JP2850517B2 - ミシンの布送り制御装置 - Google Patents

ミシンの布送り制御装置

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JP2850517B2 JP27148490A JP27148490A JP2850517B2 JP 2850517 B2 JP2850517 B2 JP 2850517B2 JP 27148490 A JP27148490 A JP 27148490A JP 27148490 A JP27148490 A JP 27148490A JP 2850517 B2 JP2850517 B2 JP 2850517B2
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Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 この発明は、ミシンの布送り制御装置に関し、更に詳
細には、必要に応じ操作者がハンドプーリの手回しによ
り縫製することができ、かつ所要のアクチュエータによ
り直接駆動される布送り機構を有する形式のミシンにお
いて、前記ハンドプーリを手回しして縫製を行なう際に
も、加工布の送りを適切なタイミングでなし得て、良好
な糸調子を実現した布送り制御装置に関するものであ
る。
従来技術 直線縫いやジグザグ縫い、その他の各種の模様縫いを
行なうミシンにおいて、送り歯を前後動させて加工布を
所望の方向に送る布送り機構を、主軸駆動用のモータと
別に設けたステッピングモータで直接駆動するようにし
たミシンが、例えば、特開昭62−139694号公報に提案さ
れている。また特開昭63−105790号公報に示す如く、糸
駒から天秤に至る糸道径路にある上糸を、上軸の回転に
調時して所定タイミングで拘束・解放を行なう一対の係
合体と、該係合体の接近・離間を制御する糸通過制御装
置とを備えて、上糸の良好な自動糸調子が得られるよう
にしたミシンも提案されている。
そこで前記ステッピングモータにより直接駆動される
布送り機構と、一対の係合体および糸通過制御装置とを
組合わせれば、多数の模様縫いが可能で、しかも上糸の
自動糸調子も得られるミシンが実現されることになる。
ところで前記組合せに係るミシンでは、天秤や縫針の上
下動、上糸の拘束・解放および布送りの各タイミング
は、如何なる布送り量であっても、上軸の回転に調時し
て所定の回転位相で実行される。しかるに布送り機構を
駆動するステッピングモータは、一定周波数のパルスで
回転されるから、上軸の所定回転速度で布送りを行なう
場合、第9図に示すように、その布送り終了時期は加工
布の送り量が大きくなる程遅くなる。
このため、加工布の送り量が大きい場合(例えば4mm
以上)は、布送り動作の一部は上糸解放期間中に実行さ
れ、従って上糸は前記係合体で拘束された状態で、送り
動作および天秤の上昇動作と連動して充分に引き締めら
れる。そして該係合体が上糸を解放した後に、次の縫目
形成に必要な糸量が糸駒から繰り出されて良好な糸調子
が得られる。しかし送り量が小さい場合は、第9図から
判明する如く、上糸が拘束された状態で送り動作が終了
するので、上糸の引き締めが強くなり過ぎ、縫目の品質
が極端に低下する問題がある。更に上軸の回転速度が中
速以下の場合は、何れの送り量であっても縫目品質の低
下を招くという問題点が指摘される。
この問題点に対処する解決策として本件出願人は、特
願平1−34201号に係る発明を提案するに至った。これ
は、前述したステッピングモータにより直接駆動される
布送り機構と、一対の係合体および糸通過制御装置とを
組合わせたミシンにおいて、上軸の回転位相を検出する
位相検出手段と、位相検出手段からの出力と縫目模様デ
ータ記憶手段からのデータとを受けて、両係合体による
上糸解放期間中に加工布移送の一部が実行され、かつ布
送り量が多い程移送動作の開始タイミングが早まるよ
う、その開始タイミングを決定するタイミング決定手段
と、タイミング決定手段で決定された開始タイミングで
加工布の移送を開始するよう、送り制御手段に指令する
指令手段とを備えている。
