JP3912520B2 - 改質木材の製造方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、高い撥水性、非常に低い吸水性、高い寸法安定性を付与された改質木材を得ることが可能な製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、木材などの建築材料などに寸法安定性や撥水性を付与する方法としては、シリコーン系、アクリル系、ウレタン系、エステル系、油脂系の樹脂或いはモノマーを溶解させたものを材料に塗布・含浸させ、乾燥する方法が知られている。これらの中ではシリコーン系のものが多く使われており、特に溶剤希釈型のシリコーン系撥水剤が主流を占めている。
【0003】
しかしながら、溶剤希釈型ではその溶剤の環境に対する負の影響が水希釈型よりも一般的に大きく、また地球環境の保護や資源の活用の面からも溶剤を使用しない撥水剤の開発が望まれており、特に高性能の水系撥水剤の開発が強く望まれている。
【0004】
最近、水系撥水剤としては、特開平1−292089号公報、特開平5−156164号公報、特開平5−221748号公報にアルキルトリアルコキシシランを水中乳化させた長期安定なエマルジョンが開示されている。しかし、このエマルジョンには加水分解反応の非常に遅いアルコキシシランが使用されているため、材料へ塗布した場合、含浸性はよいものの、材料表面でのシランの揮散が起こり、表面撥水性がなくなり、水濡れ、汚れの付着、凍害によるポップアップなどが生じ、耐久性の面で欠点がある上、外観が乳白色であるなどの問題点もある。
【0005】
また、高い撥水性を付与できるトリアルキルシロキシシリケートのエマルジョン系撥水剤の製造方法が特開平8−199066号公報、特公平7−39494号公報に開示されている。しかし、これらは、原料がトリアルキルアルコキシシランやトリアルキルシラノールであるためコストがかかり、製造方法が複雑であることから不経済であったり、アルコキシシランを乳化剤水溶液中15℃未満で重合するため均一なエマルジョンは得られないなどの問題があり、良好なトリアルキルシロキシシリケート系エマルジョン撥水剤はなかった。
【0006】
一方、上記のようなエマルジョンタイプのものでない均一水溶液タイプのものが特開昭61−162553号公報、特開平4−249588号公報、特開平10−81752号公報に開示されている。
【0007】
しかし、上記特開昭61−162553号公報の組成物は、水で希釈すると重合反応が速く進行するため、保存安定性が悪く、希釈後1日以内に使用しなければならず、実使用に耐えない。更に、重合反応が速いので、分子量が大きくなって材料への含浸性が悪くなり、ひいては材料表面に濡れ斑を発生するという欠点がある。
【0008】
また、特開平4−249588号公報の組成物は、水溶性アミノ基含有カップリング剤と炭素鎖の短いアルキルトリアルコキシシランからなっており、保存安定性には優れているが、撥水成分としては低級のアルキル基しかないためか、撥水性に劣るという欠点がある。更に、アミノ基含有カップリング剤成分がアルキルアルコキシシラン成分よりも過剰(アルキルアルコキシシラン成分/アミノ基含有カップリング剤成分=0.5〜3/10〜1モル比)なため、材料に濡れ色が残ったり、紙や繊維製品又は木材等の黄変が著しい等の問題点も有している。
【0009】
更に、特開2000−95868号公報では、炭素鎖の短いアルキルトリ又はジアルコキシシランとアミノ基含有アルコキシシランをまず部分加水分解し、更に加水分解水と酸を加えて加水分解し、最後に中和剤を加えた組成物の製造方法を開示しているが、この方法では工程が煩雑であることと、最初の工程でアルキルアルコキシシランとアミノ基含有アルコキシシランを混合し、加水分解反応を行う際に、アミノ基含有アルコキシシランの加水分解スピードがアルキルアルコキシシランよりも一般的に早いため、共加水分解がかかりずらく、共加水分解物がうまくできないため、この方法では最終的に良好なものはできず、これを中性基材等に処理した場合、撥水性が悪いなどの問題点があった。
【0010】
特開平7−150131号公報には、木材を有機酸又は無機酸と塩基性窒素含有オルガノポリシロキサンとの塩、撥水性作用物質、水を含有する組成物で処理する方法が記載されているが、この組成物は撥水性が不十分であると共に、保存安定性が悪いという問題があった。
【0011】
また、特開昭55−133466号、同55−133467号公報には、アルキルアルコキシシランとアミノ基含有アルコキシシランとエポキシ基含有アルコキシシランと金属・半金属塩を水により加水分解した組成物が開示されている。しかし、この組成物においては、アミノ基とエポキシ基の反応によりアミノ基がブロックされてしまうため、基材に処理した場合、黄変は少なくなるが、水溶性が悪くなってしまい、水系処理剤として使用できないという問題がある。更に基材等への吸着性も悪くなるため、この組成物を基材用処理剤としては使えないなどの問題があった。
【0012】
本発明者らは上記問題点を解決すべく、特開平9−77780号公報において、炭素数7〜18のアルキルアルコキシシランとアルコキシ基含有シロキサンとアミノ基含有アルコキシシランとの共加水分解物からなるものを提案したが、特に長鎖のアルキルシランを使用しているにも拘らず、撥水性は弱く、また紙や繊維製品又は木材等に処理した場合、黄変が生じるおそれがあるなどの問題があった。
【0013】
また、特開平10−81752号公報においては、アルカリ性領域で安定なバインダー組成物を提案しているが、この提案は、アミノ基含有アルコキシシランを多く使うため、アルカリ性以外の基材の処理剤としては撥水性が十分でなく、材料に濡れ色が残る、黄変が著しい等の問題点があった。
【0014】
従って、上記撥水剤は、リグノセルロース系物質由来の木材基材に対してはいずれも満足な性能を有するとは言い難いものであった。
【0015】
一方、現在、住宅用部材としては、合板においては耐力壁材、構造床下地材、屋根下地材として使用されるものがあり、また単板積層材においてはツーバイフォー部材、在来木造軸組部材として使用されるものがある。
【0016】
これまでは、比較的良好な特性をもった木材原料、例えば熱帯産材の中でも有用な木材を選択的に利用し、優れた特性をもつ木材原料から適材適所で合板或いは単板積層材を製造することができたが、木材資源の枯渇により、必ずしも優れた特性をもつ木材原料のみを使用できなくなる状況が進行しつつある。また、住宅等の品質確保促進法の施行に伴い、住宅部材としての要求品質は高くなってきており、廃棄時の環境負荷の小さい、かつ低コストで物性的に優れた合板或いは単板積層材の製造が必要となることが予測される。
【0017】
これらのことは木材資源枯渇化の進行に伴い、必ずしも原料として優れた特性をもつ木材からのみ木質パネルを製造することができなくなってきているということであり、特に代表的な植林木であるラジアータパイン(Pinus Radiata D.DON)を原料とする合板・単板積層材製品においては、その高い吸水性、吸湿性による寸法の変化、反りの発生及び黴の発生が問題となっており、広く普及するには至っていない。
【0018】
これらの問題を解決するために、エマルジョン化したアクリル系の撥水剤やパラフィン系の撥水剤を塗布する方法が従来からとられているが、これらの撥水剤を適用し、乾燥した後に堆積した際、ブロッキングの問題が発生する場合が多く、実用上において、広く普及されるに至っていない。
【0019】
