JP3907374B2 - Abs装置のアクチュエータ取付け構造 - Google Patents

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    • B60T8/3675Electromagnetic valves specially adapted for anti-lock brake and traction control systems integrated in modulator units
    • B60T8/368Electromagnetic valves specially adapted for anti-lock brake and traction control systems integrated in modulator units combined with other mechanical components, e.g. pump units, master cylinders
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  • Regulating Braking Force (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、自動車にABS装置(アンチロックブレーキシステム)を搭載する際のアクチュエータの取付け構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
自動車においては、急制動時における車体姿勢の安定化を図る目的から、ABS装置を搭載する場合がある。このABS装置は、主として、ブレーキペダルの踏み込み操作により油圧を発生するマスタシリンダと、前輪及び後輪の各ホイールシリンダとを連通接続するブレーキチューブの途中に、車輪のロック状態に応じて上記各ホイールシリンダへの油圧を制御するアクチュエータを介設して構成されている。
【0003】
このようなアクチュエータの車体取付け構造として、従来、図6,図7に示すように、フロアパネル50の下面に配設されたクロスメンバ51,あるいは左右側部に配設されたサイドメンバ(不図示)に弾性部材52を介してブラケット53を固定し、該ブラケット53によりアクチュエータ54を吊懸支持する場合がある(例えば、実開平7−40336号公報参照)。また上記アクチュエータ54は、制御ユニット55の上部に油圧ユニット56を接続してなり、該油圧ユニット56に接続されたブレーキチューブ57,58をそれぞれ前,後輪のホイールシリンダに接続して構成されている。
【0004】
一方、最近の自動車では、リヤシート後方の荷室の有効利用を図る観点から、該荷室に補助シートを搭載可能とする場合がある。この補助シートを搭載する場合には、例えば、図6に示すように、フロアパネル50を、リヤシートが載置される前側パネル50aと、該前側パネル50aより高所に位置し、補助シートが載置される後側パネル50bとから構成し、この両パネル50a,50bの接合部50cを閉断面箱状をなすように溶接接合するのが一般的である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来の取付け構造のように、アクチュエータ54をクロスメンバ51,サイドメンバの下面にブラケット53により吊懸支持する構造とした場合は、フロアパネル50からアクチュエータ54の底面までの取付け高さhが大きくなるとともに、車両下方に露出することから見栄えが悪化するという問題がある。
【0006】
このような高さ寸法,見栄えの問題を回避するには、アクチュエータをフロアパネル下面に直接取付けることが考えられる。しかし、この場合にはアクチュエータの取付け剛性を確保し難く、不快な作動音(振動)が室内に伝わるおそれがある。
【0007】
また、上記従来の取付け構造のように、ブレーキチューブ57をアクチュエータ54の側方や上方に回り込むように配索する場合には、車幅方向の配置スペースwや高さ寸法が大きくなり、場合によっては排気系や動力伝達系と干渉するおそれがある。
【0008】
本発明は、上記従来の状況に鑑みてなされたもので、アクチュエータの取付け剛性を確保しながら、取付け高さを小さくできるとともに、見栄えの悪化を防止でき、さらには車幅方向の配置スペースを縮小できるABS装置のアクチュエータ取付け構造を提供することを目的としている。
