。これにより、接続部材10の第1の部分11がベース31の第1の受け部33の外面に対向し、接続部材10の第2の部分12がベース31の第2の受け部34の上面に対向する。
なお、ベース31の対の壁部44には耳部ガイド45に続いて第1の方向A1にのびる、対の案内溝46と、案内溝46の隣に形成された対のカバー取付部47が設けられている。
カバー32も対の壁部44の間に装着される。カバー32の第3の方向A3における両端には案内突起48と係合部49とが設けられており、カバー32が装着される際に、案内突起48が案内溝46に挿入されて第1の方向A1にスライドしつつ装着を案内する。ベース31に対し、カバー32が接続部材10に当る位置まで装着されると、係合部49がカバー取付部47に第1の方向A1で係合し、カバー32のベース31からの離脱が阻止される。
組立完了状態においては、案内突起48の端部は接続部材10の耳部17の縁に第1の方向A1で当接している。このため、嵌合操作時にはカバー32の両端部が接続部材10の対の耳部17を押し、直接、接続部材10に嵌合方向に力を作用させるものとなっている。なお、ベースグランド35に備えられているバネ35aはベース31を貫通して接続部材10のグランド用導体16に圧接されている。
上述したように、特許文献1には可撓性を有するシート状の配線材を直接、接続相手に接続するためのコネクタとしてプラグ30が記載されており、プラグ30は配線材(接続部材10)を両面側から挟み込むベース31とカバー32に加え、部品としてベースグランド35を有するものとなっており、即ち3つの部品を有するものとなっている。
一方、接続相手であるレセプタクル20とのロック機構42はベース31に一体形成されているが、このような樹脂製のロック機構42では例えばコネクタが小型化された場合、十分な強度が得られないといった問題が生じうる。この問題を解決するための一案として、例えばロック機構を別部品とし、金属材で構成することが考えられるが、この場合には部品点数が増え、4つの部品によってコネクタが構成されることになる。
この発明の目的はこのような状況に鑑み、従来構成例より少ない部品点数で構成でき、よってその分、安価に構成できるようにしたコネクタを提供することにある。
請求項1の発明によれば、可撓性を有するシート状の配線材であって、長手方向の一端部の一方の面に導体パターンが露出され、前記一端部の他方の面に補強板を具備し、前記他方の面において前記長手方向沿いに前記一端部の端縁から離間した部位に導体よりなるグランド板をさらに具備し、グランド板は前記長手方向において補強板と離間もしくは一部が重なっている配線材を接続相手に接続するためのコネクタは、インシュレータと導体よりなるシェルとを備え、直交3方向をX方向、Y方向、Z方向とし、コネクタの前後方向をX方向、コネクタの幅方向をY方向、コネクタの嵌合方向をZ方向とする時、インシュレータはY方向に細長いブロック部と、ブロック部のX方向前方に位置すると共にブロック部よりZ方向下方に突出する部分を有する前面板部とを備え、ブロック部と前面板部との間には配線材の前記一端部が挿入されるスリットが形成され、シェルは互いに垂直な板面を持って連なる嵌合板部と上板部とを有し、上板部にはグランド板接触部が設けられ、インシュレータにおいてX方向と垂直な前面板部の表面によって構成されている前記スリットの内壁面及びその延長面を第1面とし、第1面と反対側の前面板部の表面を第2面とし、Z方向に垂直なブロック部のZ方向の上面を第3面とする時、インシュレータには補強板が前記第1面に当接し、グランド板を備える部位の少なくとも一部が前記第3面に当接するように、配線材を前記長手方向に直交する折り目で垂直に折り曲げて装着することができるものとされ、配線材を装着したインシュレータには嵌合板部が前記第2面に当接し、上板部が配線材の前記第3面に当接した部位に前記第3面とは反対側から当接すると共にグランド板接触部がグランド板に接触するように、シェルを装着することができるものとされる。
請求項2の発明では請求項1の発明において、上板部には、上板部からY方向に突出したのちZ方向下方に延伸され、先端にY方向外側に突出する係止部を備えて接続相手に係止されるロック機構が一体形成され、インシュレータにはシェルが装着されているときに
