JP3912116B2 - 付箋紙供給装置およびこれを備えた付箋紙プリンタ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、付箋紙束から先端側を捲り上げた最上位の付箋紙を、その糊付け部から引き剥がして供給する付箋紙供給装置およびこれを備えた付箋紙プリンタに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
付箋紙は、通常、その基端側を部分糊付けして多数枚を積層した付箋紙束の形態で提供され、ユーザにより付箋紙束から一枚ずつ引き剥がされては、メモ書きされ、ファイルなどの被着体に貼着されている。この付箋紙の引剥し作業は、付箋紙束を上側から押えた状態で、捲り上げた付箋紙の先端部を基端側へと引っ張るようにして、すなわち付箋紙束に対し鈍角方向に引き戻すようにして糊付け部から引き離すことで行われている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、束からなる付箋紙に印刷を行う付箋紙プリンタとして公知のものはないが、付箋紙プリンタにおいて、セットした付箋紙束の最上位の付箋紙は、印刷の前後のいずれかの時点で引き剥がされることとなる。したがって、この引き剥がしの場合にも、付箋紙束を押えていないと、引き剥がしにより、付箋紙束のセット位置がずれ、後続の付箋紙の引き剥がしや印刷に支障をきたす不具合が生じるおそれがある。
しかし、予め付箋紙束を広い面積で上側から押えておくと、引き剥がしの前提となる付箋紙の捲り上げに支障をきたしてしまう。また、付箋紙束の糊付け部側を押えておくことで、付箋紙の捲り上げには支障をきたさないが、この押えが却って邪魔となり、鈍角方向には引き剥がし難くなる。一方、鋭角方向に引き出そうとすると、今度は粘着力の影響を強く受けるため、付箋紙の重ね引き剥がしや、付箋紙束が押えから離脱するなどの不具合が生じるおそれがある。したがって、鋭角方向に引き剥がす場合に、糊付け部側の押え面積を単純に小さくすることは、引き剥がし易くはなるが、付箋紙束のセット状態を一層不安定にしてしまう。
【0004】
本発明は、付箋紙束のセット状態を安定に維持すると共に、捲り上げた付箋紙を、簡単な構成で且つ確実に、付箋紙束から一枚ずつ適切に引き剥がすことができる付箋紙供給装置およびこれを備えた付箋紙プリンタを提供することをその目的としている。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明の付箋紙供給装置は、基端側を部分糊付けした多数枚の付箋紙から成りセットされた付箋紙束の、最上位の先端側を捲り上げた付箋紙を糊付け部から引き剥がして供給する付箋紙供給装置において、付箋紙束をセットする付箋紙ホルダと、付箋紙ホルダに臨み、捲り上げた付箋紙を先端側から引き剥がす引剥し機構と、捲り上げた付箋紙の下側に潜入して付箋紙束を押える束押え機構と、駆動源からの動力を引剥し機構および束押え機構にそれぞれ伝達し、引剥し機構および束押え機構を連動させる動力伝達機構と、を備えたことを特徴とする。
【0006】
この構成によれば、束押え機構が、先端側を捲り上げた付箋紙の下側に干渉することなく潜り込み、セットした付箋紙束を押えた状態とする。これにより、付箋紙を先端側に引くように引き剥がしても、付箋紙束に撓みなどの変形が生じるのを好適に抑制することができるため、付箋紙束のセット状態を安定に維持することができると共に、付箋紙を一枚ずつ適切に引き剥がすことができる。
また、付箋紙の引き剥がし動作と、捲り上げた付箋紙の下側に潜入する付箋紙束の押え動作とが関連性をもつため、付箋紙の適切な引剥しを円滑且つ確実に行うことができる。また、動力伝達機構により、単一の駆動源でこれら両機構を動作させているため、部品点数を削減してコストダウンを図ることができる。
【0007】
この場合、束押え機構は、付箋紙束を幅方向に亘って押えることが、好ましい。
【0008】
この構成によれば、押える面積を小さくしつつ、付箋紙束を有効に押えることができる。また、幅方向を均等な力で押え得るため、引き剥がしに伴う付箋紙束のねじれ等を好適に抑制することができる。
【0009】
これらの場合、束押え機構は、付箋紙束の基端側を押えることが、好ましい。
【0010】
この構成によれば、付箋紙束の糊付け部側を押えるため、引き剥がし時における付箋紙束の粘着力に対しての影響を軽減することができる。
【0013】
この場合、束押え機構は、付箋紙束に接触してこれを押える押え部と、基端側を中心に回動自在に構成され、先端側に支持した押え部を付箋紙束を押える押圧位置と離間したホーム位置との間で移動させる回動アームとを有し、回動アームは、動力伝達機構から動力を入力して回動することが、好ましい。
【0014】
この構成によれば、動力伝達機構を介して動力を入力する回動アームの一連の回動動作において、押え部がホーム位置と押圧位置との間を上下動して、付箋紙束への押えが適切に行われる。また、押え部は回動するため、簡単な構造で且つ干渉することなく、捲り上げた付箋紙の下側に潜入することができる。なお、押え部は、回動アームとは別体に形成された構造(すなわち別部材構成)でもよいし、回動アームに一体に形成された構造、すなわち回動アームの一部位でもよい。
【0015】
この場合、押え部のホーム位置は、付箋紙束の先端から外側に外れた位置に設定されていることが、好ましい。
【0016】
この構成によれば、ホーム位置の押え部は、付箋紙束に重複しない状態となる。これにより、付箋紙束廻りが煩雑化しないため、付箋紙ホルダに対する付箋紙束の交換性および押え部の取扱い性を向上することができる。また、付箋紙の捲り上げ動作を行う場合にも支障をきたすことがない。
【0017】
これらの場合、押え部は、回動アームに支持された押え本体と、押え本体に揺動自在に支持されると共に、付箋紙束を押さえ込む押え込み動作において、回動アームの略接線方向に沿う傾斜姿勢から付箋紙束に対し平行な水平姿勢となるように揺動範囲が規制された押え補助部材と、を有していることが、好ましい。
【0018】
この構成によれば、付箋紙束は、押え本体による押えと、この押え位置よりも糊付け部側を押え位置とする押え補助部材による押えと、がなされる。すなわち、押え部が押圧位置に達すると、押え本体が付箋紙束を積極的に押えると共に、押え補助部材が、付箋紙束の基端側に向かって差し込むように揺動して、水平姿勢状態で付箋紙束を押える。これにより、付箋紙の引き剥がし角度が小さくても、付箋紙束の糊付け部近傍を特に有効に押えることができ、また同時に、付箋紙の引剥し力を軽減することができる。なお、押え補助部材は、押え本体で揺動範囲を規制されることが好ましい。
【0019】
同様に、セットされた付箋紙束の糊付け部を付箋紙の引き剥がしに抗するように上側から押えると共に、付箋紙の引き剥がしに伴う付箋紙束の先端側へのスライドを許容する押圧部材を更に備え、押え部は、ローラで構成されていることが、好ましい。
【0020】
この構成によれば、捲り上げた付箋紙の引き剥がしでは、付箋紙束は、潜入した押え部によりその付箋紙を除いて押えられ且つその付箋紙を含んで糊付け部側を押圧部材により押えられた状態で、引剥し力により先端側へとスライド移動される。このスライド移動により、引き剥がす付箋紙の押圧部材からの押えが好適に解除されるため、引剥し抵抗を軽減することができる。またスライド移動の場合に、押え部であるローラが付箋紙束に転接するため、押え部の摩擦を軽減することができる。
【0021】
また同様に、セットされた付箋紙束の糊付け部を付箋紙の引き剥がしに抗するように上側から押えると共に、付箋紙の引き剥がしに伴う付箋紙束の先端側へのスライドを許容する押圧部材を更に備え、押え部は、回動アームに支持された押え本体と、押え本体に揺動自在に支持された揺動アーム、および揺動アームに取り付けたローラから成る押え補助部材とで構成され、押え補助部材は、付箋紙束を押さえ込む押え込み動作において、回動アームの略接線方向に沿う傾斜姿勢から付箋紙束に対し平行な水平姿勢となるように揺動範囲が規制されていることが、好ましい。
【0022】
この構成によれば、同様に、付箋紙束は、上側から押圧部材により糊付け部を押えられ且つ捲り上げた付箋紙の下側にて押え部により押え込まれており、この状態で、付箋紙を引き剥がしてゆくと、その引剥し力により先端側へとスライド移動される。このスライド移動により、引き剥がす付箋紙の押圧部材からの押えが好適に解除されるため、引剥し抵抗を軽減することができる。また、押え部による押え込みは、押え本体によるものと、揺動アームが揺動して糊付け部側へと差し込んだローラによるものとでなされるが、このローラの差込動作を円滑になすことができる。
【0023】
これらの場合、引剥し機構は、付箋紙束に転接して付箋紙を一旦撓ませてからその上側に撥ね上げると共に、付箋紙束から離間し捲り上げた付箋紙を引き剥がすように送り出す摩擦ローラと、先端部に摩擦ローラを回転自在に支持すると共に、基端部を中心に回動自在に構成されたピックアップアームとを有し、ピックアップアームは、動力伝達機構から動力を入力して回動し、摩擦ローラを付箋紙束に対し離接移動させることが、好ましい。
【0024】
この構成によれば、付箋紙束に対し摩擦ローラが回転すると、これが直接転接する最上位の付箋紙は、摩擦力により自由端側が糊付け部に引き戻されて、その中間部が次第に撓んでゆき、その後、その先端部が摩擦ローラの上側に撥ね上げられ、最終的にこれに乗り上げる。一方、動力伝達機構を介して動力を入力して回動するピックアップアームの一連の回動動作において、摩擦ローラ自身が上下動する。したがって、離間移動した摩擦ローラに乗り上げた付箋紙は、付箋紙束に対し大きく傾斜することとなり、糊付け部から一層引き剥がされやすくなる。また、既述のように、引き剥がしの際に付箋紙束を押えているため、摩擦ローラの引き剥がしのトルクを小さくすることができ、付箋紙の送り出しを安定して行うことができる。
