JP3906740B2 - 車両のシート装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、車両のシート装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の技術としては、特開2002−96663号がある。図7は、この特開2002−96663号で開示されているシート装置を示しており、この図中の(A)は乗員が着座可能な状態を示し、(B)は乗員が着座するシートクッション部90の後端部が跳ね上げられて略垂直にされている状態、(C)は(B)の状態からシートクッション部90の後端部が前方、略水平状態に倒されるとともにシートレールが後方に移動された後、シートバック91を前方に倒している状態(反転状態)を示している。
【0003】
詳細には、(A)の状態においてシートバック91に設けられたロック機構のレバー92を操作するとケーブル93が引っ張られ、シート下部にあってシートクッション部90を固定しているラッチ(不図示)がストライカ94から外れ、シート前端ブラケット95に設けられている付勢部材(不図示)によってシートクッション部90の後端部が上方に跳ね上げられる。そしてその後、シートクッション部90をその自重により前方、略水平状態にまで倒すものとされている。
【0004】
しかしながら、通常の場合、シートクッション部90の中にはシートクッション部90の変形を防止するとともに座り心地をよくするためにフレーム部材(不図示)が組み込まれており、かなりの重量を有するものとなっている。そのため、上記特開2002−96663号のような構造では、図7(C)の反転状態から(B)の状態に移す(矢印方向へ操作する)際にはシートクッション部90を引き起こすために大きな力が必要とされ、操作性が悪い。また、シートバック91を引き起こした後、さらにまたシートクッション部90を引き起こすという2度の作業も操作性が悪いものとなっている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
以上から本発明は、シートバック並びにシートクッションを操作してシート装置が略水平の反転状態から着座可能な状態へシートクッションを引き起こす際の操作力を軽減し、操作性を向上することを課題とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明の第1の構成による車両のシート装置は、乗員が着座するクッション面を上面にした着座可能状態と、前記クッション面を下面にした反転状態とをとり得るよう、前記着座可能状態においてその前端が揺動可能なようにシートクッション支持部材に枢支されたシートクッションと、略上方に起立した起立状態と、前伏した前伏状態とをとり得るよう、前記起立状態において、その下端が揺動可能なように支持部材に枢支されたシートバックとを備えた車両のシート装置において、前記シートクッションを前記着座可能状態に保持するロック機構と、該ロック機構のロックを解除するロック解除機構と、前記着座可能状態にある前記シートクッションの後側を上方に付勢し、前記ロック解除機構によりロックが解除されたとき、前記シートクッションを垂直よりも小さい所定角度まで跳ね上げ可能とする後側付勢手段とを備え、前記シートクッションは、前記所定角度まで跳ね上げられた状態と、垂直よりも前方に倒れた状態との間は回動自在であり、前記シートバックが前記起立状態にあるとき、前記シートクッションの前記垂直よりも前方に倒れた状態から前方への傾斜を阻止する連動手段と、前記シートバックに設けられ、前記起立状態の該シートバックを前記前伏状態に移動させるレバー部材とをさらに備え、前記起立状態の前記シートバックを前記レバー部材により前記前伏状態へ移動させる際、前記垂直よりも前方に倒れた状態の前記シートクッションが前記連動手段によって連動して自重で前記反転状態となり、前記連動手段は、前記前伏状態のシートバックを前記起立状態になるように引き起こすことで、前記反転状態の前記シートクッションを前記垂直よりも前方に倒れた状態まで連動して引き起こすものである。
【0007】
本発明の第1の構成によれば、シートを乗員が着座できる着座可能状態と、シートクッション面を下面にして荷物等を置くことのできる反転状態とを取ることが可能となるため、車両としての利便性が向上する
