JP2004203980A - 紫外線励起蛍光体およびそれを用いた放電発光素子 - Google Patents

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Abstract

【課題】真空紫外線励起下において発光効率を効果的に高めることが可能であり、プラズマディスプレイなどの発光装置の蛍光体層として使用した場合に、発光効率(発光輝度)を向上させることができる紫外線励起蛍光体およびそれを用いた放電発光素子等を提供する。
【解決手段】紫外線を照射することにより発光する紫外線励起蛍光体であり、一般式(Y1−x−y−z−αGdEuGaα)BO(但し、MはAlおよびInの少なくとも1種であり、x,y,z,αは原子比でそれぞれ0.10≦x≦0.90、0.01≦y≦0.20、0<z≦0.01、0≦α≦0.01を満足する)で表わされる組成を有する硼酸塩から成ることを特徴とする紫外線励起蛍光体である。またM成分がAlであることがより好ましい。
【選択図】 なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は紫外線励起蛍光体およびそれを用いたプラズマディスプレイパネルなどの放電発光素子に係り、特に真空紫外励起下において発光効率(発光輝度)を大幅に高めることが可能であり、プラズマディスプレイなどの放電発光素子の蛍光体層として使用した場合に、発光輝度を大幅に改善できる紫外線励起蛍光体およびそれを用いた放電発光素子に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年のデジタルネットワークが急速に進展し、マルチメディア時代の到来に伴って、ネットワークのコア機器となる表示装置(ディスプレイ)には、より大画面を有し、高精細な画面を提供できるとともに、コンピュータ等の多様なソースに対応できる機能が要求されている。その表示装置の中でも、プラズマディスプレイパネル(以下“PDP”と略記する)は、様々な画像情報を緻密で高精彩に映し出すことが可能であり、大画面で薄型に構成できるデジタル発光デバイスとして期待されている。
【0003】
特に、従来の大型で高重量のブラウン管(CRT)に代わるテレビ受像機としてプラズマディスプレイパネル(PDP)は商品化の段階を抑え、広く普及しつつある。PDPは、その構造上の特徴から従来のブラウン管型のCRTと比較して薄型化および軽量化が容易であることから、大画面で、さらに薄型化が要求される壁掛けテレビを構成するための受像機として脚光を浴びている。
【0004】
図1はプラズマディスプレイパネルの赤色発光素子部の構造を模式的に示す断面図である。すなわちプラズマディスプレイパネル1は、ガラスなどのように透光性を有する前面側基板2と背面側基板3とを所定の放電空間10を有するように対向配置した構造を有し、放電空間10の平面方向にBGRの三原色に相当する青色発光素子部、緑色発光素子部および赤色発光素子部4が表示素子(表示セル)として平面上に多数マトリックス状に列設されている。
【0005】
この中で赤色発光素子部4を例に採って説明すると、上記前面側基板2の内面には蛍光体粒子を含有する赤色蛍光体層5が形成される一方、上記背面側基板3の内表面にはストライプ状の陽電極6および陰電極7が多数配置されている。放電空間10の高さは0.1mm程度に設定され、放電した際に蛍光体層5を励起させる紫外線を発生させるために、上記放電空間10にはヘリウム(He)ガスもしくはネオン(Ne)ガスと数vol.%のキセノン(Xe)ガスとから成る希ガスの混合ガス11が封入されている。
【0006】
上記構成のプラズマディスプレイパネル1において、電極6,7の放電空間10で混合ガス11のキセノン等の希ガス放電によりに共鳴して放射された波長147nmや172nmの真空紫外線(VUV)を励起源として蛍光体層5が励起される結果、可視光が放射され所定の画像が表示される。そして赤色、緑色、青色にそれぞれ発光する蛍光体を各表示セルに塗り分けることによりフルカラー表示が可能なフルカラーPDPが実用化されている。
【0007】
上記プラズマディスプレイパネル(PDP)については、従来から画質の向上が最大の課題となっており、画面の明るさを表す輝度と白黒の明るさの比であるコントラスト比とを両立させることを目的にして精力的な改善が進められている。しかしながら、現時点でブラウン管などのCRTに相当する画質には未だ到達しておらず、PDPの構造および使用材料については、さらに改良を加える余地が大きい。
【0008】