発明が解決しようとする課題 このように前記出願に係るミシンでは、加工布の移送
開始タイミングを決定するファクターを回転位相検出手
段からの出力に求め、これにより良好な糸調子を自動的
に得るように構成されている。しかるに前記上軸の回転
位相検出手段は、主軸駆動用モータの回転軸側に設けら
れ、該モータと上軸とはミシン内蔵のクラッチにより入
・切自在に接続されている。従って、操作者がハンドプ
ーリを手回しして縫製するときは、前記クラッチが作動
して上軸とミシンモータとの機械的接続は解除され、該
上軸は回転するが前記モータ側の回転位相検出手段は不
作動状態に保持される。
このためハンドプーリの手回し時には、前記回転位相
検出手段からの出力が得られず、加工布の移送開始タイ
ミングを決定し得ないこととなる。従って前記ミシンで
は、布送りタイミングを取ることなく、直ちに加工布の
送りを開始することになってしまう。すると前記一対の
係合体が解放する前に、布送り動作が終了することとな
り、従って上糸の引き締めが過度に強くなって上糸調子
となり、良好な自動糸調子が得られなくなる欠点が顕在
化する。
また、前記一対の係合体および糸通過制御装置からな
る自動糸調子装置を備えず、一般適なダイヤル式の糸調
子皿を備えるミシンでは、第11図に示すように、天秤が
最上位点に到達する前に布送りが終了してしまうと、そ
の分だけ上糸が繰出されることになる。そしてその後に
天秤が最上位点に達すると、上糸が更に繰出されてしま
う。その理由は、ダイヤル式糸調子皿による糸挟持力
は、自動糸調子装置の糸押圧用Vコロによる糸挟持力程
強くないためである。従ってダイヤル式糸調子皿では、
自動糸調子装置の場合とは逆に、上糸が余分に繰出され
る結果として下糸調子になってしまう問題点があった。
発明の目的 本発明は、先に述べた如く必要に応じ操作者がハンド
プーリを手回しして縫製を行なうことができ、かつ所要
のアクチュエータにより直接駆動される布送り機構を有
する形式のミシンに内在している欠点を好適に解決する
べく提案されたものであって、前記ハンドプーリの手回
しにより縫製を行なう際に、加工布の送りを適切なタイ
ミングでなし得るようにして、良好な糸調子を得ること
のできる布送り制御装置を提供することを目的とする。
課題を解決するための手段 前記課題を克服し、所期の目的を達成するため本発明
は、操作者の手回しにより主軸の回転を許容するハンド
プーリと、縫針を備えミシンモータにより前記主軸を介
して上下に往復駆動される針棒と、この針棒に調時して
前記ミシンモータにより往復駆動される天秤と、上糸の
供給源から天秤に至る糸道経路に設けられ、前記上糸に
所要の糸調子を与える糸調子付与手段と、前記針棒に略
調時して加工布を移送する布送り機構と、この布送り機
構を直接駆動するアクチュエータとからなるミシンにお
いて、 前記主軸がミシンモータにより駆動されている際に、
布送り開始のタイミングを前記布送り機構のアクチュエ
ータに与える第1のタイミングセンサと、 前記ハンドプーリを手回ししている際に、布送り開始
のタイミングを前記布送り機構のアクチュエータに与え
る第2のタイミングセンサと、 前記主軸がミシンモータにより駆動されているか、前
記ハンドプーリの手回しにより駆動されているかを判別
する判別手段と、 この判別手段がハンドプーリの手回しによる主軸の回
転を判別した際に、前記第2のタイミングセンサからの
タイミング指令により、前記アクチュエータを付勢して
布送り機構を駆動する制御手段とから構成したことを特
徴とする。
作用 本発明によれば、主軸が回転した場合に前記判別手段
により、該主軸の回転がミシンモータにより与えられて
いるものか、または操作者がハンドプーリを手回しして
いることにより与えられているものか、を判別する。そ
して前記主軸がミシンモータにより駆動されていると判
別された場合は、第1のタイミングセンサにより、前記
布送り機構のアクチュエータに布送り開始のタイミング
を与える。また判別手段がハンドプーリの手回しによる
主軸の回転を判別した場合は、第2のタイミングセンサ
により、布送り機構のアクチュエータに布送り開始のタ
