JP3906075B2 - Fed用のモノクロ蛍光体 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、フィールドエミッションディスプレイ(本明細書においてFEDと述べる。)に用いられるモノクロ蛍光体に関する。
【0002】
【従来の技術】
FEDは、カソードとそれに対向するアノードとを有し、アノード側に設けられた蛍光膜を電子線で励起して発光させる構造を有するフラットパネルディスプレイである。アノードを励起する電子線の加速電圧は、0.1〜10kV程度である。この加速電圧は、CRTの加速電圧である数十kVに比較すると、何れも低い加速電圧となる。上記したことから、FEDには低速電子線で励起される専用の蛍光体が使用される。
【0003】
FEDは、テレビに比較して蛍光体を励起する電子線の加速電圧が低いので、蛍光体を励起するエネルギーが小さくなる。小さい励起エネルギーは蛍光体を高輝度に発光できない。このため、FEDはテレビに比較して、蛍光体を励起する電流密度を高くして高輝度に発光させる。高い電流密度でテレビ用の蛍光体を使用すると、寿命が著しく短くなる。このため、テレビ用の蛍光体として、種々の発光色のものが使用されるが、そのほとんどはFED用として使用できない。
【0004】
高電流密度で使用できるFED用のモノクロ蛍光体として、ZnO:Zn蛍光体が開発されている。この蛍光体の発光色はGreenである。モノクロ蛍光体として最適な発光色は白色である。白色に発光できない蛍光体は、フィルターを使用して発光色を変化させる。ただ、フィルターを使用して発光色を変化させることは、全体の構造を複雑にする。また、フィルターが劣化して発光色が変化する欠点もある。さらに、フィルターは、蛍光体から放射されるスペクトルの一部を吸収して発光色を変化させるので、蛍光体から放射されないスペクトルの発光色にはできない。このため、ZnO:Zn蛍光体は、再現可能な色調も限定され、モノクロ蛍光体として理想的な特性のものでは決してない。
【0005】
この欠点は、たとえば緑色発光、青色発光、赤色発光の蛍光体を混合して解消できる。色混合蛍光体は、緑色発光蛍光体としてY2SiO5:Tbを使用し、青色発光蛍光体としてY2SiO5:Ceを使用し、さらに赤色発光蛍光体としてY2O3:Euを使用できる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
この混合蛍光体は、混合する3色蛍光体の混合比で、希望する色調に調整できる。ただ、複数の蛍光体を混合する蛍光体は、各々の蛍光体組成が違うために、寿命特性が異なり、使用時間が長くなると色ズレが発生する欠点がある。特にRed蛍光体の寿命特性が他色に比べよいために、使用するにしたがって、発光色度は赤色方向に色ズレを起こす問題が発生する。
【0007】
本発明は、さらにこの欠点を解決することを目的に開発されたものである。本発明の重要な目的は、色再現範囲を広くできることに加えて、色ズレを極めて少なくできるFED用のモノクロ蛍光体を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明のFED用のモノクロ蛍光体は、組成の一般式を下記の式とし、組成にTb,Ceを含むと共に、Eu,Sm,Prの内少なくともいずれかの元素が含まれる。
(Y1-p-q-r-s-t,Tbp,Ceq,Eur,Sms,Prt)2SiaO5-2a
この一般式において、Tbは緑色の発光に関係し、これが増加すると発光色の緑色が増加する。Tb量を示すqは、好ましくは0.001≦p≦0.20、より好ましくは0.01≦p≦0.04とする。pが0.001より小さいと、蛍光体としての発光特性が低下する。反対にpが0.20より多いと濃度消光を起こして輝度が悪くなる。
Ceは青色の発光に関係し、これが増加すると発光色の青色が増加する。Ce量を示すqは、好ましくは0.0005≦q≦0.05とする。この値はより好ましくは0.001≦q≦0.02とする。qが0.0005より少ないと発光特性が低下し、0.05より多いと濃度消光を起こして輝度が悪くなる。
Euは赤色の発光に関係し、これが増加すると発光色の赤色が増加する。Eu量を示すrは、好ましくは0≦r≦0.20とする。より好ましくは0≦r≦0.02とする。この値が0.20より多いと濃度消光を起こして輝度が悪くなる。
Smは赤色の発光に関係し、これが増加すると発光色の赤色が増加する。Sm量を示すsは、好ましくは0≦s≦0.15とする。より好ましくは0≦s≦0.02とする。この値が0.15より多いと濃度消光を起こして輝度が悪くなる。
Prは黄色の発光に関係し、これが増加すると発光色の黄色が増加する。Pr量を示すtは、好ましくは0≦t≦0.05とする。より好ましくは0≦t≦0.02とする。tの値が0.05より多いと濃度消光を起こして輝度が悪くなる。