なお、ピックアップアームは、摩擦ローラが付箋紙を撥ね上げる直前に、摩擦ローラを移動させることが、好ましい。
【0025】
この場合、ピックアップアームと回動アームとは、同方向に回動することが、好ましい。
【0026】
この構成によれば、付箋紙束廻りを煩雑にすることがなく、且つ動力伝達機構を簡単に構成することができる。
【0027】
これらの場合、動力伝達機構は、駆動源から入力した動力により回転する回転円板と、回転円板の一方の端面に形成した端面カム溝と、回転円板の他方の端面に突設した偏心ピンとを有し、端面カム溝は、回転円板の回転動作を回動アームおよびピックアップアームの一方の回動動作に変換する端面カム機構を構成し、偏心ピンは、回転円板の回転動作を回動アームおよびピックアップアームの他方の回動動作に変換する反対カム機構を構成していることが、好ましい。
【0028】
この構成によれば、2つのカム機構が1つの回転円板を介した構造であるため、双方のカム機構による一連の動作を一層関連付け易くなると共に、部品点数を減らして低コストとなる。
【0029】
この場合、駆動源は、摩擦ローラを回転駆動させる動力源を兼ねており、摩擦ローラは、回転円板の周面に形成したギヤを含むギヤ列を介して回転することが、好ましい。
【0030】
この構成によれば、摩擦ローラ、引剥し機構および束押え機構の駆動源が同一であるため、コストを一層削減することができる。また、摩擦ローラの上下動は、摩擦ローラが回転円板に噛合しつつ且つその周りを円運動するようにして、これらがいわゆる遊星歯車的構成となって行われる。
【0031】
本発明の他の付箋紙供給装置は、基部側の糊付け部で部分糊付けした多数枚の付箋紙から成ると共に糊付け部を押えた状態で水平にセットされた付箋紙束に対し、最上位の付箋紙を斜め先上がりに捲り上げた後、斜め先方に引き出すように引き剥がして供給する付箋紙供給装置において、付箋紙束を水平にセットする付箋紙ホルダと、付箋紙の引き剥がしに抗するように糊付け部を上側から押える押圧部材とを備え、押圧部材は、糊付け部の基端側を押える押圧部と、押圧部から先方に延び付箋紙の斜め先上がりを非押圧状態で許容する非押圧部とを有することを特徴とする。
【0032】
この構成によれば、押圧部材の非押圧部が、セットされた付箋紙束に対し、押圧部による押えポイントから先端側へと非接触状態で張り出して、付箋紙の斜め先上がりを許容している。したがって、斜め先上がり状態で先方に、すなわち鋭角方向に引き剥がされる付箋紙は、引き剥がしの角度を許容された状態で糊付け部分を押えられる。これにより、付箋紙を引き剥がしてゆくときに、付箋紙の付箋紙束に対する粘着性を次第に解除してゆくことができると共に、糊付け部の基端側を押えておくことができる。すなわち、引き剥がす付箋紙の押え面積を小さくしつつも、付箋紙束自体を確実に押えた状態とすることができるため、付箋紙束のセット状態を安定に維持し、且つ付箋紙を円滑に引き剥がしてゆくことができる。
【0033】
この場合、非押圧部の下面は、斜め先上がりに傾斜していることが、好ましい。
【0034】
この構成によれば、非押圧部の下面が、付箋紙の引き剥がしの角度に倣って傾斜している。これにより、その傾斜角度に沿って付箋紙を引き剥がしてゆくことができると共に、引き剥がしてゆく付箋紙の上面を案内することができる。
【0035】
この場合、押圧部は、付箋紙の引き剥がしに伴う付箋紙束の非押圧部側へのスライドを許容することが、好ましい。
【0036】
この構成によれば、付箋紙を引き剥がそうとすると、付箋紙束は、その引き剥がし力により先端側へとスライド移動する。これにより、押圧部による付箋紙束の押圧ポイントを、押圧状態を維持しながら糊付け部の基端側へと一層ずらすことができるため、粘着力の影響を一層小さくすることができる。なおこの場合、付箋紙ホルダは、略引剥し方向に付箋紙束をスライド自在にセットすると共に、付箋紙束の基部側の移動端位置を位置規制可能に構成され、且つ付箋紙束をその基部側に向かって付勢するばねを有することが好ましい。
【0037】
本発明の他の付箋紙供給装置は、基部側の糊付け部で部分糊付けした多数枚の付箋紙から成ると共に糊付け部を押えた状態で水平にセットされた付箋紙束に対し、最上位の付箋紙を斜め先上がりに捲り上げた後、斜め先方に引き出すように引き剥がして供給する付箋紙供給装置において、付箋紙束を水平にセットする付箋紙ホルダと、付箋紙の引き剥がしに抗するように糊付け部を上側から押える押圧部材とを備え、押圧部材は、糊付け部の基端側を押える押圧部と、押圧部から先方に延び付箋紙の引き剥がしに伴って斜め先上がりに角度変化可能な引剥し許容部とを有することを特徴とする。
【0038】
この構成によれば、付箋紙を引き剥がしてゆくと、その引き剥がし力により引剥し許容部が付箋紙束から上側に逃げると共に、押圧部が付箋紙束の押えを維持する。一方、引き剥がし後の定常状態では、引剥し許容部が下側に自動復帰して、付箋紙束は、引剥し許容部および押圧部により押えられる。このように、斜め先上がり状態での付箋紙の引き剥がしに応じて、適宜、押え面積を小さくし且つ引剥しの角度を許容している。これにより、付箋紙の付箋紙束に対する粘着性を次第に解除してゆくことができると共に、付箋紙束の基端を有効に押えておくことができるため、付箋紙束のセット状態を安定に維持し、且つ付箋紙を円滑に引き剥がしてゆくことができる。
【0039】
この場合、押圧部は、付箋紙の引き剥がしに伴う付箋紙束の引剥し許容部へのスライドを許容することが、好ましい。
【0040】
この構成によれば、上記同様に、付箋紙の引き剥がし時に、押圧部による付箋紙束の押圧ポイントを、押圧状態を維持しながら糊付け部の基端側へと一層ずらすことができるため、付箋紙がより引き出し易くなる。
【0041】
これらの場合、押圧部材と付箋紙ホルダとが、一体に形成されていることが、好ましい。
【0042】
この構成によれば、部品点数を減らした簡単な構造で、付箋紙の適切な引剥しに供することができる。
【0045】
本発明の付箋紙プリンタは、上記した本発明の付箋紙供給装置と、付箋紙を印刷する印刷機構とを備えたことを特徴とする。
【0046】
この構成によれば、付箋紙供給装置により一枚ずつ適切に引き剥がされる付箋紙を、或いは引き剥がされた付箋紙を、印刷に供することができる。すなわち、付箋紙への印刷の前後いずれにおいても、付箋紙を適切に引き剥がすことができる。
【0047】
【発明の実施の形態】
以下、添付の図面を参照して、本発明の一実施形態に係る付箋紙供給装置およびこれを備えた付箋紙プリンタついて説明する。この付箋紙プリンタは、パーソナルコンピュータ(以下、パソコン)等と接続して、パソコン等で作成された文字、図形、Eメールの内容などの各種データを付箋紙に印刷するものである。具体的には、付箋紙プリンタは、多数枚の付箋紙を部分糊付けして成る付箋紙束をセットし、セットした付箋紙束から付箋紙を一枚ずつ捲り上げると共に糊付け部分から引き剥がしながら先方へ送り出してゆくと同時に、パソコン上の各種データを印刷して、印刷済み付箋紙を作成するものである。
【0048】
図1は、付箋紙プリンタの外観を示す全体斜視図であり、図2は、付箋紙プリンタの装置ケースを省略して、内部の構造を示す斜視図である。両図に示すように、この付箋紙プリンタ1は、装置ケース2により外殻を形成したプリンタ本体3と、プリンタ本体3にセットした付箋紙束4とで構成されている。
【0049】
付箋紙束4は、多数枚の合同形状の付箋紙4aを、それらの同じ位置の裏面基端側の一部分を糊付けして積層したものである。付箋紙4aは、付箋紙束4から一枚ずつ剥離可能に構成されていると共に、剥離後に、この基部側の糊付け部4b(粘着剤)を介して、紙やファイルなどの被着体に対し再貼着可能に構成されている。
【0050】
装置ケース2は、全体として小型であって且つマウス形に形成され、下面には付箋紙束4をケース内部に下方から導入するための付箋紙導入開口5と、前面中央には印刷済み付箋紙4aをケース外部に送り出すための水平スリット状の付箋紙排出口6とが形成されている。また、装置ケース2には、外側の表面が装置ケース2の上面の一部を構成する開閉蓋7が取り付けられている。
【0051】
開閉蓋7は、後端部に内蔵したヒンジにより、上下方向に開閉自在に構成され、その内側には図3に示すように、インクリボンRを収容するリボンカートリッジ8が着脱自在に装着されている。この付箋紙プリンタ1は、付箋紙導入開口5から内部に導入した付箋紙束4から、最上位の付箋紙4aを一枚ずつ捲り上げ、これを糊付け部4bから引き剥がしながら斜め上方へ送ると共に、これにインクリボンRを介して印刷を行い、付箋紙排出口6から印刷面を上にした状態で排出する。
【0052】
なお、付箋紙排出口6廻りの構造は、排出される印刷済み付箋紙4aをここから落下させないように構成されている。これにより、印刷済み付箋紙4aの落下による裏面糊付け部4bへのゴミ付着を防止することができ、またユーザは、糊付け部4bに触れることなく付箋紙4aを先端側から把持して、付箋紙排出口6から取り出し、紙などの被着体に容易に貼り付けることができるようになっている。
【0053】
装置ケース2の内部には、プリンタ本体3のプリンタフレーム10が配設されており、プリンタフレーム10には、上側に位置し付箋紙4aに印刷を行うサーマルヘッド138を有する付箋紙印刷機構11と、付箋紙印刷機構11に対峙して下側に付箋紙束4をセットし、後述する摩擦ローラ52の回転によりセットした付箋紙束4から付箋紙4aを一枚ずつ捲り上げ且つ引き剥がすと共に、これを付箋紙印刷機構11に送って付箋紙排出口6から排出する付箋紙供給機構12と、が支持されている。
【0054】
プリンタフレーム10は、鉛直方向に延びる平板状のメインフレーム14と、メインフレーム14の下部に取り付けられ、平面視略「C」字状のサブフレーム15と、で構成されている。メインフレーム14には、付箋紙印刷機構11および付箋紙供給機構12の各構成部品が、主に片持ち支持されている。サブフレーム15は、メインフレーム14に平行に対面する連結板部16と、連結板部16の両端部をメインフレーム14側に折り曲げて形成した一対の側板部17とで構成され、側板部17の先端部をメインフレーム14と平行に内側に折り曲げた部分でメインフレーム14に固定されている。なお、サブフレーム15を装置ケース2で代用する構造としてもよい。
