JP3912762B2 - 切換弁操作回路 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、複数の切換弁をパイロット圧によって制御する切換弁操作回路に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の切換弁操作回路を図6に示す。
この切換弁操作回路は、2台のポンプ1,2の流体を合流してアクチュエータに供給するものである。第1ポンプ1は、ポンプ通路3に接続した第1連通路付切換弁7およびアクチュエータ通路A、Bを介して図示していないアクチュエータに接続している。同じように第2ポンプ2は、ポンプ通路4に接続した第2連通路付切換弁8およびアクチュエータ通路A、Bを介して図示していないアクチュエータに接続している。また、上記第1連通路付切換弁7に接続したアクチュエータ通路A,Bに、第2連通路付切換弁8に接続したアクチュエータ通路A,Bを、図示のようにそれぞれ接続して、流体を合流させている。
【0003】
上記第1、第2連通路付切換弁7,8は、それぞれ第1、第2ポンプ1,2と図示していないアクチュエータとを連結したり、遮断したりするものである。これら連通路付切換弁7,8が図中右方向に移動して左側位置に切り換わると、ポンプポート3,4がアクチュエータ通路Bに連通するとともに、タンク通路5がアクチュエータ通路Aに連通する。反対に、連通路付切換弁7,8が図中左方向に移動して右側位置に切り換わると、ポンプポート3,4がアクチュエータ通路Aに連通し、タンク通路5がアクチュエータ通路Bに連通する。
【0004】
上記第1連通路付切換弁7の両側には、パイロット室7a,7bを設けるとともに、スプリング9a,9bの弾性力を作用させている。同様に、第2連通路付切換弁8の両側にも、パイロット室8a,8bを設けるとともに、スプリング10a,10bの弾性力を作用させている。このスプリング10a,10bの弾性力は、上記第1連通路付切換弁7に作用するスプリング9a,9bの弾性力よりも強くしている。
そして、上記パイロット室7a,8aは、パイロット通路11を介して可変パイロットポンプPpの一方のポートに並列に接続され、上記パイロット室7b,8bは、パイロット通路12を介して可変パイロットポンプPpの他方のポートに並列に接続されている。
【0005】
一方、上記第1、第2連通路付切換弁7,8は、それぞれパイロットポート13a,13b,14a,14bを形成している。これらパイロットポート13a,13b,14a,14bには,それぞれ通路15a,15b,16a,16bを接続している。これら通路のうち、通路15a,16aを上記パイロット通路11に接続し、通路15b,16bを上記パイロット通路12に接続している。
また、上記第1、第2連通路付切換弁7,8には、上記両パイロットポート13a,13bおよび14a,14bを連通する連通路17a,17b,18a,18bを形成している。そして、これら連通路17a,17b,18a,18bには、それぞれ連通路付切換弁の移動量に応じて開度を可変にする制御絞り19a,19b,20a,20bを設けている。これら制御絞り19a,19b,20a,20bは、連通路付切換弁の移動量が最大になったときに開度が最大になる。
【0006】
図6は,上記第1、第2連通路付切換弁7,8が中立位置である中立状態を示し、このとき上記両パイロットポート13a,I3b,l4a,l4bは遮断されている。この中立状態から第1、第2連通路付切換弁7,8が図中右方向に移動すると、第1連通路付切換弁7の両パイロットポートl3a,13bが上記連通路17aによって連通し、第2連通路付切換弁8の両パイロットポート14a,14bが上記連通路18aによって連通する。このように両パイロットポート13a,13b,l4a,14bが連通すれば、第1連通路付切換弁7の両パイロット室7a,7bが、通路I5a、パイロットポート13a、連通路17a、パイロットポート13b、通路15bを介して連通し、同じく第2連通路付切換弁8の両パイロット室8a,8bも、通路l6a、パイロットポート14a、連通路I8a、パイロットポートI4b、通路16bを介して連通する。
【0007】
上記と反対に、第1、第2連通路付切換弁7,8が、図中左方向に移動すると、第1、第2連通路付切換弁7,8の両パイロットポートl3a,13b,14a,14bが上記連通路17b,18bによって連通する。したがって、第1、第2連通路付切換弁7,8の両パイロット室7a,7b,8a,8bも連通する。
【0008】
次に、上記従来技術の作用を説明する。
可変パイロットポンプPpが、流体をパイロット通路11側に吐出すると、この流体はパイロット通路11を介して並列に接続したパイロット室7a、8aに供給される。パイロット室7a,8aは、パイロット通路12との連通を遮断されているため、これらパイロット室7a,8aには流体圧が発生する。この流体圧によって図中右方向の力が第1、第2連通路付切換弁7,8に作用する。この流体圧による右方向の力がスプリング9b,l0bの弾性力よりも大きくなると、第l、第2連通路付切換弁7,8は、スプリング9b,10bに抗して図中右方向に移動する。ただし、第1連通路付切換弁7と第2連通路付切換弁8とに作用しているスプリング9b,10bの弾性力が違うので、移動するタイミングも違う。すなわち、作用するスプリング9bの弾性力が弱い連通路付切換弁7が、第2連通路付切換弁8よりも先に移動する。
【0009】
第1連通路付切換弁7が図中右方向に移動すると、この第1連通路付切換弁7に形成した連通路17aを介して両パイロットポート13a,13bが連通する。両パイロットポート13a,13bが連通すると、可変パイロットポンプPpの流体が、パイロット通路l1→通路15a→パイロットポート13a→連通路17a→パイロットポート13b→通路15b→パイロット通路l2の順に流れる。このとき、制御絞り19aを流れる流体の圧力損失によって、両パイロット室7a,7b間に差圧が生じる。この差圧によって、図中右方向の力が第1連通路付切換弁7に作用する。したがって、第1連通路付切換弁7は、この差圧による力とスプリング9bによる弾性力とがバランスする位置に移動する。
【0010】
また、第1連通路付切換弁7が図中右側に移動すると、ポンプ通路3とアクチュエータ通路Bとが連通し、タンク通路5とアクチュエータ通路Aとが連通する。そのため、第1ポンプ1の流体が図示していないアクチュエータに供給され、このアクチュエータの戻り流体がタンクTに排出される。
なお、上記ポンプ通路3とアクチュエータポートBとの連通開度は、第1連通路付切換弁7の移動量に対応している。つまり、第1連通路付切換弁7の移動量が大きければ、連通開度も大きくなるが、移動量が小さければ、連通開度も小さくなる。そして、連通開度が大きくなると、図示していないアクチュエータに供給される流量も多くなるが、連通開度が小さくなるとその供給量も少なくなる。
【0011】
上記第1連通路付切換弁7の移動量は、可変パイロットポンプPpの流量に対応している。つまり、可変パイロットポンプPpの流量が少なければ、連通路付切換弁7の両パイロット室7a,7b間の差圧が小さいので移動量も小さいが、反対に流量が多ければ、差圧が大きくなるので移動量も大きくなる。そして、この可変パイロットポンプPpのパイロット流量と、アクチュエータに供給される流量との関係を表したのが、図7に示したグラフである。 図7のグラフは、横軸が可変パイロットポンプPpのパイロット流量を示し、縦軸がアクチュエータに供給される流量を示す。そして、このグラフのs点は、第1連通路付切換弁7が右方向にフルストロークした位置を示す。s点では、第1ポンプ1と図示していないアクチュエータとの連通開度が最大になり、このアクチュエータヘ供給される第1ポンプ1の流量が最大になる。
【0012】
一方、スプリング10bの弾性力は、パイロット流量がグラフ上のm点に達したときに両パイロット室8a,8b間に生じる差圧によって第2連通路付切換弁8が移動するように設定している。そのため、グラフ上のs点、すなわち第1連通路付切換弁7がフルストロークした点で、パイロット流量がm点に達し、第2連通路付切換弁8が図中右方向に移動する。そして、この第2連通路付切換弁8は、上記第1連通路付切換弁7と同様に、両パイロット室8a,8bの差圧による力と、スプリング10bによる弾性力とがバランスする位置に移動する。
【0013】
上記のように第2連通路付切換弁8が図中右方向に移動すると、ポンプ通路4とアクチュエータ通路Bとが連通し、タンク通路6とアクチュエータ通路Aとが連通する。したがって、第2ポンプ8の流体が、第1ポンプ7の流体に合流して図示していないアクチュエータに供給されるとともに、そのアクチュエータからの戻り流体がタンクTに排出される。
