JP3909788B2 - アンカーの取付装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、斜面の安定に用いるアンカーの取付装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
例えば、アンカーとして、引張り力を伝達するためのPC鋼線やPC鋼より線、異形PC鋼棒などからなる、いわゆるグランドアンカーやロックボルトなどがある。
【0003】
この種のアンカーの頭部との接続部分に関する防錆技術として、例えば特開平9−195272号に記載されるものがある。このものでは、アンカーの上方部を保護する筒状の補助シースを形成し、この補助シースの頭部側を支圧板に形成された挿通孔に挿通して上端部を支圧板の表面より突出させ、その上端部をアンカーの定着具を介して押圧し、さらに防錆キャップを定着部に螺着してアンカーの頭部を覆い、この防錆キャップ内に防錆剤が充填されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、アンカーの頭部や防錆キャップが支圧板から突出しているために、落石等により頭部が直撃され、アンカーの頭部や防錆キャップ等が破損することがあった。また、支圧板の表面から防錆キャップの突出が大きいと目立ってしまい景観的にも問題がある。
【0005】
この発明は、かかる点に鑑みてなされたもので、アンカーの頭部や防錆キャップ等を落石等の被害から防止することが可能で、景観的にも優れたアンカーの取付装置を提供することを目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決し、かつ目的を達成するために、この発明は、以下のように構成した。
【0011】
請求項記載の発明は、『アンカーの頭部を支圧板に定着するアンカーの取付装置において、
前記支圧板の前記アンカーの頭部周りに大径孔部を形成し、
一端に鍔部を有し、他端部に孔部を有する管状の定着部材を前記大径孔部内に配置し、
前記定着部材の鍔部を前記支圧板の表面側に定着すると共に、底部の孔部を前記アンカーの頭部に挿入し、さらにアンカーの頭部に座金を介してナットを螺着し、
前記座金の球面部を前記底部の球面部に面接触させて押圧固定して定着し、前記定着部材内に防錆剤を注入してキャップを取り付け、
前記大径孔部内に充填したグラウト材により前記定着部材と前記アンカーの頭部とを前記大径孔部に定着したことを特徴とするアンカーの取付装置。』である。
【0012】
この請求項記載の発明によれば、定着部材の鍔部を支圧板の表面側に定着すると共に、底部の孔部をアンカーの頭部に挿入し、さらにアンカーの頭部に座金を介してナットを螺着し、座金の球面部を底部の球面部に面接触させて押圧固定して定着し、大径孔部内に充填したグラウト材により定着部材とアンカーの頭部とを大径孔部に定着したから、支圧板の表面からアンカーの頭部や防錆部等が突出しなくなり、あるいは突出長さを抑えることができ、アンカーの頭部や防錆部等を落石等の被害から防止することが可能であり、またアンカーの頭部や防錆部等が目立たなくなるので景観的に優れている。また、アンカーの頭部に座金を介してナットを螺着し、座金の球面部を底部の球面部に面接触させて押圧固定して定着したから、支圧板とアンカーの取付角度がずれていても、座金は正確に取り付けられ、安定した定着力が得られる。
【0013】
請求項記載の発明は、『アンカーの頭部を支圧板に定着するアンカーの取付装置において、
前記支圧板の前記アンカーの頭部周りに段部を有する大径孔部を形成し、
一端に鍔部を有し、他端部に孔部を有する管状の定着部材を前記大径孔部内に配置し、
前記定着部材の鍔部を前記段部の表面側に定着すると共に、底部の孔部を前記アンカーの頭部に挿入し、さらにアンカーの頭部に座金を介してナットを螺着し、
前記座金の球面部を前記底部の球面部に面接触させて押圧固定して定着し、前記定着部材内に防錆剤を注入してキャップを取り付け、
前記大径孔部内に充填したグラウト材により前記定着部材と前記アンカーの頭部とを前記大径孔部に定着したことを特徴とするアンカーの取付装置。』である。
【0014】