【0008】
また、シートバックは乗員が着座可能なように略上方に起立した起立状態と、荷物等を置くことができる前伏状態とを取ることが可能となるため、車両としての利便性が向上する。とりわけ、シートクッションの反転状態と、シートバックの前伏状態とが組み合わされた状態では、シート装置の部分を荷物室に利用できるようになるため、車両としての利便性を飛躍的に向上することができる。
【0009】
また、前伏状態のシートバックを起立状態に引き起こす際、反転状態のシートクッションが連動して引き起こされる連動手段が備えられているため、シートバックとシートクッションを別々に2回に分けて引き起こす作業が1回の作業で出来るようになるため、極めて操作性の良いものとすることができる。
【0010】
また、シートクッションが着座可能状態である場合、シートクッションの後方側を上方に付勢する後側付勢手段が備えられているので、シートクッションを着座可能状態から引き起こす際の操作力を低減でき、あるいは所定角度まで操作する必要が無くなり、操作性を向上できる。
【0011】
また、後側付勢手段は、シートクッションが着座可能状態と所定角度まで跳ね上げられた状態との間でのみ付勢されるものとされているところから、シートクッションを着座可能状態から引き起こす際の操作力を低減できるとともに、シートクッションを着座可能状態から略垂直となる垂直状態に操作する際、シートクッションが略垂直となる垂直状態を越えて反転状態へ衝撃的に倒れるのが防止できる。
【0012】
また、後側付勢手段は、シートクッションを垂直よりも小さい所定角度まで跳ね上げ可能に付勢されているため、操作性をより一層向上させることができるとともに、シートクッションを着座可能状態に保持するロック機構と、ロック機構のロックを解除するロック解除機構が備えられているため、着座状態であって乗員が着座していない時、シートクッションが付勢力により自然に起き上がることが回避でき、さらにロック機構を解除すれば着座可能状態から直ちにシートクッションが所定位置まで跳ね上がり、垂直状態を経て反転状態にする操作が円滑容易になる。
【0013】
また、着座可能状態と反転状態とをとり得るシートクッションと、起立状態と前伏状態とをとり得るシートバックとを備えたシート装置とされているため、着座のためのシート機能と荷物を載せるフロア機能を有した利便性の高いシート装置であり、且つ、前伏状態のシートバックを引き起こすと、反転状態のシートクッションが連動して引き起こされるため、シートバックとシートクッションを別々に2回に分けて引き起こす作業が1回で出来るようになるため、極めて操作性の良いものとすることができる。
【0014】
本発明の第2の構成による車両のシート装置は、前記シートバックには、前記前伏状態のシートバックを前記起立状態に移動させる取っ手部材が設けられているものである。
【0015】
本発明の第3の構成による車両のシート装置は、前記ロック解除機構は、前記シートクッションの前記着座可能状態における後端部に設けられているロック解除部材であるものである。
【0016】
本発明の第4の構成による車両のシート装置は、前記連動部材は、前記シートクッションの後端と、シートバックの上端とを連結する可撓性の連結部材であるものである。
【0017】
本発明の第4の構成によれば、連結部材は、シートクッションの後端、すなわち、反転状態におけるシートクッションの前端と、シートバックの上端、すなわち、前伏状態におけるシートバックの前端とを連結するものとされているため、シートバックを引き起こすと、反転状態にあったシートクッションの前端が連動して引き起こされることとなって操作性が良好であり、しかも連結部材が可撓性部材であるために取り扱いが容易で、シートが着座可能な状態においては乗員の着座動作、シートが荷物を置く荷室フロアとされる状態においては荷物の出し入れ動作が阻害されることが無い。
【0018】
本発明の第5の構成による車両のシート装置は、前記シートクッション及び前記シートバックを保持するベース部材と、着座位置と該着座位置より後方の格納位置との間を車両前後方向にスライド可能であるように、前記ベース部材を支持するスライド機構とが備えられているものである。