【0014】
また、第2連通路付切換弁8は、パイロット流量に対するアクチュエータヘの供給流量の特性が、上記第1連通路付切換弁7と同じになるように制御絞り20aを設定している。すなわち、図7における第2連通路付切換弁8の傾きが、第1連通路付切換弁7と同じ傾きになっている。そのため、第1連通路付切換弁7がフルストロークして、第1ポンプ1の最大流量が供給されている状態で、第2ポンプ2の流体を合流させると、グラフが同じ傾きで増加する。したがって、第1連通路付切換弁7がフルストロークしたと同時に第2連通路付切換弁8を移動させれば、可変パイロットポンプPpのパイロット流量に比例してアクチュエータを作動させることができる。なお、このグラフのn点は、第2連通路付切換弁8が右方向にフルストロークした状態を示し、このとき第1、第2ポンプ1,2の全流量が図示していないアクチュエ−タに供給される。
【0015】
なお、可変パイロットポンプPpがパイロット通路12側に流体を吐出した場合、第1、第2連通路付切換弁7,8は上記の場合と反対の図中左方向に移動して、右側位置に切り換わる。そして、第1、第2ポンプ1,2がポンプ通路3,4を介してアクチュエータ通路Aに連通し,タンク通路5,6がアクチュエ一夕通路Bに連通する。したがって、図示していないアクチュエータヘ、上記の場合と反対側に第1、第2ポンプ1,2の流体を供給する。しかし、この場合においても、パイロット流量とアクチュエータヘの供給流量との関係は図7と同じになる。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】
このような従来の切換弁操作回路は、第1連通路付切換弁7と第2連通路付切換弁8とが移動を開始するタイミング、即ち切換タイミングを、スプリングの弾性力だけによって決めていた。しかし、第2連通路付切換弁8にも制御絞り20a,20bがあるため、スプリング10a,10bの弾性力に打ち勝つ可変パイロットポンプPpの流量上昇に対して、制御絞り20a,20bの差圧の発生が先行し、第2連通路付切換弁8の切換速度が急激になる問題があった。
【0017】
つまり、第2連通路付切換弁8のスプリング10a,10bの弾性力は第1連通路付切換弁7のスプリング9a,9bの弾性力よりも強いので、可変パイロットポンプPpの流量が大きくなり、第1連通路付切換弁7が切換わりストロークしきった後、パイロット室8a,8bに発生した流体圧が急に高くなって、第2連通路付切換弁を切換えようとするが、そのスピードはオリフィス等によりコントロールされていないので、開くスピードが早く、短時間にアクチュエータへ大流量が流れると、アクチュエータが急激に動きショックが大きい。また、逆に可変パイロットポンプPpの流量が減少する場合にも、第2連通路付切換弁が閉じようとするスピードはコントロールされていないので、第2連通路付切換弁8の閉じようとする切換速度も速いままなので、アクチュエータへの流量が短時間で減少し、前記と同様アクチュエータの動きが急激に遅くなり、ショックが大きい。つまり、第2連通路付切換弁が開くスピードも、閉じようとするスピードもオリフィス等によりコントロールされないので、開くスピードは速くても良いが閉じるスピードは遅い方が良い場合や、その逆の開くスピードは遅くても良いが、閉じるスピードは速い方が良い場合などでは、いずれにしても第2連通路付切換弁8の切換スピードがコントロールされず、前記と同様アクチュエータの動きが急激に速くなったり、遅くなったりして、ショックが大きい。
【0018】
また、複数の第1、第2連通路付切換弁7,8にはそれぞれ連通路を持っているので、連通路付切換弁を操作中に連通路を常に流れているパイロット流量が多くなり、パイロットポンプは大容量のものを使用しなければならない。
【0019】
また、パイロットポートと連通路を持つ高価な連通路付切換弁を複数使用するために、コストが高くなる。
この発明の目的は、切換弁の切換タイミングで、アクチュエータがショックなく動き、かつ、安価な切換弁操作回路を得ることを目的とする。
【0020】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の発明は、複数の切換弁と、これら切換弁をノーマル位置に保持するスプリングと、上記切換弁の両側に設けたパイロット室と、上記パイロット室に流体を供給するパイロット流量発生手段とを備えた切換弁操作回路において、複数の切換弁のうち1つの切換弁は、切換弁がノーマル位置のとき遮断し、切換弁が切り換わったときに上記両パイロット室を連通する連通路17a,17bと、この連通路17a,17bに設けて、切換弁の切換量に応じて開度を大きくする制御絞り19a,19bとを備えた連通型切換弁7とし、その他の切換弁は両パイロット室が互いに非連通なパイロット室非連通型切換弁108とし、上記複数の切換弁の両側のパイロット室7a,7b,108a,108bをパイロット流量発生手段Ppに対して並列に接続し、かつ、パイロット室非連通型切換弁108の両側のパイロット室108a,108bとパイロット流量発生手段Ppとの接続通路111,112にそれぞれ絞り101a,101bを備えた構成としている。
【0021】
請求項1に記載の発明によるとパイロット流量発生手段の流量が増加するときも減少するときも絞り101a,101bによって、第2切換弁の切換速度を低く押さえることが出来るので、アクチュエータの動きはショックがなくスムーズになる。
【0022】
さらに、複数の切換弁の内の1つ以外には両パイロット室が互いに非連通なパイロット室非連通型切換弁を使用しているので、パイロットポンプの容量を小さくでき、コストを安くできる。
また、パイロット室非連通型切換弁の切換速度を、絞りによって任意に低く押さえることができる。
さらに、絞りの開度は、正確かつ簡単に設定できる。そのため、切換速度も正確に設定できる。
そして、パイロット室非連通型切換弁はパイロットポートおよび連通路がないので、部品コスト、組み付けコスト、製造コストを安くすることができる。
【0023】
請求項2に記載の発明は、複数の切換弁と、これら切換弁をノーマル位置に保持するスプリングと、上記切換弁の両側に設けたパイロット室と、上記パイロット室に流体を供給するパイロット流量発生手段とを備えた切換弁操作回路において、複数の切換弁のうち1つの切換弁は、切換弁がノーマル位置のとき遮断し、切換弁が切り換わったときに上記両パイロット室を連通する連通路17a,17bと、この連通路17a,17bに設けて、切換弁の切換量に応じて開度を大きくする制御絞り19a,19bとを備えた連通型切換弁7とし、その他の切換弁は両パイロット室が互いに非連通なパイロット室非連通型切換弁108とし、上記複数の切換弁の両側のパイロット室7a,7b,108a,108bをパイロット流量発生手段Ppに対して並列に接続し、かつ、パイロット室非連通型切換弁108の両側のパイロット室108a,108bとパイロット流量発生手段Ppとの接続通路111,112にそれぞれ絞り101a,101bと逆止弁102a,102bを並列に備えた構成としている。
【0024】
請求項2に記載の発明によると、パイロット室非連通型切換弁の開くスピードは速くても良いが閉じるスピードは遅い方が良い場合では、パイロット流量発生手段の流量が増加するときは、パイロット室非連通型切換弁の切換速度は高速に切り換わるので、アクチュエータは応答性よく動き、パイロット流量発生手段の流量が減少するときは、パイロット室非連通型切換弁の切換速度を低く押さえることができるので、アクチュエータはショックなくスムーズに動くことができる。その逆の、パイロット室非連通型切換弁の開くスピードは遅い方が良く、閉じるスピードは速くても良い場合では、パイロット流量発生手段の流量が増加するときは、パイロット室非連通型切換弁の切換速度を低く押さえることができるので、アクチュエータはショックなくスムーズに動くことができ、パイロット流量発生手段の流量が減少するときは、パイロット室非連通型切換弁の切換速度は高速に切り換わるので、アクチュエータは応答性よく動くことができる。
【0025】
さらに、複数の切換弁の内の1つ以外には両パイロット室が互いに非連通なパイロット室非連通型切換弁を使用しているので、パイロットポンプの容量を小さくでき、コストを安くできる。
また、パイロット室非連通型切換弁の切換速度を、絞りによって任意に低く押さえることができる。
さらに、絞りの開度は、正確かつ簡単に設定できる。そのため、切換速度も正確に設定できる。
