JP3908332B2 - 筒状体の成形法および成形型 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、全周アンダーカット付きの筒状体の成形法および成形型に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
口紅容器等の棒状化粧品等の繰り出し容器は、図14に示すように、口紅51を取り付ける中皿52と、上記中皿52を収め中皿52外周に180度対称で設けた突起53を貫通させる縦溝54を有する内筒55と、縦溝を貫いた突起53をガイドするらせん溝56を有する外筒57と、この外筒57に着脱させるキャップ58とから構成されている。上記内筒55には、下端部に回動操作部59が形成されている。近年、上記外筒57として樹脂成形品が多く用いられるようになっている。このような樹脂製の外筒57には、外観を向上させる等の目的により、その内周面上端部付近にアンダーカット60を設け、上端開口部のボリューム感を向上させることが行われている。
【0003】
上記のようなアンダーカット60が形成された外筒57を成形する成形型として、特開平6−190874号公報に示すものが提案されている。この成形型は、図15および図16に示すように、外筒57を成形するキャビティ型61とコア62とを備えている。そして、上記キャビティ型61およびコア62の、コア62先端側(図では上側)の領域に、アンダーカット成形用のユニット65が設けられている。このユニット65は、外周にアンダーカット成形用の鍔67が形成された複数の第1および第2スライドコア63,64を有している。そして、上コア66の外周に上記第1スライドコア63および第2スライドコア64が円周方向に交互に配設され、上記第1スライドコア63が、スプリング68によって内向き付勢されて構成されている。
【0004】
そして、樹脂材料を射出して外筒57を形成したのち、キャビティ型61をユニット65とともに図13の矢印Dの方向に移動させ、第1および第2スライドコア63,64の中心から上コア66を抜くことにより、スプリング68の付勢力によって第1および第2スライドコア63,64を内向きに移動させる。そののち第1および第2スライドコア63,64を外筒57から抜くことにより、アンダーカットが形成された外筒57を成形するようになっている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、上記成形型では、樹脂を射出する状態では、第1および第2スライドコア63,64が上コア66の外周面に当接して外向きに押し拡げられており、成形後に上コア66を抜き、スプリング68の付勢力で第1および第2スライドコア63,64を内向きに移動させるようになっている。このため、1ショット成形したのち型締めする際に、第1および第2スライドコア63,64の中心に上コア66を挿入して第1および第2スライドコア63,64を外向きに押し拡げなければならない。したがって、上コア66や第1および第2スライドコア63,64等の部品の磨滅が大きいという問題がある。また、部品が磨滅すると、上コア66や第1および第2スライドコア63,64等がスムーズに移動しにくくなったり、上コア66の挿入がスムーズに行われないというトラブルも発生しやすい。
【0006】
本発明は、このような事情に鑑みなされたもので、部品の磨滅が少なく、金型部品がスムーズに動いてトラブルの発生も少ない筒状体の成形法および成形型の提供をその目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するため、本発明の筒状体の成形法は、筒状体成形用のキャビティ型と、筒状体内周面にらせん溝を刻設するらせん条が外周面に形成されたコアとを準備し、上記キャビティ型のコア先端側に隣接する領域に、外周側にアンダーカット形成用の鍔を有する複数個の第1スライドコアと、同じく外周側にアンダーカット形成用の鍔を有する複数個の第2スライドコアとを円周方向で交互に配設し、上記第1スライドコアおよび第2スライドコアに、それ自体の回転により上記第1および第2スライドコアが中心部に向かって移動するよう回転板を介装連結し、上記キャビティ型に隣接するコア根元側の領域に、コア挿通穴にコアが挿通されたコア挿通板およびコアが回転自在に軸支されたコア取付板を配設し、上記コア挿通板にコアと平行にスクリュー軸を固定するとともに上記コア取付板のスクリュー軸挿通穴にスクリュー軸を挿通させ、上記スクリュー軸にチェンジナットを取り付け、合成樹脂を射出したのち、上記回転板を回転させて上記第1および第2スライドコアの各アンダーカット形成用の鍔を筒状体の内径より内側に変位させ、この変位ののち上記コア挿通板からコア取付板を離間させる際、チェンジナットをスクリュー軸に沿って移動させながらスクリュー軸を軸に回転させ、このチェンジナットの回転をコアに伝達することにより、コアを筒状体のらせん溝に沿って回転させながら上記筒状体から抜くようにしたことを要旨とする。