この請求項記載の発明によれば、定着部材の鍔部を段部の表面側に定着すると共に、底部の孔部をアンカーの頭部に挿入し、さらにアンカーの頭部に座金を介してナットを螺着し、座金の球面部を底部の球面部に面接触させて押圧固定して定着し、大径孔部内に充填したグラウト材により定着部材とアンカーの頭部とを大径孔部に定着したから、支圧板の表面からアンカーの頭部や防錆部等が突出しなくなり、あるいは突出長さを抑えることができ、アンカーの頭部や防錆部等を落石等の被害から防止することが可能であり、またアンカーの頭部や防錆部等が目立たなくなるので景観的に優れている。また、アンカーの頭部に座金を介してナットを螺着し、座金の球面部を底部の球面部に面接触させて押圧固定して定着したから、支圧板とアンカーの取付角度がずれていても、座金は正確に取り付けられ、安定した定着力が得られる。
【0015】
請求項記載の発明は、『前記ナットと前記座金とを一体形成したことを特徴とする請求項または請求項記載のアンカーの取付装置。』である。
【0016】
この請求項記載の発明によれば、ナットと座金とを一体形成したから、支圧板の取付けの向きとアンカーの設置向きに角度が在っても正常に取り付けられ、さらに一体化を図ったので、部品点数が少なく、取付けが容易である。
【0017】
請求項記載の発明は、『アンカーの頭部を支圧板に定着するアンカーの取付装置において、
前記支圧板の前記アンカーの頭部周りに段部を有する孔部を形成し、この段部に座金を載置し、
前記座金上に載置され孔部の周囲に球面部を有するワッシャーと、
前記アンカーの頭部に防錆剤を貯留するキャップ部と前記アンカーの頭部に螺着される球面ナット部が一体に形成されたキャップ付きナットとを有し、
前記キャップ付きナットは球面ナット部を前記アンカーの頭部に螺着することで、前記球面ナット部を前記ワッシャーの球面部に面接触して圧着固定し、
前記孔部内に充填したグラウト材により前記アンカーの頭部を前記孔部に定着したことを特徴とするアンカーの取付装置。』である。
【0018】
この請求項記載の発明によれば、支圧板のアンカーの頭部周りに段部を有する孔部を形成し、この段部に座金を載置し、キャップ付きナットの球面ナット部をアンカーの頭部に螺着することで、球面ナット部を座金上のワッシャーの球面部に面接触して圧着固定させ、孔部内に充填したグラウト材によりアンカーの頭部を孔部に定着したから、支圧板の表面からアンカーの頭部や防錆部等が突出しなくなり、あるいは突出長さを抑えることができ、アンカーの頭部や防錆部等を落石等の被害から防止することが可能であり、またアンカーの頭部や防錆部等が目立たなくなるので景観的に優れている。
【0019】
また、キャップ付きナットは球面ナット部をアンカーの頭部に螺着することで、この球面ナット部をワッシャーの球面部に圧着固定し、キャップ付きナットはキャップ部と凹状球面ナット部が一体に形成されているから、部品点数が少なく、組立が容易である。また、キャップ付きナットは、キャップ部の内容量がアンカーの頭部の径より若干大きな外径なので、従来と比較して防錆剤の使用量を軽減して経済的である。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、この発明のアンカーの取付装置の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。
【0021】
先ず、図1乃至図3に示すアンカーの取付装置を説明する。図1はこの発明の一実施例として全ネジボルト状の異形PC鋼棒からなるロックボルトをアンカーとして採用した場合の断面図、図2は管状の定着部材を示し、図2(a)は平面図、図2(b)は断面図、図3はキャップを示し、図3(a)は平面図、図3(b)は断面図、図3(c)は底面図である。
【0022】
図中、1はアンカーで、全ネジボルト状の異形PC鋼棒からなるロックボルトが使用されている。このアンカー1は、法面等の地盤2に形成された削孔3に挿入され、地盤2の表面には支圧板4が施工されている。支圧板4には、アンカー1の頭部周りに大径孔部5が形成され、削孔3及び大径孔部5にグラウト材6を充填する。
【0023】
支圧板4の表面には、座金7が載置され、大径孔部5内には管状の定着部材8が配置される。座金7のアンカー挿入孔7a及び支圧板4の大径孔部5は、アンカー1の太さよりも大きくして、そのアンカー挿入孔7a及び大径孔部5に定着部材8を挿入定着できるようにしている。
【0024】