イミングを与えるものである。
実施例 次に、本発明に係るミシンと布送り制御装置につき、
好適な実施例を挙げて、添付図面を参照しながら以下説
明する。
(針棒駆動系について) 第2図で符号10は、電子制御式の模様縫いミシンを示
し、その左方に延在するアーム部12における頭部14中の
機枠には、支持体18がピン16を介して左右に所要中心角
だけ揺動自在に枢支され、下端に縫針20を設けた針棒22
が、該支持体18に昇降自在に配設されている。アーム部
12には主軸24が水平に延在し、第4図に示す如く、ブッ
シュメタル15に回転自在に枢支されている。この主軸24
の左端に、第4図に関して後述する機構を介して針棒昇
降用クランク26が連結され、該クランク26は前記針棒22
に配設した針棒抱き28に連結されている。また該主軸24
のミシン外方に延出する右端部には、操作者による手回
し用のハンドプーリ25が固定されている。
脚柱部30の下方にはミシンモータ32が配設され、該モ
ータ32の回転はタイミングベルト34およびタイミングプ
ーリ36を介して、前記主軸24に伝達される。従ってミシ
ンモータ32を駆動すれば、前記主軸24が所要方向に回転
し、クランク26を介して前記針棒22に上下動運動が付与
される。なお、主軸24とタイミングプーリ36との間にク
ラッチ機構27が介装され、前記ハンドプーリ25を操作す
る際には、該クラッチ機構27が作動して主軸24とタイミ
ングプーリ36との機械的接続が解除されるようになって
いる。従って操作者が前記ハンドプーリ25を手回しする
と、ミシンモータ32による負荷を受けることなく主軸24
は回転して、加工布への縫製をなし得る。
(針棒揺動機構および押え足について) また脚柱部30に枢支したセクターギヤ38は、針棒揺動
用ステッピングモータ40のピニオン42に噛合し、これを
所要中心角で左右に揺動駆動するようになっている。こ
のセクターギヤ38は、図示の連杆44を介して、前記支持
体18に連結されている。従って、該ステッピングモータ
40を正逆転させれば、セクターギヤ38の揺動に伴い前記
支持体18および針棒22は、連杆44を介して左右に揺動駆
動される。
頭部14における針棒22の後方には、これと平行に押え
棒11が昇降自在に設けられ、その下端部に押え足99が着
脱自在に取付けられている。該押え棒11は、第3図に示
す操作レバー13の操作によって上昇位置と下降位置とに
切換えられる。
(天秤機構について) 第4図に示す如く、アーム部12の内部には、前記主軸
24の平行に副軸17が回動自在に枢支されている。この副
軸17には、揺動レバー19の一端部が回動自在に連結され
ると共に、該揺動レバー19は主軸24に固着した天秤クラ
ンク21の左端面側に延びている。天秤クランク21に突設
したクランクピン23は、第3図に示すように、揺動レバ
ー19に穿設したカム孔29に摺動可能に挿通されて、該レ
バー19に所要のカム運動を与えるようになっている。こ
の揺動レバー19の上部には、天秤98が一体的に形成さ
れ、該天秤98の上端部に糸保持部98aが形成されてい
る。また前記クランクピン23の左端部には連結板31が固
着され、該連結板31から左方へ延びる枢支ピン33に、先
に述べた針棒昇降用クランク26が回動自在に連結されて
いる。
揺動レバー19のカム孔29は、殊に第3図に示す如く、
クランクピン23の回転軌跡と同半径で、かつ該ピン23が
最上位置付近から約74゜回転するのを許容する円弧孔29
aと、該円弧孔29aの両端部から延びる直孔29bとから形
成されている。従って、クランクピン23が主軸24の周り
に回転すると、揺動レバー19は副軸17を揺動中心とし
て、第3図に実線で示した最上位置(最大糸取上位置)
と、2点鎖線で示した最下位置(最大糸弛緩位置)とに
亘り上下に往復揺動される。またクランク26の回転によ
り、針棒22は主軸24の回転と同期して往復昇降駆動され
る。
なお天秤98は、主軸24の位相が約40゜の時点から、縫
針20の目孔が針板35の上面に達する時点まで前記最上位
置に保持される。従って、布送り動作の略後半の期間に
おいて天秤98が最上位置に保持され、上糸37は天秤98に