【0008】
また、本発明の筒状体の成形型は、筒状体成形用のキャビティ型とコアとを備え、このコアの外周面に筒状体内周面にらせん溝を刻設するらせん条が形成され、上記キャビティ型のコア先端側に隣接する領域に、外周側にアンダーカット形成用の鍔を有する複数個の第1スライドコアと、同じく外周側にアンダーカット形成用の鍔を有する複数個の第2スライドコアとが円周方向で交互に配設され、上記第1スライドコアおよび第2スライドコアに、それ自体の回転により上記第1および第2スライドコアを中心部に向かって移動させるよう回転板が介装連結され、この回転板の回転により上記第1および第2スライドコアの各アンダーカット形成用の鍔が筒状体の内径より内側に変位されるように構成し、上記キャビティ型に隣接するコア根元側の領域に、コア挿通穴にコアが挿通されたコア挿通板およびコアが回転自在に軸支されたコア取付板が配設され、上記コア挿通板にコアと平行にスクリュー軸が固定されるとともに、上記コア取付板のスクリュー軸挿通穴にスクリュー軸を挿通させ、上記スクリュー軸にチェンジナットが取り付けられるとともにこのチェンジナットの回転がコアに伝達されるようチェンジナットとコアが連結され、上記コア挿通板からコア取付板を離間させる際、チェンジナットがスクリュー軸に沿って移動しながらスクリュー軸を軸に回転し、このチェンジナットの回転がコアに伝達されることにより、コアが筒状体のらせん溝に沿って回転しながら上記筒状体から抜けるように構成したことを要旨とする。
【0009】
すなわち、本発明は、キャビティ型のコア先端側に隣接する領域に、外周側にアンダーカット形成用の鍔を有する複数個の第1スライドコアと、同じく外周側にアンダーカット形成用の鍔を有する複数個の第2スライドコアとを円周方向で交互に配設している。また、上記第1スライドコアおよび第2スライドコアに、それ自体の回転により上記第1および第2スライドコアが中心部に向かって移動するよう回転板を介装連結している。そして、上記回転板を回転させて上記第1および第2スライドコアの各アンダーカット形成用の鍔を筒状体の内径より内側に変位させるようにしている。したがって、全周にアンダーカットが形成された筒状体を後加工の必要なく一工程で射出成形することができる。また、上記のように、上記第1スライドコアおよび第2スライドコアは、回転板の回転により中心部に向かって移動するため、従来のものに比べ、部品の磨滅が少なくなり、第1および第2スライドコアの移動もスムーズに行われる。したがって、トラブルの発生も少なく、常に安定した状態で成形を行うことができる。
【0010】
また、本発明では、筒状体内周面にらせん溝を刻設するらせん条が外周面に形成されたコアを使用し、キャビティ型に隣接するコア根元側の領域に、コア挿通穴にコアが挿通されたコア挿通板およびコアが回転自在に軸支されたコア取付板を配設し、上記コア挿通板にコアと平行にスクリュー軸を固定するとともに上記コア取付板のスクリュー軸挿通穴にスクリュー軸を挿通させ、上記スクリュー軸にチェンジナットを取り付け、上記コア挿通板からコア取付板を離間させる際、チェンジナットをスクリュー軸に沿って移動させながらスクリュー軸を軸に回転させ、このチェンジナットの回転をコアに伝達することにより、コアを筒状体のらせん溝に沿って回転させながら上記筒状体から抜くようにしている。したがって、成形型を開く際の非常に大きな力を利用してコアを抜くため、筒状体の内周面に多数の細かいらせん溝が刻設され、コア抜きに非常に大きな力が必要になるときでも、スムーズにコアを抜くことができ、成形品を損傷させるようなこともない。そして、内周面に多数の細かいらせん溝が刻設された筒状体が成形できるようになる。このような筒状体は、肉厚の違いによるヒケがほとんど生じず、外周面がなめらかになる。したがって、高価な金属筒を使用することなく、高級感をもった外筒を得ることができる。また、ヒケがほとんど生じないため、蒸着等の表面処理を行うことにより、金属筒と同様の装飾性と高級感をもった外筒を得ることができる。
【0011】
【発明の実施の形態】