前記係止部をY方向内側に変位させることができるロック解除ボタンが一体形成されているものとされる。
前記係止部をY方向内側に変位させることができるロック解除ボタンが一体形成されているものとされる。
請求項3の発明では請求項1又は2の発明において、上板部の、嵌合板部に連なる側とは反対側の辺縁部にはY方向両側にラッチ部を備えてなる配線材煽り防止部が形成され、インシュレータにはラッチ部が係合する被ラッチ部が設けられ、インシュレータにシェルを装着したときにはラッチ部の被ラッチ部への係合により、配線材煽り防止部がインシュレータに対して固定される。
請求項4の発明では請求項1又は2の発明において、インシュレータにはY方向に延伸する配線材煽り防止バーが設けられ、配線材をインシュレータに装着したときには配線材煽り防止バーは配線材に対し、前記第3面が位置する側とは反対側に位置して配線材の前記第3面から離間する向きの変位を防止する。
請求項5の発明では請求項1から4の何れかの発明において、配線材を装着したインシュレータにシェルを装着したときに、補強板に形成されている2つの肩部をZ方向下方に押圧する2つの配線材抜け止め部が嵌合板部に形成されているものとされる。
この発明によれば、配線材を直接、接続相手に接続するためのコネクタをインシュレータとシェルの2部品で構成することができ、よって従来のコネクタよりも部品点数を削減することができ、その点でコネクタを安価に構成することができる。
この発明の実施形態を図面を参照して実施例により説明する。
図1及び2はこの発明によるコネクタの第1の実施例に配線材が装着された状態を示したものであり、図中、50は可撓性を有するシート状の配線材を示し、200はコネクタを示す。配線材50はこの例ではFFCとされている。配線材50は長尺物であって、実際には長くのびているが、長手方向の寸法は限定して、つまり長さを省略して示している。なお、以下においては直交3方向をX方向、Y方向、Z方向と定義し、配線材50の、コネクタ200から突出して延伸している長手方向(延伸方向)をX方向、コネクタ200の幅方向をY方向、コネクタ200の嵌合方向(高さ方向)をZ方向として説明する。
コネクタ200はこの例ではインシュレータ60とシェル100の二部品で構成されている。図3〜5はこれらインシュレータ60及びシェル100の詳細を示したものであり、まず、図3〜5を参照してインシュレータ60及びシェル100の構成を説明する。
インシュレータ60は図3,4に示したような形状を有し、大別してY方向に細長い直方体状のブロック部61と、ブロック部61のX方向前方に位置する前面板部62と、これらブロック部61及び前面板部62のY方向両端に位置する一対の腕部63とよりなる。
前面板部62はブロック部61の前方に位置すると共に、ブロック部61よりZ方向下方(嵌合の向き)に突出しており、この下方に突出している部分のY方向両端にはさらにZ方向下方に突出する一対の柱状部64が設けられている。
前面板部62のX方向の前後の表面はY方向とZ方向とが張る平面、即ちYZ平面と平行とされており、互いに背中合わせに位置する表面を第1面65及び第2面66と呼称する。なお、第2面66はブロック部61と反対側に位置し、第1面65は図4Cに示したように前面板部62とブロック部61との間に形成されているスリット67の内壁面及びその延長面とされる。
第2面66のZ方向下端及びY方向両端には第2面66よりX方向において1段高い段部68及び69が設けられており、第1面65のZ方向下端にもX方向において1段高い段部71が設けられている。
前面板部62のZ方向上端はブロック部61の上面より低くされている。ブロック部61の上面はZ方向に垂直でZ方向上方(嵌合の向きと逆向き)に露出する表面であり、この表面を第3面72と呼称する。
前面板部62のY方向中央部におけるZ方向上端にはZ方向に1段高い突出部73が形成されており、この突出部73の内側面、即ちスリット67側の面は傾斜面74とされている。ブロック部61のスリット67に向く面はZ方向における上方側においてスリット67の幅(間隔)が広くなるようにX方向に後退されており、この後退されている部分において前面板部62の突出部73と対向する位置にはスリット67の幅を維持するように押さえ部75が形成されている。押さえ部75から第3面72に至る面は傾斜面76とされている。
