JP3911969B2 - 自動販売機の商品搬出装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、自動販売機の商品搬出装置に関し、さらに詳しくは、目視できない作業状態であっても、商品収納ラックに円滑に設置でき、組立作業性とメンテナンスサービス性とを向上できる自動販売機の商品搬出装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
図7は、従来における自動販売機の商品搬出装置を示す斜視図であり、本願出願人による特願平11−374406号にかかるものである。図8は、商品搬出装置を単体で設置する過程(a)〜(c)においてフランジ部とセグメントとの位置関係を示す説明図、図9は、商品搬出装置を抱き合わせて設置する過程(a)〜(c)においてフランジ部と係止突片との位置関係を示す説明図である。
【0003】
図7に示すように、基板106には開口部が設けられており、この開口部に商品搬出制御用の上ペダル110と下ペダル130とが回動自在に軸支されている。この下ペダル130は、開状態において商品通路にある最下端の商品を支持するものである。また、上ペダル110は、下ペダル130が閉状態になり、前記最下端の商品が搬出される際に、次に最下端に移動することとなる商品(下から2番目の商品)を支持するものである。
【0004】
これらのペダル110,130は、リンク機構や回動ストッパ等からなる開閉機構(図示せず)によって開閉され、その駆動源はソレノイドとなっている。かかる開閉機構のピンの端部やペダル110,130を軸支するピンのほぼ中央部は、軸受部材120によって支持されている。
【0005】
基板106の上面をなす水平なフランジ部107には、縦断面がL字状の係止突片107aが一対設けられている。この係止突片107aは、2つの商品搬出装置105の基板106を抱き合わせたときに、相手方の商品搬出装置105の係止突片107aとによって、予め商品収納ラックに架設されたピン140を挟持できるように配設されている。
【0006】
係止突片108は、商品搬出装置105を単体で商品収納ラックに設置する場合に、係止突片107aとによってピン140を挟持できるように設けられている。係止部109は、ピン160に上方から引っかけて商品搬出装置105全体をピン160で支持できるように形成してある。
【0007】
つぎに商品搬出装置105の設置動作について説明する。作業者は商品搬出装置105を手に持ち、これを自動販売機本体の前面開口部(図示せず)から入れる。このときの作業は、設置個所を目視できないのが通常である。
【0008】
まず、商品搬出装置105を単体状態で設置する場合について図8に基づいて説明する。同図(a)に示すように、商品搬出装置105の係止突片107a,108でピン140を挟持するために、当該箇所がピン140に向かうように商品搬出装置105を徐々に持ち上げる。すると、同図(b)に示すように、蛇行状の商品通路を形成するセグメント104dの先端部とフランジ部107とが当接し、引っかかることが多い。
【0009】
そこで、商品搬出装置105の姿勢を適宜変えながら、上記引っかかりを解除し、その状態で商品搬出装置105を持ち上げ、係止部109をピン160に引っかければ、同図(c)に示すように、設置が完了する。
【0010】
つぎに、すでに設置された商品搬出装置105に他の商品搬出装置105を抱き合わせ状態で設置する場合について図9に基づいて説明する。同図(a)に示すように、商品搬出装置105の係止突片107a,108でピン140を挟持するために、当該箇所がピン140に向かうように商品搬出装置105を徐々に持ち上げる。
【0011】
すると、同図(b)に示すように、持ち上げている側の商品搬出装置105の係止突片107a先端部が、設置済みの商品搬出装置105のフランジ部107の裏面に当接し、引っかかることが多い。
【0012】
そこで、商品搬出装置105の姿勢を適宜変えながら、上記引っかかりを解除し、その状態で商品搬出装置105を持ち上げ、係止部109をピン160に引っかければ、同図(c)に示すように、設置が完了する。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、商品搬出装置105の設置作業は、上述したように設置個所を目視できないので、設置時に基板106のフランジ部107とセグメント104dの先端部が引っかかり、円滑な設置作業ができないという課題があった。
【0014】