つぎに、本発明の実施の形態を詳しく説明する。
【0012】
図1は、本発明の成形型を用いて成形する口紅繰り出し容器の外筒1である。この外筒1は、内周面の上端部付近に、全周にわたってアンダーカット2が形成されている。また、内周面のアンダーカット2よりも下側の部分には、全周にわたって多数のらせん溝3が刻設されている。また、図2および図3は、上記外筒1を用いた口紅繰り出し容器である。この口紅繰り出し容器は、外筒1と、口紅41(図2には示していない)を取り付ける中皿42と、上記中皿42を収め中皿42の外周に180度対称で設けた突起43を貫通させる縦溝44を有する内筒45と、上記外筒1に着脱させるキャップ46と、上記内筒45の下端部に取り付けられるハカマ部47とから構成されている。そして、上記突起43の頂面には、外筒1のらせん溝3とスライド自在に嵌合するらせん部48が刻設されている。このように、外筒1の多数のらせん溝3によって中皿42の突起43をガイドし、中皿42を昇降させるようになっている。本発明では、上記のようなアンダーカット2が形成されるとともに、内周面に多数のらせん溝3が刻設された外筒1を成形するものである。
【0013】
図4および図5は、本発明の成形型を示す。図において、4は外筒1の外径部を成形するキャビプレートであり、5は外筒1の内径部を成形するコアである。この成形型では、1回の射出で外筒1を同時に4個成形するようになっている。
【0014】
上記キャビプレート4の上部(コア5の先端側に隣接する領域)には、アンダーカット形成用のユニット8が設けられている。また、キャビプレート4の上側には、ランナーストリッパプレート9が配設されている。10は取り付け板である。また、11は上記取り付け板10に形成された樹脂注入口であり、ランナおよびゲート(ともに図示せず)を通じて外筒1の成形空間に樹脂を注入するようになっている。また、上記キャビプレート4の下側(コア5の根元側に隣接する領域)には、挿通穴37に上記コア5が挿通されたストリッパプレート6およびコア5が回転自在に軸支されたコアプレート7が配設されている。さらに、上記コアプレート7の下側には、サポートプレート12および取り付け板13が配設されている。
【0015】
まず、上記アンダーカット形成用のユニット8によってアンダーカットを形成する機構について説明する。
【0016】
上記ユニット8は、図6〜図8に示すように、外側にアンダーカット形成用の鍔部14aが形成された4個(図6では1個しか示していない)の第1スライドコア14と、同じく外側にアンダーカット形成用の鍔部15aが形成された4個(図6では1個しか示していない)の第2スライドコア15と、上面および下面にそれぞれ4本の弧状の作動溝16a,16bが刻設されたギヤ16と、上記ギヤ16を回動可能に収容するギヤボックス17と、上記ギヤボックス17の蓋18とから構成されている。図6および図7において19は第1および第2スライドコア14,15の中心に配設されるピンである。
【0017】
上記第1スライドコア14および第2スライドコア15は、ともに側面視で逆L字状で、縦片の下端部の外側に鍔部14a,15aが形成されている。また、第1スライドコア14の横片の下面および第2スライドコア15の上面には、それぞれ突起14b,15bが形成され、これら突起14b,15bがそれぞれギヤ16の上下面の作動溝16a,16bに摺動自在に嵌合するようになっている。
【0018】
また、上記ギヤボックス17には、その上面にギヤ収容凹部20が形成され、このギヤ収容凹部20は、ギヤボックス17の一側面に開口部35が形成されている。また、上記ギヤ収容凹部20の底面には十字状凹部21およびピン挿通穴22が形成され、上記十字状凹部21に4個の第2スライドコア15がスライド自在に収容されるようになっている。一方、上記蓋18には、その下面に、十字状凹部24が形成され、第1スライドコアの横片がスライド自在に収容されるようになっている。
【0019】
そして、上記ピン挿通穴22に第2スライドコア15の縦片を挿通させた状態で、十字状凹部21に4個の第2スライドコア15の横片がスライド自在に収容される。上記第2スライドコア15が収容されたギヤボックス17に、ギヤ16が収容され、第2スライドコア15の突起15bがギヤ16の下面の作動溝16bに嵌合される。このとき、ギヤ16の外周面(歯面)がギヤボックス17の一側面の開口部35からはみ出すようになっている。そして、上記ピン挿通穴22に第1スライドコア14の縦片を挿通させるともに、上記ギヤ16上面の作動溝16aに突起14bを嵌合させる。さらに、第1スライドコア14の横片を十字状凹部24に収容した状態でギヤボックス17が蓋18で蓋される。
