JP3906375B2 - 縫製装置の制御装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、生地に帯状物を縫着する縫製装置を制御する制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
図10は、従来の技術の縫製装置の制御装置1を示すブロック図である。制御装置1は、生地に帯状物を縫着するための縫製装置2に設けられ、この縫製装置2を制御する装置である。縫製装置2は、ミシン本体3と、帯状物をミシン本体3に送り込むための送り込みローラ5と、送り込みローラ5を駆動する送り込みモータ6と、ロールに巻回された帯状物を繰り出して送り込みローラ6に供給するための供給用ローラ7と、供給用ローラ7を駆動する供給用モータ8とを有する。
【0003】
この縫製装置2を制御する制御装置1は、2つの制御回路11,12を有している。またミシン本体3は、ミシン回転信号発生器13を備える。ミシン回転信号発生器13は、このミシン本体3を駆動する駆動軸の回転速度を検出し、その回転速度を表す回転信号を発生する。一方の制御回路11は、ミシン回転信号発生器13から信号によって与えられる駆動軸の回転速度に応じて、送り込みモータ6を駆動制御する。これによって送り込みローラ5が、送り込みモータ6によって、駆動軸の回転速度に応じて回転駆動され、帯状物がミシン本体3による縫製動作に応じてミシン本体3に供給される。
【0004】
また縫製装置2は、例えば特許第3061256号(の図5)に示される張力検出器14を有する。張力検出器14は、送り込みローラ5と供給用ローラ7との間における帯状物の張力を検出する。他方の制御回路12は、張力検出器14から信号によって与えられる張力に応じて、供給用モータ8を駆動制御する。これによって供給用ローラ7が、供給用モータ8によって、帯状物の張力に応じて回転駆動され、帯状物が張力に応じて送り込みローラ5に供給される。具体的には、他方の制御回路12は、帯状物の張力が設定張力以上になった時点から、供給用ローラ7が送り込みローラ5による送り速度よりも高い供給速度で帯状物を供給するように、設定時間だけ供給用モータ8を駆動させる。このようにして、送り込みローラ5と供給用ローラ7との間の帯状物に弛みを形成した後、他方の制御回路12は、供給用モータ8を停止し、次に帯状物の張力が設定張力以上になるまで待機する。
【0005】
縫製装置2では、ミシン本体3に送り込まれる帯状物の張力変化を抑えるために、ミシン本体3への送り込み用の送り込みローラ5とは別に、繰り出し用の供給用ローラ7を設け、個別の制御回路11,12によって独立して制御し、各ローラ5,7間の帯状物の張力が設定張力以上になったときに、高速で繰り出して各ローラ5,7間で帯状物を弛ませ、再び張力が設定張力以上になるまで供給を停止している。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
この従来の技術では、上述のように、各ローラ5,7を個別に独立して制御して、各ローラ5,7間の帯状物の長さを変化させているので、各ローラ5,7間における帯状物の張力が変化する。したがってこのローラ5,7間の帯状物の張力変化が、ミシン本体3に送り込まれる帯状物の張力に影響を与えて、帯状物の張力を変化させてしまい、縫製不良を招く場合がある。
【0007】
また供給用ローラ7によって帯状物を高速で繰り出すので、帯状物と供給用ローラ7との間に静電気が発生してしまう。この静電気を放置すると、帯状物が供給用ローラ7に巻き付いてしまうので、この静電気による巻き付きを防止するための手段、例えば水を入れた容器等が必要となり、縫製装置が大型化するとともに、メンテナンスの手間が増加する。
【0008】
本発明の目的は、縫製手段に送り込む帯状物の張力を略一定に保つことができるとともに、縫製装置の大型化を防止し、さらにメンテナンスを容易にすることができる縫製装置の制御装置を提供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の本発明は、縫製手段と、帯状物を縫製手段に送り込むための送り込み手段と、送り込み手段を駆動する送り込み駆動手段と、送り込み手段に帯状物を供給するための供給手段と、供給手段を駆動する供給駆動手段と、縫製手段と送り込み手段との間に設けられ縫製手段によって生地に縫着される帯状物を所定長さ寸法に切断する切断手段とを含む縫製装置を制御する制御装置であって、
送り込み手段と供給手段との間の帯状物張力を検出する張力検出手段と、
縫製手段の縫製動作が、生地に帯状物を縫着する第1動作状態にあるとき、送り込み手段を、帯状物の送り込みを停止しかつ帯状物の通過を許容する通過許容状態にするとともに、送り込み駆動手段を停止し、張力検出手段による検出張力が一定に保たれるように、供給手段によって帯状物を供給するように供給駆動手段を制御する第1制御状態とし、縫製手段の縫製動作が、生地への縫着を終了して帯状物を切断し、後続の生地に帯状物を縫着する準備をする第2動作状態にあるとき、送り込み手段を、帯状物を縫製手段に送る送り込み状態にして送り込み手段によって帯状物を送り込むように送り込み駆動手段を制御する第2制御状態とするように、縫製手段の縫製動作に応じて制御状態を切り換え、送り込み駆動手段および供給駆動手段を制御する制御手段とを備えることを特徴とする縫製装置の制御装置である。
【0010】
本発明に従えば、送り込み手段が、縫製手段の縫製動作に応じて、帯状物を縫製手段に送る送り込み状態と、帯状物の縫製手段への送りを停止しかつ帯状物の通過を許容する通過許容状態とに切り換えられる。縫製動作が第1動作状態にあるとき、制御手段は第1制御状態とされ、送り込み手段が通過許容状態にされるとともに送り込み駆動手段が停止され、供給手段によって帯状物が供給される。また縫製動作が第2動作状態にあるとき、制御手段は第2制御状態とされ、送り込み手段が送り込み状態にされ、この送り込み手段が送り込み駆動手段によって駆動されて、帯状物が送り込まれる。このように縫製手段の縫製動作に応じて、送り込み手段の動作状態が切り換えられ、利便性が向上される。
【0011】
さらに第1動作状態は、生地に帯状物を縫着する縫着状態であり、このとき、送り込み手段が通過許容状態にされるとともに送り込み駆動手段が停止され、張力検出手段による検出張力が一定に保たれるように、供給手段によって帯状物が供給される。また第2動作状態は、生地への縫着が終了した後、帯状物を切断して後続の生地に帯状物を縫着する準備をする準備状態であり、このとき、送り込み手段が送り込み状態にされ、この送り込み手段が送り込み駆動手段によって駆動されて、帯状物が送り込まれる。これによって送り込み手段は、準備状態のときだけ帯状物を送り込むことができればよく、この送り込み手段によって、縫製手段に送り込まれる帯状物に張力を与える必要がない。したがって送り込み駆動手段は、送り込み手段によって帯状物に張力を与えることができるような大きな出力トルクを必要とせず、小型にすることができる。しかも縫製手段に供給される帯状物の張力を一定に保持することができる。