【0019】
本発明の第5の構成によれば、シート装置にはシートクッション及びシートバックを保持するベース部材が設けられ、このベース部材は着座位置と着座位置より後方の格納位置との間を車両前後方向にスライド可能とされているため、乗員は好みに応じて着座位置を容易に変更することができ、座り心地の良いシート装置とすることができる。さらに、シートクッションを反転状態、且つシートバックを前伏状態にすることによってシート装置を荷物用フロア状態とする際、着座位置より後方の格納位置にまでベース部材をスライドさせることにより、前後方向スペースに余裕を持って作業が出来、なお且つ、当該シート装置より前方に位置する別のシート装置も後方へのスライドが可能で、座り心地、居住性が向上できる。
【0020】
本発明の第6の構成による車両のシート装置は、前記シートクッションが反転状態である場合、前記シートクッションの後端を上方へ付勢する前側付勢手段が備えられており、前記前側付勢手段は、前記シートクッションを前記反転状態から前記垂直よりも前方に倒れた状態までの間でのみ付勢するものである。
【0021】
本発明の第6の構成によれば、シートクッションが反転状態である場合、シートクッションの前方側を上方へ付勢する前側付勢手段が備えられているので、反転状態からシートクッションを引き起こす操作をする際、操作力が低減でき、操作性を向上することができる。
【0022】
また、前側付勢手段は、シートクッションが反転状態と垂直よりも前方に倒れた状態との間でのみ付勢されるため、反転状態からシートクッションを引き起こす操作を行なう際に、操作力が低減でき、なお且つ、略垂直となる垂直状態では付勢力は極めて弱く、あるいは非付勢力の状態とされるので、付勢力を借りて勢い余って着座状態の方向にシートクッションが衝撃的に倒れることが防止できる。即ち、反転状態からシートクッションを引き起こすという最も操作力が必要な時だけ付勢力加わるようにされているので、操作性が一段と向上できる。
【0023】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明は、シートバック並びにシートクッションを操作してシート装置が略水平の格納状態から着座可能な状態へシートクッションを引き起こす際の操作力を軽減するとともに、引き起こしの作業性・操作性を向上することができる。
【0024】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。図1は、本発明に係るシート装置の全体を表す図で、車両用折り畳み式シートSを構成するシートクッションSCが反転状態とされ、且つ、シートバックSBが前伏状態とされている状態を示し、図2は、スライドレール構成部材の矢視図を示している。なお、以下の実施の形態の説明において、シートクッションSCが反転状態とされ、且つ、シートバックSBが前伏状態とされている状態を格納状態と呼び、シートSに乗員が着座できる状態、すなわちシートクッションSCがクッション面を上にして略水平状態で、且つ、シートバックSBが略垂直な起立状態とされている状態を着座可能状態と呼ぶものとする。
【0025】
図1及び図2に示しているように、シートクッションSCは、左右一対のスライドアッパーレール6の前部に回転機構8を介して回動自在に取付けられる一方、シートバックSBは、左右一対のヒンジ機構10を介してスライドアッパーレール6の後部に傾倒自在に取付けられている。また、スライドアッパーレール6は、車両前後方向にスライド自在にスライドロアレール12に取付けられ、スライドロアレール12は車体フロアに固定されており、スライドアッパーレール6とスライドロアレール12とによりシートスライド機構が構成されている。さらに、シートスライド機構の外側には、車体フロアに固定されたサイドメンバ14が配設されている。
【0026】
シートクッションSCの内部にはシートクッションフレーム(図示せず)が取付けられており、このシートクッションフレームの後部左右両側部には、ラッチ溝16aを有するラッチ16(シートクッションのロック機構を表す図3参照)が、略水平に保持された着座可能状態のシートクッションSCの底面から下方に突出するように接合されている。また、各ラッチ16には、ストライカ18と嵌合するロック部材としてのフォーク20が枢着されており、フォーク20にはロック用溝20aが形成されている。