【0020】
この状態で、第1スライドコア14と第2スライドコア15とが円周方向で交互に配設され、第1スライドコア14と第2スライドコア15の各横片の間にギヤ16が回動可能に介装連結された状態となる。そして、ギヤ16が図8に示す矢印Eの方向に回動することにより、上記第1スライドコア14および第2スライドコア15の各突起14b,15bが、作動溝16a,16bに沿って内向きに移動し、図9に示すように、第1スライドコア14および第2スライドコア15が内向きに移動するようになっている。これにより、アンダーカット形成用の鍔部14a,15aがアンダーカット2から外れて外筒1の内径より内側に変位されるようになっている。なお、上記アンダーカット形成用のユニット8は、成形する外筒1に対して一組(ひとつの成形型には4組)備えられている。
【0021】
ここで(図4および図5に戻る)、上記ギヤ16の回動駆動は、ギヤ16にかみ合うように配設されたラック25によって行われる。上記ラック25の端部にはローラ26が取り付けられている。一方、成形型のランナーストリッパプレート9の側面部にガイドブロック27が固定され、上記ローラ26がガイドブロック27に形成されたガイド溝28にスライド自在に嵌合している。そして、樹脂を射出したのち開型する際(固定されているランナーストリッパプレート9からキャビプレート4が図4の矢印B方向に移動する)、ローラ26がガイド溝28に沿って移動し、ラック25が図4および図5の矢印C方向に移動することにより、このラック25とかみ合ったギヤ16を回動させるようになっている。なお、上記ラック25およびガイドブロック27は、各アンダーカット形成用のユニット8に対して一組(ひとつの成形型には4組)備えられている(図5参照)。
【0022】
つぎに、内周面に多数のらせん溝3が刻設された状態の外筒1から、上記らせん溝3に沿ってコア5を抜く機構について説明する。
【0023】
上記コア5には、その外周面に外筒1のらせん溝3を刻設する多数のらせん条29が形成されている。このコア5は、キャビプレート4の下側に配設されたストリッパプレート6のコア挿通穴37に挿通されるとともに、コアプレート7に回転自在に軸支され、下端部(コアプレート7の下側)に第1歯車30が取り付けられている。この第1歯車30は、第2歯車31を介して後述するチェンジナット32と連動するように連結されている(図5参照)。また、上記ストリッパプレート6のコア挿通穴37の開口周縁には、外筒1を保持する保持部38が形成されている。
【0024】
一方、ストリッパプレート6には、外周面にらせん溝34が刻設されたスクリューシャフト33がコア5と平行になるよう取り付けられている。このスクリューシャフト33は、コアプレート7のシャフト挿通穴36に挿通され、スクリューシャフト33のコアプレート7の下側にチェンジナット32が取り付けられている。このチェンジナット32は、スクリューシャフト33のスクリュー部34に移動自在に嵌合している。これにより、ストリッパプレート6からコアプレート7が離間するように開型する際に、上記スクリューシャフト33に沿ってチェンジナット32が矢印B方向に移動し、この移動に伴い上記スクリュー部34に沿ってチェンジナット32が回転するようになっている。そして、このチェンジナット32の回転が、上記第2歯車を介して第1歯車に伝達され、コア5が回転するようになっている。このようにして、ストリッパプレート6からコアプレート7が離間する際に、コア5は矢印B方向に移動すると同時に回転し、外筒1のらせん溝3に沿ってコア5が抜けるようになっている。
【0025】
上記成形型では、上記スクリューシャフト33とチェンジナット32は2組備えられ、1組のスクリューシャフト33とチェンジナット32によって2本のコア5を回転駆動するようになっている(図5参照)。また、成形型の両側部にスクリューシャフト33とチェンジナット32が1組づつ配設され、それぞれのスクリューシャフト33とチェンジナット32の内側部に配設された2本のコア5を駆動するようになっている。これにより、開型の際に力をバランス良く分散してスムーズに開型するようになっている。
【0026】
本発明の成形型を用い、例えば、つぎのようにして外筒1の成形が行われる。すなわち、最初に、成形型を全て閉めた状態で樹脂を射出する(図4参照)。そして、この状態から、順次成形型を開いてゆく。まず、図10に示すように、固定されたランナーストリッパプレート9とキャビプレート4との間を開く。このとき、第1スライドコア14および第2スライドコア15の中心に配設されていたピン19が抜ける。