定着部材8は、一端に鍔部8aを有し、他端部に孔部8bを有する。鍔部8aの座金7に接触する面には、対称位置に一対の溝部8cが形成され、この一対の溝部8cから充填された余分のグラウト6が排出される。底部の孔部8bの周りには、凹状の球面部8dが形成され、鍔部8aの内側には雌螺子8eが形成されている。
【0025】
定着部材8の鍔部8aを座金7に定着すると共に、底部の孔部8bをアンカー1の頭部1aに挿入し、さらにアンカー1の頭部1aに座金9を介してナット10を螺着する。座金9は、凸状の球面部9aが形成され、この球面部9aを底部の球面部8dに面接触させて押圧固定して定着する。
【0026】
定着部材8内に防錆剤11を注入してキャップ12を取り付ける。キャップ12は、笠部12aの内側にOリング13が係合され、軸部12bの外周には雄螺子12cが形成され、さらに笠部12aの中央には空気抜き、または、余分な防錆剤を排出するための孔12dが形成されている。
【0027】
定着部材8の雌螺子8eにキャップ12の雄螺子12cが螺着され、孔12dから空気抜き、または、余分な防錆剤を排出した後に孔12dに栓用ボルト14が螺着され、この孔12dは1個に限定されず、2個設けてもよい。また、定着部材8とキャップ12との間は、Oリング13によりシールされる。
【0028】
次に、アンカー1の定着の施工を図4に示す。
【0029】
図4(a)に示すように、地盤2に対する削孔3と支圧板4の地盤2に対する載置の仕方は従前の方法で行う。即ち、地盤2に削孔3し、地盤2に支圧板4を載置する。この場合支圧板4は、コンクリートの二次製品である。また、地盤2に支圧板4を構築し、支圧板4の大径孔部5から地盤2を削孔3する。この場合支圧板4は、現場打ちコンクリートである。また、支圧板4が既製品の場合は、形状を十字状なり、矩形状なりに形成でき、材質は鉄製若しくはコンクリート二次製品でもよく、支圧板4が現場打ちコンクリートの場合であれば、格子状でもよい。
【0030】
このように地盤2に対する削孔3は従前の方法で行ない、支圧板4に大径孔部5が形成され、削孔3及び大径孔部5にグラウト材6を充填する。
【0031】
支圧板4上には、図4(b)に示すように、座金7を載置し、座金7のアンカー挿入孔7aから大径孔部5内に、定着部材8、座金9及びナット10を取り付けたアンカー1を挿入する。この時、定着部材8の鍔部8aの裏面に溝部8cが設けてあり、この溝部8cからグラウト材6が流出することで確実にグラウト材6が充填されたことが確認できる。また、アンカー1に定着部材8、座金9及びナット10を取り付けておくことで、グラウト材6が定着部材8の内部に浸入してくることが防げる。
【0032】
次に、図4(c)に示すように、グラウト材6が硬化した後、トルクレンチ等でナット10を締め付ける。そして、定着部材8の中に防錆剤11を多めに入れ、キャップ12を嵌め合わせる。キャップ12の中央には12dが開いているため、キャップ12をしたとき孔12dから空気や余分な防錆剤11が出てくることで、確実に充填されたことが確認できる。
【0033】
確認後、図4(d)に示すように、栓用ボルト14を孔12dに螺着して栓をする。また、定着部材8とキャップ12の間には、ゴム材等のOリング13があり、キャップ12を締めるとOリング13が圧縮され、止水される。さらに、定着部材8及びキャップ12は亜鉛メッキ等の防錆処理をしているため、アンカー1の頭部1aは完全に防錆できる構造となっている。このように定着部材8の材質は、防錆処理がしてあるものかさびない材質で、アンカー1の引張力に耐えられる強固なものならよい。キャップ12の材質は、防錆処理がしてあるかさびない材質のものでよく、防錆剤11等の流出を防止できる強度があればよい。
【0034】
また、アンカー1の頭部1aに座金9を介してナット10を螺着し、座金9の球面部9aを底部の球面部8dに面接触させて押圧固定して定着したから、座金7とアンカー1の取付角度がずれていても、座金9は正確に取り付けられ、安定した定着力が得られる。なお、ナット10と座金9とを一体形成してもよく、支圧板4の取付けの向きとアンカー1の設置向きに角度が在っても正常に取り付けられ、さらに一体化を図ることで、部品点数が少なく、取付けが容易である。
【0035】