【0027】
さらに、シートクッションSCの内部には、フォーク操作部材22が取付けられており、フォーク操作部材22の両端に左右一対のフォーク20が枢着されている。フォーク操作部材22は、シートクッションSCの後面より後方に僅かに突出する略コ字状の取っ手部材24と、この取っ手部材24に連結されているロック解除用紐部材25とが設けられている。そして、ロック解除用紐部材25を後方(矢印B方向)に引っ張ることによりフォーク20が矢印C方向に回動してストライカ18とのロックが解除されるようになっている。
【0028】
ここで、シートSのスライド機構について、図2を用いて詳細に説明する。なお、図2は前方に向かって着座した場合の左側のスライドレール機構のみ示しているが、基本的に左右対称に構成されている。シートスライド機構を構成するスライドアッパーレール6の上面には、シートクッションSCの下面を支持するとともに、ロックプレート26を上下動自在に保持するためのブラケット28Lが接合されており、左右一対のブラケット28L、28R(図1参照)は、車幅方向の延設される連結部材30により連結されている。
【0029】
左側ブラケット28Lの前端部には、ロックプレート支持部材32Lの下端部が固定されており、また、シートクッションフレームの前端部には、回動部材としてのシートクッション支持部材34Lが連結されている。シートクッション支持部材34Lの内側にはシートクッション付勢部材であるつる巻きバネ38が設けられており、これについては図5、6を用いて後で詳しく説明する。
【0030】
サイドメンバ14は、車体フロアに固定された略U字状の下部メンバ54と、下部メンバ54に接合された上部メンバ56とを備えており、上部メンバ56の前部には、2つの矩形開口部56a、56bが設けられ、下部メンバ54の後部には、対向する両側壁にその両端が固定されたストライカ18が設けられている。このストライカ18は、ブラケット28Lに設けられた矩形開口部28aを介して上述のラッチ16がロック可能となっている。
【0031】
なお、矩形開口部56aは、シートSが着座可能状態、即ちシートクッションSCが跳ね上げられる以前の略水平な状態においてロックプレート26のロック用ツメ部26aが嵌入している。このロック用ツメ部26aは、シートクッションSCが跳ね上げられると、図示しないバネ機構により上昇して矩形開口部56aから離脱してフリー状態となる。その結果、シートSは前後へスライド可能となる。矩形開口部56bは、シートSを後方へスライドさせてシートクッションSCを反転状態にした時、ロック用ツメ部26aが嵌入して反転状態にあるシートSが前後フリーにスライドするのを規制するようになっている。
【0032】
次に、シートSを着座可能状態から格納状態へ、あるいは格納状態から着座可能状態へ操作する際のシートSの動きを図4に沿って説明する。図4において(A)はシートSを着座可能状態から格納状態へ変更操作する際のシートSの動きを示し、(B)は逆に、シートSを格納状態から着座可能状態へ変更操作する際のシートSの動きを示している。なお、図中の破線は操作する前の状態を、実線は操作後の状態を示している。
【0033】
まず、(A)の(A1)において、先に図1R>1で説明したように着座状態にあるシートSのロック解除用紐部材25を後方に引っ張るとロックが解除される。この時、シートクッションSCは黒矢印で示しているように上方に跳ね上げられた状態で停止する(この跳ね上げ機構は付勢部材であるつる巻きバネ(後側付勢手段)を用いており、これについては後で説明する)。
【0034】
この状態から(A2)にあるように、シートクッションSCを垂直状態よりやや前方に倒し、シートSを車体フロアFに沿ってスライド機構を利用してブラケット28とともに車両後方(ハッチング矢印方向)に移動させる。
【0035】
この時、シートバックSBの上端部とシートクッションSCの後端部とは紐部材23で連結されているため、シートクッションSCは自らが自重で前方に倒れることが無いようにされている。
【0036】