【0023】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明の実施の一形態である縫製装置20の制御装置21を示すブロック図である。図2は、縫製装置20を示す斜視図である。図3は、縫製装置20による縫製製品の一例を示す斜視図である。制御装置21は、生地に帯状物を縫着するための縫製装置20に設けられ、この縫製装置20を制御する装置である。
【0024】
縫製装置20は、例えばオーバーロックミシンと呼ばれるミシン本体25を備える装置であり、図3(1)および図3(2)のショーツの本体を構成する生地22に、図3(3)に示すように、脚はき口部および腰まわり部に伸縮性を与えるための帯状ゴム紐である帯状物23を縫着する装置である。
【0025】
この縫製装置20は、本体側構成体40と、供給側構成体41と、制御装置21とを有する。本体側構成体40は、ミシン本体25と、ミシン本体25に近接して設けられる送り込みローラ26および送り込みモータ27とを有する。供給側構成体41は、テープ自動送り装置などと呼ばれる装置であり、本体側構成体40の上方に、支柱42に支持されて設けられる。この供給側構成体41は、供給用ローラ28と、供給用モータ29と、リール支持体43とを有する。
【0026】
縫製手段であるミシン本体25は、布支持台30の略水平な支持面で支持される生地22(図3に図示;図1および図2では図示省略)を、針板31と押え金32とによって挟み、送り歯(図示省略)によって予め定める送り方向Aへを送りながら、針(図示省略)を上下の針駆動方向へ往復動させ、生地22を縫製することができる。また縫製装置20では、帯状物23がミシン本体25に送り込まれ、生地22に帯状物23を縫着する。
【0027】
送り込みローラ26は、ミシン本体25に、具体的には押え金32の帯状物供給口32Aに、帯状物を送り込むための手段であって、一対のローラ片35,36を有する。各ローラ片35,36は、一方のローラ片35が、他方のローラ片36に比べて、外径が大きく形成され、相互に平行な軸線まわりに回転自在に設けられ、弾発的に当接されており、連動して回転する。これら各ローラ片35,36によって、帯状物23を挟持して回転することによって、帯状物23を送ることができる。
【0028】
送り込みモータ27は、送り込みローラ26を駆動する送り込み駆動手段であて、例えばステッピングモータ等である。この送り込みモータ27は、各ローラ片35,36のいずれか一方、本実施の形態では、一方のローラ片35を回転駆動する。これによって他方のローラ片36も従動して回転される。
【0029】
供給用ローラ28は、帯状物23を送り込みローラ26に供給するための供給手段であって、一対のローラ片38,39を有する。帯状物23は、リール支持体43に回転自在に支持されるリール44に巻回されて保持されている。供給用ローラ28は、帯状物23をリール44から引き出して、送り込みローラ26に供給する。各ローラ片38,39は、略同一の外径を有し、相互に平行な軸線まわりに回転自在に設けられ、弾発的に当接されており、連動して回転する。これら各ローラ片38,39は、帯状物23を挟持して回転することによって、帯状物23を引き出して供給することができる。
【0030】
供給用モータ29は、供給用ローラ28を駆動する供給駆動手段であって、例えばステッピングモータ等である。この供給用モータ29は、各ローラ片38,39のいずれか一方、本実施の形態では、一方のローラ片38を回転駆動する。これによって他方のローラ片39も従動して回転される。
【0031】
制御装置21は、制御手段である制御回路47を有する。この制御回路47は、ミシン本体25の縫製動作に同期して、送り込みモータ27および供給用モータ29を制御する。本実施の形態では、送り込みローラ26による帯状物23の送り込み速度と、供給用ローラ28による帯状物23の供給速度とを一致させる。さらに縫製動作に同期させて、送り込み速度および供給速度のうち、少なくとも送り込み速度がミシン本体25において送り歯によって生地22とともに送られる帯状物23の送り速度と一致し、供給速度がミシン本体25において送り歯によって生地22とともに送られる帯状物23の送り速度以下で、送り込み速度と同一かわずかに高くなるように、好ましくは一致するように、送り込みモータ27および供給用モータ29を制御する。また制御回路47は、単に、縫製動作に同期するだけでなく、送り込みローラ26と供給用ローラ28との間の帯状物の張力に基づいて、送り込みモータ27および供給用モータ29を制御する。具体的には、本実施の形態では、張力検出器51によって検出される検出張力が、予め定める設定張力以上になると、供給用ローラ28による帯状物23の供給速度を増加するように供給用モータ29を制御する。
【0032】
制御回路47は、中央演算処理ユニット(CPU)、リードオンリーメモリ(ROM)、ランダムアクセスメモリ(RAM)、送り込みモータドライブ回路部および供給用モータドライブ回路部などを含んで構成される。この制御回路47は、本体側構成体40および供給側構成体41のいずれに設けられてもよいし、本体側構成体40および供給側構成体41とは別途に設けられてもよい。本実施の形態では、例えば、本体側構成体40および供給側構成体41とは別途に、本体側構成体40の下方に設けられる。
【0033】
ミシン本体25は、ミシン回転信号発生器50を有する。ミシン本体25は、モータなどの本体駆動手段から駆動力が駆動軸に与えられ、この駆動軸から針、送り歯およびルーパーなどに駆動力が伝達され、これら針、送り歯およびルーパーなど駆動される。ミシン回転信号発生器50は、このようにミシン本体25を駆動する駆動軸の回転速度を検出し、その回転速度を表す回転信号Srを発生し、制御回路47に与える。
【0034】
また縫製装置20は、供給側構成体41に設けられ、張力検出手段である張力検出器51を有し、張力検出器51は、送り込みローラ26と供給用ローラ28との間の帯状物23の張力を検出する。この張力検出器51は、スイッチ部52と、スイッチ部52のスイッチング態様を切換操作する操作片53とを有する。
【0035】
操作片53は、変位自在、具体的には角変位自在に支持され、送り込みローラ26と供給用ローラ28との間の帯状物23が巻き掛けられる。この操作片53は、送り込みローラ26と供給用ローラ28との間の帯状物23の張力に応じて変位し、送り込みローラ26と供給用ローラ28との間の帯状物23の張力が、予め定める設定張力以上の場合と、設定張力未満の場合とで、スイッチング態様を切り換えるように、スイッチ部52を操作する。
【0036】