よって最大糸取上量が確保される。
(布送り機構について) 第2図においてベッド部46には、針棒22と略調時して
作動する送り機構48が設けられ、加工布(図示せず)を
上下および前後方向に送る送り歯50がこれに接続してい
る。この送り機構48は、送り歯50を支持する送り台52
と、該送り台52の上下運動を与える上下送り軸54と、該
送り台52に前後運動を与える水平送り軸56とから基本的
に構成される。例えば送り台52は、その前端部にフォー
ク52aが形成され、また後端部にT字部52bが形成されて
いる。上下送り軸54は、ベッド部46の手前柄に、軸周り
の揺動自在に枢支され、該繰り軸54に固定されて直交方
向に延出するアーム58が、前記フォーク52aにピン60を
介して嵌合している。更に水平送り軸56は、ベッド部46
の後方側に軸周りの揺動自在に枢支され、該送り軸56か
ら直交方向に延出する2つのアーム62,62に、前記送り
台52のT字部52bが枢着されている。
上下送り軸54の後方側には、軸周りに揺動自在な揺動
軸64が配設され、該揺動軸64に固定したカム66が、前記
上下送り軸54に直交方向に設けた2股アーム68に係合し
ている。この揺動軸64は、主軸24に形成したクランク部
24aにロッド70を介して連結されている。従ってミシン
モータ32を駆動すれば、前記主軸24が回転して針棒22に
上下動運動を付与すると共に、ロッド70を介して揺動軸
64が揺動回転し、カム66→2股アーム68→上下送り軸54
→送り台52の経路で送り歯50が上下に駆動される。
また水平送り軸56の右端部には、セクターギヤ72が固
定され、このセクターギヤ72は、脚柱部30に設けた送り
用ステッピングモータ74のピニオン76に噛合している。
そして、前記送り歯50の上下動に同期して送り用ステッ
ピングモータ74を駆動することにより、該送り歯50はそ
の上昇位置および下降位置において夫々前方および後方
に駆動される。
(自動糸調子装置について) 本実施例のミシンは、上糸37を拘束・解放する一対の
係合体および糸通過規制装置からなる自動糸調子装置を
備えている。例えば第4図で、針棒昇降用クランク26の
直ぐ左側に、機枠の一部をなす板部材39が主軸24と直交
的に設けられている。また主軸24より僅か前方位置でか
つ板部材39の左側に、上糸37に通過抵抗を与えるプリテ
ンション装置41が配設されている。該プリテンション装
置41は、上糸37に所要の糸通過抵抗を付与する公知の糸
調子皿41aからなるが、これは省略してもよい。
糸駒(図示せず)から縫針20の目孔に至る上糸供給路
のうち、該糸駒から天秤98の糸保持部98aに至る上糸37
を、主軸24の運動と調時して拘束したり解放したりする
機構として、第3図〜第6図に示す如く、一対の係合体
43,47およびこれを接近位置と離隔位置とに所定タイミ
ングで駆動する糸通過規制装置45とが設けられている。
第6図に示すように、前記板部材39の左側に糸道規制板
43が固着され、該板部材39に可動板47およびリンクアー
ム49の下端部が、段付ねじ51で回動自在に共通枢着され
ている。この可動板47は、糸道規制板43の左近傍に位置
し、これに回転可能に枢支した可動輪53が糸道規制板43
の規制部43aに下方より当接して、その間で上糸37を挟
持拘束し得るようになっている。すなわち第3図に示す
如く、可動板47の一端部47bは、機枠に固定した引張り
ばね55に接続して弾性付勢され、その可動輪53を規制部
43aへ押圧している。また可動板47の腕部47aに設けた接
触輪57は、リンクアーム49の下方接触部49aに当接して
休止している。なお可動輪53の周面に環状V溝53aが形
成され、規制部43aは可動輪53のV溝53aに上方から係合
している(第6図)。
プリテンション装置41を通過した上糸37は、糸道規制
板43の規制部43aでU字状に屈曲し、天秤98の糸保持部9
8aを経由して縫針20へ延びている。そして前記規制部43
aで屈曲する上糸37は、この規制部43aとV溝53aとの間
に2点で挟持され強力に拘束される。殊に、規制部43a
で屈曲する上糸37の糸供給路を含む面に対して平行な方