一対の腕部63のZ方向上面には凹部77がそれぞれ形成されており、X方向において凹部77を挟む前方部78にはX方向に貫通する穴79がそれぞれ形成され、凹部を挟む後方部81にはロック解除ボタン82が突出、延長されてそれぞれ形成されている。
ロック解除ボタン82は後方部81からY方向にわずかに突出された後、X方向前方に延伸されたバネ部83と、バネ部83の先端に設けられたボタン部84と、ボタン部84からさらに延長形成された延長部85とよりなり、延長部85の先端は前方部78の穴79内にY方向に変位可能に収容されている。
一対の後方部81の互いの内側寄りにはZ方向に貫通する穴86がそれぞれ形成されており、穴86の内壁面には図4Dに示したように突起よりなる被ラッチ部87が形成されている。一対の後方部81のZ方向上面には穴86に続いて穴86のY方向内側に切欠き88がそれぞれ形成されている。また、第3面72のY方向両端にはそれぞれ2つの穴89が形成されている。さらに、一対の凹部77の底面にはスリット91がそれぞれ形成され、スリット91は柱状部64にまで延長されて形成されている。
上記のような構成を有するインシュレータ60は樹脂製とされ、樹脂材には例えば液晶ポリマーが用いられる。
シェル100は金属板よりなり、導体とされ、図5に示したような形状を有する。シェル100は矩形状をなす嵌合板部101と矩形状をなす上板部102とを備え、嵌合板部101はYZ平面と平行とされ、上板部102はXY平面と平行とされて、嵌合板部101と上板部102は互いに垂直な板面を持って連なっている。
上板部102におけるX方向後端側(嵌合板部101に連なる側とは反対側)の辺縁部にはZ方向に1段高くされた配線材煽り防止部103が形成されている。配線材煽り防止部103のY方向両端にはY方向に突出した後、Z方向下方に向くように折り曲げられて延長されたラッチ部104がそれぞれ形成されている。一対のラッチ部104の先端には互いに内向きに切り起こされた切り起こし片105が形成されている。
上板部102にはさらに一対のグランド板接触部106と一対のロック機構107が形成されている。グランド板接触部106は上板部102のY方向の両端寄りにそれぞれ切り起こされて形成されており、グランド板接触部106はZ方向下方に突出するように形成された切り起こし片よりなる。
ロック機構107は上板部102のY方向両端にそれぞれ形成されている。ロック機構107は上板部102のY方向外側に突出された後、Z方向下方側にU字状をなすように曲げ返されたU字部108と、U字部108の先端からZ方向下方に延伸された係止片109と、係止片109の先端にY方向外側に突出するように形成された係止部110とよりなる。U字部108には所要の弾性を得るため、窓111が形成されており、U字部108の基端にはZ方向下方に突出する圧入片112が形成されている。また、U字部108とラッチ部104との間に位置する上板部102の端縁にも圧入片112とX方向において同一線上に位置するように圧入片113がZ方向下方に突出されてそれぞれ形成されている。
嵌合板部101のY方向両端にはX方向のロック機構107が位置する側に向くように折り曲げ、延長されてなる配線材抜け止め部114がそれぞれ形成されている。さらに、嵌合板部101のY方向両端にはY方向に突出する圧入突起115が配線材抜け止め部114の下に位置して形成されている。
上記のような構成を有するシェル100は例えばステンレス材によって形成される。なお、シェル100には全面、Snめっきが施される。
次に、FFCよりなる配線材50の構成について図6を参照して説明する。なお、図1,2と同様、図6においても、さらに以下に説明する各図においても配線材50は長さを省略して示している。
配線材50は多数の導体パターン51を内部に有し、長手方向(X方向)の一端部の一方の面にこれら導体パターン51は露出されている。導体パターン51の露出部分にはAuめっきが施されている。配線材50の一端部の他方の面には補強板52が貼り付けられている。また、この補強板52が貼り付けられている面において一端部の端縁53からX方向に離間した部位には導体よりなるグランド板54が貼り付けられている。