【0055】
付箋紙供給機構12は、下側に位置して付箋紙導入開口5に臨み付箋紙束4をセットする付箋紙ホルダ21と、付箋紙ホルダ21に臨んで摩擦ローラ52を有し付箋紙4aを捲り上げて引き剥がすように送り出す引剥し機構22と、後述する押え部112により捲り上げた付箋紙4aの下側に潜入して付箋紙束4を押える束押え機構23と、引剥し機構22および束押え機構23を連動させる動力伝達機構とを備えている。
【0056】
付箋紙ホルダ21は、メインフレーム14とサブフレーム15とで囲まれた開口部に不動に支持され、付箋紙束4を着脱自在に保持する。図4の分解斜視図に示すように、付箋紙ホルダ21は、付箋紙束4を水平に載置する方形のセットステージ31と、セットステージ31を上下方向にスライド自在に案内する四周枠状のホルダ本体32と、付勢部材34を介してセットステージ31を下側から支持する蓋体33とで構成されている。
【0057】
蓋体33は、外形がセットステージ31と略同形状に形成され、その四辺には固定部37が突出形成され、ホルダ本体32の下側開口に嵌合可能に構成されている。すなわち、蓋体33は、セットステージ31および付勢部材34を一体に支持して、これらをホルダ本体32に挿入した後、固定部37により、ホルダ本体32の下面にねじ止め固定される(図5および図6参照)。また、この状態で付箋紙導入開口5を閉塞し、その下面は装置ケース2の下面と面一になる。なお、かかるねじ止め固定式に代えて、フック形式の閉蓋構造を執ることも可能である。
【0058】
ホルダ本体32は、付箋紙4aの形状に対応して形成されており、その内面が付箋紙導入開口5に連通していて、蓋体33を介して付箋紙束4およびセットステージ31の導入(スライド)を案内する。また、ホルダ本体32は、セットされた付箋紙束4の長手方向の前後を位置決めする。ホルダ本体32の左右の両外側面には、4つの係合突起38がそれぞれ形成され、これに対応してメインフレーム14の下部およびサブフレーム15の連結板部16には、4つの係合孔39が形成されている(図4参照)。これにより、付箋紙ホルダ21がプリンタフレーム10に固定されている。なお、同図では、メインフレーム14側の係合孔39は、前後方向に水平スリット状に延在している。
【0059】
ホルダ本体32の上側開口の前後には、付箋紙束4の前端部(先端側または自由端側)および後端部(基端側または糊付け部4b側)を相対的に押える一対の位置規制部35,36が内向きに突設されている。すなわち、位置規制部35,36は、ホルダ本体32の上端部の内側に突出してこれに一体に設けられ、セットステージ31との間で付箋紙束4を水平姿勢で挟持するようにセットし、最上位の付箋紙4aを水平に且つセット位置(定位置)に位置規制している。なお、一対の位置規制部35,36の一方は、装置ケース2に突設されていてもよい。
【0060】
セットステージ31には、その載置面に付箋紙束4のセット方向を示す矢印状の表示部40が形成され、その矢先方向に付箋紙束4の自由端側が向くようにすることで、付箋紙束4が適切にセットされる。セットステージ31は、幅の異なる複数種類の付箋紙束4をセット可能に構成されており、本実施形態では、図2ないし図4に示すように、最小幅の付箋紙束4がメインフレーム14側に寄せてセットされている。なお、付箋紙束4のセットは、開閉蓋7を開放し、上方からセットステージ31を受けとして一対の位置規制部35,36間に嵌め込むようにして行われる。もっとも、蓋体33を取り外して行ってもよい。
【0061】
付勢部材34は、セットステージ31と蓋体33との間にあって、これらの四隅に配設した4つの(複数の)加圧ばね34aで構成されている。各加圧ばね34aの一方の端部は、セットステージ31の下面部に係止され、各加圧ばね34aの他方の端部は、蓋体33の上面部に係止されている(図5参照)。この4つの加圧ばね34aにより、蓋体33を受けとしてセットステージ31は、上方にバランス良く押圧付勢されている。
【0062】
すなわち、セットステージ31を介して付箋紙束4は、均等な力でセット位置(位置規制部35,36)に押し付けられている。したがって、付箋紙束4は、付箋紙4aが一枚ずつ引き剥がされて目減りしても、その最上位に位置する付箋紙4aの高さレベルは、常に定位置を維持される。なお、加圧ばね34aの個数はこれに限るものでなく、特に部品点数およびそのコスト削減を図る場合には、大きな2個の加圧ばねで構成すればよい。また、加圧ばね34aに代えたリンク機構により、セットステージ31を水平に且つバランス良く押圧付勢するようにしてもよい。
【0063】
次に、引剥し機構22について、図4を中心に、図2および図7を適宜参照して説明する。引剥し機構22は、駆動源となる駆動モータ51と、最上位の付箋紙4aに転接する上記の摩擦ローラ52と、駆動モータ51から摩擦ローラ52に回転動力を伝達する減速ギヤ列53と、摩擦ローラ52を回転自在に支持しこれを上下動させるピックアップユニット54と、を備えている。
【0064】
駆動モータ51は、整流子・ブラシ付きのDCモータで構成され、モータ収納ケース56に保持されてメインフレーム14の後上部に支持されている。駆動モータ51の出力軸には、ウォームギヤ57と、ウォームギヤ57の先端側に位置してパルス円板58とが固定されており、このパルス円板58に臨んでモータ収納ケース56の上部には、フォトインタラプタ59が組み込まれている。フォトインタラプタ59とパルス円板58とでエンコーダが構成され、このエンコーダの検出するパルス信号に基づいて、サーマルヘッド138の発熱駆動を制御している。
【0065】
摩擦ローラ52は、上側から付箋紙束4の先端側に臨んでおり、両端部をピックアップユニット54に両持ち支持されたローラ軸61と、ローラ軸61に回転自在に装着され付箋紙4aに直接接触するローラ本体62と、ローラ本体62と一体回転するローラギヤ63と、で構成されている。ローラ本体62は、ローラ軸61の一方の半部に寄せて配設され、ローラ軸61に回転自在に装着した樹脂製のコア部64と、コア部64の外周面に巻装したゴムロール65とで構成されている。
【0066】
ゴムロール65は、シリコンゴムなどの耐熱性を有する高摩擦材料で構成されている。これにより、摩擦ローラ52は、付箋紙4aに転接してこれを捲り上げる機能と、サーマルヘッド138と協働するプラテンローラの機能とを併有している。ローラギヤ63は、ローラ本体62のコア部64に隣接し且つこれと一体に形成されており、摩擦ローラ52は、ローラギヤ63が減速ギヤ列53を介して回転動力を伝達されることで、図2示において半時計周り方向に回転駆動する。
【0067】
減速ギヤ列53は、ウォームギヤ57に噛合する小伝達ギヤ66と(ウォームホイールと小平歯車)と、小伝達ギヤ66に噛合する中伝達ギヤ67と、中伝達ギヤ67に噛合する大きな入力ギヤ68(回転円板)とで構成され、これら各ギヤのピン軸は、メインフレーム14に片持ちで固定されている。入力ギヤ68には、摩擦ローラ52のローラギヤ63が噛み合っており、駆動モータ51の動力は、ウォームギヤ57、小伝達ギヤ66、中伝達ギヤ67、入力ギヤ68の順で伝達され、ローラギヤ63を介して摩擦ローラ52を回転させる。
【0068】
入力ギヤ68は、図7に示すように、メインフレーム14側の端面に形成した環状の端面カム溝71と、サブフレーム15側の端面に突設されその回転中心から外れた偏心ピン72とを有している。詳細は後述するが、端面カム溝71は、カムリンク部材82のカム突起103との間で端面カム機構を構成して、摩擦ローラ52を回動させ、一方、偏心ピン72は、押圧カム部材113のカム溝123との間で反対カム機構を構成して、押え部112を回動させている。
【0069】
ピックアップユニット54は、先端部に摩擦ローラ52を回転自在に両持ちで保持すると共に、基端部を中心に回動自在に構成された一対のピックアップアーム80(80a、80b)と、摩擦ローラ52を逃げて一対のピックアップアーム80の先端部を一体に連結する連結アーム81と、メインフレーム14側から入力ギヤ68に重なるように配設されピックアップアーム80を回動動作させるカムリンク部材82と、で構成されている。
【0070】
一対のピックアップアーム80は、メインフレーム14に回動自在に支持されたメインアーム80aと、サブフレーム15に回動自在に支持されたサブアーム80bとで構成されている。サブアーム80bは、基端部をサブフレーム15の連結板部16の上端軸部87に回動自在に軸支され、メインアーム80aは、基端部を入力ギヤ68のピン軸88を介してメインフレーム14に回動自在に軸支されている。
【0071】
すなわち、メインアーム80aは、入力ギヤ68を軸支する共有のピン軸88に基端部を軸支されている。このピン軸88と上端軸部87とは、摩擦ローラ52およびサーマルヘッド138に平行に且つ同一直線上に配設され、メインアーム80a、サブアーム80bおよび連結アーム81は、略逆「U」字状をなしている。
【0072】
メインアーム80aおよびサブアーム80bには、摩擦ローラ52のローラ軸61の両端部を支持する先端部に、上下方向(回動方向)に僅かに長孔状の軸受部91が形成されていると共に(図8参照)、各アームとローラ軸61との間には、ローラ軸61(摩擦ローラ52)を上方に付勢する支持ばね(図示省略)が介設されている。これにより、摩擦ローラ52は、ピックアップアーム80に対し相対的に僅かに移動自在に支持されることとなり、サーマルヘッド138を突当て方向に弾性的に押圧することができるようになっている。また、メインアーム80aには、延在方向の中間部から係合ピン95が外側(メインフレーム14側)に突出しており、この係合ピン95がカムリンク部材82のアーム係合部102に係合している(図7(b)参照)。