次に(A3)において、シートバックSBを前方に倒すべくレバーを白抜き矢印で示した略水平位置L1から上方位置L2に操作しつつ、シートバックSBを黒矢印のように前方に倒すと、シートバックSBが前伏状態で、且つ、シートクッションSCが反転状態、すなわちシートSは略水平で、大きな荷物等を置くことが可能な格納状態になる。
【0037】
一方、その逆、つまり格納状態から着座可能状態へシートSを操作する場合((B)の場合)、まず(B1)においてシートバックSBの背面上部に設けられている取っ手部材Pを持って後方上部(黒矢印方向)に引き上げる。この時、シートクッションSCはシートバックSBと紐部材23で連結されているために、シートバックSBに釣られてシートクッションSCの後部も同時に引き上げられるようになっている。
【0038】
さらに、シートクッションSCが回動する前部にはシートクッションSCを上方へ付勢する別のつる巻きバネ(前側付勢手段)が設けられているので、大きな力を必要とせずにシートクッションSCを引き上げることが可能となっている(このつる巻きバネ(前側付勢手段)については後で説明する)。
【0039】
(B1)の操作はシートバックSBを元の所定位置である起立状態にまで戻すことにより終了するが、起立状態に戻ると、シートバックSBは所定位置でロックされており回動不可能な状態とされており、シートクッションSCも紐部材23でシートバックSBと連結されているので、前方にやや傾斜した状態でも反転状態に戻ることはない。
【0040】
続いて(B2)において、シートSをハッチング矢印の如く前方に押して所定位置に戻した後、さらに(B3)において紐部材23を後方へ引っ張ってシートクッションSCを略水平状態に戻して着座状態とする。この時点でシートクッションSCの下面に設けられているラッチ16はストライカ18に嵌入し、ロック状態とされる。
【0041】
次に、上で述べたつる巻きバネ(以下、前側付勢手段を第1つる巻きバネ、後側付勢手段を第2つる巻きバネと呼ぶ)について、その配設構造を示す図5と、その機能を説明する図6に基づいて詳しく述べる。
【0042】
図5において、2つのつる巻きバネ、第1つる巻きバネ39と第2つる巻きバネ38はシートクッションSCの前方下部に設けられているものである。まず、第1つる巻きバネ39の配設構造について説明すると、前方方向に向かって着座した状態でシートクッションSCの前方右側端部に設けられるシートクッション支持部材34Rの前方部には、内側に向かって延びるピン34bと円孔34dとが設けられ、その外側にはロックプレート支持部材32Rが設けられる。ロックプレート支持部材32Rには二股状に切り欠き加工された固定ピン32bが内側に向かうように設けられており、この固定ピン32bは、シートクッション支持部材34Rの円孔34dに挿入された後、その切り欠き部に第1つる巻きバネ39の中央部39cが固定される。また、シートクッション支持部材34Rのピン34bは、シートクッションSCが略垂直状態から反転状態の間のみ、第1つる巻きバネ39の外側最終端部において略U字状に折り返された係止部39aに係止可能となっている。
【0043】
一方、第2つる巻きバネ38は第1つる巻きバネよりも付勢力が強いものとされ、前方方向に向かって着座した状態でシートクッションSCの前方左側に設けられる。詳細には、前方方向に向かって着座した状態でシートクッションSCの前方左側端部に設けられるシートクッション支持部材34Lの前方部には、内側に向かって延びるピン34aと円孔34cとが設けられ、その外側にはロックプレート支持部材32Lが設けられる。ロックプレート支持部材32Lには二股状に切り欠き加工された固定ピン32aが内側に向かうように設けられており、この固定ピン32aは、シートクッション支持部材34Lの円孔34cに挿入された後、その切り欠き部に第2つる巻きバネ38の中央部38cが固定される。また、シートクッション支持部材34Lのピン34aは、シートクッションSCが着座可能状態から上方に向かって約30°程度の間のみ、第2つる巻きバネ38の外側最終端部において略U字状に折り返された係止部38aに係止可能となっている。
【0044】