【特許文献1】
特開平1−292089号公報
【特許文献2】
特開平5−156164号公報
【特許文献3】
特開平5−221748号公報
【特許文献4】
特開平8−199066号公報
【特許文献5】
特公平7−39494号公報
【特許文献6】
特開昭61−162553号公報
【特許文献7】
特開平4−249588号公報
【特許文献8】
特開平10−81752号公報
【特許文献9】
特開2000−95868号公報
【特許文献10】
特開平7−150131号公報
【特許文献11】
特開昭55−133466号公報
【特許文献12】
特開昭55−133467号公報
【特許文献13】
特開平9−77780号公報
【特許文献14】
特開平10−81752号公報
【0020】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記事情に鑑みなされたものであり、木材への含浸性、寸法安定性及び撥水性付与効果に優れた木材処理用水系撥水剤による改質木材の製造方法を提供することを目的とする。
【0021】
また、本発明は、合板或いは単板積層材の特徴である軽量であるという利点を損なわずに、防蟻性、防腐・防黴性、耐水性、耐湿性、寸法安定性の付与を可能とし、目的とする性能を得ることができる改質合板又は改質単板積層材の製造方法を提供することを他の目的とする。
【0022】
【課題を解決するための手段及び発明の実施の形態】
本発明者らは、上記目的を達成するため鋭意検討を重ねた結果、木材を下記[I]の水系撥水剤で処理すると共に、下記[II]のエマルジョン撥水剤によって処理することにより得られた改質木材は、驚くべきことに非常に高い撥水性、高い吸水防止性が付与されるため、寸法安定性も良好なものが得られることを知見した。これは、特に[I]のカチオン性の水系撥水剤を最初に処理することにより、木材内部までを十分に撥水性にすること、更に引き続き[II]のトリアルキルシロキシシリケート系のアニオン性エマルジョン系撥水剤を処理することにより、カチオン性表面に強固にトリアルキルシロキシシリケート粒子が吸着するため、長期に亘って高撥水性を維持することを可能にすること、これにより内部及び外部表面を強い撥水性にすることが可能になるため、高い寸法安定性を付与できること、更にはその強い撥水性のため、必要により添加される防蟻成分や抗菌成分などの溶出性も更に低下するので、これらの性能についても長期に亘って効果を維持し得ることを見出し、本発明をなすに至った。
【0023】
従って、本発明は、木材を下記[I]の水系撥水剤で処理すると共に、下記[II]のエマルジョン撥水剤によって処理することを特徴とする改質木材の製造方法を提供する。
[I](A)下記一般式(1):
(R1a(OR2bSiO(4-a-b)/2 (1)
(但し、式中R1は炭素原子数1〜6のアルキル基、R2は炭素原子数1〜4のアルキル基であり、aは0.75〜1.5、bは0.2〜3で、かつ0.9<a+b≦4を満足する正数である。)
で示される有機ケイ素化合物100重量部と、
(B)下記一般式(2):
34NR5−SiR6 n(OR23-n (2)
(但し、式中R2は上記と同様であり、R3、R4はそれぞれ互いに同一又は異種の水素原子、炭素原子数1〜15のアルキル基又はアミノアルキル基、R5は炭素原子数1〜18の2価炭化水素基、R6は炭素原子数1〜4のアルキル基である。nは0又は1である。)
で示されるアミノ基含有アルコキシシラン又はその部分加水分解物0.5〜49重量部とを有機酸又は無機酸の存在下で共加水分解縮合させたものを含む水系撥水剤。
[II](C)下記一般式(3):
7 3Si−O−SiR7 3 (3)
(式中、R7は独立に炭素原子数が1〜10のアルキル基である。)
で表されるオルガノジシロキサンと
(D)下記一般式(4):
Si(OR74 (4)
(式中、R7は独立に炭素原子数が1〜10のアルキル基である。)
で表されるテトラアルコキシシラン及びその部分加水分解縮合物からなる群から選ばれる少なくとも1種とを、
(C)成分中のトリアルキルシロキシ単位:R7 3SiO0.5/(D)成分中の4官能単位:SiO4/2(モル比)が0.5〜2.0の範囲内となる比率で用いて、
(E)界面活性剤と
(F)水
を含む水溶液中において、30〜90℃で重合させることにより得られたトリアルキルシロキシシリケートエマルジョン撥水剤。
【0024】
以下、本発明につき更に詳しく説明する。
まず、本発明の改質木材の製造に使用する水系撥水剤[I]について説明すると、この水系撥水剤[I]を得るために用いる(A)成分は、下記一般式(1)
(R1a(OR2bSiO(4-a-b)/2 (1)
(但し、式中R1は炭素原子数1〜6のアルキル基、R2は炭素原子数1〜4のアルキル基であり、aは0.75〜1.5、bは0.2〜3で、かつ0.9<a+b≦4を満足する正数である。)
で示される有機ケイ素化合物である。
【0025】
上記式(1)のR1は炭素原子数1〜6、好ましくは1〜3のアルキル基である。具体的にはメチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基等が挙げられ、特にメチル基が好ましい。
【0026】
2は炭素原子数1〜4のアルキル基であり、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基等が挙げられ、メチル基、エチル基が好ましい。
【0027】
このような式(1)の有機ケイ素化合物の具体例としては、下記化合物を挙げることができる。
CH3Si(OCH33、CH3Si(OC253、CH3Si(OCH(CH323、CH3CH2Si(OCH33、CH3CH2Si(OC253、CH3CH2Si(OCH(CH323、C36Si(OCH33、C36Si(OC253、C36Si(OCH(CH323、C49Si(OCH33、C49Si(OC253、C49Si(OCH(CH323、C511Si(OCH33、C511Si(OC253、C511Si(OCH(CH323、C613Si(OCH33、C613Si(OC253、C613Si(OCH(CH323
【0028】
(A)成分としては、上記に例示したような各種のシランを単独で使用しても2種類以上の混合物を使用してもよいし、混合シランの部分加水分解物を使用してもよい。
【0029】
この場合、(A)成分としては、上記シランを部分加水分解縮合したアルコキシ基含有シロキサンを用いることが好ましい。この部分加水分解物(シロキサンオリゴマー)のケイ素原子の数は2〜10、特に2〜4であることが好ましい。更に、(A)成分としては、水中で炭素原子数1〜6のアルキルトリクロロシランとメタノール又はエタノールとの反応により得られるものでもよい。この場合も、このシロキサンオリゴマーのケイ素原子数は2〜6、特に2〜4であることが好ましい。上記シロキサンオリゴマーとしては、特に[CH3(OR22Si]2Oで表されるシロキサンダイマーが好ましい。このシロキサンダイマーはシロキサントリマーやシロキサンテトラマーを含んでいてもよい。また、25℃で300mm2/s以下の粘度を有しているものが好ましく、特に1〜100mm2/sの粘度を有するものが好適である。
【0030】
(B)成分は、下記一般式(2):
34NR5−SiR6 n(OR23-n (2)
(但し、式中R2は上記と同様であり、R3、R4はそれぞれ互いに同一又は異種の水素原子、炭素原子数1〜15、好ましくは1〜8、より好ましくは1〜4のアルキル基又はアミノアルキル基、R5は炭素原子数1〜18、好ましくは1〜8、より好ましくは3の2価炭化水素基、R6は炭素原子数1〜4のアルキル基である。nは0又は1である。)