【0073】
カムリンク部材82は、メインアーム80aの基端側を入力ギヤ68との間で挟み込むようにして配設され、主要部をなすドーナツ状のリンク本体101と、リンク本体101に貫通形成した長穴のアーム係合部102と、リンク本体101の前面側に突設して入力ギヤ68の端面カム溝71に係合するカム突起103とを有している。リンク本体101は、中央部に貫通形成した本体挿通穴105に、入力ギヤ68(およびメインアーム80a)のピン軸88が十分な遊びをもって挿通され、図4示の右下端部をメインフレーム14に突設した回動支軸106に軸支されている。
【0074】
アーム係合部102には、メインアーム80aの係合ピン95が摺動自在に係合しており、リンク本体101が回動支軸106を中心に回動すると、アーム係合部102内を係合ピン95が相対的に微小移動し、メインアーム80aへの力の伝達が行われるようになっている。メインアーム80aへ力が伝達されると、連結アーム81を介してサブアーム80bが追従して、メインアーム80aと同方向に回動する。すなわち、メインアーム80aが、ピン軸88を支点とし且つ係合ピン95を力点として回動動作すると、摩擦ローラ52が、水平姿勢を保って回動動作、すなわち上下動することとなる。
【0075】
このとき、摩擦ローラ52は、ローラギヤ63と入力ギヤ68との噛合状態を維持する駆動回転状態のまま移動することとなる。すなわち、摩擦ローラ52は、ローラギヤ63が入力ギヤ68に対し衛星歯車的に機能(入力ギヤ68が太陽ギヤに、ローラギヤ63が衛星ギヤに、メインアーム80aがキャリアに対応)して、入力ギヤ68のピン軸88を中心として、駆動回転を維持しながら略上下方向に円運動することとなる(但し、衛星ギヤとして幾分減速される)。そして、摩擦ローラ52の円運動は、カム突起103および端面カム溝71から構成される端面カム機構により、往復(循環)の回動動作となるように規制されている。
【0076】
カム突起103は、端面カム溝71内を摺動可能に構成されたカムフォロアであり、この端面カム機構が、入力ギヤ68の回転動作をメインアーム80aの回動動作に変換している。すなわち、端面カム機構は、カムリンク部材82に対し、リンク本体101の右下端部(回動支軸106)を支点として、カム突起103に力点を構成させると共にアーム係合部102に作用点を構成させて、入力ギヤ68の回転力をカムリンク部材82を介してメインアーム80aの回動動作に変換して伝達している。
【0077】
この場合、端面カム溝71のカム曲線(プロファイル構成)は、付箋紙束4のセット空間を構成するべく、摩擦ローラ52のホーム位置を付箋紙束4から上方に僅かに離間した位置に設定している。そして、このカム曲線は、摩擦ローラ52をホーム位置から下動させて付箋紙束4に転接させると共に、上動させてサーマルヘッド138との間での印刷に供させ、印刷後に下動させてホーム位置に復帰させるとする、一連の動作となるように構成されている。すなわち、摩擦ローラ52が、ホーム位置と、付箋紙束4上の最上位の付箋紙4aの表面に転接する下動端位置である転接位置と、付箋紙束4から離間しサーマルヘッド138に当接する上動端位置である印刷位置との間を、循環移動するように構成されている。
【0078】
したがって、端面カム溝71は、摩擦ローラ52に対し、ホーム位置に臨ませるホーム溝部と、転接位置における動作を行わせる転接溝部と、印刷位置における動作を行わせる印刷溝部と、これらをそれぞれ結ぶ3つの移動溝部とで環状に連続させて形成されている。なお、図示では、各溝部の符号はいずれも省略している。
【0079】
これにより、端面カム機構は、図8に示すように、カム突起103が転接溝部内を相対的に摺動するときには、アーム係合部102の内側方向に係合ピン95を引き付けて、摩擦ローラ52を転接位置に臨ませる(同図(a)参照)。一方、カム突起103が、印刷溝部内を相対的に摺動するときには、アーム係合部102の外側方向に係合ピン95を引き付けて、摩擦ローラ52を印刷位置に臨ませる(同図(b)参照)。また、カム突起103が各移動溝部内を相対的に摺動するときには、摩擦ローラ52に対し、ホーム位置から転接位置への移動、転接位置から印刷位置への移動、印刷位置からホーム位置への移動を行わせている。
【0080】
このように、端面カム溝71を有する入力ギヤ68の一回転で、メインアーム80aに一の往復回動動作を行わせ、摩擦ローラ52に一連の上下方向の循環運動を行わせ、摩擦ローラ52による、付箋紙4aの捲り上げ、引き剥がし、印刷、および排出が行われている。
【0081】
より具体的には図13に示すように、端面カム機構により、摩擦ローラ52は、転接位置に移動してここで捲り上げ動作を開始し、続く印刷位置への上動時に捲り上げを終了し、印刷位置において付箋紙4aをサーマルヘッド138に押し付けると同時に印刷送りする。なお、印刷位置に上動したローラギヤ63を介して、後述するリボン巻取機構139に動力が入力され、摩擦ローラ52とサーマルヘッド138との間に挟まれた付箋紙4aおよびインクリボンRは、印刷のために併走する。
【0082】
また、詳細は後述するが、移動溝部により、摩擦ローラ52を付箋紙4aに対して離間移動させるタイミング、および摩擦ローラ52をホーム位置に復帰させるタイミングが、巧みに保たれて形成され、特に、転接溝部および印刷溝部間の移動溝部においては、摩擦ローラ52の離間移動により跳ね上げのための回転が相殺されるのを防止するために、摩擦ローラ52の上動が、一旦停止(待機)してなされるように構成されている。そして、摩擦ローラ52のこのような一連の動作に連動して、付箋紙4aの重ね引き剥がしを防止するように束押え機構23が動作するようになっている。
【0083】
束押え機構23について、図4を中心として、図2および図7を適宜参照して説明する。束押え機構23は、基端側を中心に回動自在に構成された一対の回動アーム111(111a,111b)と、一対の回動アーム111の先端側でこれらに支持されると共に捲り上げた付箋紙4aの下側に潜入して付箋紙束4を押える押え部112と、サブフレーム15側から入力ギヤ68に重なるように配設され回動アーム111を回動動作させる押圧カム部材113と、を有している。押え部112は、一対の回動アーム111の先端部を一体に連結支持する押え本体115と、押え本体115に揺動自在に両持ち支持された別体の押え補助部材110とで構成されている。
【0084】
この場合、押え部112は、一対の回動アーム111により、付箋紙束4に接触してこれを押圧する押圧位置と、付箋紙束4の先端から外側に外れて離間し且つ摩擦ローラ52のホーム位置より先端方向に外れたホーム位置と、の間を往復移動される(図9参照)。また、押え部112による付箋紙束4への押えは、押え補助部材110を従として、押え本体115により積極的になされるようになっている。
【0085】
一対の回動アーム111は、メインフレーム14に回動自在に支持された主アーム111aと、サブフレーム15に回動自在に支持された副アーム111bとで構成され、各アーム111a、111bはいずれも、アーム本体161と、アーム本体161から屈曲して延びる先端部のアーム延在部162とで構成されている。副アーム111bは、アーム本体161の基端部をサブフレーム15の連結板部16の前下部に回動自在に軸支され、主アーム111aは、アーム本体161の基端部をメインフレーム14に突設したピン(図示省略)を介してメインフレーム14に回動自在に軸支されている。
【0086】
そして、主アーム111aおよび副アーム111bの軸支点は、摩擦ローラ52等に平行に且つ同一直線上に配置され、主アーム111a、副アーム111bおよび押え本体115からなる押え側アーム部は、図2に示すように、一対のピックアップアーム80および連結アーム81から成る引剥し側アーム部から外側に逃げて(先端側に位置ずれして)、略逆「U」字状をなしている。また、主アーム111aおよび副アーム111bのアーム延在部162が、押え本体115に一体に連続している。
【0087】
押え本体115は、両アーム延在部162の間に亘って延在し且つこれらを連結する連結アーム部164と、連結アーム部164の中間部に位置する直方体形状の押えブロック部165と、連結アーム部164の両端部に位置して押えブロック部165に所定の間隙を存して臨む一対の支持部166と、で一体に構成されている。
【0088】
押えブロック部165は、その上面が連結アーム部164および支持部166の上面と面一になり、この上面に連なる摩擦ローラ52側の後面が、支持部166の正面視略「L」字状の後面に面一になって、押え補助部材110とともに付箋紙束4を押圧する平坦な押圧面116を構成している。押えブロック部165に臨む一対の支持部166の先端には、押え補助部材110を揺動自在に支持する一対の支持ピン114が内向きに(間隙に向かって)突設されている。
【0089】
押え補助部材110は、各基端部を一対の支持ピン114に揺動自在に支持された一対の揺動アーム117と、一対の揺動アーム117の先端部を一体に連結する押圧片部118とで構成され、押圧片部118が付箋紙束4に接触してこれを押圧する。この場合、押え補助部材110は、揺動アーム117と押え本体115との関わり合いにより、押圧片部118が後側(付箋紙束4の基端側)へとやや傾斜した傾斜姿勢と、傾斜姿勢から上方に回動して付箋紙束4に対し平行な水平姿勢との間で、回動範囲が規制されている。
【0090】
押え補助部材110の傾斜姿勢は、より厳密には、押え補助部材110が押圧位置に移動して押圧片部118が付箋紙束4に接触するときの、回動アーム111の略接線方向に沿ったものである。したがって、回動アーム111の回動により、ホーム位置から押圧位置に移動した押え補助部材110は、先ず、傾斜姿勢の状態で押圧片部118が付箋紙束4に当接し、続いて、揺動アーム117の前部が付箋紙束4に当接するように下動して水平姿勢となる(図9参照)。