即ち、第1つる巻きバネ39は、シートクッションSCが略垂直状態から反転状態の間のみシートクッションSCを上方に向かって付勢し、第2つる巻きバネ38は、シートクッションSCが着座可能状態から上方に向かって約30°程度の間のみ、シートクッションSCを上方に向かって付勢するようにされている。
【0045】
これを図6により説明する。図6において「左側」は第2つる巻きバネ38が設けられている側であり、「右側」は第1つる巻きバネ39が設けられている側である。また、「左側」、「右側」ともに、シートの外側から内側に向かって見た時の図である。(A)はシートクッションSC(不図示)が着座可能状態の時を表しており、第2つる巻きバネ38の係止部38aはピン34aに係止状態にあるとともにシートクッションSCに連結されているシートクッション支持部材34Lの後方部を上方に跳ね上げるように付勢力が作用している。
【0046】
ここで、先に説明したようにラッチ16をストライカ18からロック解除すると、第2つる巻きバネ38の付勢力によりシートクッションSCの後方部が跳ね上げられ、(B)の状態となる。この(B)の状態はシートクッションSCの自重と第2つる巻きバネ38の付勢力が釣り合っている状態であり、水平から約30°の角度でシートクッションSCは静止している。
【0047】
次に(C)は、シートクッションSCが略垂直な状態に操作された時を示しており、この時は、第2つる巻きバネ38の係止部38aはピン34aから離れているために付勢力が作用しておらず、楽に操作可能となっている。もちろん、シートクッションSCが前方に倒されて反転状態になっても第2つる巻きバネ38の付勢力は作用しない。なお、図示していないが、第1つる巻きバネ39が設けられた右側についても、シートクッションSCが略垂直な状態においては、第1つる巻きバネ39の係止部39aはピン34bから離れているために付勢力が作用していない。
【0048】
続いてさらにシートクッションSCを前方に倒していくと、第1つる巻きバネ39が設けられた右側は(D)の状態となる。(D)の状態では既に第1つる巻きバネ39の係止部39aはピン34bと係止状態となっている。ここで、第1つる巻きバネ39は第2つる巻きバネ38よりも付勢力が弱く、且つシートクッションSCの自重を支えるだけの付勢力を有していないものとされている。従って、シートクッションSCは(D)の状態で静止することはなく、手を放せば(E)のような完全な反転状態になる。しかしながら、第1つる巻きバネ39はシートクッションSCを上方に向かって付勢しているため、シートクッションSCが衝撃的に倒れてしまうのは防止できるようになっている。
【0049】
(E)の反転状態では、第1つる巻きバネ39がシートクッションSCを上方に向かって付勢しているが、シートクッションSCの自重に打ち勝ってこれを跳ね上げるだけの付勢力を有していないため、略水平状態が保てるようになっている。
【0050】
また、第1つる巻きバネ39は、逆に、反転状態(E)から(D)を経て略垂直状態(C)にシートクッションSCを操作する際には、図4でも説明したように、シートクッションSCを上方に向かって付勢する。そのため、操作する人は、楽にシートクッションSCを引き上げることができる。
【0051】
以上説明したように、本発明によれば、シートバックSBとシートクッションSC他から構成されるシートSにおいて、着座可能状態から荷物等が置ける略水平な格納状態にシートSを操作する際、シートバックSBのロックを解除するとシートクッションSCの前方部に設けられた付勢部材である第2つる巻きバネ38の付勢力により、シートクッションSCの後部が所定角度まで跳ね上げられ、続いてシートバックSBとシートクッションSCを略垂直状態を経て反転状態に操作する際には、シートクッションSCの前方部に設けられた付勢部材である第1つる巻きバネ39の付勢力により衝撃的にシートクッションSCが反転するのが防止される。そして反転状態にあっては、第1つる巻きバネ39の付勢力はシートクッションSCの自重に打ち勝ってこれを跳ね上げるだけの付勢力を有していないため、略水平状態を保持できる。
【0052】