【0027】
ついで、図11に示すように、さらにキャビプレート4側が移動して開型する。このとき、ラック25の端部に取付けられたローラ26がガイドブロック27のガイド溝28に沿って移動し、ラック25が矢印Cの方向に移動してユニット8内のギヤ16を回動させる。これにより、上記第1スライドコア14および第2スライドコア15が中心部に向かって移動し(図8および図9参照)、アンダーカット2から第1スライドコア14および第2スライドコア15の鍔部14a,15aが外れ、上記鍔部14a,15a外筒1の内径よりも内側に変位される。
【0028】
つぎに、図12に示すように、キャビプレート4からストリッパプレート6が離間するように開型し、キャビプレート4から外筒1が抜き出される。このとき、アンダーカット2から第1スライドコア14および第2スライドコア15の鍔部14a,15aが外れているため、スムーズに外筒1が抜けるようになっている。
【0029】
そののち、図13に示すように、ストリッパプレート6からコアプレート7が離れるように移動する。このコアプレート7の移動に伴い、スクリューシャフト33に沿ってチェンジナット32が下方に移動し、スクリューシャフト33のスクリュー部34に沿ってチェンジナット32が回転する。そして、このチェンジナット32の回転が、第2歯車31を介して第1歯車30に伝達され、コア5が回転する。これにより、コア5が回転しながら下方に移動し、外筒1の下端部が保持部38に保持されているため、外筒1のらせん溝3に沿ってコア5が抜けるようになっている。
【0030】
上記成形型によれば、全周にアンダーカット2が形成された外筒1を一工程で射出成形できる。また、上記第1スライドコア14および第2スライドコア15は、ギヤ16の回転によって中心部に向かって移動するため、部品の磨滅が比較的少なく、常に安定した状態で成形を行うことができる。また、ギヤ16をガイドブロック27により開型に伴って作動するラック25によって行っているため、開型の際に自動的に第1および第2スライドコア14,15を移動させることができる。
【0031】
また、成形型を開く際の非常に大きな力を利用してコア5を抜くため、外筒1の内周面に多数の細かいらせん溝3が刻設され、コア抜きに非常に大きな力が必要になるときでも、スムーズにコア5を抜くことができる。さらに、成形型の両側部に配設された2組のスクリューシャフト33とチェンジナット32により、それぞれ2本のコア5を駆動するようになっているため、開型の際に力をバランス良く分散してスムーズに開型でき、安定した状態で成形を行うことができる。
【0032】
【発明の効果】
以上のように、本発明によれば、全周にアンダーカットが形成された筒状体を後加工の必要なく一工程で射出成形することができる。また、上記第1スライドコアおよび第2スライドコアは、回転板の回転により中心部に向かって移動するため、従来のものに比べ、部品の磨滅が少なくなり、第1および第2スライドコアの移動もスムーズに行われる。したがって、トラブルの発生も少なく、常に安定した状態で成形を行うことができる。
【0033】
また、本発明では、筒状体内周面にらせん溝を刻設するらせん条が外周面に形成されたコアを使用し、キャビティ型に隣接するコア根元側の領域に、コア挿通穴にコアが挿通されたコア挿通板およびコアが回転自在に軸支されたコア取付板を配設し、上記コア挿通板にコアと平行にスクリュー軸を固定するとともに上記コア取付板のスクリュー軸挿通穴にスクリュー軸を挿通させ、上記スクリュー軸にチェンジナットを取り付け、上記コア挿通板からコア取付板を離間させる際、チェンジナットをスクリュー軸に沿って移動させながらスクリュー軸を軸に回転させ、このチェンジナットの回転をコアに伝達することにより、コアを筒状体のらせん溝に沿って回転させながら上記筒状体から抜くようにしている。したがって、成形型を開く際の非常に大きな力を利用してコアを抜くため、筒状体の内周面に多数の細かいらせん溝が刻設され、コア抜きに非常に大きな力が必要になるときでも、スムーズにコアを抜くことができ、成形品を損傷させるようなこともない。そして、内周面に多数の細かいらせん溝が刻設された筒状体が成形できるようになる。このような筒状体は、肉厚の違いによるヒケがほとんど生じず、外周面がなめらかになる。したがって、高価な金属筒を使用することなく、高級感をもった外筒を得ることができる。また、ヒケがほとんど生じないため、蒸着等の表面処理を行うことにより、金属筒と同様の装飾性と高級感をもった外筒を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明で成形する外筒を示す一部破断断面図である。