そして、パイロット室非連通型切換弁はパイロットポートおよび連通路がないので、部品コスト、組み付けコスト、製造コストを安くすることができる。
【0026】
【発明の実施の形態】
この発明の第1実施形態を図1に示す。この第1実施形態は、複数の切換弁の内1つの連通型切換弁以外はパイロット室非連通型切換弁であること、および、パイロット室非連通型切換弁とパイロットポンプとの接続回路が前記従来技術で示した例と異なる。ただし、その他の構成については、前記従来技術と同じ構成なので、同じ構成要素については同一の符号を用いるとともに、その詳細な説明を省略する。
【0027】
図1に示す第1実施形態では、連通路付切換弁7の構成は従来技術の第1連通路付切換弁7と同一である。第1切換弁108は3位置の切換弁であり、連通路付切換弁7に設けてあるようなパイロットポートと連通路は備えておらず、両パイロット室が互いに非連通なパイロット室非連通型切換弁である。連通路付切換弁7の両側には、パイロット室7a,7bを設けるとともに、スプリング9a,9bの弾性力を作用させている。同様に、第1切換弁108の両側にも、パイロット室108a,108bを設けるとともに、スプリング110a,110bの弾性力を作用させている。このスプリング110a,110bの弾性力は,上記連通路付切換弁7に作用するスプリング9a,9bの弾性力よりも強くしている。
【0028】
そして、上記パイロット室7a,108aは、パイロット通路11を介してパイロット流量発生手段である可変パイロットポンプPpの一方のポートに並列に接続され、上記パイロット室7bおよび108bは、パイロット通路12を介してパイロット流量発生手段である可変パイロットポンプPpの他方のポートに並列に接続されている。パイロット流量発生手段はポンプとそのポンプからの流量を制御するバルブとの組み合わせでも良い。
【0029】
そして、第1切換弁108の図中左側のパイロット室108aをパイロット通路11より分岐したパイロット通路111に接続し、右側のパイロット室108bをパイロット通路12より分岐したパイロット通路112に接続している。パイロット通路111,112にはそれぞれ、絞り101a,101bを設けている。この絞り101a,101bは、第1切換弁108を切り換える速度を制御する。
【0030】
次に、上記実施形態の作用を説明する。
可変パイロットポンプPpが、流体をパイロット通路11側に吐出すると、この流体はパイロット通路11を介して並列に接続したパイロット室7a,108aに供給される。パイロット室7aは、パイロット通路12との連通を遮断されているため、パイロット室7aには流体圧が発生する。この流体圧によって図中右方向の力が連通路付切換弁7に作用する。この流体圧による右方向の力がスプリング9bの弾性力よりも大きくなると、連通路付切換弁7は、スプリング9bに抗して図中右方向に移動する。
【0031】
連通路付切換弁7が図中右方向に移動すると、この連通路付切換弁7に形成した連通路17aを介して両パイロットポート13a,13bが連通する。両パイロットポート13a,13bが連通すると、可変パイロットポンプPpの流体が、パイロット通路l1→通路15a→パイロットポート13a→連通路17a→パイロットポート13b→通路15b→パイロット通路l2の順に流れる。このとき、制御絞り19aを流れる流体の圧力損失によって、両パイロット室7a,7b間に差圧が生じる。この差圧によって、図中右方向の力が連通路付切換弁7に作用する。したがって、連通路付切換弁7は、この差圧による力とスプリング9bによる弾性力とがバランスする位置に移動する。
【0032】
この時、第1切換弁108のパイロット室108aには、パイロット通路111を介して、パイロット通路11の流体圧と同じ圧力が発生し、パイロット室108bには、パイロット通路112を介して、パイロット通路12の流体圧と同じ圧力が発生しているので両パイロット室108a,108b間には差圧が生じている。しかし、この差圧による右方向の力がスプリング110bの弾性力よりも小さい間は、第1切換弁108はまだ切り換わらないので絞り101aには流れが発生せず、従って、絞り101aによる圧力損失も発生しない。そして、パイロットポンプPpの流量が増大して、第1切換弁108のパイロット室108aの圧力が高くなって、この差圧による右方向の力がスプリング110bの弾性力よりも大きくなると、第1切換弁108は、スプリング110bに抗して図中右方向に移動する。すると、第1切換弁108の移動量に応じた分の流体が絞り108aを流れてパイロット室108aに流入するので絞り101aにより圧力損失が発生し、パイロット室108aの圧力は上昇速度が遅くなる。また、パイロット室108bの中の流体は絞り101bを流れてパイロット通路112を通りパイロット通路12に流れるので絞り101bにより、パイロット室108bの圧力は下降速度が遅くなる。従って、両パイロット室108a,108b間の差圧の上昇速度は遅くなるので、この差圧による第1切換弁108を右方向へ動かす力の増大速度は遅くなり、第1切換弁108の移動速度は下がることになる。つまり、第1切換弁はゆっくりと切り換わる。そして、両パイロット室108a,108b間の差圧による右方向の力とスプリング110bの弾性力がバランスした位置で第1切換弁の移動は止まる。
【0033】
上記のように第1切換弁108が図中右方向に移動すると、ポンプ通路4とアクチュエ一タ通路Bとが連通し、タンク通路6とアクチュエータ通路Aとが連通する。したがって、第2ポンプ2の流体が、第1ポンプ1の流体に合流して図示していないアクチュエータに供給されるとともに、そのアクチュエータからの戻り流体がタンクTに排出される。この時に、第2ポンプの流体が第1ポンプの流体に合流するが、前記のように、第1切換弁108の切換速度は絞り101a,101bにより、低く押さえられ、ゆっくりと切り換わるので合流した流量の増加は緩やかとなり、アクチュエータに供給される流量が急激に増加しないので、アクチュエータはショックなくスムーズに動くことができる。
【0034】
つぎに、パイロットポンプPpの流量が減少して、両パイロット室108a,108b間の差圧が下がり、この差圧による右方向の力がスプリング110bの弾性力より小さくなると、スプリング110bの弾性力により第1切換弁108は中立位置に戻るように図中左方向に動き出す。すると、第1切換弁108の移動量に応じた分の流体が絞り108aを流れるので絞り101aにより、パイロット室108aの圧力は下降速度が遅くなる。また、パイロット室108bには流体がパイロット通路12からパイロット通路112を通り絞り101bを流れて流入するが、絞り101bにより、パイロット室108bの圧力は上昇速度が遅くなる。従って、両パイロット室108a,108b間の差圧の下降速度は遅くなるので、この差圧による第1切換弁108を右方向へ動かす力の減少速度は遅くなり、第1切換弁108の中立位置に戻るように図中左方向に動く移動速度は下がることになる。つまり、第1切換弁108はゆっくりと中立位置に戻る方向に動く。そして、パイロット室108aの圧力による右方向の力とスプリング110bの弾性力がバランスした位置で第1切換弁108の移動は止まる。この時、第2ポンプの流体と第1ポンプの流体とが合流した流量が減少するときにも、前記のように、第1切換弁108の切換速度は絞り101a,101bにより、低く押さえられ、ゆっくりと動くので合流した流量の減少は緩やかとなり、アクチュエータに供給される流量が急激に減少しないので、アクチュエータはショックなくスムーズに速度を減少しながら、動くことができる。
【0035】
なお、可変パイロットポンプPpがパイロット通路12側に流体を吐出した場合、連通路付切換弁7および第2切換弁108は上記の場合と反対の図中左方向に移動して、右側位置に切り換わる。そして、第1、第2ポンプ1,2がポンプ通路3,4を介してアクチュエータ通路Aに連通し、タンク通路5,6がアクチュエ一タ通路Bに連通する。したがって、図示していないアクチュエータヘ、上記の場合と反対側に第1、第2ポンプ1,2の流体を供給する。作用は前記の可変パイロットポンプPpがパイロット通路12側に流体を吐出した場合と連通路付切換弁7および第2切換弁108が反対の方向に動くことのみ異なるがその他は同一であるので省略する。
【0036】
以上のように、第1実施形態によれば、可変パイロットポンプの流量が増加するときも減少するときも第1切換弁108の切換速度を低く押さえることができるので、アクチュエータの動きはショックがなくスムーズになる。
【0037】