【0011】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明は、ABS装置のアクチュエータを車体フロアの下方に配置し、該アクチュエータをブラケットを介して上記車体フロアに取付けるようにしたABS装置のアクチュエータ取付け構造において、上記アクチュエータを、制御ユニットと、該制御ユニットより車幅寸法の小さい油圧ユニットとからなるものとし、上記ブラケットに、上記制御ユニットと油圧ユニットとの車幅方向の寸法差により生じた空間内に位置するよう凹部を形成し、該凹部と車体フロアとの間に上記アクチュエータのブレーキチューブを配索したことを特徴としている。
【0015】
【発明の作用効果】
請求項1の発明では、アクチュエータの制御ユニットと油圧ユニットとの車幅方向の寸法差により生じた空間内に上記ブラケットの凹部を位置させ、該凹部と車体フロアとの間にブレーキチューブを配索したので、車幅寸法や高さ寸法を大きくすることなく、制御ユニットと油圧ユニットとの間の空間を有効利用してブレーキチューブを配索することができる。その結果、従来のアクチュエータの側方や上方に配索する場合に比べて車幅方向の配置スペース及び取付け高さを縮小でき、ひいては排気系や動力伝達系との干渉を防止できる。
【0016】
また上記ブレーキチューブを車体フロアに沿って配索することが可能となるので、ブレーキチューブを予め車体フロアに付けた状態で、アクチュエータを後付けすることが可能となり、組付け作業を容易に行なうことができる。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を添付図面に基づいて説明する。
【0018】
図1ないし図5は、本発明の一実施形態によるABS装置のアクチュエータ取付け構造を説明するための図であり、図1,図2はアクチュエータの取付け状態の側面図,背面図、図3はブラケットの分解斜視図、図4はブラケットの平面図、図5は車体フロアの概略側面図である。なお、本実施形態でいう左右,前後とは車両後方から見た左右,前後のことをいう。
【0019】
図において、1はキャブオーバータイプの自動車の車体フロアを示しており、これは車室を構成する第1リヤフロアパネル2と、荷室を構成する第2リヤフロアパネル3とを接続してなるものであり、該第1,第2リヤフロアパネル2,3の左,右側縁部には車両前後方向に延びるサイドメンバ(不図示)が結合されている。
【0020】
上記第1リヤフロアパネル2の下面前部及び後部には車幅方向に延びて左右のサイドメンバに結合された第1,第2クロスメンバ4,5が配設されており、上記第2リヤフロアパネル3の下面前部には上記同様に左右のサイドメンバに結合された第3クロスメンバ6が配設されている。また第2リヤフロアパネル3の下面後端部には車幅方向に延びるロアバックパネル7が配設されており、該ロアバックパネル7によりバックドア開口の下縁が形成されている。
【0021】
上記第1及び第3クロスメンバ4,6は上向きに開口する断面ハット状のものであり、これの前,後フランジが各リヤフロアパネル2,3の下面に溶接接合されている。また上記第2クロスメンバ5は、断面ハット状のアッパメンバ5aとロアメンバ5bとを最中状に溶接接合してなる閉断面角筒状のものである。
【0022】
上記第1リヤフロアパネル2は足乗せ部2aに続いて少し高所に位置するシート搭載部2bを段付き形成してなるものであり、該シート搭載部2b上にリヤシート8が搭載されている。この足乗せ部2aとシート載置部2bの段部に上記第2クロスメンバ5が配設されている。
【0023】
また上記第2リヤフロアパネル3は、上記シート載置部2bより少し高所に位置する足乗せ部3aに続いて該足乗せ部3aより高所に位置する荷台部3bを段付き形成してなるのもであり、該荷台部3bに補助シート9が着脱可能,もしくは折り畳み可能に搭載されている。
【0024】
上記シート搭載部2bの後縁部2cは上向き段状に折り曲げ形成され、第2リヤフロアパネル3の足乗せ部3aの前縁部3cは下向き段状に折り曲げ形成されており、この後縁部2c,前縁部3c同士を溶接接合することにより車幅方向に延びる閉断面角筒状をなす接合部10が形成されている。
【0025】
そして上記接合部10の下方車幅方向中央部にABS装置のアクチュエータ11が配設されている。このABS装置は車両の急制動時に車両がロックするのを防止することにより車体姿勢の安定化を図るものである。
【0026】
上記アクチュエータ11は、不図示のマスタシリンダから各車輪のホイールシリンダへの油圧を制御する油圧ユニット12と、各車輪の回転速度に基づいてホイールシリンダへの油圧を制御するコントロールユニット13とを備えており、該コントロールユニット13の上面に上記油圧ユニット12が一体に接続固定されている。上記コントロールユニット13の背面左側部にはワイヤハーネス(不図示)が接続されるコネクタ13aが配設されている。