一方、車載用液晶ディスプレイのバックライト用蛍光ランプとしては、従来、蛍光体層の励起源として水銀をガラス管内に封入した水銀(Hg)放電ランプが広く普及していたが、水銀の人体に対する安全性や環境に対する影響が高く意識されるに伴って、励起源として水銀からキセノン(Xe)などの希ガスを封入した希ガス放電ランプへの移行転換が進められている。
【0009】
上記PDPや希ガス放電ランプに共通していることは、蛍光体の励起源が従来のような電子線やHgから発せられる波長254nmの紫外線を可視光に変換するのではなく、従来使用されていない波長147nmの真空紫外線(VUV)を可視光に変換することを基本原理としている点である。このような励起源の違いから、蛍光ランプ用の蛍光体が必ずしもPDP用の蛍光体として特性が優れるとは限らない。しかしながら、波長147nmの紫外線を可視光に変換する蛍光体の用途がPDP以外に存在しないために、真空紫外領域での蛍光体の研究例は少なく、特性が優れた新規なPDP用蛍光体の開発が遅れている現状である。
【0010】
そのため、現在、プラズマディスプレイパネル(PDP)用および希ガス放電ランプ用の発光材料としては、一般的に既知の蛍光ランプ用の各種蛍光体の中から経験的に発光特性が優れた蛍光体およびその改良品を選択して使用しているのが現状である。
【0011】
従来のフルカラープラズマディスプレイパネル(PDP)において使用される蛍光体としては、赤色蛍光体としてユーロピウム付活イットリウムガドリニウムボレートが用いられ、青色蛍光体としてユーロピウム付活バリウムマグネシウムアルミネートが用いられ、緑色蛍光体としてマンガン付活珪酸亜鉛などが一般的に使用されている。具体的には赤色、緑色、青色発光蛍光体として、それぞれ(Y,Gd)BO:Eu,ZnSiO:Mn,BaMgAl1017:Eu等の蛍光体が広く使用されており、希ガス放電ランプにおいては、これら蛍光体を混合したものが使用されている。また、緑色発光蛍光体としては、他にBaAl1219:Eu,MnやBaMgAl1017:Mnが高輝度な蛍光体として知られている。
【0012】
また、紫外線励起により高輝度で色純度に優れた赤色光を発する蛍光体として、硼酸を母体とし、発光成分として3値のユーロピウム(Eu+3)および他の陽イオン成分として少なくともAlおよびGdを含有する紫外線励起蛍光体も提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0013】
【特許文献1】
特開2000−290648号公報(要約部、請求項1)
【0014】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来の蛍光体は発光高率や寿命特性の点で未だ不十分であり、PDPの画質向上の観点から発光効率の向上は重要な課題となっている。特に上述のように真空紫外線を照射することにより発光する蛍光体において、発光効率の向上の要求が一段と高まってきている。何故ならばこれらの蛍光体を使用する表示素子は情報化社会を高度に進展させる上で、画質等の表示品位を高めることが大きな技術課題となっているからである。
【0015】
なお、前記のようなフルカラーPDPや希ガス(Xe)放電ランプなどの放電発光素子においても、特に高輝度の発光デバイスを実現するためには、赤,緑,青の単色での発光効率をそれぞれ向上させることが必要不可欠である。その中でも、特に視感度が高い緑色蛍光体や赤色発光蛍光体の発光効率を向上させることは、カラー画像を表示するPDPの白色輝度を向上させるためにも重要な技術的課題と考えられる。
【0016】
しかしながら、PDPやXe蛍光ランプなどの紫外発光装置には、上記のような従来の蛍光体を使用せざるを得ないのが現状であり、より発光強度を高めるためには、真空紫外線励起により十分な発光輝度を与える紫外線励起蛍光体を実現することは、より高特性の発光デバイスを実現する上で重要な技術的課題になっている。
【0017】
本発明は上記課題を解決するためになされたものであり、特に真空紫外線励起下において発光輝度を効果的に高めることが可能であり、プラズマディスプレイなどの発光装置の蛍光体層として使用した場合に、発光効率(発光輝度)を向上させることができ、また色度特性の経時劣化が少ない真空紫外線励起蛍光体およびそれを用いた発光装置を提供することを目的とする。
【0018】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本願発明者らは、種々の元素および化合物を配合して各種組成を有する蛍光体を調製し、さらにそれらの蛍光体組成物を使用して蛍光体層を形成したPDPやXe放電ランプ等の発光デバイスを組み立て、添加した元素の種類や添加量が蛍光体および発光デバイスの発光効率や劣化特性に及ぼす影響を実験により比較評価した。