で示されるアミノ基含有アルコキシシラン又はその部分加水分解物である。
【0031】
上記式(2)中のR3、R4としては、例えばメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、アミノメチル基、アミノエチル基、アミノプロピル基、アミノブチル基等が挙げられる。R5としては、例えばメチレン基、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基等のアルキレン基が挙げられる。R6としては、例えばメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基等が挙げられる。
【0032】
このような上記式(2)のアミノ基含有アルコキシシランの具体例としては、
2N(CH22Si(OCH33、H2N(CH22Si(OCH2CH33、H2N(CH23Si(OCH33、H2N(CH23Si(OCH2CH33、CH3NH(CH23Si(OCH33、CH3NH(CH23Si(OCH2CH33、CH3NH(CH25Si(OCH33、CH3NH(CH25Si(OCH2CH33、H2N(CH22NH(CH23Si(OCH33、H2N(CH22NH(CH23Si(OCH2CH33、CH3NH(CH22NH(CH23Si(OCH33、CH3NH(CH22NH(CH23Si(OCH2CH33、C49NH(CH22NH(CH23Si(OCH33、C49NH(CH22NH(CH23Si(OCH2CH33、H2N(CH22SiCH3(OCH32、H2N(CH22SiCH3(OCH2CH32、H2N(CH23SiCH3(OCH32、H2N(CH23SiCH3(OCH2CH32、CH3NH(CH23SiCH3(OCH32、CH3NH(CH23SiCH3(OCH2CH32、CH3NH(CH25SiCH3(OCH32、CH3NH(CH25SiCH3(OCH2CH32、H2N(CH22NH(CH23SiCH3(OCH32、H2N(CH22NH(CH23SiCH3(OCH2CH32、CH3NH(CH22NH(CH23SiCH3(OCH32、CH3NH(CH22NH(CH23SiCH3(OCH2CH32、C49NH(CH22NH(CH23SiCH3(OCH32、C49NH(CH22NH(CH23SiCH3(OCH2CH32等が挙げられる。
【0033】
これらの中で、特に、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジエトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−アミノプロピルメチルジエトキシシランなどが好適に用いられる。
【0034】
上記(A)及び(B)成分の使用割合は、(A)成分100部(重量部、以下同じ)に対して(B)成分0.5〜49部、好ましくは5〜30部である。(B)成分が0.5部未満であると水溶性が弱くなり、水溶液にした時の安定性が悪くなる。また、(B)成分が49部を超えると撥水性、長期吸水防止性が悪くなったり、木材に処理したときに黄変が激しくなる。
【0035】
モル換算としては、(A)成分のSi原子1モルに対し(B)成分のSi原子が0.01〜0.3モル、特に0.05〜0.2モルとなるように用いることが好ましい。
【0036】
これら(A)及び(B)成分を用いて水系撥水剤を製造するには、有機酸又は無機酸の存在下で共加水分解させればよい。この場合、最初に(A)成分を有機酸或いは無機酸の存在下で加水分解し、この(A)成分の加水分解物と(B)成分を混合し、有機酸或いは無機酸の存在下、更に加水分解させることが好ましい。
【0037】
まず、(A)成分を加水分解する際に使用される有機酸及び無機酸としては、例えば塩酸、硫酸、メタンスルホン酸、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、クエン酸、シュウ酸及びマレイン酸などから選ばれる少なくとも1種の酸が用いられるが、特に好適なものは酢酸、プロピオン酸である。この酸の使用量は、(A)成分100部に対して2〜40部、特に3〜15部が好適である。
【0038】
加水分解の際は適度に溶剤で希釈した状態で行うのが好ましい。溶剤としては、アルコール系溶剤が好適であり、特にメタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、第三ブチルアルコールが好適である。この溶剤の使用量は、(A)成分100部に対して50〜300部、特に70〜200部が好ましい。溶剤の使用量が50部より少ないと、縮合が進んでしまう場合があり、また、300部を超えると、加水分解に時間がかかる。
【0039】
また、(A)成分を加水分解させるために加える水量は、(A)成分1モルに対し0.5〜4モル量、特に1〜3モル量が好適である。加える水量が0.5モル量より少ないとアルコキシ基が多く残存してしまう場合があり、4モル量を超えると縮合が進行しすぎる場合がある。(A)成分を加水分解させる際の反応条件は、反応温度10〜40℃、特に20〜30℃がよく、反応時間は1〜3時間で加水分解反応させるのがよい。
【0040】
以上で得られた(A)成分の加水分解物と(B)成分とを反応させる。なお、反応条件は、反応温度60〜100℃、反応時間1〜3時間が好ましい。反応終了後は、溶剤の沸点以上まで温度を上げ、アルコール溶剤を留去させる。この場合、系内の全アルコール(反応溶剤としてのアルコール、副生成物としてのアルコール)の含有量を30重量%以下、特に10重量%以下となるように留去させることが好ましい。アルコールが多く含まれていると、水で希釈した場合、白濁したりゲル化したりすることがあり、保存安定性も低下することがある。上記方法で製造できる反応生成物は、25℃における粘度が5〜2000mm2/s、特に50〜500mm2/sであることが好ましい。粘度が高すぎると作業性や保存安定性が低下したり、水への溶解性が低下することがある。また、重量平均分子量は500〜5000、特に800〜2000の範囲であることが望ましい。
【0041】
本発明の水系撥水剤[I]は、上述した方法で得られる(A)及び(B)成分の共加水分解・縮合反応生成物からなるものであり、水溶液中でうまく親水部(アミノ基、シラノール基)と疎水部(アルキルシリル基)が配向し、溶解或いはミセル状になるためか、(B)成分が少量でも水溶性が発現する。そのため長鎖アルキルシラン成分がなくても撥水性が良好であり、また浸透性もよくなり、かつ木材に対する配向性のためか、撥水耐久性も向上する。また水に希釈した際も、水中での重合反応が抑えられ、保存安定性も向上する。
【0042】
更に、この水系撥水剤[I]には、(G)脂肪族第4級アンモニウム化合物及び/又は(H)ホウ素を含む化合物を添加することが好ましい。
【0043】
ここで、上記脂肪族第4級アンモニウム化合物(G)としては、下記一般式(5):
[(CH327N(CH23−SiR6 n(OR23-n+ Cl - (5)
(但し、式中R2、R6は上記と同様であり、R7は炭素原子数11〜22の1価炭化水素基、特にアルキル基、アルケニル基などである。nは0又は1である。)
で示される4級アミノ基含有アルコキシシラン又はその部分加水分解物であることが好ましく、これは木材に処理した場合、木材に防菌性・防黴性を付与させる成分である。
【0044】