【0091】
いいかえれば、押圧位置を除くホーム位置等における押え補助部材110は、図2示時計回り方向への回動を、揺動アーム117の基端側の前端部が連結アーム部164の後面に当接することで回動規制されて、傾斜姿勢となる。一方、押圧位置における押え補助部材110は、図2示反時計回り方向への回動を、揺動アーム117の基端側の後端部に上向きに突設した規制部位118aが、連結アーム部164の上面に当接することで回動規制され、付箋紙束4に平行な水平姿勢となる。
【0092】
したがって、押え補助部材110の付箋紙束4を押さえ込む押え込み動作においては、押圧片部118が付箋紙束4の糊付け部4bに向かって差し込むように回動してゆき、付箋紙束4を下方に押さえ込むこととなる。また同時に、付箋紙束4は、押えブロック部115の押圧面116により下方に押さえ込まれることとなる。このように、付箋紙束4は、押えブロック部115により積極的に押えられると共に、押え補助部材110により糊付け部4bの近傍を押えられる。これにより、付箋紙4aの引き剥がし角度が小さくても、付箋紙束4の糊付け部4b近傍を特に有効に押えることができ、また同時に、付箋紙4aの引剥し力を軽減することができる。
【0093】
そして、押え部112の往復動は、すなわち回動アーム111の回動動作は、主アーム111aのアーム本体161の中間部に貫通形成した長穴の押え側アーム係合部119内を、押圧カム部材113の押え側係合ピン122が摺動することで行われている。
【0094】
押圧カム部材113は、主要部をなすカム本体121と、カム本体121からサブフレーム15側に突設した押え側係合ピン122と、カム本体121の正面中央部を刳り貫いて形成したカム溝123と、カム本体121の下端部をメインフレーム14側に折り曲げたスライド部124とを有し、前後方向にスライド移動自在に構成されている。スライド部124は、入力ギヤ68の下側を跨いで延在すると共に、その先端部がメインフレーム14のガイド溝(図示省略)に摺動自在に係合している。これにより、メインフレーム14に支持されたカム本体121は、付箋紙束4に対し平行にスライド移動するのを案内される。
【0095】
押え側係合ピン122は、カム本体121から主アーム111a側に延設した腕部126の先端に突設されており、主アーム111aの押え側アーム係合部119に摺動自在に係合している。これにより、カム本体121がスライド移動すると、押え側係合ピン122が押え側アーム係合部119内を相対的に微小移動し、主アーム111aへの力の伝達が行われる。そして、主アーム111aへ力が伝達されると、押え本体115の連結アーム部164を介して副アーム111bが追従して、主アーム111aと同方向に回動し、押え部112の往復動が行われることとなる。
【0096】
カム溝123は、カム本体121の中央部を鉛直方向に長く貫通して形成されており、入力ギヤ68の偏心ピン72がカム溝123に沿って摺動可能に係合している。すなわち、カム溝123および偏心ピン72から上記の反対カム機構が構成され、偏心ピン72がカム溝123に沿って摺動するカムフォロアとなり、入力ギヤ68の回転動作を主アーム111aの回動動作に変換している。すなわち、反対カム機構は、入力ギヤ68の回転力を押圧カム部材113を介して、主アーム111aの回動動作に変換して伝達している。
【0097】
この場合、カム溝123のカム曲線は(プロファイル構成)は、押え部112がホーム位置と押圧位置との間を往復動するように構成されており、カム溝123は、図9に示すように、鉛直方向の両端側に形成した上溝部130および下溝部131と、上溝部130および下溝部131を結ぶ押え側係合ピン122側の非伝達溝部132と、非伝達溝部132に対向する押圧溝部133とで、略環状に連続させて形成されている。
【0098】
したがって、反対カム機構は、同図(a)に示すように、下溝部131に係合する偏心ピン72が図示左下端部に位置するときには、押え部112をホーム位置に臨ませた状態とする。また、偏心ピン72は、下溝部131から外れて上溝部130に係合するまでの非伝達溝部132での摺動においても、押え部112をホーム位置に臨ませた状態とする。偏心ピン72が上溝部130に係合すると、偏心ピン72は、その係合状態を維持しながら押圧カム部材113を右側にスライド移動させ、押え部112を押圧位置に向かって移動させる(同図(b)参照)。
【0099】
押圧溝部133を摺動する偏心ピン72は、押圧カム部材113をさらに右側に引き付けて、押え部112を押圧位置に臨ませ且つ押圧位置下方へと臨ませるようにする。これにより、付箋紙束4を一層押えている。そして、偏心ピン72は、同図右下端部の位置で、押圧溝部133から外れて下溝部131に移行し、続いて、下溝部131に係合状態を維持しながら押圧カム部材113をもとの左側にスライド移動させ、押え部112をホーム位置に臨ませる。
【0100】
このように、偏心ピン72を有する入力ギヤ68の一回転で、主アーム111aに一の往復回動動作を行わせ、押え部112にホーム位置と押圧位置との間での一の往復動を行わせている。詳細は後述するが、このカム溝123により、押え部112を押圧位置から復帰させるタイミング、すなわち押え部112を付箋紙束4から離間させるタイミング、および押え部112をホーム位置から移動させるタイミングが、摩擦ローラ52の一連の動作のタイミングと巧みに調整されている。
【0101】
なお、上溝部130および下溝部131は、偏心ピン72が入力ギヤ68の最上位置および最下位置に達したときを考慮した逃げ溝が一体に設けられている。これにより、押圧カム部材113のスライド移動が円滑になされるようになっている。また、上溝部130と押圧溝部133との間の内側に段状に突出した部分において、押え補助部材110を下側に押し込むように作用させ、このときに、押え補助部材110を水平姿勢へと回動させるようにしている。
【0102】
また、上述のように、引剥し機構22および束押え機構23を連動させている動力伝達機構は、単一の駆動モータ51からの動力を引剥し機構22および束押え機構23にそれぞれ伝達しているものである。具体的には、動力伝達機構は、減速ギヤ列53と、入力ギヤ68の両端面が構成する端面カム機構および反対カム機構とからなり、駆動モータ51からの動力を引剥し機構22および束押え機構23に分岐して伝達している。
【0103】
次に、付箋紙印刷機構11について、図2ないし図5を参照して説明する。付箋紙印刷機構11は、これらの図に示すように、メインフレーム14に固定した部分フレーム137と、部分フレーム137に一体的に設けたサーマルヘッド138と、リボンカートリッジ8のインクリボンRを巻き取るリボン巻取機構139と、を有している。
【0104】
サーマルヘッド138は、発熱素子を列設したヘッド本体140(図5参照)と、ヘッド本体140を支持するヘッドホルダ141とで構成され、ヘッドホルダ141は、部分フレーム137を水平に折り曲げることで形成されている。なお、発熱素子の列設長さは、最小幅或いは最大幅の付箋紙4aに対応させることが好ましい。実施形態のように最小幅とした場合には、最大幅の付箋紙4aの非印刷部分は、手書き用のスペース(余白)となる。
【0105】
部分フレーム137には、サーマルヘッド138に近接し且つこれと平行にガイドローラ142が取り付けられている。ガイドローラ142は、部分フレーム137に片持ちで支持固定されたガイドローラ軸143と、ガイドローラ軸143に自由回転可能に軸支されたガイドローラ本体144とで構成されている。ガイドローラ142は、印刷位置に上動した摩擦ローラ52の回転を受けて従動回転し、摩擦ローラ52との間で付箋紙4aを挟んで回転送りする。
【0106】
部分フレーム137は、一対の脚片145を介してメインフレーム14に固定されており、この両脚片145間の間隙に臨むように部分フレーム137には、円形の嵌合孔146が貫通形成されている。そして、両脚片145間にリボン巻取機構139の主用部が内包され、且つこの嵌合孔146から、リボン巻取機構139のリボン巻取軸150がサーマルヘッド138に平行に突出している。
【0107】
リボン巻取機構139は、リボンカートリッジ8のリボン巻取リール159に係合するリボン巻取軸150と、リボン巻取軸150に基部に一体に固着したリボン巻取ギヤ151と、リボン巻取軸150およびリボン巻取ギヤ151を回転自在に支持する第1ピン軸152と、リボン巻取ギヤ151に噛み合う巻取中間ギヤ153と、巻取中間ギヤ153を回転自在に支持する第2ピン軸154と、を備えている。
【0108】
第1ピン軸152および第2ピン軸154は、相互並行に且つ片持ちでメインフレーム14に固定されている。巻取中間ギヤ153は、リボン巻取ギヤ151に噛み合う小ギヤ155と、摩擦ローラ52のローラギヤ63に噛み合う大ギヤ156と、で一体に形成されている。上述のように、リボン巻取機構139への動力は、印刷位置に上動した摩擦ローラ52のローラギヤ63から入力し、インクリボンRの巻き取りが行われる。
【0109】
リボンカートリッジ8は、平面視略長円形に形成された2分割構造のカートリッジケース157により外郭を形成されている。カートリッジケース157の内部には、図13に示すように、インクリボンRを繰り出し自在に巻回したリボン繰出リール158と、インクリボンRを巻き取るリボン巻取リール159とが回転自在に収容されている。リボン繰出リール158は、自由回転可能に構成され、リボン巻取リール159は、リボン巻取軸150に係合して駆動回転し、リボン繰出リール158から繰り出したインクリボンRを巻取走行させる。
【0110】