このような構成によって、張力検出器51は、送り込みローラ26と供給用ローラ28との間の張力を検出し、その検出張力を表す張力信号Ssを制御回路47に与える。
【0037】
制御回路47は、ミシン回転信号発生器50から回転信号Srによって与えられる駆動軸の回転速度と、張力検出器51から張力信号Ssによって与えられる検出張力とに基づいて、送り込みモータ27に送り込みローラ26の回転速度をパルスで指令する送り駆動信号Sd27および供給用モータ29に供給用ローラ28の回転速度をパルスで指令する供給駆動信号Sd29を与える。このように、制御回路47は、縫製動作に同期して、送り込みモータ27および供給用モータ29を制御する。
【0038】
また縫製装置20は、帯状物23を切断するための切断カッタ55を有しており、ミシン本体25は、切断手段である切断カッタ55と協働して、帯状物23を所定の長さ寸法に切断しながら生地に縫着することができる。この切断カッタ55は、帯状物23の供給経路における送り込みローラ26と押え金32の帯状物供給口32Aとの間に設けられる。また縫製装置20は、図示しない操作入力手段を有している。操作入力手段は、操作者が操作して、切断カッタ55による切断動作を入力することができ、その切断動作が入力されたことを示す信号を制御回路47に与える。制御回路47は、切断動作が入力されたことが与えられると、切断カッタ55に、帯状物23の切断を指令する切断信号Scを与える。切断カッタ55は、切断の指令に基づいて、帯状物23を切断する。
【0039】
図4は、縫製装置20の制御回路47の制御動作を示すフローチャートである。制御回路47は、縫製装置20による縫製作業を開始すると同時に、ステップa0で制御を開始し、ステップa1で、ミシン回転信号発生器50からの回転信号Srに基づいて、ミシン本体25の駆動軸が回転されているか否かを判定する。
【0040】
ステップa1で、駆動軸が回転していると判定すると、ステップa2に移行して、制御回路47は、駆動軸の回転速度に応じて送り込みローラ26を回転するように送り込みモータ27を制御する。具体的には、制御回路47は、送り込みローラ26による帯状物23の送り込み速度が、ミシン本体25における帯状物23の送り速度と一致するように、送り込みモータ27を制御し、ステップa3の制御動作に移行する。ステップa3では、制御回路47は、張力検出器51から張力信号Ssに基づいて、検出張力が設定張力以上であるか否か判定する。
【0041】
ステップa3で、検出張力が設定張力以上であると判定すると、制御回路47は、ステップa4の動作に移行する。ステップa4では、制御回路47は、供給用ローラ28による帯状物23の供給速度が、ミシン本体25における帯状物23の送り速度に予め定める設定速度だけ増加させた速度となるように、供給用モータ2を制御して、送り込みローラ26と供給用ローラ28との間の張力を低下させ、ステップa1の制御動作に戻る。
【0042】
ステップa1で、駆動軸が回転していないと判定すると、制御回路47は、ステップa5の制御動作に移行する。ステップa5では、制御回路47は、送り込みローラ26を停止するように送り込みモータ27を制御するとともに、供給用ローラ28を停止するように供給用モータ29を制御し、ステップa1の制御動作に戻る。
【0043】
ステップa3で、検出張力が設定張力未満であると判定すると、制御回路47は、ステップa6の制御動作に移行する。ステップa6では、制御回路47は、駆動軸の回転速度に応じて供給用ローラ28を回転するように供給用モータ29を制御する。具体的には、制御回路47は、供給用ローラ28による帯状物23の供給速度が、ミシン本体25における帯状物23の送り速度と一致するように、供給用モータ29を制御し、ステップa1の制御動作に戻る。
【0044】
また制御回路47は、このような制御を実行しながら、操作入力手段によって切断動作が入力されたことが与えられると、切断カッタ55に帯状物23を切断させる。
【0045】
図5は、縫製装置20の動作の一例を示すタイミングチャートである。時刻t0では、ミシン本体25が停止しているとともに、張力検出器51による検出張力が設定張力未満である。時刻t1まではこの状態が継続し、時刻t1から時刻t5までミシン本体25が駆動され、時刻t5でミシン本体25が停止される。この時刻t1からt5までの間において、時刻t2からt3までの間、検出張力が設定張力以上であることが検出される例である。
【0046】
時刻t0からt1までの間、ミシン回転信号発生器50から、駆動軸の回転速度が0であることを表す回転信号Srが制御回路47に与えられるるとともに、検出張力が設定張力未満であることを表す張力信号Ssが制御回路47に与えられる。この時刻t0からt1までのように、ミシン本体25の駆動軸が停止し、張力検出器51が設定張力未満であることを検出している場合は、制御回路47は、送り込みローラ26を停止するように回転速度を0にする送り込み駆動信号Sd27を送りモータ27に与え、供給用ローラ28を停止するように回転速度を0にする送り駆動信号Sd29を送りモータ29に与える。
【0047】
時刻t1からt2までの間、ミシン回転信号発生器50から、駆動軸の回転速度がN25であることを表す回転信号Srが制御回路47に与えられるるとともに、検出張力が設定張力未満であることを表す張力信号Ssが制御回路47に与えられる。
【0048】
この時刻t1からt2までのように、ミシン本体25の駆動軸が回転され、張力検出器51が設定張力未満であることを検出している場合は、制御回路47は、送り込みローラ26による送り込み速度とミシン本体25における送り速度とが一致するように、送り込みローラ26の回転速度を表す送り込み駆動信号Sd27を送り込みモータ27に与える。これによって送り込み駆動信号Sd27の表す回転速度に対応する回転速度N27で出力軸が回転するように送り込みモータ27が稼動し、送り込みローラ26が送り込み駆動信号Sd27の表す回転速度で回転駆動される。
【0049】
また時刻t1からt2では、制御回路47は、供給用ローラ28による供給速度とミシン本体25における送り速度とが一致するように、供給用ローラ28の回転速度を表す供給駆動信号Sd29を供給用モータ29に与える。これによって供給駆動信号Sd29の表す回転速度に対応する回転速度N291で出力軸が回転するように供給用モータ29が稼動し、供給用ローラ28が供給駆動信号Sd29の表す回転速度で回転駆動される。
【0050】
時刻t2からt3までの間、ミシン回転信号発生器50から、駆動軸の回転速度がN25であることを表す回転信号Srが制御回路47に与えられるるとともに、検出張力が設定張力以上であることを表す張力信号Ssが制御回路47に与えられる。
【0051】
