JP3909766B2 - エアバッグ装置 - Google Patents
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Description
エアバッグ装置は、車両の衝突時にガスを噴出するインフレータと、このインフレータから噴出したガスを内部に導入することによって折り畳まれた状態から膨張展開し、乗員を拘束するエアバッグと、折り畳まれた状態のエアバッグを内部に収容するためのハウジングと、このハウジングの上部を覆うように設けられているカバーとを備えて、乗員の前方あるいは側方に配置されて構成されている。
この点、比較的安価な自動車に搭載されているエアバッグ装置のカバーには、カバーの外側に凹凸によってのみエンブレム等が表されており、エアバッグの展開上何ら障害となるものでは無いため、このエンブレム等を跨いでティアラインを直線的に形成することが可能である。
大ドアと小ドアを有するエアバッグ装置101では、当該装置が作動し、図示しないエアバッグが展開したときに、大ドアと小ドアとの開き方がアンバランスとなってしまい、エアバッグが変形した状態で膨出してしまうという問題があった。
なお、「溝によるひけ」とは、樹脂などを用いて射出成形により溝を有する製品を成形した場合に、肉厚の変化によって当該溝の裏側がやや凹んだ状態となることをいう。
また、この加飾リングおよびエンブレムにはカバーに固定するための複数の溶着ピンを設けている。このように複数の溶着ピンを設けることによって適度な硬度を保つことができる。すなわち、これら溶着ピンによって加飾リングおよびエンブレムの材質に起因した弾性撓みによる破断衝撃度の散逸を防止するので、加飾リングおよびエンブレムに形成された溝に沿って確実に破断することができる。
本発明の第1実施形態に係るエアバッグ装置1としては、ステアリングに用いる運転者用のエアバッグ装置を好適に示すことができる。このエアバッグ装置1は、車両の衝突時にガスを噴出するインフレータ2と、このインフレータ2から噴出したガスを内部に導入することによって折り畳まれた状態から膨張展開し、乗員を拘束するエアバッグ3と、インフレータ2のガス噴出孔2aを折り畳まれた状態のエアバッグ3の内部に収容するためのリテーナ4と、リテーナ4によって固定され、ハウジングとなるステアリング5と、さらに、このステアリング5のパッド部を形成するカバー6とを備えて、運転者の前方に配置されている。
なお、本発明においてインフレータ、エアバッグおよびリテーナは従来公知のものを適宜用いることができる。
なお、本発明におけるカバー6は、例えば、オレフィン系エラストマーなどの熱可塑性合成樹脂を射出成形することによって形成することができる。また、本発明におけるカバー6には、加飾リング8aやエンブレム8bの溶着ピン9を挿通するための穴(図示せず)を設けておくことが望ましい。
図2に示すように、本発明のエアバッグ装置1の第1実施形態においては、エンブレム8bと加飾リング8aを取り付けたカバー6の内側にティアライン7を略H字状に形成したものである。すなわち、横方向ティアライン7hによって加飾リング8aを破断しつつ、この横方向ティアライン7hの一部がカバー6の中央部に取り付けられたエンブレム8bの下側に小さく迂回するように形成している。
また、この第1実施形態において横方向ティアライン7hの一部をエンブレム8bの下側に迂回するように形成しているが、上側に迂回するように形成することもできる。
また、このティアライン7の凹部の形状は、カバー6の断面形状において、略V字状、あるいは、略U字状に形成するとよい。その他、線状の切れ目を連続して、あるいは、点線状に入れて形成することも可能である。なお、このティアライン7の残厚は、従来形成されているティアライン7の残厚とすることができる。
本発明における加飾部品としては、図3に示すように、カバー6とは別体に成形される加飾リング8a(同図(a))、エンブレム8b(同図(b))を具体的に示すことができる。
一方、比a/bが0.8を超えると、溝10の残厚が厚くなりすぎ、エアバッグ3が展開した際に適切に溝10に沿った破断が発生しない虞がある。
従って、本発明では比a/bを0.5以上0.8以下とする。
参照する図面において図4(a)はエアバッグ装置の第2実施形態の平面図であり、(b)はエアバッグ装置の第3実施形態の平面図であり、(c)はエアバッグ装置の第4実施形態の平面図である。また、図5(a)はエアバッグ装置の第5実施形態の平面図であり、(b)はエアバッグ装置の第6実施形態の平面図である。
なお、各図においてカバー6に形成されたティアライン7を破線で表している。
また、カバー6の内側に形成されるティアライン7の形状以外のエアバッグ装置の構成については本発明の第1実施形態と同様であるので説明を省略するものとし、第1実施形態と同様の構成であるものは第1実施形態と同一の符号を用いることとする。
また、この第2実施形態においては、縦方向ティアライン7vの一部をエンブレム8bの左側に迂回するように形成しているが、右側に迂回するように形成することもできる。
6 カバー
7 ティアライン
7h 横方向ティアライン
7v 縦方向ティアライン
8a 加飾リング
8b エンブレム
10 溝
Claims (3)
- 車両の衝突時にインフレータが噴出したガスによりエアバッグを膨張させ、膨張させたエアバッグにより乗員を保護するエアバッグ装置であって、
前記エアバッグを収容するハウジングのカバーには、前記膨張させたエアバッグにより破断され、前記エアバッグの車室内への展開を許容するティアラインが設けられており、
前記カバーに設けられた前記カバーとは別体の加飾リングおよびこの加飾リングから間隔をおいて配置されたエンブレムには、当該加飾リングおよび当該エンブレムの破断を許容する溝が、前記ティアラインの位置に一致して設けられ、かつ、
前記加飾リングは、TPOおよびABSの中から選択される少なくとも一種を用いて形成されており、
前記エンブレムは、TPO、ABSおよびTPEEの中から選択される少なくとも一種を用いて形成されており、
前記溝は、当該加飾リングの溝の残厚aと前記加飾リングの厚さbの比a/b、および、前記エンブレムの溝の残厚a′と前記エンブレムの厚さb′との比a′/b′がともに0.5以上0.8以下に設けられている
ことを特徴とするエアバッグ装置。 - 前記加飾リングおよび前記エンブレムには前記カバーに固定するための溶着ピンが複数本設けられており、前記溝が、複数本の溶着ピンの間に形成されたことを特徴とする請求項1に記載のエアバッグ装置。
- 前記ティアラインが、
前記カバーを直線形状に横断させる横方向ティアライン、および、前記カバーを直線形状に縦断させる縦方向ティアラインのうち少なくとも一方として設けられていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のエアバッグ装置。
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