向へ可動輪53が駆動され、上糸37を横断的に挟持拘束す
るので、上糸37を挟持する面圧は充分に大きくなる。つ
まり可動輪53を押圧する力が小さい場合でも、上糸37を
強力に拘束し得る。
主軸24の回転に調時して、前記可動板47に枢支した可
動輪53を上下に駆動し、上糸37の解放と拘束とを所定の
タイミングで実行させるため、第4図および第5図に示
す如く、副軸17の右端部に近接して、主軸24に固着した
回転カム59が臨んでいる。この回転カム59には楕円状の
カム溝61が形成され、副軸17に固着した第1アーム63の
接触子63aが、前記カム溝61に係合している。また副軸1
7の左端部に、第3図に示す第2アーム65が固着され、
該アーム65の下端部に突設したピン65aが、リンクアー
ム49の上端部に穿設したルーズピン穴49bに嵌合連結さ
れている。
以上の構成に係る一対の係合体43,47および糸通過規
制装置45において、主軸24と共に回転カム59が回転し、
楕円状のカム溝61を介して第1アーム63が揺動すると、
副軸17を介して第2アーム65が揺動する。そして、第2
アーム65が揺動すると、ピン65aとルーズピン穴49bとの
協働作用に、リンクアーム49が段付ねじ51を中心として
揺動する。その結果、該アーム49の下方接触部49aに当
接している接触輪57が前方へ押動され、可動板47が引張
りばね55のばね力に抗して回動する。このため可動輪53
が規制部43aから離脱し、上糸37が拘束状態から解放さ
れる。またリンクアーム49の接触部49aが逆移動する
と、可動板47は引張りばね55の復元弾力で回動し、可動
輪53が規制部43aに再び当接して、上糸37を規制部43aと
可動輪53との間で拘束する。このように、上糸37の解放
と拘束とが、夫々所定のタイミングで実行されることに
なる。この上糸37を解放したり拘束したりするタイミン
グを、第10図に曲線MCで示す。
第10図から判明する如く、天秤98が最下位置から最上
位置まで上昇する上糸37の引き締め時には、糸道規制板
43と可動輪53とにより上糸37が拘束されているので、上
糸37の引き締めは確実に実行される。また天秤98が最上
位置に達し、上糸37の引き締めが完了した際には、布送
りと連動して上糸37を供給するため、糸道規制板43と可
動輪53とによる拘束が解放され、必要量の上糸が糸駒か
ら天秤98の方へ供給される。このように、上糸37の拘束
を解放した状態で布送りおよび針振りが完了し、縫針20
が針板22に達する時期までには上糸37が再び拘束され、
上糸37を拘束した状態で縫動作が実行されて、糸輪が下
糸ボビン側に形成される。従って、布送りと針振りのた
めに消費される必要量の上糸37は確実に供給され、糸輪
の形成時には上糸37が拘束されているので、不要な上糸
37が供給されることはない。
(第1タイミングセンサについて) 第2図に略示する如く、ミシンモータ32の回転軸に
は、前記主軸24が該モータ32により駆動されている際
に、布送り開始のタイミングを前記布送り機構48のステ
ッピングモータ74に与える第1のタイミングセンサ78が
設けられている。すなわちモータ回転軸に、半径方向に
1本のスリットを穿設した円板80が設けられ、このスリ
ット円板80を挟んでフォトインタラプタ82が配設されて
いる。該スリット円板80は、ミシンモータ32で主軸24を
回転駆動させる際に、該モータ32と共に回転し、ハンド
プーリ25の手操作により主軸24を回転させる際は、前記
クラッチ機構27によりモータ側は切離されるので円板80
は回転しない。前記フォトインタラプタ82は、スリット
円板80と主軸24の回転位相とが約360゜をなすときに、
該スリットを透過する光を検出し、第1図に示すCPU94
に、針棒22の現在位置に関するタイミング信号を供給す
る。
(第2タイミングセンサについて) 第2図に示す如くミシン10には、ハンドプーリ25を手
回ししている際に、布送り開始のタイミングを前記布送
り機構48のステッピングモータ74に与える第2のタイミ
ングセンサ88が設けられている。例えば主軸24に、半径