この時刻t2からt3までのように、ミシン本体25の駆動軸が回転され、張力検出器51が設定張力以上であることを検出している場合は、制御回路47は、送り込みローラ26による送り込み速度とミシン本体25における送り速度とが一致するように、送り込みローラ26の回転速度を表す送り込み駆動信号Sd27を送り込みモータ27に与える。これによって送り込み駆動信号Sd27の表す回転速度に対応する回転速度N27で出力軸が回転するように送り込みモータ27が稼動し、送り込みローラ26が送り込み駆動信号Sd27の表す回転速度で回転駆動される。
【0052】
また時刻t2からt3では、制御回路47は、送り込みローラ26と供給用ローラ28との間の帯状物23の張力を低下させるために、供給用ローラ28による供給速度とミシン本体25における送り速度とが一致する供給用ローラ28の回転速度に、予め定める増加回転速度だけ加算した回転速度を表す供給駆動信号Sd29を供給用モータ29に与える。これによって供給駆動信号Sd29の表す回転速度に対応する回転速度N292、したがって時刻t1からt2における回転速度N291に供給用ローラ28の増加回転速度に対応する増加回転速度ΔN29を加算した回転速度N292で出力軸が回転するように供給用モータ29が稼動し、供給用ローラ28が供給駆動信号Sd29の表す回転速度で回転駆動される。
【0053】
時刻t4は、時刻t3で、検出張力が設定張力以上の状態から設定張力未満の状態になった後、予め定める設定時間TA経過する時刻である。時刻t3からt4までの間、ミシン回転信号発生器50から、駆動軸の回転速度がN25であることを表す回転信号Srが制御回路47に与えられるとともに、検出張力が設定張力未満であることを表す張力信号Ssが制御回路47に与えられる。
【0054】
この時刻t3からt4までのように、ミシン本体25の駆動軸が回転され、張力検出器51が設定張力以上から設定張力未満に変化してから設定時間T経過するまでの状態にある場合は、制御回路47は、送り込みローラ26による送り込み速度とミシン本体25における送り速度とが一致するように、送り込みローラ26の回転速度を表す送り込み駆動信号Sd27を送り込みモータ27に与える。これによって送り込み駆動信号Sd27の表す回転速度に対応する回転速度N27で出力軸が回転するように送り込みモータ27が稼動し、送り込みローラ26が送り込み駆動信号Sd27の表す回転速度で回転駆動される。
【0055】
また時刻t3からt4では、制御回路47は、張力検出器51による検出結果によって、制御状態が煩雑に変化することを防ぐために、供給用ローラ28による供給速度とミシン本体25における送り速度とが一致する供給用ローラ28の回転速度に、予め定める増加回転速度だけ加算した回転速度を表す供給駆動信号Sd29を供給用モータ29に与える。これによって供給駆動信号Sd29の表す回転速度に対応する回転速度N292で出力軸が回転するように供給用モータ29が稼動し、供給用ローラ28が供給駆動信号Sd29の表す回転速度で回転駆動される。このようにヒステリシスを持たせている。
【0056】
時刻t4からt5までの間は、時刻t1からt2までと同様の状態にあり、時刻t1からt2までと同様に制御される。また時刻t5以降は、時刻t0からt1までと同様の状態であり、時刻t0からt1までと同様に制御される。
【0057】
図5の例では、理解を容易にするために、ミシン本体25の駆動軸が一定の回転速度で回転されているが、経時的に変化する場合も同様に制御できる。
【0058】
このように制御回路47では、駆動軸の回転速度と、送り込みローラ26および供給ローラ28との間の検出張力とを取得した後、検出張力が設定張力以上が否か判定している。検出張力が設定張力以上であると判定されるとき、制御回路47は、送り込みローラ26による送り込み速度が、ミシン本体25における送り速度と一致するように、かつ供給ローラ28による供給速度が、ミシン本体25における送り速度に予め定める設定速度だけ増加させた速度となるように、送り込みモータ27および供給モータ2を制御して張力を低下させる。
【0059】
検出張力が設定張力未満であると判定されるとき、制御回路47は、検出張力が設定張力以上の状態から設定張力未満の状態に変化してから設定時間Tが経過したか否か判定される。制御装置21は、タイマを有しており、このタイマによって上述の検出張力が設定張力以上の状態から設定張力未満の状態に変化してからの時間を計時することができる。このタイマは、制御開始時の初期値は、無限大であり、設定時間Tより大きく設定されており、検出張力が設定張力以上の状態から設定張力未満の状態に変化した時点で、リセットされる。
【0060】
設定時間Tが経過したと判定すると、制御回路47は、送り込みローラ26による送り込み速度が、ミシン本体25における送り速度と一致するように、かつ供給ローラ28による供給速度が、ミシン本体25における送り速度と一致するように、送り込みモータ27および供給モータ2を制御する。設定時間Tが経過していないと判定すると、制御回路47は、送り込みローラ26による送り込み速度が、ミシン本体25における送り速度と一致するように、かつ供給ローラ28による供給速度が、ミシン本体25における送り速度に予め定める設定速度だけ増加させた速度となるように、送り込みモータ27および供給モータ2を制御して張力を低下させる。制御回路47は、このような一連の制御動作を繰り返して実行する。
【0061】
本実施の形態の縫製装置20の制御装置21によれば、ミシン本体25の縫製動作に同期して、送り込みモータ27および供給用モータ29を1つの制御回路47によって制御しているので、送り込みローラ26と供給用ローラ28とを縫製動作に同期させて、互いに関連付けて制御することができる。これによって送り込みローラ26と供給用ローラ28とが個別に動作することによる送り込みローラ26と供給用ローラ28との間の帯状物23の張力の変化を防止し、この送り込みローラ26と供給用ローラ28との間の帯状物23の張力が変化して、ミシン本体25に送り込まれる帯状物23の張力が変化することを防ぎ、略一定の張力に保持することができる。
【0062】
また従来の技術のように供給用ローラ28によって帯状物23を高速で供給する必要がなく、このような高速供給に起因する静電気の発生を防止して帯状物の供給手段への巻き付きを防ぐことができる。したがってこの巻き付き防止のための手段を別途に設ける必要がなく、縫製装置20が大型化することを防ぐとともにメンテナンスを容易にすることができる。
【0063】
また送り込みローラ26による帯状物23の送り込み速度が、供給用ローラ28による帯状物23の供給速度と同一またはわずかに、例えば0%を超え20%以下程度高くなるように、かつ検出張力を併せて利用して、送り込みモータ27および供給用モータ29が制御されるので、帯状物23の送り込みと供給とを個別の手段によって実行したうえで、送り込み手段と供給手段との間の帯状物23の長さを一定またはほぼ一定に保つことができる。検出張力を利用することによって、送り込み手段と供給手段との間の帯状物23の長さをできるだけ確実に、一定またはほぼ一定に保つことができる。