【0019】
その結果、特に従来の赤色発光蛍光体の1種である(Y1−x−yGdEu)BO蛍光体に所定量のガリウム(Ga)元素を新たにドープした時に、蛍光体の発光効率を大幅に高めることができた。すなわち、ユーロピウム付活イットリウムがドリニウム硼酸塩蛍光体に(Ga)を所定量添加した蛍光体であり、一般式(Y1−x−y−z−αGdEuGaα)BOで表わされるユーロピウム付活イットリウムガドリニウム硼酸塩から成る紫外線励起蛍光体を合成し、この蛍光体に波長200nm以下の真空紫外線を照射したときに、緑色発光域に強い発光ピークが得られ、この紫外蛍光体を使用して蛍光体層を形成した発光デバイスの発光強度が大幅に増大することが判明した。本発明は上記知見に基づいて完成されたものである。
【0020】
すなわち、本発明に係る紫外線励起蛍光体は、紫外線を照射することにより発光する紫外線励起蛍光体であり、一般式(Y1−x−y−z−αGdEuGaα)BO(但し、MはAlおよびInの少なくとも1種であり、x,y,z,αは原子比でそれぞれ0.10≦x≦0.90、0.01≦y≦0.20、0<z≦0.01、0≦α≦0.01を満足する)で表わされる組成を有する硼酸塩から成ることを特徴とする。
【0021】
さらに本発明に係る放電発光素子は、一般式(Y1−x−y−z−αGdEuGaα)BO(但し、MはAlおよびInの少なくとも1種であり、x,y,z,αは原子比でそれぞれ0.10≦x≦0.90、0.01≦y≦0.20、0<z≦0.01、0≦α≦0.01を満足する)で表わされる組成を有する硼酸塩から成る紫外線励起蛍光体を含有する蛍光体層を具備したことを特徴とする。
【0022】
また本発明に係るプラズマディスプレイパネルは、赤色発光蛍光体層を形成した赤色発光素子部を備えるプラズマディスプレイパネルにおいて、上記赤色発光蛍光体層が一般式(Y1−x−y−z−αGdEuGaα)BO(但し、MはAlおよびInの少なくとも1種であり、x,y,z,αは原子比でそれぞれ0.10≦x≦0.90、0.01≦y≦0.20、0<z≦0.01、0≦α≦0.01を満足する)で表わされる組成を有する硼酸塩から成る紫外線励起蛍光体を含有することを特徴とする。
【0023】
また、上記紫外線励起蛍光体、放電発光素子またはプラズマディスプレイパネルにおいて、前記M成分がAlであることが好ましい。
【0024】
さらに、上記紫外線励起蛍光体、放電発光素子またはプラズマディスプレイパネルにおいて、前記原子比x,yがそれぞれ0.20≦x≦0.60、0.03≦y≦0.15を満足することが好ましい。また前記原子比zが0.003≦z≦0.007を満足することがより好ましい。
【0025】
ここで本発明に係る紫外線励起蛍光体を構成するガドリニウム(Ga)は、蛍光体中に固溶させることにより、赤色発光領域における発光効率を高める付活剤として作用するとともに色純度を高める作用を発揮するものであり、Yに対する組成比率xが、0.10以上0.90以下となる範囲で添加含有される。上記組成比率xが、0.10未満では発光効率の改善効果が不十分となる一方、0.90を超えると輝度が低下しやすくなる。特に高い発光強度を得るためには、xの値は0.20〜0.60の範囲であることが、より好ましい。さらに好ましくは、0.30〜0.50の範囲である。
【0026】
また、ユーロピウム(Eu)は、蛍光体の赤色発光の付活剤として必須の成分であり、Yに対する組成比率yが、0.01以上0.20以下となる範囲で添加含有される。上記組成比率yが、0.01未満では発光効率の改善効果が不十分となる一方、0.20を超えると輝度が低下しやすくなる。特に高い発光強度を得るためには、yの値は0.03〜0.15の範囲であることが、より好ましい。
【0027】
さらに、ガリウム(Ga)も赤色発光領域における発光効率を高める作用を発揮する必須成分であり、Yに対する組成比率zが、0を超え0.01以下となる範囲で添加含有される。上記組成比率zが、0.01を超えると輝度が低下しやすくなる。特に高い発光強度を得るためには、zの値は0.003〜0.007の範囲であることが、より好ましい。
【0028】
また、アルミニウム(Al)およびインジウム(In)から選択される少なくとも1種のM成分は、赤色発光領域における発光効率を高める作用とともに色純度を高める作用を発揮するものであり、Yに対する組成比率αが、0.01以下の範囲で添加含有される。上記組成比率αが、0.01を超えると輝度が低下し易くなるとともに、色度値が赤色からシフトし易く好ましくない。
【0029】