さらに、第1実施形態によれば、複数の切換弁の内に連通路のない切換弁を使用しているので、パイロットポンプの容量を小さくでき、コストを安くできる。
また、切換弁の切換速度を、絞りによって任意に低く押さえることができる。
さらに、絞りの開度は、スプリングの弾性力の設定に比べて、正確かつ簡単に設定できる。そのため、切換速度も正確に設定できる。
そして、第1切換弁はパイロットポートおよび連通路がないので、部品コスト、組み付けコスト、製造コストを安くすることができる。
【0038】
次に、上記第1実施形態の切換弁操作回路の具体例を図2に示す。ただし、上記第1実施形態と同じ部材については同じ符号を使用するとともにその詳細な説明を省略する。
図2に示すように、連通路付切換弁7は、ケーシング27の両側に、内部にパイロット室7a,7bを形成したパイロットキャップ29a,29bを取り付けている。上記ケーシング27には、スプール28を摺動自在に設けて、その両端をパイロット室7a,7bに臨ませている。また、パイロット室7a,7bには、スプリング9a,9bを設けるとともにその弾性力をバネ受け30a,30bを介して上記スプール28の両端に作用させている。これらバネ受け30a,30bは、連通孔32a,32bを形成するとともに、その端部を上記スプリング9a,9bの弾性力によってケーシング27に押し付けている。
上記スプ―ル28の両側には、段部31a,31bを形成し、この段部31a,31bとケーシング27とが相まって制御絞りl9a,l9bを構成している。
【0039】
一方、第1切換弁108は、ケーシング27の両側に、内部にパイロット室108a,108bを形成したパイロットキャップ29a,29bを取り付けている。上記ケーシング27には、スプール128を摺勤自在に設けて、その両端をパイロット室108a,108bに臨ませている。また、パイロット室108a,108bには、スプリング110a,110bを設けるとともにその弾性力をバネ受け30a,30bを介して上記スプール128の両端に作用させている。これらバネ受け30a,30bは、その端部を上記スプリング110a,110bの弾性力によってケーシング27に押し付けている。上記スプ―ル128には、連通路付切換弁7のスプール28にあるような段部はなく、従って、第1切換弁108には制御絞りもない。
【0040】
そして、上記パイロット室7aおよび108aは、パイロット通路11を介して可変パイロットポンプPpの一方のポートに並列に接続され、上記パイロット室7bおよび108bは、パイロット通路12を介して可変パイロットポンプPpの他方のポートに並列に接続されている。
【0041】
そして、第1切換弁108の図中左側のパイロット室108aをパイロット通路11より分岐したパイロット通路111に接続し、右側のパイロット室108bをパイロット通路12より分岐したパイロット通路112に接続している。パイロット通路111,112にはそれぞれ、絞り101a,101bを設けている。この絞り101a,101bは、第1切換弁108を切り換える速度を制御する。
【0042】
次に、この具体例の作用を説明する。
可変パイロットポンプPpが流体をパイロット通路22側に吐出すると、この流体がパイロット室7aおよび通路15aを介してパイロットポート13bに供給される。このときパイロットポート13bは、スプール28によって遮断されているため、パイロット室7aには流体圧が発生し、スプール28に図中右方向の力が作用する。この右方向の力がスプリング9bの弾性力よりも大きくなると、スプール28が図中右方向に移動する。スプ一ル28が移動すると、このスプール28に形成した段部31aとパイロットポート13aとが連通する。そのため、パイロット室7aの流体は、連通孔32a→段部31a→パイロットポート13a→通路15b→パイロット室7bの順に流れる。そして、パイロット室7bに供給された流体は、パイロット通路12に流れて、可変パイロットポンプPpへ戻る。
【0043】
上記のように流体が流れると、段部31aとケーシング27との隙閻によって流体の圧力損失が生じる。そのため、両パイロット室7a,7b間に差圧が生じて、スプール28に図中右方向の力が作用し、スプール28は、差圧による右方向の力とスプリング9bによる左方向の弾性力とがバランスする位置に移動する。
【0044】
一方、第1切換弁108の両パイロット室108a,108b間にも差圧が生じる。しかし、この差圧による右方向の力がスプリング110bの弾性力よりも小さい間は、第1切換弁108はまだ切り換わらないので絞り101aには流れが発生せず、従って、絞り101aによる圧力損失も発生しない。そして、パイロットポンプPpの流量が増大して、第1切換弁108のパイロット室108aの圧力が高くなって、この差圧による右方向の力がスプリング110bの弾性力よりも大きくなると、スプール128は、スプリング110bに抗して図中右方向に移動する。すると、スプール128の移動量に応じた分の流体が絞り108aを流れてパイロット室108aに流入するので絞り101aにより圧力損失が発生し、パイロット室108aの圧力は上昇速度が遅くなる。また、パイロット室108bの中の流体は絞り101bを流れてパイロット通路112を通りパイロット通路12に流れるので絞り101aにより、パイロット室108bの圧力は下降速度が遅くなる。従って、両パイロット室108a,108b間の差圧の上昇速度は遅くなるので、この差圧による第1切換弁108のスプール128を右方向へ動かす力の増大速度は遅くなり、スプール128の移動速度は下がることになる。つまり、第1切換弁108はゆっくりと切り換わる。そして、両パイロット室108a,108b間の差圧による右方向の力とスプリング110bの弾性力がバランスした位置でスプール128の移動は止まる。
【0045】
パイロットポンプPpの流量が減少する場合の作用に付いては前記第1実施形態と同様であるので省略する。
【0046】
なお、この具体例においても、上記第1実施形態と同様に、上記連通路付切換弁7および第1切換弁108のスプール128が切り換わると、図示していないポンプと図示していないアクチュエータとが連通し、このアクチュエータと図示していないタンクとが連通する。
【0047】
上記第1実施形態では、2台の切換弁7,108を接続しているが、この発明の切換弁操作回路は、2台の切換弁に留まらず、複数の切換弁を接続することができる。
【0048】
次に、第2実施形態について説明する。
図3に示す第2実施形態では、第1実施形態の切換弁操作回路にさらに、第1切換弁108と同様の切換弁である第2切換弁208を追加したものである。第3ポンプ2aは、ポンプ通路4aに接続した第2切換弁208およびアクチュエータ通路A,Bを介して図示していないアクチュエータに接続している。また、連通路付切換弁7に接続したアクチュエータ通路A,Bに、第1切換弁108に接続したアクチュエータ通路A,Bを、また、第2切換弁208に接続したアクチュエータ通路A,Bを図示のようにそれぞれ接続して、流体を合流させている。第2切換弁208は3位置の切換弁であり連通路付切換弁7に設けてあるようなパイロットポートと連通路は備えておらず、両パイロット室が互いに非連通なパイロット室非連通型切換弁である。連通路付切換弁7の両側には、パイロット室7a、7bを設けるとともに、スプリング9a,9bの弾性力を作用させている。同様に、第1切換弁108の両側にも、パイロット室108a,108bを設けるとともに、スプリング110a,110bの弾性力を作用させている。このスプリング110a,110bの弾性力は、上記連通路付切換弁7に作用するスプリング9a,9bの弾性力よりも強くしている。また、第2切換弁208の両側にも、パイロット室208a,208bを設けるとともに、スプリング210a,210bの弾性力を作用させている。このスプリング210a,210bの弾性力は、上記第1切換弁108に作用するスプリング110a,110bの弾性力よりも強くしている。
【0049】
そして、上記パイロット室7a,108aおよび208aは、パイロット通路11を介してパイロット流量発生手段である可変パイロットポンプPpの一方のポートに並列に接続され、上記パイロット室7b,108aおよび208aは、パイロット通路12を介してパイロット流量発生手段である可変パイロットポンプPpの他方のポートに並列に接続されている。パイロット流量発生手段はポンプとそのポンプからの流量を制御するバルブとの組み合わせでも良い。その他の構成は第1実施形態と同一であり、説明を省略する。
【0050】