配線材50の幅方向(Y方向)の両端には所要の凹凸が形成されており、即ち配線材50のY方向の幅は順次変化されており、補強板52及びグランド板54はこのような配線材50の変化する幅と幅が一致されて配線材50のY方向の全域に設けられている。
配線材50の一端部の端縁53の幅を基準とする時、配線材50の幅方向両側にはX方向に順次、切欠き55,56,57及び凸部58が形成されており、凸部58よりやや先において配線材50はやや幅広とされている。
切欠き55は補強板52の角部にかかって位置しており、これにより補強板52には一対の肩部59が形成され、肩部59より端縁53側はやや幅広とされている。また、2つの切欠き56,57及び凸部58はグランド板54が位置する位置に設けられている。
上記のような構成において、補強板52には例えばPET(ポリエチレンテレフタレート)が用いられ、グランド板54には例えばCu板にSnめっきが施されたものが用いられる。
配線材50はX方向に直交する折り目(Y方向の折り目)で垂直に折り曲げられてコネクタ100に装着される。図7は配線材50が折り曲げられた状態を示したものであり、配線材50は補強板52とグランド板54の間で折り曲げられる。なお、配線材50は補強板52とグランド板54が曲げの外側に位置するように折り曲げられる。
図7に示したように折り曲げられた配線材50はインシュレータ60に装着される。配線材50はその端縁53がインシュレータ60のスリット67に位置されて挿入され、この際、傾斜面74,76によって誘い込まれてスリット67内に挿入される。図8はインシュレータ60に配線材50が装着された状態を示したものであり、配線材50に設けられている補強板52はインシュレータ60の第1面65に図8Bに示したように当接し、グランド板54を備える部位の少なくとも一部は第3面72に当接する。
配線材50の第1面65に沿って位置する部位において、Y方向中央部はインシュレータ60の押さえ部75によって+Xの向きに押さえられるZ方向の長さが長くされており、またY方向の両端部もインシュレータ60によって挟み込まれて押さえられるものとなっており、これにより配線材50の先端のX方向の浮きが良好に防止されるものとなっている。なお、配線材50に形成されている一対の凸部58は図8Aに示したようにインシュレータ60の切欠き88に位置して位置決めされる。
次に、シェル100が装着される。図9Aは配線材50が装着されたインシュレータ60にシェル100が圧入されて装着された状態を示したものであり、図1Aと同じ図であって、コネクタ200の組立て完了状態を示す。
配線材50の計4つの切欠き56,57はインシュレータ60の第3面72に形成されている計4つの穴89と位置が一致しており、シェル100の計4つの圧入片112,113は切欠き56,57を介して穴89に圧入され、これによりシェル100の上板部102は配線材50の第3面72に当接した部位に第3面72と反対側から図2Dに示したように当接する。上板部102に形成されている一対のグランド板接触部106は配線材50のグランド板54に接触する。
シェル100の嵌合板部101はインシュレータ60の第2面66に当接し、Y方向両端に突出形成されている圧入突起115は第2面66のY方向両端に位置する段部69に圧入された状態となる。また、嵌合板部101のY方向両端に形成されている2つの配線材抜け止め部114によって図9Bに示したように補強板52に形成されている一対の肩部59はZ方向下方に押圧され、これにより配線材50は抜け止めされる。
シェル100に形成されている一対のロック機構107のU字部108はインシュレータ60の凹部77に位置し、係止片109はスリット91に挿入される。係止片109の先端に形成されている係止部110はインシュレータ60の柱状部64から図1Bに示したようにY方向外向きに突出される。
また、シェル100の一対のラッチ部104はインシュレータ60の腕部63の穴86に挿入され、ラッチ部104に形成されている切り起こし片105が被ラッチ部87に係合される。これにより、配線材煽り防止部103はインシュレータ60に対して固定される。