リボン繰出リール158とリボン巻取リール159との間のカートリッジケース157の下面には、付箋紙ホルダ21の開口に対峙すると共に、サーマルヘッド138が臨むヘッド開口が形成されている(図示省略)。インクリボンRは、リボン繰出リール158から繰り出され、サーマルヘッド138の下側を迂回するようにして一旦ヘッド開口に臨み、サーマルヘッド138の位置で付箋紙4aと重なって併走した後、リボン巻取リール159に巻き取られる。すなわち、摩擦ローラ52とサーマルヘッド138との間で、付箋紙4aとインクリボンRとを挟み込み、これらを同方向に送りつつ発熱素子の発熱駆動により付箋紙4aに印刷が行われる。
【0111】
次に、付箋紙プリンタ1とパソコンPCとからなる付箋紙印刷システムについて、図10ないし図12を参照して説明する。パソコンPCは、データを入力可能なキーボード170と、キーボード170により入力されたデータを表示するモニター171と、モニター171に表示されたデータを指定・選択するマウス172とを備えており、CD−ROM173等の外部記録媒体を挿入可能に構成されている。
【0112】
そして、USBあるいはケーブルで入出力端子間をパソコンPCと接続した付箋紙プリンタ1は、パソコンPCでモニター171を参照しながらキーボード170で入力・編集して作成する印刷データに対し、あるいはインターネット情報やEメールの内容等の既存の作成済み印刷データに対し、マウス172により印刷領域を指定・選択して、印刷指令を出すことで、指定・選択した印刷データ186を付箋紙4aに印刷し、印刷済み付箋紙4aを作成する。
【0113】
パソコンPCの主制御部は、図11に示すように、各種の制御を行うCPU180と、ROM181と、RAM182と、外部記録媒体としてのCD−ROM173と、P−CON183とを備えており、これらは互いにバス184を介して接続されている。ROM181は、CPU180で処理する制御プログラムや制御データを記憶する領域を有している。RAM182は、制御処理のための各種作業領域として使用される。また、CD−ROM173には、付箋紙プリンタ1に関するアプリケーションソフトやデバイスドライバ等の各種データが記憶されている。
【0114】
P−CON183には、CPU180の機能を補うと共に周辺回路との信号を取り扱うための論理回路が組み込まれており、キーボード170、モニター171、およびマウス172などがドライバを介して接続され、さらに付箋紙プリンタ1が接続されている。付箋紙プリンタ1との関係において、CPU180は、CD−ROM173内の付箋紙印刷のためのプログラムに従って、P−CON183を介して各種検出信号、各種指令、各種データ等を入力し、ROM181およびRAM182内の各種データ等を処理し、P−CON183を介して付箋紙プリンタ1に制御信号を出力する。すなわち、このパソコンPCからの制御信号により、付箋紙プリンタ1では、サーマルヘッド138および駆動モータ51が制御される。
【0115】
この付箋紙プリンタ1をユーザがパソコンPCと通信接続して使用する場合、先ず、付箋紙プリンタ1とパソコンPCとをUSB等で相互に接続する。次に、セットステージ31のセット方向の表示に従って、付箋紙束4をセットステージ31に載せ、付箋紙ホルダ21のセット位置にセットする。
【0116】
また、これに相前後して、開閉蓋7を開閉操作して、リボンカートリッジ8を装着する。このとき、リボンカートリッジ8のヘッド開口をサーマルヘッド138に案内して、リボンカートリッジ8を装着すると、ヘッド開口から幾分弛みをもって引き出しておいたインクリボンRがサーマルヘッド138の下側に位置し、且つリボン巻取リール159がリボン巻取軸150に係合する。これにより、付箋紙プリンタ1は、印刷待機状態となる。
【0117】
この状態で、パソコンPCを操作して、所望の印刷データを作成・選択し、印刷実行を指令する。例えば、図12に示すように、モニター171の画面上に表示されたテキスト186aあるいはオブジェクト186bからなる印刷データ186のうち印刷したい必要な領域を、マウス172により選定すると共に、これをドラッグしてモニター171の画面上に予め設定したアイコン187にドロップする。すると、付箋紙4aへの印刷が指示され、付箋紙4aに熱転写による印刷が行われ、所望の印刷済み付箋紙4aが付箋紙排出口6から排出される。なお、パソコンPCでは、付箋紙プリンタ1におけるリボンカートリッジ8の有無、付箋紙束4の有無および種類の検出結果をモニター171で確認できるようになっている。
【0118】
ここで、図13を参照して、摩擦ローラ52および押え部112の一連の動作について簡単に説明する。同図(a)に示すように、印刷待機状態において、摩擦ローラ52は、付箋紙束4から上方に離間したホーム位置に位置し、また押え部112は、付箋紙束4からその先端側方向に外れたホーム位置に位置している。駆動モータ51の駆動回転により、摩擦ローラ52は、回転しながらホーム位置から転接位置へと移行し、付箋紙束4の最上位の付箋紙4aの表面に接触して、付箋紙捲り上げ動作を開始する(同図(b)参照)。摩擦ローラ52が回転すると、最上位の付箋紙4a(の自由端側)のみ、先端側の位置規制部35から引き出され、その長手方向の中間部が次第に上方へと湾曲するように撓んでゆく。
【0119】
そして、捲り上がってゆく付箋紙4aの先端が摩擦ローラ52の下側を通過した直後に、摩擦ローラ52を回転させながら上動させ、付箋紙束4から離間させると、付箋紙4aは、摩擦ローラ52の回転力により、その上側に撥ね上げられ、摩擦ローラ52に乗り上げる(同図(c)および(d)参照)。すなわち、付箋紙4aは、一旦撓んでから先端から撥ね上げられ、その先端部が摩擦ローラ52の上側に回り込んでこれに載ることとなる。
【0120】
この捲り上げ動作の際に、同図(c)に示すように、摩擦ローラ52が最上位の付箋紙4aにのみしか転接しないように、付箋紙4aの先端を撥ね上げる直前に、摩擦ローラ52を移動させるようにしている。より厳密には、撓んでゆく付箋紙4aの先端が摩擦ローラ52の下側を通過し、且つ摩擦ローラ52の下部接点P1が次の付箋紙に接触する前に、摩擦ローラ52を上動させている。このような摩擦ローラ52の移動タイミングを端面カム機構で調整しているため、付箋紙4aを捲り上げると同時にその直下の付箋紙4aをも重ねて捲ることがないようになっている。
【0121】
そして、同図(d)に示すように、摩擦ローラ52の上動は、付箋紙束4から僅かに離間した待機位置で一旦停止すると共に、回転が維持される摩擦ローラ52は、この待機位置で付箋紙4aを先端から撥ね上げて、その先端部を載せている。すなわち、付箋紙4aは、待機位置での摩擦ローラ52の回転により、摩擦ローラ52の上側に乗り上げられることで斜め先上がり状態になった後、次のタイミングで、印刷位置に向かって上動する摩擦ローラ52により、大きな角度で傾斜してゆくこととなる(同図(e)参照)。
【0122】
なお、付箋紙4aの性状および/または摩擦ローラ52の摩擦特性によっては、撓んでゆく付箋紙4aの先端部が摩擦ローラ52の周面につかえた直後に、摩擦ローラ52を離間移動させるようにしてもよい。この移動タイミングでも、付箋紙4aの先端部が摩擦ローラ52の周面に引っかかる結果、摩擦ローラ52の回転により、付箋紙4aが先端側から撥ね上がるため、付箋紙4aを1枚ずつ適切に捲り上げることができる。
【0123】
付箋紙4aを載せた摩擦ローラ52が、待機位置から印刷位置に上動(自転および公転しながら上動)してゆく際に、ホーム位置に待機していた押え部112が、押圧位置へとゆっくりと移動を開始してゆく(同図(f)参照)。押え部112は、上動する摩擦ローラ52を回避するように、摩擦ローラ52の下側を通過し、捲り上がって傾斜した付箋紙4aの下側に潜入してゆく(同図(g)参照)。そして、摩擦ローラ52が印刷位置に達する直前に、押え部112は、押圧位置に移動し、回動して糊付け部4b側へと差し込んだ押圧補助部材110(の押圧片部118)が押えブロック部115と共に付箋紙束4の基端側を押える(同図(h)参照)。
【0124】
押え部112の移動完了に続いて、摩擦ローラ52は、サーマルヘッド138およびガイドローラ142との間に付箋紙4aを挟持するようにこれらに接触する。このとき、ローラギヤ63を介して付箋紙印刷機構11に動力が入力される(同図(i)参照)。そして、押え補助部材110が、押えブロック部115と共に付箋紙束4を下方に押圧した状態で、摩擦ローラ52は、付箋紙束4に対し鋭角方向に大きく傾斜した付箋紙4aを、その糊付け部4bから引き剥がすように斜め先方に送り出してゆくと同時に、適宜発熱駆動するサーマルヘッド138と協働して、インクリボンRのインクが熱転写して付箋紙4aに印刷が行われる。
【0125】
したがって、付箋紙4aが糊付け部4bから引き剥がされて尾端側の位置規制部36から引き出されるときには、一対の位置規制部35,36で付箋紙束4を位置規制し且つ押え部112で付箋紙束4の基端側を上方から押圧した状態となる。これにより、付箋紙束4を安定にセットしておいた状態で且つ付箋紙4aを一枚ずつ引き剥がすことができる。なお、付箋紙4aが糊付け部分4bから引き剥がされるときには、付箋紙束4の尾端側は位置規制部36から幾分引き出されるが、引き剥がしが完了すると元の位置に復帰する。
【0126】
印刷途中で完全に引き剥がされた付箋紙4aは、さらに摩擦ローラ52およびガイドローラ142により、その印刷済み部分から付箋紙排出口6に向かって送り出されてゆく(同図(j)参照)。そして、付箋紙4aへの印刷完了に先立ち、押え部112は、付箋紙束4から離間してこの押圧状態を解除し、印刷位置の摩擦ローラ52の下側を回避するように通過して、ホーム位置に向かって移動してゆく(同図(k)参照)。
【0127】
そして、押え部112がホーム位置に復帰し、印刷を完了した付箋紙4aが付箋紙排出口6から外部に送り出されると、次のタイミングで、摩擦ローラ52は、印刷位置から退避してホーム位置へと復帰する(同図(l)参照)。このとき、摩擦ローラ52が付箋紙印刷機構11から離間するため、歯車連結が解除されインクリボンRの走行も停止する。
【0128】