また、すでに設置された商品搬出装置105に他の商品搬出装置105を抱き合わせ状態で設置する場合にあっては、一方の商品搬出装置105の係止突片107a先端部が、設置済みの商品搬出装置105のフランジ部107の裏面に引っかかり、円滑な設置作業ができないという課題があった。
【0015】
この発明は、上記に鑑みてなされたものであって、目視できない作業状態であっても、商品収納ラックに円滑に設置でき、組立作業性とメンテナンスサービス性とを向上できる自動販売機の商品搬出装置を提供することを目的とする。
【0016】
【課題を解決するための手段】
上述の目的を達成するために、この発明にかかる自動販売機の商品搬出装置は、商品通路に架設された複数のピンに係止され、当該商品通路の一の内壁をなす基板と、前記基板の上部に複数形成され前記一のピンを挟持する係止突片と、前記基板の開口部から前記商品通路側に突出自在に形成され、当該商品通路内の最下端の商品を保持する下ペダルと、前記基板の開口部から前記商品通路側に突出自在に形成され、当該商品通路内の下から2番目の商品を保持する上ペダルとを備え、前記各ペダルを前記商品通路側に交互に突出させて商品の搬出を制御するように形成され、かつ、他の自動販売機の商品搬出装置と抱き合わせて設置可能に形成され、前記基板上部の一部または全部に傾斜部を設け、当該基板の前記商品通路への設置時に、当該商品通路を構成するセグメントの当接方向および抱き合わせて設置する相手方基板の係止突片の当接方向を規制するようにしたものである。
【0017】
作業者は商品搬出装置を手に持ち、これを自動販売機の本体前面の開口部から入れる。このときの作業は、設置個所を目視できないのが通常である。まず、商品搬出装置を単体状態で設置する場合には、商品搬出装置の係止突片でピン(上部に配設されたもの)を挟持するために、当該箇所がピンに向かうように商品搬出装置を徐々に持ち上げる。すると、セグメントの先端部と傾斜部とが当接するが、当該先端部は当該傾斜部によって基板の正面側に案内されるので、係止突片がピンを容易に挟持する。
【0018】
そして、この状態で商品搬出装置を持ち上げ、基板下部に設けた係止部を他のピン(下部に配設されたもの)に引っかければ、設置が完了する。このように、基板に傾斜部を設けたことによって、商品搬出装置を商品収納ラックに目視できない状態で設置する際に、基板上部(フランジ部)とセグメント先端部との引っかかりを防止することができ、円滑な設置作業ができる。
【0019】
また、すでに設置された商品搬出装置に他の商品搬出装置を抱き合わせ状態で設置する場合にあっては、商品搬出装置の係止突片でピン(上部に配設されたもの)を挟持するために、当該箇所がピンに向かうように商品搬出装置を徐々に持ち上げる。すると、持ち上げている側の商品搬出装置の係止突片先端部が、設置済みの商品搬出装置の傾斜部裏面に当接するが、当該先端部は当該傾斜部裏面によってピンの近傍に案内されるので、係止突片によってピンを容易に挟持することができる。
【0020】
そして、この状態で商品搬出装置を持ち上げ、基板下部に設けた係止部を他のピン(下部に配設されたもの)に引っかければ、設置が完了する。このように、基板に傾斜部を設けたことによって、商品搬出装置を商品収納ラックに目視できない状態で設置する際に、基板上部(フランジ部)と係止突片先端部との引っかかりを防止することができ、円滑な設置作業ができる。
【0021】
以上のように、目視できない作業状態であっても、商品搬出装置を商品収納ラックに円滑に設置でき、組立作業性とメンテナンスサービス性とを向上できる。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下、この発明にかかる自動販売機の商品搬出装置の実施の形態につき図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、この実施の形態によりこの発明が限定されるものではない。
【0023】
図1は、この発明の実施の形態にかかる自動販売機の商品搬出装置を抱き合わせた状態を示す斜視図、図2は、商品収納ラックを示す斜視図、図3は、商品搬出装置を商品収納ラックに設置する様子を示す説明図、図4は、商品搬出装置を単体で設置する過程(a)〜(c)において傾斜部とセグメントとの位置関係を示す説明図、図5は、商品搬出装置を抱き合わせて設置する過程(a)〜(c)において傾斜部と係止突片との位置関係を示す説明図である。
【0024】
先ず、本発明が適用される自動販売機の商品収納ラックの概略構成について説明する。図3に示すように、自動販売機の本体1内には、複数の商品収納ラック4が備えられ、外扉(図示せず)の開口部3に連通するシュータ2は、商品の搬出路となっている。この商品収納ラック4は、図2に示すように、多数のセグメント4dによって蛇行状に形成されたサーペンタイン式の商品通路4aを複数有し、両側面には側板4bが設けられている。