上記式(5)のR7は、−C1123基、−C1225基、−C1631基、−C1633基、−C1837基、−C2041基、−C2245基等が挙げられる。
【0045】
このような上記式(5)の4級アミノ基含有アルコキシシランの具体例としては、
[C1225(CH32N(CH23Si(OCH33+Cl-
[C1429(CH32N(CH23Si(OCH2CH33+Cl-
[C1633(CH32N(CH23Si(OCH33+Cl-
[C1633(CH32N(CH23Si(OCH2CH33+Cl-
[C1633(CH32N(CH23SiCH3(OCH32+Cl-
[C1633(CH32N(CH23SiCH3(OCH2CH33+Cl-
[C1837(CH32N(CH23Si(OCH33+Cl-
[C1837(CH32N(CH23Si(OCH2CH33+Cl-
[C1837(CH32N(CH23SiCH3(OCH32+Cl-
[C1837(CH32N(CH23SiCH3(OCH2CH33+Cl-
などが好適に用いられる。
【0046】
上記(G)成分の添加により、防菌性、防黴性を付与することができ、その配合量は、水系撥水剤固形分((A)成分と(B)成分の共加水分解縮合物)100重量部に対して0.05〜10重量部、特に0.1〜5重量部であることが好ましい。配合量が少なすぎると防菌性、防黴性が不十分の場合があり、多すぎると水系撥水剤の保存安定性が悪くなることがある。
【0047】
一方、ホウ素を含む化合物(H)としては、ホウ酸化合物が好ましく、具体的には、InBO3、Mg3(BO32などのオルトホウ酸塩;Mg225、Co225などの二ホウ酸塩;NaBO2、KBO2、LiBO2、Ca(BO22などのメタホウ酸塩;Na247などの四ホウ酸塩;KB58などの五ホウ酸塩等が挙げられる。また、オルトホウ酸(H3BO3)、メタホウ酸(HBO2)、四ホウ酸(H247)などのホウ酸;ホウ砂(Na24710H2O)なども挙げられる。
【0048】
上記(H)成分の添加により防蟻性を付与することができ、その配合量は、水系撥水剤固形分((A)成分と(B)成分の共加水分解縮合物)100重量部に対して0.1〜10重量部、特に2〜8重量部であることが好ましい。配合量が少なすぎると防蟻性が不十分となることがあり、多すぎると水系撥水剤の保存安定性が悪くなることがある。
【0049】
本発明の水系撥水剤[I]を木材に処理する際は、水にて0.5〜50重量%、好ましくは1〜10重量%に希釈して使用するのがよい。0.5重量%より薄く希釈されると本来の性能が発揮されないだけでなく、多量に塗布しなければならないので乾燥に時間を要する場合があり、また、50重量%よりも濃度が高い場合は、希釈が十分に行われず、粘性が高くなって木材への含浸性が悪くなり、塗り斑や変色が生じる場合がある。
【0050】
また、この水系撥水剤を水に希釈した場合、その水溶液のpHは7〜3、好ましくは6〜4であることが好ましい。pHが7を超えてアルカリ性となった場合は、木材のセルロースを壊してしまう危険性がある。また、pHが3未満の強酸性下でも木材を痛めたり、処理機材を腐食させたりする問題が発生する場合がある。
【0051】
本発明の水系撥水剤[I]を水で希釈する際には、防腐剤、防黴剤、防蟻剤、香料、着色剤或いはカルボキシメチルセルロース、ポリビニルアルコール(PVA)、水溶性アクリル樹脂、SBRラテックス、コロイダルシリカなどを副次的に添加してもよい。なお、これら任意成分の添加量は、本発明の効果を妨げない範囲で通常量とすることができる。
【0052】
また、より木材内部まで深く水系撥水剤[I]を浸透させたい場合、その水系撥水剤の浸透性をより高めるために界面活性剤を加えてもよい。
【0053】
用いる界面活性剤に特に限定はないが、従来公知のノニオン系、カチオン系、アニオン系の各種界面活性剤が適用可能である。具体的には、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンカルボン酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリエーテル変性シリコーンなどのノニオン系界面活性剤、アルキルトリメチルアンモニウムクロライド、アルキルベンジルアンモニウムクロライドなどのカチオン系界面活性剤、アルキル又はアルキルアリル硫酸塩、アルキル又はアルキルアリルスルフォン酸塩、ジアルキルスルフォコハク酸塩などのアニオン系界面活性剤、アミノ酸型、ベタイン型などの両性イオン型界面活性剤などを挙げることができる。これらの中でも、特にポリエーテル変性シリコーン系界面活性剤が好ましい。
【0054】
界面活性剤の添加量は、水系撥水剤固形分に対して0.01〜5重量%加えることが好ましく、より好ましくは0.2〜2.5重量%である。その量が0.01重量%未満であると、その効果が十分に発揮されない場合があり、また、5重量%を超える量を加えると吸水防止性や撥水性が弱くなる場合がある。
【0055】
また、界面活性剤を予め水系撥水剤に添加するのでなく、水系撥水剤を処理する前に、木材に界面活性剤希釈溶液を前処理した後に、水系撥水剤を処理してもよい。その場合、例えば水或いは有機溶剤に0.01〜5重量%、特に0.1〜2重量%の濃度で界面活性剤を希釈した溶液を調製し、ローラー、刷毛、スプレー等を用い、場合によっては浸漬法によって前処理し、その後水系撥水剤を処理することにより、木材内部まで深く浸透させることができる。
【0056】
本発明の水系撥水剤の水希釈液を木材に塗布するには、ローラー、刷毛、スプレー等を用い、場合によっては浸漬法によってもよいし、常圧下又は減圧下で処理してもよい。また、乾燥方法としては、室温下に放置してもよいし、天日乾燥、加熱乾燥によってもよい。
【0057】
次に、本発明の改質木材の製造に使用するエマルジョン撥水剤[II]を得るために用いる(C)成分は、下記一般式(3):
7 3Si−O−SiR7 3 (3)
(式中、R7は独立に炭素原子数が1〜10のアルキル基である。)
で表されるオルガノジシロキサンであり、これは末端をトリアルキルシロキシ封鎖するために用いられる。一般式(3)中のR7としては、具体的にはメチル、エチル、n−プロピル、iso−プロピル、n−ブチル、iso−ブチル及びt−ブチル基並びに直鎖状又は分岐を有するペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニル及びデシル基から選ばれる基が好ましく、より好ましくはメチル基である。
【0058】
(D)成分は、上記一般式(4):
Si(OR74 (4)
(式中、R7は前記のとおりである。)
で表されるテトラアルコキシシラン又はその部分加水分解縮合物で、これはSiO4/2単位構造の源となるものである。一般式(4)中のR7としては、前述のものと同じでよいが、重合反応性の面から好ましくはメチル、エチル、n−プロピル及びiso−プロピル基から選ばれる基であり、より好ましくはメチル及びエチル基から選ばれる基である。
【0059】
また、副生するアルコールを低減できることから、テトラアルコキシシランよりもその部分加水分解縮合物がより好ましい。
【0060】
(C)成分及び(D)成分は、(C)成分中のトリアルキルシロキシ単位:R3SiO0.5/(D)成分中の4官能単位:SiO4/2(モル比)が0.5〜2.0の範囲内、より好ましくは0.7〜1.5の範囲内となる比率で用いられる。前記比率が低すぎるとゲル化したり、逆に高すぎると相分離を生じたりして、いずれの場合も均一なエマルジョンが得られない。