【0027】
上記油圧ユニット12は上記コントロールユニット13の前後寸法,及び車幅寸法より小さく形成されており、かつコントロールユニット13の前面及び右側面と面一となるように偏位させて配置されている。これによりコントロールユニット13の上面左側部及び上面前部と油圧ユニット12との間には空間Aが設けられている。
【0028】
上記油圧ユニット12の背面には4本の鋼管製ブレーキチューブ14a,14b,15a,15bが接続されており、このうち2本のブレーキチューブ14a,14bは車両前方に配索されて左右の前輪のホイールシリンダに接続され、残り2本のブレーキチューブ15a,15bは車両後方に配索されて左右の後輪のホイールシリンダに接続されている。またコントロールユニット13の前面にはマスタシリンダに接続された2本のブレーキチューブ16a,16bが接続されている。
【0029】
上記アクチュエータ11はブラケット20を介して上記接合部10に取付けられている。このブラケット20は平板状のブラケット本体21に車両前方に延びる帯板状の延長部22を一体形成してなるものである。
【0030】
上記ブラケット本体21は、主としてコントロールユニット13の上面前部に当接する固定部21aと該固定部21aに続いて上方に起立して延び上記油圧ユニット12の上面に当接する天壁部21bと、該天壁部21bの両端に続いて車幅方向外側に延びる取付け部21c,21cとから構成されている。なお、21d,21dは補強ビードである。
【0031】
上記左右の取付け部21cにはグロメット挿着孔21eに続いて側方に開口するスリット21fが形成されており、この挿着孔21eにはスリット21fを介して挿着された防振ゴム23が嵌装されている。このスリット21fを形成したことにより防振ゴム23の挿着作業を容易に行えるようになっている。
【0032】
上記左右の防振ゴム23,23にはボルト24,24が挿着されており、該ボルト24により上記ブラケット本体21は上記接合部10の第2リヤフロアパネル3の前縁部3cの下面に締結固定されている。これによりブラケット本体21は防振ゴム23,23を介在させて上記接合部10に弾性支持されている。
【0033】
また上記ブラケット本体21の固定部21aにはコントロールユニット13の上面前部が左右一対のボルト25,25により締結固定されており、上記天壁部21bには油圧ユニット12の上面がボルト26により締結固定されている。これによりアクチュエータ11はブラケット20により吊懸支持されている。
【0034】
上記ブラケット本体21のアクチュエータ11の空間Aに臨む部分には前後方向に延びる凹部21gが形成されており、この凹部21gとリヤフロアパネル23との間に上記左右の前輪に接続されたブレーキチューブ14a,14bが配索されている。
【0035】
上記延長部22は第2クロスメンバ5の下面に対向するよう延びており、該延長部22の前端部にはグロメット挿着孔22aに続いて前方に開口するスリット22bが形成されており、この挿着孔22aには上記同様にスリット22bを介して挿着された防振ゴム23が嵌装されている。
【0036】
上記防振ゴム23にはボルト24が挿着され、該ボルト24により上記延長部22は第2クロスメンバ5のロアメンバ5bに締結固定されている。このようにしてブラケット20は結合部10とこれの前方に位置する第2クロスメンバ5とに架け渡して固定されている。
【0037】
上記アクチュエータ11には板金製のカバー30が配設されている。このカバー30は、マフラー31による排気熱の影響,あるいは飛び石,水かかりを防止するためのものであり、アクチュエータ11の左側面を覆う縦壁部30aと下面を覆う底壁部30bとからなるL字形状のものである。
【0038】
上記縦壁部30aの上縁には前後一対の取付け片30c,30cが外側に屈曲形成されており、該各取付け片30cはボルト32によりブラケット本体21の左側取付け部21cに締結固定されている。また上記底壁部30bの中央部にはコントロールユニット13の下面に当接する凸部30eが形成されており、該凸部30eはボルト34によりコントロールユニット13の底部に締結固定されている。
【0039】
また上記各取付け片30cの内縁には位置決め爪30d,30dが一体に起立形成されている。この各位置決め爪30dは、上記取付け部21cの挿着孔21eを囲むように形成された凸部21hの前後内面に当接することによりカバー30の前後,上下方向の位置決めを行っている。
【0040】
次に本実施形態の作用効果について説明する。
【0041】