【図2】上記外筒を使用した口紅繰り出し容器を示す分解斜視図である。
【図3】上記口紅繰り出し容器を示す断面図である。
【図4】本発明の成形型の図5のA部を横から見た状態を示す説明図である。
【図5】上記成形型を上から見た状態を示す説明図である。
【図6】アンダーカット形成用のユニットを示す分解斜視図である。
【図7】上記ユニットを示す図8におけるY−Y断面図である。
【図8】上記ユニットを下側から見た説明図である。
【図9】上記ユニットの作用を示す説明図である。
【図10】上記成形型の開型状態を示す説明図である。
【図11】上記成形型の開型状態を示す説明図である。
【図12】上記成形型の開型状態を示す説明図である。
【図13】上記成形型の開型状態を示す説明図である。
【図14】口紅容器を示す分解斜視図である。
【図15】従来の成形型を示す図16のX−X断面図である。
【図16】上記成形型のアンダーカット成形用のユニットを示す部分切欠底面図である。
【符号の説明】
1 外筒
4 キャビプレート
5 コア
14 第1スライドコア
14a 鍔部
15 第2スライドコア
15a 鍔部
16 ギヤ
Claims (2)
- 筒状体成形用のキャビティ型と、筒状体内周面にらせん溝を刻設するらせん条が外周面に形成されたコアとを準備し、上記キャビティ型のコア先端側に隣接する領域に、外周側にアンダーカット形成用の鍔を有する複数個の第1スライドコアと、同じく外周側にアンダーカット形成用の鍔を有する複数個の第2スライドコアとを円周方向で交互に配設し、上記第1スライドコアおよび第2スライドコアに、それ自体の回転により上記第1および第2スライドコアが中心部に向かって移動するよう回転板を介装連結し、上記キャビティ型に隣接するコア根元側の領域に、コア挿通穴にコアが挿通されたコア挿通板およびコアが回転自在に軸支されたコア取付板を配設し、上記コア挿通板にコアと平行にスクリュー軸を固定するとともに上記コア取付板のスクリュー軸挿通穴にスクリュー軸を挿通させ、上記スクリュー軸にチェンジナットを取り付け、合成樹脂を射出したのち、上記回転板を回転させて上記第1および第2スライドコアの各アンダーカット形成用の鍔を筒状体の内径より内側に変位させ、この変位ののち上記コア挿通板からコア取付板を離間させる際、チェンジナットをスクリュー軸に沿って移動させながらスクリュー軸を軸に回転させ、このチェンジナットの回転をコアに伝達することにより、コアを筒状体のらせん溝に沿って回転させながら上記筒状体から抜くようにしたことを特徴とする筒状体の成形法。
- 筒状体成形用のキャビティ型とコアとを備え、このコアの外周面に筒状体内周面にらせん溝を刻設するらせん条が形成され、上記キャビティ型のコア先端側に隣接する領域に、外周側にアンダーカット形成用の鍔を有する複数個の第1スライドコアと、同じく外周側にアンダーカット形成用の鍔を有する複数個の第2スライドコアとが円周方向で交互に配設され、上記第1スライドコアおよび第2スライドコアに、それ自体の回転により上記第1および第2スライドコアを中心部に向かって移動させるよう回転板が介装連結され、この回転板の回転により上記第1および第2スライドコアの各アンダーカット形成用の鍔が筒状体の内径より内側に変位されるように構成し、上記キャビティ型に隣接するコア根元側の領域に、コア挿通穴にコアが挿通されたコア挿通板およびコアが回転自在に軸支されたコア取付板が配設され、上記コア挿通板にコアと平行にスクリュー軸が固定されるとともに、上記コア取付板のスクリュー軸挿通穴にスクリュー軸を挿通させ、上記スクリュー軸にチェンジナットが取り付けられるとともにこのチェンジナットの回転がコアに伝達されるようチェンジナットとコアが連結され、上記コア挿通板からコア取付板を離間させる際、チェンジナットがスクリュー軸に沿って移動しながらスクリュー軸を軸に回転し、このチェンジナットの回転がコアに伝達されることにより、コアが筒状体のらせん溝に沿って回転しながら上記筒状体から抜けるように構成したことを特徴とする筒状体の成形型。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
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