【0064】
送り込み速度が、供給速度と同一である場合は、送り込み手段と供給手段との間の帯状物23の長さを一定に保つことができる。これによって送り込みローラ26と供給用ローラ28との間の帯状物23の張力を一定に保つことができ、ミシン本体25に送り込まれる帯状物23の張力に影響を与えることを防止して、ミシン本体25に送り込まれる帯状物23の張力を一定に保持することを実現することができる。この場合において、検出張力に基づく制御は、送り込みローラ26と供給用ローラ28との間の帯状物23の張力が何らかの外的要因によって高くなるように変化した場合に、帯状物23の張力変化を補正して、張力を確実に一定に保つことができる。
【0065】
このように送り込み速度と供給速度とを一致させることが好ましいが、一致させなくても、送り込み速度が、供給速度よりもわずかに高くなるようにして、検出張力に基づいて、供給速度を変化させるようにしてもよい。このようにすれば、送り込みローラ26と供給用ローラ28との間の帯状物23の張力に基づいて、供給用モータ29が制御されるので、送り込みローラ26と供給用ローラ28との間の帯状物23の張力が変化した場合に、供給用モータ29を制御して供給用ローラ28による供給速度を変化させ、送り込みローラ26と供給用ローラ28との間の帯状物23の張力を補正することができる。したがって、簡単な構成で、送り込み手段と供給手段との間の帯状物23の長さをほぼ一定に保つことができる。
【0066】
特にこの構成は、送り込みローラ26による送り込み速度が供給用ローラ28による供給速度よりもわずかに高くなるように制御する場合に、有効である。張力検出器51は、設定張力以上か否かを検出するだけの簡単な構成で実現できるうえ、送り込みローラ26と供給用ローラ28との間の帯状物23の張力が大きく変化することなく、ほぼ一定に保持することができる。
【0067】
図6は、本発明の実施の他の形態である縫製装置20Aの制御装置21Aを示すブロック図である。図6に示す本実施の形態は、図1〜図5に示す実施の形態と類似しており、対応する部分に同一の符号を付し、異なる構成についてだけ説明し、同様の構成については説明を省略する。
【0068】
本実施の形態の縫製装置20Aでは、送り込みローラ26は、帯状物23をミシン本体25に送ることができる送り込み状態と、帯状物23のミシン本体25への送りを停止しかつ帯状物23の通過を許容する通過許容状態とに切換自在である。各ローラ片35,36は、相互に当接する状態と離間する状態とに切換自在であり、各ローラ片35,36が相互に当接する閉じた状態が送り込み状態であり、各ローラ片35,36が相互に離間する開いた状態が通過許容状態である。
【0069】
また縫製装置20Aでは、ミシン回転信号50は、設けられてもよいし、設けられなくてもよい。本実施の形態では、各モータ27,29の制御には用いられない。また縫製装置20Aでは、張力検出器51は、送り込みローラ26と供給用ローラ28との間の帯状物23の張力を、無段階的に検出し、その検出張力をあらわす張力信号Ssを制御回路47に与える。張力検出器51は、例えば変位自在に設けられ、帯状物23が巻き掛けられ、帯状物23の張力に応じて変位する操作部材と、操作部材の位置を検出する位置検出センサとを組合わせた構成であってもよい。また本実施の形態では、供給用モータ29は、供給用ローラ28を、正逆両方向に回転駆動できる。
【0070】
また縫製装置20Aでは、制御回路47は、ミシン本体25による縫製動作が予め定める第1動作状態にあるときと、第1動作状態とは異なる第2動作状態にあるときとで、制御状態を第1制御状態と第2制御状態とに切り換える。制御回路47は、第1動作状態にあるとき、送り込みローラ26を通過状態にするとともに送り込みモータ27を停止し、供給用ローラ28によって帯状物23を供給するように供給用モータ29を制御する。制御回路47は、第2制御状態にあるとき、送り込みローラ26を送り込み状態にして送り込みローラ26によって帯状物23を送り込むように送り込みモータ27を制御する。
【0071】
ミシン本体25の第1動作状態は、生地22に帯状物23を縫着する縫着状態である。ミシン本体25の第2動作状態は、生地22への縫着が終了した後、帯状物23を切断カッタ55によって切断して後続の生地に帯状物を縫着する準備をする準備状態である。
【0072】
本実施の形態の縫製装置20Aは、制御状態を切り換える指令を表す切換信号Swを制御回路47に与える切換指令手段60を有する。この切換指令手段60は、操作者の手動操作に基づいて制御状態を切り換える指令を制御回路47に与える構成であってもよいし、予め設定される動作プログラムに従って制御状態を切り換える指令を制御回路47に与える構成であってもよいが、本実施の形態では、例えば切換指令手段60は、操作者が手動操作、たとえば足で操作する入力手段を備え、この入力手段の操作に基づいて、制御状態を切り換える指令を制御回路47に与える。この入力手段は、ミシン本体25の縫製動作の実行および停止、切断カッタ55の切断動作の実行、送り込みローラ26の開閉、ならびに帯状物23の切断後再び帯状物23を押え金の帯状物供給口に送り込む動作の実行などの指令を入力することができ、これに基づいて、制御回路47が、各手段を制御する。
【0073】
このように本実施の形態では、制御回路47は、ミシン本体25の動作状態に同期して、制御状態を切り換えて、制御している。
【0074】
図7は、制御装置20Aの制御回路47の制御動作を示すフローチャートである。制御回路47は、縫製装置20Aによる縫製作業を開始すると同時に、ステップb0で制御を開始し、ステップb1で、ミシン本体25の動作状態が第1動作状態であるかまたは第2状態であるかを判定する。この判定は、切換指令手段60からの指令に基づいて、判定している。具体的には、生地22を送りながら帯状物23を縫着するように、操作者が入力手段を操作をしているときだけ、第1動作であると判定し、残余のときは、第2動作であると判定する。
【0075】
ステップb1で、第1動作であると判定すると、制御回路47は、第1制御状態で制御するために、ステップb2に移行して、送り込みローラ26を開くとともに、ステップb3で、送り込みモータ27を停止し、ステップb4の制御動作に移行する。ステップb4では、制御回路47は、張力検出器51から張力信号Ssが表す検出張力に基づいて、供給用モータ2を制御する。具体的には、制御手段は、送り込みローラ26と供給用ローラ28との間の帯状物の張力が、生地22に縫着するのに適した張力であって、予め設定される設定張力を保つように、供給用ローラ28を回転するように供給用モータ2を制御する。
【0076】