このように、本実施形態の付箋紙プリンタ1によれば、摩擦ローラ52の一連の回転駆動およびこれに連動した押え部112の潜入動作により、セットした付箋紙束4から付箋紙4aを一枚ずつ適切に捲り上げ、付箋紙束4を押えた状態で引き剥がしながら送ると共に、印刷を行い、その後、プリンタ1外に排出することができる。これにより、付箋紙束4のセット状態を安定に維持しながら、一枚ずつ適切に引き剥がされて所望の印刷データを印刷した付箋紙4aを、簡単に作成することができる。
【0129】
なお、付箋紙印刷機構11に設けたガイドローラ142は、摩擦ローラ52とサーマルヘッド138との間で、付箋紙4aを引き剥がして送り出すことができる十分な摩擦力を奏させることで省略してもよい。また、本実施形態の付箋紙束4に代え、付箋紙4aの基端側の端面のみを糊付けして積層した形式の付箋紙束であってもよい。さらに、付箋紙4aを感熱式のものとして構成し、リボンカートリッジ8を不要とする構成にしてもよい。
【0130】
また、付箋紙ホルダ21において、付箋紙導入開口5を装置ケース2の下面に設けたが、これを装置ケース2の前面下部に設けてもよい。すなわち、付箋紙ホルダ21を付箋紙プリンタ1に対し引き出し形式として構成してもよい。
【0131】
なおまた、押圧片部118を、揺動アーム117の先端部に回転自在に支持したローラで構成してもよいし、さらには押圧ブロック部165もローラで構成してもよい。すなわち、押え部112をローラで構成することはもちろん、この押え部112の形状自体、上記に限定されるものでない。
【0132】
また、図14に示すように、摩擦ローラ52を付箋紙束4の先端側に配置するのに代え、その長手方向の中間位置に配置してもよい。この場合には、転接位置で摩擦ローラ52が回転すると、最上位の付箋紙4aは、次の付箋紙との間ですべりを生じながら、糊付け部4bに向かって大きく湾曲して撓んでゆく。すなわち、付箋紙4aは、略「Ω」字状に撓み、この撓みに基づいて摩擦ローラ52に突っ張るように接触する。そして、この状態で(「Ω」字状に撓んだ直後に)、摩擦ローラ52を上動させることで、付箋紙4aを確実に捲り上げることができる。
【0133】
次に、他の実施形態に係る複数の付箋紙供給機構12について、図15ないし図18を参照して説明する。これらの複数の実施形態では、上記実施形態とは、付箋紙束4の糊付け部4b側に位置する位置規制部36の構造が異なっており、この位置規制部36(押圧部材)は、付箋紙4aの引き剥がしに抗するように付箋紙束4の糊付け部4bを上側から押えていると共に、付箋紙4aを鋭角方向に引き剥がす際の、引き剥がしのための角度(引剥し角度)を許容した状態としている。これにより、付箋紙4aを位置規制部36から引き出しやすくなり、付箋紙束4を安定にセットしつつ、付箋紙4aの重ね引剥しを有効に防止することができるようになっている。なお、束押え機構23を省略した構造としたが、もちろんこれを併用した構造としてもよい。
【0134】
図15に示す第2実施形態に係る位置規制部36は、ホルダ本体32の上端部から内側に突出してこれに一体に形成され、糊付け部4bの基端側を押える押圧部191と、押圧部191から先端側に延び付箋紙4aの斜め先上がりを非押圧状態で許容する非押圧部192と、押圧部191から基端側へと付箋紙束4に対し非押圧状態で延びホルダ本体32の上端部に連なる離間部193とで一体に構成されている。押圧部191は、付箋紙束4に対し幅方向に亘って略線状に接触し、先端側の位置規制部35と共にセットステージ31との間で付箋紙束4を挟持する。一方、非押圧部192は、付箋紙束4に非接触状態で延在していると共に、その下面が、斜め先上がりに傾斜して引剥し角度を許容している。
【0135】
これにより、付箋紙4aを斜め先方の鋭角方向に引き剥がしてゆくと、付箋紙4aは、その上面を非押圧部192の下面に案内されながら、糊付け部4bから粘着性を解除されて次第に剥されてゆき、押圧部191に接する部分でのみ下方に押えられた状態となる。このため、付箋紙4aの押え面積が小さくなり引剥し易くなる。また、非押圧部192が押圧部191から、先端側に張り出しているため、引き剥がしに伴って、付箋紙束4が位置規制部36による押えから外れること(上方への離脱)を有効に防止することができる。
【0136】
図16に示す第3実施形態に係る位置規制部36は、付箋紙束4に転接する押えローラ195で構成されている。押えローラ195は、ホルダ本体32の上端部に両持ち支持されたローラ軸196と、ローラ軸196に回転自在に装着したローラ本体197とで構成され、ローラ本体197が付箋紙束4にその幅方向に亘って接触している。
【0137】
これにより、付箋紙4aを引き剥がしてゆくと、押えローラ195が図示時計回り方向に回転することとなる。したがって、付箋紙4aの引剥し角度を許容しつつ、その引き剥がしを促進することができるため、摩擦ローラ52の引き剥がしトルクも小さくすることができる。また、線状に転接するローラ本体197の接触部分(押え部分)から、付箋紙束4に対し非接触状態で先端側に延在しているため、付箋紙束4を上側から有効に押えることができる。
【0138】
この場合、同図(b)の概念図に示すように、押えローラ195を下方に付勢した状態としてもよい。これにより、押えローラ195は上下方向に移動自在となり、付箋紙束4を確実に押えた状態で、引き剥がしを一層促進することができる。なお、この構造は、例えば、上記した摩擦ローラ52とピックアップアーム80との間に設けた構造を適用することで構成することができる。
【0139】
図17に示す第4実施形態に係る位置規制部36は、後部203をホルダ本体32の上端部に回動自在に支持された押え片201と、押え片201を付箋紙束4に向かって付勢する押え用ばね202とを有している。押え片201は、後部203を中心として上下方向に開閉自在となり、付箋紙束4の幅方向に亘って延在している。
【0140】
したがって、付箋紙4aの引き剥がし時には、その外力により押え片201は、押え用ばね202に抗して前部204が付箋紙束4の表面から逃げるように上方に回動して、引剥し角度を許容すると共に、後部203で糊付け部4bの基端側を押えた状態とする(同図(b)参照)。また、引剥し後には、押え用ばね202により押え片201は、前部204が下方に回動復帰して、前部204から後部203に亘った面で付箋紙束4を押えた状態とする(同図(a)参照)。
【0141】
また、図18に示す第5実施形態に係る位置規制部36は、ホルダ本体32の上端部に一体形成されたばね性を有する押え爪片207で構成さている。押え爪片207は、下面が付箋紙束4の糊付け部4bに面接触していると共に、先端側に延びるにつれて薄肉に形成されている。
【0142】
したがって、付箋紙4aの引剥し時には、その外力により押え爪片207は、自身のばね性に抗して前部204が付箋紙束4の表面から逃げるように上方へと撓み、引剥し角度を許容すると共に、後部203で糊付け部4bの基端側を押えた状態とする(同図(b)参照)。そして、引剥し後には、自身のばね性により押え爪片207は、撓みが解消されて、前部204から後部203に亘る下面で付箋紙束4を押えた状態とする(同図(a)参照)。
【0143】
このように、第4および第5実施形態に係る位置規制部36によれば、付箋紙4aの引き剥がしに伴って、引き剥がしの外力によりその引剥し角度に追従するように、位置規制部36の前部204(引剥し許容部)が斜め先上がりに角度変化して、糊付け部4bの面接触が解かれ、且つ後部203(押圧部)が糊付け部4bの基端側を略線接触状態で押えることができることとなる。
【0144】
図19は、第3実施形態の変形例を示している。本実施形態では、付箋紙ホルダ21の構造が異なるものとなっており、付箋紙ホルダ21は、略引剥し方向(前後方向)に付箋紙束4を相対的に移動自在にセットすると共に、付箋紙束4の基端側の移動端位置を位置規制可能に構成されており、付箋紙束4を基端側に向かって付勢するコイルばね210から成るサブ付勢部材を更に備えている。
【0145】
具体的には、付箋紙ホルダ21のホルダ本体32は、セットステージ31および付箋紙束4に対し前後方向に長く形成されており、その内側面で、セットステージ31を幅方向にのみ位置規制して上下方向および前後方向のスライド移動を案内する。コイルばね210の一端はセットステージ31の下端部に係止され、他端はホルダ本体32の押えローラ195側の内側面に係止され、これにより、セットステージ31が後方に向かって付勢されている。すなわち、このコイルばね210により、セットステージ31は、前後方向に移動自在となると共に、その後側の移動がホルダ本体32の内側面に当接することで規制されている。
【0146】
したがって、付箋紙4aを引き剥がしてゆくと、その引剥し力により押えローラ195が回転すると共に、付箋紙束4がコイルばね210のばね力に抗して先端側へとセットステージ31に載置された状態でスライド移動される(同図(b)参照)。これにより、引き剥がし時において、付箋紙束4の押え位置を糊付け部4bの基端側へと移動させることができるため、付箋紙4aがより引き出され易くなる。なお、サブ付勢部材をコイルばね210で構成したが、ホルダ本体32に一体成形された板状のばねで構成してもよい。
【0147】
なおまた、この場合の位置規制部36が押えローラ195に限るものでないことは言うまでもない。すなわち、付箋紙ホルダ21を上記各実施形態に適用することで、例えば、第2実施形態では押圧部191は、付箋紙4aの引き剥がしに伴う付箋紙束4の非押圧部192側へのスライドを許容し、第4および第5実施形態では、付箋紙束4の引剥し許容部(位置規制部36の前部204)側へのスライドを許容する。
【0148】
ところで、上記各実施形態の付箋紙供給機構12は、印刷前のみの使用に限らず、印刷後の付箋紙の捲り上げ・引き剥がしに適用してもよい。たとえば、本出願人が先に出願した特願2000−243609号に記載の付箋紙プリンタにおいて、ユーザに委ねた印刷済み付箋紙の引き剥がしを、上記各実施形態の付箋紙供給機構に適用することができる。これにより、ユーザに煩雑な作業を強いずにすむようになる。