このように定着部材8の鍔部8aを支圧板4の表面側に定着すると共に、底部の孔部8bをアンカー1の頭部1aに挿入し、さらにアンカー1の頭部1aに座金9を介してナット10を螺着し、座金9の球面部9aを底部の球面部8dに面接触させて押圧固定して定着したから、支圧板4の表面からアンカー1の頭部1aや防錆部等の突出長さを抑えることができ、アンカー1の頭部1aや防錆部等を落石等の被害から防止することが可能であり、またアンカー1の頭部1aや防錆部等が目立たなくなるので景観的に優れている。また、アンカー1の頭部1aに座金9を介してナット10を螺着し、座金9の球面部9aを底部の球面部8dに面接触させて押圧固定して定着したから、支圧板4とアンカー1の取付角度がずれていても、座金9は正確に取り付けられ、安定した定着力が得られる。
【0036】
次に、アンカーの取付装置の他の実施の形態を、図5乃至図7に基づいて説明する。図5はアンカーの取付装置の断面図であり、図1乃至図4の実施の形態と異なる点は、定着部材8の鍔部8aを大きくすることで、支圧面積が大きくなるため、図1乃至図4の実施の形態の座金7が不要となる。
【0037】
また、アンカーの取付装置の他の実施の形態を、図6に基づいて説明する。図6はアンカーの取付装置の断面図であり、図1乃至図4の実施の形態と異なる点は、支圧板4のアンカー1の頭部周りに段部5aを有する大径孔部5を形成している。
【0038】
この段部5aに座金7を載置し、一端に鍔部8aを有し、他端部に孔部8bを有する管状の定着部材8を大径孔部5内に配置している。定着部材8の鍔部8aを座金7に定着すると共に、底部の孔部8をアンカー1の頭部1aに挿入し、さらにアンカー1の頭部1aに座金9を介してナット10を螺着し、座金9の球面部9aを底部の球面部8dに面接触させて押圧固定して定着し、定着部材8内に防錆剤11を注入してキャップ12を取り付けている。
【0039】
このように支圧板4の内部に段部5aを設けることにより、段部5aを設けない場合と比較してアンカー1の頭部1aがより埋設されることにより、支圧板4の表面からアンカー1の頭部1aや防錆部等が突出しなくなり、アンカー1の頭部1aや防錆部等を落石等の被害から防止することが可能であり、またアンカー1の頭部1aや防錆部等が目立たなくなるので景観的に優れている。
【0040】
さらに、アンカーの取付装置の他の実施の形態を、図7に基づいて説明する。図7はアンカーの取付装置の拡大図である。この実施の形態は、支圧板4のアンカー1の頭部周りに段部50aを有する孔部50を形成し、この段部50aに座金51を載置し、この座金51上に載置され孔部52aの周囲に球面部50bを有するワッシャー50と、アンカー1の頭部1aに防錆剤53を貯留するキャップ部54aとアンカー1の頭部1aに螺着される球面ナット部54bが一体に形成されたキャップ付きナット54とを有している。
【0041】
アンカー1はシース55の内外に注入されるグラウト材56によって地盤2に対して定着される。キャップ付きナット54のキャップ部54aは、防錆剤を入れるための袋状の空間を有し、その一部である先端部には、空気抜き、または、余分なオイルを排出するための孔54cが形成され、この54cに栓用ボルト57が螺着される。また、キャップ部54aと栓用ボルト57の頭部との間はOリング58によりシールされる。
【0042】
球面ナット部54bの先端部には、凸状球面54b1が形成され、内部には雌ネジ54b2が形成され、球面ナット部54bの雌ネジ54b2をアンカー1の頭部1aに螺着することで、この球面ナット部54bの凸状球面54b1がワッシャー52の凹状球面部52bに圧着固定される。
【0043】
このキャップ付きナット54は、ステンレス材または、亜鉛メッキ、電気メッキ、あるいは、樹脂コーティング等により防錆のための表面処理をしたもの等を使用する。ワッシャー52及び支圧板4についても同様の処理のものを使用する。
【0044】
このように支圧板4のアンカー1の頭部周りに段部50aを有する孔部50を形成し、この段部50aに座金51を載置し、キャップ付きナット54の球面ナット部54bをアンカー1の頭部1aに螺着することで、球面ナット部54bを座金51上のワッシャー52の球面部52bに面接触して圧着固定させたから、支圧板4の表面からアンカー1の頭部1aや防錆部等が突出しなくなり、アンカー1の頭部1aや防錆部等を落石等の被害から防止することが可能であり、またアンカー1の頭部1aや防錆部等が目立たなくなるので景観的に優れている。
【0045】