【0061】
(E)成分である界面活性剤は、(C)及び(D)成分を水中に均一分散させるためのものであり、特に制限はないが、例えばアルキル硫酸塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルリン酸塩などのアニオン系界面活性剤;ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステルなどのノニオン系界面活性剤;第4級アンモニウム塩、アルキルアミン酢酸塩などのカチオン系界面活性剤;アルキルベタイン、アルキルイミダゾリンなどの両性界面活性剤などがあり、これらを単独で又は2種以上を併用して使用する。中でも重合反応性及び安定性の面からアニオン系界面活性剤が好ましい。(E)成分の配合量としては、(C)成分と(D)成分の合計量を100重量部とした場合に、通常0.1〜20重量部の範囲、より好ましくは0.3〜10重量部の範囲である。
【0062】
(F)成分の水の配合量としては、(C)成分と(D)成分の合計量を100重量部とした場合に、通常50〜2,000重量部の範囲、より好ましくは100〜1,000重量部の範囲である。
【0063】
(C)成分と(D)成分の重合触媒として、硫酸、塩酸、リン酸、酢酸、ギ酸、乳酸、トリフロロ酢酸などの酸性物質、又は水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、アンモニアなどのアルカリ性物質を有効量使用することができる。但し、(E)成分の界面活性剤としてアルキル硫酸、アルキルベンゼンスルホン酸、アルキルリン酸などの酸性物質を用いる場合には、別途重合触媒を用いなくてもよい。
【0064】
また、これらの反応条件は、(E)成分及び(F)成分(及び必要により重合触媒)の水溶液を30〜90℃に加温し、撹拌下(C)成分と(D)成分を滴下し、更に30〜90℃で、好ましくは1〜100時間重合を行った後、酸性触媒又は酸性の(E)成分を使用した場合には炭酸ナトリウム、アンモニア、水酸化ナトリウム、トリエタノールアミンなどのアルカリ性物質で、アルカリ性触媒を使用した場合には酢酸、ギ酸、リン酸、塩酸などの酸性物質で中和すればよい。温度が30℃未満の場合には、(C)成分であるオルガノジシロキサンの反応が進行し難く、均一なエマルジョンを得ることができず、また、90℃より高い場合には、エマルジョンの安定性が不安定となる。より好ましい温度範囲は40〜85℃である。
【0065】
なお、(D)成分を予め(E)成分と(F)成分(及び必要により重合触媒)中で30〜90℃において重合させた後に、(C)成分を滴下し、更に30〜90℃で重合させる方法も可能である。
【0066】
また、製造に際し、ジアルコキシジアルキルシラン、トリアルコキシアルキルシラン及びそれらの部分加水分解縮合物を併用することは何ら問題はない。この方法により、本発明に有用なエマルジョン撥水剤[II]が、有機溶剤を使用せずに、しかも汎用の原材料を使用することにより、経済的に、かつ簡便な方法で製造できる。
【0067】
本発明のエマルジョン撥水剤[II]を木材に処理する際は、水にて0.5〜20重量%、好ましくは1〜10重量%に希釈して使用するのがよい。0.5重量%より薄く希釈されると本来の性能が発揮されないだけでなく、多量に塗布しなければならないので乾燥に時間を要する場合があり、また、20重量%よりも濃度が高い場合は、粘性が高くなって木材への含浸性が悪くなり、塗り斑が生じたり、コスト的に不利になる場合がある。
【0068】
本発明のエマルジョン撥水剤[II]を木材に塗布するには、ローラー、刷毛、スプレー等を用い、場合によっては浸漬法によってもよいし、常圧下又は減圧下で処理してもよい。また、乾燥方法としては、室温下に放置してもよいし、天日乾燥、加熱乾燥によってもよい。
【0069】
上記水系撥水剤[I]による処理及びエマルジョン撥水剤[II]による処理の処理の順番は、[I]による処理を行ってから[II]の処理を行ってもよいし、[II]の処理を行ってから[I]の処理を行ってもよいが、より好ましくは[I]の処理を行ってから[II]の処理を行った方がよい。
【0070】
このようにして木材基材に対して含浸された本発明の水系撥水剤[I]は、加水分解反応、縮合反応により、強固にかつ優れた吸水防止層を形成する。その上に撥水剤[II]によるエマルジョン撥水剤処理した場合には、更に強固な撥水層が強く吸着形成されるので、木材の膨れ、腐食、黴など、水に起因する種々の問題点の解決に非常に役立つこととなる。
【0071】
本発明の改質木材は、木材一般に使用できるが、合板及び単板積層材の改質に特に好適に使用される。即ち、合板又は単板積層材の表裏面を上記撥水剤[I]、[II]により処理するもので、これにより合板及び単板積層材の特徴である平面接着層のために、表裏面からの塗布では容易に接着層を超えて溶液が浸透していかないことを利用して、表裏面からそれぞれの最初の接着層までの範囲内(通常、厚さ方向0.5〜10mm)に選択的に含浸させることで、製品体積当たりの含浸量を抑え、目的とする性能を得るものである。この際、上記合板・単板積層材において、切断面及び/又は切削加工断面にも同じ溶液を塗布含浸することが好ましい。
【0072】
更に、詳述すると、合板や単板積層材の原料となる木質原料の樹種としては、特に限定されず、それらから合板及び/又は単板積層材を製造するために用いる接着剤樹脂などの種類についても限定されない。
【0073】
上記撥水剤[I]、[II]による処理を合板・単板積層材表裏面及び切断面、切削加工断面に塗布含浸させる場合は、合板及び/又は単板積層材の温度は常温でもかまわないが、浸透性を確保するために表面だけでなく、内部も含めて40〜80℃程度の温度を保っていることが望ましい。逆に、合板及び/又は単板積層材を常温での温度とし、処理液の温度を40〜80℃に加温して使用することもできる。含水率は、合板及び/又は単板積層材の場合は日本農林規格に定める14%以下の基準を満たす範囲に収める必要があるため、その範囲内の塗布となる。
【0074】
塗布方法は、撥水剤[I]ではロールコーターもしくはスポンジロールによる塗布が、塗布量を管理する意味でも望ましいが、スプレーによる塗布、バット浸漬による塗布方法を用いてもかまわない。また、浸漬量を増加させるために、2回以上の複数回塗布を繰り返すこともできる。更に撥水剤[II]での処理においても、ロールコーターもしくはスポンジロールによる塗布やバット浸漬などでもかまわないが、好ましくはスプレーによる塗布がよい。バット浸漬などでエマルジョン撥水剤が多量に付着し過ぎた場合、ブロッキングを起こす場合があるので、塗布量をコントロールできるスプレー塗布が好ましい。
【0075】
熟成について説明すると、本発明に係る熟成は、通常、塗布後12〜200時間必要となる。熟成は10〜35℃の気温下で、十分な換気がなされている状態で行われることが望ましい。
【0076】
上記の製造方法によれば、木材の持つ本来の風合いを損なうことなく、また堆積によるブロッキングを発生させることなく、主要構造部材又は建築内装材として使用できるように、防蟻性、防腐・防黴性、耐水性、耐湿性、寸法安定性に優れた合板・単板積層材を容易かつ確実に製造することができる。
【0077】
【実施例】
以下、実施例及び比較例を示し、本発明を具体的に説明するが、本発明は下記の実施例に制限されるものではない。なお、下記の例において部は重量部を示す。また、「M単位」は、(CH33SiO0.5単位を、「Q単位」は、SiO4/2単位を表す。