図10はこのようにして配線材50が装着されたコネクタ200が基板300に搭載された接続相手の基板側コネクタ400にZ方向に嵌合されて接続された状態を示したものであり、コネクタ200は一対のロック機構107の係止片109の係止部110が基板側コネクタ400に係止されることによって、基板側コネクタ400に接続された状態がロックされる。
基板側コネクタ400の信号コンタクト410は図10Bに示したように配線材50の導体パターン51に接触し、グランドコンタクト420はシェル100の嵌合板部101に接触する。
基板側コネクタ400に対するコネクタ200のロック状態の解除は、インシュレータ60に一体形成されている一対のロック解除ボタン82のボタン部84を互いに内向きに押圧することによって行うことができ、ボタン部84を押圧することによりシェル100のロック機構107の係止部110はY方向内側に変位して基板側コネクタ400との係止が解除される。
以上、この発明によるコネクタの第1の実施例について説明したが、上述したコネクタ200によれば、以下のような効果を得ることができる。
(1)金属製のシェル100に配線材50のグランド板54と接触するグランド板接触部106を設け、シェル100の嵌合板部101が基板側コネクタ400のグランドコンタクト420と接触する構成となっており、つまりシェル100を介してグランド板54とグランドコンタクト420が導通される構成となっているため、従来のコネクタが具備していた金属製の別部品としてのベースグランド35を不要とすることができる。これにより、インシュレータ60とシェル100の2部品でコネクタ200を構成することができ、従来例より部品点数を削減することができる。
(2)金属製のシェル100に基板側コネクタ400に対するロック機構107を形成しているため、十分な強度が得られ、コネクタの小型化にも対応することができる。
(3)シェル100に設けた配線材抜け止め部114によって配線材50は抜け止めされ、導体パターン51が露出している配線材50の一端部は配線材抜け止め部114とインシュレータ60の前面板部62のZ方向下端の段部71とに挟まれた状態となって良好に位置決めされる。
(4)段部71によって配線材50の先端(端縁53)は保護されるため、コネクタ200の基板側コネクタ400への嵌合時に配線材50の先端が損傷するといったことは発生しない。
(5)シェル100に配線材煽り防止部103を設け、配線材50が煽られた時に発生する力を配線材煽り防止部103の両端の、インシュレータ60に固定されたラッチ部104が受ける構造となっているため、煽りによって配線材50がインシュレータ60から離脱するといったことを防止することができる。
(6)配線材50にはグランド板54から端縁53と反対方向にシールド材が配され、シールド材によって両面あるいは片面のみが被覆される形態があり、このような場合には配線材50は厚くなるが、配線材煽り防止部103は上板部102より1段高い位置に位置しているため、配線材50が厚くなっても支障なく配線材50を装着することができる。この例では図6中に示した破線aより下は配線材50の厚さ大を許容できるものとなっている。
なお、図6Cに示したように、配線材50においてグランド板54は補強板52と離間しているが、グランド板54を一部補強板52に重畳するように設けてもよい。この場合にはグランド板54の領域内に折り目を形成してグランド板54と共に配線材50を90度折り曲げる。
以下、図11〜16に示したこの発明によるコネクタの第2の実施例について説明する。
図11及び12は図1及び2と同様、コネクタに配線材が装着された状態を示したものであり、図13〜15は図11に示したコネクタ500におけるインシュレータ60’及びシェル100’の詳細を示したものである。また、図16は図10と同様、コネクタ500が基板側コネクタ400に嵌合接続された状態を示したものである。第1の実施例の構成と対応する部分には同一符号を付し、詳細な説明を省略する。
第1の実施例では配線材50の煽りを防止するための機構がシェル100に設けられていたが、第2の実施例ではインシュレータ60’が配線材50の煽りを防止するための機構を具備するものとなっている。
インシュレータ60’は図13及び14に示した構成とされる。図3及び4に示したインシュレータ60との違いは、一対の腕部63に内部に被ラッチ部87が設けられた穴86がなく、一対の腕部63にまたがって配線材煽り防止バー92がY方向に延伸されて設けられている点にある。