ステップb4の動作後、制御回路47は、ステップb5に移行して、制御状態の切り換え操作がされた否かを判定する。具体的には、ミシン本体25に縫製動作を停止させる指令が入力されたか否か、したがってミシン本体25の動作状態が変更されたか否かを判定している。制御回路47は、切換操作されたと判定すると、ステップb1の制御動作に戻り、切換操作されていないと判定すると、ステップb4の制御動作に戻る。
【0077】
ステップb1で、第2動作であると判定すると、制御回路47は、第2制御状態で制御するために、ステップb6に移行して、送り込みローラ26を閉じてステップb7で、帯状物23を切断するように、切断カッタ55を制御する。切断終了後、制御回路47は、ステップb8に移行して、送り込みモータ27を回転し、ステップb9の制御動作に移行する。ステップb9では、制御回路47は、ステップb4の制御動作と同様に、検出張力に基づいて、供給用モータ2を制御する。
【0078】
ステップb9の動作後、制御回路47は、ステップb10で、切断後の帯状物23の再送り込みが終了したか否かを判定する。つまり、切断された後、帯状物23の供給用ローラ28から巻回リール44に延びる側の部分の先端部が、押え金32まで到達しているか否かを判定する。制御回路47は、この判定を、入力手段の操作に基づいて、再送り込み動作を停止したか否かによって判定している。制御回路47は、再送り込みが終了したと判定すると、ステップb11の制御動作に移行し、再送り込みが終了していないと判定すると、ステップb8の制御動作に戻る。
【0079】
ステップb11に移行すると、制御回路47は、送り込みローラ26および供給ローラ28を停止するように、送り込みモータ27および供給モータ29を制御し、ステップb12の制御動作に移行する。ステップb12では、制御回路47は、ステップb5と同様に、制御状態の切り換え操作がされた否かを判定する。制御回路47は、切換操作されたと判定すると、ステップb1の制御動作に戻り、切換操作されていないと判定すると、ステップb12の制御動作に戻る。
【0080】
図8は、縫製装置20Aの動作の一例を示すタイミングチャートである。時刻t0Aでは、ミシン本体25は、第2動作状態にあり、制御回路47は、第2制御状態にあり、ミシン本体25が停止しているとともに、張力検出器51による検出張力が設定張力未満である。時刻t1Aまではこの状態が継続し、時刻t1Aでミシン本体25の動作状態が第1動作状態に切換るとともに、制御回路47の制御状態が第1制御状態に切換る。時刻t1Aから時刻t2Aまでミシン本体25が駆動され、時刻t2Aでミシン本体25が停止される。時刻t1Aからt2Aまでの間は、張力検出器51が設定張力以上の張力であることを検出している。したがって検出張力に基づいて、設定張力に戻すような供給速度となるように、供給用ローラ28を回転させることができるように供給用モータ29を制御する。このときの供給用モータ29の出力軸の回転速度N291Aは、ミシン本体における送り速度に対応する速度である。
【0081】
時刻t2Aでミシン本体25の動作状態が第2動作状態に切換るとともに、制御回路47の制御状態が第2制御状態に切換る。また時刻t2Aで、切断カッタ55が動作を開始し、時刻t3Aで切断カッタ55の動作が終了する。
【0082】
この第2動作状態において、帯状物23のミシン本体25への再度の送り込みをし、後続の縫着の準備をする。第2動作状態および第2制御状態にある時刻t3Aからt6Aまでの間、送り込みローラ26と予め設定される一定の回転速度で回転するように、送り込みモータ29がその出力軸が回転速度N27Aで回転駆動する。このとき、張力検出器51が設定張力以上の張力であることを検出している。したがって検出張力に基づいて、設定張力に戻すような供給速度となるように、供給用ローラ28を回転させることができるように供給用モータ29を制御する。具体的には、例えば、時刻t3Aからt4Aまでおよび時刻t5Aから時刻t6Aまでの間は、時刻t1Aから時刻t2Aまでの検出張力よりも高い張力を検出しており、これを設定張力に戻すために、供給用モータ29は、その出力軸を回転速度N292Aで回転して供給用ローラ28を回転駆動している。さらに、時刻t4Aからt5Aまでの間、検出張力がさらに高い張力とななるので、供給用モータ29は、その出力軸を回転速度N293Aで回転して供給用ローラ28を回転駆動している。時刻t6A後も、第2動作状態および第2制御状態が維持されている。
【0083】
時刻t0Aからt1Aまでの間、駆動軸が停止しているとき、検出張力が設定張力以上であることを表す張力信号Ssが制御回路47に与えられる。この時刻t0Aからt1Aまでのように、第2制御状態にあり、ミシン本体25の駆動軸が停止し、張力検出器51が設定張力であることを検出している場合は、制御回路47は、供給用ローラ28を停止するように回転速度を0にする送り駆動信号Sd29を送りモータ29に与える。
【0084】
時刻t1Aからt2Aまでの間、図8に実線で示すように、駆動軸が回転速度N25Aで回転しているとき、検出張力が設定張力以上であることを表す張力信号Ssが制御回路47に与えられる。
【0085】
この時刻t1Aからt2Aまでのように、第1制御状態であり、ミシン本体25の駆動軸が一定の回転速度N25で回転され、張力検出器51が設定張力以上であることを検出している場合は、制御回路47は、供給用ローラ28を検出張力に基づいて、検出張力が設定張力に戻るような回転速度で回転するように、回転速度を表す供給駆動信号Sd29を供給用モータ29に与える。これによって供給駆動信号Sd29の表す回転速度に対応する回転速度N291Aで出力軸が回転するように供給用モータ29が稼動し、供給用ローラ28が供給駆動信号Sd29の表す回転速度で回転駆動される。
【0086】
本実施の形態では、送り込みローラ26および送り込みモータ27は、ミシン本体25による縫製動作時は、停止しているとともに、ミシン本体25の駆動軸の回転速度に応じて供給用モータ29を制御するのではなく、検出張力に基づいて供給用モータを制御しており、仮に、図8に破線で示すように、駆動軸の回転速度が変化しても、この変化に直接基づいて、供給用モータ29が制御されるのではない。もちろん駆動軸の回転速度の変化に基づいて、検出張力がたとえば図8に仮想線で示すように変化した場合には、これに応じて、同様に仮想線で示すように、供給用モータの出力軸の回転数を変化するように、供給用モータ29を制御する。
【0087】
時刻t2Aからt3Aまでのように、ミシン本体25による生地22への帯状物23の縫着が終了した後、制御回路47は、送り込みローラ26および供給用ローラ28を停止するように送り込みモータ27および供給用モータ29を制御し、切断カッタ55を動作させる。
【0088】