【0078】
[合成例1]
冷却管、温度計及び滴下漏斗を備えた500mlの四つ口フラスコにメチルトリメトキシシランのオリゴマー85g(ダイマー換算で0.37モル)、メタノール154g及び酢酸5.1gを入れ、撹拌しているところに水6.8g(0.37モル)を投入し、25℃で2時間撹拌した。そこに、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン8.9g(0.04モル)を滴下した。その後、メタノールの還流温度まで加熱して1時間反応後、エステルアダプターにて、内温が110℃になるまでメタノールを留去し、粘度71mm2/sの薄黄色透明溶液81gを得た(重量平均分子量1100)。このものの系内のメタノール残存量は5重量%であった(水系撥水剤1)。
【0079】
[合成例2]
N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシランを17.8g(0.08モル)とした以外は実施例1と同様に反応を行い、粘度116mm2/sの薄黄色透明溶液86gを得た(重量平均分子量1200)。このもののメタノール残存量は5重量%であった(水系撥水剤2)。
【0080】
[合成例3]
冷却管、温度計及び滴下漏斗を備えた500mlの四つ口フラスコにメチルトリメトキシシラン50.3g(0.37モル)、メタノール124g及び酢酸5.1gを入れ、撹拌しているところに水6.8g(0.37モル)を投入し、25℃で2時間撹拌した。そこに、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン8.9g(0.04モル)を滴下した。その後、メタノールの還流温度まで加熱して1時間反応後、エステルアダプターにて、内温が110℃になるまでメタノールを留去し、粘度65mm2/sの薄黄色透明溶液43gを得た(重量平均分子量1000)。このもののメタノール残存量は6重量%であった(水系撥水剤3)。
【0081】
[合成例4]
冷却管、温度計及び滴下漏斗を備えた500mlの四つ口フラスコにプロピルトリメトキシシラン60.6g(0.37モル)、メタノール144g及び酢酸5.1gを入れ、撹拌しているところに水6.8g(0.37モル)を投入し、25℃で2時間撹拌した。そこに、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン8.9g(0.04モル)を滴下した。その後、メタノールの還流温度まで加熱して1時間反応後、エステルアダプターにて、内温が110℃になるまでメタノールを留去し、粘度65mm2/sの薄黄色透明溶液51gを得た(重量平均分子量800)。このもののメタノール残存量は7重量%であった(水系撥水剤4)。
【0082】
[合成例5]
N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシランを3−アミノプロピルトリエトキシシラン17.7g(0.08モル)とした以外は、実施例1と同様に反応を行い、粘度220mm2/sの薄黄色透明溶液90gを得た(重量平均分子量1300)。このもののメタノール残存量は5重量%であった(水系撥水剤5)。
【0083】
[合成例6]
合成例1で合成した水系撥水剤1を10部、3−(トリメトキシシリル)プロピルオクタデシルジメチルアンモニウムを0.5部及び水を89.5部混合溶解させたものを水系撥水剤6とした。
【0084】
[合成例7]
合成例1で合成した水系撥水剤1を10部、ホウ酸を2部及び水を88部混合溶解させたものを水系撥水剤7とした。
【0085】
[合成例8]
合成例1で合成した水系撥水剤1を10部、3−(トリメトキシシリル)プロピルオクタデシルジメチルアンモニウムを0.5部、ホウ酸を2部及び水を87.5部混合溶解させたものを水系撥水剤8とした。
【0086】
[合成例9]
温度計付き2リットルガラス製撹拌装置にドデシルベンゼンスルホン酸4g、水738gを入れ、50℃に加温して、ヘキサメチルジシロキサン100gとテトラメトキシシランの部分加水分解縮合物(コルコート社製メチルシリケート51:SiO4/2分51重量%)145gの混合物(仕込みでのM単位/Q単位(モル比)=1.0)を2時間かけて滴下し、更に50℃で6時間重合した後、3%アンモニア水溶液13gで中和し、青白色半透明のエマルジョンを得た。このものは、pHが8.8、不揮発分が17.2重量%であった。このものの不揮発分をNMRにより解析した結果、M単位/Q単位(モル比)は約0.95であり、GPCにより測定した平均分子量は約3,000であった(エマルジョン撥水剤1)。
【0087】
[合成例10]
合成例9記載の装置にドデシルベンゼンスルホン酸10g、水745gを入れ、50℃に加温して、テトラメトキシシランの部分加水分解縮合物(コルコート社製メチルシリケート51:SiO4/2分51重量%)145gを添加した後、50℃で2時間重合した。更にヘキサメチルジシロキサン100gを1時間かけて滴下し、更に50℃で3時間重合した後、10%炭酸ナトリウム水溶液24gで中和し、殆ど無色透明のエマルジョンを得た。このものは、pHが6.4、不揮発分が17.2重量%であった。このものの不揮発分をNMRにより解析した結果、M単位/Q単位(モル比)は約0.95であり、GPCにより測定した平均分子量は約4,000であった(エマルジョン撥水剤2)。
【0088】
[合成例11]
合成例9記載の装置にドデシルベンゼンスルホン酸10g、水705gを入れ、50℃に加温して、ヘキサメチルジシロキサン100gとテトラメトキシシラン185gの混合物(仕込みでのM単位/Q単位(モル比)=1.0)を2時間かけて滴下し、更に50℃で6時間重合した後、10%炭酸ナトリウム水溶液24gで中和し、青白色半透明のエマルジョンを得た。このものは、pHが6.4、不揮発分が17.9重量%であった。このものの不揮発分をNMRにより解析した結果、M単位/Q単位(モル比)は約0.95であり、GPCにより測定した平均分子量は約3,000であった(エマルジョン撥水剤3)。
【0089】
[合成例12]
実施例9記載の装置にドデシルベンゼンスルホン酸4g、水758gを入れ、50℃に加温して、ヘキサメチルジシロキサン80gとテトラメトキシシランの部分加水分解縮合物(コルコート社製メチルシリケート51:SiO4/2分51重量%)145gの混合物(仕込みでのM単位/Q単位(モル比)=0.8)を2時間かけて滴下し、更に50℃で6時間重合した後、3%アンモニア水溶液13gで中和し、殆ど無色透明のエマルジョンを得た。このものは、pHが8.5、不揮発分が15.0重量%であった。このものの不揮発分をNMRにより解析した結果、M単位/Q単位(モル比)は約0.76であり、GPCにより測定した平均分子量は約3,500であった(エマルジョン撥水剤4)。
【0090】
[合成例13]
実施例9記載の装置にドデシルベンゼンスルホン酸4g、水786gを入れ、50℃に加温して、ヘキサメチルジシロキサン150gとテトラメトキシシランの部分加水分解縮合物(コルコート社製メチルシリケート51:SiO4/2分51重量%)145gの混合物(仕込みでのM単位/Q単位(モル比)=1.5)を2時間かけて滴下し、更に50℃で6時間重合した後、3%アンモニア水溶液13gで中和し、青白色のエマルジョンを得た。このものは、pHが8.9、不揮発分が21.8重量%であった。このものの不揮発分をNMRにより解析した結果、M単位/Q単位(モル比)は約1.4であり、GPCにより測定した平均分子量は約2,500であった(エマルジョン撥水剤5)。