そして、第1切換弁108の図中左側のパイロット室108aをパイロット通路11より分岐したパイロット通路111に接続し、第2切換弁208の図中左側のパイロット室208aをパイロット通路11より分岐したパイロット通路211に接続し、第1切換弁108の右側のパイロット室108bをパイロット通路12より分岐したパイロット通路112に接続し、第2切換弁208の右側のパイロット室208bをパイロット通路12より分岐したパイロット通路212に接続している。パイロット通路111,112,211,212にはそれぞれ、絞り101a,101b,201a,201bを設けている。この絞り101a,101bは、第1切換弁108を切り換える速度を制御し,絞り201a,201bは、第2切換弁208を切り換える速度を制御する。
【0051】
次に、上記実施形態の作用を説明する。
可変パイロットポンプPpが、流体をパイロット通路l1側に吐出すると、この流体はパイロット通路11を介して並列に接続したパイロット室7a,8aに供給される。パイロット室7aは、パイロット通路12との連通を遮断されているため、パイロット室7aには流体圧が発生する。この流体圧によって図中右方向の力が連通路付切換弁7に作用する。この流体圧による右方向の力がスプリング9bの弾性力よりも大きくなると、第l連通路付切換弁7は、スプリング9bに抗して図中右方向に移動する。
【0052】
連通路付切換弁7が図中右方向に移動すると、この連通路付切換弁7に形成した連通路17aを介して両パイロットポート13a,13bが連通する。両パイロットポート13a,13bが連通すると、可変パイロットポンプPpの流体が、パイロット通路l1→通路15a→パイロットポート13a→連通路17a→パイロットポート13b→通路15b→パイロット通路l2の順に流れる。このとき、制御絞り19aを流れる流体の圧力損失によって、両パイロット室7a,7b間に差圧が生じる。この差圧によって、図中右方向の力が連通路付切換弁7に作用する。したがって、連通路付切換弁7は、この差圧による力とスプリング9bによる弾性力とがバランスする位置に移動する。
【0053】
この時、第1切換弁108のパイロット室108aには、パイロット通路111を介して、パイロット通路11の流体圧と同じ圧力が発生し、パイロット室108bには、パイロット通路112を介して、パイロット通路12の流体圧と同じ圧力が発生しているので両パイロット室108a,108b間には差圧が生じている。しかし、この差圧による右方向の力がスプリング110bの弾性力よりも小さい間は、第1切換弁108はまだ切り換わらないので絞り101aには流れが発生せず、従って、絞り101aによる圧力損失も発生しない。そして、パイロットポンプPpの流量が増大して、第1切換弁108のパイロット室108aの圧力が高くなって、両パイロット室108a,108b間の差圧による右方向の力がスプリング110bの弾性力よりも大きくなると、第1切換弁108は、スプリング110bに抗して図中右方向に移動する。すると、第1切換弁108の移動量に応じた分の流体が絞り108aを流れてパイロット室108aに流入するので絞り101aにより圧力損失が発生し、パイロット室108aの圧力は上昇速度が遅くなる。また、パイロット室108bの中の流体は絞り101bを流れてパイロット通路112を通りパイロット通路12に流れるので絞り101bにより、パイロット室108bの圧力は下降速度が遅くなる。従って、両パイロット室108a,108b間の差圧の上昇速度は遅くなるので、この差圧による第1切換弁108を右方向へ動かす力の増大速度は遅くなり、第1切換弁108の移動速度は下がることになる。つまり、第1切換弁108はゆっくりと切り換わる。そして、両パイロット室108a,108b間の差圧による右方向の力とスプリング110bの弾性力がバランスした位置で第1切換弁108の移動は止まる。
【0054】
この時、第2切換弁208のパイロット室208aには、パイロット通路211を介して、パイロット通路11の流体圧と同じ圧力が発生し、パイロット室208bには、パイロット通路212を介して、パイロット通路12の流体圧と同じ圧力が発生しているので両パイロット室208a,208b間には差圧が生じている。しかし、この差圧による右方向の力がスプリング210bの弾性力よりも小さい間は、第2切換弁208はまだ切り換わらないので絞り201aには流れが発生せず、従って、絞り201aによる圧力損失も発生しない。そして、パイロットポンプPpの流量が増大して、第2切換弁208のパイロット室208aの圧力が高くなって、両パイロット室208a,208b間の差圧による右方向の力がスプリング210bの弾性力よりも大きくなると、第2切換弁208は、スプリング210bに抗して図中右方向に移動する。すると、第2切換弁208の移動量に応じた分の流体が絞り208aを流れてパイロット室208aに流入するので絞り201aにより圧力損失が発生し、パイロット室208aの圧力は上昇速度が遅くなる。また、パイロット室208bの中の流体は絞り201bを流れてパイロット通路212を通りパイロット通路12に流れるので絞り201bにより、パイロット室208bの圧力は下降速度が遅くなる。従って、両パイロット室208a,208b間の差圧の上昇速度が遅くなるので、この差圧による、第2切換弁208を右方向へ動かす力の増大速度は遅くなり、第2切換弁208の移動速度は下がることになる。つまり、第2切換弁208はゆっくりと切り換わる。そして、両パイロット室208a,208b間の差圧による右方向の力とスプリング210bの弾性力がバランスした位置で第2切換弁208の移動は止まる。
【0055】
上記のように第1切換弁108が図中右方向に移動すると、ポンプ通路4とアクチュエータ通路Bとが連通し、タンク通路6とアクチュエータ通路Aとが連通する。したがって、第2ポンプ2の流体が、第1ポンプ1の流体に合流して図示していないアクチュエータに供給されるとともに、そのアクチュエータからの戻り流体がタンクTに排出される。この時に、第2ポンプの流体が第1ポンプの流体に合流するが、前記のように、第1切換弁108の切換速度は絞り101a,101bにより、低く押さえられ、ゆっくりと切り換わるので合流した流量の増加は緩やかとなり、アクチュエータに供給される流量が急激に増加しないので、アクチュエータはショックなくスムーズに動くことができる。
【0056】
さらに、上記のように第2切換弁208が図中右方向に移動すると、ポンプ通路4aとアクチュエ一タ通路Bとが連通し、タンク通路6aとアクチュエータ通路Aとが連通する。したがって、第3ポンプ2aの流体が、第1ポンプ1の流体と第2ポンプ2の流体に合流して図示していないアクチュエータに供給されるとともに、そのアクチュエータからの戻り流体がタンクTに排出される。この時に、第3ポンプ2aの流体が第1,2ポンプの流体に合流するが、前記のように、第2切換弁208の切換速度は絞り201a,201bにより、低く押さえられ、ゆっくりと切り換わるので合流した流量の増加は緩やかとなり、アクチュエータに供給される流量が急激に増加しないので、アクチュエータはショックなくスムーズに動くことができる。
【0057】
つぎに、パイロットポンプPpの流量が減少して、第2切換弁208の両パイロット室208a,208b間の差圧が下がり、この差圧による右方向の力がスプリング210bの弾性力より小さくなると、スプリング210bの弾性力により第2切換弁208は中立位置に戻るように図中左方向に動き出す。すると、第2切換弁208の移動量に応じた分の流体が絞り208aを流れるので絞り201aにより、パイロット室208aの圧力は下降速度が遅くなる。また、パイロット室208bには流体がパイロット通路12からパイロット通路212を通り絞り201bを流れて流入するが、絞り201bにより、パイロット室208bの圧力は上昇速度が遅くなる。従って、両パイロット室208a,208b間の差圧は下降速度が遅くり、この差圧による、第1切換弁108を右方向へ動かす力の減少速度が遅くなるので第2切換弁208の中立位置に戻るように図中左方向に動く移動速度は下がることになる。つまり、第2切換弁208はゆっくりと中立位置に戻る方向に動く。そして、パイロット室208aの圧力による右方向の力とスプリング210bの弾性力がバランスした位置で第2切換弁208の移動は止まる。この時、第3ポンプ2aの流体と第1、第2ポンプの流体とが合流した流量が減少するが、前記のように、第2切換弁208の切換速度は絞り201a,201bにより、低く押さえられ、ゆっくりと動くので合流した流量の減少は緩やかとなり、アクチュエータに供給される流量が急激に減少しないので、アクチュエータはショックなくスムーズに速度を減少しながら、動くことができる。