本発明に係る紫外線励起蛍光体の製造方法(合成方法)は、特に限定されるものではなく、下記のような各種蛍光体原料を、所定成分比率となるように配合して製造される。すなわち、Y,Gd,Eu,Ga,M成分の単体元素またはそれらの酸化物、炭酸塩、硝酸塩などの化合物もしくは熱処理することにより容易にこれらの元素を生成する化合物を、前記一般式(Y1−x−y−z−αGdEuGaα)BO(但し、MはAlおよびInの少なくとも1種であり、x,y,z,αは原子比でそれぞれ0.10≦x≦0.90、0.01≦y≦0.20、0<z≦0.01、0≦α≦0.01を満足する)となるようにそれぞれ秤量し、さらにフラックスを添加して、これらを十分に混合する。次に得られた混合物を坩堝に充填し、大気中にて温度1000〜1300℃で3〜5時間焼成する。通常、得られた焼成物は凝結しているため、粉砕し、しかる後に、洗浄、分散化、洗浄、乾燥、篩別処理を実施することにより、ユーロピウム付活イットリウムガドリニウム硼酸塩から成る本発明に係る紫外線励起蛍光体が得られる。
【0030】
本発明に係るプラズマディスプレイパネル(PDP)などの放電発光素子に使用される紫外線励起蛍光体は、波長200nm以下の真空紫外線を照射したときに、赤色発光領域において強い発光ピークを有する。したがって、本発明の紫外線励起蛍光体を使用して形成した蛍光体層を有する発光装置では、真空紫外線を照射したときに紫外線発光強度を大幅に改善することができる。
【0031】
【発明の実施の形態】
次に本発明の実施形態について、以下の実施例および評価結果を参照して、より具体的に説明する。
【0032】
実施例1
酸化イットリウム(Y)粉末を0.35モルと、酸化ガドリニウム(Gd)粉末を0.10モルと、酸化ユーロピウム(Eu)粉末を0.0475モルと、酸化ガリウム(Ga)粉末を0.0025モルと、硼酸(HBO)を1モルとを秤量し、十分に混合した後に、温度1000℃の大気中にて3時間焼成することにより蛍光体焼成物を調製した。得られた焼成物を沸騰水にて十分に洗浄した後に、濾過乾燥して実施例1に係る紫外線励起蛍光体を得た。
【0033】
得られた蛍光体に波長147nmの真空紫外線を照射して発光効率(発光輝度)を測定したところ、後述する比較例1に示す従来の蛍光体である(Y0.55Gd0.40Eu0.05)BOに対して110%の発光効率が得られ、大幅な改善が認められた。
【0034】
さらに、この実施例1の蛍光体を発光層に使用してPDPやXe放電ランプなどの放電発光デバイスを作製し、これらのデバイス点灯時における発光効率を測定したところ、比較例1に示す従来の蛍光体を基準にして相対発光効率は、108から109%と改善された発光輝度が得られた。また、発光色度の変化は少なかった。
【0035】
実施例2〜21
蛍光体原料として酸化イットリウム(Y)粉末と,酸化ガドリニウム(Gd)粉末と,酸化ユーロピウム(Eu)粉末と、酸化ガリウム(Ga)粉末と,硼酸(HBO)と,M成分(Al,In)源としての酸化アルミニウム(Al)粉末と,酸化インジウム(In)粉末とを用意した。
【0036】
次に表1に示す組成となるように上記蛍光体原料粉末を所定量づつ秤量して混合し、得られた各原料混合体を坩堝に充填し、大気中にて温度1000℃で3時間焼成することにより各種の蛍光体焼成物を調製した。得られた各焼成物を粉砕した後に、さらに水洗、粉砕、乾燥、篩別処理を実施することにより、表1に示す各種組成を有する各実施例に係るユーロピウム付活希土類硼酸塩蛍光体を調製した。
【0037】
比較例1〜4
付活成分としての酸化ガリウムを添加していない点(比較例1)、付活成分としてのGaの添加量が表1に示すように0.02と過大にした点(比較例2)、M成分としてのAlを0.02と過量に添加した点(比較例3)およびM成分としてのInを0.03と過量に添加した点(比較例4)点以外は、実施例1〜21と同一条件で混合、焼成等の処理を実施することにより、表1に示す組成を有する各比較例1〜4に係る各紫外線励起蛍光体を調製した。
【0038】
上記のように調製した各実施例2〜21および比較例1〜4に係る紫外線励起蛍光体について、実施例1と同様に波長147nmの真空紫外線(VUV)を照射し、粉体としての発光効率(発光輝度)を測定した。その測定結果を下記表1に示す。
【0039】
なお、上記発光効率は、付活成分としての酸化ガリウムを添加していない比較例1の(Y0.55Gd0.40Eu0.05)BO蛍光体の発光効率を基準値(100%)として相対発光効率として示している。各実施例についても同様である。
【0040】
【表1】
Figure 2004203980
【0041】