【0091】
[合成例14]
アスピレーター、温度計を備えた500mlの四つ口フラスコにメチルトリメトキシシラン136g(1.0モル)、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン222.0g(1.0モル)及び水43.2g(2.4モル)を入れ、加熱撹拌しながらアスピレーターでストリップして60℃にし、薄黄色透明溶液を得た(重量平均分子量900)。このもののメタノール残存量は1重量%であった(水系撥水剤9)。
【0092】
[合成例15]
デシルトリメトキシシラン10.5g(0.04モル)、メタノール8.8g、酢酸0.8g及び水2.2g(0.12モル)を混合し、25℃で1時間撹拌し、透明溶液を得た。
冷却管、温度計及び滴下漏斗を備えた500mlの四つ口フラスコにメチルトリメトキシシランのオリゴマー85g(ダイマー換算で0.37モル)及びメタノール170gを入れ、撹拌しているところに上記デシルトリメトキシシラン加水分解物を滴下し、25℃で1時間撹拌した。その後、酢酸5.1g及び水6.7g(0.37モル)を投入し、25℃で1時間更に撹拌した。そこに、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン17.8g(0.08モル)を滴下した。その後、メタノールの還流温度まで加熱して1時間反応後、エステルアダプターにて、内温が110℃になるまでメタノールを留去し、薄黄色透明溶液を得た(重量平均分子量1300)。このもののメタノール残存量は8重量%であった(水系撥水剤10)。
【0093】
[合成例16]
合成例記載の装置にドデシルベンゼンスルホン酸4g、水798gを入れ、50℃に加温して、ヘキサメチルジシロキサン40gとテトラメトキシシランの部分加水分解縮合物(コルコート社製メチルシリケート51:SiO4/2分51重量%)145gの混合物(仕込みでのM単位/Q単位(モル比)=0.4)を2時間かけて滴下し、更に50℃で6時間重合した後、3%アンモニア水溶液13gで中和したところ、ゲル化してしまい、均一なエマルジョンは得られなかった。
【0094】
[合成例17]
合成例記載の装置にドデシルベンゼンスルホン酸4g、水628gを入れ、50℃に加温して、ヘキサメチルジシロキサン210gとテトラメトキシシランの部分加水分解縮合物(コルコート社製メチルシリケート51:SiO4/2分51重量%)145gの混合物(仕込みでのM単位/Q単位(モル比)=2.1)を2時間かけて滴下し、更に50℃で6時間重合したが、撹拌を停止すると2相分離してしまい、均一なエマルジョンは得られなかった。
【0095】
[実施例1]
合成例1〜5、合成例14、15で得られた水系撥水剤1〜5、9、10の2%水溶液(処理剤[I]1〜5、9、10)、また合成例6、7及び8で得られた水系撥水剤6、7及び8の2%水溶液(処理剤[I]6、7、8)に木材を室温で10分浸漬養生後、引き続き合成例9〜13で得られたエマルジョン撥水剤1〜5の2%水溶液(処理剤[II]1〜5)に10分浸漬養生させ、その後室温で1週間養生させ、評価用サンプルを作製した。このサンプルについての吸水防止性についての試験を下記方法で行った。また処理液[II]1に木材を室温で10分浸漬養生後、引き続き処理液[I]1、3、5に10分浸漬養生させ、その後室温で1週間養生させ、評価用サンプルを作製した。このサンプルについても吸水防止性について試験を行った。
吸水防止性能
スギ材(21×50×50mm)及びラワン材(21×50×50mm)の全面に処理液を常温常圧で24時間浸漬処理し、その後室温で7日間養生後、目視にて表面の変色(黄変)を観察した。評価基準は下記の通りである。引き続き、この供試体を水道水中に24時間全面浸漬させ、次式にて吸水率を算出した。
吸水防止性能(吸水率)
吸水率(%)=[{(吸水後の木片重量)−(吸水前の木片重量)}/(吸水前の木片重量)]×100
結果を表1に示す。
【0096】
【表1】
Figure 0003912520
【0097】
[実施例2]
合成例1〜5、合成例14、15で得られた水系撥水剤1〜5、9、10の2%水溶液にポリエーテル変性シリコーン界面活性剤である信越化学工業(株)製KF618 0.5%量を添加したもの(処理剤[I]1’〜5’、9’、10’)、また合成例6、7及び8で得られた水系撥水剤6、7及び8の2%水溶液にポリエーテル変性シリコーン界面活性剤である信越化学工業(株)製KF6180.5%量を添加したもの(処理剤[I]6’、7’、8’)に木材を10分浸漬養生させ、引き続き合成例9〜13で得られたエマルジョン撥水剤1〜5の2%水溶液(処理剤[II]1〜5)に10分浸漬養生させ、その後室温で1週間養生させ評価用サンプルを作製した。このサンプルについての吸水防止性の試験を実施例1と同様に行った。その結果を表2に示す。
【0098】
【表2】
Figure 0003912520
【0099】
[実施例3]
更に、前処理としてポリエーテル変性シリコーン界面活性剤である信越化学工業(株)製KF618の0.5%水溶液に木材を5分間浸漬処理後、実施例1と同様に処理を行った。その結果を表3に示す。
【0100】
【表3】
Figure 0003912520
【0101】
[実施例4]
合成例6、7及び8で得られた水系撥水剤6、7及び8の2%水溶液(処理剤[I]6、7、8)に木材を室温で2時間浸漬養生後、引き続き合成例で得られたエマルジョン撥水剤1の2%水溶液(処理剤[II]1)に30分浸漬養生させ、その後室温で1週間養生させ、評価用サンプルを作製し、木材腐朽試験、イエシロアリ死虫率試験についての試験を下記方法で行った。その結果を表4に示す。
(a)白色腐朽菌及び褐色腐朽菌による木材腐朽試験
防菌・防黴性能の評価のため、日本木材保存協会(JWPA)規格第3号−1992「木質材料の耐久性試験方法」に準拠して無機質複合化木材の腐朽試験を行った。60℃で48時間の乾燥、滅菌の後、ガラス瓶中の培養器で十分生育させた白色腐朽菌カワラタケ[Coriolus versicolor(L.ex Fr.)Quel](IFO 30340)及び褐色腐朽菌オオウズラタケ[Tyromyces palustris(Berk.et Curk.Murr.)](IFO 303390)の菌叢上に調製した試験片を置いた。8週間、室温26℃、相対湿度55〜65%の恒湿室で培養後、試験片を取り出し、試験片表面についた菌を取り除き、試験片の絶乾重量を求めた。予め計っておいた処理前の絶乾重量から腐朽菌による重量減少率(%)を求めた。
(b)埋没試験による腐朽試験
アセトン及び水により、それぞれ24時間ソックスレー抽出した未処理の木材試験片及び撥水剤処理した木材試験片について、無殺菌土壌中(地上より17cm)での9ケ月の埋没試験を行い、試験前の絶乾重量と試験後の絶乾重量から重量減少率を算出して、腐朽の度合いの進行を推定した。
(c)イエシロアリ死虫率試験
イエシロアリ200匹を未処理木材片、撥水剤処理木材片を入れた容器に入れ、20日間放置後のイエシロアリの死虫率を測定した。
【0102】
【表4】
Figure 0003912520
【0103】
[実施例5]
試験片にニュージーランド産ラジアータパインを原料として製造された、単板積層材に下記方法で水系撥水剤[I]、エマルジョン撥水剤[II]を塗布し、吸水防止性、寸法安定性について測定した。
単板積層材の製造方法、塗布含浸方法、吸水防止性及び寸法安定性の測定は、下記の方法で行った。