また、キャップ付きナット54は球面ナット部54bをアンカー1の頭部1aに螺着することで、この球面ナット部54bをワッシャー52の球面部52bに圧着固定し、キャップ付きナット54はキャップ部54aと球面ナット部54bが一体に形成されているから、部品点数が少なく、組立が容易である。また、キャップ付きナット54は、キャップ部54aの内容量がアンカー1の頭部1aの径より若干大きな外径なので、従来と比較して防錆剤の使用量を軽減して経済的である。
【0046】
なお、この実施の形態では、ワッシャー52に凹状球面部52bを形成し、球面ナット部54bに凸状球面54b1を形成しているが、ワッシャー52に凸状球面部を形成し、球面ナット部54bに凹状球面を形成してもよい。また、座金51とワッシャー52とを一体に形成してもよい。
【0047】
また、図1乃至図7の実施の形態では、アンカー1が中実のアンカーであるが、中空のアンカーを用いることができ、この中空のアンカー1を用いる場合の施工手順を図8に示す。
【0048】
すなわち、図8(a)に示すように、アンカー1を用いて削孔し、このアンカー1の打設後、座金7のアンカー挿入孔7aから大径孔部5内に、定着部材8、座金9及びナット10を取り付ける。その後、図8(b)に示すように、アンカー1にグラウト注入ホース90を接続し、グラウト注入ホース90からグラウト材6をアンカー1の中空から充填する(空気抜き孔からグラウト材の流れを確認する)。
【0049】
グラウト注入ホース90を取り外し、グラウト材硬化後、図8(c)に示すように定着部材8の中に防錆剤11を多めに入れ、キャップ12を嵌め合わせる(図8(d)。
【0050】
この実施の形態の中空のアンカーは、中実のアンカーと比較して、グラウト材は充填から硬化が始まり、硬化する前にアンカーの挿入を行なわなければならず、作業の段取りに注意が必要であるが、中空のアンカーは挿入の後にグラウト充填するので、特に問題を生じなくなる。
【0051】
なお、以上の実施例においては、アンカーとしてロックボルトを採用したアンカーに適用した場合を例に説明したが、前述のように、この発明はアンカーとしてグランドアンカー等を採用し、またシースを用いないタイプのアンカーに対しても適用し得るものである。また、アンカーとしても、前記異形PC鋼棒に代え、PC鋼線やPC鋼より線等の他のPC鋼材を用いたアンカーに対しても適用することができ、いままで説明したアンカー1の頭部の防錆のほかに、コンクリート躯体に取り付けるアンカーボルトの防錆用とし使用することも可能であるし、例えば街路灯、交通標識、広告用看板等のアンカー1の防錆等にも使用できる。
【0054】
【発明の効果】
請求項記載の発明では、定着部材の鍔部を支圧板の表面側に定着すると共に、底部の孔部をアンカーの頭部に挿入し、さらにアンカーの頭部に座金を介してナットを螺着し、座金の球面部を底部の球面部に面接触させて押圧固定して定着し、大径孔部内に充填したグラウト材により定着部材とアンカーの頭部とを大径孔部に定着したから、支圧板の表面からアンカーの頭部や防錆部等が突出しなくなり、あるいは突出長さを抑えることができ、アンカーの頭部や防錆部等を落石等の被害から防止することが可能であり、またアンカーの頭部や防錆部等が目立たなくなるので景観的に優れている。また、アンカーの頭部に座金を介してナットを螺着し、座金の球面部を底部の球面部に面接触させて押圧固定して定着したから、支圧板とアンカーの取付角度がずれていても、座金は正確に取り付けられ、安定した定着力が得られる。
【0055】
請求項記載の発明では、定着部材の鍔部を段部の表面側に定着すると共に、底部の孔部をアンカーの頭部に挿入し、さらにアンカーの頭部に座金を介してナットを螺着し、座金の球面部を底部の球面部に面接触させて押圧固定して定着し、大径孔部内に充填したグラウト材により定着部材とアンカーの頭部とを大径孔部に定着したから、支圧板の表面からアンカーの頭部や防錆部等が突出しなくなり、あるいは突出長さを抑えることができ、アンカーの頭部や防錆部等を落石等の被害から防止することが可能であり、またアンカーの頭部や防錆部等が目立たなくなるので景観的に優れている。また、アンカーの頭部に座金を介してナットを螺着し、座金の球面部を底部の球面部に面接触させて押圧固定して定着したから、支圧板とアンカーの取付角度がずれていても、座金は正確に取り付けられ、安定した定着力が得られる。
【0056】
請求項記載の発明では、ナットと座金とを一体形成したから、支圧板の取付けの向きとアンカーの設置向きに角度が在っても正常に取り付けられ、さらに一体化を図ったので、部品点数が少なく、取付けが容易である。