配線材煽り防止バー92はブロック部61の後方に位置し、Z方向におけるブロック部61の上面の高さよりも高い位置に配線材煽り防止バー92の下面は位置している。
一方、シェル100’は図15に示した構成とされる。図5に示したシェル100との違いは、配線材煽り防止部103及びその両端に形成されたラッチ部104がない点にある。
このようなインシュレータ60’とシェル100’とよりなるコネクタ500においては、配線材50は図11及び12に示したように配線材煽り防止バー92の下を通されてインシュレータ60’に装着され、配線材煽り防止バー92は配線材50に対し、インシュレータ60’の第3面72が位置する側とは反対側に位置される。これにより、配線材50が煽られても、その第3面72から離間する向きの変位は配線材煽り防止バー92によって防止される。
この第2の実施例のコネクタ500においても前述した第1の実施例のコネクタ200と同様の効果を得ることができる。なお、配線材50の煽りに対する強度の点ではこの第2の実施例のコネクタ500の方が優れていると言えるが、配線材煽り防止バー92がある分、コネクタ500のZ方向の高さは高くなるため、低背化を図る点では第1の実施例のコネクタ200の構成の方が好ましい。
10 接続部材 11 第1の部分
12 第2の部分 13 折曲部
14 信号用導体 15 補強板
16 グランド用導体 17 耳部
20 レセプタクル 21 基板
22 レセプタクルハウジング 23 嵌合穴
30 プラグ 31 ベース
32 カバー 33 第1の受け部
34 第2の受け部 35 ベースグランド
35a バネ 36 第1の保護部
37 第2の保護部 38 第1の押さえ部
39 第2の押さえ部 41 嵌合部
42 ロック機構 43 操作穴
44 壁部 45 耳部ガイド
46 案内溝 47 カバー取付部
48 案内突起 49 係合部
50 配線材 51 導体パターン
52 補強板 53 端縁
54 グランド板 55〜57 切欠き
58 凸部 59 肩部
60,60’ インシュレータ 61 ブロック部
62 前面板部 63 腕部
64 柱状部 65 第1面
66 第2面 67 スリット
68,69 段部 71 段部
72 第3面 73 突出部
74 傾斜面 75 押さえ部
76 傾斜面 77 凹部
78 前方部 79 穴
81 後方部 82 ロック解除ボタン
83 バネ部 84 ボタン部
85 延長部 86 穴
87 被ラッチ部 88 切欠き
89 穴 91 スリット
92 配線材煽り防止バー 100,100’ シェル
101 嵌合板部 102 上板部
103 配線材煽り防止部 104 ラッチ部
105 切り起こし片 106 グランド板接触部
107 ロック機構 108 U字部
109 係止片 110 係止部
111 窓 112,113 圧入片
114 配線材抜け止め部 115 圧入突起
200 コネクタ 300 基板
400 基板側コネクタ 410 信号コンタクト
420 グランドコンタクト 500 コネクタ
12 第2の部分 13 折曲部
14 信号用導体 15 補強板
16 グランド用導体 17 耳部
20 レセプタクル 21 基板
22 レセプタクルハウジング 23 嵌合穴
30 プラグ 31 ベース
32 カバー 33 第1の受け部
34 第2の受け部 35 ベースグランド
35a バネ 36 第1の保護部
37 第2の保護部 38 第1の押さえ部
39 第2の押さえ部 41 嵌合部
42 ロック機構 43 操作穴
44 壁部 45 耳部ガイド
46 案内溝 47 カバー取付部
48 案内突起 49 係合部
50 配線材 51 導体パターン
52 補強板 53 端縁
54 グランド板 55〜57 切欠き
58 凸部 59 肩部
60,60’ インシュレータ 61 ブロック部
62 前面板部 63 腕部
64 柱状部 65 第1面
66 第2面 67 スリット
68,69 段部 71 段部
72 第3面 73 突出部
74 傾斜面 75 押さえ部
76 傾斜面 77 凹部
78 前方部 79 穴
81 後方部 82 ロック解除ボタン
83 バネ部 84 ボタン部
85 延長部 86 穴