ラジアータパイン単板(3mm厚)を用い、常法により9ply、27mm厚、幅300mm、繊維方向300mmの単板積層材を製造した。7日間養生した後、この試験体1枚から幅100mm×繊維方向300mmの3片にカットした。本試験片を105℃で2時間熱風乾燥した後、水系撥水剤1、3、5の2%水溶液(処理剤[I]1、3、5)を試験片の全ての面(6面)に刷毛にて塗布含浸させた。その際の含浸量は100g/m2であった。続いて、更にその上にエマルジョン撥水剤1の2%水溶液(処理剤[II]1)を刷毛にて塗布した。その際の含浸量も100g/m2とした。この試験片を更に室温で10日間乾燥養生した後、下記試験法に示す試験に供した。その結果を図1〜3に示す。
図中、実施例5−1:処理剤[I]1処理→処理剤[II]1処理品
実施例5−2:処理剤[I]3処理→処理剤[II]1処理品
実施例5−3:処理剤[I]5処理→処理剤[II]1処理品
比較例:未処理品
図1:吸水率の経時変化を示すグラフ
図2:幅膨張率の経時変化を示すグラフ
図3:厚さ膨張率の経時変化を示すグラフ
【0104】
[試験方法]
改質された単板積層材について、室温水中に32時間浸漬した後、取り出し、40℃で16時間熱風乾燥した。更に24時間室温水中に浸漬した。この間、適時、試験体の重量、厚さ及び幅を測定した後、吸水率、厚さ膨張率及び幅膨張率を各々算出し、図1〜図3の結果を得た。なお、吸水率、厚さ膨張率及び幅膨張率については各々下記の式により求めた。
吸水率(%)=[(Wt−Wo)/Wo]×100
Wt;t時間経過時の試験片の重量(g)
Wo;試験開始前の試験片の重量(g)
厚さ膨張率(%)=[(Tt−To)/To]×100
Tt;t時間経過時の試験片の厚さ(mm)
To;試験開始前の試験片の厚さ(mm)
幅膨張率(%)=[(WIt−WIo)/WIo]×100
WIt;t時間経過時の試験片の幅(mm)
WIo;試験開始前の試験片の幅(mm)
【0105】
【発明の効果】
本発明に係る改質木材の製造方法は、水系撥水剤とエマルジョン撥水剤の2段階処理を行うことにより、高撥水性、低吸水性及び高い寸法安定性を木材に付与できる。
更に、本発明に係る製造方法によれば、上記方法を用いて、木質パネル固有の多孔性、低比重、易加工性(切削性、保釘力、接着性、塗装性等)を阻害することなく、使用する箇所の要求性能に応じて、適宜防蟻性、防菌・防黴性、耐水性、耐湿性、寸法安定性を付与することができる。
また、本発明に係る改質合板・単板積層材の製造方法によれば、製造工場で工程管理することにより、確実にかつ、生産コストを抑えながら効率的に含浸作業を進めることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例5に従って処理した試験片の吸水率の経時変化を示すグラフである。
【図2】実施例5に従って処理した試験片の幅膨張率の経時変化を示すグラフである。
【図3】実施例5に従って処理した試験片の厚さ膨張率の経時変化を示すグラフである。

Claims (13)

  1. 木材を下記[I]の水系撥水剤で処理すると共に、下記[II]のエマルジョン撥水剤によって処理することを特徴とする改質木材の製造方法。
    [I](A)下記一般式(1):
    (R1a(OR2bSiO(4-a-b)/2 (1)
    (但し、式中R1は炭素原子数1〜6のアルキル基、R2は炭素原子数1〜4のアルキル基であり、aは0.75〜1.5、bは0.2〜3で、かつ0.9<a+b≦4を満足する正数である。)
    で示される有機ケイ素化合物100重量部と、
    (B)下記一般式(2):
    34NR5−SiR6 n(OR23-n (2)
    (但し、式中R2は上記と同様であり、R3、R4はそれぞれ互いに同一又は異種の水素原子、炭素原子数1〜15のアルキル基又はアミノアルキル基、R5は炭素原子数1〜18の2価炭化水素基、R6は炭素原子数1〜4のアルキル基である。nは0又は1である。)
    で示されるアミノ基含有アルコキシシラン又はその部分加水分解物0.5〜49重量部とを有機酸又は無機酸の存在下で共加水分解縮合させたものを含む水系撥水剤。
    [II](C)下記一般式(3):
    7 3Si−O−SiR7 3 (3)
    (式中、R7は独立に炭素原子数が1〜10のアルキル基である。)
    で表されるオルガノジシロキサンと
    (D)下記一般式(4):
    Si(OR74 (4)
    (式中、R7は独立に炭素原子数が1〜10のアルキル基である。)
    で表されるテトラアルコキシシラン及びその部分加水分解縮合物からなる群から選ばれる少なくとも1種とを、
    (C)成分中のトリアルキルシロキシ単位:R7 3SiO0.5/(D)成分中の4官能単位:SiO4/2(モル比)が0.5〜2.0の範囲内となる比率で用いて、
    (E)界面活性剤と
    (F)水
    を含む水溶液中において、30〜90℃で重合させることにより得られたトリアルキルシロキシシリケートエマルジョン撥水剤。
  2. (A)成分の式(1)におけるR1がメチル基であることを特徴とする請求項1記載の改質木材の製造方法。
  3. (A)成分がシロキサンオリゴマーである請求項1又は2記載の改質木材の製造方法。
  4. (A)成分が、[CH3(OR22Si]2O(但し、R2は上記と同様)で表されるシロキサンダイマーである請求項3記載の改質木材の製造方法。
  5. (B)成分のアミノ基含有アルコキシシランが、
    Figure 0003912520
    から選ばれるものであることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項記載の改質木材の製造方法。
  6. (A)成分と(B)成分との共加水分解縮合物の重量平均分子量が500〜5000である請求項1乃至5のいずれか1項記載の改質木材の製造方法。
  7. 水系撥水剤[I]が、(A)成分を有機酸又は無機酸及びアルコールの存在下で加水分解させ、その後(B)成分と反応させ、次いでアルコールを系外から除去することにより得られるものである請求項1乃至6のいずれか1項記載の改質木材の製造方法。
  8. 前記(D)成分が、前記一般式(4)で表されるテトラアルコキシシランの部分加水分解縮合物であり、かつ、前記(E)成分がアニオン性界面活性剤である請求項1記載の改質木材の製造方法。
  9. 水系撥水剤[I]が、更に脂肪族第4級アンモニウム化合物を含有する請求項1乃至7のいずれか1項記載の改質木材の製造方法。
  10. 脂肪族第4級アンモニウム化合物が、下記一般式(5):
    [(CH327N(CH23−SiR6 n(OR23-n+ Cl - (5)
    (但し、式中R2、R6は上記と同様であり、R7は炭素原子数11〜22の1価炭化水素基である。nは0又は1である。)
    で示される4級アミノ基含有アルコキシシラン又はその部分加水分解物である請求項9記載の改質木材の製造方法。
  11. 水系撥水剤[I]が、更にホウ素を含む化合物を含有する請求項1乃至10のいずれか1項記載の改質木材の製造方法。
  12. ホウ素を含む化合物が、ホウ酸化合物である請求項11記載の改質木材の製造方法。
  13. 木材が合板或いは単板積層材であることを特徴とする請求項1乃至12のいずれか1項記載の改質木材の製造方法。
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