【0058】
さらに、パイロットポンプPpの流量が減少して、第1切換弁108の両パイロット室108a,108b間の差圧が下がり、この差圧による右方向の力がスプリング110bの弾性力より小さくなると、スプリング110bの弾性力により第1切換弁108は中立位置に戻るように図中左方向に動き出す。すると、第1切換弁108の移動量に応じた分の流体が絞り108aを流れるので絞り101aにより、パイロット室108aの圧力は下降速度が遅くなる。また、パイロット室108bには流体がパイロット通路12からパイロット通路112を通り絞り101bを流れて流入するが、絞り101bにより、パイロット室108bの圧力は上昇速度が遅くなる。従って、第1切換弁108の両パイロット室108a,108b間の差圧は下降速度が遅くなり、この差圧による、第1切換弁108を右方向へ動かす力の減少速度が遅くなるので第1切換弁108の中立位置に戻るように図中左方向に動く移動速度は下がることになる。つまり、第1切換弁108はゆっくりと中立位置に戻る方向に動く。そして、パイロット室108aの圧力による右方向の力とスプリング110bの弾性力がバランスした位置で第1切換弁108の移動は止まる。この時、第2ポンプの流体と第1ポンプの流体とが合流した流量が減少するが、前記のように、第1切換弁108の切換速度は絞り101a,101bにより、低く押さえられ、ゆっくりと動くので合流した流量の減少は緩やかとなり、アクチュエータに供給される流量が急激に減少しないので、アクチュエータはショックなくスムーズに速度を減少しながら、動くことができる。
【0059】
なお、可変パイロットポンプPpがパイロット通路12側に流体を吐出した場合、連通路付切換弁7および第1,2切換弁108,208は上記の場合と反対の図中左方向に移動して、右側位置に切り換わる。そして、第1,第2,第3ポンプ1,2,2aがポンプ通路3,4,4aを介してアクチュエータ通路Aに連通し、タンク通路5,6,6aがアクチュエ一夕通路Bに連通する。したがって、図示していないアクチュエータヘ、上記の場合と反対側に第1,第2,第3ポンプ1,2,2aの流体を供給する。作用は前記の可変パイロットポンプPpがパイロット通路12側に流体を吐出した場合と連通路付切換弁7および第2,3切換弁108,208が反対の方向に動くことのみ異なるがその他は同一であるので省略する。
【0060】
以上のように、第2実施形態によれば、可変パイロットポンプの流量が増加するときも減少するときも第1,2切換弁108,208の切換速度を低く押さえることが出来るので、アクチュエータの動きはショックがなくスムーズになる。
【0061】
さらに、第2実施形態によれば、複数の切換弁の内には連通路のない切換弁を使用しているので、パイロットポンプの容量を小さくでき、コストを安くできる。また、切換弁の切換速度を、絞りによって任意に低く押さえることができる。
さらに、絞りの開度は、スプリングの弾性力の設定に比べて、正確かつ簡単に設定できる。そのため、切換速度も正確に設定できる。
そして、第1,2切換弁108,208はパイロットポートおよび連通路がないので、部品コスト、組み付けコスト、製造コストを安くすることができる。
【0062】
つぎに、この発明の第3実施形態を図4に示す。この第3実施形態は、第1実施形態のパイロット通路111,112にそれぞれ設けた、絞り101a,101bと並列にパイロット通路111からパイロット室108aへ、パイロット通路112からパイロット室108bへそれぞれ流れるように、パイロット通路111に逆止弁102aを、パイロット通路112に逆止弁102bをそれぞれ設けている。その他の構成は第1実施形態と同一であるので説明は省略する。この絞り101a,101bと逆止弁102a,102bは、第1切換弁108が中立位置に戻る速度を制御する。
【0063】
つぎに、上記第3実施形態の作用を説明する。
可変パイロットポンプPpが、流体をパイロット通路11側に吐出すると、この流体はパイロット通路11を介して並列に接続したパイロット室7a,8aに供給される。パイロット室7aは、パイロット通路12との連通を遮断されているため、パイロット室7aには流体圧が発生する。この流体圧によって図中右方向の力が連通路付切換弁7に作用する。この流体圧による右方向の力がスプリング9bの弾性力よりも大きくなると、連通路付切換弁7は、スプリング9bに抗して図中右方向に移動する。
【0064】
連通路付切換弁7が図中右方向に移動すると、この連通路付切換弁7に形成した連通路17aを介して両パイロットポート13a,13bが連通する。両パイロットポート13a,13bが連通すると、可変パイロットポンプPpの流体が、パイロット通路l1→通路15a→パイロットポート13a→連通路17a→パイロットポート13b→通路15b→パイロット通路l2の順に流れる。このとき、制御絞り19aを流れる流体の圧力損失によって、両パイロット室7a、7b間に差圧が生じる。この差圧によって、図中右方向の力が連通路付切換弁7に作用する。したがって、連通路付切換弁7は、この差圧による力とスプリング9bによる弾性力とがバランスする位置に移動する。
【0065】
この時、第1切換弁108のパイロット室108aには、パイロット通路111を介して、パイロット通路11の流体圧と同じ圧力が発生し、パイロット室108bには、パイロット通路112を介して、パイロット通路12の流体圧と同じ圧力が発生しているので両パイロット室108a,108b間には差圧が生じている。しかし、この差圧による右方向の力がスプリング110bの弾性力よりも小さい間は、第1切換弁108はまだ切り換わらない。そして、パイロットポンプPpの流量が増大して、第1切換弁108のパイロット室108aの圧力が高くなって、この差圧による右方向の力がスプリング110bの弾性力よりも大きくなると、第1切換弁108は、スプリング110bに抗して図中右方向に移動する。すると、第1切換弁108の移動量に応じた分の流体が抵抗のある絞り108aを流れないで、逆止弁102aを通ってパイロット室108aに流れる。この時には、第1実施形態と異なり、第1切換弁108の切換速度は低下しないので切換は高速に行われる。
【0066】
上記のように第1切換弁108が図中右方向に移動すると、ポンプ通路4とアクチュエ一タ通路Bとが連通し、タンク通路6とアクチュエータ通路Aとが連通する。したがって、第2ポンプ2の流体が、第1ポンプ1の流体に合流して図示していないアクチュエータに供給されるとともに、そのアクチュエータからの戻り流体がタンクTに排出される。この時に、第2ポンプの流体が第1ポンプの流体に合流するが、前記のように、第1切換弁108の切換速度は高速に切り換わるので合流した流量の増加は早くなり、アクチュエータに供給される流量が高速に増加するで、アクチュエータは応答よく動くことができる。
【0067】
つぎに、パイロットポンプPpの流量が減少して、両パイロット室108a、108b間の差圧が下がり、この差圧による右方向の力がスプリング110bの弾性力より小さくなると、スプリング110bの弾性力により第1切換弁108は中立位置に戻るように図中左方向に動き出す。第1切換弁108の移動量に応じた分の流体は逆止弁102aで遮断され、絞り101aを流れるので絞り101aにより、パイロット室108aの圧力は下降速度が遅くなる。また、パイロット室108bには流体がパイロット通路12からパイロット通路112を通り抵抗のある絞り101bを流れないで、逆止弁102bを流れて流入する。従って、両パイロット室108a,108b間の差圧は下降速度が遅くなり、この差圧による、第1切換弁108を右方向へ動かす力の減少速度が遅くなるので第1切換弁108の中立位置に戻るように図中左方向に動く移動速度は下がることになる。つまり、第1切換弁108はゆっくりと中立位置に戻る方向に動く。そして、両パイロット室108a,108b間の差圧による右方向の力とスプリング110bの弾性力がバランスした位置で第1切換弁108の移動は止まる。この時、第2ポンプの流体と第1ポンプの流体とが合流した流量が減少するが、前記のように、第1切換弁108の切換速度は絞り101a,101bにより、低く押さえられ、ゆっくりと動くので合流した流量の減少は緩やかとなり、アクチュエータに供給される流量が急激に減少しないので、アクチュエータはショックなくスムーズに動くことができる。
【0068】