87 被ラッチ部 88 切欠き
89 穴 91 スリット
92 配線材煽り防止バー 100,100’ シェル
101 嵌合板部 102 上板部
103 配線材煽り防止部 104 ラッチ部
105 切り起こし片 106 グランド板接触部
107 ロック機構 108 U字部
109 係止片 110 係止部
111 窓 112,113 圧入片
114 配線材抜け止め部 115 圧入突起
200 コネクタ 300 基板
400 基板側コネクタ 410 信号コンタクト
420 グランドコンタクト 500 コネクタ
Claims (5)
- 可撓性を有するシート状の配線材であって、長手方向の一端部の一方の面に導体パターンが露出され、前記一端部の他方の面に補強板を具備し、前記他方の面において前記長手方向沿いに前記一端部の端縁から離間した部位に導体よりなるグランド板をさらに具備し、前記グランド板は前記長手方向において前記補強板と離間もしくは一部が重なっている配線材を接続相手に接続するためのコネクタであって、
インシュレータと導体よりなるシェルとを備え、
直交3方向をX方向、Y方向、Z方向とし、前記コネクタの前後方向をX方向、前記コネクタの幅方向をY方向、前記コネクタの嵌合方向をZ方向とする時、前記インシュレータは、Y方向に細長いブロック部と、前記ブロック部のX方向前方に位置すると共に、前記ブロック部よりZ方向下方に突出する部分を有する前面板部とを備え、前記ブロック部と前記前面板部との間には前記配線材の前記一端部が挿入されるスリットが形成されてお
り、
前記シェルは、互いに垂直な板面を持って連なる嵌合板部と上板部とを有し、前記上板部にはグランド板接触部が設けられており、
前記インシュレータにおいて、X方向と垂直な前記前面板部の表面によって構成されている前記スリットの内壁面及びその延長面を第1面とし、前記第1面と反対側の前記前面板部の表面を第2面とし、Z方向に垂直な前記ブロック部のZ方向の上面を第3面とする時、前記インシュレータには、前記補強板が前記第1面に当接し、前記グランド板を備える部位の少なくとも一部が前記第3面に当接するように、前記配線材を前記長手方向に直交する折り目で垂直に折り曲げて装着することができるものとされ、
前記配線材を装着した前記インシュレータには、前記嵌合板部が前記第2面に当接し、前記上板部が前記配線材の前記第3面に当接した部位に前記第3面とは反対側から当接すると共に、前記グランド板接触部が前記グランド板に接触するように、前記シェルを装着することができるものとされていることを特徴とするコネクタ。 - 請求項1に記載のコネクタにおいて、
前記上板部には、前記上板部からY方向に突出したのちZ方向下方に延伸され、先端にY方向外側に突出する係止部を備えて前記接続相手に係止されるロック機構が一体形成され、
前記インシュレータには、前記シェルが装着されているときに前記係止部をY方向内側に変位させることができるロック解除ボタンが一体形成されていることを特徴とするコネクタ。 - 請求項1又は2に記載のコネクタにおいて、
前記上板部の、前記嵌合板部に連なる側とは反対側の辺縁部にはY方向両側にラッチ部を備えてなる配線材煽り防止部が形成され、
前記インシュレータには前記ラッチ部が係合する被ラッチ部が設けられ、
前記インシュレータに前記シェルを装着したときには、前記ラッチ部の前記被ラッチ部への係合により、前記配線材煽り防止部が前記インシュレータに対して固定されることを特徴とするコネクタ。 - 請求項1又は2に記載のコネクタにおいて、
前記インシュレータにはY方向に延伸する配線材煽り防止バーが設けられ、
前記配線材を前記インシュレータに装着したときには、前記配線材煽り防止バーは前記配線材に対し、前記第3面が位置する側とは反対側に位置して、前記配線材の前記第3面から離間する向きの変位を防止することを特徴とするコネクタ。 - 請求項1から4の何れかに記載のコネクタにおいて、
前記配線材を装着した前記インシュレータに前記シェルを装着したときに、前記補強板に形成されている2つの肩部をZ方向下方に押圧する2つの配線材抜け止め部が前記嵌合板部に形成されていることを特徴とするコネクタ。
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