本実施形態によれば、第1リヤフロアパネル2の後縁部2cとこれより高所に位置するよう配設された第2リヤフロアパネル3の前縁部3cとで車幅方向に延びる閉断面角筒状の接合部10を形成し、該接合部10の下面に防振ゴム23を介在させてブラケット20のブラケット本体21を弾性固定し、該ブラケット本体21にアクチュエータ11を吊懸固定したので、断面剛性の高い接合部10にアクチュエータ11を取付けることができ、該アクチュエータ11の取付け剛性を確保でき、作動音による不快な振動が室内に伝わるのを防止できる。
【0042】
また上記ブラケット本体21に車両前方に延びる延長部22を形成し、該延長部22を第2クロスメンバ5に防振ゴム23を介在させてボルト締め固定したので、ブラケット20を接合部10とクロスメンバ5とに架け渡して固定でき、ブラケット20の取付け剛性を高めることができ、ひいてはアクチュエータ11の支持剛性を向上できる。
【0043】
本実施形態では、第1,第2リヤフロアパネル2,3の接合部10にアクチュエータ11を取付けたので、該アクチュエータ11をフロアパネル下面に近接させて配置することができ、従来のクロスメンバの下面に配置する場合に比べてアクチュエータ11の取付け高さHを小さくすることができ、地上高を充分に確保できるとともに,見栄えの悪化を防止できる。ちなみに、本実施形態では、従来のクロスメンバ下面にアクチュエータを取付けていた場合に比べてアクチュエータ11を上方に80mm移動させることができ、配置位置の最適化を図ることが可能となっている。
【0044】
本実施形態では、アクチュエータ11をコントロールユニット13の上面にこれより車幅寸法の小さい油圧ユニット12を載置して構成し、この両ユニット12,13の幅方向寸法差により生じた空間A内に位置するよう上記ブラケット本体21に凹部21gを形成し、該凹部21gとリヤフロアパネル2との間にブレーキチューブ14a,14bを配索したので、両ユニット12,13の間の空間Aを有効利用してブレーキチューブ14a,14bを配索することができる。その結果、車幅方向及び上下方向の配置スペースを縮小でき、ひいてはマフラやプロペラシャフト等との干渉を防止できる。
【0045】
また上記凹部21gとリヤフロアパネル2との間にブレーキチューブ14a,14bを配索したので、各ブレーキチューブ14a,14bをリヤフロアパネル2に予めクリップ、クランプ等により配索固定した状態で、アクチュエータ11を後付けすることが可能となり、組付け作業を容易に行なうことができる。
【0046】
なお、上記実施形態では、ブラケット20の延長部22を前方の第2クロスメンバ5に固定した場合を説明したが、本発明はこれに限られるものではなく、ブラケットを車幅方向に延長させてサイドメンバに固定してもよく、あるいは後方に延長して後側のクロスメンバに固定してもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態によるABS装置のアクチュエータ取付け構造を説明するためのアクチュエータ取付け状態を示す側面図である。
【図2】上記アクチュエータの取付け状態を示す背面図である。
【図3】上記アクチュエータのブラケットの分解斜視図である。
【図4】上記ブラケットの平面図である。
【図5】上記アクチュエータが配設された車体フロアの概略図である。
【図6】従来のアクチュエータ取付け構造を示す概略図である。
【図7】従来のアクチュエータ取付け構造を示す概略図である。
【符号の説明】
1 車体フロア
2 第1リヤフロアパネル(車両前側フロアパネル)
2c 後縁部
3 第2リヤフロアパネル(後側フロアパネル)
3c 前縁部
5 クロスメンバ(車体メンバ)
10 接合部
11 アクチュエータ
12 油圧ユニット
13 コントロールユニット(制御ユニット)
14a,14b ブレーキチューブ
20 ブラケット
21g 凹部
A 空間

Claims (1)

  1. ABS装置のアクチュエータを車体フロアの下方に配置し、該アクチュエータをブラケットを介して上記車体フロアに取付けるようにしたABS装置のアクチュエータ取付け構造において、上記アクチュエータを、制御ユニットと、該制御ユニットより車幅寸法の小さい油圧ユニットとからなるものとし、上記ブラケットに、上記制御ユニットと油圧ユニットとの車幅方向の寸法差により生じた空間内に位置するよう凹部を形成し、該凹部と車体フロアとの間に上記アクチュエータのブレーキチューブを配索したことを特徴とするABS装置のアクチュエータ取付け構造。
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