時刻t3Aからt4Aまでのように、第2制御状態であり、かつ帯状物23をミシン本体25に送り込んでおり、検出張力が設定張力以上である場合、制御回路47は、送り込みローラ26による送り込み速度が、予め定める送り込み速度となるように、送り込みローラ26の回転速度を表す送り込み駆動信号Sd27を送り込みモータ27に与える。これによって送り込み駆動信号Sd27の表す回転速度に対応する回転速度N27Aで出力軸が回転するように送り込みモータ27が稼動し、送り込みローラ26が送り込み駆動信号Sd27の表す回転速度で回転駆動される。
【0089】
またこの時刻t3Aからt4Aでは、制御回路47は、供給用ローラ28による供給速度と送り込みローラ26による送り込み速度とが一致するように、供給用ローラ28の回転速度を表す供給駆動信号Sd29を供給用モータ29に与える。これによって供給駆動信号Sd29の表す回転速度に対応する回転速度N291Aで出力軸が回転するように供給用モータ29が稼動し、供給用ローラ28が供給駆動信号Sd29の表す回転速度で回転駆動される。
【0090】
この時刻t4Aからt5Aまでのように、第2制御状態であり、かつ帯状物23をミシン本体25に送り込んでおり、検出張力がさらに高くなる場合、制御回路47は、送り込みローラ26による送り込み速度が、予め定める送り込み速度となるように、送り込みローラ26の回転速度を表す送り込み駆動信号Sd27を送り込みモータ27に与える。これによって送り込み駆動信号Sd27の表す回転速度に対応する回転速度N27Aで出力軸が回転するように送り込みモータ27が稼動し、送り込みローラ26が送り込み駆動信号Sd27の表す回転速度で回転駆動される。
【0091】
また時刻t4Aからt5Aでは、制御回路47は、送り込みローラ26と供給用ローラ28との張力を低下させるために、供給用ローラ28による供給速度と送り込みローラ26による送り込み速度とが一致する供給用ローラ28の回転速度に、予め定める増加回転速度だけ加算した回転速度を表す供給駆動信号Sd29を供給用モータ29に与える。これによって供給駆動信号Sd29の表す回転速度に対応する回転速度N293A、したがって時刻t1からt2における回転速度N291に供給用ローラ28の増加回転速度に対応する増加回転速度ΔN29Aを加算した回転速度N292で出力軸が回転するように供給用モータ29が稼動し、供給用ローラ28が供給駆動信号Sd29の表す回転速度で回転駆動される。
【0092】
時刻t5Aからt6Aまでの間は、時刻t3Aからt4Aまでと同様の状態にあり、時刻t3Aからt4Aまでと同様に制御される。また時刻t6A以降は、時刻t0Aからt1Aまでと同様の状態であり、時刻t0Aからt1Aまでと同様に制御される。
【0093】
このように制御回路47では、第1制御状態であるか第2制御状態であるかを判定する。第1制御状態と判定されると、検出張力が設定張力以上が否か判定するとともに、ミシン本体25による帯状物23の生地22への縫着が終了したか否か判定している。
【0094】
第1制御状態であると判定されるとき、制御回路47は、送り込みモータ27および切断カッタ55を停止する。また第1制御状態、制御回路47は、検出張力に基づいて、供給用ローラ28による供給速度が検出張力が設定張力になるように、供給用モータ2を制御して帯状物23を供給する。
【0095】
第2制御状態と判定されると、入力手段による入力に従って、切断カッタ55を動作させ、または送り込みローラ26および供給用ローラ28によって帯状物23を再送り込みする。このとき、制御回路47は、検出張力に基づいて、供給用ローラ28による供給速度が検出張力が設定張力になるように、供給用モータ2を制御して帯状物23を供給する。制御回路47は、このような一連の制御動作を繰り返して実行する。
【0096】
本実施の形態の縫製装置20Aの制御装置21Aによれば、縫製装置20の制御装置21Aと同様に、ミシン本体25の縫製動作に同期して、送り込みモータ27および供給用モータ29を1つの制御回路47によって制御しているので、送り込みローラ26と供給用ローラ28とを縫製動作に同期させて、互いに関連付けて制御することができる。これによって送り込みローラ26と供給用ローラ28とが個別に動作することによる送り込みローラ26と供給用ローラ28との間の帯状物23の張力の変化を防止し、この送り込みローラ26と供給用ローラ28との間の帯状物23の張力が変化して、ミシン本体25に送り込まれる帯状物23の張力が変化することを防ぎ、一定の張力に保持することができる。
【0097】
また従来の技術のように供給用ローラ28によって帯状物23を高速で供給する必要がなく、動作が不要であり、このような高速供給に起因する静電気の発生を防止して帯状物の供給手段への巻き付きを防ぐことができる。したがってこの巻き付き防止のための手段を別途に設ける必要がなく、ミシンが大型化することを防ぐとともにメンテナンスを容易にすることができる。
【0098】
さらに第2制御状態において、また送り込みローラ26による帯状物23の送り込み速度が、供給用ローラ28による帯状物23の供給速度と同一またはわずかに、例えば0%を超え20%以下程度高くなるように、かつ検出張力を併せて利用して、送り込みモータ27および供給用モータ29が制御されるので、帯状物23の送り込みと供給とを個別の手段によって実行したうえで、送り込み手段と供給手段との間の帯状物23の長さを一定またはほぼ一定に保つことができる。検出張力を利用することによって、送り込み手段と供給手段との間の帯状物23の長さをできるだけ確実に、一定またはほぼ一定に保つことができる。
【0099】
送り込み速度が、供給速度と同一である場合は、送り込み手段と供給手段との間の帯状物23の長さを一定に保つことができる。これによって送り込みローラ26と供給用ローラ28との間の帯状物23の帯状物23の張力を一定に保つことができ、ミシン本体25に送り込まれる帯状物23の張力に影響を与えることを防止して、ミシン本体25に送り込まれる帯状物23の張力を一定に保持することを実現することができる。この場合において、検出張力に基づく制御は、送り込みローラ26と供給用ローラ28との間の帯状物23の張力が何らかの外的要因によって高くなるように変化した場合に、帯状物23の張力変化を補正して、張力を確実に一定に保つことができる。
【0100】
このように送り込み速度と供給速度とを一致させることが好ましいが、一致させなくても、送り込み速度が、供給速度よりもわずかに高くなるようにして、検出張力に基づいて、供給速度を変化させるようにしてもよい。このようにすれば、送り込みローラ26と供給用ローラ28との間の帯状物23の張力に基づいて、供給用モータ29が制御されるので、送り込みローラ26と供給用ローラ28との間の帯状物23の張力が変化した場合に、供給用モータ29を制御して供給用ローラ28による供給速度を変化させ、送り込みローラ26と供給用ローラ28との間の帯状物23の張力を補正することができる。したがって、簡単な構成で、送り込み手段と供給手段との間の帯状物23の長さをほぼ一定に保つことができる。