【0025】
この商品通路4aの下端部には、後述する上ペダル10および下ペダル30が商品通路4aに臨むように2つの商品搬出装置5を抱き合わせてピン40,60を介して設けられており(図1参照)、当該ペダル10,30の開閉制御によって商品の搬出を制御できるようになっている。
【0026】
なお、ピン40,60は、商品収納ラック4の側板4bに予め架設されている。また、商品通路4aには、出口アジャスタ4cが配されている。売り切れスイッチ80は、商品の売り切れを検出するためのものである。
【0027】
つぎに本発明の全体構成について説明する。図1に示すように、基板6には開口部6aが設けられており、この開口部6aに商品搬出制御用の上ペダル10と下ペダル30とが、ピン15,35によって回動自在に設けられている。ピン15,35の両端部は、それぞれ基板6の側部にて支持されている。この下ペダル30は、開状態において商品通路4aにある最下端の商品を支持するものである。また、上ペダル10は、下ペダル30が閉状態になり、前記最下端の商品が搬出される際に、次に最下端に移動することとなる商品(下から2番目の商品)を支持するものである。
【0028】
これらのペダル10,30は、リンク機構や回動ストッパ等からなる開閉機構(図示せず)によって開閉され、その駆動源はソレノイドとなっている。かかる開閉機構のピンの端部やピン11,31のほぼ中央部は、軸受部材20によって支持されている。
【0029】
つぎに本発明の要部について説明する。図1に示すように、基板6の上面をなすフランジ部7には、縦断面がL字状の係止突片7aが一対設けられている。この係止突片7aは、2つの商品搬出装置5の基板6を抱き合わせたときに、相手方の商品搬出装置5の係止突片7aとによって、ピン40を挟持できるように配設されている。
【0030】
傾斜部7bは、相手方の商品搬出装置5の係止突片7aと対向する位置に板金加工にて適宜の傾斜角度となるように形成され、上記係止突片7aの幅よりも大きく形成されている。この傾斜部7bは、後述するように、商品搬出装置5を商品収納ラック4に目視できない状態で設置する際に、フランジ部7とセグメント4d先端部との引っかかりを防止するとともに、上記抱き合わせ設置する場合にフランジ部7と相手方の商品搬出装置5の係止突片7aとの引っかかりを防止し、円滑な設置作業ができるようにしたものである。
【0031】
係止突片8は、商品搬出装置5を単体で商品収納ラック4に設置する場合に、係止突片7aとによってピン40を挟持できるように設けられている。係止部9は、ピン60に上方から引っかけて商品搬出装置5全体をピン60で支持できるように形成してある。
【0032】
つぎに商品搬出装置5の設置動作について説明する。図3に示すように、作業者は商品搬出装置5を手に持ち、これを本体1の開口部3から入れる。このときの作業は、設置個所を目視できないのが通常である。
【0033】
まず、商品搬出装置5を単体状態で設置する場合について図4に基づいて説明する。同図(a)に示すように、商品搬出装置5の係止突片7a,8でピン40を挟持するために、当該箇所がピン40に向かうように商品搬出装置5を徐々に持ち上げる。すると、同図(b)に示すように、セグメント4dの先端部と傾斜部7bとが当接するが、当該先端部は当該傾斜部7bによって基板6の正面(同図の左側)に案内されるので、係止突片7a,8がピン40を容易に挟持することができる。
【0034】
そして、この状態で商品搬出装置5を持ち上げ、係止部9をピン60に引っかければ、同図(c)に示すように、設置が完了する。このように、基板6に傾斜部7bを設けたことによって、商品搬出装置5を商品収納ラック4に目視できない状態で設置する際に、フランジ部7とセグメント4d先端部との引っかかりを防止することができ、円滑な設置作業ができる。
【0035】
つぎに、すでに設置された商品搬出装置5に他の商品搬出装置5を抱き合わせ状態で設置する場合について図5に基づいて説明する。同図(a)に示すように、商品搬出装置5の係止突片7a,8でピン40を挟持するために、当該箇所がピン40に向かうように商品搬出装置5を徐々に持ち上げる。
【0036】
すると、同図(b)に示すように、持ち上げている側の商品搬出装置5の係止突片7a先端部が、設置済みの商品搬出装置5の傾斜部7b裏面に当接するが、当該先端部は当該傾斜部7b裏面によってピン40の近傍に案内されるので、係止突片7a,8によってピン40を容易に挟持することができる。
【0037】