【0057】
請求項記載の発明では、支圧板のアンカーの頭部周りに段部を有する孔部を形成し、この段部に座金を載置し、キャップ付きナットの球面ナット部をアンカーの頭部に螺着することで、球面ナット部を座金上のワッシャーの球面部に面接触して圧着固定させ、孔部内に充填したグラウト材によりアンカーの頭部を前記孔部に定着したから、支圧板の表面からアンカーの頭部や防錆部等が突出しなくなり、あるいは突出長さを抑えることができ、アンカーの頭部や防錆部等を落石等の被害から防止することが可能であり、またアンカーの頭部や防錆部等が目立たなくなるので景観的に優れている。
【0058】
また、キャップ付きナットは球面ナット部をアンカーの頭部に螺着することで、この球面ナット部をワッシャーの球面部に圧着固定し、キャップ付きナットはキャップ部と凹状球面ナット部が一体に形成されているから、部品点数が少なく、組立が容易である。また、キャップ付きナットは、キャップ部の内容量がアンカーの頭部の径より若干大きな外径なので、従来と比較して防錆剤の使用量を軽減して経済的である。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施例として全ネジボルト状の異形PC鋼棒からなるロックボルトをアンカーとして採用した場合の断面図である。
【図2】管状の定着部材を示す図である。
【図3】キャップを示す図である。
【図4】アンカーの定着の施工を示す図である。
【図5】アンカーの取付装置の断面図である。
【図6】アンカーの取付装置の断面図である。
【図7】アンカーの取付装置の拡大図である。
【図8】中空のアンカーの定着の施工を示す図である。
【符号の説明】
1 アンカー
1a 頭部
4 支圧板
5 大径孔部
8 定着部材

Claims (4)

  1. アンカーの頭部を支圧板に定着するアンカーの取付装置において、
    前記支圧板の前記アンカーの頭部周りに大径孔部を形成し、
    一端に鍔部を有し、他端部に孔部を有する管状の定着部材を前記大径孔部内に配置し、
    前記定着部材の鍔部を前記支圧板の表面側に定着すると共に、底部の孔部を前記アンカーの頭部に挿入し、さらにアンカーの頭部に座金を介してナットを螺着し、
    前記座金の球面部を前記底部の球面部に面接触させて押圧固定して定着し、前記定着部材内に防錆剤を注入してキャップを取り付け、
    前記大径孔部内に充填したグラウト材により前記定着部材と前記アンカーの頭部とを前記大径孔部に定着したことを特徴とするアンカーの取付装置。
  2. アンカーの頭部を支圧板に定着するアンカーの取付装置において、
    前記支圧板の前記アンカーの頭部周りに段部を有する大径孔部を形成し、
    一端に鍔部を有し、他端部に孔部を有する管状の定着部材を前記大径孔部内に配置し、
    前記定着部材の鍔部を前記段部の表面側に定着すると共に、底部の孔部を前記アンカーの頭部に挿入し、さらにアンカーの頭部に座金を介してナットを螺着し、
    前記座金の球面部を前記底部の球面部に面接触させて押圧固定して定着し、前記定着部材内に防錆剤を注入してキャップを取り付け、
    前記大径孔部内に充填したグラウト材により前記定着部材と前記アンカーの頭部とを前記大径孔部に定着したことを特徴とするアンカーの取付装置。
  3. 前記ナットと前記座金とを一体形成したことを特徴とする請求項または請求項記載のアンカーの取付装置。
  4. アンカーの頭部を支圧板に定着するアンカーの取付装置において、
    前記支圧板の前記アンカーの頭部周りに段部を有する孔部を形成し、この段部に座金を載置し、
    前記座金上に載置され孔部の周囲に球面部を有するワッシャーと、
    前記アンカーの頭部に防錆剤を貯留するキャップ部と前記アンカーの頭部に螺着される球面ナット部が一体に形成されたキャップ付きナットとを有し、
    前記キャップ付きナットは球面ナット部を前記アンカーの頭部に螺着することで、前記球面ナット部を前記ワッシャーの球面部に面接触して圧着固定し、
    前記孔部内に充填したグラウト材により前記アンカーの頭部を前記孔部に定着したことを特徴とするアンカーの取付装置。
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