方向に1本のスリットを穿設した円板90が設けられ、こ
のスリット円板90を挟んでフォトインタラプタ92が配設
されている。このフォトインタラプタ92は、スリット円
板90と主軸24の回転位相とが約360゜のときに、該スリ
ットを透過する光を検出し、第1図に示すCPU94に、針
棒22の現在位置に関するタイミング信号を供給する。
このスリット円板90は主軸24に設けられているので、
該主軸24がミシンモータ32により回転される際およびハ
ンドプーリ25により回転される際の何れの場合も回転し
て、針棒22の現在位置に関するタイミング信号を出力す
る。このため、ミシンモータ32で主軸24が駆動される通
常の縫製時には、前記第1タイミングセンサ78および第
2タイミングセンサ88から信号が重複的に出力されるこ
とになる。従ってこの場合は、第1タイミングセンサ78
からの信号が、第2タイミングセンサ88からの信号に優
先して使用される、という処理が制御回路中でなされる
ようになっている。
(ミシンの制御回路について) 次に、ミシン10の制御系につき、第1図に示すブロッ
ク図を参照して説明する。制御回路CのI/Oインターフ
ェイス84には、模様入力装置97が接続されると共に、布
送りのタイミングを決定する前記第1タイミングセンサ
78と第2タイミングセンサ88、およびミシンモータ32の
回転を検出する回転センサ79が接続されている。またミ
シンモータ32は駆動回路96、針棒揺動用ステッピングモ
ータ40は駆動回路81、送り用ステッピングモータ74は駆
動回路67を介して、I/Oインターフェイス84に接続され
ている。なおI/Oインターフェイス84には、ミシン10を
作動させるに必要な他の要素、例えばミシン10の起動・
停止を選択的に指令する起動・停止スイッチ、主軸24の
回転速度を検出する速度検出器、針棒22の揺動量を調節
するボリューム、加工布の送り量を調節するボリュー
ム、その他各可動部の同期をとるためのクロックパルス
発生手段等が設けられるが、その図示および説明は省略
する。
前記I/Oインターフェイス84は、バス69を介して、CPU
94、ROM71、RAM73等に接続されている。このROM71は、
文字や記号等の多数の模様の夫々に関して、各縫い動作
毎の針位置データすなわち送り量データおよび針振りデ
ータを記憶した模様データを格納すると共に、選択され
た縫目模様データを読み出し、送り開始信号を受けた妻
に、送り量データに基いて送り用ステッピングモータ74
を制御する制御プログラムを格納している。なお前記RO
M71は、ミシンモータ32の駆動を制御する制御プログラ
ムや、布送りの動作の開始タイミングを送り量データと
速度信号とに基づいて決定する送り動作開始制御の制御
プログラム等も格納している。またRAM31は、CPU94で演
算処理した結果等を一時的に記憶する各種のメモリを備
えている。
更に前記I/Oインターフェイス84は、バス69を介して
判別手段75に接続されている。この判別手段75は、前記
主軸24が、ミシンモータ32により駆動されているのか、
またはハンドプーリ25の手回しにより駆動されているか
を判別するために設けられる。例えば、ミシンモータ32
の回転を検出する前記回転センサ79から回転信号が得ら
れているときは、判別手段75は、該主軸24がミシンモー
タ32により駆動されている旨を判断する。また前記回転
センサ79からの回転信号が得られず、第2タイミングセ
ンサ88からのタイミング信号だけがCPU94に供給されて
いる場合は、ハンドプーリ25の手回しにより該主軸24が
駆動されている旨を、該判別手段75が判断する。
またI/Oインターフェイス84は、バス69を介して、前
記布送り機構48の駆動を制御する制御手段77に接続され
ている。この制御手段77は、前記判別手段75がハンドプ
ーリ25の手回しによる主軸24の回転を判別した際に、第
2タイミングセンサ88からのタイミング指令を受けて前
記ステッピングモータ74を付勢し、布送り機構48を駆動
するために設けられる。
実施例の作用 次に、本実施例に係る布送り制御装置に関し、その使
用の実際を説明する。模様縫いミシン10の稼動に先立