そして、この状態で商品搬出装置5を持ち上げ、係止部9をピン60に引っかければ、同図(c)に示すように、設置が完了する。このように、基板6に傾斜部7bを設けたことによって、商品搬出装置5を商品収納ラック4に目視できない状態で設置する際に、フランジ部7と係止突片7a先端部との引っかかりを防止することができ、円滑な設置作業ができる。
【0038】
以上のように、この実施の形態にかかる自動販売機の商品搬出装置によれば、目視できない作業状態であっても、商品搬出装置5を商品収納ラック4に円滑に設置でき、組立作業性とメンテナンスサービス性とを向上できる。
【0039】
なお、上記実施の形態においては、図1に示したように傾斜部7bを相手方の商品搬出装置5の係止突片7aと対向する位置に設けるものとして説明したが、これに限定されず、例えば、図6に示すように、基板6のフランジ部7のさらに広い範囲に形成してもよい。ここで、図6は、範囲を広げて形成した他の傾斜部を示す平面図である。
【0040】
【発明の効果】
以上説明したように、この発明にかかる自動販売機の商品搬出装置によれば、商品通路に架設された複数のピンに係止され、当該商品通路の一の内壁をなす基板と、前記基板の上部に複数形成され前記一のピンを挟持する係止突片と、前記基板の開口部から前記商品通路側に突出自在に形成され、当該商品通路内の最下端の商品を保持する下ペダルと、前記基板の開口部から前記商品通路側に突出自在に形成され、当該商品通路内の下から2番目の商品を保持する上ペダルとを備え、前記各ペダルを前記商品通路側に交互に突出させて商品の搬出を制御するように形成され、かつ、他の自動販売機の商品搬出装置と抱き合わせて設置可能に形成され、前記基板上部の一部または全部に傾斜部を設け、当該基板の前記商品通路への設置時に、当該商品通路を構成するセグメントの当接方向および抱き合わせて設置する相手方基板の係止突片の当接方向を規制するようにしたので、目視できない作業状態であっても、基板上部とセグメント先端部との引っかかりを防止することができるとともに、基板上部と相手方基板の係止突片との引っかかりを防止することができる。したがって、商品搬出装置を商品収納ラックに円滑に設置でき、組立作業性とメンテナンスサービス性とを向上できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施の形態にかかる自動販売機の商品搬出装置を抱き合わせた状態を示す斜視図である。
【図2】商品収納ラックを示す斜視図である。
【図3】商品搬出装置を商品収納ラックに設置する様子を示す説明図である。
【図4】商品搬出装置を単体で設置する過程(a)〜(c)において傾斜部とセグメントとの位置関係を示す説明図である。
【図5】商品搬出装置を抱き合わせて設置する過程(a)〜(c)において傾斜部と係止突片との位置関係を示す説明図である。
【図6】範囲を広げて形成した他の傾斜部を示す平面図である。
【図7】従来における自動販売機の商品搬出装置を示す斜視図である。
【図8】商品搬出装置を単体で設置する過程(a)〜(c)においてフランジ部とセグメントとの位置関係を示す説明図である。
【図9】商品搬出装置を抱き合わせて設置する過程(a)〜(c)においてフランジ部と係止突片との位置関係を示す説明図である。
【符号の説明】
1 本体
2 シュータ
3、6a 開口部
4 商品収納ラック
4a 商品通路
4b 側板
4d セグメント
5 商品搬出装置
6 基板
7 フランジ部
7a、8 係止突片
7b 傾斜部
9 係止部
10 上ペダル
15、35 軸支部
30 下ペダル
40、60 ピン

Claims (1)

  1. 商品通路に架設された複数のピンに係止され、当該商品通路の一の内壁をなす基板と、
    前記基板の上部に複数形成され前記一のピンを挟持する係止突片と、
    前記基板の開口部から前記商品通路側に突出自在に形成され、当該商品通路内の最下端の商品を保持する下ペダルと、
    前記基板の開口部から前記商品通路側に突出自在に形成され、当該商品通路内の下から2番目の商品を保持する上ペダルと、
    を備え、
    前記各ペダルを前記商品通路側に交互に突出させて商品の搬出を制御するように形成され、かつ、他の自動販売機の商品搬出装置と抱き合わせて設置可能に形成された自動販売機の商品搬出装置において、
    前記基板上部の一部または全部に傾斜部を設け、当該基板の前記商品通路への設置時に、当該商品通路を構成するセグメントの当接方向および抱き合わせて設置する相手方基板の係止突片の当接方向を規制するようにしたことを特徴とする自動販売機の商品搬出装置。
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