なお、可変パイロットポンプPpがパイロット通路12側に流体を吐出した場合、連通路付切換弁7および第1切換弁108は上記の場合と反対の図中左方向に移動して、右側位置に切り換わる。そして、第1、第2ポンプ1,2がポンプ通路3、4を介してアクチュエータ通路Aに連通し、タンク通路5,6がアクチュエータ通路Bに連通する。したがって、図示していないアクチュエータヘ、上記の場合と反対側に第1、第2ポンプ1,2の流体を供給する。作用は前記の可変パイロットポンプPpがパイロット通路12側に流体を吐出した場合と連通路付切換弁7および第2切換弁108が反対の方向に動くことのみ異なるがその他は同一であるので省略する。
【0069】
以上のように、第3実施形態によれば、可変パイロットポンプの流量が増加するときは、第1切換弁108の切換速度は高速に切り換わるので、アクチュエータは応答性よく動き、可変パイロットポンプの流量が減少するときは、第1切換弁108の切換速度を低く押さえることが出来るので、アクチュエータはショックなくスムーズに動くことができる。また、パイロット通路111に設けた逆止弁102aと、パイロット通路112に設けた逆止弁102bを図4および前記の説明とは逆の向きにした場合には、可変パイロットポンプPpの流量が増加するときは、第1切換弁108の切換速度を低く押さえることができるので、アクチュエータはショックなくスムーズに動くことができ、可変パイロットポンプPpの流量が減少するときは、第1切換弁108の切換速度は高速に切り換わるので、アクチュエータは応答性よく動くことができる。
【0070】
さらに、第1実施形態と同様に、第3実施形態によれば、複数の切換弁の内には連通路のない切換弁を使用しているので、パイロットポンプの容量を小さくでき、コストを安くできる。
また、切換弁の切換速度を、絞りによって任意に低く押さえることができる。
さらに、絞りの開度は、スプリングの弾性力の設定に比べて、正確かつ簡単に設定できる。そのため、切換速度も正確に設定できる。
そして、第1切換弁108はパイロットポートおよび連通路がないので、部品コスト、組み付けコスト、製造コストを安くすることができる。
【0071】
つぎに、この発明の第4実施形態を図5に示す。この第4実施形態は、第2実施形態のパイロット通路111,112,211,212にそれぞれ設けた、絞り101a,101b,201a,201bと並列にパイロット通路111からパイロット室108aへ流れるように、パイロット通路112からパイロット室108bへ流れるように、パイロット通路211からパイロット室208aへ流れるように、パイロット通路212からパイロット室208bへ流れるように、逆止弁102aをパイロット通路111に、逆止弁102bをパイロット通路112に、逆止弁202aをパイロット通路211に、逆止弁202bをパイロット通路212にそれぞれ設けている。その他の構成は第2実施形態と同一であるので説明は省略する。この絞り101a,101b,201a,201bと逆止弁102a,102b,202a,202bは、第1,2切換弁108,208が中立位置に戻る速度を制御する。
【0072】
つぎに、上記第4実施形態の作用を説明する。
可変パイロットポンプPpが、流体をパイロット通路l1側に吐出すると、この流体はパイロット通路11を介して並列に接続したパイロット室7a,8aに供給される。パイロット室7aは、パイロット通路12との連通を遮断されているため、パイロット室7aには流体圧が発生する。この流体圧によって図中右方向の力が連通路付切換弁7に作用する。この流体圧による右方向の力がスプリング9bの弾性力よりも大きくなると、連通路付切換弁7は、スプリング9bに抗して図中右方向に移動する。
【0073】
連通路付切換弁7が図中右方向に移動すると、この連通路付切換弁7に形成した連通路17aを介して両パイロットポート13a,13bが連通する。両パイロットポート13a,13bが連通すると、可変パイロットポンプPpの流体が、パイロット通路l1→通路15a→パイロットポート13a→連通路17a→パイロットポート13b→通路15b→パイロット通路l2の順に流れる。このとき、制御絞り19aを流れる流体の圧力損失によって、両パイロット室7a、7b間に差圧が生じる。この差圧によって、図中右方向の力が連通路付切換弁7に作用する。したがって、連通路付切換弁7は、この差圧による力とスプリング9bによる弾性力とがバランスする位置に移動する。
【0074】
この時、第1切換弁108のパイロット室108aには、パイロット通路111を介して、パイロット通路11の流体圧と同じ圧力が発生し、パイロット室108bには、パイロット通路112を介して、パイロット通路12の流体圧と同じ圧力が発生しているので両パイロット室108a,108b間には差圧が生じている。しかし、この差圧による右方向の力がスプリング110bの弾性力よりも小さい間は、第1切換弁108はまだ切り換わらない。そして、パイロットポンプPpの流量が増大して、第1切換弁108のパイロット室108aの圧力が高くなって、両パイロット室108a,108b間の差圧が大きくなり、この差圧による右方向の力がスプリング110bの弾性力よりも大きくなると、第1切換弁108は、スプリング110bに抗して図中右方向に移動する。すると、第1切換弁108の移動量に応じた分の流体が抵抗のある絞り101aを流れないで、逆止弁102aを通ってパイロット室108aに流れる。この時には、第3実施形態と同様に、第1切換弁108の切換速度は低下しないので切換は高速に行われる。
【0075】
そして、この時、第2切換弁208のパイロット室208aには、パイロット通路211を介して、パイロット通路11の流体圧と同じ圧力が発生し、パイロット室208bには、パイロット通路212を介して、パイロット通路12の流体圧と同じ圧力が発生しているので両パイロット室208a,208b間には差圧が生じている。しかし、この差圧による右方向の力がスプリング210bの弾性力よりも小さい間は、第2切換弁208はまだ切り換わらない。そして、さらに、パイロットポンプPpの流量が増大して、第2切換弁208のパイロット室108aの圧力が高くなって、両パイロット室208a,208b間の差圧が大きくなり、この差圧による右方向の力がスプリング110bの弾性力よりも大きくなると、第2切換弁208は、スプリング210bに抗して図中右方向に移動する。すると、第2切換弁208の移動量に応じた分の流体が抵抗のある絞り201aを流れないで、逆止弁202aを通ってパイロット室208aに流れる。この時には、前記と同様に、第2切換弁208の切換速度は低下しないので切換は高速に行われる。
【0076】
上記のように第1切換弁108が図中右方向に移動すると、ポンプ通路4とアクチュエ一タ通路Bとが連通し、タンク通路6とアクチュエータ通路Aとが連通する。したがって、第2ポンプ2の流体が、第1ポンプ1の流体に合流して図示していないアクチュエータに供給されるとともに、そのアクチュエータからの戻り流体がタンクTに排出される。この時に、第2ポンプの流体が第1ポンプの流体に合流するが、前記のように、第1切換弁108の切換速度は高速に切り換わるので合流した流量の増加は早くなり、アクチュエータに供給される流量が高速に増加するで、アクチュエータは応答よく動くことができる。
【0077】
さらに、上記のように第2切換弁208が図中右方向に移動すると、ポンプ通路4aとアクチュエ一タ通路Bとが連通し、タンク通路6aとアクチュエータ通路Aとが連通する。したがって、第3ポンプ2aの流体が、第1ポンプ1の流体と第2ポンプ2の流体に合流して図示していないアクチュエータに供給されるとともに、そのアクチュエータからの戻り流体がタンクTに排出される。この時に、第3ポンプ2aの流体が第1、第2ポンプの流体に合流するが、前記のように、第2切換弁208の切換速度はそれぞれ高速に切り換わるので合流した流量の増加は早くなり、アクチュエータに供給される流量が高速に増加するで、アクチュエータは応答よく動くことができる。
【0078】