ち、糸掛け等の所要の縫製準備を行なう。すなわち図示
しない糸供給源から引出した上糸37は、前記プリテンシ
ョン装置41を通過した後、自動糸調子装置における糸道
規制板43の規制部43aでU字状に屈曲され、天秤98の糸
保持部98aを経由してから縫針20の目孔に通される。そ
して該上糸37は、前述の如く規制部43aとV溝53aとの間
で解放自在に拘束される。また前記模様入力装置97を操
作して、縫製を希望する模様の入力が行なわれる。次い
で、図示しない起動・停止スイッチを操作して、起動信
号をCPU94に入力すると、ROM71に格納した制御プログラ
ムに従い、ミシンモータ32が駆動回路96を介して駆動さ
れ、主軸24が回転する。また前記ROM71に格納した各縫
い動作毎の送り量データに従って、送り用ステッピング
モータ74が駆動回路67を介して駆動され、送り歯50の上
下動および前後動がなされる。更に、ROM71に格納した
各縫い動作毎の針振りデータに従って、針棒揺動用ステ
ッピングモータ40が駆動回路81により駆動され、針棒22
は布送り方向に対し交差する方向に揺動される。
このように予め制御された針棒22(縫針20)の昇降動
並びに揺動と、送り歯50の上下動並びに前後動とによっ
て、図示しない加工布には、前記縫針目模様データに従
った各種の模様が順次縫製されてゆく。また実施例に係
るミシンは、先に述べた構成の自動糸調子装置を備えて
いるので、特願平1−34201号に詳述される如く、加工
布の送り量および主軸24の回転速度が大きい程布送りの
開始タイミングが早くなる。例えば、主軸24の回転速度
が一定の場合、送り量が多くなるにつれて、布送りが早
いタイミングで開始され、また送り量が一定の場合は、
縫製速度が大きくなるにつれて、布送り開始タイミング
が早くなる。すなわち何れの布送り動作でも、その前半
部分では上糸37が糸道規制板43と可動輪53とにより拘束
されているので、送り歯50による送り動作および天秤98
の上昇動作に連動して上糸37は十分に引き締められる。
また上糸37の拘束が解放された期間では、布送り動作の
後半部分が実行されるので、上糸37は送り動作に連動し
て次の縫目形成に必要な糸量分だけ、糸駒から天秤98へ
供給される。しかも縫針20が針板35に達する時期までに
は上糸37は再び拘束され、上糸37を拘束した状態で縫い
動作が実行される。従って何れの送り量および縫製速度
においても安定した糸調子が得られ、綺麗な縫目を形成
することができる。
次に操作者が、ハンドプーリ25を手回しして縫製を行
なう場合につき。第7図に示すフローチャートを参照し
て説明する。ミシン10を起動させた後、先ずステップ
(以下「S」という)1で、第1タイミングセンサ78が
ONしているか、を確認し、肯定(YES)であればS2に移
行して、第1図に示す回転センサ79によりミシンモータ
32が回転しているか、を確認する。このS2が肯定(YE
S)であればS3に移行し、前記特願平1−34201号に記載
される如く、速度検出器からの速度信号により、S4でタ
イマをセットする。そしてS5で該タイマがタイムアップ
すると、S7に移行して、ステッピングモータ74を駆動
し、布送り機構48による加工布の送りを行なう。この場
合に、一対の係合体43,47および糸通過規制装置45から
なる自動糸調子装置が適時に作動し、上糸37に対する拘
束および解除がなされて好適な糸調子が得られること
は、前述した通りである。
また、回転センサ79によりミシンモータ32が回転して
いるか、を前記S2で確認した結果が否定(NO)である場
合は、ハンドプーリ25による手回しモードに設定されて
いることが、前記判別手段75により判別される。そこで
次のS6に移行し、ここで第2タイミングセンサ88がONし
ているか、を確認する。この結果が否定(NO)された場
合は、操作者がハンドプーリ25を手回しにより回転させ
ても、ステッピングモータ74は駆動されず、布送り機構
48による加工布の送りはなされない。従ってこのとき
は、第2タイミングセンサ88がONするまで、S6での確認
が反復される。そして、S6で第2タイミングセンサ88の