【0101】
特にこの構成は、送り込みローラ26による送り込み速度が供給用ローラ28による供給速度よりもわずかに高くなるように制御する場合に、有効である。張力検出器51は、設定張力以上か否かを検出するだけの簡単な構成で実現できるうえ、送り込みローラ26と供給用ローラ28との間の帯状物23の張力が大きく変化することなく、ほぼ一定に保持することができる。
【0102】
さらにミシン本体25の縫製動作に応じて、送り込みローラ26を、帯状物23をミシン本体25に送る送り込み状態と、帯状物23のミシン本体25への送り込みを停止しかつ帯状物23の通過を許容する通過許容状態とに切り換えられる。ミシン本体25が第1動作状態にあるとき、制御回路47は第1制御状態とされ、送り込みローラ26が通過許容状態にされるとともに送り込みモータ27が停止され、供給用ローラ28によって帯状物23が供給される。また縫製動作が第2動作状態にあるとき、制御回路47は第2制御状態とされ、送り込みローラ26が送り込み状態にされ、この送り込みローラ26が送り込みモータ27によって駆動されて、帯状物23が送り込まれる。
【0103】
送り込みローラ26を駆動する送り込みモータ27と供給用ローラ28を駆動する供給用モータ29とを1つの制御回路47で制御することによって、ミシン本体25の縫製動作に応じて、送り込みローラ26の動作状態を切り換えるように制御することができる。これによって必要に応じて送り込みローラ26を駆動する制御が実現でき、利便性が向上される。
【0104】
さらに、縫製動作が、生地22に帯状物23を縫着する縫着状態であるとき、送り込みローラ26が通過許容状態にされるとともに送り込みモータ27が停止され、供給用ローラ28によって帯状物23が供給される。また縫製動作が、生地22への縫着が終了した後、帯状物23を切断して後続の生地22に帯状物23を縫着する準備をする準備状態であるとき、送り込みローラ26が送り込み状態にされ、この送り込みローラ26が送り込みモータ27によって駆動されて、帯状物23が送り込まれる。
【0105】
これによって送り込みローラ26は、準備状態のときだけ帯状物23を送り込むことができればよく、この送り込みローラ26によって、ミシン本体25に送り込まれる帯状物23に張力を与える必要がない。したがって送り込みモータ27は、送り込みローラ26によって帯状物23に張力を与えることができるような大きな出力トルクを必要とせず、小型にすることができる。
【0106】
図9は、本発明のさらに他の実施の形態の縫製装置20Bの一部を示す斜視図である。図9に示す本実施の形態は、図1〜図8に示す実施の形態と類似しており、対応する部分に同一の符号を付し、異なる構成についてだけ説明し、同様の構成については説明を省略する。上述の実施の形態では、縫製装置20,20Aのミシン本体25は、オーバーロックミシンと呼ばれる本体であったけれども、本実施の形態では、ミシン本体25として、生地22に、帯状の装飾テープである帯状物23を縫着する偏平縫いミシン(ただし、針は図示省略)が用いられる。各部の詳細な説明は省略する。このような縫製装置20Bであっても、上述の各実施の形態と同様に制御して、同様の効果を得ることができる。
【0107】
上述の実施の形態は、本発明の例示に過ぎず、本発明の範囲内において、構成を変更することができる。
【0108】
【発明の効果】
発明によれば、縫製手段の縫製動作に応じて、送り込み手段の動作状態が切り換えられ、利便性が向上される。縫製手段が生地に帯状物を縫着する縫着状態のとき、送り込み手段が通過許容状態にされるとともに送り込み駆動手段が停止され、張力検出手段による検出張力が一定に保たれるように、供給手段によって帯状物が供給される。また縫製手段が生地への縫着が終了した後、帯状物を切断して後続の生地に帯状物を縫着する準備をする準備状態のとき、送り込み手段が送り込み状態にされ、この送り込み手段が送り込み駆動手段によって駆動されて、帯状物が送り込まれる。これによって送り込み手段によって、縫製手段に送り込まれる帯状物に張力を与える必要がなく、送り込み手段を小型にすることができる。しかも縫製手段に供給される帯状物の張力は、供給手段の制御で一定に保持することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の一形態である縫製装置20の制御装置21を示すブロック図である。
【図2】縫製装置20を示す斜視図である。
【図3】縫製装置20による縫製製品の一例を示す斜視図である。
【図4】縫製装置20の制御回路47の制御動作を示すフローチャートである。
【図5】縫製装置20の動作の一例を示すタイミングチャートである。
【図6】本発明の実施の他の形態である縫製装置20Aの制御装置21Aを示すブロック図である。
【図7】縫製装置20Aの制御回路47の制御動作を示すフローチャートである。
【図8】縫製装置20Aの動作の一例を示すタイミングチャートである。
【図9】本発明のさらに他の実施の形態の縫製装置20Bの一部を示す斜視図である。
【図10】従来の技術のミシンの制御装置1を示すブロック図である。
【符号の説明】
20,20A,20B ミシン
21,21A 制御装置
22 生地
23 帯状物
25 ミシン本体
26 送り込みローラ
27 送り込みモータ
28 供給用ローラ
29 供給用モータ
50 ミシン回転信号発生器
51 張力検出器
55 切断カッタ

Claims (1)

  1. 縫製手段と、帯状物を縫製手段に送り込むための送り込み手段と、送り込み手段を駆動する送り込み駆動手段と、送り込み手段に帯状物を供給するための供給手段と、供給手段を駆動する供給駆動手段と、縫製手段と送り込み手段との間に設けられ縫製手段によって生地に縫着される帯状物を所定長さ寸法に切断する切断手段とを含む縫製装置を制御する制御装置であって、
    送り込み手段と供給手段との間の帯状物張力を検出する張力検出手段と、
    縫製手段の縫製動作が、生地に帯状物を縫着する第1動作状態にあるとき、送り込み手段を、帯状物の送り込みを停止しかつ帯状物の通過を許容する通過許容状態にするとともに、送り込み駆動手段を停止し、張力検出手段による検出張力が一定に保たれるように、供給手段によって帯状物を供給するように供給駆動手段を制御する第1制御状態とし、縫製手段の縫製動作が、生地への縫着を終了して帯状物を切断し、後続の生地に帯状物を縫着する準備をする第2動作状態にあるとき、送り込み手段を、帯状物を縫製手段に送る送り込み状態にして送り込み手段によって帯状物を送り込むように送り込み駆動手段を制御する第2制御状態とするように、縫製手段の縫製動作に応じて制御状態を切り換え、送り込み駆動手段および供給駆動手段を制御する制御手段とを備えることを特徴とする縫製装置の制御装置。
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