つぎに、パイロットポンプPpの流量が減少して、第2切換弁208の両パイロット室208a,208b間の差圧が下がり、この差圧による右方向の力がスプリング110bの弾性力より小さくなると、スプリング110bの弾性力により第1切換弁108は中立位置に戻るように図中左方向に動き出す。第2切換弁208の移動量に応じた分の流体は逆止弁202aでは遮断され、絞り208aを流れるので絞り201aにより、パイロット室208aの圧力は下降速度が遅くなる。また、パイロット室208bには流体がパイロット通路12からパイロット通路212を通り抵抗のある絞り201bを流れないで、逆止弁202bを流れて流入する。従って、両パイロット室208a,208b間の差圧は下降速度が遅くなり、この差圧による、第2切換弁208を右方向へ動かす力は減少速度が遅くなるので第2切換弁208の中立位置に戻るように図中左方向に動く移動速度は下がることになる。つまり、第1切換弁208はゆっくりと中立位置に戻る方向に動く。そして、両パイロット室208a,208b間の差圧による右方向の力とスプリング210bの弾性力がバランスした位置で第2切換弁208の移動は止まる。この時、第3ポンプ2aの流体と第1、第2ポンプ1,2の流体とが合流した流量が減少するときに、前記のように、第2切換弁208の切換速度は絞り201a,201bにより、低く押さえられ、ゆっくりと動くので合流した流量の減少は緩やかとなり、アクチュエータに供給される流量が急激に減少しないので、アクチュエータはショックなくスムーズに動くことができる。
【0079】
さらに、パイロットポンプPpの流量が減少して、第1切換弁108両パイロット室108a,108b間の差圧が下がり、この差圧による右方向の力がスプリング110bの弾性力より小さくなると、スプリング110bの弾性力により第1切換弁108は中立位置に戻るように図中左方向に動き出す。第1切換弁108の移動量に応じた分の流体は逆止弁102aでは遮断され、絞り108aを流れるので絞り101aにより、パイロット室108aの圧力は下降速度が遅くなる。また、パイロット室108bには流体がパイロット通路12からパイロット通路112を通り抵抗のある絞り101bを流れないで、逆止弁102bを流れて流入する。従って、両パイロット室108a,108b間の差圧は下降速度が遅くなり、この差圧による、第1切換弁108を右方向へ動かす力は減少速度が遅くなるので第1切換弁108の中立位置に戻るように図中左方向に動く移動速度は下がることになる。つまり、第1切換弁108はゆっくりと中立位置に戻る方向に動く。そして、両パイロット室108a,108b間の差圧による右方向の力とスプリング110bの弾性力がバランスした位置で第1切換弁の移動は止まる。この時、第2ポンプの流体と第1ポンプの流体とが合流した流量が減少するときに、前記のように、第1切換弁108の切換速度は絞り101a,101bにより、低く押さえられ、ゆっくりと動くので合流した流量の減少は緩やかとなり、アクチュエータに供給される流量が急激に減少しないので、アクチュエータはショックなくスムーズに動くことができる。また、パイロット通路111に設けた逆止弁102a、パイロット通路112に設けた逆止弁102b、パイロット通路211に設けた逆止弁202a、パイロット通路212に設けた逆止弁202bとを図5および前記の説明とは逆の向きにした場合には、可変パイロットポンプPpの流量が増加するときは、第1,2切換弁108,208の切換速度を低く押さえることができるので、アクチュエータはショックなくスムーズに動くことができ、可変パイロットポンプPpの流量が減少するときは、第1,2切換弁108,208の切換速度は高速に切り換わるので、アクチュエータは応答性よく動くことができる。
【0080】
なお、可変パイロットポンプPpがパイロット通路12側に流体を吐出した場合、連通路付切換弁7および第1、第2切換弁108,208は上記の場合と反対の図中左方向に移動して、右側位置に切り換わる。そして、第1、第2、第3ポンプ1,2,2aがポンプ通路3,4,4aを介してアクチュエータ通路Aに連通し、タンク通路5,6,6aがアクチュエータ通路Bに連通する。したがって、図示していないアクチュエータヘ、上記の場合と反対側に第1、第2、第3ポンプ1,2,2aの流体を供給する。作用は前記の可変パイロットポンプPpがパイロット通路12側に流体を吐出した場合と連通路付切換弁7および第1、第2切換弁108,208が反対の方向に動くことのみ異なるがその他は同一であるので省略する。
【0081】
以上のように、第4実施形態によれば、可変パイロットポンプの流量が増加するときは、第1、第2切換弁108,208の切換速度は高速に切り換わるので、アクチュエータは応答性よく動き、可変パイロットポンプの流量が減少するときは、第1、第2切換弁の切換速度を低く押さえることが出来るので、アクチュエータはショックなくスムーズに動くことができる。また、パイロット通路111に設けた逆止弁102a、パイロット通路112に設けた逆止弁102b、パイロット通路211に設けた逆止弁202a、パイロット通路212に設けた逆止弁202bとを図5および前記の説明とは逆の向きにした場合には、可変パイロットポンプの流量が増加するときは、第1,2切換弁108,208の切換速度を低く押さえることができるので、アクチュエータはショックなくスムーズに動くことができ、可変パイロットポンプの流量が減少するときは、第1,2切換弁108,208の切換速度は高速に切り換わるので、アクチュエータは応答性よく動くことができる。
【0082】
さらに、第2実施形態と同様に、第4実施形態によれば、複数の切換弁の内には連通路のない切換弁を使用しているので、パイロットポンプの容量を小さくでき、コストを安くできる。
また、切換弁の切換速度を、絞りによって任意に低く押さえることができる。
さらに、絞りの開度は、スプリングの弾性力の設定に比べて、正確かつ簡単に設定できる。そのため、切換速度も正確に設定できる。
そして、第1,2切換弁108,208はパイロットポートおよび連通路がないので、部品コスト、組み付けコスト、製造コストを安くすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の第1実施形態を示す。
【図2】この発明の第1実施形態の具体例を示す。
【図3】この発明の第2実施形態を示す。
【図4】この発明の第3実施形態を示す。
【図5】この発明の第4実施形態を示す。
【図6】従来の切換弁操作回路を示す。
【図7】従来の切換弁操作回路のパイロット流量と、アクチュエータへの供給流量とのグラフを示す。
【符号の説明】
Pp…可変パイロットポンプ、7…連通路付切換弁、108…第1切換弁、208…第2切換弁、9a,9b,110a,110b,210a,210b…スプリング、7a,7b,108a,108b,208a,208b,…パイロット室、17a、17b,18a,18b…連通路、19a,19b,20a,20b…制御絞り、101a,101b,201a,201b…絞り、102a,102b,202a,202b…逆止弁。
Claims (2)
- 複数の切換弁と、これら切換弁をノーマル位置に保持するスプリングと、上記切換弁の両側に設けたパイロット室と、上記パイロット室に流体を供給するパイロット流量発生手段とを備えた切換弁操作回路において、複数の切換弁のうち1つの切換弁は、切換弁がノーマル位置のとき遮断し、切換弁が切り換わったときに上記両パイロット室を連通する連通路(17a,17b)と、この連通路(17a,17b)に設けて、切換弁の切換量に応じて開度を大きくする制御絞り(19a,19b)とを備えた連通型切換弁(7)とし、その他の切換弁は両パイロット室が互いに非連通なパイロット室非連通型切換弁(108)とし、上記複数の切換弁の両側のパイロット室(7a,7b,108a,108b)をパイロット流量発生手段(Pp)に対して並列に接続し、かつ、パイロット室非連通型切換弁(108)の両側のパイロット室(108a,108b)とパイロット流量発生手段(Pp)との接続通路(111,112)にそれぞれ絞り(101a,101b)を備えたことを特徴とする切換弁操作回路。
- 複数の切換弁と、これら切換弁をノーマル位置に保持するスプリングと、上記切換弁の両側に設けたパイロット室と、上記パイロット室に流体を供給するパイロット流量発生手段とを備えた切換弁操作回路において、複数の切換弁のうち1つの切換弁は、切換弁がノーマル位置のとき遮断し、切換弁が切り換わったときに上記両パイロット室を連通する連通路(17a,17b)と、この連通路(17a,17b)に設けて、切換弁の切換量に応じて開度を大きくする制御絞り(19a,19b)とを備えた連通型切換弁(7)とし、その他の切換弁は両パイロット室が互いに非連通なパイロット室非連通型切換弁(108)とし、上記複数の切換弁の両側のパイロット室(7a,7b,108a,108b)をパイロット流量発生手段(Pp)に対して並列に接続し、かつ、パイロット室非連通型切換弁(108)の両側のパイロット室(108a,108b)とパイロット流量発生手段(Pp)との接続通路(111,112)にそれぞれ絞り(101a,101b)と逆止弁(102a,102b)を並列に備えたことを特徴とする切換弁操作回路。
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