Siは、主たる付加剤がCeであるとき、aが増加すると発光色の青色が増加する。Si量を示すaは、好ましくは0.5≦a≦1.0とする。この値が0.5より少ないと輝度特性が低下する。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施例に基づいて説明する。ただし、以下に示す実施例は、本発明の技術思想を具体化するためのFED用のモノクロ蛍光体を例示するものであって、本発明はモノクロ蛍光体を下記のものに特定しない。
【0010】
【実施例】
[実施例1]
(1) 下記の原料を用意する。
・下記の組成の共沈酸化物…………100g
・微小シリカ(SiO2)…………25.9g
【0011】
共沈酸化物である(Y0.950,Tb0.02,Ce0.010,Eu0.02)2O3は以下の工程で製作する。
(1) Y2O3107.3gと、Tb4O73.7gと、CeO21.7gと、Eu2O33.5gをHNO3水溶液に溶解する。
(2) (1)の液を撹拌しながら、シュウ酸500gを溶解した水溶液を入れる。できた沈殿物をヌッチェして、水洗、分離する。
(3) (2)でできたシュウ酸塩を石英のルツボに入れて、蓋をして900℃で15時間焼成する。冷却後ルツボから取り出して共沈酸化物とする。
【0012】
(2) 共沈酸化物と微小シリカ(SiO2)とエタノール200mlとアルミボール200gとを一緒に磁性ポットに入れて2時間ミリングする。
(3) 磁性ポットから取り出した原料をバットに移し、105℃に加熱して乾燥させる。この工程で125gの混合原料が得られる。
(4) 混合原料を、アルミナ製ルツボに入れる。ルツボにふたをして1500℃で3時間焼成する。
(5) ルツボに入れて冷却した後、ルツボから取り出した焼成品と、200gのビーズと、400mlの水をポリ瓶に入れ、ポリ瓶を回転して焼成品を粉砕する。その後、ポリ瓶から取り出し、ナイロン200メッシュのフルイを通して、大きな粒子の蛍光体を除く。その後、デカントして乾燥し、さらにフルイを通して、下記の組成の蛍光体とする。
(Y0.95,Tb0.02,Ce0.01,Eu0.02)2SiO5を得た。
【0013】
[実施例2〜10]
実施例1と同様に蛍光体原料を目的の組成の化学両論比で混合し、同様に合成し、表1に示す組成の蛍光体に仕上げた。
【0014】
[比較例1]
緑色発光蛍光体としてY2SiO5:Tbを25.0%、青色発光蛍光体としてY2SiO5:Ceを53.0%、赤色発光蛍光体としてY203:Euを19.0%を混合して比較例のFED用のモノクロ蛍光体とする。
【0015】
【表1】
【0016】
この表の測定条件は、蛍光体を励起する電子線の加速電圧を3kV、電流密度を1.5mA/cm2とし、FED実球での測定値を示す。
実施例1〜4と比較例1の色度x、yと初期色度値と同条件で電子線を1000時間後の色度値の差を△xと△yで表した。
【0017】
△xと△yの値が小さいほど、色ズレに対して優れているといえる。
表1から明らかなように、実施例で得られた本発明の蛍光体は、比較例に比べて色ズレに対して良好な結果になっている。
【0018】
【発明の効果】
本発明のFED用のモノクロ蛍光体は、組成式におけるTb、Ce、Euの量を調整して色再現範囲を著しく広くできる。表1に示す本発明の実施例の蛍光体は、色度図におけるx値を0.180〜0.640とし、y値を0.170〜0.580としている。この範囲には青色、白色、赤色、緑色が含まれ、本発明の蛍光体が極めて広い発光色にできることを示している。さらに、本発明の蛍光体は、1000時間点灯後における色ズレを示すΔxとΔyが1〜2と極めて小さい。この値は、従来の蛍光体のΔxとΔyの5〜10に比較して著しく小さく、発光色の変化が極めて少ないことを示す。したがって、本発明のモノクロ蛍光体は、FED用として理想的な発光特性を示す特長がある。
Claims (3)
- 組成の一般式が次の式で示され、組成にTb,Ceを含むと共に、Eu,Sm,Prの内少なくともいずれかの元素が含まれることを特徴とするFED用のモノクロ蛍光体。
(Y1-p-q-r-s-t,Tbp,Ceq,Eur,Sms,Prt)2SiaO3+2a
0.001≦p≦0.20
0.0005≦q≦0.05
0≦r≦0.20
0≦s≦0.15
0≦t≦0.05
0.5≦a≦1.0 - 組成式におけるpの値が以下の範囲にある請求項1に記載されるFED用のモノクロ蛍光体。
0.01≦p≦0.04 - 組成式におけるqの値が以下の範囲にある請求項1に記載されるFED用のモノクロ蛍光体。
0.001≦q≦0.02
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