【0149】
【発明の効果】
本発明の付箋紙供給装置によれば、捲り上げた付箋紙を迂回するようにして、その下側に潜入して付箋紙束を押えているため、付箋紙束のセット位置を適切に維持しつつ、付箋紙を一枚ずつ引き剥がすことができる。また、付箋紙束の表面廻りが煩雑化しないため、引き剥がしの前提となる付箋紙の捲り上げにも支障をきたすことがない。
【0150】
本発明の他の付箋紙供給装置によれば、押圧部材が、捲り上げた付箋紙の引き剥がし角度を許容しつつ、この付箋紙を含めて付箋紙束の基端側を押えているため、付箋紙の引き剥がしを問わず、付箋紙束をセット位置に安定して臨ませることができると共に、付箋紙の一枚ずつの引き剥がしを円滑且つ確実に行うことができる。
【0151】
本発明の付箋紙プリンタによれば、セットした付箋紙束に対する一連の機構動作により、或いは押圧部材の作用により、自由端側から捲り上げた付箋紙を一枚ずつ適切に引き剥がすことができるため、これに相前後して所望の印刷データの印刷に、付箋紙を適切に供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係る付箋紙プリンタの全体斜視図である。
【図2】付箋紙プリンタの装置ケースを省略して内部の構造を示す斜視図である。
【図3】図2において、リボンカートリッジを装着した付箋紙プリンタの斜視図である。
【図4】付箋紙プリンタの内部の構造を示す分解斜視図である。
【図5】付箋紙プリンタの装置ケースを省略して内部の構造を示す部分断面正面図である。
【図6】付箋紙プリンタの底面図である。
【図7】付箋紙供給機構廻りの斜視図である。
【図8】端面カム機構および反対カム機構による動作を示す付箋紙供給機構廻りの正面図である。
【図9】図8において、裏側から見た付箋紙供給機構廻りの正面図である。
【図10】パーソナルコンピュータと付箋紙プリンタとをリンクさせた状態を示す説明図である。
【図11】パーソナルコンピュータと付箋紙プリンタとをリンクさせた状態のブロック図である。
【図12】パーソナルコンピュータによるモニター画面上での操作を示す説明図。
【図13】付箋紙供給機構による一連の動作を示す流れ図である。
【図14】付箋紙供給機構の変形例を簡略化して示す説明図である。
【図15】第2実施形態にかかる付箋紙供給機構廻りを簡略して示す正面図である。
【図16】第3実施形態にかかる付箋紙供給機構廻りを簡略して示す正面図である。
【図17】第4実施形態にかかる付箋紙供給機構廻りを簡略して示す正面図である。
【図18】第5実施形態にかかる付箋紙供給機構廻りを簡略して示す正面図である。
【図19】第3実施形態の変形例を簡略して示す正面図である。
【符号の説明】
1 付箋紙プリンタ
4 付箋紙束
4a 付箋紙
4b 糊付け部
11 付箋紙印刷機構
12 付箋紙供給機構
21 付箋紙ホルダ
22 引剥し機構
23 束押え機構
36 位置規制部(押圧部材)
29 リボン巻取機構
40 リボン巻取軸
41 リボン巻取ギヤ
51 駆動モータ
52 摩擦ローラ
53 減速ギヤ列
68 入力ギヤ(回転円板)
71 端面カム溝
72 偏心ピン
80 ピックアップアーム
110 押え補助部材
111 回動アーム
112 押え部
117 揺動アーム
R インクリボン
PC パーソナルコンピュータ
Claims (19)
- 基端側を部分糊付けした多数枚の付箋紙から成りセットされた付箋紙束の、最上位の先端側を捲り上げた付箋紙を糊付け部から引き剥がして供給する付箋紙供給装置において、
前記付箋紙束をセットする付箋紙ホルダと、
前記付箋紙ホルダに臨み、捲り上げた前記付箋紙を先端側から引き剥がす引剥し機構と、
捲り上げた前記付箋紙の下側に潜入して前記付箋紙束を押える束押え機構と、
駆動源からの動力を前記引剥し機構および前記束押え機構にそれぞれ伝達し、当該引剥し機構および当該束押え機構を連動させる動力伝達機構と、を備えたことを特徴とする付箋紙供給装置。 - 前記束押え機構は、前記付箋紙束を幅方向に亘って押えることを特徴とする請求項1に記載の付箋紙供給装置。
- 前記束押え機構は、前記付箋紙束の基端側を押えることを特徴とする請求項1または2に記載の付箋紙供給装置。
- 前記束押え機構は、前記付箋紙束に接触してこれを押える押え部と、基端側を中心に回動自在に構成され、先端側に支持した前記押え部を前記付箋紙束を押える押圧位置と離間したホーム位置との間で移動させる回動アームとを有し、
前記回動アームは、前記動力伝達機構から動力を入力して回動することを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の付箋紙供給装置。 - 前記押え部のホーム位置は、前記付箋紙束の先端から外側に外れた位置に設定されていることを特徴とする請求項4に記載の付箋紙供給装置。
- 前記押え部は、前記回動アームに支持された押え本体と、
前記押え本体に揺動自在に支持されると共に、前記付箋紙束を押さえ込む押え込み動作において、前記回動アームの略接線方向に沿う傾斜姿勢から前記付箋紙束に対し平行な水平姿勢となるように揺動範囲が規制された押え補助部材と、を有していることを特徴とする請求項4または5に記載の付箋紙供給装置。 - セットされた前記付箋紙束の前記糊付け部を前記付箋紙の引き剥がしに抗するように上側から押えると共に、当該付箋紙の引き剥がしに伴う当該付箋紙束の先端側へのスライドを許容する押圧部材を更に備え、
前記押え部は、ローラで構成されていることを特徴とする請求項4または5に記載の付箋紙供給装置。 - セットされた前記付箋紙束の前記糊付け部を前記付箋紙の引き剥がしに抗するように上側から押えると共に、当該付箋紙の引き剥がしに伴う当該付箋紙束の先端側へのスライドを許容する押圧部材を更に備え、
前記押え部は、前記回動アームに支持された押え本体と、
前記押え本体に揺動自在に支持された揺動アーム、および前記揺動アームに取り付けたローラから成る押え補助部材とで構成され、
前記押え補助部材は、前記付箋紙束を押さえ込む押え込み動作において、前記回動アームの略接線方向に沿う傾斜姿勢から前記付箋紙束に対し平行な水平姿勢となるように揺動範囲が規制されていることを特徴とする請求項4または5に記載の付箋紙供給装置。 - 前記引剥し機構は、
前記付箋紙束に転接して前記付箋紙を一旦撓ませてからその上側に撥ね上げると共に、前記付箋紙束から離間し捲り上げた前記付箋紙を引き剥がすように送り出す摩擦ローラと、
先端部に前記摩擦ローラを回転自在に支持すると共に、基端部を中心に回動自在に構成されたピックアップアームとを有し、
前記ピックアップアームは、前記動力伝達機構から動力を入力して回動し、前記摩擦ローラを前記付箋紙束に対し離接移動させることを特徴とする請求項4ないし8のいずれかに記載の付箋紙供給装置。 - 前記ピックアップアームと前記回動アームとは、同方向に回動することを特徴とする請求項9に記載の付箋紙供給装置。
- 前記動力伝達機構は、前記駆動源から入力した動力により回転する回転円板と、
前記回転円板の一方の端面に形成した端面カム溝と、
前記回転円板の他方の端面に突設した偏心ピンとを有し、
前記端面カム溝は、前記回転円板の回転動作を前記回動アームおよび前記ピックアップアームの一方の回動動作に変換する端面カム機構を構成し、
前記偏心ピンは、前記回転円板の回転動作を前記回動アームおよび前記ピックアップアームの他方の回動動作に変換する反対カム機構を構成していることを特徴とする請求項9または10に記載の付箋紙供給装置。 - 前記駆動源は、前記摩擦ローラを回転駆動させる動力源を兼ねており、
前記摩擦ローラは、前記回転円板の周面に形成したギヤを含むギヤ列を介して回転することを特徴とする請求項11に記載の付箋紙供給装置。 - 基部側の糊付け部で部分糊付けした多数枚の付箋紙から成ると共に前記糊付け部を押えた状態で水平にセットされた付箋紙束に対し、最上位の前記付箋紙を斜め先上がりに捲り上げた後、斜め先方に引き出すように引き剥がして供給する付箋紙供給装置において、
前記付箋紙束を水平にセットする付箋紙ホルダと、
前記付箋紙の引き剥がしに抗するように前記糊付け部を上側から押える押圧部材とを備え、
前記押圧部材は、前記糊付け部の基端側を押える押圧部と、前記押圧部から先方に延び前記付箋紙の斜め先上がりを非押圧状態で許容する非押圧部とを有することを特徴とする付箋紙供給装置。 - 前記非押圧部の下面は、斜め先上がりに傾斜していることを特徴とする請求項13に記載の付箋紙供給装置。
- 前記押圧部は、前記付箋紙の引き剥がしに伴う前記付箋紙束の前記非押圧部側へのスライドを許容することを特徴とする請求項13または14に記載の付箋紙供給装置。
- 基部側の糊付け部で部分糊付けした多数枚の付箋紙から成ると共に前記糊付け部を押えた状態で水平にセットされた付箋紙束に対し、最上位の前記付箋紙を斜め先上がりに捲り上げた後、斜め先方に引き出すように引き剥がして供給する付箋紙供給装置において、
前記付箋紙束を水平にセットする付箋紙ホルダと、
前記付箋紙の引き剥がしに抗するように前記糊付け部を上側から押える押圧部材とを備え、
前記押圧部材は、前記糊付け部の基端側を押える押圧部と、前記押圧部から先方に延び前記付箋紙の引き剥がしに伴って斜め先上がりに角度変化可能な引剥し許容部とを有することを特徴とする付箋紙供給装置。 - 前記押圧部は、前記付箋紙の引き剥がしに伴う前記付箋紙束の前記引剥し許容部へのスライドを許容することを特徴とする請求項16に記載の付箋紙供給装置。
- 前記押圧部材と前記付箋紙ホルダとが、一体に形成されていることを特徴とする請求項13ないし17のいずれかに記載の付箋紙供給装置。
- 請求項1ないし18のいずれかに記載の付箋紙供給装置と、
付箋紙を印刷する印刷機構と、を備えたことを特徴とする付箋紙プリンタ。
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