一方、格納状態から着座可能状態にシートSを操作する際には、前伏状態におけるシートバックSBの前端部(すなわち、着座状態におけるシートバックSBの上端部)と反転状態におけるシートクッションSCの前端部(すなわち、着座状態におけるシートクッションSCの後端部)にはこれらを橋渡しするように紐部材23が設けられているため、シートバックSBを引き起こす操作のみでシートクッションSCもこれに釣られて同時に引き起こすことが出来る。しかも、シートクッションSCに設けられた第1つる巻きバネ39の上方に向かう付勢力により、大きな力を必要とせずに操作が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るシート装置の全体図
【図2】本発明に係るシート装置におけるスライドレール構成部材の矢視図
【図3】シートクッションのロック機構を表す図
【図4】着座状態と反転状態との間の操作手順を説明する図
【図5】つる巻きバネの配設構造を示す図
【図6】つる巻きバネの機能を表す図
【図7】従来例
【符号の説明】
S…シート
SB…シートバック
SC…シートクッション
6…スライドアッパーレール
12…スライドロアレール
16…ラッチ(ロック機構部材)
18…ストライカ(ロック機構部材)
23…紐部材(可撓性連結部材)
28…ブラケット(ベース部材)
38…第2つる巻きバネ(後側付勢部材)
39…第1つる巻きバネ(前側付勢部材)

Claims (6)

  1. 乗員が着座するクッション面を上面にした着座可能状態と、前記クッション面を下面にした反転状態とをとり得るよう、前記着座可能状態においてその前端が揺動可能なようにシートクッション支持部材に枢支されたシートクッションと、略上方に起立した起立状態と、前伏した前伏状態とをとり得るよう、前記起立状態において、その下端が揺動可能なように支持部材に枢支されたシートバックとを備えた車両のシート装置において、
    前記シートクッションを前記着座可能状態に保持するロック機構と、該ロック機構のロックを解除するロック解除機構と、
    前記着座可能状態にある前記シートクッションの後側を上方に付勢し、前記ロック解除機構によりロックが解除されたとき、前記シートクッションを垂直よりも小さい所定角度まで跳ね上げ可能とする後側付勢手段とを備え、
    前記シートクッションは、前記所定角度まで跳ね上げられた状態と、垂直よりも前方に倒れた状態との間は回動自在であり、
    前記シートバックが前記起立状態にあるとき、前記シートクッションの前記垂直よりも前方に倒れた状態から前方への傾斜を阻止する連動手段と、
    前記シートバックに設けられ、前記起立状態のシートバックを前記前伏状態に移動させるレバー部材とをさらに備え
    前記起立状態の前記シートバックを前記レバー部材により前記前伏状態へ移動させる際、前記垂直よりも前方に倒れた状態の前記シートクッションが前記連動手段によって連動して自重で前記反転状態となり、
    前記連動手段は、前記前伏状態のシートバックを前記起立状態になるように引き起こすことで、前記反転状態の前記シートクッションを前記垂直よりも前方に倒れた状態まで連動して引き起こす車両のシート装置。
  2. 前記シートバックには、前記前伏状態のシートバックを前記起立状態に移動させる取っ手部材が設けられている請求項1記載の車両のシート装置。
  3. 前記ロック解除機構は、前記シートクッションの前記着座可能状態における後端部に設けられているロック解除部材である請求項1または2記載の車両のシート装置。
  4. 前記連動部材は、前記シートクッションの後端と、シートバックの上端を連結する可撓性の連結部材である請求項1から3のいずれかに記載の車両のシート装置。
  5. 前記シートクッション及び前記シートバックを保持するベース部材と、
    着座位置と該着座位置より後方の格納位置との間を車両前後方向にスライド可能であるように、前記ベース部材を支持するスライド機構が備えられている請求項1から4のいずれかに記載の車両のシート装置。
  6. 前記シートクッションが反転状態である場合、前記シートクッションの後端を上方へ付勢する前側付勢手段が備えられており、
    前記前側付勢手段は、前記シートクッション前記反転状態から前記垂直よりも前方に倒れた状態までの間でのみ付勢る請求項1から5のいずれかに記載の車両のシート装置。
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