上記表1に示す結果から明らかなように、各実施例に係る紫外線励起蛍光体においては、付活成分として所定量のガリウムを含有しているため、色度特性を損なうことなく、真空紫外線励起による蛍光体の発光効率(発光輝度)を効果的に高めることが可能であり、103〜112%と改善された発光効率が得られており、発光特性が優れた発光デバイスが得られることが判明した。
【0042】
特に、ガリウムの添加量を示すzの原子比が0.003〜0.007の範囲にある実施例1〜19においては、ガリウムを添加していない比較例1と比較して、優れた相対発光効率が得られている。
【0043】
一方、付活成分としてのガリウムを添加していない比較例1に係る蛍光体およびガリウムの添加量が過少である比較例4に係る蛍光体においては、発光効率の改善効果が不十分であることが判明した。また、M成分としてのAlを過量に添加した比較例3およびM成分としてのInを過量に添加した比較例4においては、いずれも充分な発光効率が得られていない。
【0044】
また各実施例に係る紫外線励起蛍光体を含有させた発光層に使用してPDPやXe放電ランプなどの発光デバイスを作製し、これらのデバイス点灯時における発光輝度および発光色度の変化を測定したところ、一部の実施例において0.5〜1%程度の発光効率の低下や色度座標値が若干変化して色度特性が低下する傾向も観察されたが、その範囲であれば、PDPなどの発光デバイスにおいて、実用上支障のない範囲であることが確認された。
【0045】
【発明の効果】
以上説明の通り、本発明に係る紫外線励起蛍光体においては、付活成分として所定量のガリウムを含有しているため、従来の蛍光体と比較して色度特性を損なうことなく、真空紫外線励起による蛍光体の発光効率(輝度)を効果的に高めることが可能であり、発光特性が優れた発光デバイスが得られることが判明した。
【0046】
また本発明に係るプラズマディスプレイパネル(PDP)などの放電発光装置に使用される紫外線励起蛍光体は、波長200nm以下の真空紫外線を照射したときに、赤色発光領域において強い発光ピークを有する。したがって、本発明の紫外線励起蛍光体を使用して形成した蛍光体層を有する放電発光装置では、真空紫外線を照射したときに紫外線発光強度を大幅に改善することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】プラズマディスプレイパネル(PDP)の赤色発光素子部の構造を模式的に示す断面図。
【符号の説明】
1 プラズマディスプレイパネル(PDP)
2 前面側基板
3 背面側基板
4 赤色発光素子部
5 赤色蛍光体層
6 陽電極
7 陰電極
10 放電空間
11 混合ガス

Claims (6)

  1. 紫外線を照射することにより発光する紫外線励起蛍光体であり、一般式(Y1−x−y−z−αGdEuGaα)BO(但し、MはAlおよびInの少なくとも1種であり、x,y,z,αは原子比でそれぞれ0.10≦x≦0.90、0.01≦y≦0.20、0<z≦0.01、0≦α≦0.01を満足する)で表わされる組成を有する硼酸塩から成ることを特徴とする紫外線励起蛍光体。
  2. 請求項1記載の紫外線励起蛍光体において、前記M成分がAlであることを特徴とする紫外線励起蛍光体。
  3. 請求項1記載の紫外線励起蛍光体において、前記原子比x,yがそれぞれ0.20≦x≦0.60、0.03≦y≦0.15を満足することを特徴とする紫外線励起蛍光体。
  4. 請求項1記載の紫外線励起蛍光体において、前記原子比zが0.003≦z≦0.007を満足することを特徴とする紫外線励起蛍光体。
  5. 一般式(Y1−x−y−z−αGdEuGaα)BO(但し、MはAlおよびInの少なくとも1種であり、x,y,z,αは原子比でそれぞれ0.10≦x≦0.90、0.01≦y≦0.20、0<z≦0.01、0≦α≦0.01を満足する)で表わされる組成を有する硼酸塩から成る紫外線励起蛍光体を含有する蛍光体層を具備したことを特徴とする放電発光素子。
  6. 赤色発光蛍光体層を形成した赤色発光素子部を備えるプラズマディスプレイパネルにおいて、上記赤色発光蛍光体層が一般式(Y1−x−y−z−αGdEuGaα)BO(但し、MはAlおよびInの少なくとも1種であり、x,y,z,αは原子比でそれぞれ0.10≦x≦0.90、0.01≦y≦0.20、0<z≦0.01、0≦α≦0.01を満足する)で表わされる組成を有する硼酸塩から成る紫外線励起蛍光体を含有することを特徴とするプラズマディスプレイパネル。
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