ONが肯定(YES)されると、直ちにS7に移行してステッ
ピングモータ74を駆動し、布送り機構48による加工布の
送りを行なう。
すなわち第8図に示す如く、ハンドプーリ25を手回し
操作する場合は、自動糸調子装置における前記一対の係
合体43,47が開放している間に、布送りのタイミング指
令が出されるので、上糸調子となってしまう欠点が好適
に解消される。なお、先に述べたダイヤル式の糸調子皿
の場合は、天秤が最上位に到来した近辺で、布送りのタ
イミング指令が出されるので、逆に下糸調子となる前記
欠点が解決されることになる。
発明の効果 以上に説明した如く、本発明に係るミシンの布送りの
制御装置によれば、ハンドプーリを有しかつ所要のアク
チュエータにより直接駆動される布送り機構を備える形
式のミシンにおいて、操作者が前記ハンドプーリを手回
しして縫製を行なう際に、糸調子装置が上糸を解放して
いる適切なタイミングで加工布の送りをなし得るので、
上糸調子や下糸調子となることがなく、良好な糸調子が
実現される利点がある。
【図面の簡単な説明】
第1図は、本発明に係るミシンの布送り制御装置が好適
に実施される制御系のブロック図、第2図は、本実施例
に係る模様縫いミシンの概略構成図、第3図は、ミシン
頭部における内部機構を概略的に示す左側面図、第4図
は、第3図に示す内部機構の概略正面図、第5図は、第
4図のV−V線断面図、第6図は、第3図のVI−VI線断
面図、第7図は、操作者がハンドプーリを手回しして縫
製を行なう場合のフローチャート図、第8図は、ハンド
プーリを手回した際における布送り動作と上糸解放期間
との関係を示す線図、第9図は、ミシンの各機構におけ
る動作のタイムチャート図、第10図は、従来技術に係る
布送り動作と上糸解放期間との関係を示す線図、第11図
は、同じく従来技術に係るダイヤル式糸調節皿での天秤
の動きと布送りの関係を示す線図である。 24……主軸、25……ハンドプーリ 32……ミシンモータ、48……布送り機構 74……アクチュエータ(パルスモータ) 75……判別手段、77……制御手段 78……第1タイミングセンサ 88……第2タイミングセンサ

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】操作者の手回しにより主軸(24)の回転を
    許容するハンドプーリ(25)と、縫針(20)を備えミシ
    ンモータ(32)により前記主軸(24)を介して上下に往
    復駆動される針棒(22)と、この針棒(22)に調時して
    前記ミシンモータ(32)により往復駆動される天秤(9
    8)と、上糸(37)の供給源から天秤(98)に至る糸道
    経路に設けられ、前記上糸(37)に所要の糸調子を与え
    る糸調子付与手段(43、45、47)と、前記針棒(22)に
    略調時して加工布を移動する布送り機構(48)と、この
    布送り機構(48)を直接駆動するアクチュエータ(74)
    とからなるミシンにおいて、 前記主軸(24)がミシンモータ(32)により駆動されて
    いる際に、布送り開始のタイミングを前記布送り機構
    (48)のアクチュエータ(74)に与える第1のタイミン
    グセンサ(78)と、 前記ハンドプーリ(25)を手回ししている際に、布送り
    開始のタイミングを前記布送り機構(48)のアクチュエ
    ータ(74)に与える第2のタイミングセンサ(88)と、 前記主軸(24)がミシンモータ(32)により駆動されて
    いるか、前記ハンドプーリ(25)の手回しにより駆動さ
    れているかを判別する判別手段(75)と、 この判別手段(75)がハンドプーリ(25)の手回しによ
    る主軸(24)の回転を判別した際に、前記第2のタイミ
    ングセンサ(88)からのタイミング指令により、前記ア
    クチュエータ(74)を付勢して布送り機構(48)を駆動
    する制御手段(77)と から構成したことを特徴とするミシンの布送り制御装
    置。
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